JP4399062B2 - 高架橋地中梁の施工方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は高架橋の地中梁施工方法および地中梁を構築するための施工材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年行われている鉄道の高架化は、鉄道に近接した箇所に用地を確保した上で基礎杭、地中梁を施工した後、高架橋柱、梁、スラブの設置といった手順で施工が進められる。
図6は従来の高架橋の施工を説明する図である。図中、1は地面2上に形成された軌道を模式的に示す図で、軌道1が紙面に垂直方向であることを示している。高架橋を施工する場合、まず基礎杭3を現場打ちし、次いでシートパイル等を打って土留めを行い、掘削して土量を搬出し、作業用のスペース4を確保する。次いで、基礎杭間に型枠を設けてコンクリート構造の地中梁5を施工し、その後高架橋柱6、スラブ7の順に施工する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の高架橋の施工方法では、地中梁5を施工するための広くかつ深い作業用スペース4が必要となり、多量の土量を掘削して搬出しなければならない。そのため高架橋の施工にあたってはある程度の広さの用地を必要とし、用地の取得に多大な時間を要する場合が多く、また地中梁の施工自体にも長時間を要し、工事費が高価になるという問題があった。
【0004】
本発明は上記課題を解決するためのもので、狭くかつ浅いスペースで高架橋用の地中梁を簡易に施工可能にし、短時間にかつ低コストで施工できるようにすることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、高架橋の基礎杭間に施工される地中梁の施工方法において、基礎杭を構築後、基礎杭頭部に継手を取り付けた鋼管を設置し、前記継手を通して鋼板を地中に圧入設置して地中梁を施工することを特徴とする。
請求項2の発明は、前記鋼管は基礎杭頭部の硬化前に継手が杭外側に露出するように基礎杭内に圧入して設置することを特徴とする。
請求項3の発明は、前記鋼板は両端に継手が設けられ、該継手を鋼管の継手または隣接する鋼板の継手に嵌合させて設置することを特徴とする。
請求項4の発明は、前記鋼板は対向して2列施工し、鋼板間にコンクリートを打設することを特徴とする。
請求項5の発明は、前記鋼管内に柱鉄筋を建て込み、その後高架橋柱を施工することを特徴とする。
請求項6の発明は、長手方向に継手が設けられた断面円形状の鋼管からなる地中梁用施工材料を特徴とする。
請求項7の発明は、両端部に継手が形成された鋼板からなる地中梁用施工材料を特徴とする。
請求項8の発明は、両端部に継手が形成された対向する一対の鋼板間を連結部材で連結してなる地中梁用施工材料を特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明の高架橋の施工手順を説明する図であり、図6と同一番号は同一内容を示している。
図1(a)において、まず基礎杭3を現場打ちし、基礎杭3の頭部に継手が2列形成された鋼管8(詳細は後述)を設置する。鋼管8の設置は基礎杭3のコンクリートが硬化する前に基礎杭3内に圧入して所定位置にセットすることにより行われ、このとき継手は杭の外側に露出し、対向する基礎杭の方向に向けられる。次いで、両端に継手が設けられた鋼板9(詳細は後述)を、その継手を鋼管8の継手に嵌合させて2列対向して設置する。通常、鋼板の設置は基礎杭3が硬化した後に行われる。
次いで、図1(b)において、対向する鋼板の内側を掘削して土量を搬出した後、鉄筋籠等を建て込んでコンクリートを打設する。次いで、基礎杭3の頭部の鉄筋と高架橋柱の鉄筋とを重ね、高架橋柱6を施工する。
次いで、図1(c)において、高架橋柱6上にスラブ7を施工して高架橋の施工が完了する。
【0007】
このように本発明の地中梁は、継手を有する鋼管8を基礎杭3頭部に設置し、鋼管と鋼管の間に継手を介して鋼板9を地中に圧入するだけてすむので、地中梁を施工するための作業用スペース4′は基礎杭頭部(地中梁頭部)まで掘削するだけであるため、せいぜい数十センチの深さですみ、掘削量が少なく、土量の搬出も極めて容易であり、広い用地を必要としない。さらに、鋼管8と鋼板9を設置し、鋼板内側にコンクリートを打設した鋼板とコンクリートの複合構造としているため、鋼板が型枠の役割をするため、従来のように型枠を別に設置する必要がなく施工が容易になるとともに、鋼板がコンクリートを拘束する構造のため従来のコンクリート構造に比して断面を小さくしても十分な強度を確保することが可能である。
