JP2010095904A - 横断歩道ユニットおよびこれを用いた横断歩道 - Google Patents
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Abstract
【課題】歩行者の転倒事故等を防止し得る横断歩道ユニットおよび横断歩道を提供する。
【解決手段】横断歩道を複数個の横断歩道ユニット8で構築する。横断歩道ユニット8は、コンクリートブロック10と、このコンクリートブロック10の上面10aに埋設された複数の弾性材20とで構成されている。コンクリートブロック10の上面10aは、それぞれ3つの凹陥部18、19を有する黒色上面部13および白色上面部14とからなり、各凹陥部18、19に弾性材20が埋設されている。弾性材20は、凹陥部18に埋設される黒色弾性材21と、凹陥部19に埋設される白色弾性材22とで構成されている。黒色弾性材21は、自動車の廃タイヤによって形成されている。白色弾性材22は、同じく自動車の廃タイヤによって形成された黒色弾性材層と、この黒色弾性材層の上面に一体に形成された白色弾性材層とで構成されている。
【選択図】 図3
【解決手段】横断歩道を複数個の横断歩道ユニット8で構築する。横断歩道ユニット8は、コンクリートブロック10と、このコンクリートブロック10の上面10aに埋設された複数の弾性材20とで構成されている。コンクリートブロック10の上面10aは、それぞれ3つの凹陥部18、19を有する黒色上面部13および白色上面部14とからなり、各凹陥部18、19に弾性材20が埋設されている。弾性材20は、凹陥部18に埋設される黒色弾性材21と、凹陥部19に埋設される白色弾性材22とで構成されている。黒色弾性材21は、自動車の廃タイヤによって形成されている。白色弾性材22は、同じく自動車の廃タイヤによって形成された黒色弾性材層と、この黒色弾性材層の上面に一体に形成された白色弾性材層とで構成されている。
【選択図】 図3
Description
本発明は、積雪寒冷地域の横断歩道区域に用いて好適な横断歩道ユニットおよびこれを用いた横断歩道に関するものである。
横断歩道は、歩行者が道路を安全に横断することができるように路面に定めた道路区域であって(道路交通法第2条第1項第4号)、一般に歩行者と自動車(以下、車輌ともいう)の運転手から見やすいように白色の縞模様からなる区画線によって標示されている。
ところで、寒冷積雪地域では、横断歩道の路面に降り積もった雪が融けて氷結すると、歩行者が滑って転倒事故の原因となるため、その対策として、例えば特許文献1、2に開示されている横断歩道が提案されている。
特許文献1に開示されている横断歩道は、撓み系路面舗装技術を採用したもので、横断歩道となる道路の舗装面上に板状体を敷設している。この板状体は、上面が平面状に形成された板部と、この板部の下面から下方に突出するように離散的に形成された複数個の凸部および凸部間に形成された複数個の凹部を備えた変形部とからなり、これら両部を弾性物質によって一体的に形成したものである。このような板状体は、車輌や歩行者によって踏みつけられると、その荷重によって変形するため、板状体の上面に凍結している氷層が破砕され、車輌のスリップ事故や歩行者の転倒事故を未然に防止できる。
特許文献2に開示されている横断歩道は、ロードヒーティング技術を採用したもので、横断歩道の路面下に埋設した発熱体を通電によって加熱することにより、融雪するようにしている。交差点においては、交差点内を通過する車輌が交差点内の雪を運び出して退出方向側の横断歩道に堆積させていくため、雪の量が進入方向側と退出方向側の横断歩道とでは異なる。このため、特許文献2においては、発熱体の発熱量を、交差点への進入方向側横断歩道と退出方向側横断歩道とを分けて個別に制御し、横断歩道毎に融雪能力を変えるようにしている。
