JP3078729B2 - 弾性路面敷板構造体およびそれの連結構造 - Google Patents

弾性路面敷板構造体およびそれの連結構造

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JP3078729B2 JP07187181A JP18718195A JP3078729B2 JP 3078729 B2 JP3078729 B2 JP 3078729B2 JP 07187181 A JP07187181 A JP 07187181A JP 18718195 A JP18718195 A JP 18718195A JP 3078729 B2 JP3078729 B2 JP 3078729B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、寒冷、積雪地域に
おける一般道路の交差点、横断歩道、カーブ、坂道、駐
車場出入口や高速道路のインターチェンジ出入口、料金
所、並びに、踏切とその前後のアプローチ部等の通行車
両が頻繁に減速、加速、停車、発進を繰り返す路面での
冬期間の積雪、凍結によるタイヤのスリップ事故を未然
に防止し、交通安全の確保と通行の円滑、さらに、除
雪、氷割作業の軽減を目的とする、防滑性を有する弾性
路面敷板構造体およびそれの連結構造に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】寒冷、積雪地域における最近の冬期間の
交通事情は、道路管理者による除雪作業の徹底やロード
ヒーティング等の各種融雪施設の普及、融雪剤の散布、
情報サービスの向上等で次第に改善されてきているが、
冬期間のレジャー人口の増加、地方の活性化等に伴っ
て、冬期通行区間の延長や車両の増加等で、冬期間の路
面のアイスバーン、圧雪等によるタイヤのスリップが主
な原因の交通事故は減らず、むしろ増加傾向にある。
【0003】さらに、最近法制化されたスパイクタイヤ
の使用規制の影響等社会的にも冬道における交通の円滑
性を維持し、安全確保を計り、人命と財産を守るための
早急な対応が強く要望されている。
【0004】そこで、従来、冬道での積雪対策として
は、ロードヒーティング、地下水散布、融雪剤散布や、
ロータリ車、モーターグレーダー等による機械的除雪方
法など種々提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、上述した従
来の冬道での積雪対策であるロードヒーティング、地下
水散布、融雪剤散布や、ロータリ車、モーターグレーダ
ー等による機械的除雪方法などは、経済的、投資効率、
メンテナンスの難しさ、環境への影響等、いずれの方式
も下記のような問題点を有している。
【0006】例えば、地下水あるいは海水散布の場合、
地下水位の低下による地盤沈下、海水による車体や道路
施設の腐食があり、ロードヒーティングは施工費が他の
方式に較べ高く、また、ランニングコストも高く、高エ
ネルギー消費型である。
【0007】一番簡単な塩化カルシウム等の融雪剤散布
方式は、海水散布と同様に車両や道路施設の腐食と終末
処理場の処理能力への影響や二次公害のおそれもある。
さらに、除雪機械による方式も、機械能力、人手不足等
で24時間路面を露出しておくことは殆ど不可能であ
る。
【0008】本発明は、従来技術が抱えるこのような問
題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、とくに
は、冬期間における、路面上への圧雪状態の発生を有効
に防止し、併せて、路面の凍結状態を、車両の走行に基
づいて、効果的に取り除くことができる、極めて経済的
で、かつ、二次公害、労働力不足などを生じるおそれの
ないメンテナンスフリーの弾性路面敷板を、未舗装もし
くは、舗装が著しく傷んだ路面等に対しても、簡単かつ
容易に、しかも、安定した姿勢で確実に敷設することが
