JP3078199B2 - 濃度制御方法及びこれを利用した基板処理装置 - Google Patents

濃度制御方法及びこれを利用した基板処理装置

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JP3078199B2
JP3078199B2 JP07070785A JP7078595A JP3078199B2 JP 3078199 B2 JP3078199 B2 JP 3078199B2 JP 07070785 A JP07070785 A JP 07070785A JP 7078595 A JP7078595 A JP 7078595A JP 3078199 B2 JP3078199 B2 JP 3078199B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、処理液が流通する試料
フローセルと、一定温度に保持した状態で溶媒を流通ま
たは充填した参照セルとの透過光強度の比をもって透過
率を算出し、この透過率に基づいて前記処理液の濃度を
制御する濃度制御方法または試料フローセルに処理液を
流通させた場合と、同じ試料フローセルに一定温度に保
持した状態で溶媒を流通させた場合の透過光強度の比を
もって透過率を算出し、この透過率に基づいて前記処理
液の濃度を制御する濃度制御方法及びこれを利用して処
理液の濃度を制御し、半導体ウエハ、フォトマスク用の
ガラス基板、液晶表示装置用のガラス基板、光ディスク
用の基板等の基板を対象に洗浄やエッチングなどの処理
を行う基板処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の基板処理装置として、基
板の洗浄処理を行う基板処理装置がある。この基板処理
装置は、例えば半導体ウエハなどの基板を清浄にするた
めに、その目的に応じた薬液と純水(溶媒)とを所定比
率で混合調整し、この所定の濃度にした処理液に基板を
浸漬させることによって基板を処理するものである。し
かし、処理液は例えば70℃程度に加熱された状態で使
用されることが多いので純水や薬液の蒸発により、また
その他の要因によりその濃度が変動する。この処理液の
濃度に変動があると、所定時間の洗浄処理を行っても基
板を所要の清浄状態にすることができないので、この濃
度を管理して変動があれば所定濃度に制御する必要があ
る。この処理液の濃度制御方法としては、処理液の透過
光強度(試料透過光強度)と、基準となる純水の透過光
強度(参照透過光強度)との比をもって透過率を算出
し、この透過率に基づいて処理液の濃度を制御する方法
がある。したがって、濃度制御のために透過率を測定す
る必要がある。
【0003】この透過率を測定する手法としては、処理
液を供給する処理液供給配管に透過光測定用フローセル
を配設し、処理液の試料透過光強度を測定するとともに
純水の参照透過光強度を参照セルで測定する。そして、
これらの比をもって純水を基準とした透過率を求めると
いう手法がある。
【0004】しかしながら、上述したように半導体ウエ
ハなどの基板の洗浄処理では洗浄液を加熱した状態で処
理を行う。一方、処理液に含まれている純水は、その吸
光係数に温度依存性があるので処理液の試料透過光強度
は常温時に比べて高く測定される。しかし、参照セルの
参照透過光強度は、常温のままで測定されているので処
理液のように常温より高く測定されることはなく、結果
としてこれらの比である透過率には純水の吸光係数の温
度依存性によって誤差が含まれることになる。したがっ
て、この手法では透過率に基づいて濃度を制御すること
が困難であり、特に半導体ウエハ基板を洗浄する基板処
理装置には適用が困難である。
【0005】上記の問題点を改善した手法として、透過
光測定用フローセルが配設された採取管に、処理液で満
たされた処理槽から連続的あるいは間欠的に処理液を導
入して処理液の透過光強度を測定する手法がある(例え
ば、特開昭62−8040号公報)。この手法によれば
採取した処理液を冷却または放置することによって、基
準となる参照セルの純水の温度とほぼ同じ温度で処理液
の透過光強度を測定することができる。したがって温度
依存性による誤差もなく精度よく透過率を求めることが
できる。結果、処理液の濃度を精度良く制御することが
できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな構成を有する従来例の場合には、次のような問題が
ある。すなわち、従来の手法によれば、処理液の試料透
過光強度を測定するために処理液を採取管に採取し、基
準となる参照セルの純水と同じ温度にまで冷却または放
置する必要がある。したがって、精度よく濃度制御を行
うことができるが応答性が非常に悪いという問題点があ
る。
【0007】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであって、処理液の温度依存性を補正することに
より高精度で、かつ、応答性の良い濃度制御方法及びこ
れを利用した基板処理装置を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような目
的を達成するために、次のような構成をとる。すなわ
ち、請求項1に記載の発明方法は、処理液が流通する試
料フローセルと、一定温度に保持した状態で溶媒を流通
または充填した参照セルとの透過光強度の比をもって透
過率を算出し、この透過率に基づいて前記処理液の濃度
を制御する濃度制御方法であって、(a)前記処理液に
含まれている溶媒のみを前記試料フローセルに流通させ
た状態で温度を変えて、各温度での透過光強度を測定し
て検量線データを記憶する過程と、(b)予め所定濃度
および所定温度に調製した基準処理液を前記試料フロー
セルに流通させ、この状態で透過光強度(基準透過光強
度)を測定する過程と、(c)参照セルの溶媒の透過光
強度(参照透過光強度)を測定する過程と、(d)前記
基準処理液の温度と前記検量線データとから、前記参照
セルの溶媒を前記基準処理液と同じ温度とした場合の参
照透過光強度に相当する予測透過光強度を求め、前記参
照透過光強度と予測透過光強度との比から補正係数を求
める過程と、(e)前記基準透過光強度と前記参照透過
光強度および前記補正係数とから前記基準処理液の透過
率(基準透過率)を求める過程と、からなる基準設定過
程を予め行った後、(f)前記基準処理液と同じ温度に
調整され、かつ、前記基準処理液と同じ濃度を目標値と
する処理液を前記試料フローセルに流通させ、この状態
で透過光強度(試料透過光強度)を測定する過程と、
(g)前記試料透過光強度と前記参照透過光強度および
前記補正係数とから前記処理液の試料透過率を求める過
程と、(h)前記基準透過率と前記試料透過率との差分
に応じて、薬液、薬液に相当するガス、溶媒のうちいず
れかの一つを前記処理液に補充する過程と、からなるフ
ィードバック制御過程を前記基準透過率と前記試料透過
率とが一致するように繰り返し行うことを特徴とするも
のである。
【0009】また、請求項2に記載の発明方法は、請求
項1に記載の濃度制御方法において、前記(f)の過程
の前または後に前記(c)の過程を再度行って参照透過
光強度を測定し、これと前記予測透過光強度との比から
補正係数を求めた後に前記(g)の過程を行うことを特
徴とするものである。
【0010】また、請求項3に記載の発明方法は、請求
項1に記載の濃度制御方法において、前記(a)の過程
は、前記各温度での透過光強度を測定するとともに、各
温度での光源の光強度に関連する光源関連光強度を測定
し、各温度での前記透過光強度と前記光源関連光強度と
の比(透過光強度比)を検量線データとして記憶し、前
記(b)、前記(c)および前記(f)の各過程では、
各々の過程における各透過光強度の測定とともに、光源
関連光強度を測定して各透過光強度と各光源関連光強度
との比を求め、各過程においてこれらの比に基づいて演
算を行なうことを特徴とするものである。
【0011】また、請求項4に記載の発明装置は、所定
濃度および所定温度に調製された処理液によって基板の
洗浄やエッチングなどの処理を行う基板処理装置であっ
て、基板を収納する処理槽に前記処理液を供給するため
の処理液供給配管と、薬液や薬液に相当するガスなどを
前記処理液に供給する薬液供給手段と、純水などの溶媒
を前記処理液や前記処理液供給配管に供給するための溶
媒供給手段と、前記薬液供給手段と前記溶媒供給手段か
らの供給量を制御する供給量制御手段と、前記供給量制
御手段によって調製された処理液を所定温度に調整する
ための温調手段と、所定の光路長を有し、処理液が流通
される試料フローセルと、処理液に含まれる溶媒のみが
一定温度に保持された状態で流通または充填され、前記
試料フローセルと同じ光路長を有する参照セルと、前記
試料フローセルおよび前記参照セルに光を照射して透過
光強度を検出するための透過光強度検出手段と、予め所
定濃度に調製され、かつ、前記温調手段によって所定温
度に調整された基準処理液を前記試料フローセルに流通
させた状態での透過光強度(基準透過光強度)とともに
前記参照セルの透過光強度(参照透過光強度)または前
記温調手段によって前記基準処理液と同じ温度に調整さ
れ、かつ、前記基準処理液と同じ濃度を目標値とする処
理液を前記試料フローセルに流通させた状態での透過光
強度(試料透過光強度)とともに前記参照セルの透過光
強度(参照透過光強度)を透過光強度検出手段によって
測定する透過光強度測定手段と、処理液に含まれる溶媒
のみを前記試料フローセルに流通させ、前記温調手段で
溶媒の温度を変えて、各温度での透過光強度を前記透過
光強度測定手段を介して測定する検量線データ測定手段
と、前記検量線データ測定手段によって測定された検量
線データを格納する検量線データ格納手段と、前記基準
処理液または前記処理液の温度と前記検量線データとか
ら、前記参照セルの溶媒を前記基準処理液または前記処
理液と同じ温度とした場合の参照透過光強度に相当する
予測透過光強度を求め、前記参照透過光強度と予測透過
光強度との比から補正係数を算出する補正係数算出手段
と、前記基準透過光強度と前記参照透過光強度および前
記補正係数とから前記基準処理液の透過率(基準透過
率)を算出したり、前記試料透過光強度と前記参照透過
光強度および前記補正係数とから透過率(試料透過率)
を算出する透過率算出手段と、前記基準透過率と前記試
料透過率とが一致するように、前記算出された基準透過
率と試料透過率との差分に応じて前記供給制御手段を制
御するフィードバック制御手段と、を備え、前記処理液
の濃度と基準処理液の濃度とが一致するように制御する
ことを特徴とするものである。
【0012】また、請求項5に記載の発明方法は、試料
フローセルに処理液を流通させた場合と、同じ試料フロ
ーセルに一定温度に保持した状態で溶媒を流通させた場
合の透過光強度の比をもって透過率を算出し、この透過
率に基づいて前記処理液の濃度を制御する濃度制御方法
であって、(a)前記処理液に含まれている溶媒のみを
前記試料フローセルに流通させた状態で温度を変えて、
各温度での透過光強度を測定して検量線データを記憶す
る過程と、(b)予め所定濃度および所定温度に調製し
た基準処理液を前記試料フローセルに流通させ、この状
