JP3076567B1 - 養生機能を備えた中空PCa部材製造用内型枠 - Google Patents

養生機能を備えた中空PCa部材製造用内型枠

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JP3076567B1
JP3076567B1 JP18496899A JP18496899A JP3076567B1 JP 3076567 B1 JP3076567 B1 JP 3076567B1 JP 18496899 A JP18496899 A JP 18496899A JP 18496899 A JP18496899 A JP 18496899A JP 3076567 B1 JP3076567 B1 JP 3076567B1
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Abstract

【要約】 【課題】中空PCa部材製造用内型枠に係り、大掛かり
な養生設備を必要としないで、コンクリート打設完了後
にそのまま養生工程に移行することができ、しかも少な
い熱エネルギーにより効率よくコンクリートを保温養生
できるようにする。 【解決手段】製造される中空PCa部材の内空断面形状
よりも一回り小さい断面外形状を有する構造支持体とし
てのコア型枠5と、このコア型枠5の外面に貼設された
面状発熱シート6と、この面状発熱シート6を間に介し
て前記コア型枠5の外面に貼設されるとともに、エアの
脱気により収縮可能なマット状のエアパネル7と、さら
にこのエアパネル7外面に貼設されるとともに、コッタ
ー形成用突部を有するコッターシート8とから内型枠2
を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外殻PCa柱部
材、PCaボックスカルバート、中空壁、コンクリート
製角管などの中空PCa(プレキャストコンクリート)
部材を製造する際に使用される内型枠であって、詳しく
は型枠に対して一体的に養生機能を備え、コンクリート
打設後に養生設備に移設或いは特別な養生設備をその回
りに設置することなく、その状態のままコンクリート養
生が行えるようにした養生機能を備えた中空PCa部材
製造用内型枠に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種のコンクリート製プレ
キャスト製品は、十分な強度と耐久性を発揮させるため
に打設直後または成形直後から、散水養生などの湿潤養
生、封緘養生またはシート養生などの保水養生、空気中
養生などの気中養生および蒸気養生または高温高圧養生
(オートクレーブ養生)などの加熱養生などが行われて
いる。
【0003】これらの各種養生方法の中でも、1日1サ
イクルの工程でプレキャスト製品を製作するためには、
材令1日で脱型を行う必要性から初期強度の発現が最も
望める蒸気養生またはオートクレーブ養生が推奨されて
いる。しかし、オートクレーブ養生は、大型の気圧釜を
使用し、例えば151〜200℃、5〜16気圧の飽和
蒸気環境により養生を行うものであるため、養生設備が
大掛かりとなるため生産効率が悪いなどの問題があっ
た。一方の蒸気養生の場合は、オートクレーブ養生と比
較すると簡易な設備で足りる点で多用されているが、他
の養生方法に比べると骨組材で周囲を囲むとともに、キ
ャンバス等のシートによる覆いを必要とするなどやはり
設備負担が大きいなどの問題と共に、蒸気の供給方法、
内部の密閉性の確保や結露水の処理などが問題になって
いる。また、長期材齢強度が低下する傾向にあるため管
理材齢において十分なコンクリート強度を満足するには
W/C(水セメント比)を小さくしなければならず、打
設したコンクリートの締固め処理に手間が掛かるなどの
問題が有しているとともに、養生時の温度管理が極めて
大変であるなどの問題を有する。すなわち、蒸気養生の
場合には、蒸気の通気前に所定の前養生時間を取った
後、15〜22℃/hの温度勾配によりゆるやかに温度
を上昇させ、引き続き一定温度を保持した後、徐々に温
度を下げ外気温との差があまりなくなった段階で脱型を
行うように温度管理を行う必要がある。しかし、コンク
リート打設後に所定の前養生時間を取らなかったり、急
激な温度上昇があったり、高すぎる温度で等温養生を行