できる弾性路面敷板構造体およびそれの連結構造を提供
するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の弾性路面敷板構
造体は、軟質ゴムからなる下地緩衝層の上面に、鋼板お
よび表面ゴム層を順次に積層し、その表面ゴム層の表面
に防滑意匠を施してなる弾性路面敷板の下面に、そこか
ら下方へ突出させて設けたアンカーボルトを介してコン
クリート板ユニットを一体に固着するとともに、このコ
ンクリート板ユニットに、地盤に食い込むアンカーを突
設したものである。ここで、弾性路面敷板は、前記鋼板
に代えて、アンカーボルトの周りに座金を配設したもの
とすることもできる。
【0010】また、本発明の弾性路面敷板構造体の連結
構造は、上述したいずれかの弾性路面敷板を適用して、
相互に隣接させて配置したそれぞれの弾性路面敷板構造
体のコンクリート板にユニットに設けた切欠部に、地盤
に載置したユニット締結用ブロックの両端部に形成した
それぞれの突部を嵌め込むとともに、各コンクリート板
ユニットから突出するアンカーを地盤に食い込またもの
である。
【0011】なお、上述したところにおいて、下地緩衝
層を構成する軟質ゴムは、JISスプリング式A型硬度
計で1〜40目盛の硬度とし、また、表面ゴム層はJI
Sスプリング式A型硬度計で25〜80目盛の硬度とす
ることができる。
【0012】
【作用】この弾性路面敷板では、下地緩衝層が、それ自
身の弾性変形に基づいてコンクリート基板に常に確実に
密着するので、路面敷板とコンクリート基板との間への
水の浸入を十分に阻止して、その水の凍結に起因する路
面敷板の浮き上がり変形を有効に防止することができ
る。
【0013】しかも、この下地緩衝層は、路面敷板上を
車両等が通過するに当たり、それ自身の弾性変形に基づ
いて、その路面敷板の振動衝撃を緩和することができ、
これにより、路盤や踏切を有効に保護し、また、発生騒
音を有効に抑制することができる。
【0014】またここで、通常は、下地緩衝層および表
面ゴム層のそれぞれとほぼ等しい平面輪郭寸法を有する
鋼板は、路面敷板を基盤材に機械的に固定するための芯
材として機能して、ボルト締付力を支持することで、そ
れぞれのゴム層を十分に保護することができ、併せて、
弾性路面敷板の経時的な変形の他、その路面敷板の、と
くには隅部におけるめくれ変形を有効に防止し、さらに
は、路面敷板に高い平坦度を付与するするとともに、ア
ンカーボルト本数の低減をも可能とする。
【0015】ところで、この弾性路面敷板の表面ゴム層
は、それに固有の弾性の他、その表面に施した防滑意匠
の作用に基づいて、その路面敷板上への車両等の通過に
際して大きく弾性変形することで、表面ゴム層上の氷結
層を、その弾性変形およびそれに続く弾性復帰によっ
て、簡単かつ確実に破壊除去し、これにより、車両タイ
ヤ等と路面敷板との摩擦力を常に高く維持することがで
きる。しかも、表面ゴム層は、車両等の通過の都度大き
く弾性変形することから、その表面ゴム層上に雪が積も
ることがあっても、それが圧雪状態となるのを十分に防
止することができる。そしてさらには、表面ゴム層のこ
のような弾性変形によって、そこに作用する荷重を広く
分散させることにより、表面ゴム層の摩耗、チッピン
グ、カッティング等による損傷を有効に防止することが
できる。
【0016】なお、上述した鋼板に代えて座金を適用し
た弾性路面敷板にあっては、それぞれのゴム層に対する
保護作用はそのままに、弾性路面敷板の重量を有効に低
減させることができ、併せて、車両等の通過に際する、
その弾性路面敷板の変形量をより一層大ならしめること
ができる。
【0017】そして、このような弾性路面敷板を組込ん
でなるこの発明の構造体によれば、路面が未舗装であっ
たり、舗装が著しく傷んでいたりして、弾性路面敷板そ
れ自身を直接に敷設できない場合、アスファルト路面な
どのようにアンカーボルトの効果を余り期待できない場
