JP3234112B2 - 処理液濃度制御方法及びこれを利用した処理液濃度制御装置 - Google Patents

処理液濃度制御方法及びこれを利用した処理液濃度制御装置

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JP3234112B2
JP3234112B2 JP29213694A JP29213694A JP3234112B2 JP 3234112 B2 JP3234112 B2 JP 3234112B2 JP 29213694 A JP29213694 A JP 29213694A JP 29213694 A JP29213694 A JP 29213694A JP 3234112 B2 JP3234112 B2 JP 3234112B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、流体の吸光特性を利用
して流体の濃度を制御する流体濃度制御方法およびこれ
を利用した流体濃度制御装置に係り、特に、異なる2状
態の流体(校正流体)をそれぞれセルに流通または充填
させた状態で、それぞれの透過光強度を光検出器で検出
し、それぞれの透過光強度から求められる吸光度の差分
を予め設定した2つの基準値の差分にほぼ一致させるゲ
イン校正および一方の校正流体の透過光強度から求めら
れる吸光度を一方の基準値にほぼ一致させるオフセット
校正を予め行なった後、流体の濃度制御を行う方法およ
びこれを利用した装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の流体の吸光特性を利用して濃度を
制御する流体濃度制御装置としては、例えば、以下のよ
うな構成の装置がある。
【0003】所定光路長を有するセル(試料セル)に薬
液などを含む流体(試料流体)を流通させ、この試料セ
ルに光を照射して透過光強度検出手段によって透過光強
度(試料透過光強度)を測定するとともに、一定の吸光
度を有する参照媒体、例えば、前記試料セルと同じ光路
長を有する参照セルに適宜の流体を充填しておき、これ
の透過光強度(参照透過光強度)を測定する。そして、
これらの比から吸光度(試料吸光度)を求める。この試
料流体の濃度に関連する吸光度に基づいて試料流体に薬
液や流体を補充して試料流体の濃度を制御する。
【0004】このような構成の装置では、主として試料
セルの汚染や試料セルの交換、光検出器の感度変動など
によって、試料流体の濃度が一定であっても検出される
試料吸光度が変位する。従って、この変位する試料吸光
度に基づいて、流体の濃度を長期にわたって正確に制御
することは困難である。
【0005】そこで、装置を所定期間使用した後、濃度
の異なる〔すなわち、吸光度の異なる〕2種類の流体を
試料セルにそれぞれ流通させ、それぞれ検出された光検
出器の出力値、すなわち、透過光強度から求められる吸
光度の差分を予め設定した2つの基準値の差分にほぼ一
致させるゲイン校正および一方の校正流体の透過光強度
から求められる吸光度を一方の基準値にほぼ一致させる
オフセット校正を行なうようにしている。これらの校正
は、試料流体の濃度と、これに対応する吸光度とを常に
1対1に対応づける作業である。
【0006】具体的には、前記流体濃度制御装置と同様
の構成の装置で、実験的に以下のように基準値を求め
る。すなわち、例えば第1校正流体として常温の純水を
試料セルに流通させ、このときの透過光強度(第1基準
透過光強度)を測定する。さらに、第2校正流体として
予め所定濃度に調製した流体を試料セルに流通させ、こ
のときの透過光強度(第2基準透過光強度)を測定す
る。そして各基準透過光強度と、これらとともに測定さ
れた参照透過光強度との比から求められる吸光度(第1
基準吸光度、第2基準吸光度)を求め、これらを基準値
として予め記憶しておく。
【0007】そして、実際の装置において同様の測定を
行って、校正のための吸光度(第1校正吸光度と第2校
正吸光度と)を求め、これらの差分を予め記憶された2
つの基準値の差分にほぼ一致させるゲイン校正および一
方の校正吸光度を一方の基準値にほぼ一致させるオフセ
ット校正を行うための各補正係数を決定する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな構成を有する従来例の場合には、次のような問題が
ある。従来の校正では濃度の異なる、すなわち、吸光度
の異なる2種類の流体についてそれぞれの透過光強度を
校正の度に測定する必要があるので、一方には調製の不
要な常温の純水を用いるにしても、他方には所定濃度に
調製した校正流体を用いる必要がある。従って、校正流
体を所定濃度に調製するために別体の濃度調製装置が必
要となるという難点がある。さらに、例えば、半導体ウ
エハなどの基板を処理する基板処理装置などでは、所定
濃度に調製された処理液を大量に使用するので、大量の
処理液を人手で所定濃度に調製するのは非常に煩雑であ
り、かつ、人体に有害な薬液が含まれている場合もあっ
て非常に危険を伴うという問題点がある。
【0009】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであって、校正を容易に行うことができ、かつ、精
度の良い処理液濃度制御方法およびこれを利用した処理
濃度制御装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような目