しかしながら、上記した特許文献1に記載されている撓み系路面舗装技術は、弾性物質として、天然ゴムおよび合成ゴムを加硫して得た加硫ゴムまたは軟質プラスチックを用いて板状体を製作しているので、板状体の製造コストが高くつくという問題があった。また、板状体と走行するタイヤとの摩擦により板状体が移動するのを防止するために、板状体の車走行方向前縁および後縁に沿って止め金具を設置し、この止め金具をアンカーボルトによって舗装のコンクリート層、アスファルト層または路盤に支持させているため、路上での設置作業に長時間を要し、しかも長期使用において、タイヤとの摩擦、急ブレーキ時の衝撃等によりアンカーボルトが動くとその機能が著しく低下するため、板状体や止め金具も動いて最悪の場合は止め金具が外れたり板状体が剥がれたりするおそれがある。
一方、特許文献2に記載されているロードヒーティング技術は、発熱体を埋設するための設置費用や維持管理費が嵩み、また保守、点検、修繕が容易にできないという難点があった。
本発明は上記した従来の問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、歩行者の転倒事故、車輌のスリップ事故等を防止することができ、また製造コストおよび施工コストが安価で能率良く敷設することができる横断歩道を提供することにある。
上記目的を達成するために請求項1記載の発明は、路面に敷設される横断歩道ユニットであって、前記横断歩道ユニットは、前記路面に埋設されるコンクリートブロックと、前記コンクリートブロックの上面に埋設される複数の弾性材とからなり、前記コンクリートブロックの上面部は、それぞれ道路の幅員方向に並設された車輌進行方向に長い複数の凹陥部を有して道路の幅員方向に隣り合う黒色上面部および白色上面部とからなり、前記弾性材は、前記黒色上面部の凹陥部に埋設される黒色弾性材と、前記白色上面部の凹陥部に埋設される白色弾性材とからなり、前記黒色弾性材は、自動車の廃タイヤのトレッド部を前記凹陥部の長さと幅で円周方向に帯状に切断して形成され、前記白色弾性材は、自動車の廃タイヤのトレッド部を前記凹陥部の長さと幅で円周方向に帯状に切断して形成された黒色弾性材層と、この黒色弾性材層の上面に一体に形成された白色弾性材層とからなるものである。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記白色弾性材層が白色の未加硫ゴムを黒色弾性材層の表面にプレス加硫することにより一体に形成され、上面に滑り止め用凹凸を有するものである。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、前記コンクリートブロックの黒色上面部が黒色のモルタル層からなり、白色上面部が白色のモルタル層からなるものである。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記コンクリートブロックの上面で黒色上面部と白色上面部との境部には混濁防止用ブロックが埋設されているものである。
請求項5記載の発明は、請求項1〜4のうちのいずれか一項記載の発明において、前記コンクリートブロックの内部には鉄筋とクレーンフック用ナットが埋設され、前記クレーンフック用ナットはその上端がコンクリートブロックの上面に露呈し、下端が前記鉄筋に接合されているものである。
請求項6記載の発明に係る横断歩道は、請求項1〜5のうちのいずれか一項記載の横断歩道ユニットを、道路を横断する歩行者のために歩行範囲を定めた道路区域の路面に複数個敷設したものである。
本発明において、複数の横断歩道ユニットは、道路の幅員および歩行者数に応じて所定の歩道幅と長さを確保する。コンクリートブロックは十分な強度と剛性を確保することにより、変形したり破損することがなく弾性材を長期にわたって安定した状態で保持する。弾性材は、歩行者に踏みつけられたり、車輌が通過するとき、その荷重によって上面に凍結している氷層を破砕するため、歩行者の転倒事故や車輌のスリップ事故を未然に防止する。また、弾性材はその殆どの部分が車輌の廃タイヤによって製作されているので、廃タイヤのリサイクルを可能にし、しかも材料コストが安く、安価な横断歩道を形成することができる。また、トレッド部表面に滑り止め用の凹凸が残っている廃タイヤを用いることにより、一層滑り止め効果および氷層の破砕、剥がし効果を高めることができる。さらに、弾性材のトレッド部表面が摩耗してその機能が低下したときは、その弾性材のみを交換すればよいので経済的である。