態で透過光強度(基準透過光強度)を測定する過程と、
(c)一定温度に保持した溶媒のみを試料フローセルに
流通させ、この状態で光強度(参照透過光強度)を測定
する過程と、(d)前記基準処理液の温度と前記検量線
データとから、前記試料フローセルに流通させた溶媒を
前記基準処理液と同じ温度とした場合の参照透過光強度
に相当する予測透過光強度を求め、前記参照透過光強度
と予測透過光強度との比から補正係数を求める過程と、
(e)前記基準透過光強度と前記参照透過光強度および
前記補正係数とから前記基準処理液の透過率(基準透過
率)を求める過程と、からなる基準設定過程を予め行な
った後、(f)前記基準処理液と同じ温度に調製され、
かつ、前記基準処理液と同じ濃度を目標値とする処理液
を前記試料フローセルに流通させ、この状態で透過光強
度(試料透過光強度)を測定する過程と、(g)前記試
料透過光強度と前記参照透過光強度および前記補正係数
とから前記処理液の試料透過率を求める過程と、(h)
前記基準透過率と前記試料透過率との差分に応じて、薬
液、薬液に相当するガス、溶媒のうちいずれか一つを前
記処理液に補充する過程と、からなる前記(f)の過程
ないし前記(h)の過程のフィードバック制御過程を前
記基準透過率と前記試料透過率とが一致するように繰り
返し行なうことを特徴とするものである。
【0013】また、請求項6に記載の発明方法は、請求
項5に記載の濃度制御方法において、前記(f)の過程
の前に前記(c)の過程を再度行なって参照透過光強度
を測定し、これと前記予測透過光強度との比から補正係
数を求めた後に前記(g)の過程を行なうことを特徴と
するものである。
【0014】また、請求項7に記載の発明方法は、請求
項5に記載の濃度制御方法において、前記(a)の過程
は、前記各温度での透過光強度を測定するとともに、各
温度での光源の光強度に関連する光源関連光強度を測定
し、各温度での前記透過光強度と前記光源関連光強度と
の比(透過光強度比)を検量線データとして記憶し、前
記(b)、前記(c)および前記(f)の各過程では、
各々の過程における各透過光強度の測定とともに、光源
関連光強度を測定して各透過光強度と各光源関連光強度
との比を求め、各過程においてこれらの比に基づいて演
算を行なうことを特徴とするものである。
【0015】また、請求項8に記載の発明装置は、所定
濃度および所定温度に調製された処理液によって基板の
洗浄やエッチングなどの処理を行なう基板処理装置であ
って、基板を収納する処理槽に前記処理液を供給するた
めの処理液供給配管と、薬液や薬液に相当するガスなど
を前記処理液に供給する薬液供給手段と、純水などの溶
媒を前記処理液や前記処理液供給配管に供給するための
溶媒供給手段と、前記薬液供給手段と前記溶媒供給手段
からの供給量を制御する供給量制御手段と、前記供給量
制御手段によって調製された処理液を所定温度に調整す
るための温調手段と、所定の光路長を有し、処理液が流
通されるまたは処理液に含まれる溶媒のみが一定温度に
保持された状態で流通される試料フローセルと、前記試
料フローセルに光を照射して透過光強度を検出したり、
前記試料フローセルに光を照射する光源の光強度に関連
する光源関連光強度を検出する透過光強度検出手段と、
予め所定濃度に調製され、かつ、前記温調手段によって
所定温度に調整された基準処理液を前記試料フローセル
に流通させた状態での透過光強度(基準透過光強度)と
光源関連光強度との比(基準透過光強度比)および一定
温度に保持された溶媒を前記試料フローセルに流通させ
た状態での透過光強度(参照透過光強度)と光源関連光
強度との比(参照透過光強度比)または一定温度に保持
された溶媒を前記試料フローセルに流通させた状態での
透過光強度(参照透過光強度)と光源関連光強度との比
(参照透過光強度比)および前記温調手段によって前記
基準処理液と同じ温度に調整され、かつ、前記基準処理
液と同じ濃度を目標値とする処理液を前記試料フローセ
ルに流通させた状態での透過光強度(試料透過光強度)
と前記光源関連光強度との比(試料透過光強度比)を透
過光強度検出手段により測定する透過光強度測定手段
と、処理液に含まれる溶媒のみを前記試料フローセルに
流通させ、前記温調手段で溶媒の温度を変えて、各温度
での透過光強度とともに各温度での光源関連光強度を前
記透過光強度検出手段を介して測定する検量線データ測
定手段と、前記検量線データ測定手段によって測定され
た透過光強度と光源関連光強度との比を検量線データと
して格納する検量線データ格納手段と、前記基準処理液
または前記処理液の温度と前記検量線データとから、前
記試料フローセルの溶媒を前記基準処理液または前記処
理液と同じ温度とした場合の参照透過光強度比に相当す
る予測透過光強度比を求め、前記参照透過光強度比と予
測透過光強度比との比から補正係数を算出する補正係数
算出手段と、前記基準透過光強度比と前記参照透過光強
度比および前記補正係数とから前記基準処理液の透過率
(基準透過率)を算出したり、前記試料透過光強度比と
前記参照透過光強度比および前記補正係数とから透過率
(試料透過率)を算出する透過率算出手段と、前記基準
透過率と前記試料透過率とが一致するように、前記算出
された基準透過率と試料透過率との差分に応じて前記供
給制御手段を制御するフィードバック制御手段と、を備
え、前記処理液の濃度と基準処理液の濃度とが一致する
ように制御することを特徴とするものである。
【0016】
【作用】本発明の作用は次のとおりである。請求項1に
記載の発明方法は、処理液が流通する試料フローセル
と、一定温度に保持した状態で溶媒を充填した参照セル
との透過光強度の比をもって透過率を算出する。そして
算出された透過率に基づいて濃度を制御する濃度制御方
法である。
【0017】この透過率は、良く知られているようにラ
ンベルト−ベールの法則より、以下のように表すことが
できる。但し、I0 は入射光強度、Iは透過光強度であ
り、αはランベルトの法則に従って媒質が光を吸収する
度合いを表す定数であり、媒質によって固有の値をもつ
吸光係数である。ここで吸光係数αおよびαV は、それ
ぞれ処理液の吸光係数および溶媒の吸光係数を示してい
る。また、同様に濃度cおよび濃度cV は、それぞれ処
理液の濃度および溶媒の濃度を示している。またdは試
料フローセルの流通経路中に配設された光路であって、
溶媒中を光が透過する光路の長さ(光路長)である。 T=I/I0 =exp ( −α・d・c−αV ・d・cV ) …………(1)
【0018】ところで、透過率は、上記の(1)式で示
されるように測定した透過光強度とほぼ同時に測定した
入射光強度との比から求められる。しかし、そのために
は光源の光強度(入射光強度)を測定する必要があるの
で透過光測定用光学系が複雑になる。したがって、入射
光強度を測定することなく基準となる溶媒の透過光強度
(参照透過光強度)を測定して、これに対する処理液の
透過光強度(試料透過光強度)の比をもって透過率とす
るのが一般的である。そこで前記試料フローセルと同じ
光路長dを有する参照セルを用い、これに溶媒を充填し
て一定温度で保持する。この参照セルの透過光強度を基
準として透過率を算出するのである。通常、処理液は所
定温度に加熱された状態で使用されることが多いので、
吸光係数の温度依存性によって透過光強度は大きく変位
する。このため処理液の試料透過光強度は変位するが、
参照セルの溶媒は加熱されることなくほぼ一定温度に保
持されているので、ほぼ一定の参照透過光強度のままで
ある。したがって、この比から算出される透過率は、吸
光係数の温度依存性のために誤差を含むことになる。本
発明方法では、以下の手順によって吸光係数の温度依存
性を補正して透過率を誤差なく求め、これに基づいて濃
度制御を行うものである。
【0019】まず、処理液に含まれている溶媒のみを試
料フローセルに流通させる。このとき、その溶媒の温度
を変えて各温度での透過光強度を測定する。そして透過
光強度I−温度Tの検量線データを記憶する((a)の
過程)。この検量線データは、一般的に温度とともに透
過光強度が増加する右上がりのグラフとなる。
【0020】次に、予め所定濃度cおよび所定温度te
となるように処理液を調製し、これを『基準処理液』と
する。この基準処理液を試料フローセルに流通させ、こ
の状態で透過光強度(基準透過光強度IR )を測定する
((b)の過程)。この基準透過光強度IR は以下のよ
うに表される。 IR =I0 exp ( −α・d・c−αV (te )・d・cV ) ……(2)
【0021】透過率の基準となる参照セルの透過光強度
(参照透過光強度Iv )を測定する((c)の過程)。
この参照セルの溶媒は、一定温度tv に保持されてい
る。参照透過光強度Iv は、以下のように表される。 Iv =I0 exp ( −αV (tv )・d・cV ) ……………………(3)
【0022】次に、一定温度tv に保持されている参照
セルの溶媒を、前記基準処理液と同じ温度te とした場
合の透過光強度(予測透過光強度IF )を求める。これ
を求めるためには、前記(a)の過程で記憶した検量線
データを利用する。この予測透過光強度IF を式で表す
と以下のようになる。 IF =I0 exp ( −αV (te )・d・cV ) ……………………(4) 前記参照透過光強度Iv と検量線データから求められた
予測透過光強度IF との比を補正係数Kとする((d)
の過程)。 K=Iv /IF …………………………………………………………(5)
【0023】そして、前記基準透過光強度IR と前記参
照透過光強度Iv および前記補正係数Kとから以下の式
のように基準透過率TR を求める((e)の過程)。 TR =K・IR /Iv =Iv /IF ・IR /Iv =IR /IF ………………………………………………………(6) この(6)式を(2)式,(4)式で置き換えると、 TR =I0 exp ( −α・d・c−αV (te )・d・cV ) /I0 exp ( −α V (te )・d・cV ) =exp ( −α・d・c) …………………………………………(7) となり、基準透過率TR が溶媒の吸光係数の温度依存性
を有しないことがわかる。以上の過程からなる基準設定
過程によって基準透過率TR を予め設定しておく。
【0024】次に、基準処理液と同じ温度および同じ濃
度を目標値とする『処理液』を試料フローセルに流通さ
せ、この状態で透過光強度(試料透過光強度Is )を測
定する((f)の過程)。この試料透過光強度Is は以
下の式によって表される。 Is =I0 exp ( −α・d・c−αV (te )・d・cV ) ……(8)
【0025】そして、前記試料透過光強度Is と、前記
基準設定過程で測定された参照透過光強度Iv および補
正係数Kとから『処理液』の透過率(試料透過率TS
を求める((g)の過程)。 TS =K・Is /Iv =Iv /IF ・Is /Iv =Is /IF ………………………………………………………(9) この試料透過率TS についても、試料透過光強度Is
予測透過光強度IF の溶媒の温度はte で同一なので溶
媒の吸光係数の温度依存性の影響はない。
【0026】次に、基準設定過程で設定された基準透過
率TR と試料透過率TS との差分に応じて、薬液、薬液
