JP3078908B2 - 車両のサスペンション装置 - Google Patents
車両のサスペンション装置Info
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- JP3078908B2 JP3078908B2 JP04037193A JP3719392A JP3078908B2 JP 3078908 B2 JP3078908 B2 JP 3078908B2 JP 04037193 A JP04037193 A JP 04037193A JP 3719392 A JP3719392 A JP 3719392A JP 3078908 B2 JP3078908 B2 JP 3078908B2
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- suspension
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両のサスペンション装
置に関する。
置に関する。
【0002】
【従来技術】転舵輪用とされた車輪支持部材すなわちナ
ックルは、少なくともロアア−ムを介して車体に上下方
向に揺動自在として支持される。この車輪支持部材に取
付けられる車輪は、所定のホイ−ルアライメントとなる
ように設定することが要求されるが、このホイ−ルアラ
イメントを決定する重要な1つの要素としてキングピン
軸がある。
ックルは、少なくともロアア−ムを介して車体に上下方
向に揺動自在として支持される。この車輪支持部材に取
付けられる車輪は、所定のホイ−ルアライメントとなる
ように設定することが要求されるが、このホイ−ルアラ
イメントを決定する重要な1つの要素としてキングピン
軸がある。
【0003】すなわち、キングピン軸は、車体前方(後
方)から見たとき、その下方延長線が車輪の幅方向中心
線よりも若干車体外方側へ位置させて、制動の際に車輪
がト−インとすることが望まれる。また、キングピン軸
は、車輪の回転中心高さ位置においては、車輪の幅方向
中心線よりも若干車体内方側へ位置して、駆動力を受け
た際に車輪がト−インとなるようにすることが望まれ
る。このような設定は、特に、大トルクを発生するエン
ジンを塔載したFF車のフロントサスペンション用とし
て強く要求される。
方)から見たとき、その下方延長線が車輪の幅方向中心
線よりも若干車体外方側へ位置させて、制動の際に車輪
がト−インとすることが望まれる。また、キングピン軸
は、車輪の回転中心高さ位置においては、車輪の幅方向
中心線よりも若干車体内方側へ位置して、駆動力を受け
た際に車輪がト−インとなるようにすることが望まれ
る。このような設定は、特に、大トルクを発生するエン
ジンを塔載したFF車のフロントサスペンション用とし
て強く要求される。
【0004】上述のことから理解されるように、キング
ピン軸は、車体前方から見たときに、下方に向かうにつ
れて車体外方側へ位置するように若干傾斜して設定する
ことが要求されるが、例えばストラット式サスペンショ
ンにおいては、ロアア−ムと車輪支持部材との連結部が
下方設定点を構成し、サスペンションダンパと車輪支持
部材との連結部が上方設定点を構成して、上記両方の設
定点を結ぶ線がキングピン軸とされる。
ピン軸は、車体前方から見たときに、下方に向かうにつ
れて車体外方側へ位置するように若干傾斜して設定する
ことが要求されるが、例えばストラット式サスペンショ
ンにおいては、ロアア−ムと車輪支持部材との連結部が
下方設定点を構成し、サスペンションダンパと車輪支持
部材との連結部が上方設定点を構成して、上記両方の設
定点を結ぶ線がキングピン軸とされる。
【0005】前述したキングピン軸の傾斜要求を満足さ
せようとすると、前記下方設定点すなわちロアア−ムの
車幅方向外端部を車輪の内径部分に奥深くつまり車幅方
向外方側へ大きく延長させることが必要であるが、ブレ
−キディスク等に対する干渉防止の観点から、ロアア−
ムを車幅方向周方向外方側へ大きく延長させることは事
実上困難となる。
せようとすると、前記下方設定点すなわちロアア−ムの
車幅方向外端部を車輪の内径部分に奥深くつまり車幅方
向外方側へ大きく延長させることが必要であるが、ブレ
−キディスク等に対する干渉防止の観点から、ロアア−
ムを車幅方向周方向外方側へ大きく延長させることは事
実上困難となる。
