JP6519931B2 - 鞍乗り型車両のドライブチェーンの振れ防止装置 - Google Patents

鞍乗り型車両のドライブチェーンの振れ防止装置 Download PDF

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Description

本発明は、鞍乗り型車両のドライブチェーンの振れ防止装置に関するものである。
自動二輪車等の鞍乗り型車両の動力伝達構造として、エンジン(駆動源)側の出略軸に設けられたドライブスプロケットと、後輪車軸に設けられたドリブンスプロケットとが、ドライブチェーンによって連結されたものが一般的に用いられている。
この種のドライブチェーンを用いる鞍乗り型車両においては、不整地走行時等に後輪が上下に激しく動くときや、駆動トルクの変動が激しいとき等のドライブチェーンの上下の振れを抑制する手段を備えるものがある。
例えば、後輪を車体に揺動可能に支持するスイングアームに、ドライブチェーンの振れを規制するチェーンガイドを設けた自動二輪車が知られている(特許文献1参照)。
特許文献1に記載の自動二輪車の振れ防止装置は、ドライブチェーンが接触したときに衝撃や騒音を緩和するための中空部がチェーンガイドに設けられている。
また、スイングアームの揺動が比較的大きいオフロードタイプの自動二輪車においては、スイングアームの揺動軸の上下位置の近傍に、回転可能なガイドローラが設けられたものも案出されている(例えば、特許文献2参照)。
特許文献2に記載の自動二輪車の振れ防止装置は、ガイドローラがゴム等の弾性部材によって形成されている。ガイドローラは、車体フレームにステイを介して回転可能に取り付けられている。ガイドローラは、ドライブチェーンが上下に所定以上に変位したときに、ドライブチェーンと当接することにより、ドライブチェーンの上下の変位を抑制する。
また、ドライブチェーンの変位規制部をチェーンカバーに持つ自動二輪車が案出されている(例えば、特許文献3参照)。
特許文献3に記載の自動二輪車は、車両スタンドの跳ね上げ回動時に、車両スタンドがチェーンカバーと干渉するのを防止するために、チェーンカバーの前縁部の下面側に上方に凸となる凹部が設けられている。チェーンカバーの凹部の上面側には、ドライブチェーンの下方への所定以上の変位を規制するゴムパッドが設けられている。ゴムパッドは、ドライブチェーンが下方に所定以上に変位したときに、ドライブチェーンと当接することにより、ドライブチェーンの下方への所定以上の変位を抑制する。
特開2007−38936号公報 特開平9−221076号公報 特開平10−203450号公報
しかしながら、特許文献1,2に記載の自動二輪車においては、ドライブチェーンの所定以上の変位を規制するためのチェーンガイドやガイドローラが専用の部品を介してスイングアームや車体フレームに取り付けられている。また、ドライブチェーンの変位規制時における緩衝機能を高めようとすると、例えば、特許文献2に記載のガイドローラを可動機構を介して車体フレーム等に取り付けることになる。このように、振れ防止装置の機能を上げるほど、部品点数が増加する傾向にある。
また、特許文献3に記載の自動二輪車は、チェーンカバーに設けられたゴムパッドによってドライブチェーンの振れを規制する構造とされているため、ドライブチェーンが下方に比較的大きく振れる可能性のある自動二輪車においては、この構造を採用することは難しい。
そこで本発明は、緩衝機能を高めながらも、部品点数の増加を抑制できる鞍乗り型車両のドライブチェーンの振れ防止装置を提供しようとするものである。
本発明に係る鞍乗り型車両のドライブチェーンの振れ防止装置は、上記課題を解決するために、以下の構成を採用した。
即ち、本発明に係る鞍乗り型車両のドライブチェーンの振れ防止装置は、駆動源(2)の動力を後輪(WR)に伝達するドライブチェーン(38)の振れを抑制する振れ抑制部材(49,149)と、車体に跳ね上げ回動可能に取り付けられた車両スタンド(40)と、を備える鞍乗り型車両のドライブチェーンの振れ防止装置において、前記振れ抑制部材(49,149)が前記車両スタンド(40)に設けられていることを特徴とする。