に相当するガス、溶媒のうちいずれか一つを処理液に補
充する((h)の過程)。この両透過率TR ,TS は、
それぞれ濃度cに関連する値であるので、この差分に応
じて薬液、薬液に相当するガス、溶媒のうちいずれか一
つを処理液に補充して(f)ないし(h)の過程からな
るフィードバック制御過程を繰り返し行うことにより濃
度cが調製されることになる。
【0027】さらに、ここで試料透過率TS と基準透過
率TR について、それぞれ(7)式,(9)式から濃度
cを求めると、 基準処理液の濃度c=−(1/α・d)・lnTS 処理液の濃度 c=−(1/α・d)・lnTR となる。ここで処理液の濃度cをc’とすると、その濃
度差Δcは、 Δc=c’−c =−(1/α・d)・ln(TS /TR ) となる。したがって、試料透過率TS と基準透過率TR
が同一値となるように制御すれば処理液の濃度c’と基
準処理液の濃度cとを一致させることができることがわ
かる。また、試料透過率TS と基準透過率TR とは、補
正係数Kによってその溶媒の温度依存性の影響を除去し
ているので、高精度で濃度制御が可能である。
【0028】また、請求項2に記載の発明方法は、請求
項1に記載の発明方法において、(f)の過程の前また
は後に(c)の参照透過光強度の測定の過程を再度行
う。これにより、光源の光度に時間的な変動があっても
正確に補正係数を求めることができ、結果、試料透過率
を正確に算出することができる。
【0029】詳細に説明すると、上述したように試料透
過率TS は補正係数Kによって参照セルの参照透過光強
度IV を相殺して求めている。これは処理液の試料透過
光強度IS を測定した時点で、このときの参照透過光強
度IV と基準設定過程での参照透過光強度IV とが同一
値であることが前提となっている。しかし光源の時間的
な光度変動などにより参照透過光強度IV が変動してい
る可能性がある。この一致しない参照透過光強度I
V (補正係数K)では、(9)式から試料透過率TS
正確に算出することはできない。そこで、この試料透過
率TS を算出するまでに参照セルについてその参照透過
光強度IV を再度測定する。すなわち、フィードバック
制御過程での試料透過光強度IS と参照透過光強度IV
との測定の間隔を光度変動の間隔に比べて充分短くする
ことによって正確な補正係数Kを求めることができ、さ
らに正確な試料透過率TS を算出することができる。
【0030】また、請求項3に記載の発明方法は、以下
のように作用する。すなわち、(a)の過程において、
各温度での透過光強度を測定するとともに、各温度での
光源の光強度に関連する光源関連光強度を測定し、各温
度での透過光強度と光源関連光強度との比(透過光強度
比)を検量線データとして記憶する。この光源関連光強
度としては、例えば、光源の光強度を直接的に検出した
り、または光源の光強度をフィルタなどの減光手段を介
して間接的に検出したものである。したがって、透過光
強度比は光源の光度が変動したとしてもほぼ一定して不
変である。この光源光度の変動による影響を受けない透
過光強度比を検量線データとして記憶しておく。ここで
は説明の都合上、光源関連光強度として、上述した
(1)式で用いている入射光強度IO を例に採って説明
する。すなわち、検量線データとしては、透過光強度比
(透過光強度I/入射光強度IO )−温度Tを記憶す
る。
【0031】そして、前記(b)と(c)および(f)
の各過程において、各透過光強度の測定とともに、光源
関連光強度(入射光強度IO )を測定して各透過光強度
と各光源関連光強度との比を求め、各過程においてこれ
らの比に基づいて演算を行なう。
【0032】すなわち、前記(b)の過程において、予
め所定濃度および所定温度に調製した基準処理液を試料
フローセルに流通させ、この状態で透過光強度(基準透
過光強度IR )を測定するとともに入射光強度IO を測
定し、これらの比(基準透過光強度IR /入射光強度I
O )を基準透過光強度比RR として求める。また、前記
(c)の過程において、参照セルの溶媒の透過光強度
(参照透過光強度IV )を測定するとともに入射光強度
O を測定し、これらの比(参照透過光強度IV/入射
光強度IO )を参照透過光強度比RV として求める。さ
らに、前記(f)の過程において、基準処理液と同じ温
度に調整され、かつ、基準処理液と同じ濃度を目標値と
する処理液を試料フローセルに流通させ、この状態で透
過光強度(試料透過光強度IS )を測定するとともに入
射光強度IO を測定し、これらの比(試料透過光強度I
S /入射光強度IO )を試料透過光強度比RS として求
める。
【0033】そして、各過程においては、次のように演
算が行なわれる。(d)の過程では、基準処理液の温度
と検量線データ(透過光強度比(透過光強度I/入射光
強度IO )−温度T)とから、参照セルの溶媒を基準処
理液と同じ温度とした場合の参照透過光強度比に相当す
る予測透過光強度比RF 、すなわち、透過光強度比(予
測透過光強度IF /入射光強度IO )を求める。そし
て、前記参照透過光強度比RV (参照透過光強度IV
入射光強度IO )と予測透過光強度比RF (予測透過光
強度IF /入射光強度IO )との比から補正係数Kを求
める。この場合の補正係数Kは、参照透過光強度IV
予測透過光強度IF との比であり、(IV /IO )/
(IF /IO )となって補正係数K=IV /IFとな
る。これは上述した(5)式と同じ形である。ここで、
各透過光強度IV ,IF は、光源の光度によって値が変
位するものである。すなわち、それらは光源の光度が低
下すると当然のことながらそれに応じて低下する。しか
し、各透過光強度IV ,IF をそのまま用いるのではな
く、光源の光度に関連する光源関連光強度(ここでは入
射光強度IO )との比としているので、光源の光度の変
動の影響を受けない。したがって、検量線データを測定
した時点と、各光強度を測定した時点とにおいて、光源
の光度に変動があったとしても、正確に各値を算出する
ことができる。
【0034】また、過程(e)では、基準透過光強度比
R (=IR /IO )と、参照透過光強度比RV (=I
V /IO )と、補正係数K(=IV /IF )とから基準
処理液の透過率(基準透過率TR )を求める。ここで基
準透過率TR はTR =K・RR /RV で表され、 TR =IV /IF ・(IR /IO )/(IV /IO ) =IV /IF ・IR /IV =IR /IF となり、上述した(6)式と同じ、すなわち、上述した
(7)式と同じ形となって基準透過率TR が溶媒の吸光
係数の温度依存性を有しないことがわかる。
【0035】また、過程(f)では、試料透過光強度比
S として試料透過光強度IS /入射光強度IO を求
め、過程(g)では、試料透過光強度比RS (=IS
O )と参照透過光強度比RV (=IV /IO )および
補正係数K(=IV /IF )とから処理液の試料透過率
S を求める。ここで試料透過率TS はTS =K・RS
/RV で表され、 TS =IV /IF ・(IS /IO )/(IV /IO ) =IV /IF ・IS /IV =IS /IF となり、上述した(9)式と同じ形になることがわか
る。
【0036】しかも、基準透過率TR および試料透過率
S は、それぞれ光源関連光強度である入射光強度IO
との比に基づいて算出されているので、光源強度が変位
したとしても正確に各透過率を算出することができる。
したがって、光源の光度変動の影響を受けることなく、
長期間に渡って濃度制御を正確に行なうことができる。
【0037】また、請求項4に記載の発明装置は、以下
のように作用する。検量線データ測定手段は、処理液に
含まれる溶媒のみを試料フローセルに流通させた状態
で、温調手段で溶媒の温度を変えつつ各温度での透過光
強度を透過光強度測定手段を介して測定する。この測定
された透過光強度−温度の検量線データは検量線データ
格納手段に格納される。
【0038】そして、透過光強度測定手段は透過光強度
検出手段を介して、予め所定濃度に調製され、かつ、温
調手段によって所定温度に調整された基準処理液を試料
フローセルに流通させた状態での透過光強度(基準透過
光強度)を測定するとともに参照セルの透過光強度(参
照透過光強度)を測定する。こののち補正係数算出手段
は、基準処理液の温度と検量線データ格納手段に格納さ
れている検量線データとから、参照セルの溶媒の温度を
基準処理液と同じ温度とした場合の予測透過光強度を求
め、前記参照透過光強度とこの予測透過光強度との比か
ら補正係数を算出する。透過率算出手段は、前記基準透
過光強度と前記参照透過光強度および補正係数とから前
記基準処理液の透過率(基準透過率)を算出する。この
ように、補正係数によって基準透過率の温度依存性を補
正するので、正確に基準透過率を算出することができ
る。
【0039】次に、温調手段によって前記基準処理液と
同じ温度に調整され、かつ、前記基準処理液と同じ濃度
を目標値とする処理液を試料フローセルに流通させた状
態で、透過光強度測定手段は透過光強度検出手段を介し
て透過光強度(試料透過光強度)を測定する。さらに、
補正係数算出手段は、前記基準処理液の温度と検量線デ
ータとから参照セルの溶媒を前記処理液と同じ温度とし
た場合の予測透過光強度を求め、前記参照透過光強度と
予測透過光強度との比から補正係数を算出する。そして
透過率算出手段は、前記試料透過光強度と前記参照透過
光強度および前記補正係数とから透過率(試料透過率)
を算出する。このように補正係数で試料透過率の温度依
存性を補正するので、正確に試料透過率を算出すること
ができる。この算出された試料透過率と前記基準透過率
とが一致するように基準透過率と試料透過率との差分に
応じて薬液供給手段と、溶媒供給手段とを制御する供給
量制御手段をフィードバック制御手段が制御する。そし
て処理液供給配管から濃度制御された処理液が基板を収
納する処理槽に供給される。
【0040】また、請求項5に記載の発明方法は、以下
のように作用する。まず、処理液に含まれている溶媒の
みを試料フローセルに流通させる。このとき、その溶媒
の温度を変えて各温度での透過光強度を測定する。そし
て透過光強度I−温度Tの検量線データを記憶する
((a)の過程)。この検量線データは、一般的に温度
とともに透過光強度が増加する右上がりのグラフとな
る。
【0041】次に予め所定濃度cおよび所定温度te
なるように処理液を調製し、これを『基準処理液』とす
る。この基準処理液を試料フローセルに流通させ、この
状態で透過光強度(基準透過光強度IR )を測定する
((b)の過程)。この基準透過光強度IR は上述した
(2)式のように表される。
【0042】そして基準処理液を試料フローセルから排
出し、一定温度tV に保持した溶媒を同じ試料フローセ
ルに流通させ、この状態で透過率の基準となる透過光強
度(参照透過光強度IV )を測定する((c)の過
程)。参照透過光強度IV は上述した(3)式のように
表される。
【0043】次に、一定温度tV に保持されている溶媒
を、前記基準処理液と同じ温度teとした場合の透過光
強度(予測透過光強度IF )を求める。これを求めるた
めに、前記(a)の過程で記憶した検量線データを利用
