JP3075468B2 - 電子線描画方法および電子線描画装置 - Google Patents

電子線描画方法および電子線描画装置

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JP3075468B2 JP09167594A JP16759497A JP3075468B2 JP 3075468 B2 JP3075468 B2 JP 3075468B2 JP 09167594 A JP09167594 A JP 09167594A JP 16759497 A JP16759497 A JP 16759497A JP 3075468 B2 JP3075468 B2 JP 3075468B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、床振動等の外部環
境から電子線描画装置に伝達される振動を検出し、電子
ビームの照射位置を偏向補正することによって高精度に
描画を行う電子線描画方法および電子線描画装置関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体素子の集積度が向上したこ
とに伴って、微細な加工寸法が要求されるようになって
きた。従って、電子線描画装置による描画精度もさらに
高精度のものが要求される。定盤上に設定された試料室
と電子光学鏡筒からなる電子ビーム描画装置は、電子銃
から放射された電子ビームを電子レンズで収束し偏向器
で偏向させることにより、所望のパターンを試料上に描
画する。このとき、床からの振動が定盤に伝達される
と、試料室および電子光学鏡筒が振動し、電子銃、電子
レンズ、偏向器を保持している電子光学鏡筒と試料との
位置関係が相対的にずれるため、試料上で電子ビームの
位置ずれが生じ、描画精度が低下する。従来において
は、例えば、特開平2−189916号公報では、電
子線描画装置の倒れ込み振動が描画精度に及ぼす影響を
低減させるために、ビームのずれ角に応じてステージ位
置測長結果を補正する方法が提案されている。すなわ
ち、上記方法では、ステージの座標を読み取っている
が、その測長結果を電子ビームのずれ角の大きさに応じ
て補正している。また、特願平8−45815号明細
書および図面では、構造が複数の振動モードで振動する
ときに、各振動モードの振動振幅を偏向器にフィードバ
ックさせることによって、ビーム照射位置を補正する方
法が提案されている。この場合、衝激的な振動としてイ
ンパルスで加わるため、複数の固有振動が同時に励振さ
れることになり、具体的には160Hz,200Hz,
250Hzの3つのモードの振動振幅を重ね合わせて、
偏向器にフィードバックさせている。さらに、特開平
6−117481号公報では、外乱が引き起こす定盤の
振動を抑制するために、定盤の振動を検出し、定盤を支
持しているアクチュエータを駆動させることによって、
外部環境からの振動を絶縁する方法が提案されている。
すなわち、この方法では、振動に対して定盤自身をアク
チュエータにより停止させる。ただ、この方法では、定
盤の位置が停止していればよいということで、アクチュ
エータが動作したときに電子光学鏡筒も振動するおそれ
がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来においては、床振
動のような低振動数帯域では、試料室および電子光学鏡
筒は一体となって振動するため、描画には影響しないと
されていた。しかしながら、床と試料室との間に除振機
構を設けている場合でも、ステージ移動時には試料室の
振動振幅は5Hzで1μm程度生じている。このとき、
電子光学鏡筒は試料室と同位相で振動し、かつ試料室に
対する電子光学鏡筒の振動振幅比が1.5〜3倍である
と、試料上では電子ビームの位置ずれが数〜数十ナノメ
ートル生じることが判明した。床振動などの外部環境振
動から装置への振動を遮断するために、パッシブ除振機
構やアクチュエータで制振させるアクティブ除振機構が
用いられている。パッシブ除振機構は、例えば、エアダ
ンパやオイルダンパ等のバネ定数とダンピング係数とを
調節して振動を制振させる機構であり、アクティブ除振
機構は、例えば圧電素子のようなアクチュエータで定盤
に力を加えて制止させる機構である。しかし、パッシブ
除振機構は10Hz以上の振動数帯域での除振効果は大
きいが、パッシブ除振機構の共振点での除振効果は乏し
い。この点、アクティブ除振機構は低い振動数帯域でも
効果的に除振が行なえる。このアクティブ除振機構で
は、アクチュエータを動作させ構造の振動を速やかに減
衰させることによって、ビームの位置振動を低減させる
ことができる。