上記の構成の場合、振れ抑制部材(49,149)が車両スタンド(40)を利用して車体側に取り付けられるため、部品点数の増加を抑制しながら、ドライブチェーン(38)の振れを振れ抑制部材(49,149)によって効率良く、かつ、適切に抑制することが可能になる。
前記車両スタンド(40)は、起立位置と跳ね上げ位置の間で回動変位可能なスタンドフレーム(42)を有し、前記振れ抑制部材(49,149)は、前記スタンドフレーム(42)が跳ね上げ位置になったときに、振れ抑制効果を発揮するように前記スタンドフレーム(42)に取り付けられるようにしても良い。
この場合、ドライブチェーン(38)が振れる可能性のある車両の走行時には、振れ抑制部材(49,149)がドライブチェーン(38)の振れを抑制し、ドライブチェーン(38)が静止する車両停車時には、振れ抑制部材(49,149)がドライブチェーン(38)から離反することになる。このため、車両の走行時には、振れ抑制部材(49,149)によってドライブチェーン(38)の振れを適切に抑制し、車両の停車時には、ドライブチェーン(38)やその周辺部品のメンテナンスを容易に行うことが可能になる。
前記車両スタンド(40)は、前記スタンドフレーム(42)を跳ね上げ位置に向けて付勢するリターンスプリング(45)を有し、前記リターンスプリング(45)は、前記スタンドフレーム(42)が跳ね上げ位置にある状態で、前記ドライブチェーン(38)から前記振れ抑制部材(49,149)に荷重が入力されたときに、荷重入力による衝撃や振動を緩和する効果を発揮するようにしても良い。
この場合、ドライブチェーン(38)が振れ抑制部材(49,149)に当接する際の衝撃や振動を車両スタンド(40)のリターンスプリング(45)を利用して緩和することができる。したがって、この構成を採用した場合には、車両スタンド(40)の構成部品であるリターンスプリング(45)に、ドライブチェーン(38)の振れ抑制の機能を持たせることができ、効率良くドライブチェーン(38)に作用する衝撃や振動を緩和することができる。
前記振れ抑制部材(49,149)は、少なくとも一部に弾性部材を有するローラ部材によって構成されるようにしても良い。
この場合、車両走行時にドライブチェーン(38)が少なくとも外面に弾性部材を有するローラ部材に当接すると、ローラ部材がドライブチェーン(38)の回転に追従して回転しつつ、ドライブチェーン(38)の変位を抑制することになる。したがって、この構成を採用した場合には、ローラ部材によってドライブチェーン(38)の当接衝撃や振動を抑制することができるうえ、ドライブチェーン(38)に作用するフリクションを低減することができる。
前記車両スタンド(40)は、スタンドフレーム(42)が車幅方向に沿う仮想直線(L0)に対して上方に傾斜する回動軸(43)を中心として回動するサイドスタンド(40)であり、前記振れ抑制部材(49)は、前記ドライブチェーン(38)に対する振れ抑制部幅(w1)が、前記ドライブチェーン(38)の幅(w0)の2倍以上の幅に設定されるようにしても良い。
この場合、スタンドフレーム(42)が跳ね上げ位置にある状態でドライブチェーン(38)が振れ抑制部材(49)に当接し、その当接荷重を受けてスタンドフレーム(42)が回動軸(43)を中心として回動変位すると、振れ抑制部材(49)が回動軸(43)の傾斜分だけ車幅方向に変位することになる。このとき、振れ抑制部材(49)は、振れ抑制部幅(w1)がドライブチェーン(38)の幅(w0)の2倍以上の幅に設定されているため、ドライブチェーン(38)の振れ抑制ができる振れ範囲を充分に確保することができる。
前記車両スタンド(40)は、スタンドフレーム(42)が車幅方向に沿う仮想直線(L0)に対して上方に傾斜する回動軸(43)を中心として回動するサイドスタンド(40)であり、前記振れ抑制部材(149)の一端部側に前記スタンドフレーム(42)が配置され、前記振れ抑制部材(149)の他端部側に前記ドライブチェーン(38)の抜け規制部(55b)が設けられるようにしても良い。