【0006】キングピン軸の下方設定点をより十分に車
幅方向外方側へ位置させるべく、ロアア−ムを前ロアア
−ムと後ロアア−ムとの2分割構成として、車輪支持部
材とロアア−ムとの連結部分が2つとなるいわゆるダブ
ルピボット式のサスペンションが提案されている(特公
昭58−42042号公報参照)。すなわち、前ロアア
−ムと後ロアア−ムとの車体外方側延長交点によって仮
想キングピン軸の下方設定点を構成しようとするもので
ある。より具体的には、前ロアア−ムの車体側連結部と
車輪支持部材側連結部とを結ぶ線と、後ロアア−ムの車
体側連結部と車輪支持部材側連結部とを結ぶ線との交点
を、各ロアア−ムの車輪支持部材に対する連結部よりも
車幅方向外端部側に位置させることにより、この交点を
実質的に仮想キングピン軸の下方設定点として構成する
ようにしたものである。
幅方向外方側へ位置させるべく、ロアア−ムを前ロアア
−ムと後ロアア−ムとの2分割構成として、車輪支持部
材とロアア−ムとの連結部分が2つとなるいわゆるダブ
ルピボット式のサスペンションが提案されている(特公
昭58−42042号公報参照)。すなわち、前ロアア
−ムと後ロアア−ムとの車体外方側延長交点によって仮
想キングピン軸の下方設定点を構成しようとするもので
ある。より具体的には、前ロアア−ムの車体側連結部と
車輪支持部材側連結部とを結ぶ線と、後ロアア−ムの車
体側連結部と車輪支持部材側連結部とを結ぶ線との交点
を、各ロアア−ムの車輪支持部材に対する連結部よりも
車幅方向外端部側に位置させることにより、この交点を
実質的に仮想キングピン軸の下方設定点として構成する
ようにしたものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ロアア
−ムを前ロアア−ムと後ロアア−ムとの分割構成として
仮想キングピン軸を構成するようにしたものにあって
は、転舵した際に、旋回外輪となる側の車輪のキャスタ
トレ−ルが小さくなって、ハンドルの戻りが悪くなると
いう問題を生じることが判明した。
−ムを前ロアア−ムと後ロアア−ムとの分割構成として
仮想キングピン軸を構成するようにしたものにあって
は、転舵した際に、旋回外輪となる側の車輪のキャスタ
トレ−ルが小さくなって、ハンドルの戻りが悪くなると
いう問題を生じることが判明した。
【0008】この点を詳述すると、ハンドルを切った旋
回時には、外輪は直進状態にあるときの仮想キングピン
軸を瞬間中心として転舵される。この転舵されたとき、
前ロアア−ムおよび後ロアア−ムの車輪支持部材への連
結部は、直進状態のときに比して相対的に後方へ変位し
た状態となり、これにより各ロアア−ムはそれぞれ車体
後方側へ揺動して、仮想キングピン軸の下方設定点が後
方へ変位し、この結果キャスタトレ−ルが小さくなって
ハンドルの戻りが悪くなる。特に、旋回外輪は、車体の
荷重移動によって実質的にハンドルの戻りを支配する側
の車輪となるので、スポ−ツ走行時のように高速かつ大
舵角とされるような運転時にはハンドルの戻り悪化は相
当なものとなり、極端な場合は意図したよりも車輪がよ
り大きく転舵されてしまうような事態をも生じることに
なっていた。
回時には、外輪は直進状態にあるときの仮想キングピン
軸を瞬間中心として転舵される。この転舵されたとき、
前ロアア−ムおよび後ロアア−ムの車輪支持部材への連
結部は、直進状態のときに比して相対的に後方へ変位し
た状態となり、これにより各ロアア−ムはそれぞれ車体
後方側へ揺動して、仮想キングピン軸の下方設定点が後
方へ変位し、この結果キャスタトレ−ルが小さくなって
ハンドルの戻りが悪くなる。特に、旋回外輪は、車体の
荷重移動によって実質的にハンドルの戻りを支配する側
の車輪となるので、スポ−ツ走行時のように高速かつ大
舵角とされるような運転時にはハンドルの戻り悪化は相
当なものとなり、極端な場合は意図したよりも車輪がよ
り大きく転舵されてしまうような事態をも生じることに
なっていた。
【0009】本発明は以上のような事情を勘案してなさ
れたもので、前ロアア−ムと後ロアア−ムとで仮想キン
グピン軸の下方設定点を構成するようにしたものにおい
て、ハンドルの戻り悪化を低減し得るようにした車両の
サスペンション装置を提供することを目的とする。
れたもので、前ロアア−ムと後ロアア−ムとで仮想キン
グピン軸の下方設定点を構成するようにしたものにおい