【0004】しかしながら、アクティブ除振による方法
では、試料室の位置を静止させるようにアクチュエータ
を動作させるため、アクチュエータの動作により電子光
学鏡筒が振動したときに生ずる電子ビームの位置ずれに
ついては低減できない。そこで、構造の振動を検出し、
直接、ビームに偏向補正する方法による方がより良い効
果が期待できる。さらに、ビームの位置補正はアクチュ
エータを利用しないため、装置の価格を安価にすること
ができる。一方、上記従来例では、複数モードの固有
振動についてのみ偏向器にフィードバックさせて補正し
ていたが、振動数の帯域を見ると、固有振動の周囲につ
いても補正する必要がある。すなわち、構造の固有振動
に着目したビームの位置補正に関しては、スペクトルと
して現れる振動の影響を除去することは可能であるが、
ある周波数帯域で分布を持つ床振動に対しては十分機能
しない。そこで、本発明の目的は、このような従来の課
題を解決し、床からの振動が電子線描画装置に伝達され
る状態で、試料室の振動検出信号を電子ビームの位置に
偏向補正することができ、かつ構造の固有振動の周辺周
波数帯域についても補正して、高精度に描画することが
可能な電子線描画方法および電子線描画装置を提供する
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すめため
に、本発明の電子線描画方法では、先ず始めに、試料室
の位置振動に対する電子ビームの位置振動との伝達関数
を測定し、この伝達関数の測定結果を補正信号生成装置
内の補正量演算装置に記憶させておく。次に、試料室に
取付けた振動計から振動検出信号を得て、振動検出信号
を補正信号生成装置に供給する。補正信号生成装置で
は、振動検出信号をフーリエ変換して試料室の振動振幅
とし、補正量演算装置に供給する。次に、試料室の振動
振幅と前記の伝達関数をもとに電子ビームの位置ずれ量
を演算し、この位置ずれを補正する補正量を決定する。
さらに、信号調節部では電子ビームの位置補正量を偏向
器への補正信号に変換し、補正信号の大きさと位相の調
節を行う。この補正信号を偏向器に供給することによっ
て、床振動の影響を取り除いた状態での描画を実施する
ことができる。本発明では、試料室の振動に対する電子
光学鏡筒の振動の伝達関数は不変であるため、この伝達
関数をもとに、試料室の振動検出信号から電子光学鏡筒
の位置変化を予測できることに着目した。さらに、電子
ビームは電子光学鏡筒の上部に取り付けられている電子
銃から放射されるため、電子光学鏡筒上部の位置と試料
上の電子ビームの位置には相関関係がある。したがっ
て、試料室の位置振動に対する電子ビームの位置振動と
の伝達関数と、電子光学鏡筒の振動検出信号とから電子
ビームの位置ずれを補正することは可能である。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を、図面に
より詳細に説明する。微細パターンを描画する電子ビー
ム描画装置において、機械振動は描画精度を低下させる
要因の一つである。パッシブ除振機構では、床振動のよ
うな10Hz以下の低い振動に対しては除振効果が乏し
く、除振しきれない振動が試料室に伝達される場合があ
る。このとき、電子光学鏡筒の振動は試料室の振動より
も増幅されることが実測されている。そこで、本発明に
おいては、この振動に起因する電子ビームの位置ずれを
低減させるため、試料室の振動を検知しながら、試料室
の位置振動に対するビームの位置振動との伝達関数の大
きさと位相を基にして、電子ビームの照射位置をリアル
タイムに補正する。すなわち、本発明では、床振動に起
因するビームの位置ずれを補正しながら描画を行う。ま
た、本発明では、上述のように床振動によるビームの位
置ずれを補正することができるので、除振台に余分な機
構は不要となり、除振台の簡素化を図ることが可能であ
る。
【0007】(第1実施例)図1は、本発明の第1の実
施例を示す電子線描画装置の断面構成図である。電子光
学鏡筒1内の電子銃2から放出された電子ビーム3は、
電子レンズ4で収束し、偏向器5で偏向されることによ
り試料6に照射する。試料室7の内部には、試料6が搭
載されているステージ8が収納されており、ステージ8
はステージ駆動系9により駆動される。電子光学鏡筒1
は、試料室7の上面に据えられている。さらに、電子光
学鏡筒1と試料室7とからなる本体部は、除振台10の
上に設置されている。また、電子光学鏡筒1と試料室7
の内部は、バルブ11を通してポンプ12により排気さ
れ、真空に保持されている。試料室7に振動計13を取
り付け、試料室7の振動を検出する。振動計13は、加
