JP3078759B2 - 自動二輪車のチェーンカバー - Google Patents

自動二輪車のチェーンカバー

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JP3078759B2
JP3078759B2 JP09005935A JP593597A JP3078759B2 JP 3078759 B2 JP3078759 B2 JP 3078759B2 JP 09005935 A JP09005935 A JP 09005935A JP 593597 A JP593597 A JP 593597A JP 3078759 B2 JP3078759 B2 JP 3078759B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動二輪車の駆
動用ローラチェーンをフルに覆う(つまり同チェーンの
上部だけでなく下部をも覆う)チェーンカバーに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】自動二輪車では、エンジンの動力を後輪
に伝えるためにローラチェーンが一般的に使用される。
エンジンに直結された駆動用スプロケットと、後輪と一
体の被駆動用スプロケットとの間に、動力伝達用の鋼製
のローラチェーンが巻き掛けられているのである。
【0003】巻き掛けられたローラチェーンにはチェー
ンカバーが設けられる。通常のチェーンカバーはチェー
ンの上部(上巻掛部、すなわち上記二つのスプロケット
の上側同士に掛かった部分)を覆うものであるが、上部
および下部(下巻掛部、すなわちスプロケットの下側同
士に掛かった部分)をともに覆ってチェーンのほぼ全体
を囲うようにチェーンカバーが取り付けられる場合もあ
る。実公昭64−2875号公報や実開昭64−407
86号公報には、そのようにチェーンの上部と下部とを
覆うチェーンカバーが記載されている。
【0004】それらの公報には示されていないが、チェ
ーンカバーの下部には自動二輪車を立てるためのセンタ
ースタンド等が配置されることと関連して、チェーンカ
バーの底部を、ローラチェーンの下部から十分下方に離
して平らに形成することができない場合がある。つま
り、チェーンカバーの底部を全体的に上方位置に設けた
り、スタンドの支軸やリターンスプリングなどの位置に
合わせてチェーンカバーの底部のうちに上向きの窪みを
形成したりしなければならない場合が多いのである。そ
のような場合、長期間の使用でチェーンが緩んだときや
チェーンが上下に大きく振動したときなどにチェーンカ
バーの底部にチェーンが接触することがある。なお、上
記の公報においてもそうであるように、チェーンに緩み
や振動が生じた場合にチェーンとチェーンカバーとの接
触を防止するための手段は、従来は何ら採用されていな
い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ローラチェーンの上部
と下部とをともに覆う従来のチェーンカバーでは、自動
二輪車の走行中に、チェーンカバーの内面にチェーンが
接触しがちである。上述のようにチェーンカバーの底部
はチェーンの下部と接近している場合があり、しかも、
両者間には何ら接触防止手段がとられていないため、チ
ェーンが緩んだり大きく振動したりしたときチェーンの
最下部分がチェーンカバーの底部上面に当たるのであ
る。そのようにチェーンがチェーンカバーと接触する
と、チェーンカバーから耳障りな騒音が生じるほか、摩
擦によって動力損失が発生する。
【0006】本発明の目的は、ローラチェーンの上部お
よび下部を覆うチェーンカバーであって、同チェーンと
の接触を防止する好適な手段を有するものを提供するこ
とである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載した自動
二輪車のチェーンカバーは、自動二輪車における後輪へ
の動力伝達用ローラチェーンの上部(上巻掛部)および
下部(下巻掛部)を覆うチェーンカバーにおいて、セン
タースタンドまたはサイドスタンドの位置に合わせて底
部の一部に上向きの窪みを形成し、ローラチェーンの下
部が接近するその窪みの上面に、ローラチェーンとチェ
ーンカバーとの接触を防止するための弾性体を取り付け
たことを特徴とする。弾性体としてはたとえば、ゴム製
