JP3079769U - 縦葺き金属屋根板 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本考案は、板状部の雪滑りが良く、しかも接
合部の圧着接合作業を一台の締機できわめて容易に行
い、屋根葺成作業を確実、かつ迅速に行うことができる
縦葺き金属屋根板を提供する。 【解決手段】 縦葺き金属屋根板の一側に所要高さの垂
直部および前記垂直部の上端を所要角度からなる下向き
傾斜掛合用折曲片および前記下向き傾斜掛合用折曲片の
先端部を第１、第２のアール部により下向き傾斜掛合用
折曲片および上向き掛合用折曲片を連続形成した断面略
逆Ｌ字状の掛合部を立設し、前記掛合部から所定距離離
れた他側の位置に、他の縦葺き金属屋根板の一側の断面
略逆Ｌ字状の掛合部が掛合される断面略逆Ｌ字状の被掛
合部を立設するとともに、前記掛合、被掛合部間の板状
部に所要数の補強兼雪滑り用連続波状部を設け、さらに
前記被掛合部における垂直部端部の下向き傾斜掛合用折
曲片の先端部を折り返して二重面とし、かつ前記二重面
を前記略逆Ｌ字状に折曲形成した前記被掛合部の垂直部
に重合状態となし、さらに前記垂直部の下端を外方に水
平に折曲し水平取付部としたことを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、雪滑りが良く、しかも１台の締付機により縦葺き金属屋根板の掛合 、被掛合部の締付けを容易かつ確実に行うことができるきわめて施工性の良い縦 葺き金属屋根板に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、長尺の金属屋根板としては、例えば特開昭６３−２２３２５３号、実公 昭５７−４１２９５号、実開平４−７９１１４号、実公平６−１３３０５号に示 すようなものが公知であった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、上記従来技術の場合は、いずれも金属屋根板の軒側、棟側に立設さ れた断面略逆Ｌ字状の掛合、被掛合部の上面が単なる水平面板状からなるもので あるため、互いに掛合用折曲片を掛合して一体に巻締めを行う際に、強力な巻締 力を必要とし、巻締め作業を容易に行うことができなかったとともに複数の締機 を必要とする等の問題点があった。 また、掛合、被掛合部間の板状部に補強兼雪滑り用連続波状部がないので板状 部の補強を計るとともに雪の滑落を容易に行うことができないという問題点があ った。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記問題点を解決することを目的とし、縦葺き金属屋根板の一側に 所要高さの垂直部および前記垂直部の上端を所要角度からなる下向き傾斜掛合用 折曲片および前記下向き傾斜掛合用折曲片の先端部を第１、第２のアール部によ り下向き傾斜掛合用折曲片および上向き掛合用折曲片を連続形成した断面略逆Ｌ 字状の掛合部を立設し、前記掛合部から所定距離離れた他側の位置に、他の縦葺 き金属屋根板の一側の断面略逆Ｌ字状の掛合部が掛合される断面略逆Ｌ字状の被 掛合部を立設するとともに、前記掛合、被掛合部間の板状部に所要数の補強兼雪 滑り用連続波状部を設け、さらに前記被掛合部における垂直部端部の下向き傾斜 掛合用折曲片の先端部を折り返して二重面とし、かつ前記二重面を前記略逆Ｌ字 状に折曲形成した前記被掛合部の垂直部に重合状態となし、さらに前記垂直部の 下端を外方に水平に折曲し水平取付部としたことを特徴とする。

【０００５】 また、本考案は、前記被掛合部における水平部の端部を折返して折返し片部と したことを特徴とする。

【０００６】

【考案の実施の形態】

以下、本考案の具体的形態について図面を参照して詳細に説明する。 図１は、本考案に係る縦葺き金属屋根板の好適な一実施例を示す側面図であり 、図２は、同掛合、被掛合部の拡大断面図、図３は、同掛合状態を示す一部拡大 断面図、図４は、斜視図である。