速度計または変位計のいずれでもよい。加速度計として
は、圧電型加速度計、動電型加速度計、歪計型加速度
計、サーボ型加速度計などがあり、変位計としては、静
電容量型変位計、レーザ変位計などがある。なお、加速
度計を用いる場合は、加速度信号を2回積分すると変位
信号が得られる。
【0008】図2は、電子線描画装置の振動モードを示
す図であり、図3は、試料室の振動に対する電子光学鏡
筒の振動との伝達関数を示す図である。本発明における
ビームの位置補正は、次のようにして行なわれる。試料
室7の振動検出信号を補正信号生成装置14に送り、偏
向補正信号を生成する。偏向補正信号の生成方法につい
ては後述する。この偏向補正信号は、電子ビーム制御部
15から出力されている描画データの偏向信号に加えら
れ、偏向器5に送られる。このように、本実施例では、
振動を検出しながら電子ビームの位置を偏向補正するこ
とによって位置ずれを低減する。図2に示すように、床
振動あるいはステージ移動によって試料室7が振動し、
試料6と電子光学鏡筒1との相対位置が変化すると、試
料6上でビームの位置ずれが生じる。試料室7に対する
電子光学鏡筒1の伝達関数を測定した結果、伝達関数の
位相は図3(a)、伝達関数の振動振幅は図3(b)の
ようになった。電子光学鏡筒1は試料室7と同位相で振
動し、試料室7に対する電子光学鏡筒1の振動振幅比は
5〜8dB(1.5倍〜2.5倍)であった。このため、
床振動から伝達される振動は、試料室7から電子光学鏡
筒1へと伝達される過程でさらに増幅されることがわか
った。
【0009】次に、電子ビームの照射位置の測定方法に
ついて述べる。図4は、ナイフエッジ法による電子ビー
ムの位置測定方法を示す図であり、図5は、標準マーク
法による電子ビームの位置測定方法を示す図である。図
4(a)に示すように、金属やシリコンなどを材料とす
るナイフエッジ16に電子ビ−ム3を照射する。電子ビ
−ム3の位置が変わると、図4(b)のようにビーム電
流検出器17の電流量が変化する。図4(b)に示すよ
うに、電子ビーム3がナイフエッジ16にかからずに試
料17に照射されている間は透過電子量が大であるが、
電子ビーム3がナイフエッジ16にかかり始めると、透
過電子量は急激に小さくなる。従って、ビーム電流検出
器17の電流量と電子ビームの走査量との関係を調べて
おけば、電流量の変化からビ−ム照射位置の変化を測定
することができる。また、図5(a)に示すように、標
準マーク18のエッジに電子ビーム3を照射して、その
ときの反射電子を反射電子検出器19によって検出する
と、図5(b)に示すように、電子ビーム3が標準マー
ク18のエッジにかからずに試料に照射されている間は
反射電子量は小さいが、電子ビーム3が標準マーク18
のエッジにかかり始めると、反射電子量は急激に大きく
なる。この反射電子量の変化から、電子ビームの照射位
置の変化を測定してもよい。
【0010】図6は、共振点における伝達関数の測定方
法を示す図であり、図7は、伝達関数の自動測定方法を
示す図である。本実施例では、振動数に対する振幅の大
きさおよび位相の特性を正確に求めるために、図6のよ
うな構成を用いて測定する。そして、ビームの位置振動
と試料室7の振動との関係、つまり共振点における伝達
関数を、以下のように求める。図6に示すように、振動
計13を試料室7に取り付け、試料室7の振動を検出す
る。また、前記のナイフエッジ法によってビーム電流検
出器17の出力信号から試料上の電子ビームの位置振動
を測定する。このようにして得られた試料室7の振動検
出信号と電子ビームの位置振動の検出信号を伝達関数測
定装置20に与える。伝達関数測定装置20では、試料
室7の振動に対する電子ビームの位置振動との伝達関数
を測定する。共振点での伝達関数の大きさと位相から、
ビームと試料室7との振動振幅比と位相差がわかる。そ
こで、このビーム位置振動と試料室7の振動振幅比およ
び位相差をもとに、試料室7の振動検出信号からビーム
の位置ずれ量を演算することができる。さらに、図7に
示すように、装置に加振器21を取り付け、加振信号発
生器22によって周波数掃引信号やランダム加振信号や
インパルス信号を加振器21に与えて、意図的に装置を
加振して、試料室7の振動に対する電子ビームの位置振
動との伝達関数を自動的に測定してもよい。
【0011】図8は、本発明の一実施例を示す補正信号
生成装置の構成図である。図8に示すように、補正信号
生成装置14は、周波数分析装置23と補正量演算装置
24と信号調節部25から構成される。試料室7の振動
検出信号を振動計13で検出して、これを周波数分析装
置23に供給することにより、周波数分析装置23で
は、振動検出信号から除振台の共振点成分のみを抽出す