ったり、急冷したりした場合にはひび割れの発生や強度
増進性の低下を招くなどの問題があった。
【0004】他方、近年は前述した問題点に鑑み、大掛
かりな養生設備を必要としないで簡易にプレキャスト部
材の初期養生を行う方法が種々提案されている。この種
の養生装置としてはたとえば、特開平10−26412
9号公報および特開平10−264133号公報などに
記載される養生装置を挙げることができる。前者公報に
記載される養生装置は、図19に示されるように、外面
に断熱材49を貼設した中空板状の型枠50に温水槽5
1から温水を循環供給することにより、特別な養生設備
を別途設けることなくコンクリート打設後に継続して養
生が行えるようにしたものであり、一方後者公報に記載
される養生装置は、図20に示されるように、断熱パネ
ル52の一方側の面に温水を循環できるマット53を貼
設し、これをプレキャスト部材を囲むように配置し温水
槽54から温水を循環供給することにより保温養生を行
うものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、温水を
利用して保温養生を行う方法の場合には、温水を循環さ
せるための養生装置を特注して製作しなければならない
とともに、水温をたとえば40〜50℃程度に上昇させ
るにもかなりの熱量を要しエネルギー消費が大きい。ま
た前者の養生装置のように、型枠板内部に温水を循環さ
せるような場合には、コンクリート面側に伝熱されるけ
れども、外気側に放熱される熱量が有効利用されないた
め、熱効率が悪く、外面に断熱材が貼設されているとし
ても外気の温度変化の影響を受け易いなどの問題があっ
た。さらに、水は熱容量が大きいため温度の安定性に優
れる反面、制御遅れが大きいため所望の養生温度にうま
く管理できないなどの問題もある。
【0006】そこで本発明の主たる課題は、大掛かりな
養生設備を必要としないで、コンクリート打設完了後に
そのまま養生工程に移行することができ、しかも少ない
熱エネルギーにより効率よくコンクリートを保温養生す
ることが可能となり、さらに温度制御性にも優れ温度管
理が容易に行えるようにした養生機能を備えた中空PC
a部材製造用内型枠を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の本第1発明は、製造される中空PCa部材の内空断面
形状よりも一回り小さい断面外形状を有する構造支持体
としてのコア型枠と、このコア型枠の外面に貼設された
面状発熱シートと、この面状発熱シートを間に介して前
記コア型枠の外面に貼設されるとともに、エアの脱気に
より収縮可能なマット状のエアパネルとから構成したこ
とを特徴とするものである。
【0008】また第2発明は、製造される中空PCa部
材の内空断面形状よりも一回り小さい断面外形状を有す
る構造支持体としてのコア型枠と、このコア型枠の外面
に貼設されるとともに、エアの脱気により収縮可能なマ
ット状のエアパネルと、このエアパネルの外面に貼設さ
れた面状発熱シートとから構成したことを特徴とするも
のである。
【0009】これら発明においては、前記コア型枠は起
立支持されていることが望ましい。すなわち、コア型枠
を起立支持し、周面にエアパネルを貼設することにより
脱気時にすべての周面において効果的に脱型が行われる
ようになる。また、エアパネルおよび/または面状発熱
シートを保護し転用回数を増やすとともに、中空PCa
部材の内面にコッターを形成するためにコッター形成用
突部を有するコッターシートを貼設することが望まし
い。また、前記コア型枠は中空とされるとともに、蓋板
および底板を備え、内部が密閉された空間とすることが
望ましい。
【0010】本発明においては、前記エアパネルと面状
発熱シートの組み合わせ構造により好適な保温養生が可
能となっている。すなわち、仮に型枠の外面に面状発熱
シートを貼設した構造の養生機構を考えた場合、前記面
状発熱シートから発散される熱は、型枠を通してコンク
リートに対しても加えられるが、多くは外部に発散され
るため熱効率が悪く、かつ外気の温度変化による影響を
受け易いなどの問題が発生するとともに、面状発熱シー
トからの熱はあまり拡散されることなく、型枠板を通し
てコンクリート面に伝熱されるため、仮に面状発熱シー