【0008】
次に、図2〜図5により本発明の地中梁についてより詳細に説明する。
図2は地中梁の位置における高架橋断面を示す図、図3は基礎杭頭部に圧入される鋼管を示す斜視図、図4は鋼管および鋼板の断面図である。
図2において、対向する一対の基礎杭3が軌道方向に所定間隔で施工され、各基礎杭の頭部には、図3に示す鋼管8が圧入設置され、杭の外側に継手8aが2列露出している。この継手8aは軌道に直交する方向に一対、軌道方向に前後二対(但し端部では一対)、それぞれ設けられている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、高架橋の基礎杭間に施工される地中梁の施工方法において、基礎杭を構築後、継手を2列取り付けた鋼管を基礎杭頭部に設置し、両端に継手が設けられた鋼板の継手を前記鋼管の継手または隣接する鋼板の継手に嵌合させ、鋼管と鋼管の間に継手を介して鋼板を2列地中に圧入設置し、対向する鋼板間にコンクリートを打設して地中梁を施工することを特徴とする。
また、本発明は、前記鋼管内に柱鉄筋を建て込み、その後高架橋柱を施工することを特徴とする。
【0010】
図5は基礎杭頭部に継手付きの鋼管を圧入設置する場合の説明図である。
まず、基礎杭3の頭部に土砂の崩落を防ぐパイプ10を設置し、この中に鉄筋籠11を建て込んで、生コンクリートを打設し(図5(a))、作業スペース4′のレベルまで基礎杭を施工する(図5(b))。このとき杭頭部に鉄筋が露出している。次いで、コンクリートが硬化する前に、基礎杭内に継手8aが形成された鋼管8を矢印に示すように圧入する(図5(c))。鋼管8を圧入して所定位置にセットしてコンクリートが硬化した後、柱鉄筋12を基礎杭の鉄筋と重ねて建て込み(図5(d))、次いで高架橋柱6、地中梁用の鋼板9を設置する。鋼板9と高架橋柱6の設置順序は何れが先であっても良い。鋼板9は図4に示した構造のものであり、鋼管8の継手と嵌合して設置し、さらに隣接する鋼板は鋼板同士の継手を嵌合させることにより設置する。こうして、狭い作業スペースで簡易に地中梁を設置することができる。
【0011】
なお、上記説明では、基礎杭の中に鋼管8を圧入するようにしたが、鋼管8の径を基礎杭3より大きくして鋼管8を基礎杭を囲むように設置し、基礎杭3と鋼管8との間にモルタルを充填して設置することも可能である。
【0012】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、狭くかつ浅いスペースで高架橋用の地中梁を施工できるため、高架橋用地を取得するための時間的、かつ金銭的問題を解決でき、さらに工期の短縮化および工事費の低減化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の高架橋の施工手順を説明する図である。
【図2】 本発明の地中梁の位置における高架橋断面を示す図である。
【図3】 基礎杭頭部に圧入される鋼管を示す斜視図である。
【図4】 鋼管および鋼板の断面図である。
【図5】 基礎杭頭部に継手付きの鋼管を圧入設置する場合の説明図である。
【図6】 従来の高架橋の施工を説明する図である。
【符号の説明】
1…軌道、2…地面、3…基礎杭、4、4′…作業用スペース、5…地中梁、6…高架橋柱、7…スラブ、8…鋼管、9…鋼板、10…パイプ、11…鉄筋籠、12…柱鉄筋。
Claims (2)
- 高架橋の基礎杭間に施工される地中梁の施工方法において、基礎杭を構築後、継手を2列取り付けた鋼管を基礎杭頭部に設置し、両端に継手が設けられた鋼板の継手を前記鋼管の継手または隣接する鋼板の継手に嵌合させ、鋼管と鋼管の間に継手を介して鋼板を2列地中に圧入設置し、対向する鋼板間にコンクリートを打設して地中梁を施工することを特徴とする高架橋地中梁の施工方法。
- 前記鋼管内に柱鉄筋を建て込み、その後高架橋柱を施工することを特徴とする請求項1記載の高架橋地中梁の施工方法。
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JP29250099A JP4399062B2 (ja) | 1999-10-14 | 1999-10-14 | 高架橋地中梁の施工方法 |
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1999
- 1999-10-14 JP JP29250099A patent/JP4399062B2/ja not_active Expired - Fee Related
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