的を達成するために、次のような構成をとる。すなわ
ち、請求項1に記載の発明方法は、異なる2状態の校正
流体をそれぞれセルに流通または充填させた状態で、そ
れぞれの透過光強度を光検出器で検出し、それぞれの透
過光強度から求められる吸光度の差分を予め設定した2
つの基準値の差分にほぼ一致させるゲイン校正および一
方の校正流体の透過光強度から求められる吸光度を一方
の基準値にほぼ一致させるオフセット校正を予め行い、
次に、予め記憶されている値であって、所定濃度の流体
(目標濃度流体)を前記セルに流通または充填させた状
態での透過光強度(目標透過光強度)から求められる吸
光度(目標吸光度)と、薬液などを含み、前記目標濃度
流体と同じ濃度を目標値として、基板処理装置にて処理
を行う処理液を前記セルに流通または充填させた状態で
の透過光強度(試料透過光強度)から求められる吸光度
を前記ゲイン校正およびオフセット校正により補正した
吸光度(試料吸光度)との差分に基づき、前記処理液に
薬液や溶媒を補充して前記処理液の濃度を前記目標濃度
流体の濃度に一致させる処理液濃度制御方法において、
前記ゲイン校正およびオフセット校正は、同一濃度で異
なる温度の校正流体を利用して行われることを特徴とす
るものである。
【0011】請求項2に記載の発明装置は、薬液などを
含み基板処理装置にて処理を行う処理液の透過光強度
(試料透過光強度)と、基準となる透過光強度(参照透
過光強度)とを測定し、これらの比の対数値である吸光
度(試料吸光度)に基づいて前記処理液の濃度を制御す
る装置であって、所定光路長を有するセルと、一定の吸
光度を有する参照媒体と、前記セル中の流体の温度を調
整する温調手段と、前記セルと前記参照媒体に光を照射
し、それぞれの透過光強度を検出する透過光強度検出手
段と、前記透過光強度検出手段を介して、所定濃度の流
体(目標濃度流体)を前記セルに流通または充填させた
状態での透過光強度(目標透過光強度)と、前記セルに
校正流体を流通または充填させ、温調手段を介して前記
校正流体の温度を所定温度とした状態での前記セルの透
過光強度(第1校正透過光強度)と、前記校正流体を前
記セルに流通または充填させ前記温調手段を介して前記
校正流体の温度を前記温度とは変えた状態での前記セル
の透過光強度(第2校正透過光強度)と、前記目標濃度
流体と同じ濃度を目標値とする処理液を前記セルに流通
または充填させた状態での透過光強度(試料透過光強
度)とをそれぞれ前記参照媒体の透過光強度(参照透過
光強度)とともに測定する測定制御手段と、前記測定制
御手段により測定された前記目標透過光強度、第1、第
2校正透過光強度及び試料透過光強度とこれら透過光強
度とともに測定された参照透過光強度との比の対数値で
あるそれぞれの吸光度を算出する吸光度算出手段と、前
記吸光度算出手段によって算出される前記目標透過光強
度と参照透過光強度の比の対数値である吸光度(目標吸
光度)を予め格納する目標吸光度格納手段と、前記吸光
度算出手段によって算出される、前記第1校正透過光強
度と参照透過光強度との比の対数値である吸光度(第1
校正吸光度)及び前記第2校正透過光強度と参照透過光
強度との比の対数値である吸光度(第2校正吸光度)
と、予め設定されている基準値(第1基準吸光度、第2
基準吸光度)とから校正係数(ゲイン校正係数、オフセ
ット校正係数)を求める校正手段と、前記吸光度算出手
段によって算出される、前記処理液の透過光強度と参照
透過光強度の比の対数値である吸光度を前記ゲイン校正
係数およびオフセット校正係数によって補正した、吸光
度(試料吸光度)を求める吸光度補正手段と、前記目標
吸光度と前記試料吸光度との差分に応じて、前記処理液
に薬液や溶媒を補充する供給手段と、を備えたことを特
徴とするものである。
【0012】
【作用】本発明の作用は次のとおりである。請求項1に
記載の発明方法は、流体の温度が変化すれば一般的にそ
の吸光度はそれに応じて変位するという特性を利用して
いる。すなわち、校正流体の温度を変えることによっ
て、その吸光度が変位するので、2つの異なる温度にお
ける校正流体の吸光度の差分を予め設定した2つの基準
値の差分にほぼ一致させるゲイン校正および1種の温度
における校正流体の吸光度を一方の基準値にほぼ一致さ
せるオフセット校正を流体の濃度を変えずに行なうこと
ができる。
【0013】請求項2に記載の発明装置は、まず、濃度
調製の目標値を設定する。すなわち、測定制御手段によ
って所定濃度の流体(目標濃度流体)をセルに流通また
は充填させた状態での透過光強度(目標透過光強度)と
ともに、参照媒体の透過光強度(参照透過光強度)が透
過光強度測定手段を介して測定され、吸光度算出手段に
よって、この目標透過光強度と参照透過光強度とからこ
れら2つの透過光強度の比の対数値である吸光度(目標
吸光度)が算出され、算出された目標吸光度は目標吸光
度格納手段に予め格納される。
【0014】次に、校正を次のように行う。測定制御手
段によって、セルに流体(校正流体)を流通または充填
させ温調手段を介して校正流体の温度を所定温度とした
状態でのセルの透過光強度(第1校正透過光強度)が参
照媒体の参照透過光強度とともに透過光強度検出手段を
介して測定され、測定された第1校正透過光強度及び参
照透過光強度に基づき吸光度算出手段によってこれら2
つの透過光強度の比の対数値である吸光度(第1校正吸
光度)が算出される。さらに、測定制御手段によって温
調手段を介して校正流体の温度を前記温度とは変えた状
