JP3079683B2 - シートペーパー自動供給装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、便座上にシートペーパ
ーを自動的に供給可能なシートペーパー自動供給装置に
関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、公共のトイレには、用便時の衛生
面等を向上させるシートペーパー自動供給装置があり、
この供給便座は、便座本体の後方に設けた機能部ケーシ
ング内に、シートペーパーロールと、同シートペーパー
ロールからシートペーパーを便座本体の上面に繰り出す
ためのシートペーパー繰出機構部と、同シートペーパー
繰出機構部から便座本体上に繰り出されたシートペーパ
ーの後端を切断するシートペーパー切断機構部と、シー
トペーパー繰出機構部とシートペーパー切断機構部とを
制御して、シートペーパーを便座本体上に設定長さ繰り
出すとともに、その後端を切断させるべく駆動する制御
部と、同制御部を操作する操作部とを、一体的に収納配
置した構成に特徴を有する。

【０００３】かかる構成によって、シートペーパーを、
便座本体上に設定長さだけ自動的にかつ正確に繰り出す
ことができ、かつ位置決めすることができる。従って、
公共の場所 (パブリック) における使用において、使用
者は、使用毎にシートペーパーを、シートペーパーに直
接触ることなく、取り出して使用できる、

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記したシー
トペーパー自動供給装置は、未だ、以下の課題を有して
いた。即ち、シートペーパー切れが生じると、この便座
の利点を生かすことができないので、シートペーパーを
切らさないように、シートペーパーロールを使いきる前
に新しいシートペーパーロールとの交換を行っていた。
ところが、この場合、シートペーパーのロスが生じるこ
ととなるために、シートペーパーロールの補充時期の判
断がむずかく、シートペーパーロールの残量を常に監視
する必要が生じ、シートペーパーロールの交換を非常に
煩雑としていた。

【０００５】本発明は、上記課題を解決することができ
るシートペーパー自動供給装置を提供することを目的と
する。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明では、便座本体の
後方部に配設した複数個のシートペーパーロールから、
繰出用駆動部により駆動されるシートペーパー繰出機構
部を介して便器本体に配設した便座本体上に、シートペ
ーパーを自動的に繰り出すシートペーパー自動供給装置
において、シートペーパー繰出機構部を複数個設けると
ともに、該シートペーパー繰出機構部に、繰出用駆動部
を選択的に接続することを特徴とするシートペーパー自
動供給装置を提供するものである。

【０００７】また、本発明は、上記のシートペーパー自
動供給装置において、シートペーパーロールの残量を検
出するロールセンサと、同センサからの信号に基づいて
繰出用駆動部を選択的に接続する制御部とを設けたこと
を特徴としている。また、シートペーパーロールとシー
トペーパー繰出機構部とはそれぞれ相対応して同数配設
されていることにも特徴を有する。

【０００８】

【発明の作用】本発明では、繰出用駆動部によって、一
方のシートペーパー繰出機構部の繰出ローラを作動し
て、繰出ローラと押さえローラとの協働によってシート
ペーパー自動供給装置に配設された一方のシートペーパ
ーロールからからシートペーパーを繰り出し、同ロール
からシートペーパーがなくなると、ロールセンサが検出
して、その検出信号にもとづいて、同繰出用駆動部を他
方のシートペーパー繰出機構部に連動させて、予備とし
た他方のシートペーパーロールから自動的に繰出すもの
である。

【０００９】

【実施例】以下、添付図に示す実施例に基づいて、本発
明を具体的に説明する。

【００１０】図１に本発明に係わるシートペーパー自動
供給装置Ａを具備したトイレ装置Ｂの全体構成を示して
おり、図示するように、シートペーパー自動供給装置Ａ
は、トイレ装置を構成する水洗便器10上に載置されてい
る。

【００１１】図１を参照して、上記シートペーパー自動
供給装置Ａの基本的構成について説明する。図１に示す
ように、シートペーパー自動供給装置Ａは、水洗便器10
上に開閉自在に載置される便座本体11と、水洗便器10の
後部上に固定状態に載置し、前部に、便座本体11の後部
を、機能枢軸13とによって上下方向に回動起立自在に枢
支連結する機能部14とから形成される。

【００１２】また、機能部14は、水洗便器10の後部に取
付けた機能部ケーシング15と、同機能部ケーシング15内
に配設したシートペーパー繰出機構部Ｃ, シートペーパ
ー切断機構部Ｄ, シートペーパーロール収納部Ｅ, 制御
部Ｆ及び操作部Ｇとから形成されている。

