JP3078470B2 - 閉塞部材取付構造 - Google Patents

閉塞部材取付構造

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JP3078470B2
JP3078470B2 JP07162566A JP16256695A JP3078470B2 JP 3078470 B2 JP3078470 B2 JP 3078470B2 JP 07162566 A JP07162566 A JP 07162566A JP 16256695 A JP16256695 A JP 16256695A JP 3078470 B2 JP3078470 B2 JP 3078470B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被閉塞部材の孔に弾性
シール部材を介して閉塞部材を挿入し、当該孔を塞ぐ閉
塞部材取付構造に関する。さらに詳しくは、本発明は、
流体の制御弁を操作するアクチュエータのケーシングに
設けられた孔を閉塞するのに適した閉塞部材取付構造に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】機械装置類のケーシングには、通常時に
は使用されることがなくカバーで塞がれている孔を設け
ることがある。例えば、流体の制御弁を駆動するアクチ
ュエータ等では、ケーシングに孔を設けて手動操作軸の
先端部分をケーシング外に突出させ、停電等の非常時に
おける制御弁の手動操作を可能にしている。ケーシング
に設けられた孔は、通常時には手動操作軸の先端部分と
一緒にカバーで覆われ、ケーシング内の防水性、防塵性
等が確保されている。
【0003】従来、この種のカバー101には、図7に
示すように、雄ねじ部101aが設けられており、この
雄ねじ部101aをケーシング102の孔102aに設
けられた雌ねじ部にねじ込むことで、非常時における簡
単な取り外しと通常時における脱落防止を図っている。
カバー101とケーシング102との間は、Oリング1
03でシールされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、カバー
101に設けられた雄ねじ部101aをケーシング10
2に設けられた雌ねじ部102aにねじ結合させるため
には、互いに噛み合うねじを形成する必要があり、しか
も非常時における取り外しの容易性の確保や通常時にお
ける脱落防止を図るためには、各ねじ部101a,10
2aを精度良く加工する必要がある。このため、カバー
101及びケーシング102の製造コストが増加してし
まう。
【0005】本発明は、着脱の容易性及び脱落の防止を
確保しつつ、製造コストの上昇を抑えることが可能な閉
塞部材取付構造を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに請求項1記載の発明は、被閉塞部材に設けられた孔
に弾性シール部材を介して閉塞部材を挿入し当該孔を密
閉する閉塞部材取付構造において、孔の周面に径方向に
突出する第1突出片を設けると共に更に閉塞部材の周面
閉塞部材を孔内に挿入して回転させた場合に閉塞部材
の挿入方向奥側から第1突出片に係合する第2突出片を
設け、第1及び第2突出片のうち少なくともいずれか一
方の係合面に、閉塞部材を孔内に挿入して回転させた場
合に閉塞部材を挿入方向に引き込み弾性シール部材を弾
性変形させる傾斜カム面を形成するように構成したもの
である。
【0007】また、請求項2記載の発明は、閉塞部材を
孔内に挿入して取付位置まで回転させた場合に互いに嵌
まり合う凸部及び凹部を第1及び第2突出片に設けて構
成したものである。
【0008】さらに、請求項3記載の発明は、弾性シー
ル部材としてOリングを使用するものである。
【0009】
【作用】したがって、請求項1記載の発明では、先ず弾
性シール部材を装着して閉塞部材を被閉塞部材の孔内に
挿入する。このとき、第2突出片を第1突出片の脇を通
過させる。その後、閉塞部材を回転させると、第2突出
片の挿入方向手前側の面が第1突出片の挿入方向奥側の
面に摺動する。第1及び第2突出片の少なくともいずれ
か一方には傾斜カム面が形成されており、傾斜カム面に
沿って閉塞部材が挿入方向に引き込まれる。したがっ
て、弾性シール部材が半径方向に変形して軸方向に伸び
るように潰れ、閉塞部材と被閉塞部材との間を良好にシ
ールする。弾性シール部材が潰れることで弾性シール部
材と閉塞部材及び被閉塞部材との間には摩擦力が発生
し、振動等に起因して閉塞部材が外れ方向に回転するの
を防止し閉塞部材の脱落を阻止する。また、閉塞部材を
取り外して孔を露出させる場合には、閉塞部材を外し方
向に回転させて引き抜けば良い。
【0010】また、請求項2記載の発明では、孔内に挿
入された閉塞部材を取付位置まで回転させることで凸部
と凹部とが嵌まり合い、通常時における閉塞部材の外し
方向の回転をより確実に阻止すると共に、取付位置まで
閉塞部材を回転させた場合の節度感が得られる。
【0011】さらに、請求項3記載の発明では、弾性シ
ール部材として一般的なOリングを使用した閉塞部材取
付構造が得られる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の構成を図面に示す実施例に基