のパッドや軟質樹脂(プラスチック)部材、または革バ
ンドのようなスリッパを取り付けるとよい。
【0008】このようなチェーンカバーでは、下にセン
タースタンド等が配置されるという事情で底部の一部
(窪み)がローラチェーンの下部と接近しているにもか
かわらず、チェーンカバーの底部にそのチェーンの接触
することが防止される。チェーンの下部が接近する底部
の窪みの上面に弾性体を取り付けているため、チェーン
が緩んだり振動したりしてもそのチェーンは弾性体との
み接触し、チェーンカバーには接触しないのである。弾
性体にはその弾性に基づく衝撃吸収性があるため、チェ
ーンがこれと接触しても、直接チェーンカバーと接触す
る場合のような大きな騒音が生じることはなく、また長
期間の使用によってもチェーンやチェーンカバーが摩耗
することはない。
【0009】なお、このチェーンカバーはチェーンの上
部・下部をともに覆うものであるため、チェーンに泥や
ほこりを付着させ難いうえ、チェーンそのものが発する
騒音を低減する作用をも発揮する。
【0010】請求項2に記載のチェーンカバーは、ロー
ラチェーンのうちローラの表面のみが上記弾性体と接触
するように、ローラチェーンの長手方向に沿って延びた
畝状の突起をその弾性体の上面に形成したことをも特徴
とする。ローラチェーンにおけるローラとは、まゆ形を
したリンクプレートをつなぐピンにかぶせられて、左右
一対のリンクプレート間の間隔を保つ等の役目をなす円
筒体であり、ピンの回りで自由に回転するものである。
【0011】チェーンカバーに取り付ける弾性体の上面
は、広く平らに形成してローラチェーンのリンクプレー
ト(の下部外縁)が接触するようにしても上記請求項1
の作用は発揮されるが、この請求項2のように畝状の突
起を形成しておくのが一層好ましい。なぜなら、ローラ
チェーンにおけるローラは、上記のとおり回転自在であ
って弾性体と接触するときにも回転して弾性体を擦るこ
とが少ないため、弾性体をほとんど摩耗させないからで
ある。また、ローラチェーンと弾性体とがこのように転
がり接触をして、擦れ合いをあまり起こさない以上、両
者の接触にともなう動力損失が小さく抑えられるという
理由もある。またローラは円筒形状をしており、畝状の
突起に対して徐々に接触面積を増やす態様で接触するた
め、広い面積部分を同時に打ち付けるように接触させる
可能性のあるリンクプレートに比べて接触時の衝撃が小
さく、したがって騒音や振動が少ないという特質もあ
る。
【0012】請求項3のチェーンカバーは、弾性体の下
面に、太い(円形断面であれば径の大きな)頭部とそれ
よりも細い(やはり円形断面なら径の小さな)頸部とを
有していてチェーンカバーの底部の穴と係合し得る突起
を複数形成したことをも特徴とする。なお、突起は、弾
性体の本体と同じ材料で一体に形成するとよい。
【0013】弾性体の下面に上記のような突起を複数形
成し、チェーンカバーの底部に設けた穴にそれら突起を
それぞれ差し入れることにより、弾性体は、チェーンカ
バーの底部上面に容易に取り付けることができる。突起
のそれぞれは太い頭部とそれよりも細い頸部とを有して
いるため、チェーンカバーの底部の穴を頭部よりも小さ
く頸部より大きい適当な大きさにしたうえで、その底部
の上面から突起を押し込むように穴にくぐらせれば、突
起と穴とを係合させて弾性体をチェーンカバーに取り付
けることが可能だからである。そうして取り付けた状態
では、比較的細い頸部の部分が穴に通っていて比較的太
い(穴よりも大きな)頭部が穴の外側(チェーンカバー
の底部下面)に突出していることになり、自動二輪車の
走行中にも弾性体がチェーンカバーから外れることはな
い。このように請求項3のチェーンカバーには、底部上
面に対して容易にかつ安定的に弾性体を取り付けること
ができる、という利点がある。
【0014】請求項4のチェーンカバーはさらに、弾性
体の上記突起と係合し得る底部の穴として、突起の頭部
を挿入容易な大きさの挿入部と、細く弾性変形させた頸
部のみが入る幅の連絡部と、頸部が入って頭部が通らな
い大きさの係止部とを車体の前方からこの順に一連に有
するものを形成した−という特徴をも有している。
【0015】前記した請求項3のチェーンカバーでは、
底部の穴に弾性体の突起の頭部を押し込むことが容易で
ない場合も考えられる。取り付けた弾性体がチェーンカ