【００１３】まず、機能部ケーシング15の構成について
説明すると、同ケーシング15は、その内部にシートペー
パー繰出機構部Ｃやシートペーパー切断機構部Ｄ等を内
蔵する下部ケーシング16と、同下部ケーシング16の上縁
に嵌合連結され、内部にシートペーパーロール収納部Ｅ
を形成する上部ケーシング17とから形成されている。

【００１４】また、下部ケーシング16は、同ケーシング
16の左右側部にそれぞれ軸受ボックスを立設し、右側の
軸受ボックス内に、後述するシートペーパー繰出機能部
Ｃと、シートペーパー切断機能部Ｄの駆動源である繰出
用モータ及び切断用モータを配設している。

【００１５】次に、シートペーパー繰出機構部Ｃについ
て説明すると、下部ケーシング16の左右側軸受ボックス
の後方上部間には、シートペーパー繰出軸18が回転自在
に横架されており、同繰出軸18には、略同長さだけ直径
を異にする繰出ローラ19が一体的に固着されている。そ
して、繰出ローラ19は、その上方に配設した押さえロー
ラ20と協働して、後述するシートペーパーＰの引き出し
端を押圧・挟持して、シートペーパーロール収納部Ｅか
らシートペーパーＰを便座本体11上に繰出し、供給する
ことができる。

【００１６】また、前記の押さえローラ20は、左右の軸
受ボックスの内壁面間に軸架されており、シートペーパ
ーＰを繰り出すのに適当な圧力でシートペーパー繰出ロ
ーラ19に圧接している。従って、繰出用モータを作動さ
せると、シートペーパーロール収納部Ｅから、シートペ
ーパーＰが繰り出され、シートペーパー送出路８を通っ
て便座本体11上に送出さける。

【００１７】次に、シートペーパー切断機構部Ｄの構成
について説明する。シートペーパー切断機構部Ｄは、本
実施例では、下部ケーシング16内に配設し、右側軸受ボ
ックス内に配設した切断用モータと連結した動力伝達軸
21に固着した円板カム22と、枢軸23を介し揺動自在に軸
支され、かつその下面を円板カム22の外周面と係合した
可動プレート24と、同可動プレート24の上方において、
左右の軸受ボックスの内壁面間に架設した枢軸25に揺動
自在に枢支した揺動プレート26とから構成されている。

【００１８】また、27は弾性素材からなるシートペーパ
ー押圧片であり、可動プレート24の上面の後部に設けら
れている。そして、同シートペーパー押圧片27は、揺動
プレート26の前部を形成するシートペーパー押圧片27a
と協働して、シートペーパーＰをクランプするものであ
る。

【００１９】また、揺動プレート26は、その後部に、上
記したシートペーパー押圧片27と一体をなすシートペー
パー切断部28とから形成している。

【００２０】かかる構成によって、切断用モータを駆動
すると、円板カム22が回転して、可動プレート24を枢軸
23を中心として揺動させ、同プレート24と連動した揺動
プレート26の揺動により、シートペーパーＰを押圧切断
することができる。しかも、円板カム22の中心は動力伝
達軸21の軸線から偏心しているので、円板カム22の周面
は異形形状縁のカム軌跡を描き、同周面と当接する可動
プレート24を枢軸23を中心として揺動させることがで
き、また同可動プレート24の揺動に連動して、揺動プレ
ート26も揺動して、シートペーパーＰを、効果的に押圧
・切断することができる。

【００２１】次に、上部ケーシング17内に配設したシー
トペーパーロール収納部Ｅの構成について説明する。即
ち、本発明では、シートペーパー収納部Ｅに、複数個の
シートペーパーロールホルダー29,30,29a,30aを設けて
おり、同シートペーパーロールホルダー29,30,29a,30a
に、シートペーパーロールＲの両端を支持させることに
よって、紙管の周りにシートペーパーＰを多重に巻回し
て形成したシートペーパーロールＲを、シートペーパー
ロール収納部Ｅに収納することができる。しかも、機能
部ケーシング15の上部ケーシング17は、下部ケーシング
16に着脱自在に取付け、シートペーパーロールＲを交換
自在に構成している。

