JP3079421B2 - L形擁壁の施工方法及びこれに使用される既成壁面要素体 - Google Patents

L形擁壁の施工方法及びこれに使用される既成壁面要素体

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JP3079421B2 JP09137528A JP13752897A JP3079421B2 JP 3079421 B2 JP3079421 B2 JP 3079421B2 JP 09137528 A JP09137528 A JP 09137528A JP 13752897 A JP13752897 A JP 13752897A JP 3079421 B2 JP3079421 B2 JP 3079421B2
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温人 内海
秀治 内海
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内海鉄構建設株式会社
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はL形擁壁の施工方法
及びこれに使用される既成壁面要素体に関する。
【0002】
【従来の技術】フーチング部の上にある土の重量などを
利用して土圧を支持するものとしたL形擁壁は建築関係
などで多く用いられており、その構成はフーチング部
と、これに連続した起立壁体部を備えたものとなってい
る。
【0003】このL形擁壁のうち大型のものは、現場で
コンクリート打ちを行うことにより形成されるが、比較
的小型のものは、使用前に工場などに於いて予め形成さ
れたものであるコンクリート製の既成L形擁壁要素体を
配列することにより形成される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、L形擁壁の
なかには全て現場でコンクリート打ちして形成するには
小さ過ぎ、逆にL形擁壁要素体を配列して形成するには
大き過ぎるような中間的なサイズとなるものが生じる。
本発明は、斯かる中間的なサイズのL形擁壁を合理的に
形成できるようにすることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明ではL形擁壁の構造を次のようなものとなす
のである。
【0006】即ち、フーチング部が根切り溝にコンクリ
ートを打ち込むことにより形成され、起立壁体部が使用
前に予めコンクリートで成形したものである既成壁面要
素体を配列することにより形成されたものであって、前
記既成壁面要素体に埋設された鉄筋群の一部をこの壁面
要素体の背面の下縁近傍部から所定の方向へ一定長さ突
出させ、この突出させた鉄筋群をフーチング部に埋め込
んだ構成となす。
【0007】これによれば、中間的なサイズの擁壁の起
立壁体部となる部分が、既成壁面要素体の形成により擁
壁の形成されるべき現場の工事に先行して或いは並行し
て形成され、また現場での作業が既成壁面要素の使用に
より簡略化されるものとなる。またフーチング部に埋め
込まれた鉄筋群が起立壁体部とフーチング部との結合を
強固となす。
【0008】上記既成壁面要素体は、具体的には、コン
クリートで形成された独立状の方形板体で、補強のため
の鉄筋群を埋設すると共に、背面の下縁近傍部から前記
鉄筋群の一部を適当な一定方向へ突出させるほか、背面
の左右各側縁部にネジ棒体又はナット体などの結合手段
を設けたものとなす。
【0009】本発明に係るL形擁壁を形成するには、次
のように行う。即ち、根切り溝の底面に適当長さとなし
た受け用鋼棒材を溝巾方向に向けて溝長手方向へ一定間
隔で並設し、これら鋼棒材をコンクリートで固定させる
と共に、各鋼棒材に倒れ防止用鋼棒材を溶接により起立
状に固着し、次に使用前に予めコンクリートで成形した
ものである既成壁面要素体の背面左右各側縁部を前記倒
れ防止用鋼棒材の前面に持たせ架け、前記背面左右各側
縁部を倒れ防止用鋼棒材に適宜な結合手段を介して結合