この場合、スタンドフレーム(42)が跳ね上げ位置にある状態でドライブチェーン(38)が振れ抑制部材(149)に当接し、その当接荷重を受けてスタンドフレーム(42)が回動軸(43)を中心として回動変位すると、振れ抑制部材(149)が回動軸(43)の傾斜分だけ車幅方向に変位することになる。このとき、振れ抑制部材(149)の他端部側にはドライブチェーン(38)の抜け規制部(55b)が設けられているため、ドライブチェーン(38)が振れ抑制部材(149)からずれ落ちるのを抜け規制部(55b)によって防止することができる。
本発明によれば、ドライブチェーンの過大な振れを抑制する振れ抑制部材が車両スタンドに設けられているので、緩衝機能を高めながらも、部品点数の増加を抑制できる。
本発明の一実施形態の鞍乗り型車両の側面図である。 本発明の一実施形態の鞍乗り型車両の一部を拡大した側面図である。 本発明の一実施形態の振れ防止装置の斜視図である。 本発明の一実施形態の鞍乗り型車両の一部を拡大した側面図である。 本発明の一実施形態の鞍乗り型車両の一部を拡大した側面図である。 本発明の一実施形態の振れ防止装置を拡大した側面図である。 本発明の一実施形態の振れ防止装置の前面図である。 本発明の他の実施形態の振れ防止装置の前面図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明における前後左右等の向きは、特別に断らない限り車両における向きと同一とする。また、図中の矢印FRは車両の前方を指し、矢印UPは車両の上方を指し、矢印LHは車両の左側方を指すものとする。
図1は、本実施形態に係る鞍乗り型車両の左側面を示す図である。
本実施形態の鞍乗り型車両は、エンジン2によって後輪WRが駆動されるオフロードタイプの自動二輪車(以下、「自動二輪車1」と称する。)である。
自動二輪車1の車体フレームFは、前端部に配置されるヘッドパイプ11と、ヘッドパイプ11から後斜め下方へ延出するメインフレームパイプ12と、ヘッドパイプ11上のメインフレームパイプ12との連結部の下方位置から下方に延出するダウンパイプ13と、メインフレームパイプ12の後部領域の左右の側部から下方に湾曲して延出する一対のセンタパイプ14L,14Rと、を備えている。センタパイプ14L,14Rの下端部同士は車幅方向に延出するクロスパイプ15によって結合されている。
車体フレームFは、さらにメインフレームパイプ12の後部から車体後方側に向かって延出する左右一対のシートレール16L,16Rと、左右の各センタパイプ14L,14Rのクロスパイプ15よりも上方側の下部領域と左右の対応するシートレール16L,16Rの後部領域とを連結するサポートパイプ17L,17Rと、を備えている。左右の各サポートパイプ17L,17Rは前端部から後端部に向かって上方に傾斜して延出しており、シートレール16L,16R、センタパイプ14L,14R、サポートパイプ17L,17Rによって囲まれる領域が側面視で略三角形状を呈している。
なお、上記の部材のうち紙面前後で重なって隠れている部材(例えば、センタパイプ14R)は、図示都合上括弧書きで符号を付している。以下の説明では、紙面前後で重なって隠れている部材については同様に扱っている。
ヘッドパイプ11には、図示しないステアリングステムが回動自在に軸支されている。ステアリングステムの上部にはトップブリッジ18が取り付けられ、ステアリングステムの下部にはボトムブリッジ19が取り付けられている。トップブリッジ18とボトムブリッジ19には、左右一対のフロントフォーク22L,22Rが保持されている。フロントフォーク22L,22Rの下端部には、前輪WFが回転自在に軸支されている。また、トップブリッジ18には、操向ハンドル21が取り付けられている。
メインフレームパイプ12の上方には燃料タンク50が取り付けられ、燃料タンク50の後部のシートレール16L,16R上には乗員が着座するためのシート51が取り付けられている。また、シートレール16L,16R、センタパイプ14L,14R、サポートパイプ17L,17Rによって囲まれる側面視が略三角形状の領域の車幅方向内側の空間には、エンジン2で吸入する空気を濾過するための図示しないエアクリーナが配置されている。