【００２２】さらに、各ホルダー29,30,29a,30a の下方
には、繰出ローラ19,19aと押さえローラ20,20aとよりな
るシートペーパー繰出機構部C1,C2 をそれぞれ設け、し
かも、各繰出機構部C1,C2 の繰出ローラ19,19aに、繰出
用駆動部を選択的に接続して繰出ローラ19を作動させ
て、各シートペーパーロールＲよりシートペーパーＰを
繰り出すようにしている。

【００２３】即ち、本実施例では、シートペーパーホル
ダー29,30,29a,30a を、シートペーパーロール収納部Ｅ
内の前後方向に配設しており、後方のシートペーパーホ
ルダー29a,30a の下方には、同ホルダー29a,30a からシ
ートペーパーＰを繰り出す繰出ローラ19a及び押さえロ
ーラ20a が設けられている。

【００２４】また、繰出用駆動部として、各シートペー
パー繰出機構部C1,C2 の間には、繰出ローラ19,19aと連
動する繰出用駆動部としての駆動ローラ31を設け、同ロ
ーラ31に、繰出ローラ19,19aを連動している。

【００２５】そして、各繰出ローラ19,19aには、駆動ロ
ーラ31が移動可能に配設されて、同ローラ31で各ホルダ
ー29,30,29a,30a のシートペーパーロールＲからシート
ペーパーＰを繰り出すようにしている。また、本実施例
では、駆動ローラ31を正逆転可能として、後方の繰出ロ
ーラ19a に連動した際に、逆回転させるようにしてい
る。なお、32はシートペーパーＰをシートペーパー切断
機構部Ｄに送るガイドを示す。

【００２６】さらに、かかる駆動ローラ31は、その一端
部が繰出用モータに連動連結されており、同モータに移
動用シリンダ等の移動機構を介して移動させて、各繰出
ローラ19,19aに連動可能に構成されている。また、シー
トペーパー収納部Ｅ内には、各ホルダー29,30 のシート
ペーパーロールＲから残量を検出するロールセンサ33を
取付けるとともに、同センサ33からの検出信号によって
駆動ローラ31を作動させる制御部Ｆを接続しており、制
御部Ｆの出力信号によって移動機構を作動させる。

【００２７】次いで、上記シートペーパー繰出機構部Ｃ
及びシートペーパー切断機構部Ｄ、各種センサや検出手
段の作動を制御する制御部Ｆの構成について説明する。
制御部Ｆは、下部ケーシング16の右側前部に配設されて
いる。

【００２８】そして、制御部Ｆは、下部ケーシング16の
右側前部に配設されており、図３に示すように、位置検
出用センサ34や、操作部Ｇに設けたシートペーパー繰出
用押しボタンスイッチ35、着座検出手段36等の制御出力
発生手段、ロールセンサ33と接続した入力インターフェ
ースＩと、シートペーパー繰出機構部Ｃやシートペーパ
ー切断機構部Ｄ、繰出用モータ、移動用シリンダ等と接
続する出力インターフェースＯと、シートペーパー繰出
・クランプ・切断・クランプ解除プログラムを記憶する
メモリＭとからなる。

【００２９】また、図４は本発明の他の実施例を示し、
繰出用モータの出力軸37に、チエン等の連動機構38を介
して繰出用駆動部としての繰出ローラ19を連結するとと
もに、同出力軸37を中心にして、前後方向に回動させ
て、押さえローラ20,20aと協働して、各ホルダー29,30,
29a,30a のシートペーパーロールＲからのシートペーパ
ーＰを繰り出すようにしている。

【００３０】また、図５はシートペーパーロール収納部
Ｅ内に、各ホルダー29,30 を上下方向に配設しており、
繰出用駆動部としての繰出ローラ19を上下方向に移動さ
せて、同ローラ19の回動によって押さえローラ20,20aと
協働して、各シートペーパーロールＲからのシートペー
パーＰを繰り出すようにしている。なお、39はシートペ
ーパーガイドを示す。

【００３１】次に、操作部Ｇについて説明すると、制御
部Ｆの上方をなす上部ケーシング17の上面に設けられて
おり、シートペーパー繰出用押しボタンスイッチ35や、
発光ダイオード等からなる電源ランプや、紙詰まり・紙
補充等の異常が発生した場合の警報機能を有する紙トラ
ブルランプ等を取付けることによって構成されている。

【００３２】次に、上記構成を有するシートペーパー自
動供給装置Ａの作動について、簡単に説明すると、以下
のごとくなる。非通電状態において、機能部ケーシング
15内の可動プレート24は、その一方端で、シートペーパ
ー送出口8aを閉鎖し、汚水等がシートペーパー送出口8a
からシートペーパー送出路８に侵入するのを阻止してい
る。