て、ハンドルの戻り悪化を低減し得るようにした車両の
サスペンション装置を提供することを目的とする。
【0010】
【発明の構成】前述の目的を達成するため、本発明にあ
っては次のような構成としてある。すなわち、転舵輪用
とされた車輪支持部材が前ロアア−ムと後ロアア−ムと
を介して車体に上下方向に揺動自在に支持され、前記前
ロアア−ムと後ロアア−ムとの車体外方側延長交点によ
って仮想キングピン軸の下方設定点を構成するようにし
た車両のサスペンション装置において、サスペンション
ダンパと前記車輪支持部材とを連結し、該サスペンショ
ンダンパに対して上下方向に揺動自在かつ該サスペンシ
ョンダンパの略軸線回りに該サスペンションダンパと共
に一体に回動し得るようにされたアッパア−ムと、前記
前後の各ロアア−ムと車輪支持部材との組立体に対して
前記サスペンションダンパを連結しており、車輪の前側
部分が車幅方向内方側を向くような転舵時に生じる前記
組立体の変位を、前記アッパア−ムの車幅方向外端部が
後方へ変位する方向に対応した前記サスペンションダン
パの回動動作として伝達する連結リンクと、を備えた構
成としてある。
っては次のような構成としてある。すなわち、転舵輪用
とされた車輪支持部材が前ロアア−ムと後ロアア−ムと
を介して車体に上下方向に揺動自在に支持され、前記前
ロアア−ムと後ロアア−ムとの車体外方側延長交点によ
って仮想キングピン軸の下方設定点を構成するようにし
た車両のサスペンション装置において、サスペンション
ダンパと前記車輪支持部材とを連結し、該サスペンショ
ンダンパに対して上下方向に揺動自在かつ該サスペンシ
ョンダンパの略軸線回りに該サスペンションダンパと共
に一体に回動し得るようにされたアッパア−ムと、前記
前後の各ロアア−ムと車輪支持部材との組立体に対して
前記サスペンションダンパを連結しており、車輪の前側
部分が車幅方向内方側を向くような転舵時に生じる前記
組立体の変位を、前記アッパア−ムの車幅方向外端部が
後方へ変位する方向に対応した前記サスペンションダン
パの回動動作として伝達する連結リンクと、を備えた構
成としてある。
【0011】サスペンションダンパの下端部は、前記組
立体例えば前ロアア−ムに対してボ−ルジョイントを介
して連結しておくことができる。
立体例えば前ロアア−ムに対してボ−ルジョイントを介
して連結しておくことができる。
【0012】
【発明の効果】本発明によれば、転舵された旋回外輪用
のアッパア−ムの車幅方向外端部が後方へ変位する結
果、当該アッパア−ムと車輪支持部材との連結部すなわ
ち仮想キングピン軸の上方設定点が後方へ変位されて、
この上方設定点が後方へ変位しない場合に比してキャス
タトレ−ルの低減量が小さくなって、ハンドルの戻り悪
化が防止される。また、アッパア−ムを設けたことによ
り、キャンバコントロ−ルの自由度の大きいものとな
る。
のアッパア−ムの車幅方向外端部が後方へ変位する結
果、当該アッパア−ムと車輪支持部材との連結部すなわ
ち仮想キングピン軸の上方設定点が後方へ変位されて、
この上方設定点が後方へ変位しない場合に比してキャス
タトレ−ルの低減量が小さくなって、ハンドルの戻り悪
化が防止される。また、アッパア−ムを設けたことによ
り、キャンバコントロ−ルの自由度の大きいものとな
る。
【0013】請求項4に記載したように、サスペンショ
ンダンパをボ−ルジョイントを介して前ロアア−ムに連
結しておくことにより、当該サスペンションダンパの支
持剛性が大きくなると共に、その略軸線回りにおけるサ
スペンションダンパすなわちアッパア−ムの回動を円滑
に行なうことができる。本発明の好ましい態様およびそ
の利点は以下の実施例の説明から明らかとなる。
ンダンパをボ−ルジョイントを介して前ロアア−ムに連
結しておくことにより、当該サスペンションダンパの支
持剛性が大きくなると共に、その略軸線回りにおけるサ
スペンションダンパすなわちアッパア−ムの回動を円滑
に行なうことができる。本発明の好ましい態様およびそ
の利点は以下の実施例の説明から明らかとなる。
【0014】
【実施例】以下本発明の実施例を、FF車のフロントサ
スペンション用に適用した場合の例につき、添付した図
面に基づいて説明する。図1〜図4において、1は前ロ
アア−ム、2は後ロアア−ム、3はサスペンションダン
パである。
スペンション用に適用した場合の例につき、添付した図