メインフレームパイプ12の下方でダウンパイプ13とセンタパイプ14L,14Rに挟まれた領域には、エンジン2(駆動源)及び変速機23を主要素とするパワーユニット24が配置されている。エンジン2はクランク軸を収容するクランクケース26の上部にシリンダブロック27が一体に結合される。変速機23は、エンジン2のクランクケース26の後部に設けられている。変速機23は、エンジン2の動力を外部に取り出すための出力軸28を備えている。出力軸28は、パワーユニット24の車幅方向の左側に突出している。出力軸28の突出端には、ドライブスプロケット29が一体に結合されている。
ここで、パワーユニット24は、前部側下端がブラケット30を介してダウンパイプ13の下縁部に固定されるとともに、後縁部がピボットプレート31L,31Rを介して左右のセンタパイプ14L,14Rに固定されている。ピボットプレート31L,31Rは、左右のセンタパイプ14L,14Rの各下縁部に取り付けられている。
ピボットプレート31L,31Rの上下方向の中間領域には、スイングアーム34の前端部を揺動可能に軸支するピボット軸35が取り付けられている。ピボット軸35は、パワーユニット24が車体フレームFに搭載されたときに、パワーユニット24の出力軸28(ドライブスプロケット29)の後方近傍となる位置に配置されている。
スイングアーム34は、左右一対のアーム部34aL,34aRを有し、両アーム部34aL,34aRの前端部がピボット軸35に軸支されている。スイングアーム34の両アーム部34aL,34aRの後端部には、後輪WRの車軸36が回転可能に軸支されている。アーム部34aL,34aRは、後輪WRを挟んで車幅方向の両側に配置されている。車軸36の車幅方向の左側にはドリブンスプロケット37が一体に取り付けられている。パワーユニット24側のドライブスプロケット29とスイングアーム34の後部のドリブンスプロケット37には、エンジン2の動力を後輪WRに伝達するためのドライブチェーン38が掛け渡されている。
なお、スイングアーム34は、図示しないクッションユニットを介して車体フレームFに支持されている。
スイングアーム34の前端部は、左右のセンタパイプ14L,14Rとサポートパイプ17L,17Rの接合部とほぼ同じ高さにおいて、左右のセンタパイプ14L,14Rの間に挿入され、その状態においてピボット軸35に回動可能に支持されている。ドライブスプロケット29に係合されたドライブチェーン38の前部領域は、パワーユニット24の後縁部の左側面と左側のピボットプレート31Lの右側面の間の空間部に配置されている。
また、左側のピボットプレート31Lとセンタパイプ14Lの下縁部には、車両スタンドであるサイドスタンド40が取り付けられている。サイドスタンド40は、ピボットプレート31Lとセンタパイプ14Lに取り付けられる支持ブラケット41と、支持ブラケット41に回動自在に支持されたスタンドフレーム42と、を備えている。スタンドフレーム42は、支持ブラケット41に設けられた回動軸43を中心として起立位置と跳ね上げ位置の間で回動変位可能とされている。
起立位置では、スタンドフレーム42が下端の接地部42aを路上に接地した状態で起立する。このとき、車両は、左側方にやや傾斜した状態で、スタンドフレーム42によって起立状態に維持される。また、跳ね上げ状態では、回動軸43を中心として、スタンドフレーム42の下端が車体後方側に跳ね上げられた状態となる。これにより、車両は、スタンドフレーム42による接地が無くなり、運転者による走行が可能になる。
サイドスタンド40には、ドライブチェーン38の前部領域の所定以上の下方変位を規制するための振れ防止装置44が設けられている。
図2は、図1に示す自動二輪車1の後部領域を拡大して示した側面図である。図3は、スタンドフレーム42が起立位置にあるときの、サイドスタンド40と車体を左後斜め上方から見た斜視図である。
これらの図に示すように、スタンドフレーム42は、一端部側が支持ブラケット41に回動可能に支持されるとともに、リターンスプリング45によって跳ね上げ位置に向けて付勢されている。リターンスプリング45は、一端部が支持ブラケット41に設けられた支持ピン46に係止され、他端部がスタンドフレーム42の長手方向の略中間部に突設された支持ピン47に係止されている。また、スタンドフレーム42の一端部側は、図示しない回動規制機構により、起立位置と跳ね上げ位置で回動を規制されるようになっている。