トが貼設されていない部分があった場合には、その部分
の養生が不完全となるなどの問題が発生する。
【0011】しかし、本第1発明のように、コア型枠外
面に面状発熱シートを貼設し、その外面にエアパネルを
貼設した内型枠構造とした場合には、面状発熱シートか
らの熱が一旦、エアパネル内部の空気を上昇させ、この
温熱空気を介してコンクリート面に対して熱が伝えられ
るようになるため、比較的均等な温度でコンクリートを
保温するようになるとともに、前記エアパネル内部の温
熱空気の存在により外気の温度変化による影響を受けづ
らくなる。この点に関しては、前記コア型枠を中空と
し、かつ蓋板および底板を設け内部が密閉された空間と
することにより、より効果的なものとなる。すなわち、
前記面状発熱シートからコア型枠側に放散された熱がコ
ア型枠内部の空気を暖め蓄熱されるようになるため、コ
ア型枠自体が蓄熱槽としての機能を発揮するようにな
り、この蓄熱空気が養生熱として有効的に利用されるよ
うになるとともに、夜間に温度低下があってもその影響
をあまり受けることなく保温養生が可能となる。
【0012】他方、前記第2発明の場合には、第1発明
と比較すると、面状発熱シートとエアパネルとの層構成
が逆となっているが、この場合であっても、前記面状発
熱シートからエアパネル面側に放散された熱がエアパネ
ル内部の空気に蓄熱され、この蓄熱された熱が再びコン
クリートの養生熱として利用されるようになるため、面
状発熱シートからの熱量を有効的に利用しながら効率的
な保温養生が実現される。
【0013】前記面状発熱シートの配置態様に係り、コ
ア型枠側面の中間部分とコーナー部とでは、中間部分で
は面状発熱シートからの熱およびコンクリートからの水
和熱が溜まり易く、コーナー部では熱の放散が大きいた
め、前記コア型枠の各側面に中間部面状発熱シートを貼
設するとともに、コア型枠のコーナー部にコーナー部面
状発熱シートを貼設し、それぞれの面状発熱シートを別
々に制御可能とし、前記中間部面状発熱シートを相対的
に低温でコントロールし、一方放熱が行われ易いコーナ
ー部面状発熱シートを相対的に高温でコントロールする
ことにより、より養生温度を均一化出来るようになる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら詳述する。図1は本発明に係る中
空PCa部材製造用内型枠2を用いた型枠装置1の概略
斜視図、図2は型枠組立状態の側面図、図3は型枠組立
状態の平面図である。
【0015】本型枠装置1は、図1〜図3に示されるよ
うに、コンクリート作業床Fに敷設された3本のレール
部材4A〜4Cからなるレール設備4と、このレール設
備4の略中央位置に固定配置される内型枠2と、この内
型枠2の両側にそれぞれ配設されるとともに、レール設
備4に沿って移動自在とされる左右一対の移動外型枠3
A、3Bとから構成される型枠装置である。
【0016】前記移動外型枠3A(3Bも同じ)は、下
端部に走行体10Aを備え中央レール4B上を走行自在
とされるメイン支柱10と、下端に走行体12Aを備え
側部レール4A(4C)上を走行自在とされる補助支柱
12、12と、前記メイン支柱10と補助支柱12,1
2とに連結されるとともに、平面視で走行レール方向を
対角線方向としかつ高さ方向に複数段に亘って直交2方
向に配置されたコラムクランプ11,11…と、これら
コラムクランプ11,11…によって形成されたL字壁
面に配設された鋼製せき板パネル14とから構成された
移動式壁面架構である。なお、外気温の低い時期に中空
PCa部材の製造を行うような場合には、前記鋼製せき
板パネル14の外面に対して、図8に示されるように、
断熱材17を貼設し、後述する面状発熱シート6からコ
ンクリートに与えられる熱が外部に放散されないように
するのが望ましい。
【0017】図示の如く、前記レール設備4の中央に内
型枠2を組み立て固定配置した後、その両側から外型枠
3A、3Bを内型枠2に接近させ、移動外型枠3Bのコ
ラムクランプ11,11先端部に設けられたコラムクラ
ンプ締結具13を他方の移動外型枠3Aの受け金具に対
し係止させ、緊締することにより移動外型枠3A、3B
同士を堅固に結合させたならば、内型枠2と移動外型枠
3A、3Bとの間に蓋型枠となる塞ぎ型枠15を取付
け、高流動性コンクリートを下端の圧入口16より注入