面に基づいて説明する。図1〜図4において、1は前ロ
アア−ム、2は後ロアア−ム、3はサスペンションダン
パである。
【0015】前ロアア−ム1はほぼ車幅方向に略平行に
伸びて、その車幅方向内端部がブッシュ4を介して車体
に回動自在に取付けられ、その回動軸線はほぼ車体前後
方向と一致されている。また、前ロアア−ム1の車幅方
向外端部は、ボ−ルジョイント5を介して車輪支持部材
としてのナックル6の下端部に取付けられている。
伸びて、その車幅方向内端部がブッシュ4を介して車体
に回動自在に取付けられ、その回動軸線はほぼ車体前後
方向と一致されている。また、前ロアア−ム1の車幅方
向外端部は、ボ−ルジョイント5を介して車輪支持部材
としてのナックル6の下端部に取付けられている。
【0016】前ロアア−ム1の中間部分には、サスペン
ションダンパ3の下端部が、取付部材7を介して連結さ
れている。この取付部材7は、サスペンションダンパ3
の下端部外周に嵌合、一体化された筒部7aと、筒部7
aの下端部より前後方向に2又状に分岐された一対の脚
部7bとを有する。フォ−ク形状を構成する一対の脚部
7bは、前ロアア−ム1を前後方向に挟んだ状態で、ブ
ッシュ8を介して当該前ロアア−ム1に連結されてい
る。このブッシュ8は、後述するように、実質的にボ−
ルジョイントを構成するもので、サスペンションダンパ
3が、車幅方向に揺動自在かつサスペンションダンパ3
の略軸線回りに回動自在されている。なお、一対の脚部
7b間には、図示を略すドライブシャフトが貫通される
ものである。
ションダンパ3の下端部が、取付部材7を介して連結さ
れている。この取付部材7は、サスペンションダンパ3
の下端部外周に嵌合、一体化された筒部7aと、筒部7
aの下端部より前後方向に2又状に分岐された一対の脚
部7bとを有する。フォ−ク形状を構成する一対の脚部
7bは、前ロアア−ム1を前後方向に挟んだ状態で、ブ
ッシュ8を介して当該前ロアア−ム1に連結されてい
る。このブッシュ8は、後述するように、実質的にボ−
ルジョイントを構成するもので、サスペンションダンパ
3が、車幅方向に揺動自在かつサスペンションダンパ3
の略軸線回りに回動自在されている。なお、一対の脚部
7b間には、図示を略すドライブシャフトが貫通される
ものである。
【0017】後ロアア−ム2は、特に図2に示すように
略L字形状となるように設定されていつ。この後ロアア
−ム2の車幅方向内端部はブッシュ10を介して車体に
連結され、その回動軸線はほぼ車体前後方向と一致して
いる。また、後ロアア−ム2の中間付近からは、車幅方
向外方側へ向かうにつれて徐々に前方へ向かうように若
干傾斜設定されて、その車幅方向外端部が、ボ−ルジョ
イント11を介して、ナックル6の下端部に連結されて
いる、勿論、ボ−ルジョイント11の位置は、前ロアア
−ム1用のボ−ルジョイント5の直後方に位置されてい
る。
略L字形状となるように設定されていつ。この後ロアア
−ム2の車幅方向内端部はブッシュ10を介して車体に
連結され、その回動軸線はほぼ車体前後方向と一致して
いる。また、後ロアア−ム2の中間付近からは、車幅方
向外方側へ向かうにつれて徐々に前方へ向かうように若
干傾斜設定されて、その車幅方向外端部が、ボ−ルジョ
イント11を介して、ナックル6の下端部に連結されて
いる、勿論、ボ−ルジョイント11の位置は、前ロアア
−ム1用のボ−ルジョイント5の直後方に位置されてい
る。
【0018】前記取付部材7すなわちサスペンションダ
ンパ3とナックル6の上端部とが、アッパア−ム21を
介して連結されている。このアッパア−ム21は、車体
内方側に向けて開口された略U字状とされて、取付部材
7の筒部7aを前後方向から挟んだ状態で、ブッシュ2
2を介して上下方向に揺動自在すなわち略車体前後方向
に伸びる軸線を中心として回動自在に取付部材7に連結
されている。
ンパ3とナックル6の上端部とが、アッパア−ム21を
介して連結されている。このアッパア−ム21は、車体
内方側に向けて開口された略U字状とされて、取付部材
7の筒部7aを前後方向から挟んだ状態で、ブッシュ2
2を介して上下方向に揺動自在すなわち略車体前後方向
に伸びる軸線を中心として回動自在に取付部材7に連結
されている。
【0019】そして、アッパア−ム21は、サスペンシ
ョンダンパ3がその略軸線回りに回動されるのに伴っ
て、略水平面内において当該サスペンションダンパ3と