合であっても、予め製造したその構造体を、コンクリー
ト板ユニットから突出するアンカーを地盤に食い込ませ
て、路面上等に順次に配設することで、路面等の状況に
ほとんど影響されることなく、常に安定な姿勢で、路面
敷板表面を、ほぼ同一の水平面内に簡単に整列させて敷
設することができる。
【0018】また、この構造体は、それを路面上に設置
するだけで敷設施工を行うことができるので、施工が極
めて容易であるとともに、損傷部分の交換作業等もまた
容易であり、しかも、乾式施工であることから、施工の
終了後直ちに、車両等を通行させることができる。さら
に、この構造体は、コンクリート板ユニットの存在の故
に、それを重石として作用させて弾性路面敷板を十分安
定させることができるとともに、負荷の大きさとの関連
において、強度を適宜に選択することができる。
【0019】その上、この発明の連結構造によれば、構
造体のコンクリート板ユニットに設けた切欠部へのユニ
ット締結用ブロックの嵌め込みによって、隣接する構造
体を相互に拘束することにより、それらの構造体を所期
した通りの位置に正確に敷設することができるととも
に、それらの不測の相対変位を有効に阻止することがで
き、さらには、不陸調整を行うこともできる。
【0020】
【実施例】実施例1 弾性路面敷板の施工例について図1〜5を参照して以下
に説明する。この例は、冬期間の、アイスバーンや圧雪
によるスリップ事故の危険性が極めて高い踏切におけ
る、車両の停止、発車位置路面並びに踏切内に、弾性路
面敷板を直接的に敷設施工したものである。
【0021】図1〜3は、弾性路面敷板1を、踏切の車
両停発車位置、図では上下の各片側に10mの長さで、
既設のコンクリート舗装面2に対し、ドライアンカー3
を用いて踏切本体敷板4に接して締着した状態を示す図
である。
【0022】この例で使用する各弾性路面敷板1は、幅
500mm、長さ3000mm、厚さ35mmの寸法を
有しており、この弾性路面敷板1は、図5に示すよう
に、表面ゴム層1Aと、この表面ゴム層の下面に鋼板1
Dを介して積層された、軟質ゴムよりなる下地緩衝層1
Eとから構成されている。
【0023】表面ゴム層1Aには深さ12mm、幅4m
mのノンスリップ溝1Bを、車の進行方向1Cと直角に
20mmピッチに刻設してなる防滑意匠5が形成されて
いる。この防滑意匠5は、当該弾性路面敷板1のゴム弾
性特性をさらに強調すべく機能する他、表面への車両等
の荷重の作用に際して表面ゴム層1Aを大きく変形させ
ることで、その表面ゴム層が受ける荷重を分散し、そこ
への、摩耗、チッピング、カッティング等の損傷の発生
を最小限に防ぎ、ノンスリップ効果を高める。
【0024】この表面ゴム層1Aは、JISK−630
1(加硫ゴム試験方法)−14項「低温衝撃ぜい化温
度」で−45℃以下の耐寒性を有し、また、同じくJI
SK−6301−16項「オゾン劣化試験」で、オゾン
濃度50±5PPhm、恒温槽温度40±2℃、試片伸
び20%の条件下において、100時間全く異常が認め
られず優れた耐候性を備え、さらに、アクロン式摩耗試
験でも試片角度15°、荷重15ポンド(2.721k
g)、予備回転500回、本回転1500回の試験条件
において、摩耗損失が0.1cc以下であり、長期間の
スパイクタイヤ等の走行に充分耐え得る高い耐摩耗性能
も兼ね備えている。
【0025】この表面ゴム層1Aのゴム配合の一例とし
ては、次の表1の通りである。硬度はJISスプリング
式A型硬度計で55である。
【0026】
【表1】
【0027】図4および5に示すところにおいて、鋼板
1Dは、弾性路面敷板1を各種の基盤材に機械的に固定
するための芯材であり、厚さや形状は弾性路面敷板の大
きさや相手材の種類、形状によって適したスペックをと
ることができるが、弾性路面敷板1の周縁部からは露出
しないマイナス寸法(この例では周辺よりマイナス8m
mとしている)として、それの、ゴム層からの剥離およ