することにより中空PCa部材が製造される。なお、具
体的な製造手順についてはさらに詳しく後述することと
する。
【0018】本型枠装置1において前記内型枠2として
は、図4に示されるように、板材によって断面方形筒状
に成形されたコア型枠5と、このコア型枠5の各面に貼
設された面状発熱シート6,6…と、コア型枠5の各外
面に貼設されコア型枠5の周囲を囲繞するように設けら
れたエアパネル7、7…と、このエアパネル7、7…の
外面に貼設されたコッターシート8とから構成されたも
のが使用されている。これら内型枠2はベース型枠9に
下端が挿入された状態で支持されている。
【0019】以下、具体的に図5〜図7に基づいて詳述
すると、前記コア型枠5は4枚の板材5A、5A…によ
って断面方形状に組み立てられた中空角筒体であり、各
コーナー部には面状発熱シート6を貼設した際に段部が
形成されないように断面L字状のコーナーカバー5a,
5a…が設けられている。このコア型枠5を構造支持体
として前記エアパネル7を設けることにより内型枠2と
しての剛性を備え、位置固定が完全に行われるようにな
る。この場合、前記コア型枠5としては、蓋板および底
板を設け、内部が密閉された空間とするのが望ましい。
面状発熱シート6からコア型枠5側に伝達された熱が、
コア型枠5内部に蓄熱されるようになるため、面状発熱
シート6からの熱が有効的に利用されるようになるとと
もに、夜間に急激な温度低下があっても、コア型枠5内
部の熱を蓄積した空気が温度低下による影響を排除し、
安定した保温養生を可能とする。なお、本例では前記コ
ア型枠5を基本的に4枚の板材5A、5A…により構成
したが、樹脂または発泡樹脂などの材料によって構成す
ることも可能である。
【0020】前記コーナーカバー5a、5aによって挟
まれた凹面部に対して面状発熱シート6が接着剤等によ
り貼設され、この面状発熱シート6の外面にはエアパネ
ル7を着脱自在とするために複数本の面ファスナーテー
プ20,20…が接着剤等により貼設されている。この
面状発熱シート6は、型枠1内に充填された高流動性コ
ンクリートの養生を行うためのものであり、前記高流動
性コンクリートが充填された後、初期強度の増大を図る
ため約1日間、前記エアパネル7を介してコンクリート
に熱を与えコンクリートを所定温度以上に保つために使
用される。
【0021】上記面状発熱シート6は、たとえば図10
に示されるように、コア型枠5の各側面に中間部面状発
熱シート6A,6A…を貼設するとともに、コア型枠5
のコーナー部にコーナー部面状発熱シート6B、6B…
を貼設し、それぞれの面状発熱シート6A、6B…を別
々に制御可能とすることもできる。本発明者等による実
験によれば、コア型枠5側面の中間部分では面状発熱シ
ート6から放散された熱およびコンクリートからの水和
熱が溜まり易く養生温度が相対的に高くなる傾向にあ
り、一方コア型枠5のコーナー部では熱の放散が大きい
ため養生温度が相対的に低くなる傾向にあることが知見
されたため、前述のようにコア型枠5の中間部とコーナ
ー部とを別々に温度制御できるようにすることにより、
より均一の温度で養生することが可能となる。
【0022】一方、エアパネル7は、エアの給気および
脱気により膨張および収縮が可能な、ほぼフラットかつ
平行な2面を有するマット状のエア構造体であり、たと
えば特開平9−151604号に記載されるもの等を用
いることができる。前記エアパネル7の裏面側には、面
ファスナーシート21が接着剤等により貼設されるとと
もに、外面側にはコッターシート8が接着剤等により貼
設されたエアパネルユニットPとして提供され、前記
面状発熱シート6面に着脱自在に接着される。前記コッ
ターシート8は、防水布用帆布の一種であるターポリン
シート8Aにコッター形成用型木8Bを上下方向に複数
段に亘って配設し、これら各コッター形成用型木8Bを
覆うカッターシート8Cを設けた構造のシート材であ
り、エアパネル7を保護し転用回数を増やすために用い
られている。したがって、仮にエアパネル7に直接カッ
ター形成用突部を形成する場合には前記コッターシート
8は省略することができる。なお、前記コッターシート
8は、エアパネル7,7のコーナー部においては、図6
に示されるように、各面に配設されたコッターシート8