する。この予測透過光強度IF を式で表すと、上述した
(4)式のように表される。
【0044】そして、前記参照透過光強度IV と検量線
データから求められた予測透過光強度IF との比を補正
係数Kとする((d)の過程)。この補正係数Kは、上
述した(5)式のように表される。
【0045】次いで、前記基準透過光強度IR と前記参
照透過光強度IV および前記補正係数Kとから基準透過
率TR を求めると((e)の過程)、上述した(6)式
のように表される。
【0046】したがって、基準透過率TR は同様に上述
した(7)式のように表され、基準透過率TR が溶媒の
吸光係数の温度依存性を有しないことがわかる。以上の
過程からなる基準設定過程によって、試料フローセルを
参照透過光強度IV の測定にも利用することによって基
準透過率TR を求めることができる。
【0047】次に、基準処理液と同じ温度および同じ濃
度を目標値とする『処理液』を試料フローセルに流通さ
せ、この状態で透過光強度(試料透過光強度IS )を測
定する((f)の過程)。この試料透過光強度IS は、
上述した(8)式によって表される。
【0048】そして、前記試料透過光強度IS と、前記
基準設定過程で測定された参照透過光強度IV および補
正係数Kとから『処理液』の透過率(試料透過率TS
を求める((g)の過程)。この試料透過率TS は、上
述した(9)式によって表される。したがって、試料透
過率TS についても、試料透過光強度IS と予測透過光
強度IF の溶媒の温度はte で同一なので溶媒の吸光係
数の温度依存性の影響はない。
【0049】次に、基準設定過程で設定された基準透過
率TR と試料透過率TS との差分に応じて、薬液、薬液
に相当するガス、溶媒のうちいずれか一つを処理液に補
充する((h)の過程)。この両透過率TR ,TS は、
それぞれ濃度cに関連する値であるので、この差分に応
じて薬液、薬液に相当するガス、溶媒のうちいずれか一
つを処理液に補充して(f)ないし(h)の過程のフィ
ードバック制御過程を繰り返し行なうことにより濃度c
が調製されることになる。
【0050】また、試料透過率TS と基準透過率TR
は、補正係数Kによってその溶媒の温度依存性の影響を
除去しているので、高精度で濃度制御が可能である。さ
らに、参照セルを用いることなく濃度制御を行なうこと
ができる。
【0051】また、請求項6に記載の発明方法は、請求
項5に記載の濃度制御方法において、前記(f)の過程
の前に前記(c)の参照透過光強度の測定の過程を再度
行なう。これにより、光源の光度に時間的な変動があっ
ても正確に補正係数を求めることができ、結果、試料透
過率を正確に算出することができる。
【0052】すなわち、試料透過率TS は補正係数Kに
よって、〔基準設定過程である〕(c)の過程で求めた
〔溶媒を流通させた状態の〕試料フローセルの参照透過
光強度IV を相殺して求めている。これは〔基準設定過
程から時間的に離れたフィードバック制御過程におい
て〕処理液の試料透過光強度IS を測定した時点で、こ
のときの参照透過光強度IV と基準設定過程で求めた参
照透過光強度IV とが同一値であることが前提となって
いる。しかし、光源の時間的な光度変動などにより参照
透過光強度IV が変動している可能性がある。この一致
しない参照透過光強度IV (補正係数K)では、上述し
た(9)式から試料透過率TS を正確に算出することは
できない。そこで、この試料透過率TS を算出する前で
あって、試料透過光強度IS を測定する前に、試料フロ
ーセルから処理液を排出し、一定温度に保持した溶媒の
みを試料フローセルに流通させ、この状態で光強度(参
照透過光強度IV )を測定する。すなわち、フィードバ
ック制御過程の試料透過光強度IS と参照透過光強度I
V との測定の間隔を光源変動の間隔に比べ充分に短くす
ることによって正確な補正係数Kを求めることができ、
さらに正確な試料透過率TS を算出することができる。
【0053】また、請求項7に記載の発明方法は、上述
した請求項3に記載の発明方法と同様に作用する。
【0054】すなわち、各透過光強度IV ,IF をその
まま用いるのではなく、光源の光度に関連する光源関連
光強度(ここでは入射光強度IO )との比としているの
で、光源光度の変動の影響を受けない。したがって、検
量線データを測定した時点と各光強度を測定した時点と
において、光源強度に変動があったとしても正確に各値
を算出することができる。
【0055】しかも、基準透過率TR および試料透過率
S は、それぞれ光源関連光強度である入射光強度IO
との比に基づいて算出されているので、光源の光度が変
動したとしても正確に各値を算出することができる。し
たがって、長期間に渡って濃度制御を正確に行なうこと
ができる。
【0056】また、請求項8に記載の発明装置は、上述
した請求項4に記載の発明装置とは、参照セルを用いな
い点および光源関連光強度を測定する点で異なった装置
となっている。
【0057】検量線データ測定手段は、処理液に含まれ
る溶媒のみを試料フローセルに流通させた状態で、温調
手段で溶媒の温度を変えつつ各温度での透過光強度とと
もに各温度での光源関連光強度を透過光強度測定手段を
介して測定する。そして測定された『透過光強度と光源
関連光強度との比』対温度は、検量線データとして検量
線データ格納手段に格納される。
【0058】そして、透過光強度測定手段は透過光強度
検出手段を介して、予め所定濃度に調製され、かつ、温
調手段によって所定温度に調整された基準処理液を試料
フローセルに流通させた状態での透過光強度(基準透過
光強度)と光源関連光強度との比(基準透過光強度比)
および一定温度に保持された溶媒を試料フローセルに流
通させた状態での透過光強度(参照透過光強度)と光源
関連光強度との比(参照透過光強度比)を測定する。
【0059】こののち補正係数算出手段は、基準処理液
または処理液の温度と検量線データ格納手段に格納され
ている検量線データとから、試料フローセルの溶媒の温
度を基準処理液または処理液と同じ温度とした場合の参
照透過光強度比に相当する予測透過光強度比を求め、前
記参照透過光強度比とこの予測透過光強度比との比から
補正係数を算出する。このとき、両光源関連光強度は光
源の光度変動がない場合には式上で相殺されるが、光源
に光度変動があった場合にそれらの比は光度変動に応じ
て変位するので、光源光度の変動の影響を受けることな
く正確に補正係数を求めることができる。
【0060】そして透過率算出手段は、前記基準透過光
強度比と前記参照透過光強度比および前記補正係数とか
ら前記基準処理液の透過率(基準透過率)を算出する。
このように補正係数によって基準透過率の温度依存性を
補正するので、正確に基準透過率を算出することができ
る。
【0061】次に、温調手段によって前記基準処理液と
同じ温度に調整され、かつ、前記基準処理液と同じ濃度
を目標値とする処理液を試料フローセルに流通させた状
態で、透過光強度測定手段は透過光強度検出手段を介し
て透過光強度(試料透過光強度)と光源関連光強度との
比(試料透過光強度比)を測定する。
【0062】そして透過率算出手段は、前記試料透過光
強度比と前記参照透過光強度比および前記補正係数とか
ら透過率(試料透過率)を算出する。このように補正係
数で試料透過率の温度依存性を補正するので、正確に試
料透過率を算出することができる。さらに、各透過光強
度と光源関連光強度との比で各比を得ているので、光源
の光度に変動があっても各比の値は不変であり、光源の
光度変動の影響を除去して正確に試料透過率を算出する
ことができる。
【0063】これらの算出された試料透過率と基準透過
率とが一致するように基準透過率と試料透過率との差分
に応じて薬液供給手段と、溶媒供給手段とを制御する供
給量制御手段をフィードバック制御手段が制御する。そ
して処理液供給配管から濃度制御された処理液が基板を
収納する処理槽に供給される。
【0064】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の一実施例を説
明する。 <第1実施例>図1は、本発明方法を利用した第1実施
例に係る基板処理装置の概略構成を示すブロック図であ
る。
【0065】図中、符号1はオーバーフロー式の処理槽
である。この処理槽1は、半導体ウエハを複数枚収納し
た図示しないウエハキャリアが浸積される処理槽本体1
1 と、その周囲に配設されて処理槽本体11 から溢れた
処理液を滞留するためのオーバーフロー部12 とから構
成されている。オーバーフロー部12 には、純水供給配
管3によって純水が所定圧力で供給され、この供給量は
流量調節弁V1 によって調節されるようになっており、
また、薬液タンク5から薬液の流量を調節するための流
量調節弁V2 と薬液供給配管7を介して薬液が供給され
るようになっている。なお、純水供給配管3は、本発明
における溶媒供給手段に相当し、薬液タンク5および薬
液供給配管7は、薬液供給手段に相当する。
【0066】さらにオーバーフロー部12 には、滞留し
ている処理液を循環させるための処理液供給配管9の一
端側が配設されており、これには処理液を循環させるた
めのポンプ11と、循環している処理液を所定温度に加
熱するためのヒーター13と、処理液の温度を測定する
ための温度センサ15と、循環している処理液中のパー
ティクルなどを除去するためのフィルタ17と、所定光
路長dを有する試料フローセル19とが配設されてお
り、その他端側が処理槽本体11 の底部に接続されてい
る。
【0067】試料フローセル19には、ハロゲンランプ
などの光源21からの光が光分岐部22によって2方向
に分岐され、その一方が照射される。また、他方は純水
を充填した光路長dを有する参照セル23に照射され
る。なお、参照セル23に充填された純水は、図1にお
いて二点鎖線で示すように、一定温度、例えば室温で保
持されている限り必要な時に流動できるような構成にし
てもよい。試料フローセル19および参照セル23を透
過した光は、光路切換部24によってどちらか一方の光
が光検出器25に選択的に照射されるようになってい
る。なお、光源21と、光分岐部22と、光路切換部2
4と、光検出器25とは本発明における透過光強度検出
手段に相当する。また、試料フローセル19および参照
セル23のそれぞれに、同一光度の光源を配設し、さら
に同一感度を有する光検出器を配設するようにしてもよ
い。このように構成した場合には光分岐部22と光路切
換部24とは不要となる。
【0068】光検出器25によって検出された透過光強
度に関連する信号は、濃度制御部30に与えられる。こ
の濃度制御部30を機能的に大別すると、透過光強度測
定部31、温調部32、検量線データ測定部33、検量
線データ格納部34、補正係数算出部35、透過率算出
部36、フィードバック制御部37、供給量制御部38
に分けられる。なお、透過光強度測定部31は本発明に
おける透過光強度測定手段に相当し、温調部32とヒー
ター13および温度センサ15とは温調手段に、検量線
データ測定部33は検量線データ測定手段に、検量線デ
ータ格納部34は検量線データ格納手段に、補正係数算
出部35は補正係数算出手段に、透過率算出部36は透