バーから外れてしまわないように上記の穴は突起の頭部
よりも小さくなければならないが、その一方、穴が小さ
すぎるとそれに突起をくぐらせるのが容易でなくなるの
である。したがって、請求項3の場合に弾性体の取り付
けをつねに容易に行うためには、穴と突起の寸法を厳密
に定めるか、または、突起や穴に特殊な形状を付与する
など、コストをともなう構造的処置が求められる。
【0016】その点、請求項4のチェーンカバーによれ
ば、特殊な構造をとらなくても弾性体の取り付けがつね
に容易で、しかもその取り付け後に弾性体が外れるよう
な恐れもない。その理由はつぎのとおりである。
【0017】まず、請求項4のこのチェーンカバーに対
しては、その底部の穴に弾性体の突起を係合させやす
い。このチェーンカバーの穴には、突起の頭部を挿入容
易な大きさの挿入部を含めているため、この挿入部を利
用して底部の上面から下面の側へと容易に突起の頭部を
くぐらせることができるからである。挿入部に突起を挿
入したうえ弾性体を手で持って車体の後方へずらせば、
突起の頸部は連絡部の幅の内側にはさまれて細めに弾性
変形しながら、その連絡部を移動して係止部の内部に達
し、穴と突起とが最終的な係合状態になる。
【0018】係止部は、頸部がらくに入って頭部が通ら
ない大きさを有するため、頸部がこの係止部内に達した
上記の係合状態では、振動等によって突起が穴(係止
部)から抜け出ることはあり得ない。また、連絡部には
細く弾性変形させた頸部が入る幅しかないため、係止部
に入った頸部が振動や重力等の作用で連絡部内を挿入部
に向かって逆戻りすることもない。自動二輪車の走行中
に循環してチェーンカバー内で移動するローラチェーン
は、その下部が車体の前方から後方へ向かって移動し、
弾性体の上面に接触する場合にもそれを後方へ−すな
わち上記の穴の係止部の側へ−移動させるのであるか
ら、ローラチェーンが弾性体を押し動かすことにより突
起を穴の挿入部まで移動して両者の係合を解く、といっ
た事態も生じない。以上の点から、このチェーンカバー
には弾性体が容易に取り付けられ、しかも取り付け後に
その弾性体が外れるような恐れもないのである。なお、
弾性体は、このように取り付けが容易であるほか取り外
しも容易である(手で持って車体の前方へずらしたうえ
挿入部から突起を抜き出せばよい)ため、摩耗した場合
等に交換することも容易である。
【0019】
【発明の実施の形態】図1〜図3に、本発明の実施につ
いて一形態を紹介する。図1(a)はチェーンカバー10
の要部を示す側面図であり、同(b)は同(a)におけるb
−b断面図である。図2(a)は、図1のチェーンカバー
10に弾性体として取り付けるゴムパッド15の平面
図、同(b)はそのゴムパッド15の側面図、また同(c)
は、図1(a)におけるII−II矢視図でありゴムパッド1
5の取付け部分を示す平面図である。そして図3は、図
1のチェーンカバー10を取り付けている自動二輪車1
の後部を示す側面図である。
【0020】図3に示すように、自動二輪車1は、車体
フレームのうちにエンジン2を搭載し、その動力で後輪
3を駆動するものとして構成している。後輪3を支持す
るスイングアーム4は、シャフト4aにより揺動可能な
状態に取り付けて後方へ延ばし、車体との間にクッショ
ンユニット5を接続している。後輪3のへの動力伝達手
段としては、エンジン2の出力軸に連結した駆動側のス
プロケット6と後輪3上の非駆動側スプロケット7との
間に伝動用のローラチェーン8を巻き掛けている。
【0021】そのローラチェーン8は、図3のとおりフ
ルカバー式のチェーンカバー10により覆っている。フ
ルカバー式であるため、カバー10はチェーン8の上部
だけでなく下部をも同時に覆う。すなわち、カバー10
は、アッパーカバー11とアンダーカバー12とを上下
から接合し、スイングアーム4を含めて一体にしたもの
であるが、チェーン8のうちスプロケット6・7の上部
同士に掛けた上部(上巻掛部)をアッパーカバー11に
より覆い、スプロケット6・7の下部同士に掛けた下部
(下巻掛部)をアンダーカバー12で覆っている。エン
ジン2に設けたカバー2aの内側に駆動側スプロケット
6を配置し、チェーンカバー10の前端部をこのカバー
2aの内側へ挿入しているため、チェーンカバー10と
カバー2aとによってチェーン8を全周的に覆っている
ことになる。
【0022】チェーンカバー10の真下の部分には、図