し、その後、根切り溝の内方で既成壁面要素体の背面と
なる個所にコンクリートを打ち込みフーチング部を形成
する。
【0010】このさい、根切り溝の底面に割石などから
なる地業を形成し、この地業の上面に受け用鋼棒材を並
設するのである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図4を参照して、本
発明に係るL形擁壁の施工例を説明する。擁壁の形成さ
れるべき現場の工事に先行して或いは並行して、図1に
示すような適当長さの受け用鋼棒材1や倒れ防止用鋼棒
材2を作成すると共に既成壁面要素体3を作成する。
【0012】上記受け用鋼棒材1や倒れ防止用鋼棒材2
は既存のH形鋼を切断して作成するのであり、その長さ
は形成すべき擁壁の寸法に対応させたものとなす。この
さい、倒れ防止用鋼棒材2には一方のフランジ2aの左
右各側縁個所で、既成壁面要素体3の寸法に対応した位
置に結合手段としての透孔mを設ける。
【0013】既成壁面要素体3は、コンクリートからな
る独立状の方形板体となし、補強のための鉄筋群4(図
2参照)を肉厚内のほぼ全面に埋設すると共に、背面3
aの下縁近傍部から前記鉄筋群4の一部4aを適当な一
定方向へ突出させるほか、背面3aの左右各側縁部に結
合手段としてのネジ棒体5を設けたものとなしてある。
【0014】このさい、ネジ棒部材5は鈎状となし、そ
の基端側部分をコンクリート内に埋設するようになす。
このネジ棒部材5に代えて、ナット体を埋設しても差し
支えない。
【0015】また必要に応じ、既成壁面要素体3の前面
3bには石積み模様などの化粧を施し、下縁近傍部など
に数個の水抜き孔nを透設する。この既成壁面要素体3
は、一般には、作業設備の整った工場などに於いて型枠
を使用するなどして作成される。
【0016】一方、擁壁の形成されるべき現場では図2
及び図3に示すように地盤を掘削して根切り溝6を形成
し、この根切り溝6の底面に割石7を敷き詰めて地業を
形成する。
【0017】そして、地業の上面に、先に用意した受け
用鋼棒材1を図3に示すように根切り溝6の巾方向に向
けて前記既成壁面要素体3の巾寸法bに応じた一定間隔
毎に配列すると共に、根切り溝6の底部に捨コンクリー
ト8を打ち込む。このさい、受け用鋼棒材1はそのウエ
ッブが垂直となるように配置し、また捨コンクリート8
は受け用鋼棒材1の上側のフランジの上面が露出する程
度の厚さとする。
【0018】捨コンクリート8が固まって受け用鋼棒材
1の位置が固定された後は、図3に示すように倒れ防止
用鋼棒材2を各受け用鋼棒材1のフランジの上面に垂直
に起立させ、隣接する倒れ防止用鋼棒材2との水平方向
寸法が前記既成壁面要素体3の巾寸法bに正確に合致さ
れた状態となるように電気溶接により固着させる。この
ような固着は数名の作業者により容易に行えるものであ
る。
【0019】このさい、倒れ防止用鋼棒材2は透孔mの
存在したフランジ2aが根切り溝6の前方へ向かうよう
に配置する。また必要であれば、図2に仮想線kで示す
ように受け用鋼棒材1と倒れ防止用鋼棒材2との間に補
強部材を斜状に架け渡し、その各端部を電気溶接により
固着させて両者1、2を結合させる。
【0020】次に先の既成壁面要素体3をクレーン車な
どで吊り上げるなどして倒れ防止用鋼棒材2のフランジ
2a前面に沿わせて配置し、図3に仮想線k2で示すよ
うにその背面3aの左右各側縁部を隣接した二本の倒れ
防止用鋼棒材2、2のそれぞれのフランジ2aの巾中心
線の対向側半分個所に持たせ架けるのであり、このさい
各ネジ棒部材5のネジ部を各透孔mに挿通させ、各ネジ
部にナットを螺着し締結する。これにより、既成壁面要
素体3は連続した一線状に整列された状態に固定され、
これら既成壁面要素体3は形成すべき擁壁の起立壁体部
Aとなされるのである。
【0021】このさい、既成壁面要素体3が、ネジ棒部
材5に代えてナット体を埋設したものであるときは、各
ナット体を各透孔mに合致させた状態とした後、ボルト
を各透孔mに挿通させて各ナット体に螺着し、締結する