び腐食の他、その路面敷板1を、踏切本体敷板4として
使用した場合の、線路間に流れる信号電流の短絡等を夫
々防止する。
【0028】材質は一般構造材のSS41や、その表面
に亜鉛メッキを施し、耐食性と、ゴムとの接着性を高め
た亜鉛引鋼板などを用いている。なお、鋼板の代わりに
金網やエキスパンションメタルを用いることもできる。
【0029】ここで、表面ゴム層1Aおよび、所謂なじ
み層としての下地緩衝層1Eの、鋼板1Dに対する接合
は、それが亜鉛引鋼板でない場合には、路面敷板1の成
形時に、予め鋼板1Dの表面をショットブラストあるい
はサンドブラストで、錆、スケール等を取り除き、溶剤
脱脂後、プライマー(例えば東洋化学「メタロックP/
メタロックFB」等)を塗布して、プレス成型と同時の
加硫接着で、それぞれのゴム層にそれを強固(JISK
−6301第1項の「金属との加硫接着」の90°剥離
強さで35kgf/25mm以上)に接着させることに
より行う。なお、亜鉛引鋼板はブラスト工程が不要であ
る。
【0030】弾性路面敷板1の成形に当たっては、はじ
めに、表1の表面ゴムを、Tダイ付押出機で幅250m
m、厚さ10mmで押し出したシートを、幅500m
m、厚さ30mm、長さ1500mmに貼り合わせて未
加硫表面ゴム層とし、そこに、予めプライマー処理を施
した484×1484×4.5mmの鋼板1Dを重ね合
わせる。
【0031】次に、表面ゴムと同様に、Tダイ付押出機
で押し出した表2の下地緩衝層用の軟質ゴムを幅250
mm、厚さ6mmに押し出し、これを幅500mm、長
さ1500mmのシートに突き合わせ加工したものを、
前記鋼板1Dの上に重ね合わせて一体化し、これを、防
滑意匠のための突条を設けたプレス成形金型に収容し
て、蒸気加熱式ゴムプレス成形機を用いて圧縮成形す
る。このときのプレス成形条件は金型温度145℃で加
圧時間は60分である。加硫の終わった成形品は脱型後
バリ取を行ない、冷却後寸法検査がなされる。
【0032】一方、コンクリート舗装面2と接する軟質
ゴムからなる下地緩衝層1Eは、下地のコンクリート舗
装面が多少凹凸であっても、弾性路面敷板がそこに容易
に密着固定されるような構成となっている。下地緩衝層
1Eの適正硬度範囲はJISスプリング式A型硬度計で
15〜30目盛である。
【0033】この下地緩衝層1Eは、コンクリート舗装
面2と路面敷板1との密着性を高めることでコンクリー
ト舗装面2と弾性路面敷板との間の空隙をなくし、冬期
間水の浸入によるそれの氷結や凍上を防ぎ、さらに、路
面敷板上を通行する車両等によるその路面敷板の振動衝
撃を吸収して、路盤や踏切を保護すると共に、それに伴
う騒音をも大幅に低減させるべく機能する。
【0034】下地緩衝層のゴム配合例を表2に示す。
【表2】
【0035】さらに、下地緩衝層1Eの下面には、図6
に示すように、加硫同時接着により、0.05〜0.2
mm厚のアルミニウム箔1Fを強固に貼り付けることが
できる。(発明者の実験では0.03mm厚のアルミニ
ウム箔が好適であった。)
【0036】このアルミニウム箔1Fは、コンクリート
やアスファルトなどの舗装面と、弾性路面敷板1とを接
着剤6を用いて接合する場合、接着の比較的難しい加硫
ゴムと接着剤との間にそれを介在させることで、アルミ
ニウム箔なしの場合に比べ、初期接着力を高め、さら
に、長期間にわたって高い接着力を保持する。
【0037】表3はアスファルトと弾性路面敷板の接着
データーの一部である。
【表3】
【0038】このアルミニウム箔によって弾性路面敷板
本体に配合されている老化防止剤、加硫促進剤などが接
着界面に経時的に徐々に移行し、界面の接着力を低下さ
せる現象を取り除くことができる。なお、アルミニウム
箔に代えて、ステンレススチール箔とすることもでき
る。
【0039】この弾性路面敷板1には、それを路盤面に
締着するためのドライアンカー(「サンビックアンカ
ー」M−16×160)3用の25φのアンカー孔1G