3に示すようにセンタースタンド9Aが位置している。
センタースタンド9Aは、車体に固定したシャフト9p
を中心に回転することができ、図3の実線のように起こ
したとき自動二輪車1を立てておくことができる。走行
中には仮想線のように横向きに跳ね上げておくが、その
状態を自ら保つことができるように、センタースタンド
9Aと車体上の止め具9tとの間にはリターンスプリン
グ9sが掛かっている。
【0023】センタースタンド9Aやリターンスプリン
グ9sおよび止め具9tをこのように真下に配置する関
係で、この自動二輪車1では、チェーンカバー10(ア
ンダーカバー12)の底部の一部に上向きの窪み(突出
部)12aを形成している。仮に当該カバー10の底部
を平坦に形成して下方に位置させたなら、横向きに上げ
た状態のセンタースタンド9Aやリターンスプリング9
sまたは止め具9tにその底部が接触してしまうからで
ある。カバー10はスイングアーム4とともに上下に揺
動する(図3は、スイングアーム4やカバー10が最も
下方へ変位した状態を示している)ので、静止時に接触
しなくても走行中に底部がセンタースタンド9A等に当
たる可能性がある。
【0024】しかし、チェーンカバー10の底部に上記
の窪み12aを形成すると、その窪み12aの内面に、
当該カバー10内に巻き掛けてあるローラチェーン8が
接触しやすくなる。チェーン8の高さ位置は、車体全体
のレイアウトや走行性能等から定まるエンジン2の搭載
位置、後輪3の径、およびスプロケット6・7の径など
によって決まり、その一方、センタースタンド9Aやリ
ターンスプリング9s等の位置も取扱い上ほかに変更し
難いことから、この自動二輪車1の場合にはチェーン8
とカバー10の底部との間に十分なスペースをとりにく
いからである。チェーン8とチェーンカバー10の底部
(窪み12a)とが接触すると、当該カバー10から騒
音が発生するなど、不都合が生じる。
【0025】そこでこの自動二輪車1では、チェーンカ
バー10(アンダーカバー12)の底部に形成した上記
の窪み12aの上面に、図1のようにゴムパッド15を
取り付けた。ゴムパッド15は、チェーン8がこれとは
接触してもアンダーカバー12の底部とは接触すること
のないように取り付けたものである。したがって、チェ
ーン8と接触しても騒音や振動を生じないだけの緩衝性
と強度とをもつよう、JIS硬度が約80度のNBRを
材料にするとともに、全体として帯状の概形を与え、窪
み12aのほぼ全体を覆う長さとチェーン8の全幅以上
の幅をもたせている。
【0026】ローラチェーン8との接触をできるだけ滑
らかにし、かつ、チェーンカバー10への取り付けを容
易にするために、ゴムパッド15にはつぎのような部分
を設けている。すなわち、図1(b)や図2(a)・(b)に
示すように、帯状部15bの上面に長手方向に沿って畝
状の凸部15aを形成し、下面の三箇所には、下端に大
径の頭部15dを有し中間にやや小径の頸部15eを有
する突起15cを設けている。凸部15aと帯状部15
b・突起15cとは、同じ材料(上記NBR)にて一体
に形成している。
【0027】ゴムパッド15の各部のうち上面の凸部1
5aは、図1(b)のように、ゴムパッド15が、ローラ
チェーン8のうちのローラ8cとのみ接触するように寸
法を定めたものである。つまり、チェーン8は、左右に
対をなすリンクプレート8aがピン8bによって左右お
よび長手方向に連結されていて、それらピン8bの中間
部に円筒形のローラ8cが回転自在な状態にかぶせられ
ているが、ゴムパッド15の凸部15aは、その幅が両
側のリンクプレート8a間の間隔(内のり)よりも小さ
く、その高さが、リンクプレート8aとローラ8cの表
面間の段差よりも大きい。そのため、チェーン8が弛ん
だり上下に揺れたりしてゴムパッド15と接触するとし
ても、チェーン8のうちローラ8cのみがゴムパッド1
5のうちの凸部15aとのみ接触し、他の部分が接触し
合うことはない。ローラ8cが、回転自在であってゴム
パッド15との接触時にも回転しチェーン8との擦れ合
いをほとんど起こさないため、こうした構成により、ゴ
ムパッド15が摩耗しにくく、接触にともなう動力損失
も小さくなる。円筒形状のローラ8cと凸部15aと
は、接触するとき徐々に接触面積を増やす接し方をする
ため、いわゆる打ち付け音が小さく、その意味でもゴム