黒色弾性材は、横断歩道の路面を標示する。白色弾性材は、横断歩道の白線を標示する。白色塗料の塗布によって白線を標示した場合は、走行する車輌によって短期間のうちに塗料が剥離してしまうが、白色弾性材の場合は、黒色弾性材層に白色弾性材層を一体に形成しているので、白色弾性材層が剥離せず長期間にわたって白線としての機能を発揮することができる。
白色の未加硫ゴムのプレス加硫によって黒色弾性材層の表面に白色弾性材層を一体に形成した発明においては、白色弾性材層が剥離するおそれがなく、長期間にわたって使用することができる。
コンクリートブロックの黒色上面部が黒色のモルタル層からなり、白色上面部が白色のモルタル層からなる発明においては、白色上面部が白色弾性材とともに白線を標示する。一方、黒色上面部は、黒色弾性材とともに路面を標示し、白線の縞模様を見易くする。
混濁防止用ブロックを備えた発明においては、黒色モルタル層と白色モルタル層の混濁を防止し、白線と黒線の境界を明確にする。
コンクリートブロックにクレーンフック用ナットを埋設した発明においては、横断歩道敷設時にクレーンフックをナットに螺合連結し、横断歩道ユニットをワイヤで吊り下げて搬送することにより、横断歩道の敷設工事を短時間に行うことができ、施工性に優れた横断歩道を提供することができる。また、ナットは、鉄筋に接合されているので、横断歩道ユニットを吊り下げたとき、コンクリートブロックから離脱するおそれがない。
横断歩道ユニットを複数個敷設して横断歩道とした発明は、横断歩道ユニットを路面に形成した凹部に埋設するだけでよいので、横断歩道の敷設作業が容易で、短時間に施工することができる。
横断歩道ユニットを複数個敷設して横断歩道とした発明は、横断歩道ユニットを路面に形成した凹部に埋設するだけでよいので、横断歩道の敷設作業が容易で、短時間に施工することができる。
以下、本発明を図面に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係る横断歩道の一実施の形態を示す平面図、図2は横断歩道ユニットの平面図、図3は同横断歩道ユニットを分解して示す斜視図、図4は図2のIV−IV線断面図、図5は黒色弾性材の断面図、図6は同黒色弾性材の伸展状態を示す平面図、図7は廃タイヤの断面図、図8は白色弾性材の断面図、図9および図10はコンクリートブロックの打設を説明するための図、図11は黒線標示用歩道ユニットの平面図、図12は白線標示用歩道ユニットの平面図である。
図1は本発明に係る横断歩道の一実施の形態を示す平面図、図2は横断歩道ユニットの平面図、図3は同横断歩道ユニットを分解して示す斜視図、図4は図2のIV−IV線断面図、図5は黒色弾性材の断面図、図6は同黒色弾性材の伸展状態を示す平面図、図7は廃タイヤの断面図、図8は白色弾性材の断面図、図9および図10はコンクリートブロックの打設を説明するための図、図11は黒線標示用歩道ユニットの平面図、図12は白線標示用歩道ユニットの平面図である。
図1〜図4において、1は道路、2は歩道、3はセンターライン、4は交差点、5は道路1の路面1aに敷設された歩行者用の横断歩道、6はアスファルト舗装、7は路盤砂礫層である。
前記横断歩道5は、道路1を横断する歩行者のためにその歩行範囲を定めた道路区域Aの路面に敷設された本発明に係る複数個の横断歩道ユニット8を備えている。この場合、本実施の形態においては、前記道路区域Aに道路1の幅員方向に5列、車輌進行方向に2列、合計10個の横断歩道ユニット8を敷設して横断歩道5を構築した例を示している。
前記横断歩道ユニット8は、前記道路区域Aの路面1aに埋設されるコンクリートブロック10と、このコンクリートブロック10の上面10aに埋設される複数の弾性材20等で構成されている。
前記コンクリートブロック10は、プレキャスト(PC)工法によって工場において生産され、前記弾性材20が装填された後、所定の設置現場に搬送され、前記道路区域Aの路面1aに上面10aが前記路面1aと同一面になるように埋設される。このようなコンクリートブロック10は、大きさが例えば、長さ(幅員方向の長さ)Lo=900mm、幅(車輌進行方向の長さ)W=900mm、厚さT=130mmの平面視正方形の鉄筋入りブロックからなり、大型トラック等の重量に対して十分に耐え得る座屈強度を有している。コンクリートブロック10の鉄筋ユニット12は、直径が15mmφ程度の複数本の鉄筋12aを格子状に重ね合わせ、溶接によって接合することにより形成され、コンクリートブロック10内に後述するクレーンフック用ナットとともに埋設されている。