また、スタンドフレーム42の一端部側の回動軸43は、図3に示すように、その軸線L1が、車幅方向に沿う仮想直線L0に対して左上方側に傾斜している。したがって、スタンドフレーム42は、回動軸43を中心として起立位置から跳ね上げ位置に向けて回動すると、他端部側(接地部42a側)が車幅方向内側に向かって変位する。また、スタンドフレーム42は、回動軸43を中心として跳ね上げ位置から起立位置に向けて回動すると、他端部側(接地部42a側)が車幅方向外側に向かって変位する。
スタンドフレーム42の回動軸43から他端部側に所定距離離間した位置には、スタンドフレーム42の延出方向と交差する方向に延出するアーム部48が一体に結合されている。アーム部48の先端部には軸部53が設けられ、その軸部53にガイドローラ49が回動自在に支持されている。ガイドローラ49は、ゴム材やウレタン材等の弾性部材から成るローラ部材によって構成されている。
なお、ガイドローラ49は、必ずしも全域が弾性部材によって形成される必要はなく、少なくとも一部(例えば、内部のみや外面のみ)が弾性部材によって形成されていれば良い。また、ガイドローラ49は、必ずしも一体のローラ部材によって構成する必要はなく、複数のローラ部材を軸方向に直線状に並べて配置し、それらのローラ部材の軸長を併せた幅が適切な幅となるようにしても良い。さらに、ガイドローラ49は、緩衝性能を高めるために内部に中空部を有する構造としても良い。
本実施形態においては、ガイドローラ49が、ドライブチェーン38の振れを規制する振れ抑制部材を構成している。
図4,図5は、スタンドフレーム42が跳ね上げ位置にあるときの、自動二輪車1の後部領域の側面を示す図である。図4は、ドライブチェーン38の下部側軌道が下方に所定以上変位しない通常の走行状態での振れ防止装置44の様子を示している。図5は、ドライブチェーン38の下部側軌道が下方に所定以上変位したときの振れ防止装置44の様子を示している。また、図6は、ドライブチェーン38の下部側軌道が下方に所定以上変位したときの振れ防止装置44の様子を拡大して示した図である。また、図7は、スタンドフレーム42が跳ね上げ位置にあるときの振れ防止装置44を車体前部側下方から見た図である。
ガイドローラ49は、スタンドフレーム42が跳ね上げ位置にあるときに、軸部の延出方向が車幅方向に沿う方向を向き、かつ、外周面がドライブチェーン38の下部側軌道に対して下方から対向する。ドライブチェーン38の下部側軌道が下方に所定以上変位しない通常の走行状態では、ガイドローラ49は、図4に示すように、ドライブチェーン38の下部側軌道に対して下方に離間している。これに対し、不整地走行時等にドライブチェーン38の下部側軌道が下方に所定以上変位したときには、ガイドローラ49の外面が、図5,図6に示すように、ドライブチェーン38の下部側軌道の下方においてドライブチェーン38に当接する。これにより、ドライブチェーン38の下部側軌道の所定以上の変位が適切に規制される。
なお、本実施形態においては、ドライブチェーン38の下部側軌道が下方に所定以上変位しない通常の走行状態のときに、ガイドローラ49がドライブチェーン38の下部側軌道に対して下方に離間しているが、このときガイドローラ49は、ドライブチェーン38の下部側軌道に軽く接触するようにしても良い。
ドライブチェーン38からガイドローラ49に入力される荷重が大きい場合には、その荷重がスタンドフレーム42にも作用し、スタンドフレーム42が回動軸43を中心として起立位置方向に変位しようとする。このような場合、リターンスプリング45は、ドライブチェーン38からガイドローラ49に荷重が入力されたときに、荷重入力による衝撃や振動を緩和する機能、効果を発揮する。
また、振れ抑制部材であるガイドローラ49は、スタンドフレーム42が跳ね上げ位置になったときに、振れ抑制効果を発揮するようにスタンドフレーム42に取り付けられている。具体的には、ガイドローラ49は、スタンドフレーム42が跳ね上げ位置にあるときにはドライブチェーン38に近接、または、当接し、スタンドフレーム42が起立位置にあるときにはドライブチェーン38から離反するようにスタンドフレーム42に取り付けられている。