態でのセルの透過光強度(第2校正透過光強度)が参照
媒体の参照透過光強度とともに透過光強度検出手段を介
して測定され、測定された第2校正透過光強度及び参照
透過光強度に基づき吸光度算出手段によってこれら2つ
の透過光強度の比の対数値である吸光度(第2校正吸光
度)が算出される。こうして吸光度算出手段によって算
出された第1校正吸光度及び第2校正吸光度と、予め設
定されている基準値(第1基準吸光度、第2基準吸光
度)とから、校正手段によって校正係数(ゲイン校正係
数、オフセット校正係数)が求められる。このように、
校正流体の温度を変えるだけで校正係数を求めることが
できるので、校正流体を所定濃度に調製するための濃度
調製装置などが不要である。
【0015】そして基板処理装置にて処理を行う処理液
の濃度を制御する際には、次のように動作する。前記目
標濃度流体と同じ濃度を目標値とする処理液をセルに流
通または充填させた状態での透過光強度(試料透過光強
度)が参照媒体の透過光強度(参照透過光強度)ととも
に測定制御手段によって透過光強度検出手段を介して測
定される。これら2つの透過光強度の比の対数値である
吸光度が、校正手段により求められたゲイン校正係数、
オフセット校正係数に基づき吸光度補正手段によって補
正されて、試料吸光度が決定される。したがってセルの
汚れに起因する透過率の低下等の影響を除去できて、正
確に試料吸光度を求めることができる。そして、目標吸
光度とこの試料吸光度との差分に応じて供給手段により
処理液に薬液や溶媒が補充されて濃度制御が行なわれ
る。上記のように濃度制御を行なうことにより、前記目
標吸光度の測定時に比べて光源の経時変化などにより入
射光強度が低下して同一濃度の処理液であっても吸光度
が異なるといった誤差の要因を抑制することができる。
【実施例】以下、図面を参照して本発明の一実施例を、
従来法と比較しながら説明し、従来法と同じ結果が得ら
れることを証明する。
【0016】まず、図1を参照して、従来法および本実
施例の濃度制御方法について説明する。図1は、透過光
強度検出部20の概略構成を示すブロック図である。一
つの光源10からの光は、分岐して一方は所定光路長d
を有する試料セル12へ照射され、他方は試料セル12
と同じ光路長dを有する参照セル14へ照射される。こ
れらの試料セル12および参照セル14を透過した光の
強度は、それぞれ光検出器16および光検出器18によ
って検出され、透過光強度に応じた出力値を得る。
【0017】従来法 (1)基準値設定 まず、校正の基準となる基準値を設定するため、予め適
当な条件(標準状態)下で以下の測定を行う。
【0018】目標温度t1において、基準濃度(通常は
濃度ゼロ即ち純水のみ)および濃度Cの流体をそれぞれ
調製する。濃度Cは後述の目標濃度CTと同じとしても
よい。得られた異なる2流体の試料透過光強度IS1(第
1基準透過光強度),ISC(第2基準透過光強度)と、
これらとともに測定された参照透過光強度IR1、IRC
のそれぞれの比の対数値すなわち吸光度(第1基準吸光
度A1=−log(IS1/IR1)および第2基準吸光度AC
=−log(ISC/IRC))を求める。そして、これらの
値を校正の基準となる基準値として記憶する。これらの
吸光度はLambert-Beerの法則により、次式で表現でき
る。 A1=β・αW1・CW+γ AC=β・αW1・CW+β・α・C+γ ここで、αは薬液の吸光係数、αW1は純水の温度t1
おける吸光係数、CWは純水の濃度(常に一定と考えら
れる)であり、これらは測定系に無関係で、流体の状態
によって決まる量である。また、βは光路長を含めた測
定系の感度の係数、γは測定系の汚れ等により常に測定
値に含まれる定数であり、これらは流体に無関係で、測
定系の状態によって決まる量である。
【0019】(2)目標値設定 同じく標準状態において、目標濃度CTかつ目標温度t1
に調製された流体(目標濃度流体)を試料セル12に流
通させ、この状態での透過光強度と参照透過光強度とを
測定する。これらの比の対数値を目標吸光度AT として
設定しておく。
【0020】(3)校正 次に実際の使用状態での装置において、基準値設定と同
じく、目標温度t1において、基準濃度(通常は濃度ゼ
ロ即ち純水のみ)および濃度Cの流体をそれぞれ調製す
る。得られた異なる2流体の試料透過光強度IS1’(第
1校正透過光強度),ISC’(第2校正透過光強度)
と、これらとともに測定された参照透過光強度IR1’、
RC’とから、基準値設定と同様それぞれの比の対数値
すなわち吸光度(第1校正吸光度A1 ’=−log
(IS1’/IR1’)および第2校正吸光度AC’=−log
(ISC’/IRC’))を求める。一般にこれら透過光強
度の値は、標準状態とは異なっており、次式で表現でき
る。 A1'=β'・αW1・CW+γ' AC ' =β'・αW1・CW+β'・α・C+γ' ここでβ'およびγ'は前記βおよびγのその測定時点に
おける値であり、βおよびγと同じく流体に無関係で、
測定系の状態によって決まる量である。次にこれらの値
から次の式によってその測定時点におけるゲイン校正係
数Gおよびオフセット校正係数Zを求める。
【0021】 ゲイン校正係数 G=(AC−A1 )/(AC ’−A1') =β・α・C/β'・α・C =β/β' オフセット校正係数 Z=G・A1'−A1 =β(β'・αW1・CW+γ')/β'−β・αW1・CW−γ =β(γ'−γ)/β'
【0022】この求められたゲイン校正係数Gおよびオ