【００３３】この状態で、水洗便器10を使用する場合、
シートペーパー繰出用押しボタンスイッチ35を押すと、
繰出用モータの駆動より円板カム22の時計方向の回転に
よって可動プレート24は反時計方向に回動して、可動プ
レート24上に、シートペーパー送出口8aと連通するシー
トペーパー送出路８が形成されることになる。その後、
繰出用モータが駆動し、シートペーパーＰをシートペー
パーロールＲから繰り出すことになる。さらに、シート
ペーパーＰが便座本体11上に繰り出され、その後、位置
検出用センサ34が、シートペーパーＰに設けた透孔ｂを
検出すると、設定長さシートペーパーＰを便座本体11上
に繰り出した状態で繰出用モータは停止する。

【００３４】その後、切断用モータが制御部Ｆからの駆
動信号によって再起動し、シートペーパーＰをシートペ
ーパー押圧片27,27a間でクランプするとともに、繰出ロ
ーラ19と押さえローラ20間でもクランプし、その後、切
断用モータが駆動を継続すると、両クランプ部分間に位
置するシートペーパーＰの部分には、繰出方向のテンシ
ョンが加えられことになる。

【００３５】さらに、切断用モータが駆動を接続する
と、揺動プレート26のシートペーパー切断部28が、シー
トペーパーＰを、ミシン目ｃに沿って押圧し、その押圧
力と繰出方向のテンションによってシートペーパーＰ
は、確実に破断、即ち切断されることになる。

【００３６】また、シートペーパーロールＲのシートペ
ーパーＰが無くなった際には、ロールセンサ33で検出し
て、その検出信号を制御部Ｆに送り、同制御部Ｆによっ
て、駆動ローラ31を後方に移動させるとともに、同ロー
ラ31を逆回転させて、繰出ローラ19a に連動させて、繰
出ローラ19a と押さえローラ20a との協働によって予備
としたシートペーパーロールＲからシートペーパーＰの
繰出を行う。

【００３７】なお、前述のシートペーパー繰出機構部Ｃ
等をトイレ後部の壁面等に収納して使用することもでき
る。

【００３８】

【発明の効果】従って、本発明によれば、シートペーパ
ーロールが切れると、繰出用駆動部を各繰出ローラに接
続して、予備とした一方のシートペーパーロールからシ
ートペーパーを自動的に繰り出すことにより、シートペ
ーパー切れにより装置が使用不能になるのが防止され、
定期的にシートペーパーロールの補充を行うことによ
り、シートペーパーロールの交換作業を大幅に軽減する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るシートペーパー自動供給装置を装
着した便器の斜視図である。

【図２】シートペーパー自動供給装置の断面図である。

【図３】制御部の構成を示すブロック図である。

【図４】シートペーパー自動供給装置の他の実施例の断
面図である。

【図５】シートペーパー自動供給装置の他の実施例の断
面図である。

【図６】シートペーパーを載置した便器の斜視図であ
る。

【符号の説明】

Ａ シートペーパー自動供給装置 Ｃ シートペーパー繰出機構部 Ｅ シートペーパー収納部 11 便座本体 19 繰出ローラ 20 押さえローラ 33 ロールセンサ

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 便座本体11の後方部に配設した複数個の
   シートペーパーロールＲから、繰出用駆動部により駆動
   されるシートペーパー繰出機構部Ｃを介して便器本体10
   に配設した便座本体11上に、シートペーパーＰを自動的
   に繰り出すシートペーパー自動供給装置において、 シートペーパー繰出機構部Ｃを複数個設けるとともに、
   該シートペーパー繰出機構部Ｃに、繰出用駆動部を選択
   的に接続することを特徴とするシートペーパー自動供給
   装置。
2. 【請求項２】 上記のシートペーパー自動供給装置にお
   いて、 シートペーパーロールＲの残量を検出するロールセンサ
   33と、同センサ33からの信号に基づいて繰出用駆動部を
   選択的に接続する制御部Ｆとを設けたことを特徴とする
   請求項１に記載のシートペーパー自動供給装置。
3. 【請求項３】 シートペーパーロールＲとシートペーパ
   ー繰出機構部Ｃとはそれぞれ相対応して同数配設されて
   いることを特徴とする請求項１に記載のシートペーパー
   自動供給装置。