コンクリートブロック10の上面10aは、中央において幅員方向に黒色と白色に色分けされることにより、黒色上面部13と白色上面部14とに分かれており、黒色上面部13が路面を標示し、白色上面部14が横断歩道5の白線を標示している。黒色上面部13と白色上面部14の幅W1 、W2 は、それぞれ450mmである(W1 =W2 )。そして、合計10個のコンクリートブロック10は、図1に示すように黒色上面部13と白色上面部14が道路1の幅員方向に交互に隣り合うように方向を揃えて敷設されている。
また、コンクリートブロック10の上面10aで黒色上面部13と白色上面部14には、それぞれ3つからなる車輌進行方向に長い凹陥部18、19が道路1の幅員方向に所定の間隔S(例えば、50mm)をおいて並設されている。凹陥部18、19は、同一の大きさで、長さL1 が800mm、幅W3 が100mm、深さDが15mm程度とされる。
コンクリートブロック10に装填される前記弾性材20は、前記凹陥部18に装填される黒色弾性材21と、前記凹陥部19に装填される白色弾性材22の2種類が用いられる。
図5〜図7において、前記黒色弾性材21は、車輌、好ましくは普通乗用車またはトラック等の大型車輌に装着されていた使用済みのタイヤ、すなわち廃タイヤ30のトレッド部31を特殊な専用の切断機で前記凹陥部18と同じ長さおよび幅で円周方向に帯状に切断することにより形成される。そして、トレッドパターン(滑り止め用凹凸模様)32が形成されている表面側を上にして前記凹陥部18に装填され、接着剤によって固着されている。また、黒色弾性材21は、除雪車のスチールブレードによって剥がされないようにするために、上面がコンクリートブロック10の上面10aと同一面を形成するように凹陥部18の深さDと等しい厚さに形成されている。
図8において、前記白色弾性材22は、同じく自動車の廃タイヤ30のトレッド部31を前記凹陥部19と同じ長さおよび幅で円周方向に帯状に切断することにより形成した黒色弾性材層36と、この黒色弾性材層36の上面に一体に形成された白色弾性材層37とで構成され、前記凹陥部19に接着剤によって固着されている。黒色弾性材層36は、黒色弾性材21に比べて白色弾性材層37の厚さだけ薄く形成することにより、表面側のトレッドパターン32(図5、図7)が切断除去されている。前記白色弾性材層37は、白色の未加硫ゴムを黒色弾性材層36の表面に塗布し、プレス加硫することにより一体に形成されており、表面には廃タイヤ30のトレッドパターン32と同様な滑り止め用凹凸38が形成されている。また、白色弾性材22は、同じく除雪車のスチールブレードによって剥がされないようにするために、白色弾性材層37の上面がコンクリートブロック10の上面10aと同一面を形成するように凹陥部19の深さDと等しい厚さに形成されている。
廃タイヤ30としては、スタッドレスタイヤを用いることが好ましい。スタッドレスタイヤは、夏季用タイヤと比較して、硬度を20°(JAS−A)以上低くし、路面グリップ力を増大させる設計になっているが、使用開始時より摩耗により徐々にグリップ力が低下するので、構成要素として全体的にはまだ十分使用できるものであっても新しいものと交換されることが多く大量の廃タイヤが発生する。これは、スタッドレスタイヤは、夏季においても使用可能ではあるが、走行音や燃料消費が一般の夏季用タイヤと比べると劣るため夏季では殆ど使用されずに廃棄され、夏季用タイヤに交換されるからである。したがって、廃タイヤとして入手が容易でリサイクルすることができる。また、スタッドレスタイヤは、通常チューブレスタイヤであり、トレッド部31が図5に示すようにトレッドゴム層31Aと、インナーライナー31Bとからなり、またトレッドゴム層31Aの内部にはブレーカコード34とカーカス35が埋設されているため、強度上何ら問題がなく、十分な耐久性を有している。また、自動車のタイヤは、一般に黒色、またはこれに近い色であるため、切断後に格別着色する必要がなく、黒色弾性材21および黒色弾性材層36としてそのまま使用することができる。なお、廃タイヤ30のトレッド部31の残存厚さが15〜18mmであれば、黒色弾性材21として再利用することができ、10〜13mmであれば、白色弾性材層38として再利用することができる。