ここで、図7に示すように、ガイドローラ49の軸方向の幅(以下、「振れ規制部幅w1」と呼ぶ。)は、ドライブチェーン38の幅w0(ドライブチェーン38の車幅方向の幅)の2倍以上の幅に設定されている。車両の走行時に、ドライブチェーン38の下部側軌道が下方に大きく変位して、ドライブチェーン38からガイドローラ49に所定以上の荷重が入力されると、スタンドフレーム42がリターンスプリング45の付勢力に抗して回動軸43を中心として若干回動することがある。このとき、回動軸43が車幅方向に沿う仮想直線L0に対して上方に傾斜しているため、スタンドフレーム42の軸部53とガイドローラ49が車幅方向外側に変位する。しかし、このときガイドローラ49の振れ規制部幅w1がドライブチェーン38の幅w0の2倍以上に設定されているため、ガイドローラ49によってドライブチェーン38の過大な変位を規制することができる。
なお、ガイドローラ49の振れ規制部幅w1は、ドライブチェーン38の幅w0の4倍未満であることが望ましい。これにより、振れ防止装置44の不必要な膨出を抑えることができ、効率的に触れ防止装置44を配置することができる。
以上のように、本実施形態のドライブチェーン38の振れ防止装置44は、振れ抑制部材であるガイドローラ49が、車両スタンドであるサイドスタンド40を利用して車体に取り付けられている。このため、振れ抑制部材であるガイドローラ49を専用部品を用いて車体に取り付ける場合に比較して、部品点数を削減することができる。したがって、本実施形態の振れ防止装置44を採用した場合には、部品点数の増加を抑制しつつ、ドライブチェーン38の適切な変位の抑制を図ることができる。
また、本実施形態の振れ防止装置44は、スタンドフレーム42が起立位置と跳ね上げ位置の間で回動変位可能とされ、ガイドローラ49が、スタンドフレーム42が跳ね上げ位置になったときに、振れ抑制効果を発揮するようにスタンドフレーム42に取り付けられている。このため、ドライブチェーン38が振れる可能性のある車両の走行時には、ガイドローラ49がドライブチェーン(38)の振れを抑制し、ドライブチェーン(38)が静止する車両停車時には、ガイドローラ49がドライブチェーン(38)から離反することになる。したがって、この構成を採用した場合には、車両の走行時に、ドライブチェーン38の下部側軌道の振れを適切に抑制することができるとともに、車両の停車時には、ドライブチェーン38やその周辺部品のメンテナンスを容易に行うことができる。
また、本実施形態の振れ防止装置44は、サイドスタンド40のスタンドフレーム42が跳ね上げ位置にある状態で、ドライブチェーン38からガイドローラ49に荷重が入力されたときに、リターンスプリング45が荷重入力による衝撃や振動を緩和するように車体に支持されている。このため、ドライブチェーン38がガイドローラ49に当接する際の衝撃や振動を、サイドスタンド40のリターンスプリング45を利用して緩和することができる。したがって、この構成を採用した場合には、車両スタンド40の構成部品であるリターンスプリング45に、ドライブチェーン38の振れ抑制の機能を持たせることができ、効率良くドライブチェーン38に作用する衝撃や振動を緩和することができる。
さらに、本実施形態の振れ防止装置44は、ドライブチェーン38の振れを抑制する振れ抑制部材が、少なくとも一部に弾性部材を有するローラ部材(ガイドローラ49)によって構成されている。このため、車両走行時にドライブチェーン38がローラ部材(ガイドローラ49)に当接したときに、ローラ部材がドライブチェーン38の回転に追従して回転しつつ、ドライブチェーン38の変位を規制することができる。したがって、この構成を採用した場合には、ローラ部材(ガイドローラ49)によってドライブチェーン38の当接衝撃や振動を抑制することができるうえ、ドライブチェーン38に作用するフリクションを低減することができる。