パッド15に凸部15aを設けたメリットがある。
【0028】ゴムパッド15の下面三箇所に形成した突
起15cは、チェーンカバー10へのゴムパッド15の
取り付けを容易にするためのものである。アンダーカバ
ー12の底部のうち前述の窪み12aの位置に図2(c)
のような穴13を三つ形成しておいたことにより、その
底部へのゴムパッド15の取り付けは極めて簡単に行え
る。まず、それぞれの穴13は、車体の前方から順に挿
入部13a・連絡部13b・係止部13cを一連に設け
ることにより形成している。挿入部13aは円形孔であ
り、その大きさは、図2(b)に示すゴムパッド15の突
起15cのうち下端の頭部15dがらくに入るものであ
る。図2(c)において連絡部13bは、挿入部13aか
ら係止部13cにまで突起15cを移動させ得る隘路で
ある。この連絡部13bの幅はゴムパッド15の頸部1
5eの太さよりもやや狭いため、頸部15eを細めに弾
性変形させてはじめて、つまりゴムパッド15に多少の
力が加えられたときのみに、突起15cがこの連絡部1
3b内を移動し得る。そして係止部13cは円形孔で、
頸部15eがらくに入るものの頭部15dが通ることの
できない大きさ(つまり頸部15eの太さより大きく頭
部15dの太さより小さい)を有している。
【0029】前記の突起15cは、このような穴13を
もつアンダーカバー12の底部に対し容易に、かつ確実
に係合させることができる。つまり、下記〜のよう
な方法でゴムパッド15をアンダーカバー12の底部に
取り付けることができる。ゴムパッド15を手で持っ
て突起15cをそれぞれ穴13の挿入部13aに差し込
む。挿入部13aは突起15cの頭部15dがらくにく
ぐる大きさを有するため、この操作は容易である。ゴ
ムパッド15を持って後方へ移動させる。このとき多少
の力を加えることにより、頸部15eは、連絡部13b
に接しながらやや細く弾性変形して連絡部13bを通過
し、係止部13c内に達する。図2(a)・(b)のように
ゴムパッド15の前部(図の左方)は最前部の突起15
cを越えて前方へ延びているので、頸部15eを係止部
13cまで移動させても、ゴムパッド15は挿入部13
aを含めてすべての穴13を覆うことができる。頸部
15eが係止部13cに達すると、ゴムパッド15の突
起15cはアンダーカバー12の穴13と係合し終わ
り、自ら外れることはない。なぜなら、頭部15dが係
止部13cを通り得ないため突起15cが上向きに抜け
出ることはなく、また頸部15eが自ら弾性変形して連
絡部13bを通過し、挿入部13aにおいて突起15c
が外れることもあり得ないからである。なお、図1から
予測できるように、ゴムパッド15は、自動二輪車1
(図3)の走行中にローラチェーン8と接触し、特定の
方向に押される可能性があるが、その作用によってもゴ
ムパッド15の突起15cがアンダーカバー12から外
れることはない。当該チェーン8の循環向きはつねに一
定であり、その下部は必ず車体の前方から後方へ移動す
るため、チェーン8がゴムパッド15に接触してもそれ
を前方へ押すことはなく、したがって図2における挿入
部13aへ向けて突起15cを移動させることはないか
らである。
【0030】以上、図1・図3のように、チェーンカバ
ー10(アンダーカバー12)の底部にセンタースタン
ド9Aやその関連部品が接近している自動二輪車1の例
を紹介したが、センタースタンド9Aではなく(または
それと同時に)サイドスタンド(たとえば図3における
符号9B)がチェーンカバーに接近しているような場合
にも、上記と同様の弾性体(ゴムパッド等)をそのチェ
ーンカバーの底部に取り付けることにより所定の効果が
もたらされることは言うまでもない。なお、ゴムパッド
に代わる弾性体としては、軟質樹脂(プラスチック)製
の部材や革バンドなど、適当な弾性を有する種々の材料
を使用することができる。
【0031】
【発明の効果】請求項1に記載した自動二輪車のチェー
ンカバーによると、下にセンタースタンド等が配置され
という事情で底部の一部(窪み)がローラチェーンの
下部と接近しているにもかかわらず、チェーンカバーの
底部にそのチェーンが直接接触することが防止される。
つまり、チェーンが緩んだり振動したりしてもそのチェ
ーンは弾性体とのみ接触し、チェーンカバーには接触し
ないため、大きな騒音が生じたりチェーンやチェーンカ