が周辺部に14ケあけてある。
【0040】このように表面ゴム層1A−鋼板1D−下
地緩衝層1E−アンカー孔1Gからなる弾性路面敷板を
コンクリート舗装面2にコンクリートドリルを用い、2
3φ径で約170mmの深さにアンカー打込み穴2Aを
あけ、ドライアンカー3で締着する。5図および6にお
ける7は、アンカー打込み後、そのアンカーの頭部を埋
込むために座ぐり部に注入した現場注型タイプの急速硬
化ウレタンエラストマーであり、これは、弾性路面敷板
が万一破損した場合などのアンカー3の脱着に当たり、
アンカー孔が泥、小石などで埋って、その着脱作業が困
難になるのを防ぎ、さらに、アンカー部への氷の付着を
も防止する。
【0041】使用したウレタンエラストマーの一例を表
4に示す
【表4】
【0042】図1は弾性路面敷板1を、舗装面2の、図
では上下の各半部に夫々10mの長さにわたり20面ず
つ敷設した踏切停車ゾーンの全体を示していて、図2は
その断面を表し、2Bは既設のコンクリート舗装面2の
上に敷設した弾性路面敷板1とレベルを同じくするため
に打設したコンクリートである。また、図5は弾性路面
敷板1をコンクリート舗装面2にドライアンカー3で締
着した状態を示している。
【0043】実施例2 図7〜11に示すところにおいて、図中11は他の弾性
路面敷板を示す。図7は、既設のアスファルト路面に、
その弾性路面敷板11(総厚25mm)を敷設した状態
を示している。
【0044】11Aは表面ゴム層(厚さ20mm、配合
は実施例1と同じ)で、その上部には、ノンスリップ溝
11B(深さ16mm、幅6mm)により形成した防滑
意匠15を設け、また、この表面ゴム層の下層には柔ら
かい下地緩衝層11Cを一体に積層する。そして、これ
ら両者には、当該弾性路面敷板11を路面に締着するた
めのアンカーボルト(径16mm)11Dを嵌入するボ
ルト孔11Eを1m2当り約8本の割合で開設する。
【0045】ここで、これらの各ボルト孔11Eは、7
0mm角で厚さが4.5mmの、ゴムと加硫同時接着さ
れた軟鋼(SS41)よりなる座金11Fで補強されて
いる。
【0046】ところで、既設のアスファルト路面の小さ
な突起や凹凸などになじませるために表面ゴム層11A
の下面に上述のように積層した、厚さが5mmの下地緩
衝層11C(実施例1と同配合)の下面には、加硫同時
接着により図12に示すように、0.03mmのアルミ
ニウム箔11Gを強固に貼り付けることができる。
【0047】この弾性路面敷板11は、中間部に、下地
緩衝層および表面ゴム層のそれとほぼ等しい平面輪郭寸
法を有する鋼板が入っていないため、比較的凹凸のある
既設の路面で、予めその凹凸の補修が時間的あるいは予
算上の制約があってできない場合でも、その路面に充分
にフィットし、確実に防滑効果を発揮できる仕様となっ
ている。
【0048】下地の既設のアスファルト路面への弾性路
面敷板11の固定方法は、接着剤11Hによる全面接着
と、さらに、固着信頼性をアップするためにアンカーボ
ルト11Dあるいはケミカルアンカー11Iなどの機械
的部分締着方法を組み合わせる二重の方法をとってい
る。
【0049】弾性路面敷板とアスファルトに使われた上
記接着剤例は表5の通りである。
【表5】
【0050】主剤と、硬化剤を表5の重量比で混合し、
弾性路面敷板接着面の水、泥などの汚れを取り除いてお
いたアスファルト表面に均一に夫々700〜1000g
/m2 塗布し、直ちに貼り合わせ、予め打ち込んでおい
たケミカルアンカー11Iのボルトで軽く締め、手押の
圧着ローラーを使い転圧を兼ね、アスファルトと弾性路
面敷板間のエアーを追い出す。接着剤11Hが充分に硬
化したことを確認してから、アンカーのボルトを締め直
し、最後にこのボルト孔に表4のウレタンエラストマー
11Jを注入する。
【0051】他の実施例を図13を参照して説明する。
これは、弾性路面敷板を設置する路面が未舗装であった