また、本実施形態の振れ防止装置44は、スタンドフレーム42が、車幅方向に沿う仮想直線L0に対して上方に傾斜する回動軸43を中心として回動可能とされ、ドライブチェーン38に対するガイドローラ49の振れ抑制部幅w1が、ドライブチェーン38の幅w0の2倍以上の幅に設定されている。このため、ドライブチェーン38の振れ抑制ができる振れ範囲を充分に確保することができる。
図8は、他の実施形態の振れ防止装置144を示す図である。図8は、スタンドフレーム42が跳ね上げ位置にあるときの振れ防止装置144を車体前方側から見た図である。図8においては、上記の実施形態と共通部分には同一符号を付してある。
図8に示す振れ防止装置144は、上記の実施形態と同様に、振れ抑制部材がサイドスタンドに設けられたアーム部48に回動自在に取り付けられている。振れ防止装置144は、ガイドローラ149と、ガイドローラ149の車幅方向内側に配置された補助ガイド部55と、を備えている。ガイドローラ149は、上記の実施形態と同様の材質の弾性部材によって形成されている。また、ガイドローラ149の振れ規制部幅は、前記実施形態の振れ規制部幅w1よりも狭くなっている。例えば、ガイドローラ149の振れ規制部幅はw1/2に設定されている。
ガイドローラ149の軸方向の一端部側には、スタンドフレームが配置され、ガイドローラ149の軸方向の他端部側には、ドライブチェーン38を補助的にガイドする補助ガイド部55が設けらている。補助ガイド部55は、ガイドローラ149の回転軸と同軸に、アーム部48に締結固定されている。補助ガイド部55は、ガイドローラ149が回転可能であるのに対して、回転不能に固定されている。また、ガイドローラ149は、上記の実施形態のガイドローラと同様の硬度の弾性部材によって形成されているが、補助ガイド部材55は、ガイドローラ149よりも硬質の樹脂材料、若しくは、締め付け部に金属カラーを内包した、一体の成形ゴム、或いは、金属部材によって形成されている。
補助ガイド部55は、スライド部55aと抜け規制フランジ部55b(抜け規制部)を有している。スライド部55aは、ガイドローラ149の車幅方向内側位置に配置されている。スライド部55aの上面(チェーン軌道側の面)は、ガイドローラ149の外周面と半径が同じ円弧面を形成している。ガイドローラ149の外周面とスライド部55aの上面(チェーン軌道側の面)は連続面を形成している。抜け規制フランジ部55bは、ガイドローラ149のうちの、スタンドフレームが跳ね上げ位置にあるときに、車幅方向内側に位置される側の端部に設けられている。抜け規制フランジ部55bは、ガイドローラ149の外径よりも大きい外径を有して上方側(チェーン軌道側)に突出し、ドライブチェーン38のガイド部からの抜けを規制する壁部を形成している。他の構成は上記の実施形態と同様されている。
本実施形態の振れ防止装置144は、ガイドローラ149の外周面にチェーン軌道があるときには、上記の実施形態と同様であるため、上記の実施形態とほぼ同様の基本的な効果を得ることができる。
ただし、本実施形態の振れ防止装置144は、ガイドローラ149の端部に補助ガイド部55が設けられているため、スタンドフレームが跳ね上げ位置にある状態でドライブチェーン38がガイドローラ149に当接し、それによってスタンドフレームが回動軸43を中心として所定以上車幅方向の外側に変位することがあっても、まず補助ガイド部55のスライド部55aでドライブチェーン38をガイドしながらドライブチェーン38の振れ規制を継続する。
また、これよりもさらにチェーン軌道が下方に振れ、スタンドフレームが車幅方向の外側にずれても、ドライブチェーン38がガイドローラ149の外面からずれ落ちるのを抜け規制フランジ部55bによって抑制することができる。なお、ガイドローラ149と補助ガイド部55をアーム部48に締結するための締結ボルト60の補助ガイド部55上の締め付け面61は、抜け規制フランジ部55bよりもガイドローラ149側に位置されている。したがって、本実施形態を採用した場合には、ガイドローラ149と、そのガイドローラ149を支持する軸部の軸長を短縮することができる。
なお、抜け規制フランジ部55bは、ガイドローラ149の車幅方向内側の端部に直接設けられものであっても良い。この場合、その抜け規制フランジ部55bは、ガイドローラ149の外径よりも大きい外径を有し、ガイドローラ149と一体に回転する円板形状のものであっても良い。