過率算出手段に、フィードバック制御部37はフィード
バック制御手段にそれぞれ相当する。また、供給量制御
部38と流量調整弁V1 ,V2 とは本発明における供給
量制御手段に相当する。
【0069】透過光強度測定部31は、図示しない基準
処理液調製装置によって予め所定濃度に調製された『基
準処理液』を処理液供給配管9に流通させ、そして温調
部32とヒーター13および温度センサ15とによって
所定温度に調製した状態で試料フローセル19を介して
透過光強度(基準透過光強度IR )を測定する。さらに
ほぼ同時に光路切換部24を参照セル23側に切り換え
て、透過光強度(参照透過光強度IV )を測定する。こ
れらの測定された各透過光強度は、補正係数算出部35
や透過率算出部36へと送られる。
【0070】また、前記基準処理液と同じ温度に調整さ
れ、かつ、前記基準処理液と同じ濃度を目標値とする処
理液を試料フローセル19に流通させた状態で、透過光
強度(試料透過光強度IS )を測定する。さらにほぼ同
時に光路切換部24を参照セル23側に切り換えて、透
過光強度(参照透過光強度IV )を測定する。これらの
測定された各透過光強度は、透過率算出部36へと送ら
れる。
【0071】検量線データ測定部33は、処理液に含ま
れる溶媒のみ(この実施例では純水)を試料フローセル
19に流通させ、温調部32で純水の温度を変えつつ、
各温度での透過光強度を透過光強度測定部31から得
る。そして、この透過光強度−温度の検量線データを検
量線データ格納部34に格納する。
【0072】補正係数算出部35は、基準処理液または
処理液の温度と検量線データ格納部34に格納されてい
る検量線データとから、参照セル23の純水を基準処理
液または処理液と同じ温度とした場合の参照透過光強度
に相当する予測透過光強度I F を求め、参照透過光強度
V と予測透過光強度IF との比から補正係数Kを算出
する。
【0073】透過率算出部36は、基準透過光強度IR
と参照透過光強度IV および補正係数算出部35が算出
した補正係数Kとから基準処理液の透過率(基準透過率
R)を算出したり、試料透過光強度IS と参照透過光
強度IV および補正係数Kとから処理液の透過率(試料
透過率TS )を算出する機能を有する。
【0074】フィードバック制御部37は、透過率算出
部36から基準透過率TR と試料透過率TS とを入力さ
れ、これらの差分に応じた制御信号を供給量制御部38
に送る。これを受けた供給量制御部38は、純水供給配
管3の流量調整弁V1 または薬液供給配管7の流量調整
弁V2 を適宜調整して処理液の濃度を調整する機能を有
する。
【0075】次に図2のフローチャートを参照して、予
め行う基準設定処理について説明する。なお、この処理
は本発明における基準設定過程に相当する。
【0076】ステップP1では、純水供給配管3から純
水のみを処理槽1の処理槽本体11およびオーバーフロ
ー部12 に滞留する程度にまで供給するとともに、ポン
プ11によって循環させる。次に検量線データ測定部3
3が、温調部32を制御して所定の温度範囲について温
度を変えて、各温度での透過光強度を透過光強度測定部
31から得る(ステップP2)。ステップP3では、ス
テップP2で測定された透過光強度−温度の検量線デー
タを検量線データ格納部34に格納する。この格納され
た検量線データの一例を図3に示す。図3の例では、後
述するように試料フローセル19を透過した光を紫外光
(波長290nm)と赤外光(波長2210nm)とに
分けて求めたそれぞれの検量線データを示している。図
において横軸は純水の温度、縦軸は紫外光、赤外光それ
ぞれの透過光強度(相対透過光強度)を示す。図から明
らかなように紫外光、赤外光のいずれも温度とともにそ
の透過光強度が増加する右上がりのグラフとなってい
る。
【0077】ステップP4では、図示しない基準処理液
調整装置によって処理液を所定濃度cに調製する。この
処理液を基準処理液とする。この基準処理液は、ステッ
プP1で供給した純水を排出したのち、処理槽1の処理
槽本体11 およびオーバーフロー部12 に滞留する程度
にまで供給されるとともに、ポンプ11によって循環さ
れる。さらに温調部32とヒーター13および温度セン
サ15とによって所定温度te になるように加熱され
る。この状態で透過光強度測定部31が透過光強度を測
定し、基準透過光強度IR として透過率算出部36へ送
るとともに、温調部32が基準処理液の温度を測定し、
この測定温度tm (ほぼ所定温度te に等しい)を補正
係数算出部35へ送る(ステップP5)。ステップP6
では光路切換部24を参照セル23側へ切り換えたの
ち、透過光強度測定部31が透過光強度を測定し、参照
透過光強度IV として透過率算出部36へ送る。
【0078】ステップP7では、補正係数Kを求める。
補正係数算出部35は、検量線データ格納部34に基準
処理液の測定温度tm を入力し、検量線データ格納部3
4は検量線データから測定温度tm に対応する透過光強
度を求めて補正係数算出部35に返す。この透過光強度
は、参照セル23に充填されている純水の温度を基準処
理液の測定温度tm とした場合の透過光強度に相当し、
これを予測透過光強度IF とする。そしてステップP6
で測定された参照透過光強度IV と予測透過光強度IF
との比から補正係数K(=IV /IF )を算出する。
【0079】ステップP8では、ステップP5で測定さ
れた基準透過光強度IR と、ステップP6で測定された
参照透過光強度IV およびステップP7で算出された補
正係数Kとから透過率算出部36が基準処理液の透過率
を算出する。この透過率は、基準処理液の測定温度tm
(ほぼ所定温度te に等しい)での透過率であり、これ
を基準透過率TR (=K・IR /IV )とする。この算
出された基準透過率TR は、透過率算出部36に保持さ
れている。
【0080】このように、参照透過光強度IV を基準処
理液の測定温度tm で補正して基準透過率TR を求めて
いるので、基準処理液の温度を参照セルの純水の温度に
まで冷却することなくそのままの状態で正確に基準透過
率TR を求めることができる。
【0081】次に図4を参照して、フィードバック制御
処理について説明する。なお、このフィードバック制御
処理は本発明におけるフィードバック制御過程に相当す
る。
【0082】ステップS1では、供給量制御部38が純
水の流量調整弁V1 と薬液の流量調整弁V2 とを制御し
て、ほぼ所定濃度cになる比率で薬液と純水とを処理槽
1に供給する。そしてオーバーフロー部12 にまで処理
液が滞留したのち、ポンプ11によって処理液を処理液
供給配管9に循環させつつ、温調部32が所定温度te
になるように温度調整する。
【0083】ステップS2では、試料フローセル19の
透過光強度を透過光強度測定部31が測定し、この透過
光強度を試料透過光強度IS として透過率算出部36へ
出力するとともに、温調部32が処理液の温度を測定し
て測定温度tm ’(ほぼ所定温度te に等しい)を補正
係数算出部35へ送る。次に、光路切換部24を参照セ
ル23側へ切り換えて参照透過光強度IV を測定し、補
正係数算出部35へ送る(ステップS3)。
【0084】ステップS4では、補正係数Kを求める。
補正係数算出部35は検量線データ格納部34に〔ステ
ップS2で測定したほぼ所定温度te に等しい〕処理液
の測定温度tm ’を入力し、検量線データ格納部34は
検量線データから測定温度tm ’に対応する透過光強度
を求めて補正係数算出部35に返す。この透過光強度
は、参照セル23に充填されている純水の温度を基準処
理液の測定温度tm ’とした場合の透過光強度に相当
し、これを予測透過光強度IF とする。そしてステップ
S3で測定された参照透過光強度IV と予測透過光強度
F との比から補正係数K(=IV /IF )を算出す
る。
【0085】そしてステップS5では、試料透過光強度
S と参照透過光強度IV および補正係数Kとから試料
透過率TS (=K・IS /IV )を算出する。
【0086】このように、参照透過光強度IV を処理液
の温度tm ’で補正して試料透過率TS を求めているの
で、処理液の温度を参照セルの純水の温度にまで冷却す
ることなくそのままの状態で正確に試料透過率TS を求
めることができる。
【0087】ステップS6では、基準透過率TR と試料
透過率TS とを比較して等しい場合(濃度が基準処理液
と同じ)にはステップS2へ戻る。その一方、等しくな
い場合(濃度が基準処理液と異なる)には、ステップS
7の処理を行う。ステップS7では、基準透過率TR
試料透過率TS との差分に応じて薬液または純水のどち
らか一方を処理液に補充する。具体的には、透過率算出
部36から前記両透過率TR ,TS がフィードバック制
御部37に入力され、この差分に応じて供給量制御部3
8に制御信号を出力する。供給量制御部38は、制御信
号に応じた量だけ流量調整弁V1 または流量調整弁V2
を調整する。そして、ステップS2へと戻ってこの処理
を繰り返す。
【0088】これらのステップS2〜S7の繰り返しに
より、濃度に関連する基準透過率TR と試料透過率TS
との差分に応じて濃度調整が行われる。すなわち、濃度
を算出することなくこれに関連する透過率の差分に基づ
いて濃度制御を行うので、演算処理の負荷が軽減され
る。また、温度依存性による影響を除去しているので、
処理液の濃度を正確にかつ、応答性よく基準処理液の濃
度と一致させることができる。
【0089】<第2実施例>図5は、本発明方法を利用
した第2実施例に係る基板処理装置の概略構成を示すブ
ロック図である。なお、図中、第1実施例と同じ符号を
付した構成部は、第1実施例と同様のものであるので詳
細な説明については省略する。
【0090】試料フローセル19には、第1実施例と同
様にハロゲンランプなどの光源21からの光が光分岐部
22によって2方向に分岐され、その一方が照射され
る。第1実施例では他方の光が参照セル(23)に照射
されたが、本実施例では、フィルタFに照射されるよう
に構成されている。このフィルタFは、光源21からの
入射光を低減するためのものであり、所定の減光率を有
するもので構成されている。減光率は、試料フローセル
19を透過した光強度に近いレベルとなるような値が好
ましい。なお、このフィルタFは、後述する演算時に誤
差を少なくするために設けたものであり、誤差の影響が
少ない場合などにはフィルタFを設けることなく、直接
的に光源22の光強度を光路切換部23に導くようにし
てもよい。なお、フィルタFを透過した光強度やフィル
タFを設けない場合の光源21の光強度はその光度に関
連するので、光源関連光強度に相当する。
【0091】試料フローセル19を透過したりフィルタ
Fを透過した光は、光検出器25によりそれらの光強度
に応じた信号に変換されて濃度制御部30に与えられ
る。
【0092】透過光強度測定部31は、図示しない基準
処理液調製装置によって予め所定濃度に調製された『基
準処理液』を処理液供給配管9に流通させ、温調部32
とヒーター13および温度センサ15とによって所定温
度に調整した状態で試料フローセル19を介して透過光
強度(基準透過光強度IR )を測定する。この測定とと
もに光路切換部24をフィルタF側に切り換えて、光源