フセット校正係数Zは、測定系の状態の変化分を補正す
るための係数であり、装置の現測定時点における吸光度
を、基準値設定処理時(標準状態)における吸光度に補
正するための係数である。この求められた校正係数G、
Zを用いて、以下のように流体の濃度調整を行なう。 (4)濃度制御 薬液などを含む処理液を試料セル12に流通させ、この
とき測定される試料透過光強度IS’と、参照セル14
の参照透過光強度IR’とから吸光度AS’=−log
(IS’/IR’)を求める。AS’は次式で表現でき
る。 AS =β・'αW1・CW+β'・α・CS+γ' これを前記ゲイン校正係数Gおよびオフセット校正係数
Zで補正すると こうして得られた吸光度ASは、標準状態における試料
吸光度に等しく、この処理により、標準状態における試
料吸光度に補正されたことになる。さらに、目標値設定
で設定された目標吸光度AT と、試料吸光度AS との差
分に応じて薬液などを処理液に補充する。吸光度は、濃
度に関連する値であるので、両吸光度の差分が零となる
ように薬液などを補充することにより、処理液の濃度を
目標濃度に一致させることができる。
【0023】本発明による方法 (1)基準値設定 まず、校正の基準となる基準値を設定するため、予め適
当な条件(標準状態)下で以下の測定を行う。ここで
は、一例として試料セル12に流通する流体(校正流
体)として純水を使用する。さらに参照セル14には、
ほぼ一定温度(常温)に保たれた純水が充填されてい
る。一般的に流体にはその吸光係数に温度依存性があ
り、例えば純水の場合、波長2210nm付近の赤外域および
波長290nm付近の紫外域において温度の上昇に伴って吸
光係数は減少する。これにより試料セル12を流通する
純水の温度を上昇させると、光検出器16に入射される
試料透過光強度IS は、図2の模式図に示すように右上
がりのグラフとなる。ここでは純水の温度をt1 ,t2
に変え、これにより光検出器16に入射される試料透過
光強度IS は、それぞれIS1、IS2となる。
【0024】純水の温度を変えることにより得られた異
なる2流体の試料透過光強度IS1(第1基準透過光強
度)、IS2(第2基準透過光強度)と、これらとともに
測定された参照透過光強度IR1、IR2とのそれぞれの比
の対数値すなわち吸光度(第1基準吸光度A1=−lo
g(IS1/IR1)および第2基準吸光度A2=−log
(IS2/IR2))を求める。そして、これらの値を校正
の基準となる基準値として記憶する。これらの吸光度は
Lambert-Beerの法則により、次式で表現できる。 A1=β・αW1・CW+γ A2=β・αW2・CW+γ ここでαW2は純水の温度t2における吸光係数である。
【0025】(2)目標値設定 同じく標準状態において、目標濃度CTかつ目標温度t1
に調製された流体(目標濃度流体)を試料セル12に流
通させ、この状態での透過光強度と参照透過光強度とを
測定する。これらの比の対数値を目標吸光度AT として
設定しておく。
【0026】(3)校正 次に実際の使用状態での装置において、基準値設定と同
じく、まず、校正流体である純水の温度をt1,t2に調
整し、異なる2流体の試料透過光強度IS1’(第1校正
透過光強度)、IS2’(第2校正透過光強度)を光検出
器16で検出するとともに、参照セル14の参照透過光
強度IR1’IR2’を光検出器18で検出する。基準値設
定と同様それぞれの比の対数値すなわち吸光度(第1校
正吸光度A1’=−log(IS1’/IR1’)および第
2校正吸光度A2’=−log(IS2’/IR2’))を
求める。一般にこれら吸光度の値は、標準状態とは異な
っており、次式で表現できる。 A1'=β'・αW1・CW+γ' A2'=β'・αW2・CW+γ' 次にこれらの値から次の式によってその測定時点におけ
るゲイン校正係数Gおよびオフセット校正係数Zを求め
る。
【0027】 ゲイン校正係数 G=(A2 −A1 )/(A2'−A1') =(β(αW2−αW1)CW )/(β' (αW2−αW1)CW ) =β/β' オフセット校正係数 Z=G・A1'−A1 =β(β'・αW1・CW+γ')/β'−β・αW1・CW−γ =β(γ'−γ)/β'
【0028】これらの校正係数の計算結果はいずれも従
来法で得られる結果と一致する。従って本発明による校
正方法で従来法に代用できることは明らかである。
【0029】この求められた校正係数G、Zに基づい
て、以下のように流体の濃度調整を行う。 (4)濃度制御 薬液などを含む処理液を試料セル12に流通させ、この
とき測定される試料透過光強度IS’と、参照セル14
の参照透過光強度IR’とから吸光度AS’=−log
(IS’/IR’)を求める。AS’は次式で表現でき
る。 AS ' =β'・αW1・CW+β'・α・CS+γ' これを前記ゲイン校正係数Gおよびオフセット校正係数
Zで補正すると こうして得られた吸光度ASは、標準状態における試料
吸光度に等しく、この処理により、標準状態における試
料吸光度に補正されたことになる。さらに、目標値設定
で設定された目標吸光度AT と、試料吸光度AS との差
分に応じて薬液などを処理液に補充する。吸光度は、濃
度に関連する値であるので、両吸光度の差分が零となる
ように薬液などを補充することにより、処理液の濃度を
目標濃度に一致させることができる。
【0030】なお、上述の説明ではオフセット校正係数
を求めるに際して、第1校正吸光度A1 ’と第1基準吸