一体に回動される。また、アッパア−ム21の車幅方向
外端部は、ボ−ルジョイント23を介して、ナックル6
の上端部に連結されている。このようなアッパア−ム2
1は、各ロアア−ム1、2に比して、車幅方向長さが十
分短いものとして設定されている。
ョンダンパ3がその略軸線回りに回動されるのに伴っ
て、略水平面内において当該サスペンションダンパ3と
一体に回動される。また、アッパア−ム21の車幅方向
外端部は、ボ−ルジョイント23を介して、ナックル6
の上端部に連結されている。このようなアッパア−ム2
1は、各ロアア−ム1、2に比して、車幅方向長さが十
分短いものとして設定されている。
【0020】ここで、図2に示すように、前ロアア−ム
1用のブッシュ4の中心とボ−ルジョイント5の中心と
を結ぶ線をL1、後ロアア−ム2のブッシュ10の中心
とボ−ルジョイント11の中心とを結ぶ線をL2とす
る。この各線L1とL2とは、ボ−ルジョイント5、1
1よりも車幅方向外方側で交わり、その交点がKDで示
される。
1用のブッシュ4の中心とボ−ルジョイント5の中心と
を結ぶ線をL1、後ロアア−ム2のブッシュ10の中心
とボ−ルジョイント11の中心とを結ぶ線をL2とす
る。この各線L1とL2とは、ボ−ルジョイント5、1
1よりも車幅方向外方側で交わり、その交点がKDで示
される。
【0021】上記交点KDと、アッパア−ム21用のボ
−ルジョイント23の中心KUとを結ぶ線が、仮想キン
グピン軸KP(図3参照)を構成する。すなわち、ボ−
ルジョイント23の中心が仮想キングピン軸KPの上方
設定点を構成し、交点KDが仮想キングピン軸の下方設
定点を構成する。
−ルジョイント23の中心KUとを結ぶ線が、仮想キン
グピン軸KP(図3参照)を構成する。すなわち、ボ−
ルジョイント23の中心が仮想キングピン軸KPの上方
設定点を構成し、交点KDが仮想キングピン軸の下方設
定点を構成する。
【0022】取付部材7すなわちサスペンションダンパ
3と後ロアア−ム2とが、連結リンク25により連結さ
れている。この連結リンク25は、サスペンションダン
パ3よりも車幅方向外方側に位置されて、ほぼ前後方向
に伸びるものの、後方に向かうにつれて徐々に車幅方向
外方側へ位置するように若干傾斜されている。そして、
連結リンク25の前端部がボ−ルジョイント26を介し
て前方側の脚部7bに連結され、連結リンク25の後端
部がボ−ルジョイント27を介してボ−ルジョイント1
1付近において後ロアア−ム2に連結されている。
3と後ロアア−ム2とが、連結リンク25により連結さ
れている。この連結リンク25は、サスペンションダン
パ3よりも車幅方向外方側に位置されて、ほぼ前後方向
に伸びるものの、後方に向かうにつれて徐々に車幅方向
外方側へ位置するように若干傾斜されている。そして、
連結リンク25の前端部がボ−ルジョイント26を介し
て前方側の脚部7bに連結され、連結リンク25の後端
部がボ−ルジョイント27を介してボ−ルジョイント1
1付近において後ロアア−ム2に連結されている。
【0023】この連結リンク25は、車輪の前部が車幅
方向内方側を向くような転舵時、すなわち車輪が旋回外
輪となると転舵時において、後ロアア−ム2の後方への
変位をサスペンションダンパ3の図2中時計回りの回動
動作として伝達するためのもので、このような伝達が効
果的に行なわれるようにその連結位置が選択される。勿
論、サスペンションダンパ3の上記時計回りの回動は、
アッパア−ム21の車幅方向外端部すなわち仮想キング
ピン軸KPの上方設定点KUとなるボ−ルジョイント2
3を後方へ変位させる動きとなる。
方向内方側を向くような転舵時、すなわち車輪が旋回外
輪となると転舵時において、後ロアア−ム2の後方への
変位をサスペンションダンパ3の図2中時計回りの回動
動作として伝達するためのもので、このような伝達が効
果的に行なわれるようにその連結位置が選択される。勿
論、サスペンションダンパ3の上記時計回りの回動は、
アッパア−ム21の車幅方向外端部すなわち仮想キング
ピン軸KPの上方設定点KUとなるボ−ルジョイント2
3を後方へ変位させる動きとなる。
【0024】前述のブッシュ8は、図5に示すように構
成されている。このブッシュ8は、前ロアア−ム1の取
付孔1a内に嵌合される外筒31と、脚部7bが取付け
られる軸が挿入される内筒32と、両筒31と32との