バーが摩耗したりすることがない。
【0032】請求項2に記載のチェーンカバーでは、ロ
ーラチェーンのうちローラのみが弾性体と接触するた
め、弾性体がほとんど摩耗せず、その接触にともなう動
力損失が小さく、また騒音や振動も少ない。
【0033】請求項3のチェーンカバーでは、ボルト・
ナット等を用いなくても簡単に、弾性体をチェーンカバ
ーの底部上面に取り付けることができる。したがって、
自動二輪車の製造時やメンテナンスの際の組み立てが容
易である。
【0034】請求項4のチェーンカバーでは、さらに、
チェーンカバー・弾性体とも構造が簡単でありながら、
チェーンカバーへの弾性体の取り付けがつねに容易で、
しかも確実である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施について一形態を示す図であり、
図1(a)はチェーンカバー10の要部を示す側面図、ま
た同(b)は、同(a)におけるb−b断面図である。
【図2】図2(a)は、図1のチェーンカバー10に取り
付けられるゴムパッド15(弾性体)の平面図、同(b)
はそのゴムパッド15の側面図、そして同(c)は、図1
(a)におけるII−II矢視図でありゴムパッド15用の取
付け部分を示す平面図である。
【図3】図1のチェーンカバー10を取り付けている自
動二輪車1の後部を示す側面図である。ただし、この図
3は、スイングアーム4やカバー10が最も下方へ変位
した状態を示している。
【符号の説明】
1 自動二輪車 3 後輪 8 ローラチェーン 8c ローラ 9A センタースタンド 10 チェーンカバー 12 アンダーカバー 13 穴 13a 挿入部 13b 連絡部 13c 係止部 15 ゴムパッド(弾性体) 15a (畝状の)凸部 15c 突起 15d 頭部 15e 頸部
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−238452(JP,A) 特開 平9−263278(JP,A) 実開 昭61−164849(JP,U) 実開 昭54−22753(JP,U) 実開 昭63−72288(JP,U) 実公 平1−27512(JP,Y2) 実公 昭55−1990(JP,Y2) 実公3185(大正13年)(JP,Y1 T) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62J 13/00 - 13/06 B62M 9/00 B62M 9/16 B62H 1/02

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動二輪車における後輪への動力伝達用
    ローラチェーンの上部および下部を覆うチェーンカバー
    において、センタースタンドまたはサイドスタンドの位置に合わせ
    て底部の一部に上向きの窪みを形成し、 ローラチェーン
    の下部が接近するその窪みの上面に、ローラチェーンと
    チェーンカバーとの接触を防止するための弾性体を取り
    付けたことを特徴とする自動二輪車のチェーンカバー。
  2. 【請求項2】 ローラチェーンのうちローラの表面のみ
    が上記弾性体と接触するように、ローラチェーンの長手
    方向に沿って延びた畝状の突起をその弾性体の上面に形
    成した請求項1に記載の自動二輪車のチェーンカバー。
  3. 【請求項3】 弾性体の下面に、太い頭部とそれよりも
    細い頸部とを有していてチェーンカバーの底部の穴と係
    合し得る突起を複数形成した請求項1または2に記載の
    自動二輪車のチェーンカバー。
  4. 【請求項4】 弾性体の上記突起と係合し得る底部の穴
    として、突起の頭部を挿入容易な大きさの挿入部と、細
    く弾性変形させた頸部のみが入る幅の連絡部と、頸部が
    入って頭部が通らない大きさの係止部とを車体の前方か
    らこの順に一連に有するものを形成した請求項3に記載
    の自動二輪車のチェーンカバー。
JP09005935A 1997-01-17 1997-01-17 自動二輪車のチェーンカバー Expired - Fee Related JP3078759B2 (ja)

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