光度A1 との差分を求めていたが、本発明ではこれに限
らず、第2校正吸光度A2 ’と第2基準吸光度A2 との
差分を求めても良い。
【0031】次に上記の流体濃度制御方法を利用した流
体濃度制御装置について説明する。図3は、流体濃度制
御装置の一例である基板処理装置の概略構成を示したブ
ロック図である。
【0032】図中、符号1はオーバーフロー式の処理槽
である。この処理槽1は、半導体ウエハを複数枚収納し
た図示しないウエハキャリアが浸漬される処理槽本体1
1 と、その周囲に配設されて処理槽本体11 から溢れた
処理液を滞留するためのオーバーフロー部12 とから構
成されている。この処理槽1には、純水供給配管2によ
って純水が所定圧力で供給される。この供給量は処理槽
本体11へは開閉弁V11の開閉によって、またオーバー
フロー部12へは開閉弁V12の開閉によって調節される
ようになっている。また、処理槽1には、薬液タンク3
から薬液供給配管4を介して薬液が供給される。この供
給量は処理槽本体11へは開閉弁V21の開閉によって、
またオーバーフロー部12へは開閉弁V22の開閉によっ
て調節されるようになっている。
【0033】さらにオーバーフロー部12 には、滞留し
ている処理液を循環させるための処理液供給配管5の一
端側が配設されており、これには処理液を循環させるた
めのポンプ6と、循環している処理液を所定温度に加熱
するためのヒーター7と、処理液の温度を測定するため
の温度センサ8と、循環している処理液中のパーティク
ルなどを除去するためのフィルタ9と、所定光路長dを
有する試料セル12とが配設されており、その他端側が
処理槽本体11 の底部に接続されている。
【0034】試料セル12には、ハロゲンランプなどの
光源10からの光が光分岐部11によって2方向に分岐
され、その一方が照射される。また、他方は純水を充填
した光路長dを有する参照セル14に照射される。試料
セル12および参照セル14を透過した光は、それぞれ
光検出器16および光検出器18に照射されるようにな
っている。参照セル14は、一定の吸光係数を有するも
のであれば種々のもので代用することができる。なお、
光源10と、光分岐部11と、試料セル12と、参照セ
ル14と、光検出器16,18とは透過光強度検出部2
0を構成している。この透過光強度検出部20は、本発
明における透過光強度検出手段に相当し、参照セル14
は、参照媒体に相当する。
【0035】光検出器16、18によって出力された透
過光強度に応じた信号は、濃度制御部30に与えられ
る。この濃度制御部30を機能的に大別すると、測定制
御部31、温調部32、目標吸光度格納部33、校正部
34、吸光度算出部35、吸光度補正部36、供給量制
御部37に分けられる。なお、温調部32とヒーター7
および温度センサ8とは本発明における温調手段に、目
標吸光度格納部33は目標吸光度格納手段に、校正部3
4は校正手段に、吸光度算出部35は吸光度算出手段
に、吸光度補正部36は吸光度補正手段にそれぞれ相当
する。また、供給量制御部37と開閉弁V11、V12、V
21、V22とは本発明における供給手段に相当する。
【0036】測定制御部31は、透過光強度検出部20
の光検出器16によって試料セル12を透過した光の強
度に応じた出力信号を入力され、また、光検出器18に
よって参照セル14を透過した光の強度に応じた出力信
号を入力される。さらに、温調部32を介して、処理液
供給配管5を流通している処理液などの流体の温度を所
定温度に調整する。この測定制御部31は、本発明の測
定制御手段に相当する。
【0037】この基板処理装置では、所定温度/所定濃
度に調製した処理液によって半導体ウェハの処理を行う
が、この処理液を『目標濃度処理液』(目標濃度流体)
とし、測定制御部31は、この目標濃度処理液を試料セ
ル12に流通させた状態での透過光強度(目標透過光強
度)を透過光強度検出部20を介して測定するともに、
参照セル14の透過光強度(参照透過光強度)を測定す
る。これらの透過光強度の比の対数(目標吸光度)が吸
光度算出部35によって求められ、求められた目標吸光
度が目標吸光度格納部33に格納される。また、測定制
御部31は、試料セル12に純水(第1校正流体)を流
通させ、温調部32を介して純水の温度を、例えば20
℃に調整する。この状態で、試料セル12の純水の透過
光強度(第1校正透過光強度)と参照セル14の参照透
過光強度を透過光強度検出部20を介して測定し、吸光
度算出部35によって吸光度(第1校正吸光度)が求め
られる。さらに、測定制御部31は、純水の温度を例え
ば70℃に調整して試料セル12に流通される純水(第
2校正流体)の透過光強度(第2校正透過光強度)と参
照セル14の参照透過光強度を透過光強度検出部20を
介して測定し、吸光度算出部35によって吸光度(第2
校正吸光度)が求められる。また、目標濃度処理液と同
じ濃度を目標値とする(実際に半導体ウエハなどの基板
を処理する)処理液を処理液供給配管5に供給し、この
時の透過光強度(試料透過光強度)と参照透過光強度を
透過光強度検出部20を介して測定する。
【0038】校正部34は、測定制御部31によって測
定されて吸光度算出部35によって算出された第1校正
透過光強度と参照透過光強度との比の対数である第1校
正吸光度と、第2校正透過光強度と参照透過光強度との
比の対数である第2校正吸光度と、予め設定されている
基準値(第1、第2基準吸光度)とからゲイン校正係数
およびオフセット校正係数を求める。
