JP3076905U - 後付け用シフトノブ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課 題】 メーカーの違いや車種の違いに拘わら
ず、どの車種にも適用できるアフターパーツとしての汎
用シフトノブの問題点、即ち、構造がやや複雑で取付作
業が煩雑になるという問題点を解決することのできる汎
用シフトノブを提供すること。 【解決手段】 グリップするための形態を有して、縦方
向で二つ割り構造に形成されたシフトノブ１，２であっ
て、このノブ１，２の内部を、既設シフトレバーのシャ
フトＳに被せて嵌合するための筒穴に形成すると共に、
この筒穴の内部７に、内面が前記シャフトＳを挿入でき
る断面に形成され、かつ、前記ノブ１，２の外面からビ
ス止めＢなどにより当該ノブと一体に合着できるように
した二つ割り構造のシャフトホルダ８を設けたこと。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、主として乗用自動車におけるオートマチック変速機のシフトレバー に、既設のノブに代えて後付けにより装着できるシフトノブに関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、各自動車メーカから市場に供給されているオートマチック変速機を備 えた乗用自動車（以下、「オートマ車」と省略する）に取付けられているシフト ノブは、趣味性の高いいわゆるスポーツ仕様車種のいくつかを除いて、機能面， コスト面のみを反映した実用性一点張りのものが殆どである。このため、各自動 車メーカーが供給する自動車に純正部品として取付けられているシフトノブは、 殆んど合成樹脂製の成形品であって、趣味性に欠けるものが大半である。

【０００３】 しかし、シフトノブは、自動車の運転においてステアリングホイールなどと共 に常時運転者が触れて操作する運転操作部品の一つであるため、ステアリングホ イールやアクセルペダル等のペダル類とともに、いわゆるアフターマーケットパ ーツの一つとして、凝った材質やデザインのものが供給され、これが多数の自動 車オーナーの関心を買い、旺盛な需要がある。

【０００４】 ところが、各自動車メーカーが市場に供給している自動車のシフトレバーにお いてそのシャフトの形態、具体的にはシャフトの断面形状やシャフト径がメーカ ーごとに区々であり、また、このシャフトに取付けられるシフトノブの取付ネジ の位置も、各メーカーごとに異なっているため、アフターパーツとして市場に供 給される後付け用シフトノブは、仮に、同一材質により同一デザインに形成され たシフトノブであっても、そのノブ側に形成されるシャフト取付穴の断面形状や その内径、或は、取付ビス穴の位置などが、各メーカーの車輌ごとに区々である 。つまり、同一形態のシフトノブであっても、車輌本体のメーカーが異なってい れば、汎用性はない。

【０００５】 本考案の考案者は、アフターパーツとしてのシフトノブの上記のような現状に 鑑み、メーカーが異なっていることによりシフトレバーのシャフトとシフトノブ の取付構造やその仕様に差異があっても、各メーカーのオートマ車用のシフトレ バーのシャフトに汎用的に装着できる構造を具備したいわゆるアフターパーツと しての汎用シフトノブを、先に特願平１０−３６４９１２号として提案している 。

【０００６】 上記出願により提案しているシフトノブは、グリップできる適宜の外面形態を 適宜材料により形成したシフトノブであって、シフトレバーの既設シャフト上部 に嵌合するため、前記ノブの下半部に断面が長円状乃至は楕円状をなす穴を平面 から見てクロスさせた状態の略十字状をなすように形成すると共に前記シャフト のビス穴に合致するビス穴を設けたシフトノブと、前記長円状乃至は楕円状の穴 に遊嵌できる外形を有し中心部に前記シャフトを嵌入する穴を設けると共に前後 外面の異なる高さにビス穴を設け、かつ、下部の前後に横長穴を設けて形成した 前記シャフト装着用の筒状をなすシャフトアダプタとを具備し、前記シャフトア ダプタを、そのビス穴を前記シャフトに設けられているビス穴に合せて当該シャ フトに前記穴において嵌入すると共に、この状態のシャフトアダプタに前記シフ トノブを被嵌し、前記ノブとアダプタの合致したビス穴を通して当該ノブとアダ プタを一体にシャフトにビス止めすることにより取付けるようにした構成のもの である。