本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。例えば、上記の実施形態においては、車両を傾斜状態で起立させるサイドスタンド40に振れ防止装置44,144が設けられているが、車両を傾斜させずに起立させるメインスタンドに振れ防止装置を設けることも可能である。
また、本発明に係る鞍乗り型車両は、自動二輪車(原動機付自転車及びスクータ型車両を含む)に限らず、揺動機構を有する三輪(前一輪かつ後二輪の他に、前二輪かつ後一輪の車両も含む)又は四輪等であって、スタンドを備える小型車両も含まれる。
1…自動二輪車(鞍乗り型車両)
2…エンジン(駆動源)
38…ドライブチェーン
40…サイドスタンド(車両スタンド)
42…スタンドフレーム
43…回動軸
44,144…振れ防止装置
45…リターンスプリング
49…ガイドローラ(振れ抑制部材)
55b…抜け規制フランジ部(抜け規制部)
149…ガイドローラ(振れ抑制部材)
L0…仮想直線
WR…後輪

Claims (6)

  1. 駆動源(2)の動力を後輪(WR)に伝達するドライブチェーン(38)の振れを抑制する振れ抑制部材(49a,49b,149)と、
    車体に跳ね上げ回動可能に取り付けられた車両スタンド(40)と、を備える鞍乗り型車両のドライブチェーンの振れ防止装置において、
    前記振れ抑制部材(49,149)が前記車両スタンド(40)に設けられていることを特徴とする鞍乗り型車両のドライブチェーンの振れ防止装置。
  2. 前記車両スタンド(40)は、起立位置と跳ね上げ位置の間で回動変位可能なスタンドフレーム(42)を有し、
    前記振れ抑制部材(49,149)は、前記スタンドフレーム(42)が跳ね上げ位置になったときに、振れ抑制効果を発揮するように前記スタンドフレーム(42)に取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗り型車両のドライブチェーンの振れ防止装置。
  3. 前記車両スタンド(40)は、前記スタンドフレーム(42)を跳ね上げ位置に向けて付勢するリターンスプリング(45)を有し、
    前記リターンスプリング(45)は、前記スタンドフレーム(42)が跳ね上げ位置にある状態で、前記ドライブチェーン(38)から前記振れ抑制部材(49,149)に荷重が入力されたときに、荷重入力による衝撃や振動を緩和する効果を発揮することを特徴とする請求項2に記載の鞍乗り型車両のドライブチェーンの振れ防止装置。
  4. 前記振れ抑制部材(49,149)は、少なくとも一部に弾性部材を有するローラ部材によって構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の鞍乗り型車両のドライブチェーンの振れ防止装置。
  5. 前記車両スタンド(40)は、スタンドフレーム(42)が車幅方向に沿う仮想直線(L0)に対して上方に傾斜する回動軸(43)を中心として回動するサイドスタンド(40)であり、
    前記振れ抑制部材(49)は、前記ドライブチェーン(38)に対する振れ抑制部幅(w1)が、前記ドライブチェーン(38)の幅(w0)の2倍以上の幅に設定されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の鞍乗り型車両のドライブチェーンの振れ防止装置。
  6. 前記車両スタンド(40)は、スタンドフレーム(42)が車幅方向に沿う仮想直線(L0)に対して上方に傾斜する回動軸(43)を中心として回動するサイドスタンド(40)であり、
    前記振れ抑制部材(149)の一端部側に前記スタンドフレーム(42)が配置され、
    前記振れ抑制部材(149)の他端部側に前記ドライブチェーン(38)の抜け規制部(55b)が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の鞍乗り型車両のドライブチェーンの振れ防止装置。
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