【0039】吸光度算出部35は、上述の通り、測定制
御部31から目標透過光強度、第1、第2校正透過光強
度及び試料透過光強度をそれぞれその参照透過光強度と
ともに入力され、それぞれこれらの透過光強度と参照透
過光強度との比から各吸光度(目標吸光度、第1、第2
吸光度及び試料透過光強度に係る一次的な吸光度)を算
出する。
【0040】吸光度補正部36は、吸光度算出部35で
算出された試料に係る一次的な吸光度を校正部34で求
められたゲイン校正係数およびオフセット校正係数で補
正して、これを処理液の吸光度(試料吸光度)とする。
【0041】供給量制御部37は、吸光度補正部36か
ら試料吸光度、目標吸光度格納部33から目標濃度処理
液の吸光度である目標吸光度を入力される。そして、こ
の両吸光度の差分に応じて、純水供給配管2の開閉弁V
12または薬液供給配管4の開閉弁V22を開閉して処理液
の濃度を目標濃度処理液の濃度に近づける。
【0042】次に、図4のフローチャートを参照して、
校正を行う際の基準となる値を求める処理(基準値設定
処理)について説明する。この処理は一般的に装置を実
際に使用する現場以外で一度だけ行われるものである。
【0043】ステップR1では、校正流体としての純水
を試料セル12に流通させる。
【0044】ステップR2では、純水の温度をt1 (2
0℃)に調整する(第1校正流体)。
【0045】ステップR3では、試料セル12の透過光
強度IC1(第1基準透過光強度)とともに参照セル14
の透過光強度IR1を測定する。
【0046】ステップR4では、IC1およびIR1から吸
光度(第1基準吸光度)A1=−log(IC1/IR1
を求める。
【0047】ステップR5では、純水の温度をt2 (7
0℃)に調整する(第2校正流体)。
【0048】ステップR6では、ステップR3と同様に
試料セル12の透過光強度IC2(第2基準透過光強度)
とともに参照セル14の透過光強度IR2を測定する。
【0049】ステップR7では、ステップR4と同様に
C2およびIR2から吸光度(第2基準吸光度)A2 =−
log(IC2/IR2)を求める。
【0050】以上のステップR1〜ステップR7によっ
て、校正の際の2つの基準値A1 ,A2 が設定される。
【0051】図5を参照する。このフローチャートは、
目標濃度処理液の吸光度(目標吸光度)を求める処理で
ある。この処理は前述の基準値設定処理と同じ条件下で
行われる。なお、この処理だけは濃度既知の薬液を実際
に調製する必要があるが、この処理は一般的に装置を実
際に使用する現場以外で一度だけ行われるものであり、
流体の量も多量を要しないので負担にならない。
【0052】ステップO1では、目標濃度処理液を試料
セル12に流通させる。この目標濃度処理液は、上述し
たように図示しない濃度調製装置によって、予め目標温
度及び目標濃度CTに調製されているものとする。
【0053】ステップO2では、試料セル12の透過光
強度(目標透過光強度)IT とともに参照セル14の透
過光強度(参照透過光強度)IR を測定し、さらに、目
標透過光強度IT と参照透過光強度IR との比の対数
(目標吸光度)AT を求める(ステップO3)。そし
て、この目標吸光度ATを目標吸光度格納部33に格納
する(ステップO4)。
【0054】以上のステップO1〜ステップO4によっ
て、濃度に関連する目標吸光度を設定する。
【0055】次に校正処理を図6を参照して説明する。
この校正処理は、上述した基準値設定処理(図4)と処
理内容的には同様である。
【0056】ステップC1では、校正流体としての純水
を試料セル12に流通させる。そして、この純水の温度
を、基準値設定処理で設定した温度と同じ温度t1 (2
0℃)に保持し(ステップC2)、試料セル12の透過
光強度IC1’(第1校正透過光強度)と参照セル14の
透過光強度(参照透過光強度)IR1’を測定する(ステ
ップC3)。そしてIC1’およびIR1’から吸光度
1’(第1校正吸光度)=−log(IC1’/
R1’)を求める(ステップC4)。
【0057】ステップC5では、純水の温度を基準値設
定処理で設定した温度と同じ温度t2 に調整する。そし
て試料セル12の透過光強度IC2’(第2校正透過光強
度)と参照セル14の透過光強度(参照透過光強度)I
R2’を測定し(ステップC6)、ステップC4と同様に
吸光度(第2校正吸光度)A2’=−log(IC2’/
R2’)を求める(ステップC7)。
【0058】ステップC8では、ステップC4で測定し
た第1校正吸光度A1’と、ステップC7で測定した第
2校正吸光度A2 ’との差分を求める。この差分と、基
準値設定処理で求めた第1基準吸光度A1と第2基準吸
光度A2の差分との比を求め、この比をゲイン校正係数
Gとする(ステップC9)。また、第1基準吸光度A1
と第1校正吸光度A1’との差分を求め、これをオフセ
ット吸光係数Zとする(ステップC10)。このゲイン
校正係数Gおよびオフセット校正係数Zは、測定系の状
態の変化分を補正するための係数であり、装置の現時点
における吸光度を、基準値設定処理時(標準状態)にお
ける吸光度に補正するための係数である。
【0059】この基準値設定処理、目標吸光度設定処
理、および校正処理の後、半導体ウエハのなどの基板を
処理するための処理液の濃度を制御することができるよ
うになる。次に、この処理液の濃度制御処理について、
図7のフローチャートを参照して説明する。
【0060】ステップS1では、目標濃度CTを目標値