ようにする。
【0022】次に図4に示すように捨コンクリート8の
上面に既成壁面要素体3に沿った型枠9を形成し、根切
り溝6内方の既成壁面要素体3の背面3aと形枠9との
間にコンクリート10を打ち込みフーチング部Bを形成
するこのさい、既成壁面要素体3の鉄筋群4の一部4a
はコンクリート10内に埋め込むようにする。
【0023】コンクリート10が固まった後は、型枠9
を撤去し、起立壁体部Aの前面や背面の埋め戻しを行う
と共に所要の裏込めを行う。図4中、g1及びg2は擁
壁工事完了後の地面を示す。
【0024】こうして形成された擁壁の内部には受け用
鋼棒材1や倒れ防止用鋼棒材2などが残存することにな
るが、これらは撤去する必要のないものであり、将来的
には腐食して消失する。
【0025】上記の例では、フーチング部Bの前端は起
立壁体部Aの前面側へ突出させなかったが、突出させる
ことも可能である。このような擁壁は一般には反T形擁
壁と呼ばれているが、本発明に於けるL形擁壁はこのよ
うな反T形擁壁をも含むものである。
【0026】
【発明の効果】以上の如く構成した本発明によれば、起
立壁部の主要部をなす既成壁面要素体を擁壁の形成され
るべき現場の工事に先行し或いは並行して形成でき、ま
た既成壁面要素体の使用により現場での工事量が減少す
るため工期が短縮するものとなり、また擁壁の起立壁体
部を形成するための現場での型枠が不要となって熟練を
要する作業が減少するのであり、さらに天候に左右され
る度合いや工事費用が減少するほか、足場の悪い作業が
減少して安全性も向上するものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る擁壁を施工するために必要となる
部材や構造体を示す図である。
【図2】上記擁壁の施工過程を示す断面図である。
【図3】上記擁壁の施工手順を説明するための斜視図で
ある。
【図4】上記擁壁の主要部の施工が完了した状態を示す
断面図である。
【符号の説明】
1 受け用鋼棒材 2 倒れ防止用鋼棒材 3 既成壁面要素体 3a 背面 4 鉄筋群 4a 鉄筋群4の一部 5 ネジ棒体(結合手段) 6 根切り溝 8 コンクリート 10 コンクリート A 起立壁体部 B フーチング部 m 透孔(結合手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E02D 29/02 305 E02D 29/02 309 E04G 17/14

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 根切り溝の底面に適当長さとなした受け
    用鋼棒材を溝巾方向に向けて溝長手方向へ一定間隔で並
    設し、これら鋼棒材をコンクリートで固定させると共
    に、各鋼棒材に倒れ防止用鋼棒材を溶接により起立状に
    固着し、次に使用前に予めコンクリートで成形したもの
    である既成壁面要素体の背面左右各側縁部を倒れ防止用
    鋼棒材の前面に持たせ架け、前記背面左右各側縁部を倒
    れ防止用鋼棒材に適宜な結合手段を介して結合し、その
    後、根切り溝の内方で既成壁面要素体の背面となる個所
    にコンクリートを打ち込みフーチング部を形成すること
    を特徴とするL形擁壁の施工方法。
  2. 【請求項2】 根切り溝の底面に割石などからなる地業
    を形成し、この地業の上面に鋼棒材を並設することを特
    徴とする請求項1記載のL形擁壁の施工方法。
  3. 【請求項3】 コンクリートで形成された独立状の方形
    板体となし、補強のための鉄筋群を埋設すると共に、背
    面の下縁近傍部から前記鉄筋群の一部を適当な一定方向
    へ突出させるほか、背面の左右各側縁部にネジ棒体又は
    ナット体などの結合手段を設けたことを特徴とする請求
    項1又は2記載のL形擁壁の施工方法に使用される既成
    壁面要素体。
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