をコーナーシート8aによって連続させるようにしてい
る。
【0023】前記エアパネル7,7…は、コア型枠5の
各面に対しそれぞれ配設され、コア型枠5の周囲を囲繞
するように配設されているため、図6に示されるように
エアパネル7,7同士が接触する接合部外面には窪みが
形成されてしまう。そこで、図6に示されるように、前
記窪みを埋めるため断面略三角形状の面木22を前記コ
ッターシート8の内面側に一辺を接着した状態で設ける
ことにより平滑性を確保するようにしている。この際、
前記面木22はエアパネル7に対して当接する二つの当
接面の内、一方の当接面はエアパネル7と接着するよう
にし、他方の当接面は非接着とするのが望ましい。特
に、本例ではコア型枠5の角部より突出している側のエ
アパネル7当接面22aを接着し、他方のエアパネル7
に対する当接面22bは非接着としている。このように
一方の面を接着し、他方の面を非接着とすることにより
図7に示されるように、脱型時に各エアパネル7、7が
収縮しようとする際に、その収縮を妨げることがないと
ともに、膨張時には一方の面が接着されていることによ
り正規の窪み位置に面木22が確実に位置決めされるよ
うになる。また、面木22配設部位が脱気時に同図に示
されるように、内側に移動しコンクリート面との接触部
Bの幅が減少または完全に剥離するようになるため、脱
型時にコンクリートとの剥離が確実になされるなどの利
点が同時にもたらされるようになる。
【0024】他方、前記エアパネル7、7…のエア注入
口部の納まり構造は、図8に示されるように、エアパネ
ル7の下端部にエア注入口7aを設けておき、ベース型
枠9の内部に前記エア注入口7aを位置させるように
し、ベース型枠9を貫通させて配置したエアホース24
を前記エア注入口7aに接続するようにしている。な
お、ベース型枠9の内面は図示されるように、断熱材2
3,23…が貼設されている。前記エアパネル7,7…
に対するエア給気および脱気は、図9に示される設備に
よって行われる。エアパネル7の各エア注入口7aに対
し接続された4本のエアホース24,24…を分岐金具
を用いて最終的に1本のエアホース流路とし、制御バル
ブ25を介して加圧・減圧ポンプ26に接続し、この加
圧・減圧ポンプ26の操作により前記エアパネル7,7
…の膨張および収縮を制御するようにしている。
【0025】以上のように構成される内型枠2において
は、面状発熱シート6を前記エアパネル7との組合せに
よって使用することにより、単独で面状発熱シート6を
使用するよりも効果的に保温養生が出来るようになって
いる。すなわち、面状発熱シート6からエアパネル7面
側に伝達される熱は、先ずエアパネル7に伝達されエア
パネル7内部の空気を暖める。そして、内部空気の温度
上昇と共に、コンクリート面に対して伝達されるため、
面状発熱シート6からの熱が均等化されてコンクリート
面に伝達されるようになる。また、前記エアパネル7内
部の空気に熱が蓄熱されるため、急激な温度変化があっ
たとしても前記エアパネル7の温熱空気が緩衝層となっ
てコンクリート面における急激な温度変化を阻止し得る
ようになる。一方、前記面状発熱シート6からコア型枠
5面側に伝達される熱は、特にコア型枠5内部が密閉さ
れた空間となっている場合には、この密閉された内部空
気を暖め蓄熱されるようになるため、外気温の急激な変
化があってもその影響をあまり受けることがないととも
に、蓄熱された熱が養生熱として有効的に作用するよう
になるため、少ない熱エネルギーにより効率よくコンク
リートを保温養生することが可能となる。
【0026】ところで、上記例ではコア型枠5に対し
て、面状発熱シート6を貼設し、次いでエアパネル7を
その外面に貼設するようにしたが、この構成は反対であ
ってもよい。すなわち、図11に示されるように、コア
型枠5に対してエアパネル7を貼設し、このエアパネル
7の外面に面状発熱シート6を貼設し、さらにコッター
シート8によって覆うようにしてもよい。
【0027】この態様であっても、面状発熱シート6か
らエアパネル7側に伝達されエアパネル7内部の空気に
蓄熱された熱量が、コンクリート面の養生熱として利用
されるようになるなど、面状発熱シートからの熱が無駄
に放散されることなく有効的に活用されることにより熱
効率に優れた保温養生が実現されるようになる。
