JP3079739U - 靴形包装容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】お菓子などを詰めるのに適した靴形包装容器
を、発泡スチロールを用いずに形成して、使用後の処理
を容易にするとともに、環境保全に貢献できるようにす
ること。 【解決手段】物品Ｘを収納する収納部９を有して靴の外
観をなす靴形包装容器１であって、足を包む部分に相当
する本体部２を、パルプモールド品を用いて紙で形成し
た靴形包装容器１。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、例えば菓子や玩具などを包装するのに適した包装容器に関し、よ り詳しくは、子どもへのプレゼントを包装するの最適な靴形をなす靴形包装容器 に関する。

【０００２】

【従来の技術】

靴形、特に長靴形をした包装容器は、子どもへのクリスマスプレゼント用の物 品を包装するものとして、よく用いられている。この種の包装容器は、全体とし て長靴形になるよう、足を包む部分に相当する形の本体部と、この本体部の上部 に取付ける筒状の筒状体とで構成されている。

【０００３】 しかし上記本体部は、外観を重視するため、発泡スチロールで形成されてきた 。このため、物品を取り出して不要となった後は燃やすことのできないゴミにし かならず、処分に苦慮することとなった。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

そこでこの考案は、使用後の処分に困ることがないようにすることを主たる課 題とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

そのための手段は、物品を収納する収納部を有して靴の外観をなす靴形包装容 器であって、足を包む部分に相当する本体部を、パルプモールド品を用いて紙で 形成した靴形包装容器であることを特徴とする。

【０００６】 上記足とは、くるぶしより下側のことを指し、本体部の形状は、水平方向に突 き出した形になるが、本体部はパルプモールド品を用いて紙で形成している。つ まり、パルプモールド品に他の紙製の部材を接合したり、パルプモールド品同士 を組合せたりして形成しており、形成後は、着色したりフロック加工したりする 。パルプモールド品には曲面も形成できるので、靴に似せた良好な外観を得るこ とができる。

【０００７】 この靴形包装容器は本体部を紙で形成しているので、使用後は、つぶせば嵩を 低くできるとともに、燃えるゴミとして処分できる。

【０００８】 なお、前記パルプモールド品には、古紙または再生紙からなるものを使用する と、資源の有効利用を図り、環境保全に貢献できる。

【０００９】 また前記本体部の上部に、前記収納部を形成する紙製の筒状体を装着して長靴 形に形成した場合には、子どもに夢を与えるクリスマスプレゼント用の包装容器 が得られる。しかも筒状体も紙製であるので、自然環境を害さない処分が簡単に できる。

【００１０】 また、前記本体部を中空にして、本体部内に前記収納部を形成すると、長靴形 に形成した場合には特に、包装可能な物品の量を増やすことができる。

【００１１】

【考案の実施の形態】

この考案の実施の形態を、以下図面を用いて説明する。

【００１２】 図１は、長靴（ブーツ）の形をした靴形包装容器１（以下、容器という）の斜 視図であり、足を包む部分に相当する本体部２の上部に筒状体３を装着して形成 している。これらはいずれも紙製である。

【００１３】 図２が容器１の断面図であり、本体部２は、底を除く部分を形作る上部材４に 、底部材５を貼り合わせて形成している。上記上部材４は、古紙や再生紙を用い て形成したパルプモールド品である。靴の足を包む部分に相当する形をなすべく 前方へ突出した部分の上面は、斜め上に突き上げるとともに、曲面で丸く形成し て子どもが喜びそうな夢のある形にしている。

【００１４】 上部材４の下端縁には、接合のための糊代である接合縁６を形成し、この接合 縁６に、上記底部材５の外周縁を接着剤により接着して固定する。底部材５の上 面の外周縁部には、上部材４の内周面に内接する壁状の立設片７を形成し、上記 接着が強固に行えるようにしている。本体部２の形成後は、着色したりフロック 加工（接着剤を塗った表面にごく短い繊維（フロック）を固着させる加工法）し たりする。

【００１５】 筒状体３は、下側ほどやや小径となる円筒状で、その下端部を、本体部２の上 端部に形成した嵌合段部８に嵌めて接着して固定するようにしている。本体部２ の上端部は閉じているので、この筒状体３の内側が物品Ｘを収納する収納部９と なる。