づいて詳細に説明する。
【0013】図1及び図2は、本発明に係る閉塞部材の
取付構造を、例えば冷暖房機に組み込まれた液体制御バ
ルブのアクチュエータ1に適用した例を示している。こ
のアクチュエータ1のカバー2には、出力軸3の基端部
分3aをカバー2の外方に突出させるための孔2aが穿
孔されている。孔2aは、出力軸3の基端部分3aとと
もに軸カバー4で覆われ塞がれている。また、軸カバー
4とカバー2との間は、弾性シール部材であるOリング
7でシールされている。つまり、閉塞部材である軸カバ
ー4は、被閉塞部材であるカバー2の孔2aを密閉する
ものである。出力軸3の先端3bは、図示しない制御バ
ルブに連結されてこれを操作する。即ち、通常時(正常
時)には、図示しない電動モータで出力軸3は回転駆動
されて制御バルブを開閉操作する。一方、停電等の非常
時には、この出力軸3の基端部分を手動操作し、制御バ
ルブを開閉操作する。
【0014】カバー2に設けられた孔2aの周面2bに
は、図3及び図4に示すように、径方向に突出する第1
突出片6が2箇所に設けられている。各第1突出片6
は、周面2bの同一直径上に向かい合って配置されてい
る。各第1突出片6の摺動面には、周面2bに対して螺
旋方向に傾斜する傾斜カム面8が設けられている。各傾
斜カム面8は、第1突出片6の後述する軸カバー4の取
付回転方向の手前側の位置に設けられている。
【0015】また、軸カバー4の挿入部分4aの周面4
bには、図5に示すように、径方向に突出する第2突出
片5が2箇所に設けられている。各第2突出片5は、周
面4bの同一直径上に向かい合って配置されている。各
第2突出片5は、軸カバー4の挿入方向奥側から各突出
片6に係合する。即ち、軸カバー4が孔2a内に挿入さ
れて取付方向に回転された場合、各第1突出片6の前記
挿入方向奥側の面と各突出片5の前記挿入方向手前側の
面とが摺動して係合する。
【0016】また、各突出片5,6の摺動面には、図6
に示すように、互いに嵌まり合う凸部9及び凹部10が
設けられている。各凸部9及び凹部10は、軸カバー4
を孔2aに取り付ける場合に、図中2点鎖線で示す取付
位置まで回転させた場合に互いに嵌まり合う位置に設け
られている。即ち、凸部9は各第2突出片5の前記取付
回転方向の奥側の位置に、凹部10は各第1突出片6の
取付回転方向の奥側の位置にそれぞれ設けられている。
【0017】軸カバー4及びカバー2は樹脂成形品であ
り、各周面2b,4bに対して各突出片5,6、凸部9
及び凹部10は一体成形されている。
【0018】なお、図中符号2cはカバー2の孔2aの
周囲に設けられた環状溝であり、Oリング7は環状溝2
c内に配置される。
【0019】軸カバー4をカバー2に取り付けて孔2a
を塞ぐ場合、先ず、軸カバー4とカバー2の間にOリン
グ7を配置し、次に軸カバー4の挿入部分4aを孔2a
内に挿入する。このとき、各第1突出片6の間に各第2
突出片5を通過させながら、軸カバー4のフランジ4c
がOリング7に軽く当たる位置まで軸カバー4を挿入す
る。これにより、出力軸3の先端部分3aが軸カバー4
で覆われる。
【0020】次に、軸カバー4を取付回転方向に回転さ
せると、各第2突出片5がそれぞれ対応する第1突出片
6の傾斜カム面8に沿って摺動する。各傾斜カム面8
は、孔2aの周面2bに対して螺旋方向に傾斜している
ので、軸カバー4は螺旋状に挿入方向に引き込まれる。
したがって、Oリング7は環状溝2c内で環状溝2cの
半径方向に押し潰されてその横断面形状が孔2aの軸線
方向に伸びるように弾性変形し、軸カバー4とカバー2
の間を良好にシールする。
【0021】そして、軸カバー4をその取付位置、即ち
いわゆる度当たり位置の直前の位置まで回転させると、
各第2突出片5の凸部9が各第1突出片6の凹部10に
嵌まり込む。本実施例では、軸カバー4を約45度回転
させると取付位置に到達し、各凸部9が各凹部10に嵌
まり込む。各凸部9が各凹部10に嵌まり込むことで、
また、弾性変形したOリング7と軸カバー4及びカバー
2との間には大きな摩擦力が発生しているので、制御バ
ルブ側から入力する振動等に起因して軸カバー4が外れ
方向に回転してしまうことがなく、軸カバー4の孔2a
からの脱落が防止される。また、弾性変形したOリング
7は、軸カバー4とカバー2とのがた付きを阻止する。
【0022】一方、軸カバー4を孔2aから取り外す場
合には、軸カバー4を外し回転方向に回転させる。この
場合、各第2突出片5の凸部9を弾性変形させながら、
また、Oリング7が発生させる摩擦力に打ち勝って軸カ
バー4を回転させる。そして、各第2突出片5が各第1
突出片6の間に位置するまで軸カバー4を回転させた
後、この軸カバー4を孔2aから引き抜く。これによ
り、出力軸3の先端部分3aが露出し、作業者の制御バ
ルブの手動操作が可能になる。
【0023】なお、上述の実施例は本発明の好適な実施
の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明
の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能であ
る。例えば、本実施例においては、カバー2の孔2aに
設けられた第1突出片6に傾斜カム面8を形成している
が、軸カバー4に設けられた各第2突出片5に傾斜カム