再び図1〜図4において、さらにコンクリートブロック10には、筒状に形成されたクレーンフック用ナット40が埋設されている。このクレーンフック用ナット40は、横断歩道5の敷設作業時に横断歩道ユニット8をワイヤで吊り下げるときにクレーンフックが螺合されるもので、コンクリートブロック10の上面中央に埋設され、上端がコンクリートブロック10から露呈してその上面10aと同一面を形成し、下端が内部の鉄筋12aに溶接によって接合されている。
ここで、本実施の形態においては、1つのクレーンフック用ナット40をコンクリートブロック10の上面中央に埋設した例を示したが、これに限らず、4つのナットをコンクリートブロック10の上面10aで各角部にそれぞれ埋設したり、あるいは2つのナットをコンクリートブロック10の上面10aで対角線上の2つの角部にそれぞれ埋設してもよい。
このような構造からなる横断歩道5の施工に際しては、先ず工場においてコンクリートブロック10を打設し、所要個数の横断歩道ユニット8を組立てる。
コンクリートブロック10の打設に際しては、図9および図10に示す成型用型枠50を用いて打設する。成型用型枠50の内底部には、コンクリートブロック10の黒色上面部13と白色上面部14を形成するためのモルタル充填部51、52が形成されている。そして、成型用型枠50の内部にクレーンフック用ナット40が接合された鉄筋ユニット12を配置し、各モルタル充填部51、52に黒色顔料を含んだ黒色の強化モルタルと白色顔料を含んだ白色の強化モルタルをそれぞれ充填し、黒色のモルタル層55と白色のモルタル層56を打設する。黒色と白色の強化モルタルを充填する際には、両モルタルの混濁を防止するために予めモルタル充填部51と52の境部に図2、図3および図10に示す混濁防止用ブロック57を設置しておく。この混濁防止用ブロック57は、黒色または白色の強化モルタルによって予め形成しておき、黒色の強化モルタルで形成した場合は、黒色のモルタル充填部51側に設置し、白色の強化モルタルで形成した場合は、白色のモルタル充填部52側に設置しておけばよい。なお、図2および図3においては、白色の強化モルタルで形成した混濁防止用ブロック57を用いている。また、混濁防止用ブロック57は、コンクリートブロック10の打設後、取り除かれることはなく、そのまま白色上面部14の一部として用いられる。
黒色と白色の強化モルタルを各モルタル充填部51、52に充填した後、引き続き成型用型枠50内に無着色のコンクリート58を充填して養生固化させることにより、所望のコンクリートブロック10が完成する。
次に、コンクリートブロック10を成型用型枠50から取り出して各凹陥部18、19に黒色弾性材21と白色弾性材22をそれぞれ装填し接着剤によって固着する。黒色弾性材21と白色弾性材22の装填が終了すると、横断歩道ユニット8が完成する。この横断歩道ユニット8をトラックに搭載して設置現場に搬送し、クレーンによって吊り下げ、歩道区画Aの路面1aに掘削した凹部11(図4)に所定個数順次埋設し、コンクリートブロック10の上面10aを路面1aと同一面になるように調整して横断歩道5を完成させ、もって横断歩道5の敷設作業を終了する。
横断歩道5の敷設に際して、道路1の幅員寸法とコンクリートブロック10の長さLoによっては、幅員寸法に応じた適正個数の横断歩道ユニット8を敷設することができず、黒線または白線を追加しなければならない場合が生じる。そのようなときには、前記横断歩道ユニット8に加えて図11および図12に示す黒線標示用歩道ユニット60または白線標示用歩道ユニット61を予め製作しておき、横断歩道ユニット8とともに埋設する。黒線標示用歩道ユニット60と白線標示用歩道ユニット61は、上記の横断歩道ユニット8を道路の幅員方向において2等分したものと同一構造、すなわち黒線標示用歩道ユニット60は図2、図3に示す横断歩道ユニット8の右半分と同一構造であり、白線標示用歩道ユニット61は横断歩道ユニット8の左半分と同一構造であり、そのいずれか一方を追加施工することにより黒線または白線を追加し道路1の幅員寸法に適合した長さの横断歩道の敷設を可能にする。