間の隙間に充填されたゴム等の弾性材33とを有する。
成されている。このブッシュ8は、前ロアア−ム1の取
付孔1a内に嵌合される外筒31と、脚部7bが取付け
られる軸が挿入される内筒32と、両筒31と32との
間の隙間に充填されたゴム等の弾性材33とを有する。
【0025】内筒32の外周面には、球面状部32aが
形成されて、この球面状部32aが弾性材33を介して
外筒31と結合されている。これにより取付部材7すな
わちサスペンションダンパ3は、前ロアア−ム1に対し
て360度方向の動きが許容されて、ブッシュ8の軸線
回りにおける前ロアア−ム1に対する回動は勿論のこ
と、サスペンションダンパ3の略軸線回りにも相当角度
回動し得るようになっている。
形成されて、この球面状部32aが弾性材33を介して
外筒31と結合されている。これにより取付部材7すな
わちサスペンションダンパ3は、前ロアア−ム1に対し
て360度方向の動きが許容されて、ブッシュ8の軸線
回りにおける前ロアア−ム1に対する回動は勿論のこ
と、サスペンションダンパ3の略軸線回りにも相当角度
回動し得るようになっている。
【0026】以上のように構成された本発明の作用につ
いて、図6、図7を参照しつつ説明するが、以下の説明
で、符号Wは車輪、Oは車輪の回転中心である。先ず、
図6において、車輪Wが直進状態にあるときの当該車輪
W1と各ロアア−ム1、2の状態を実線で示してあり、
仮想キングピン軸KPの下方設定点がKDで示される。
なお、図8は、理解を容易にするために、誇張して描か
れている。
いて、図6、図7を参照しつつ説明するが、以下の説明
で、符号Wは車輪、Oは車輪の回転中心である。先ず、
図6において、車輪Wが直進状態にあるときの当該車輪
W1と各ロアア−ム1、2の状態を実線で示してあり、
仮想キングピン軸KPの下方設定点がKDで示される。
なお、図8は、理解を容易にするために、誇張して描か
れている。
【0027】この直進状態から、転舵したときでかつ旋
回外輪となる車輪Wの状態を破線で示してある。この転
舵時において、車輪Wは、直進状態にあるキングピン軸
KPを中心として転舵される一方、車輪Wの転舵に起因
して各ロアア−ム1、2のナックル6に対する連結位置
すなわちボ−ルジョイント5、11が後方へ移動する。
回外輪となる車輪Wの状態を破線で示してある。この転
舵時において、車輪Wは、直進状態にあるキングピン軸
KPを中心として転舵される一方、車輪Wの転舵に起因
して各ロアア−ム1、2のナックル6に対する連結位置
すなわちボ−ルジョイント5、11が後方へ移動する。
【0028】ボ−ルジョイント5、11が後方へ移動し
た際、各ロアア−ム1、2が車体側連結部を中心にして
後方へ揺動したときの当該ロアア−ム1、2の状態を図
中破線で示してあり、このときの仮想キングピン軸の下
方設定点はKD1となり、元の下方設定点KDよりも後
方へ変位して、キャスタトレ−ルがかなり小さくなる。
た際、各ロアア−ム1、2が車体側連結部を中心にして
後方へ揺動したときの当該ロアア−ム1、2の状態を図
中破線で示してあり、このときの仮想キングピン軸の下
方設定点はKD1となり、元の下方設定点KDよりも後
方へ変位して、キャスタトレ−ルがかなり小さくなる。
【0029】一方、図7において、車輪Wを車体外方側
から見たとき、仮想キングピン軸KPは下方に向かうに
つれて前方へ位置するように傾斜設定され、車輪が直進
状態にあるときのキャスタトレ−ルがT1で示される。
いま、仮想キングピン軸KPの上方設定点KUが変位し
ない状態で下方設定点KDが後方へ変位して前述のKD
1の位置になったとすると、キャスタトレ−ルはT2で
示すように小さくなり、転舵した際のハンドルの戻りが
悪くなる。
から見たとき、仮想キングピン軸KPは下方に向かうに
つれて前方へ位置するように傾斜設定され、車輪が直進
状態にあるときのキャスタトレ−ルがT1で示される。
いま、仮想キングピン軸KPの上方設定点KUが変位し
ない状態で下方設定点KDが後方へ変位して前述のKD
1の位置になったとすると、キャスタトレ−ルはT2で
示すように小さくなり、転舵した際のハンドルの戻りが
悪くなる。
【0030】これに対して、本発明の場合は、転舵時に
おける旋回外輪側の車輪Wについてのアッパア−ム21
のボ−ルジョイント23すなわち仮想キングピン軸KP
の上方設定点KUが、既に述べたように後方へ変位され