【０００７】 しかし、上記の先に提案したアフターパーツのシフトノブは、メーカー毎、或 は、車種ごとに種々異なる既設のシフトレバーのシャフトの断面外形や外径に、 単一仕様の後付け用シフトノブで対応するために、特別な断面形状を付与したシ ャフトアダプタをシャフトノブの内部に装填する構造を不可欠としていた。また 、シャフトアダプタをシフトノブの内部に装填状態で取付けるため、当該アダプ タとシフトノブの結合を外部から見え難いようにする工夫がなされ、これが取付 作業を悪化させる要因となっていた。

【０００８】

【考案が解決しようとする課題】

本考案では先に提案した、メーカーの違いや車種の違いに拘わらず、どの車種 にも適用できるアフターパーツとしての汎用シフトノブの問題点、即ち、構造が やや複雑で取付作業が煩雑になるという問題点を解決することのできる汎用シフ トノブを提供することを課題とするものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決することを目的としてなされた本考案シフトノブの構成は、グ リップするための形態を有して、縦方向で二つ割り構造に形成されたシフトノブ であって、このノブの内部を、既設シフトレバーのシャフトに被せて嵌合するた めの筒穴に形成すると共に、この筒穴の内部に、内面が前記シャフトを挿入でき る断面に形成され、かつ、前記ノブの外面からビス止めなどにより当該ノブと一 体に合着できるようにした二つ割り構造のシャフトホルダを設けたことを特徴と するものである。

【００１０】 本考案シフトノブは、上記構成により既設シャフトの断面が楕円形、角形、円 形であっても、いずれにも適用可能であるが、既設シャフトが円形断面であって もその径が小径の場合には、上記シャフトホルダによっては細径丸柱の既設シャ フトに強固に取付けることができない場合がある。そこで、このような場合には 、上記シャフトホルダと既設シャフトの間に、既設シャフトの外径に被せられる 挟み込みタイプのアダプタを設けて、細身の既設シャフトにも適用できるように なっている。また、既設シャフトが変形角形の場合にも、シャフトホルダとシャ フトとの隙間に充填する形式の充填タイプのアダプタを用いて適用可能にした。

【００１１】

【考案の実施の形態】

本考案の実施の形態について図に拠り説明する。図１は本考案シフトノブの一 例の正面図、図２は図１の左側面図、図３は図１の右側面図、図４は図１の平面 図、図５は図１の底面図、図６は図１のＡ−Ａ矢視図、図７は図６の底面図、図 ８は充填タイプのシャフトアダプタの平面図、図９は図８のアダプタの側面図、 図10は図８，図９のアダプタの使用例を説明するための平面図、図11はシャフト 外嵌タイプのアダプタの平面図、図12は図11のアダプタの側面図である。

【００１２】 図１〜図７において、１，２は本考案シフトノブにおいて縦二つ割り構造に形 成した内部が中空のほぼ筒状をなし、外形が倒立したガングリップ状をなすカバ ー体で、両カバー体１，２を合着一体化してシフトレバーの後付け用ノブに造形 されている。

【００１３】 合体される２つのカバー体１，２は、合着状態において上端部に大小２つの異 形三角形状の孔３，４が形成される一方、下端側には、既設シャフトＳに挿入さ れる絞り込んだ筒状部による挿入穴４が形成されるように、予めプラスチックの 成形加工などにより形成されている。なお、Ｌはカバー体１，２の分割線、Ｄは 本考案ノブの背面（図１の左側面）に形成した木目等による装飾面であるが、こ の装飾面Ｄの形状や模様は任意であり、装飾面Ｄを設けるかどうかも任意である 。また、このカバー体１，２はプラスチック以外の材料、例えば、金属やセラミ ックスで形成してもよい。