黒線標示用歩道ユニット60と白線標示用歩道ユニット61のクレーンフック用ナット40については、その上面中央に黒色弾性材21または白色弾性材22が装填されていて埋設することができないため、2つのナット40を上面の対角線上の2つの角部にそれぞれ埋設した例を示す。なお、黒線標示用歩道ユニット60と白線標示用歩道ユニット61については、横断歩道ユニット8と同一構成部分について同一符号をもって示し、その説明を省略する。
このような横断歩道5において、横断歩道5の路面上に降り積もった雪は、融けると水になり、周囲温度が低いと凍結して氷層を形成し横断歩道5の上面全体を覆う。このような氷層が形成されている横断歩道5を歩行者が歩行する際には、黒色弾性材21と白色弾性材22の上を歩くことが望ましい。歩行者が黒色弾性材21と白色弾性材22の上を歩くと、黒色弾性材21と白色弾性材22は、歩行者の重量により弾性変形する。一方、黒色弾性材21と白色弾性材22の上面に凍結している氷層は、これら弾性材の弾性変形に追従できないために破砕され、黒色弾性材21のトレッドパターン32と白色弾性材22の滑り止め用凹凸38を路面1aに露呈させる。したがって、歩行者は破砕した氷の破片とトレッドパターン32と白色弾性材22の滑り止め用凹凸38を踏んで歩くことになり、滑ったり転倒したりすることが少なく、安全に歩行することができる。また、車輌が通行する場合も、黒色弾性材21と白色弾性材22がその重量により弾性変形するため、その上面に凍結している氷層が破砕されて飛び散り、黒色弾性材21のトレッドパターン32と白色弾性材22の滑り止め用凹凸38が路面に露呈することにより車輌を制動する。したがって、車輌においてもスリップ事故を起こさず走行することができ、運転の安全性を高めることができる。
また、黒色弾性材21として、廃タイヤ30のトレッド部31を帯状に切断してリサイクルし、白色弾性材層36を同じく廃タイヤ30のトレッド部31を帯状に切断してリサイクルしているので、廃タイヤ30の入手が容易で黒色弾性材21と黒色弾性材層36を安価に製作することができ、しかも撓み系路面舗装技術を採用しているので、ロードヒーティングに比べて維持管理費を大幅に節約することができる。
また、工場で生産された横断歩道ユニット8を現場に搬送し、路面1aに掘削した凹部11に埋設するだけでよいので、横断歩道5の敷設作業を短時間に行うことができ、施工性に優れている。さらに、黒色弾性材21と白色弾性材22が摩耗したときは、コンクリートブロック10から剥がして新しい弾性材に交換すればよいので、交換に要する経費も低く抑えることができる。
なお、横断歩道5としては、路面1aに埋設したとき、車輌の重量によって動いて分離し隣り合うコンクリートブロック10どうしの間に隙間が生じないようにするために、コンクリートブロック10の側面に凹凸を設けておき、互いに隣り合うブロックどうしの凹凸を係合させることが望ましい。
また、コンクリートブロック10の大きさとしては、900×900×130mmに限らず道路の幅員や歩行者数によって適宜変更することが可能であり、例えば1200×1200×130mmや1500×1500×130mmの大きさであってもよい。
1…道路、1a…路面、5…横断歩道、8…横断歩道ユニット、10…コンクリートブロック、12a…鉄筋、13…黒色上面部、14…白色上面部、18、19…凹陥部、20…弾性材、21…黒色弾性材、22…白色弾性材、30…廃タイヤ、31…トレッド部、32…トレッドパターン、36…黒色弾性材層、37…白色弾性材層、38…滑り止め用凹凸、40…クレーンフック用ナット、55…黒色モルタル層、56…白色モルタル層、57…混濁防止用ブロック、A…道路区域。
Claims (6)
- 路面に敷設される横断歩道ユニットであって、
前記横断歩道ユニットは、前記路面に埋設されるコンクリートブロックと、前記コンクリートブロックの上面に埋設される複数の弾性材とからなり、