面8を設けても良い。
【0024】また、本実施例では、各第2突出片5に凸
部9を、各第1突出片6に凹部10をそれぞれ形成して
いるが、各第2突出片5に凹部10を、各第1突出片6
に凸部9をそれぞれ形成しても良い。
【0025】さらに、本実施例においては、冷暖房機に
組み込まれた流体の制御バルブのアクチュエータに適用
した場合を例に説明しているが、これ以外にも適用でき
ることは勿論である。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の発明
は、被閉塞部材に設けられた孔の周面に径方向に突出す
る第1突出片を設けると共に更に閉塞部材の周面に閉塞
部材を孔内に挿入して回転させた場合にこの挿入方向奥
側から前記第1突出片に係合する第2突出片を設け、第
1及び第2突出片のうち少なくともいずれか一方の係合
面に、閉塞部材を孔内に挿入して回転させた場合に閉塞
部材を挿入方向に引き込み弾性シール部材を弾性変形さ
せる傾斜カム面を形成しているので、第1突出片と第2
突出片との係合を利用して閉塞部材を取り付けることが
できる。樹脂成形品においては、第1及び第2突出片を
各周面に一体成形することは比較的容易であり、従来必
要とされていたねじ加工等の製造工程を経ることなく閉
塞部材及び被閉塞部材を製造することが可能になる。こ
のため、閉塞部材と被閉塞部材の製造コストの抑制を図
ることができる。また、弾性シール部材は閉塞部材と被
閉塞部材との嵌合時に半径方向に変形し軸方向に伸びる
ため、その弾性力を利用してシール効果が発揮されると
共に第1突出片と第2突出片とを強固に係合させること
ができ、しかも弾性シール部材と閉塞部材及び被閉塞部
材との間には摩擦力が発生するので、取り付けられた状
態の閉塞部材が外れ方向に回転するのを防止でき、閉塞
部材の脱落阻止を図ることができる。さらに、閉塞部材
を孔に挿入して所定角度だけ回転させるだけで閉塞部材
を孔に取り付けることができ、また、この逆の動作を行
うだけで閉塞部材を孔から取り外すことができるので、
簡単に閉塞部材を取り付け、取り外しすることができ、
作業性に優れて便利である。
【0027】また、請求項2記載の発明では、閉塞部材
を孔内に挿入して取付位置まで回転させた場合に互いに
嵌まり合う凸部及び凹部を第1及び第2突出片に設けて
いるので、通常時における閉塞部材の脱落をより確実に
防止することが可能になる。また、作業者に節度感を与
えることが可能になり、閉塞部材の中途半端な取り付け
を未然に防止することができる。
【0028】さらに、請求項3記載の発明では、弾性シ
ール部材としてOリングを使用するので、シール部材と
して一般的であり十分な使用経験と知識・ノウハウの蓄
積があるものを使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る閉塞部材取付構造の一実施例を示
す断面図である。
【図2】図1の閉塞部材取付構造を適用した制御バルブ
用アクチュエータの一実施例を示す断面図である。
【図3】図1の閉塞部材取付構造のカバーに設けられた
孔の正面図である。
【図4】図1の閉塞部材取付構造のカバーに設けられた
孔の断面図である。
【図5】図1の閉塞部材取付構造の軸カバーの裏面図で
ある。
【図6】図1の閉塞部材取付構造の第1及び第2突出片
の係合の様子を示す概念図である。
【図7】従来の閉塞部材取付構造の断面図である。
【符号の説明】
2 カバー 2a 孔 2b 周面 4 軸カバー 4b 周面 5,6 突出片 7 Oリング 8 傾斜カム面 9 凸部 10 凹部

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被閉塞部材に設けられた孔に弾性シール
    部材を介して閉塞部材を挿入し当該孔を密閉する閉塞部
    材取付構造において、前記孔の周面に径方向に突出する
    第1突出片を設けると共に更に前記閉塞部材の周面に
    記閉塞部材を前記孔内に挿入して回転させた場合に前記
    閉塞部材の挿入方向奥側から前記第1突出片に係合する
    第2突出片を設け、前記第1及び第2突出片のうち少な
    くともいずれか一方の係合面に、前記閉塞部材を前記孔
    内に挿入して回転させた場合に前記閉塞部材を前記挿入
    方向に引き込み前記弾性シール部材を弾性変形させる傾
    斜カム面を形成したことを特徴とする閉塞部材取付構
    造。
  2. 【請求項2】 前記閉塞部材を前記孔内に挿入して取付
    位置まで回転させた場合に互いに嵌まり合う凸部及び凹
    部を前記第1及び第2突出片に設けたことを特徴とする
    請求項1記載の閉塞部材取付構造。
  3. 【請求項3】 前記弾性シール部材はOリングであるこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載の閉塞部材取付構
    造。
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KR100958879B1 (ko) * 2008-01-31 2010-05-20 현대삼호중공업 주식회사 샤프트 보관함을 탑재한 선체
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