【０００７】 これら図１乃至図４において、１は例えばトタンやチタン等からなる縦葺き長 尺金属屋根板であり、例えば表面には塗料がコーティングされている。２は縦葺 き金属屋根板１の一側に立設した掛合部である。この掛合部２は前記縦葺き金属 屋根板１の一側端１ａに垂直部２ａが折曲形成され、この垂直部２ａの上端外方 に所要角度からなる下向き傾斜掛合用折曲片２ｂおよび前記下向き傾斜掛合用折 曲片２ｂの先端部を第１のアール部２ｃ、第２のアール部２ｃ′により下向き傾 斜掛合用折曲片２ｄと上向き掛合用折曲片２ｅが形成され、掛合部２全体が断面 略逆Ｌ字状に形成されている。

【０００８】 ３は前記掛合部２から所定距離離れた前記縦葺き金属屋根板１の他側の位置に 立設した他の金属縦葺き屋根板の掛合部２の掛合用折曲片部２ｂが掛合され、巻 締めで圧着接合される被掛合部である。この被掛合部３は縦葺き金属屋根板１の 他側端１ｂに垂直部３ａが連続折曲形成され、この垂直部３ａの上端内方に前記 一側の掛合部２の下向き傾斜掛合用折曲片２ｂに掛合可能な所要角度からなる下 向き傾斜掛合用折曲片３ｂが形成されるとともに、前記下向き傾斜掛合用折曲片 ３ｂの先端部３ｂ′を折返して二重面部３ｃとし、かつ前記二重面部３ｃを前記 垂直部３ａに沿う垂直部３ｄからなる断面略逆Ｌ字状に折曲形成し、さらに前記 垂直部３ｄの下端を外方に水平折曲して、水平取付部３ｅが連続折曲形成されて いる。 ４は前記掛合部２、被掛合部３間の板状部４ａに形成された所要数の補強兼雪 滑り用連続波状部であって、前記板状部４ａの強度を高めると同時に，該板状部 ４ａにおける雪滑りを良好にするものである。３ｆは前記水平取付部３ｅの端縁 に設けられた折返し片部である。 ５は防水テープ、６は鋲または釘等の止着具材、７は屋根基材等である。なお 図示してないが、水平取付部３ｅの任意所定位置に止着具材６の止着を容易にす るための凹部または溝を設けることも任意である。

【０００９】 次に、本考案に係る縦葺き金属屋根板を屋根基材等７に取り付け、屋根を縦葺 き施工する場合について説明する。 まず図３に示すように、一方の縦葺き金属屋根板に形成されている被掛合部３ の水平取付部３ｅを屋根基材等７に鋲または釘などの止着具材６によって取り付 け固定する。 次に、他方の縦葺き金属屋根板に形成されている掛合部２の掛合用折曲片２ｂ を、前記屋根基材等７に固定されている一方の縦葺き金属屋根板の被掛合部３の 二重面部３ｃに掛合させ、防水テープ５等を介在せしめ、この状態で掛合用折曲 片２ｂを二重面部３ｃに圧着させることによって、この掛合用折曲片２ｂと前記 二重面部３ｃとは、図３示のように一体的に確実に圧着接合される。 なお、この場合、前記掛合部２および被掛合部３の各垂直部２ａ，３ａ，３ｄ は相互に一体に重合されている。

【００１０】 さらに、上記のように施工された前記他方の縦葺き金属屋根板の被掛合部３の 水平取付部３ｅを、屋根基材等７に止着具材６によって取り付け固定する。 以下、上述と同様にして本考案に係る縦葺き金属屋根板を使用して順次屋根を 縦葺きして行くものである。