【0028】以下、前述した型枠装置1を用いて外殻P
Ca柱部材を製造する場合の手順について詳述する。
【0029】先ず、内型枠2を組み立て、レール設備4
の中央に固定配置したならば、エアパネル7から脱気を
行い収縮させた状態とする。
【0030】図12に示されるように、先組された鉄筋
27をクレーン等の吊上げ設備を用いて吊持し、内型枠
2の上方から吊り降ろして所定の位置に仮固定する。な
お、前記先組鉄筋27の上部側には塞ぎ型枠15が予め
取付けられている。次いで、図13に示されるように、
先組鉄筋27を吊り上げ支持した状態のままで、各エア
パネル7に給気を行い均等に膨張させ、コア型枠5に対
して略同心的に先組鉄筋27が位置決めされていること
を確認したならば、図14に示すように移動外型枠3
A、3Bを内型枠2側に接近させ、前述した要領により
移動外型枠3A、3Bを結合する。ここまでの作業が完
了したならば、クレーン等による吊り支持を開放し、図
15に示すように、コンクリートポンプ29から繰り出
されたコンクリートホース28を圧入口16に接続し、
高流動性コンクリートをポンプ圧入する。その後、塞ぎ
型枠15に形成した確認孔からコンクリートが洩れ出し
たことを確認してコンクリート打設作業を完了する。
【0031】コンクリートの打設が完了したならば、こ
の状態から養生工程に入る。養生はほぼ1日とし、外部
温度をモニターしながらコンクリート温度が15〜30
℃程度となるように前記面状発熱シート6の電気的制御
を行うようにするのが望ましい。この際、面状発熱シー
ト6の電圧を制御するプログラマブルコントローラなど
の制御装置を設備し、連日の外気温変化のデータに基づ
いて、所定時間毎に電圧量、すなわち発散される熱量を
変化させた制御パターンを予めセットし、自動的に制御
するようにしてもよい。
【0032】その後、1日の養生が終了したならば型枠
装置1の脱型作業に入る。脱型は図16に示されるよう
に、エアパネル7から脱気を行い収縮させることにより
行い、エアパネル7が完全に収縮したならば、図17に
示すように、移動外型枠3A、3Bを内型枠2から離反
させる方向に移動させる。所定の位置まで移動させたな
らば、図18に示されるように、クレーン設備等によっ
て製造された中空PCa部材を吊り上げ移動させ、次の
中空PCa部材の製造を繰り返し行うようにする。
【0033】以上、断面正方形状の外殻PCa柱部材を
製造する場合について詳述したが、本発明に係る内型枠
の場合には、上記正方形状の断面以外に長方形断面等の
種々の断面変化に対して容易に対応することが可能とな
る。すなわち、従来のエアチューブによる内型枠の場合
には、異なる断面形状のPCa部材を製作する場合、そ
の中空断面寸法に合うようにエアチューブを製作し直さ
なければならなかったが、本内型枠の場合には寸法変更
になった辺のエアパネルを交換するだけで済むようにな
る。また、台形や三角形、或いは任意多角形状など複雑
な断面形状であっても、その断面形状に合わせてコア型
枠を製作し、その面毎にエアパネルを取り付ければよい
ため任意形状の中空PCa部材であっても容易に製作が
可能となる。
【0034】
【発明の効果】以上詳説のとおり本発明によれば、大掛
かりな養生設備を必要としないで、コンクリート打設完
了後にそのまま養生工程に移行することができるように
なるとともに、少ない熱エネルギーにより効率よくコン
クリートを保温養生することが可能となる。また、温度
制御性にも優れ温度管理が容易に行えるようになるなど
種々の利点がもたらされるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る中空PCa部材製造用内型枠2を
用いた型枠装置1の概略斜視図である。
【図2】型枠組立状態の側面図である。
【図3】型枠組立状態の平面図である。
【図4】内型枠2の横断面図である。
【図5】内型枠2の分解図である。
【図6】エアパネル7,7の接合部を示す要部拡大図で
ある。
【図7】脱気時のエアパネル7,7接合部を示す要部拡
大図である。
【図8】エアパネル7のエア注入口部の納まり構造を示
す縦断面図である。
【図9】エアパネル7の給気/脱気設備を示す概略図で
ある。
【図10】面状発熱シート6の他の配設要領を示す分解
図である。