とする処理液を混合して供給する。具体的には、開閉弁
11および開閉弁V21を開いて薬液と純水とを適当量混
合する。さらに、温調部32とヒーター7および温度セ
ンサ8を制御して目標温度に処理液を調整する。
【0061】ステップS2では、試料セル12の透過光
強度(試料透過光強度)IS と、参照セル14の透過光
強度(参照透過光強度)IR とを測定制御部31が測定
する。
【0062】ステップS3では、ステップS2で測定さ
れた試料透過光強度IS と参照透過光強度IR とから吸
光度算出部35で吸光度を求め、これを校正部34で求
められたゲイン校正係数Gおよびオフセット校正係数Z
により吸光度補正部36で補正し、これを処理液の吸光
度(試料吸光度)AS とする。この処理により、標準状
態で測定した目標吸光度ATと試料吸光度との比較が可
能となる。
【0063】ステップS4では、供給量制御部37にお
いて、ステップS3で求められた処理液の試料吸光度A
S と、処理液の濃度の目標値である目標吸光度AT (図
5を参照)とを比較して処理を分岐する。両吸光度
S ,AT とが等しい場合、すなわち、処理液の濃度が
基準処理液の濃度に等しい場合はステップS2へ分岐
し、異なる場合は、ステップS5へと分岐する。
【0064】ステップS5では、供給量制御部37にお
いて、試料吸光度ASと目標吸光度ATとの差分に応じ
て、純水か薬液のどちらか一方を処理液に補充する。具
体的には、吸光度補正部36からの試料吸光度AS と、
目標吸光度格納部33からの目標吸光度AT との差分に
応じて開閉弁V12 または開閉弁V22 を開閉することに
よって行われる。この濃度に関連する吸光度の差分に基
づいて、薬液や純水を処理液に補充することによって、
処理液の濃度が調節される。
【0065】この基板処理装置において、透過光強度検
出部20の経時変化(例えば試料セル12の表面状態変
化など)により、測定される試料吸光度が徐々に変動し
てくる。したがって、例えば処理液の濃度が不変である
にもかかわらず濃度が変化したように検出される。そし
て、余分な薬液または純水が処理液に供給され、処理液
の濃度が目標濃度と異なった濃度に調製されることにな
る。
【0066】そこで随時、図6で説明した校正処理を行
い、ゲイン校正係数およびオフセット校正係数を適正な
値に設定し直すことで正確な濃度制御処理を行うことが
できる。
【0067】なお、実施例方法では、試料セルと参照セ
ルとの透過光強度から求められる吸光度に基づいて濃度
制御を行ったが、本発明はこれに限定されることなく、
参照セルを必要としない試料セルのみによる濃度制御方
法にも適用することができる。例えば、光源光度の経時
変化が微小である場合では参照セルなしで参照透過光強
度を一定値として吸光度を求めれば正確に濃度制御を行
うことができる。
【0068】また、試料セルと参照セルの透過光強度の
検出にそれぞれ別体の光検出器を用いたが、試料セルと
参照セルの透過光を光選択手段で交互に一つの光検出器
に照射するようにしてもよい。これにより、光検出器の
感度機差および感度の経時変化に起因する透過率の誤差
を抑制することができ、正確に濃度制御を行える。
【0069】また、実施例方法および装置では、薬液を
1種類としたが、複数の薬液を混合して用いる場合にも
適用することができる。この場合、それぞれの薬液が光
吸収をする波長の光を、薬液の種類の数だけ設定し、そ
れぞれ測定すればよく、吸光度計算、校正係数等もそれ
ぞれの薬液について求めることができる。
【0070】また、実施例装置は、基板処理装置を例に
採って説明した。
【0071】また、校正流体として純水を例に説明した
が、これに限定されることなく、例えば、アルコールな
どを利用することも可能である。さらに、液体だけに限
定される。
【0072】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1に記載の発明方法によれば、校正流体の温度を変える
だけで透過光強度すなわち吸光度を変位させることがで
きるので、これを利用して2つの異なる温度における校
正流体の吸光度の差分を予め設定した2つの基準値の差
分にほぼ一致させるゲイン校正および1種の温度におけ
る校正流体の吸光度を一方の基準値にほぼ一致させるオ
フセット校正を校正流体の濃度を変えることなく行なう
ことができる。その結果、このような校正を行なうこと
によって長期間にわたって精度よく処理液濃度を制御す
ることができる。
【0073】請求項2に記載の発明装置によれば、校正
流体の温度を変えるだけで透過光強度、すなわち吸光度
を変位させることができるので、濃度調製装置を必要と
せずに容易に校正を行うことができる。そして試料透過
光強度と参照透過光強度との比から求められる吸光度を
校正係数により補正した吸光度(試料吸光度)を求める
ことにより、セルの汚れやセルの表面状態変化等に起因
する透過率の変化などの影響を除去でき、正確に試料吸
光度を求めることができる。また、目標吸光度の測定時
に比べて光源の経時変化などにより入射光強度が低下し
て同一濃度の流体であっても吸光度が異なるといった誤
差の要因を抑制することができる。そして濃度に関連し
た試料吸光度と目標吸光度との差分に応じて、供給手段
処理液に薬液や溶媒を補充するので、正確に濃度制御
ができる。さらに、定期的に校正を行うことによって長
期にわたって正確に処理液を濃度制御ができる。