り、あるいは舗装が著しく傷んでいて、前述したような
弾性路面敷板を路面に直接敷設できない場合などに適用
するものであって、弾性路面敷板12Bをコンクリート
板ユニット12に組み込んだものである。
【0052】このコンクリート板ユニット12は、予め
工場で幅3m、長さ3.3m、厚さ21.5cmの鉄筋
コンクリートを型枠を用いて打設するに当り、図17の
如くアンカーボルト12Aを予め装着した弾性路面敷板
12Bを型枠の底にセットして、コンクリートを流し込
むことにより、その路面敷板12を、鉄筋コンクリート
基板12Cと一体に形成してなる。
【0053】このようにして弾性路面敷板12Bを組み
込んだコンクリート板ユニット12は、鉄筋で補強され
た、図17に示すユニット締結用ブロック12Dで順次
締結し、コンクリート板ユニット12が相互に離れた
り、ずれたりすることがないよう構成されている。
【0054】さらに、締結されたコンクリート板ユニッ
ト全体は、アンカー12Eが地盤に食い込み固定され
る。なおここにおいて、鉄筋コンクリート基板の代わり
に、F.R.P.構造材や鉄骨構造材を用いたり、ま
た、20mmないし50mm厚の鋼板を用いることもで
きる。ところで、弾性路面敷板12Bと弾性路面敷板1
とは同じ構造のものである。
【0055】図19および20は、さらに他の弾性路面
敷板を示す断面図である。これは、表面ゴム層1Aの防
滑意匠を施した部分に、不定形状のセラミックス1A1
を埋め込んだものであり、これによれば、防滑性をより
一層必要とする路面に適用されて、タイヤと路面との摩
擦力を高め、グリップ効果を大幅にアップすることがで
きる。
【0056】ふるいにより粒子径を3〜8mmに揃えた
アルミナに、“シクソンP−10”を下地プライマーと
して、また、“シクソン511−T”を上塗りプライマ
ーとして用いることで、ゴムとアルミナを強固に加硫接
着することができる。
【0057】アルミナ1000gに対し、“シクソンP
−10”を80g計量し、攪拌器で均一に混合し、これ
を乾燥炉で100℃×20分乾燥させる。次に、下地プ
ライマーと同様の手順で上塗りプライマーをアルミナ1
000gに対して70g計量し、塗り重ねる。
【0058】プライマー処理されたアルミナを、弾性路
面敷板用金型の成形表面積1m2 当り3500g金型キ
ャビテー内に一様に散布した後、実施例1で示した方法
と同様の成形方法で金型に表面ゴム→鉄芯→下地緩衝層
ゴムを順次積層し、一体化したものを仕込み、プレス成
形機で圧縮成形する。成形時のプレス加硫条件も同一と
する。
【0059】成形されたセラミック埋込型の弾性路面敷
板は、図19に示すように、その表面には殆どセラミッ
クスは露出していないので、上に積もった雪を取除く際
も作業に支障をきたすことはない。
【0060】この敷板の上に車両が通過することによ
り、図20のように、その重量でセラミックス周辺のゴ
ム表面がひずみ、セラミックス1A1の頂点部のみがゴ
ム表面から僅かに突き出し、これがタイヤ13のトレッ
ドとの摩擦力を大きくし、防滑性能を大幅に向上させ
る。
【0061】
【発明の効果】ここにおけるの弾性路面敷板は、耐寒
性、耐候性、耐摩耗性を有するゴム弾性体を基本素材と
し、この弾性を活かし、かつ、防滑効果をもった表面の
防滑意匠により、積雪→一部融雪→気温低下→氷結→ア
イスバーンとなっても、弾性路面敷板上を車が通過する
ことで、車の重さと、タイヤが路面敷板に当たる衝撃と
で、瞬時に、容易かつ確実にアイスバーンが破壊され、
タイヤと路面敷板との摩擦力が一気に増し、防滑効果を
発揮するものである。
【0062】また、水分の多めの積雪の場合、一般の路
面では、通行する車によって直ちに雪が堅くしまる圧雪
状態となり、極めて危険な道路状況となってしまうが、
弾性路面敷板は上記の材質と防滑意匠により決して圧雪
状態にはなり得ず、また、通過車両がなく、弾性路面敷
板上に雪や氷がそのまま付着してしまったとしても、ス