【００１１】

【考案の効果】

本考案によれば、縦葺き金属屋根板の一側に所要高さの垂直部および前記垂直 部の上端を所要角度からなる下向き傾斜掛合用折曲片および前記下向き傾斜掛合 用折曲片の先端部を第１、第２のアール部により下向き傾斜掛合用折曲片および 上向き掛合用折曲片を連続形成した断面略逆Ｌ字状の掛合部を立設し、前記掛合 部から所定距離離れた他側の位置に、他の縦葺き金属屋根板の一側の断面略逆Ｌ 字状の掛合部が掛合される断面略逆Ｌ字状の被掛合部を立設するとともに、前記 掛合、被掛合部間の板状部に所要数の補強兼雪滑り用連続波状部を設け、さらに 前記被掛合部における垂直部端部の下向き傾斜掛合用折曲片の先端部を折り返し て二重面とし、かつ前記二重面を前記略逆Ｌ字状に折曲形成した前記被掛合部の 垂直部に重合状態となし、さらに前記垂直部の下端を外方に水平に折曲し水平取 付部としたものであるから、掛合、被掛合部の掛合を容易に行えることは勿論の こと、特に掛合部における下向き傾斜掛合用折曲片の先端を第１、第２のアール 部によって下向き傾斜掛合用折曲片および上向き掛合用折曲片としたことにより 、接合部の圧着接合作業を一台の締機できわめて容易に行い、屋根葺成作業を確 実、かつ迅速に行うことができるものであるとともに、前記掛合、被掛合部にお ける垂直部の強度を高め得ると同時に該部に一体性をもたせ、上下方向へのずれ 動き、または捩れ等を確実に防止し得るものである。

【００１２】 また、本考案の縦葺き金属屋根板によれば、屋根板の掛合、被掛合部間の板状 部に所要数の補強兼滑り用連続波状部を設けたので、縦葺き金属屋根板全体の強 度を著しく向上することができるとともに雪の滑落を容易に行うこともでき得る 等、種々の効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る縦葺き金属屋根板の好適な一実施
例を示す側面図である。

【図２】同掛合、被掛合部の拡大断面図である。

【図３】本考案に係る縦葺き金属屋根板の掛合、被掛合
部の掛合状態の一例を示す一部拡大断面図である。

【図４】本考案の斜視図である。

【符号の説明】

１ 縦葺き金属屋根板 １ａ 一側端 １ｂ 他側端 ２ 掛合部 ２ａ 垂直部 ２ｂ 下向き傾斜掛合用折曲片 ２ｃ 第１のアール部 ２ｃ′第２のアール部 ２ｄ 下向き傾斜掛合用折曲片 ２ｅ 上向き掛合用折曲片 ３ 被掛合部 ３ａ 垂直部 ３ｂ 下向き傾斜掛合用折曲片 ３ｂ′先端部 ３ｃ 二重面部 ３ｄ 垂直部 ３ｅ 水平取付部 ３ｆ 折返し片部 ４ 補強兼雪滑り用連続波状部 ４ａ 板状部 ５ 防水テープ ６ 止着具材 ７ 屋根基材

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 縦葺き金属屋根板の一側に所要高さの垂
   直部および前記垂直部の上端を所要角度からなる下向き
   傾斜掛合用折曲片および前記下向き傾斜掛合用折曲片の
   先端部を第１、第２のアール部により下向き傾斜掛合用
   折曲片および上向き掛合用折曲片を連続形成した断面略
   逆Ｌ字状の掛合部を立設し、前記掛合部から所定距離離
   れた他側の位置に、他の縦葺き金属屋根板の一側の断面
   略逆Ｌ字状の掛合部が掛合される断面略逆Ｌ字状の被掛
   合部を立設するとともに、前記掛合、被掛合部間の板状
   部に所要数の補強兼雪滑り用連続波状部を設け、さらに
   前記被掛合部における垂直部端部の下向き傾斜掛合用折
   曲片の先端部を折り返して二重面とし、かつ前記二重面
   を前記略逆Ｌ字状に折曲形成した前記被掛合部の垂直部
   に重合状態となし、さらに前記垂直部の下端を外方に水
   平に折曲し水平取付部としたことを特徴とする縦葺き金
   属屋根板。
2. 【請求項２】 請求項１記載の縦葺き金属屋根板におい
   て、前記被掛合部における水平部の端部を折返して折返
   し片部としたことを特徴とする縦葺き金属屋根板。