たKU1となる。この結果、仮想キングピン軸はKU1
とKD1とを結んだ線となり、このときのキャスタトレ
−ルはT3で示される。そして、このT3は前述のT2
よりも大きく、キャスタトレ−ルの低減によるハンドル
の戻り悪化が抑制される。
おける旋回外輪側の車輪Wについてのアッパア−ム21
のボ−ルジョイント23すなわち仮想キングピン軸KP
の上方設定点KUが、既に述べたように後方へ変位され
たKU1となる。この結果、仮想キングピン軸はKU1
とKD1とを結んだ線となり、このときのキャスタトレ
−ルはT3で示される。そして、このT3は前述のT2
よりも大きく、キャスタトレ−ルの低減によるハンドル
の戻り悪化が抑制される。
【0031】図8は本発明の他の実施例を示すもので、
前記実施例と同一構成要素には同一符号を付してその重
複した説明は省略する。この図8は、図2に対応したも
ので、簡略のためスケルトン図として示してある。
前記実施例と同一構成要素には同一符号を付してその重
複した説明は省略する。この図8は、図2に対応したも
ので、簡略のためスケルトン図として示してある。
【0032】本実施例は、前記実施例に対して、連結リ
ンクの取付位置のみが異なっている。すなわち、前記実
施例における連結リンク25に対応した連結リンク55
は、サスペンションダンパ3の車幅方向外方側を通るよ
うに配置されて、後方に向かうにつれて車幅方向内方側
へ位置するように傾斜設定されている。そして、連結リ
ンク55の後端部がボ−ルジョイント56を介して後側
の脚部7bに連結され、また連結リンク55の前端部が
ボ−ルジョイント57を介してナックル6の前端部(ボ
−ルジョイント5よりも前方位置)に連結されている。
この連結リンク55の作用そのものは、前記実施例にお
ける連結リンク25と同様なので、その説明は省略す
る。
ンクの取付位置のみが異なっている。すなわち、前記実
施例における連結リンク25に対応した連結リンク55
は、サスペンションダンパ3の車幅方向外方側を通るよ
うに配置されて、後方に向かうにつれて車幅方向内方側
へ位置するように傾斜設定されている。そして、連結リ
ンク55の後端部がボ−ルジョイント56を介して後側
の脚部7bに連結され、また連結リンク55の前端部が
ボ−ルジョイント57を介してナックル6の前端部(ボ
−ルジョイント5よりも前方位置)に連結されている。
この連結リンク55の作用そのものは、前記実施例にお
ける連結リンク25と同様なので、その説明は省略す
る。
【0033】以上実施例について説明したが、本発明
は、後輪用サスペンション、特に後輪操舵が行なわれる
いわゆる4WS車用としても同様に適用し得る。また、
実施例では、スクラブ半径が負となるいわゆるネガティ
ブキャンバのものを示したが、0スクラブあるいはポジ
ティブキャンバのものにも同様に適用し得る。勿論、駆
動輪用ではなく、従動輪のサスペンションとしても適用
することができる。
は、後輪用サスペンション、特に後輪操舵が行なわれる
いわゆる4WS車用としても同様に適用し得る。また、
実施例では、スクラブ半径が負となるいわゆるネガティ
ブキャンバのものを示したが、0スクラブあるいはポジ
ティブキャンバのものにも同様に適用し得る。勿論、駆
動輪用ではなく、従動輪のサスペンションとしても適用
することができる。
【図1】図1は本発明の一実施例を示す全体斜視図。
【図2】図2は前後の各ロアア−ム部分を示す平面図。
【図3】図3はロアア−ム部分を後方から見た後面図。
【図4】図4は前後の各ロアア−ム部分を車体内方側か
ら見た側面図。
ら見た側面図。
【図5】図5はサスペンションダンパと前ロアア−ムと
の連結部分に用いられたブッシュの一例を示す断面図。
の連結部分に用いられたブッシュの一例を示す断面図。
【図6】図6は旋回外輪用の仮想キングピン軸の下方設
定点が後方へ変位される様子を示すための説明図。
定点が後方へ変位される様子を示すための説明図。
【図7】図7は本発明の作用を従来のものと比較しつつ
キャスタトレ−ルの変化に及ぼす影響を説明するための
説明図。
キャスタトレ−ルの変化に及ぼす影響を説明するための
説明図。
【図8】図8は本発明の他の実施例を示すもので、図2
に対応したスケルトン図。
に対応したスケルトン図。