【００１４】 ５，６は、前記カバー体１，２の上部と下部に形成した両カバー体１，２をビ スにより合着一体化するためのビス穴で、この例では、上部に２個、下部に４個 のビス穴が形成されている。Ｂは前記ビス穴５，６に装着されるビスである。な お、ビス穴５，６の位置，数は設計事項である。

【００１５】 図６において、７は、合着された２つのカバー体１，２の下部の挿入穴４より 上方のカバー体１，２の内面に形成したシャフトホルダ８を装着するためのホル ダ装着部で、前記の下部ビス穴６に対応する部位に設けられている。シャフトホ ルダ８は、既設シャフトＳを挟持するように二つ割りタイプに形成されており、 このホルダ８は、前記の４個のビス穴６に装挿されるビスＢによって、カバー体 １，２の合着と一緒にこのカバー体１，２に装着される。

【００１６】 ９，10は、合着される２つのカバー体１，２の上部の孔３，４に、これらの孔 ３，４から抜去できないように、それぞれに前後に係止爪片9a，10aを設けて夫 々の孔３と４に挿装された２つの押しボタンで、大きい方のボタン３は既設のノ ブＮに設けられている押下げタイプのオン・オフボタンｂ（シフト操作のロック ，アンロック）を操作するため、内面に作動突起9bを有すると共に、バネ9cによ り、常時上方へ向けて付勢されている。なお、作動突起9bと前記ボタンｂの間に は、図示しないが、棒状の連接部材が挿入される。また、小さい方のボタン４は オーバドライブスイッチＯＤのオン，オフ操作ボタンとして機能する。既設ノブ Ｎにおいては、前記ボタンｂの位置は車種により区々であるが、これに対応する ため長さの異なる連接部材を複数種用意しておき、前記ボタンｂのそれぞれの位 置に対応するようにする。

【００１７】 上記のように形成される本考案シフトノブは、そのカバー体１，２を二つ割り 状態で、既設ノブ（図示せず）を外した既設シャフトＳを挟むように配置すると 共に、二つ割りのシャフトホルダ８によってシャフトＳを挟みつつ両カバー体１ ，２を合わせ、そのビス穴５，６にそれぞれにビスＢを立てて締込めば、既設シ ャフトＳをその外側からシャフトホルダ８が完全に挟み込んだ状態でカバー１， ２が合着一体化されて既設シャフトＳに、そのノブとして取付けられることにな る。

【００１８】 ここで、シャフトホルダ８の内周面の断面形状は、図７に表われているように 、角をアール処理した正方形に近い四角形と長円形（又は楕円形）を重ねた外形 、より具体的には、図７において四角形の左右辺から長円形の左右側部分がはみ 出した形状である。従って、このホルダ８には、その断面形状における四角形と 長円形又は楕円形に合致する断面のシャフトＳをそのままで強固に把持させるこ とができるが、小さい円形乃至は小さ目の四角形（又は変形四角形）のシャフト Ｓに適用する場合には、図９〜図12により説明するシャフトアダプタ11又は同12 を使用する。

【００１９】 図８〜図10に示すシャフトアダプタ11は、シャフトホルダ８に挿入したシャフ トＳが図10に示すように変形角形である場合、このシャフトとシャフトホルダ８ の内面に生じる隙間を充填するタイプのものである。即ち、このアダプタ11は、 充填部となる断面円弧柱状をなす主体11aと、その上端に形成したフランジ11bと を有するようにナイロン等により形成されており、このアダプタ11の２本を、シ ャフトホルダ８とそれに保持される変形角形シャフトＳの２つの隙間に、それぞ れ充填し、このシャフトＳとホルダ８とがアダプタ11を充填した状態でビスＢに よって締付けられることにより、変形角形のシャフトＳであっても本考案シフト ノブを強固に取付けることができる。