関連光強度に相当する低減光源光強度IO ’を測定す
る。さらに処理液供給配管9に流通している基準処理液
を図示しないドレインを介して排出し、流量調節弁V1
を調節して純水を処理液供給配管9に流通させる。この
とき温調部32とヒーター13および温度センサ15と
によって純水は一定温度に保持されている。そしてこの
状態において、試料フローセル19を介して透過光強度
(参照透過光強度IV )を測定するとともに、光路切換
部24をフィルタF側に切り換えて低減光源光強度
O ’を測定する。
【0093】また、一定温度に保持されている純水を処
理液供給配管9に流通させた状態で、試料フローセル1
9を介して透過光強度(参照透過光強度IV )を測定す
るとともに、光路切換部24をフィルタF側に切り換え
て低減光源光強度IO ’を測定する。さらに、前記基準
処理液と同じ温度に調整され、かつ、前記基準処理液と
同じ濃度を目標値とする処理液を試料フローセル19に
流通させた状態で、透過光強度(試料透過光強度IS
を測定するとともに、光路切換部24をフィルタF側に
切り換えて低減光源光強度IO ’を測定する。このよう
にして透過光強度測定部31により測定された各光強度
は、各透過光強度/各低減光源光強度の比として透過率
算出部36に与えられる。
【0094】検量線データ測定部33は、純水のみを試
料フローセル19に流通させ、温調部32で純水の温度
を変えつつ各温度での透過光強度を透過光強度測定部3
1から得るとともに、光路切換部24をフィルタF側に
切り換えて低減光源光強度を透過光強度測定部31から
得る。検量線データ格納部34は、このようにして測定
された透過光強度比(透過光強度/低減光源光強度)−
温度の検量線データを格納する。
【0095】補正係数算出部35は、基準処理液または
処理液の温度と検量線データ格納部34に格納されてい
る検量線データとから、試料フローセル19の純水を基
準処理液または処理液と同じ温度とした場合の参照透過
光強度比に相当する予測透過光強度比RF を求め、参照
透過光強度比RV と予測透過光強度比RF との比から補
正係数Kを算出する。
【0096】透過率算出部36は、基準透過光強度比R
R と参照透過光強度比RV および補正係数Kとから基準
処理液の透過率(基準透過率TR )を算出したり、試料
透過光強度比RS と参照透過光強度比RV および補正係
数Kとから処理液の透過率(試料透過率TS )を算出す
る。
【0097】フィードバック制御部37は、透過率算出
部36から基準透過率TR と試料透過率TS とを入力さ
れ、これらの差分に応じた制御信号を供給量制御部38
に出力する。供給量制御部38は、純水供給配管3の流
量調節弁V1 または薬液供給配管7の流量調整弁V2
適宜調整して処理液の濃度を調整する。
【0098】次に、図6のフローチャートを参照して、
予め行なう〔基準設定過程に相当する〕基準設定処理に
ついて説明する。
【0099】ステップP1では、純水供給配管3から純
水のみを処理槽1の処理槽本体11およびオーバーフロ
ー部12 に滞留する程度にまで供給するとともに、ポン
プ11により循環させる。次に検量線データ測定部33
が、温調部32を制御して所定の温度範囲について温度
を変えて、各温度での透過光強度を透過光強度測定部3
1から得るとともに、光路切換部24をフィルタF側に
切り換えて各温度での低減光源光強度を透過光強度測定
部31から得る(ステップP2)。
【0100】ステップP3では、ステップP2で測定さ
れた透過光強度比(透過光強度/低減光源光強度)−温
度の検量線データを検量線データ格納部34に格納す
る。この格納された検量線データの一例を図7に示す。
図7の例では、第1実施例と同様に試料フローセル19
を透過した光を紫外光と赤外光とに分けて求めたそれぞ
れの検量線データを示している。
【0101】ステップP4は、第1実施例と同様に、基
準処理液を調製して所定温度te になるように加熱す
る。この状態で透過光強度測定部31は透過光強度を測
定し、基準透過光強度IR として透過率算出部36へ出
力するとともに、光路切換部24をフィルタF側に切り
換えて低減光源光強度IO ’を測定して透過率算出部3
6へ出力する。また温調部32は基準処理液の温度を測
定し、この測定温度tm(ほぼ所定温度te に等しい)
を補正係数算出部35へ出力する(ステップP5)。
【0102】ステップP6では、処理液供給配管9に流
通している基準処理液を図示しないドレインを介して排
出し、温調部32を介して一定温度に調製された純水を
処理液供給配管9に流通させる。すなわち、試料フロー
セル19に一定温度に保持した純水を流通させる。
【0103】ステップP7では、透過光強度測定部31
が光路切換部24を試料フローセル19側に切り換えた
場合とフィルタF側に切り換えた場合の各透過光強度を
測定し、それぞれ参照透過光強度IV ,低減光源光強度
O ’として透過率算出部36に出力する。
【0104】ステップP8では、補正係数Kを求める。
補正係数算出部35は、検量線データ格納部34に〔ス
テップP5で測定された〕基準処理液の測定温度tm
与え、検量線データ格納部34は検量線データ((透過
光強度/低減光源光強度)−温度)から測定温度tm
対応する透過光強度比(透過光強度/低減光源光強度)
を求めて補正係数算出部35に出力する。この透過光強
度比は、試料フローセル19に流通させた純水の温度を
基準処理液の測定温度tm とした場合に得られる透過光
強度比に相当し、これを予測透過光強度比RF (予測透
過光強度IF /低減光源光強度IO ’)とする。そして
〔ステップP7で測定された〕参照透過光強度比R
V (IV /IO ’)と予測透過光強度比RF (IF /I
O ’)との比から補正係数K(=IV /IF )を算出す
る。この補正係数Kは、前記両比の低減光源光強度
O ’が相殺されて第1実施例と同様に参照透過光強度
V と予測透過光強度IF の比となる。
【0105】ステップP9では、ステップP5で測定さ
れた基準透過光強度比RR (IR /IO ’)と、ステッ
プP7で測定された参照透過光強度比RV (IV
O ’)およびステップP8で算出された補正係数Kと
から透過率算出部36が基準処理液の透過率を算出す
る。この透過率は、基準処理液の測定温度tm (ほぼ所
定温度te に等しい)での透過率であり、これを基準透
過率TR (=K・RR /RV=K・(IR /IO ’)/
(IV /IO ’)=K・IR /IV =K・IR /IV
とする。この基準透過率TR は、第1実施例と同様の式
となり、同様に透過率算出部36に保持されている。
【0106】このようにして基準処理液の温度とは異な
る参照透過光強度比RV を基準処理液の測定温度tm
補正して基準透過率TR を求めているので、基準処理液
の温度を試料フローセルに流通させた純水の温度にまで
冷却することなくそのままの状態で正確に基準透過率T
R を求めることができる。さらに、参照セル(23)を
用いることなく基準透過率TR を求めることができる。
また、各透過光強度ととともに光源の光度に関連する低
減光源光強度を測定してこれとの比から各値を算出して
いるので、光源21の光度に変動があったとしても各比
はほぼ一定しているので、各値に変動がなく正確に基準
透過率TR を求めることができる。
【0107】次に図8を参照して〔フィードバック制御
過程に相当する〕フィードバック制御処理について説明
する。
【0108】ステップS1では、〔図6に示した〕基準
設定処理のステップP6と同様にして、一定温度に保持
した純水を試料フローセル19に流通させる。そして、
基準設定処理のステップP7と同様にして、この状態で
の参照透過光強度IV および低減光源光強度IO ’を測
定し(ステップS2)、これらを補正係数算出部35に
参照透過光強度比RV (=IV /IO ’)として出力す
る。
【0109】ステップS3では、第1実施例で説明した
〔図4の〕ステップS1と同様にして、ほぼ所定濃度c
となるように薬液と純水とを処理槽1に供給し、温調部
32によりその温度が所定温度te になるように温度調
整を行なう。
【0110】ステップS4では、透過光強度測定部31
が光路切換部24を試料フローセル19側に切り換えた
場合とフィルタF側に切り換えた場合の各透過光強度を
測定し、それぞれ試料透過光強度IS ,低減光源光強度
O ’として補正係数算出部35に出力する。さらに温
調部32が処理液の温度を測定して測定温度tm ’(ほ
ぼ所定温度te に等しい)を試料透過光強度比RS (=
S /IO ’)として補正係数算出部35に出力する。
【0111】ステップS5では、補正係数Kを求める。
補正係数算出部35は検量線データ格納部34に〔ステ
ップS4で測定したほぼ所定温度te に等しい〕処理液
の測定温度tm ’を入力し、検量線データ格納部34は
検量線データから測定温度tm ’に対応する透過光強度
比を求めて補正係数算出部35に出力する。この透過光
強度比は、ステップS1において試料フローセル19に
流通させた純水の温度を処理液の測定温度tm ’とした
場合の透過光強度に相当し、これを予測透過光強度比R
F (=IF /IO ’)とする。そしてステップS2で測
定された参照透過光強度比RV (=IV /IO ’)とこ
の予測透過光強度比RF との比から補正係数K(=IV
/IF )を算出する。
【0112】ステップS6では、試料透過光強度比RS
と参照透過光強度比RV および補正係数Kとから試料透
過率TS (=K・RS /RV =K・(IS /IO ’)/
(IV /IO ’)=K・IS /IV )を算出する。この
試料透過率TS は、第1実施例と同様の式となり同様に
透過率算出部36に保持されている。このように参照透
過光強度比RV を処理液の温度tm ’で補正して試料透
過率TS を求めているので、処理液の温度を試料フロー
セル19に流通させた純水の温度にまで冷却することな
くそのままの状態で正確に試料透過率TS を求めること
ができる。また、各透過光強度ととともに光源の光度に
関連する低減光源光強度を測定してこれとの比から各値
を算出しているので、光源21の光度に変動があったと
しても各比はほぼ不変となる。その結果、各値に変動が
なく正確に試料透過率TS を求めることができる。
【0113】ステップS7では、第1実施例と同様に、
基準透過率TR と試料透過率TS とを比較して等しい場
合(濃度が基準処理液と等しい場合)には、ステップS
4に戻る。一方、両透過率TR ,TS とを比較して等し
くない場合(濃度が基準処理液と異なる場合)には、ス
テップS8の処理を行なう。すなわち、両透過率TR
S の差分に応じて薬液または純水のどちらか一方を処
理液に補充する。そしてステップS4に戻ってステップ
S4〜ステップS8の処理を繰り返す。
【0114】これらのステップS4〜ステップS8の繰
り返しにより、第1実施例と同様に、濃度に関連する両
透過率TR ,TS との差分に応じて濃度調製が行なわ
れ、同様の効果を得ることができる。さらに基準透過率
R および試料透過率TS は、それぞれ光源関連光強度
である低減光源光強度IO ’との比に基づいて算出され
ているので、光源21の光度が変動したとしても正確に