コップ等の簡易な除雪用具で簡単に取り除くことがで
き、従来の除雪、融雪方式に較べ、軽作業、省エネルギ
ー、無公害、メンテナンスフリー、除雪作業時の作業安
全性改善、さらに、冬期間以外でもこの路面敷板を敷設
することにより、下地緩衝層の作用と相俟って、通行車
両による振動、騒音を大幅に改善することができ、多く
の点で極めて優れたものである。
【0063】しかも、この弾性路面敷板では、下地緩衝
層が、それ自身の弾性変形に基づいて、コンクリート基
板に常に確実に密着するので、路面敷板とコンクリート
板ユニット板との間への水の浸入を十分に阻止して、そ
の水の凍結に起因する路面敷板の浮き上がり変形を有効
に防止することができる。
【0064】また、この下地緩衝層は路面敷板上を車両
等が通過する際のそれ自身の弾性変形に基づいて、その
敷板に生じる振動衝撃を緩和することで、路盤や踏切を
保護するとともに、発生騒音を有効に抑制すべくも機能
する。
【0065】加えて、この弾性路面敷板に埋設した鋼板
は、路面敷板を基盤材に固定するための芯材として機能
するので、下地緩衝層および表面ゴム層のそれぞれを、
その鋼板によって機械的締付力から十分に保護すること
ができる。ところでこの鋼板は、通常は、弾性路面敷板
のほぼ全体にわたって埋設されることから、その路面敷
板の経時的な変形の他、その路面敷板の、とくには隅部
におけるめくれ変形を有効に防止することができ、さら
には、路面敷板に高い平坦度を付与するとともに、アン
カーボルト本数の低減をも実現することができる。
【0066】なおここで、上記した鋼板に代えて座金を
適用した弾性路面敷板にあっては、それぞれのゴム層を
十分に保護してなお、弾性路面敷板の重量を低減させる
とともに、車両等の通過に際する、その弾性路面敷板の
変形量をより一層大ならしめることができる。
【0067】そして、以上のような弾性路面敷板を組込
んでなるこの発明の構造体によれば、路面が未舗装であ
ったり、舗装が著しく傷んでいたりして、弾性路面敷板
それ自身を直接に敷設できない場合、アスファルト路面
などのようにアンカーボルトの効果を余り期待できない
場合であっても、予め製造したその構造体を、コンクリ
ート板ユニットから突出するアンカーを地盤に食い込ま
せて、路面上等に順次に配設することで、路面等の状況
にほとんど影響されることなく、常に安定した姿勢で、
路面敷板表面を、ほぼ同一の水平面内に簡単に整列させ
て敷設することができる。
【0068】また、この構造体はそれを路面上に設置す
るだけで敷設施工を行うことができるので、施工が極め
て容易であるとともに、損傷部分の交換作業等もまた容
易であり、しかも乾式施工であることから、施工の終了
後直ちに、車両等を通行させることができる。
【0069】さらに、この構造体は、コンクリート板ユ
ニットの存在の故に、そのコンクリート板ユニットを重
石として弾性路面敷板を十分安定させることができる
他、負荷の大きさとの関連において、強度を適宜に選択
することができる。
【0070】また、この発明の連結構造によれば、地盤
に載置したユニット締結用ブロックの、構造体に設けた
切欠部への嵌め込みにより、コンクリート板ユニットか
ら突出するアンカーの、地盤への食い込みと相俟って、
隣接する構造体のそれぞれを十分に拘束することによ
り、それらの構造体を所期した通りの位置に正確に敷設
することができるとともに、それらの不測の相対および
絶対変位を有効に阻止することができ、さらには、不陸
調整を行うこともできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 弾性路面敷板を踏切の車両停発車位置に敷設
した状態を示す平面図である。
【図2】 図1のA−A線に沿う断面図である。
【図3】 弾性路面敷板の、一部を省略して示す拡大平
面図である。
【図4】 図3のB−B線に沿う断面図である。