【００２０】 一方、図11，図12に示すシャフトアダプタ12は、一部を開放12cしたリング状 の穴12aを有する筒体を、その径を14〜15mm程度にして形成すると共にこの筒体 の外郭形状12bを前記ホルダ８の合着一体化した内面の形状に合う大きさにして 形成されており、従って、このアダプタ12をシャフトホルダ８に挿入しておけば 、その穴12aによって小径の円形シャフトＳであっても、強固に本考案シフトノ ブを取付けることができるのである。なお、12dはこのアダプタ12の上部に形成 したフランジである。

【００２１】 以上に説明した本考案シフトノブは、カバー体１，２を合着一体化すると共に シャフトホルダ８をカバー１，２に固定して締付けるためのビスＢを緩めた状態 において、既設ノブを取外した既設シャフトＳを下方の挿入穴４の側から挿入し 、挿入した高さ（ノブの高さ）を調整したところで、前記各ビスＢを締込めば取 付けを完了するという、実に簡単な操作で取付けることができる。

【００２２】

【考案の効果】

本考案は以上の通りであって、メーカーの違いや車種の違いに拘わらず、どの 車種のシフトレバーのシャフトにも適用できるアフターパーツとしての汎用シフ トノブの問題点、即ち、構造がやや複雑で取付作業が煩雑になるという問題を解 決するため、グリップするための形態を有して、縦方向で二つ割り構造に形成さ れたシフトノブであって、このノブの内部を、既設シフトレバーのシャフトに被 せて嵌合するための筒穴に形成すると共に、この筒穴の内部に、内面が前記シャ フトを挿入できる断面に形成され、かつ、前記ノブの外面からビス止めなどによ り当該ノブと一体に合着できるようにした二つ割り構造のシャフトホルダを設け たことにより、後付け用シフトノブを形成したので、取付け作業が著しく簡素化 される上に、種々の断面形状の既設シャフトに適用できるという格別の効果が得 られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案シフトノブの一例の正面図。

【図２】図１の左側面図。

【図３】図１の右側面図。

【図４】図１の平面図。

【図５】図１の底面図。

【図６】図１のＡ−Ａ矢視図。

【図７】図６の底面図。

【図８】充填タイプのシャフトアダプタの平面図。

【図９】図８のアダプタの側面図。

【図10】図８，図９のアダプタの使用例を説明するため
の平面図。

【図11】シャフト外嵌タイプのアダプタの平面図。

【図12】図11のアダプタの側面図。

【符号の説明】

１，２ カバー体 ３ オン／オフスイッチ ４ 挿入穴 ５，６ ビス穴 ７，８ シャフトホルダ ９，10 押しボタン 9a，10a 係止片爪 11，12 シャフトアダプタ

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 グリップするための形態を有して、縦方
   向で二つ割り構造に形成されたシフトノブであって、こ
   のノブの内部を、既設シフトレバーのシャフトに被せて
   嵌合するための筒穴に形成すると共に、この筒穴の内部
   に、内面が前記シャフトを挿入できる断面に形成され、
   かつ、前記ノブの外面からビス止めなどにより当該ノブ
   と一体に合着できるようにした二つ割り構造のシャフト
   ホルダを設けたことを特徴とする後付け用シフトノブ。
2. 【請求項２】 シャフトホルダの内側には、このホルダ
   で変形角形のシャフトを圧着挟持するための、シャフト
   とこのホルダの隙間を埋める充填タイプのシャフトアダ
   プタを設けた請求項１の後付け用シフトノブ。
3. 【請求項３】 シャフトホルダの内側には、このホルダ
   で小径のシャフトを圧着挟持するため、シャフトとこの
   ホルダの間に挟ませるタイプのシャフトアダプタを取付
   けた請求項１の後付け用シフトノブ。