各値を算出することができる。したがって、長期間に渡
って濃度制御を正確に行なうことができる。
【0115】なお、上述した第1実施例では、光源21
の光度に関連する光源関連光強度を測定しない構成とし
たが、参照セル23または参照セル23とは別に第2実
施例と同様に光源21の光を低減するフィルタFあるい
はフィルタFにて減光することなく直接的に光源21の
光源の光度を測定する手段を設けてもよい。そして光分
岐部22を2方向または3方向に分岐する分岐部とし、
光路切換部24を2入力または3入力の切換部とし、第
2実施例と同様に、例えば検量線データを透過光強度比
(透過光強度/低減光源光強度)−温度とし、各透過光
強度を低減光源光強度との比として各透過率を算出する
ようにしてもよい。
【0116】なお、本発明は図1(第1実施例装置)お
よび図5(第2実施例装置)に示した基板処理装置に限
定されるものではなく、図9に示すような基板処理装置
にも適用することができる。上述の図1および図5に示
した第1および第2実施例装置では、処理液が処理液供
給配管9を循環するように構成されているが、図9に示
す基板処理装置では以下のように構成されている。
【0117】処理液供給配管9’には流量調節弁V1
介して純水が供給される。さらに複数の薬液タンク51
〜53 から流量調節弁V2 〜V4 ,薬液配管71 〜73
を介して薬液が供給されて、処理液は所定の混合比率に
調製される。調製後の処理液は、処理液供給配管9’に
配設されたヒーター13と温度センサ15とによって所
定温度に調整される。そして所定濃度/温度に調整され
た処理液は処理槽1に供給されるように構成されてい
る。このような構成においても上述した濃度制御部30
によって、正確で、かつ、応答性よく濃度制御が可能で
ある。
【0118】また、処理液によっては異なる複数の波長
帯で透過光強度を測定する必要がある。例えば、アンモ
ニアと過酸化水素とからなる処理液では、赤外波長帯で
アンモニアの濃度による透過光強度の変化率が大きく、
紫外波長帯で過酸化水素の濃度による透過光強度の変化
率が大きい。したがって、このような処理液の透過光強
度を測定して、これに基づいて濃度を制御するためには
図10に示すように光検出器を構成するのが好ましい。
【0119】すなわち、試料フローセル19を透過した
光は、光路切換部24’によって紫外光UVと赤外光I
Rとに分離されてそれぞれ紫外光検出器251 と赤外光
検出器252 とに入射される。紫外光と赤外光とを分離
するためには、ダイクロイックミラーと紫外バンドパス
フィルタと赤外バンドパスフィルタなどの組合せによっ
て行われる。また、光路切換部24’は図1(図5)の
構成と同様に試料フローセル19と参照セル23(フィ
ルタF)との光路切り換えの機能も有する。
【0120】このように構成された場合には、それぞれ
紫外光と赤外光とについて検量線データを測定する。さ
らに、基準透過光強度IR(UV) ,IR(IR) 、参照透過光
強度IV(UV),V(IR) 、………等を測定してこれらから
基準透過率TR(UV) ,TR(IR ) ,試料透過率TS(UV),
S(IR) を算出して、紫外光の基準透過率TR(UV) と試料
透過率TS(UV) との差分に応じて過酸化水素を処理液に
補充し(または純水を処理液に補充)、赤外光の基準透
過率TR(IR) と試料透過率TS(IR) との差分に応じてア
ンモニアを処理液に補充(または純水を処理液に補充)
すればよい。
【0121】なお、処理液の濃度を調製するために処理
液に薬液を補充したり純水を補充したが、これに代えて
薬液に相当するガスを処理液に完全に溶解するように補
充するようにしてもよい。例えば、処理液に塩化水素を
含む場合には、塩化水素ガスを処理液に補充する。この
ように薬液に相当するガスを処理液に補充することによ
り、処理液の液量が増加しないという効果がある。
【0122】また、第1実施例および第2実施例では溶
媒として純水を例に採って説明したが、本発明はこれに
限定されるものではない。例えば、有機溶剤による洗浄
処理においては、その処理に応じて適宜の溶剤(例えば
アセトンやイソプロピルアルコールなど)を溶媒として
用いることが可能である。
【0123】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1に記載の発明方法によれば、検量線データを利用して
参照セルの溶媒を処理液と同じ温度とした場合の予測透
過光強度を求め、これにより基準透過率および試料透過
率を求める。したがって、溶媒の温度依存性の影響を除
去することができるので、両透過率を高精度で算出する
ことができる。結果、これに基づいて処理液の濃度を正
確に、かつ、応答性よく濃度を制御することができる。
また、濃度を求めることなく濃度に関連した透過率に基
づいて濃度制御を行うので、濃度算出のための演算を行
う必要がなく演算処理の負担を少なくすることができ
る。
【0124】また、請求項2に記載の発明方法によれ
ば、試料透過率を算出するまでに参照透過光強度を再度
測定するので、光源の光度変動などの影響を少なくする
ことができて正確に補正係数を求めることができる。し
たがって、試料透過率を正確に算出することができ、結
果、さらに正確な濃度制御が可能となる。
【0125】また、請求項3に記載の発明方法によれ
ば、検量線データを各温度での透過光強度比(透過光強
度/光源関連光強度)−温度としているので、請求項1
に記載の発明方法の効果に加え、検量線データを測定し
た時点と各光強度を測定した時点とにおいて、光源の光
度に変動があったとしても正確に各値を算出することが
できる。その結果、さらに正確な濃度制御が可能にな
る。
【0126】また、請求項4に記載の発明装置によれ
ば、請求項1および請求項2に記載の発明方法を好適に
実施でき、正確に濃度制御された処理液で基板の処理を
行うことができる。
【0127】また、請求項5に記載の発明方法によれ
ば、検量線データを利用して試料フローセルに流通させ
た溶媒を処理液と同じ温度とした場合の予測透過光強度
を求め、これにより基準透過率および試料透過率を求め
る。したがって、請求項1に記載の発明方法と同様に、
溶媒の温度依存性の影響を除去することができるので、
両透過率を高精度で算出することができる。その結果、
請求項1に記載の発明方法と同様の効果を奏する。
【0128】また、請求項6に記載の発明方法によれ
ば、請求項2に記載の発明方法と同様に、試料透過率を
算出するまでに参照透過光強度を再度測定するので、光
源の光度変動などの影響を少なくすることができて正確
に補正係数を求めることができる。したがって、請求項
2に記載の発明方法と同様の効果を奏する。
【0129】また、請求項7に記載の発明方法によれ
ば、請求項3に記載の発明方法と同様に、検量線データ
を各温度での透過光強度比(透過光強度/光源関連光強
度)−温度としているので、検量線データを測定した時
点と各光強度を測定した時点とにおいて、光源の光度に
変動があったとしても正確に各値を算出することができ
る。したがって、さらに正確な濃度制御が可能となる。
【0130】また、請求項8に記載の発明装置によれ
ば、請求項5ないし請求項7に記載の発明方法を好適に
実施でき、正確に濃度制御された処理液で基板の処理を
行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係る基板処理装置の概略構成を示
すブロック図である。
【図2】第1実施例に係る基準設定処理のフローチャー
トである。
【図3】第1実施例に係る検量線データの一例を示す図
である。
【図4】第1実施例に係るフィードバック制御処理のフ
ローチャートである。
【図5】第2実施例に係る基板処理装置の概略構成を示
すブロック図である。
【図6】第2実施例に係る基準設定処理のフローチャー
トである。
【図7】第2実施例に係る検量線データの一例を示す図
である。
【図8】第2実施例に係るフィードバック制御処理のフ
ローチャートである。
【図9】基板処理装置の変形例であり、概略構成を示す
ブロック図である。
【図10】光検出器の変形例を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 … 処理槽 3 … 純水供給配管 5 … 薬液タンク 7 … 薬液供給配管 9 … 処理液供給配管 19 … 試料フローセル 23 … 参照セル 25 … 光検出器 30 … 濃度制御部 31 … 透過光強度測定部 32 … 温調部 33 … 検量線データ測定部 34 … 検量線データ格納部 35 … 補正係数算出部 36 … 透過率算出部 37 … フィードバック制御部 38 … 供給量制御部 F … フィルタ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−167449(JP,A) 特開 平5−332921(JP,A) 特開 平5−5703(JP,A) 特開 平4−9750(JP,A) 特開 昭62−88942(JP,A) 特開 平4−3425(JP,A) 特開 昭61−281532(JP,A) 特開 昭62−8040(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/304 648 G01N 21/59 H01L 21/306

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 処理液が流通する試料フローセルと、一
    定温度に保持した状態で溶媒を流通または充填した参照
    セルとの透過光強度の比をもって透過率を算出し、この
    透過率に基づいて前記処理液の濃度を制御する濃度制御
    方法であって、 (a)前記処理液に含まれている溶媒のみを前記試料フ
    ローセルに流通させた状態で温度を変えて、各温度での
    透過光強度を測定して検量線データを記憶する過程と、 (b)予め所定濃度および所定温度に調製した基準処理
    液を前記試料フローセルに流通させ、この状態で透過光
    強度(基準透過光強度)を測定する過程と、 (c)参照セルの溶媒の透過光強度(参照透過光強度)
    を測定する過程と、 (d)前記基準処理液の温度と前記検量線データとか
    ら、前記参照セルの溶媒を前記基準処理液と同じ温度と
    した場合の参照透過光強度に相当する予測透過光強度を
    求め、前記参照透過光強度と予測透過光強度との比から
    補正係数を求める過程と、 (e)前記基準透過光強度と前記参照透過光強度および
    前記補正係数とから前記基準処理液の透過率(基準透過
    率)を求める過程と、 からなる基準設定過程を予め行った後、 (f)前記基準処理液と同じ温度に調整され、かつ、前
    記基準処理液と同じ濃度を目標値とする処理液を前記試
    料フローセルに流通させ、この状態で透過光強度(試料
    透過光強度)を測定する過程と、 (g)前記試料透過光強度と前記参照透過光強度および
    前記補正係数とから前記処理液の試料透過率を求める過
    程と、 (h)前記基準透過率と前記試料透過率との差分に応じ
    て、薬液、薬液に相当するガス、溶媒のうちいずれかの
    一つを前記処理液に補充する過程と、 からなるフィードバック制御過程を前記基準透過率と前