前記コンクリートブロックの上面部は、それぞれ道路の幅員方向に並設された車輌進行方向に長い複数の凹陥部を有して道路の幅員方向に隣り合う黒色上面部および白色上面部とからなり、
前記弾性材は、前記黒色上面部の凹陥部に埋設される黒色弾性材と、前記白色上面部の凹陥部に埋設される白色弾性材とからなり、
、前記黒色弾性材は、自動車の廃タイヤのトレッド部を前記凹陥部の長さと幅で円周方向に帯状に切断して形成され、
前記白色弾性材は、自動車の廃タイヤのトレッド部を前記凹陥部の長さと幅で円周方向に帯状に切断して形成された黒色弾性材層と、この黒色弾性材層の上面に一体に形成された白色弾性材層とからなる横断歩道ユニット。 - 請求項1記載の横断歩道ユニットにおいて、
前記白色弾性材層は、白色の未加硫ゴムを黒色弾性材層の表面にプレス加硫することにより一体に形成され、上面に滑り止め用凹凸を有する横断歩道ユニット。 - 請求項1または2に記載の横断歩道ユニットにおいて、
前記コンクリートブロックは、黒色上面部が黒色のモルタル層からなり、白色上面部が白色のモルタル層からなる横断歩道ユニット。 - 請求項3記載の横断歩道ユニットにおいて、
前記コンクリートブロックの上面で黒色上面部と白色上面部との境部には混濁防止用ブロックが埋設されている横断歩道ユニット。 - 請求項1〜4のうちのいずれか一項記載の横断歩道ユニットにおいて、
前記コンクリートブロックの内部には鉄筋とクレーンフック用ナットが埋設され、前記クレーンフック用ナットはその上端がコンクリートブロックの上面に露呈し、下端が前記鉄筋に接合されている横断歩道ユニット。 - 請求項1〜5のうちのいずれか一項記載の横断歩道ユニットを、道路を横断する歩行者のために歩行範囲を定めた道路区域の路面に複数個敷設してなる横断歩道。
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ID=42257776
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008267572A Pending JP2010095904A (ja) | 2008-10-16 | 2008-10-16 | 横断歩道ユニットおよびこれを用いた横断歩道 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2010095904A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103669250A (zh) * | 2012-09-22 | 2014-03-26 | 宋适彤 | 组合、调高式橡胶斑马线的制作方法 |
CN108320542A (zh) * | 2018-03-27 | 2018-07-24 | 贾玉茗 | 新型交通信号灯 |
KR102283689B1 (ko) * | 2021-02-04 | 2021-07-30 | 신용관 | 폐타이어를 이용한 블록 및 이를 제조하는 방법 |
JP2021130961A (ja) * | 2020-02-19 | 2021-09-09 | 古河電気工業株式会社 | 路面表示材および路面発光材 |
-
2008
- 2008-10-16 JP JP2008267572A patent/JP2010095904A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103669250A (zh) * | 2012-09-22 | 2014-03-26 | 宋适彤 | 组合、调高式橡胶斑马线的制作方法 |
CN108320542A (zh) * | 2018-03-27 | 2018-07-24 | 贾玉茗 | 新型交通信号灯 |
JP2021130961A (ja) * | 2020-02-19 | 2021-09-09 | 古河電気工業株式会社 | 路面表示材および路面発光材 |
KR102283689B1 (ko) * | 2021-02-04 | 2021-07-30 | 신용관 | 폐타이어를 이용한 블록 및 이를 제조하는 방법 |
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