【図5】 締着部の要部拡大縦断面図である。
【図6】 他の締着例を示す縦断面図である。
【図7】 既設のアスファルト路面に弾性路面敷板を敷
設した状態を示す縦断面図である。
【図8】 弾性路面敷板の、一部を省略して示す拡大平
面図である。
【図9】 図8の要部拡大図である。
【図10】 図9のC−C線に沿う拡大断面図である。
【図11】 図8のD−D線に沿う拡大断面図である。
【図12】 他の締着例を示す縦断面図である。
【図13】 鉄筋コンクリートブロックの敷設状態の全
体平面図である。
【図14】 図13の要部拡大図である。
【図15】 締結ブロックとコンクリート板ユニットと
の組付け状態を示す側面図である。
【図16】 図14のE−E線に沿う断面図である。
【図17】 コンクリート板ユニットの要部拡大断面図
である。
【図18】 コンクリート板ユニット用締結ブロックの
斜視図である。
【図19】 セラミックス埋込型の弾性路面敷板に対す
る無負荷状態の拡大断面図である。
【図20】 図19の負荷状態を示す拡大断面図であ
る。
【符号の説明】
1,11,12B 弾性路面敷板 1A,11A 表面ゴム層 1A1 セラミックス 1B,11B ノンスリップ溝 1C 進行方向 1D 鋼板 1E,11C 下地緩衝層 1F,11G アルミニウム箔 1G アンカー孔 2 コンクリート舗装面 2A アンカー打込穴 3 ドライアンカー 5,15 防滑意匠 6,11H 接着剤 7 急速硬化ウレタンエラストマー 11D,12A アンカーボルト 11E ボルト孔 11F 座金 11I ケミカルアンカー 12 コンクリート板ユニット 12C 鉄筋コンクリート基板 12D ユニット締結用ブロック 12E アンカー 13 タイヤ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山口 一郎 北海道小樽市奥沢4丁目26番1号 株式 会社 ミツウマ内 (72)発明者 梅本 博之 北海道小樽市奥沢4丁目26番1号 株式 会社 ミツウマ内 (56)参考文献 特開 昭57−47202(JP,A) 特開 昭55−164505(JP,A) 特開 昭62−225603(JP,A) 特開 平2−167902(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E01C 5/00 E01C 5/18 E01C 5/22

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軟質ゴムからなる下地緩衝層(1E)
    と、この下地緩衝層(1E)の上面に順次に積層した鋼
    板(1D)および表面ゴム層(1A)とを具え、前記表面
    ゴム層(1A)の表面に防滑意匠(5)を施してなる弾性
    路面敷板(12B)の下面に、そこから下方へ突出させて
    設けたアンカーボルト(12A)を介してコンクリート板
    ユニット(12)を一体に固着するとともに、このコンク
    リート板ユニット(12)に、地盤に食い込むアンカー
    (12E)を突設してなる弾性路面敷板構造体。
  2. 【請求項2】 前記鋼板に代えて、前記アンカーボルト
    の周りに座金(11F)を配設してなる請求項1に記載の弾
    性路面敷板構造体。
  3. 【請求項3】 請求項1もしくは2に記載の弾性路面敷
    板構造体において、相互に隣接させて配置した弾性路面
    敷板構造体のコンクリート板ユニット(12)に設けたそれ
    ぞれの切欠部に、地盤に載置したユニット締結用ブロッ
    ク(12D)の両端部に形成したそれぞれの突部を嵌め込む
    とともに、各コンクリート板ユニット(12)から突出す
    るアンカー(12E)を地盤に食い込ませてなる弾性路面
    敷板構造体の連結構造。
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