    記試料透過率とが一致するように繰り返し行うことを特
    徴とする濃度制御方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の濃度制御方法におい
    て、前記(f)の過程の前または後に前記(c)の過程
    を再度行って参照透過光強度を測定し、これと前記予測
    透過光強度との比から補正係数を求めた後に前記(g)
    の過程を行うことを特徴とする濃度制御方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の濃度制御方法におい
    て、前記(a)の過程は、前記各温度での透過光強度を
    測定するとともに、各温度での光源の光強度に関連する
    光源関連光強度を測定し、各温度での前記透過光強度と
    前記光源関連光強度との比(透過光強度比)を検量線デ
    ータとして記憶し、前記(b)、前記(c)および前記
    (f)の各過程では、各々の過程における各透過光強度
    の測定とともに、光源関連光強度を測定して各透過光強
    度と各光源関連光強度との比を求め、各過程においてこ
    れらの比に基づいて演算を行なうことを特徴とする濃度
    制御方法。
  4. 【請求項4】 所定濃度および所定温度に調製された処
    理液によって基板の洗浄やエッチングなどの処理を行う
    基板処理装置であって、 基板を収納する処理槽に前記処理液を供給するための処
    理液供給配管と、 薬液や薬液に相当するガスなどを前記処理液に供給する
    薬液供給手段と、 純水などの溶媒を前記処理液や前記処理液供給配管に供
    給するための溶媒供給手段と、 前記薬液供給手段と前記溶媒供給手段からの供給量を制
    御する供給量制御手段と、 前記供給量制御手段によって調製された処理液を所定温
    度に調整するための温調手段と、 所定の光路長を有し、処理液が流通される試料フローセ
    ルと、 処理液に含まれる溶媒のみが一定温度に保持された状態
    で流通または充填され、前記試料フローセルと同じ光路
    長を有する参照セルと、 前記試料フローセルおよび前記参照セルに光を照射して
    透過光強度を検出するための透過光強度検出手段と、 予め所定濃度に調製され、かつ、前記温調手段によって
    所定温度に調整された基準処理液を前記試料フローセル
    に流通させた状態での透過光強度(基準透過光強度)と
    ともに前記参照セルの透過光強度(参照透過光強度)ま
    たは前記温調手段によって前記基準処理液と同じ温度に
    調整され、かつ、前記基準処理液と同じ濃度を目標値と
    する処理液を前記試料フローセルに流通させた状態での
    透過光強度(試料透過光強度)とともに前記参照セルの
    透過光強度(参照透過光強度)を透過光強度検出手段に
    よって測定する透過光強度測定手段と、 処理液に含まれる溶媒のみを前記試料フローセルに流通
    させ、前記温調手段で溶媒の温度を変えて、各温度での
    透過光強度を前記透過光強度測定手段を介して測定する
    検量線データ測定手段と、 前記検量線データ測定手段によって測定された検量線デ
    ータを格納する検量線データ格納手段と、 前記基準処理液または前記処理液の温度と前記検量線デ
    ータとから、前記参照セルの溶媒を前記基準処理液また
    は前記処理液と同じ温度とした場合の参照透過光強度に
    相当する予測透過光強度を求め、前記参照透過光強度と
    予測透過光強度との比から補正係数を算出する補正係数
    算出手段と、 前記基準透過光強度と前記参照透過光強度および前記補
    正係数とから前記基準処理液の透過率(基準透過率)を
    算出したり、前記試料透過光強度と前記参照透過光強度
    および前記補正係数とから透過率(試料透過率)を算出
    する透過率算出手段と、 前記基準透過率と前記試料透過率とが一致するように、
    前記算出された基準透過率と試料透過率との差分に応じ
    て前記供給制御手段を制御するフィードバック制御手段
    と、 を備え、前記処理液の濃度と基準処理液の濃度とが一致
    するように制御することを特徴とする基板処理装置。
  5. 【請求項5】 試料フローセルに処理液を流通させた場
    合と、同じ試料フローセルに一定温度に保持した状態で
    溶媒を流通させた場合の透過光強度の比をもって透過率
    を算出し、この透過率に基づいて前記処理液の濃度を制
    御する濃度制御方法であって、 (a)前記処理液に含まれている溶媒のみを前記試料フ
    ローセルに流通させた状態で温度を変えて、各温度での
    透過光強度を測定して検量線データを記憶する過程と、 (b)予め所定濃度および所定温度に調製した基準処理
    液を前記試料フローセルに流通させ、この状態で透過光
    強度(基準透過光強度)を測定する過程と、 (c)一定温度に保持した溶媒のみを試料フローセルに
    流通させ、この状態で光強度(参照透過光強度)を測定
    する過程と、 (d)前記基準処理液の温度と前記検量線データとか
    ら、前記試料フローセルに流通させた溶媒を前記基準処
    理液と同じ温度とした場合の参照透過光強度に相当する
    予測透過光強度を求め、前記参照透過光強度と予測透過
    光強度との比から補正係数を求める過程と、 (e)前記基準透過光強度と前記参照透過光強度および
    前記補正係数とから前記基準処理液の透過率(基準透過
    率)を求める過程と、 からなる基準設定過程を予め行なった後、 (f)前記基準処理液と同じ温度に調製され、かつ、前
    記基準処理液と同じ濃度を目標値とする処理液を前記試
    料フローセルに流通させ、この状態で透過光強度(試料
    透過光強度)を測定する過程と、 (g)前記試料透過光強度と前記参照透過光強度および
    前記補正係数とから前記処理液の試料透過率を求める過
    程と、 (h)前記基準透過率と前記試料透過率との差分に応じ
    て、薬液、薬液に相当するガス、溶媒のうちいずれか一
    つを前記処理液に補充する過程と、 からなる前記(f)の過程ないし前記(h)の過程のフ
    ィードバック制御過程を前記基準透過率と前記試料透過
    率とが一致するように繰り返し行なうことを特徴とする
    濃度制御方法。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の濃度制御方法におい
    て、前記(f)の過程の前に前記(c)の過程を再度行
    なって参照透過光強度を測定し、これと前記予測透過光
    強度との比から補正係数を求めた後に前記(g)の過程
    を行なうことを特徴とする濃度制御方法。
  7. 【請求項7】 請求項5に記載の濃度制御方法におい
    て、前記(a)の過程は、前記各温度での透過光強度を
    測定するとともに、各温度での光源の光強度に関連する
    光源関連光強度を測定し、各温度での前記透過光強度と
    前記光源関連光強度との比(透過光強度比)を検量線デ
    ータとして記憶し、前記(b)、前記(c)および前記
    (f)の各過程では、各々の過程における各透過光強度
    の測定とともに、光源関連光強度を測定して各透過光強
    度と各光源関連光強度との比を求め、各過程においてこ
    れらの比に基づいて演算を行なうことを特徴とする濃度
    制御方法。
  8. 【請求項8】 所定濃度および所定温度に調製された処
    理液によって基板の洗浄やエッチングなどの処理を行な
    う基板処理装置であって、 基板を収納する処理槽に前記処理液を供給するための処
    理液供給配管と、 薬液や薬液に相当するガスなどを前記処理液に供給する
    薬液供給手段と、 純水などの溶媒を前記処理液や前記処理液供給配管に供
    給するための溶媒供給手段と、 前記薬液供給手段と前記溶媒供給手段からの供給量を制
    御する供給量制御手段と、 前記供給量制御手段によって調製された処理液を所定温
    度に調整するための温調手段と、 所定の光路長を有し、処理液が流通されるまたは処理液
    に含まれる溶媒のみが一定温度に保持された状態で流通
    される試料フローセルと、 前記試料フローセルに光を照射して透過光強度を検出し
    たり、前記試料フローセルに光を照射する光源の光強度
    に関連する光源関連光強度を検出する透過光強度検出手
    段と、 予め所定濃度に調製され、かつ、前記温調手段によって
    所定温度に調整された基準処理液を前記試料フローセル
    に流通させた状態での透過光強度(基準透過光強度)と
    光源関連光強度との比(基準透過光強度比)および一定
    温度に保持された溶媒を前記試料フローセルに流通させ
    た状態での透過光強度(参照透過光強度)と光源関連光
    強度との比(参照透過光強度比)または一定温度に保持
    された溶媒を前記試料フローセルに流通させた状態での
    透過光強度(参照透過光強度)と光源関連光強度との比
    (参照透過光強度比)および前記温調手段によって前記
    基準処理液と同じ温度に調整され、かつ、前記基準処理
    液と同じ濃度を目標値とする処理液を前記試料フローセ
    ルに流通させた状態での透過光強度(試料透過光強度)
    と前記光源関連光強度との比(試料透過光強度比)を透
    過光強度検出手段により測定する透過光強度測定手段
    と、 処理液に含まれる溶媒のみを前記試料フローセルに流通
    させ、前記温調手段で溶媒の温度を変えて、各温度での
    透過光強度とともに各温度での光源関連光強度を前記透
    過光強度検出手段を介して測定する検量線データ測定手
    段と、 前記検量線データ測定手段によって測定された透過光強
    度と光源関連光強度との比を検量線データとして格納す
    る検量線データ格納手段と、 前記基準処理液または前記処理液の温度と前記検量線デ
    ータとから、前記試料フローセルの溶媒を前記基準処理
    液または前記処理液と同じ温度とした場合の参照透過光
    強度比に相当する予測透過光強度比を求め、前記参照透
    過光強度比と予測透過光強度比との比から補正係数を算
    出する補正係数算出手段と、 前記基準透過光強度比と前記参照透過光強度比および前
    記補正係数とから前記基準処理液の透過率(基準透過
    率)を算出したり、前記試料透過光強度比と前記参照透
    過光強度比および前記補正係数とから透過率(試料透過
    率)を算出する透過率算出手段と、 前記基準透過率と前記試料透過率とが一致するように、
    前記算出された基準透過率と試料透過率との差分に応じ
    て前記供給制御手段を制御するフィードバック制御手段
    と、 を備え、前記処理液の濃度と基準処理液の濃度とが一致
    するように制御することを特徴とする基板処理装置。
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