【0074】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1つの実施例に係る透過光強度検出部
の概略構成を示すブロック図である。
【図2】流体の吸光係数の温度依存性の説明に供する図
である。
【図3】本発明の1つの実施例に係る基板処理装置の概
略構成を示すブロック図である。
【図4】基準値設定処理を示すフローチャートである。
【図5】目標吸光度設定処理を示すフローチャートであ
る。
【図6】校正処理を示すフローチャートである。
【図7】濃度制御処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 … 処理槽 2 … 純水供給配管 3 … 薬液タンク 4 … 薬液供給配管 5 … 処理液循環配管 10 … 光源 11 … 光分岐部 12 … 試料セル 14 … 参照セル 16,18 … 光検出器 20 … 透過光強度検出部 30 … 濃度制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 21/00 - 21/61

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 異なる2状態の校正流体をそれぞれセル
    に流通または充填させた状態で、それぞれの透過光強度
    を光検出器で検出し、それぞれの透過光強度から求めら
    れる吸光度の差分を予め設定した2つの基準値の差分に
    ほぼ一致させるゲイン校正および一方の校正流体の透過
    光強度から求められる吸光度を一方の基準値にほぼ一致
    させるオフセット校正を予め行い、 次に、予め記憶されている値であって、所定濃度の流体
    (目標濃度流体)を前記セルに流通または充填させた状
    態での透過光強度(目標透過光強度)から求められる吸
    光度(目標吸光度)と、薬液などを含み、前記目標濃度
    流体と同じ濃度を目標値として、基板処理装置にて処理
    を行う処理液を前記セルに流通または充填させた状態で
    の透過光強度(試料透過光強度)から求められる吸光度
    を前記ゲイン校正およびオフセット校正により補正した
    吸光度(試料吸光度)との差分に基づき、前記処理液に
    薬液や溶媒を補充して前記処理液の濃度を前記目標濃度
    流体の濃度に一致させる処理液濃度制御方法において、 前記ゲイン校正およびオフセット校正は、同一濃度で異
    なる温度の校正流体を利用して行われることを特徴とす
    る処理液濃度制御方法。
  2. 【請求項2】 薬液などを含み基板処理装置にて処理を
    行う処理液の透過光強度(試料透過光強度)と、基準と
    なる透過光強度(参照透過光強度)とを測定し、これら
    の比の対数値である吸光度(試料吸光度)に基づいて前
    処理液の濃度を制御する装置であって、 所定光路長を有するセルと、 一定の吸光度を有する参照媒体と、 前記セル中の流体の温度を調整する温調手段と、 前記セルと前記参照媒体に光を照射し、それぞれの透過
    光強度を検出する透過光強度検出手段と、 前記透過光強度検出手段を介して、所定濃度の流体(目
    標濃度流体)を前記セルに流通または充填させた状態で
    の透過光強度(目標透過光強度)と、前記セルに校正流
    体を流通または充填させ、温調手段を介して前記校正流
    体の温度を所定温度とした状態での前記セルの透過光強
    度(第1校正透過光強度)と、前記校正流体を前記セル
    に流通または充填させ前記温調手段を介して前記校正流
    体の温度を前記温度とは変えた状態での前記セルの透過
    光強度(第2校正透過光強度)と、前記目標濃度流体と
    同じ濃度を目標値とする処理液を前記セルに流通または
    充填させた状態での透過光強度(試料透過光強度)とを
    それぞれ前記参照媒体の透過光強度(参照透過光強度)
    とともに測定する測定制御手段と、 前記測定制御手段により測定された前記目標透過光強
    度、第1、第2校正透過光強度及び試料透過光強度とこ
    れら透過光強度とともに測定された参照透過光強度との
    比の対数値であるそれぞれの吸光度を算出する吸光度算
    出手段と、 前記吸光度算出手段によって算出される前記目標透過光
    強度と参照透過光強度の比の対数値である吸光度(目標
    吸光度)を予め格納する目標吸光度格納手段と、 前記吸光度算出手段によって算出される、前記第1校正
    透過光強度と参照透過光強度との比の対数値である吸光
    度(第1校正吸光度)及び前記第2校正透過光強度と参
    照透過光強度との比の対数値である吸光度(第2校正吸
    光度)と、予め設定されている基準値(第1基準吸光
    度、第2基準吸光度)とから校正係数(ゲイン校正係
    数、オフセット校正係数)を求める校正手段と、 前記吸光度算出手段によって算出される、前記処理液
    透過光強度と参照透過光強度の比の対数値である吸光度
    を前記ゲイン校正係数およびオフセット校正係数によっ
    て補正した、吸光度(試料吸光度)を求める吸光度補正
    手段と、 前記目標吸光度と前記試料吸光度との差分に応じて、前
    処理液に薬液や溶媒を補充する供給手段と、 を備えたことを特徴とする処理液濃度制御装置。
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