【００１６】 この筒状体３と本体部２との接合部には、リボン１０を巻いて装飾するととも に境目を隠す。

【００１７】 筒状体３の上端外周面には、多数の毛が生えた穂のような装飾部材１１を巻き 付けて取付けるとともに、収納部９に収納した物品Ｘを保持するため、ループ状 の紐１２により端が開閉する筒状の網体１３を取付けている。

【００１８】 このように構成した容器１では、網体１３を開いて収納部９に物品Ｘを入れた 後、網体１３の口を閉めて物品Ｘの収納状態を保持して使用する。物品Ｘを取り 出して不要となった後は、本体部２も筒状体３も紙製であるので、分離する必要 もなく紙として容易に処分でき、環境保全に貢献できる。処分に際しては、筒状 体３は勿論のこと本体部２もつぶすことができるので、コンパクトにできゴミの 減量に資する。

【００１９】 なお、本体部２の上端部を図３に示したように開口して、開口部１４を形成し 、本体部２内にも収納部９を形成するもよい。開口部１４は、あらかじめこの形 に成形することによって得るも、成形後に打ち抜いて形成するもよい。このよう にすれば、収納部９の容積を大きくとることができ、収納する菓子等の量を、従 来の発泡スチロール製の容器に比して多くすることができ、物品Ｘを取り出す子 どもを喜ばせることができる。

【００２０】 また、図４に示したように、本体部２はパルプモールド品である上部材４と、 同じくパルプモールド品である底部材５を組合せて形成するもよい。上部材４は 下端を開放した形に形成し、底部材５は、上部材４の下端部に嵌合する嵌合片１ ５を有した形に形成している。底部材５の嵌合片１５の内周面に接着剤を塗布し たのち嵌合すればよい。底部材１５の外周には、図示したように曲面部１６を形 成できる。つまり本体部２の底の外周を丸く形成できるので、柔らかな感じが出 せるとともに、不測に子どもに当たっても痛くなく安全を確保できる。

【００２１】

【考案の効果】

以上のようにこの考案によれば、靴形の中心をなす本体部が紙製であるので、 使用後は燃やすことができ、処分は簡単であるとともに、自然環境の保護に貢献 できる。そのうえ、パルプモールド品を用いて形成しているので、曲面等も得ら れ、靴らしい良好な外観を形成できる。また発泡スチロール製の場合とは異なり 、使用後はつぶしてコンパクトにすることもでき、ゴミの減量も可能となる。

【００２２】 そのうえ、発泡スチロールを用いて本体部を形成した場合には、本体部はほぼ 中実のブロック状にしか形成できず、物品を収納する収納部は実質的に筒状体の 内側だけしかなかったが、この考案の靴形包装容器では、本体部はパルプモール ド品を用いて紙で形成しているので、肉厚を薄くできるとともに中空に形成する こともでき、物品を収納する収納部の容積を大きくすることができる。このため 、筒状体を取付けて長靴形に形成した場合には、筒状体の内側のほか、本体部内 にも収納部を形成でき、この場合には、より多くの物品を収納できるようになり 、物品を取り出す子どもを喜ばせることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 靴形包装容器の斜視図。

【図２】 靴形包装容器の断面図。

【図３】 他の例に係る靴形包装容器の断面図。

【図４】 他の例に係る靴形包装容器の断面図。

【符号の説明】

１…靴形包装容器 ２…本体部 ３…筒状体 ９…収納部 Ｘ…物品

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】物品を収納する収納部を有して靴の外観を
   なす靴形包装容器であって、足を包む部分に相当する本
   体部を、パルプモールド品を用いて紙で形成した靴形包
   装容器。
2. 【請求項２】前記パルプモールド品が、古紙または再生
   紙からなる請求項１に記載の靴形包装容器。
3. 【請求項３】前記本体部の上部に、前記収納部を形成す
   る紙製の筒状体を装着して長靴形にした請求項１または
   請求項２に記載の靴形包装容器。
4. 【請求項４】前記本体部内に、前記収納部を形成した請
   求項１から請求項３のうちのいずれか一項に記載の靴形
   包装容器。