【図11】内型枠2の他の構成例を示す分解図である。
【図12】中空PCa部材の製造手順図(その1)であ
る。
【図13】中空PCa部材の製造手順図(その2)であ
る。
【図14】中空PCa部材の製造手順図(その3)であ
る。
【図15】中空PCa部材の製造手順図(その4)であ
る。
【図16】中空PCa部材の製造手順図(その5)であ
る。
【図17】中空PCa部材の製造手順図(その6)であ
る。
【図18】中空PCa部材の製造手順図(その7)であ
る。
【図19】従来の養生装置を示す斜視図である。
【図20】従来の他の養生装置を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…型枠装置、2…内型枠、3A・3B…移動外型枠、
4…レール設備、5…コア型枠、6…面状発熱シート、
6A…中間部面状発熱シート、6B…コーナー部面状発
熱シート、7…エアパネル、8…コッターシート、9…
ベース型枠、20…面ファスナーテープ、21…面ファ
スナーシート、22…面木
フロントページの続き (72)発明者 西尾 敦昌 神奈川県厚木市三田47−3 佐藤工業株 式会社中央技術研究所内 (72)発明者 近藤 悟 神奈川県厚木市三田47−3 佐藤工業株 式会社中央技術研究所内 (72)発明者 浦川 和也 神奈川県厚木市三田47−3 佐藤工業株 式会社中央技術研究所内 (72)発明者 若林 祐司 神奈川県厚木市三田47−3 佐藤工業株 式会社中央技術研究所内 (72)発明者 多田 展郎 埼玉県八潮市大字浮塚336番地1号 ト ーヨー産業株式会社内 (72)発明者 田村 和安 埼玉県上尾市大字原市1536−3 (56)参考文献 特開 平10−264129(JP,A) 特開 平10−264133(JP,A) 特開 昭53−94413(JP,A) 特開 昭55−75057(JP,A) 特開 平5−118134(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B28B 11/24 B28B 21/20 B28B 23/08 E04G 13/02

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】製造される中空PCa部材の内空断面形状
    よりも一回り小さい断面外形状を有する構造支持体とし
    てのコア型枠と、このコア型枠の外面に貼設された面状
    発熱シートと、この面状発熱シートを間に介して前記コ
    ア型枠の外面に貼設されるとともに、エアの脱気により
    収縮可能なマット状のエアパネルとから構成したことを
    特徴とする養生機能を備えた中空PCa部材製造用内型
    枠。
  2. 【請求項2】製造される中空PCa部材の内空断面形状
    よりも一回り小さい断面外形状を有する構造支持体とし
    てのコア型枠と、このコア型枠の外面に貼設されるとと
    もに、エアの脱気により収縮可能なマット状のエアパネ
    ルと、このエアパネルの外面に貼設された面状発熱シー
    トとから構成したことを特徴とする養生機能を備えた中
    空PCa部材製造用内型枠。
  3. 【請求項3】前記コア型枠は起立支持されている請求項
    1、2いずれかに記載の養生機能を備えた中空PCa部
    材製造用内型枠。
  4. 【請求項4】前記エアパネルおよび/または面状発熱シ
    ートの外面側に、コッター形成用突部を有するコッター
    シートを貼設した請求項1〜3いずれかに記載の養生機
    能を備えた中空PCa部材製造用内型枠。
  5. 【請求項5】前記コア型枠は中空とされるとともに、蓋
    板および底板を備え、内部が密閉された空間となってい
    る請求項1〜4いずれかに記載の養生機能を備えた中空
    PCa部材製造用内型枠。
  6. 【請求項6】前記コア型枠の各側面に中間部面状発熱シ
    ートを貼設するとともに、コア型枠のコーナー部にコー
    ナー部面状発熱シートを貼設し、それぞれの面状発熱シ
    ートを別々に制御可能としてある請求項1〜5いずれか
    に記載の養生機能を備えた中空PCa部材製造用内型
    枠。
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