1:前ロアア−ム 2:後ロアア−ム 3:サスペンションダンパ 6:ナックル(車輪支持部材) 7:取付部材 21:アッパア−ム 23:ボ−ルジョイント 25:連結リンク 55:連結リンク KP:仮想キングピン軸 KU:上方設定点 KD:下方設定点 KU1:転舵時の上方設定点(本発明) KD1:転舵時の下方設定点 T2:キャスタトレ−ル(従来) T3:キャスタトレ−ル(本発明)
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−92711(JP,A) 特開 平3−10919(JP,A) 特開 平3−231011(JP,A) 特開 平3−182822(JP,A) 特開 平2−220904(JP,A) 特開 昭63−106118(JP,A) 特開 昭61−218408(JP,A) 実開 昭61−17311(JP,U) 実開 平2−75378(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60G 3/18
Claims (4)
- 【請求項1】転舵輪用とされた車輪支持部材が前ロアア
−ムと後ロアア−ムとを介して車体に上下方向に揺動自
在に支持され、前記前ロアア−ムと後ロアア−ムとの車
体外方側延長交点によって仮想キングピン軸の下方設定
点を構成するようにした車両のサスペンション装置にお
いて、 サスペンションダンパと前記車輪支持部材とを連結し、
該サスペンションダンパに対して上下方向に揺動自在か
つ該サスペンションダンパの略軸線回りに該サスペンシ
ョンダンパと共に一体に回動し得るようにされたアッパ
ア−ムと、 前記前後の各ロアア−ムと車輪支持部材との組立体に対
して前記サスペンションダンパを連結しており、車輪の
前側部分が車幅方向内方側を向くような転舵時に生じる
前記組立体の変位を、前記アッパア−ムの車幅方向外端
部が後方へ変位する方向に対応した前記サスペンション
ダンパの回動動作として伝達する連結リンクと、を備え
ていることを特徴とする車両のサスペンション装置。 - 【請求項2】請求項1において、 前記連結リンクが、前記サスペンションダンパの車幅方
向外方側を通るように配置されて、該サスペンションダ
ンパと前記後ロアア−ムの車幅方向外端部付近とを連結
しているもの。 - 【請求項3】請求項1において、 前記連結リンクが、前記サスペンションダンパの車幅方
向外方側を通るように配置されて、該サスペンションダ
ンパと前記車輪支持部材との前部を連結しているもの。 - 【請求項4】請求項1ないし請求項3のいずれか1項に
おいて、 前記サスペンションダンパの下端部が、前記前ロアア−
ムに対してボ−ルジョイントを介して連結されているも
の。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04037193A JP3078908B2 (ja) | 1992-01-28 | 1992-01-28 | 車両のサスペンション装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04037193A JP3078908B2 (ja) | 1992-01-28 | 1992-01-28 | 車両のサスペンション装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05201216A JPH05201216A (ja) | 1993-08-10 |
JP3078908B2 true JP3078908B2 (ja) | 2000-08-21 |
Family
ID=12490739
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04037193A Expired - Lifetime JP3078908B2 (ja) | 1992-01-28 | 1992-01-28 | 車両のサスペンション装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3078908B2 (ja) |
-
1992
- 1992-01-28 JP JP04037193A patent/JP3078908B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05201216A (ja) | 1993-08-10 |
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