る。周波数分析装置23の具体的な例として、除振台の
共振点に設定したバンドパスフィルタがある。次の補正
量演算装置24内に、先に測定した試料室7の振動に対
する電子ビームの位置振動との伝達関数を記憶させてお
く。周波数分析装置23を通過した試料室7の共振点成
分の振動検出信号と、除振台共振点での前記伝達関数の
大きさと位相からビームの位置ずれ量を演算する。電子
ビームの位置と偏向電圧との関係は線形であるため、信
号調節部25では、補正量演算装置24から供給された
ビームの位置ずれを補正する信号を出力する。
【0012】図9は、本発明によるX方向とY方向の電
子ビームの位置補正方法を示す図であり、図10は、本
発明により補正信号を偏向器に供給する方法を示す図で
ある。X−Y平面でのビームの位置ずれを低減させるた
めには、図9に示すように、振動計X26と振動計Y2
7から試料室7のX方向とY方向の振動を検出し、バン
ドパスフィルタX28とバンドパスフィルタY29に供
給する。そして、各バンドパスフィルタ通過後の信号を
補正量演算装置24に供給し、X方向の伝達関数をもと
にX方向のビームの位置ずれ量を演算し、Y方向の伝達
関数をもとにY方向のビームの位置ずれ量を演算する。
信号調節部25では、X方向とY方向に生じるビームの
位置ずれに相当する補正信号を、それぞれ補正信号X3
0と補正信号Y31として出力する。図10に示すよう
に、補正信号生成装置14から出力される補正信号X3
0と補正信号Y31は、それぞれ電子ビーム制御部15
から出力される偏向信号X32と偏向信号Y33に加え
られ、偏向器X34と偏向器Y35に供給される。以上
のように、試料室7の振動検出信号を、試料室7の振動
に対するビーム位置振動の伝達関数にもとづいて、ビー
ム位置を偏向補正することにより、床振動に起因するビ
ームの位置ずれを補正して描画を行うことができる。第
1の実施例では、共振点での伝達関数を求めて、これか
らビームの位置ずれを演算し、ビームの位置を偏向補正
する方法を示している。例えば、除振台10のエアダン
パに基づく信号を補正する実施例である。
【0013】(第2実施例)図11は、本発明の第2の
実施例を示すもので、任意の周波数帯域でビームの位置
補正を行なう場合を示す図である。第1の実施例では、
共振点における伝達関数の測定方法および電子ビームの
位置補正方法を説明したが、本実施例では、共振点の周
辺の周波数帯域でのビームの位置補正方法を詳述する。
振動計13から検出した信号を周波数分析装置23に供
給する。ここで、除振台10の共振点をf、整数nとす
る。周波数分析装置23では、任意の周波数帯域(f−
nδ,…,f,…,f+nδ)で振動検出信号の周波数分析
を離散的に行なう。補正量演算装置24では、各周波数
ごとに、前述の第1の実施例と同様にビームの位置補正
量を演算し、各周波数ごとに信号調節部25に供給す
る。信号調節部25では、各周波数ごとのビームの位置
補正量に相当する信号を出力する。さらに、出力信号を
1つに加算して、偏向補正信号とする。なお、周波数分
析後、直ちに加算すると補正量が不正確に演算される。
その理由は、フィルタの機能として1つのセンサから複
数の異なる波形に分離するので、重なった信号のまま補
正量を計算すると、ビームの位置に対応しなくなり、そ
の結果、ビームへの影響が異なってくる。
【0014】図12は、周波数分析装置の他の実施例を
示すもので、複数のバンドパスフィルタを用いた場合で
あり、図13は、定盤の振動と電子ビームの位置振動と
の関係を示す図であり、図14は、補正量演算装置の構
成例を示す図である。共振点をf(Hz)、nを整数とし
て、周波数分析装置23内に中心周波数をf-nδ(Hz)か
らf+nδ(Hz)までδ(Hz)づつずらしたバンドパスフィル
タ36を設け、これらのバンドパスフィルタ36に振動
検出信号を同時に供給する。各バンドパスフィルタを通
過する信号から、各振動数での試料室7の振動振幅を得
ることができる。なお、バンドパスフィルタの中心周波
数は、共振点fを中心とする周波数f±iδ(Hz)
(i=1,2,・・・,n)である。次に、補正量演算
装置24では、図13(a)のように求められた振動周
波数毎の試料室7の振動振幅と、試料室7の振動に対す
る電子ビームの振動との伝達関数(図13(b))とを
掛算することによって、電子ビームの位置ずれを図13
(c)のように求めることができる。そこで、図14に
示すように、補正量演算装置24内では、周波数分析装
置23内の複数のバンドパスフィルタ36を通過した信
号振幅(A―2,A−1,A0,A+1,A+2)を伝達関
数の大きさ(K―2,K−1,K0,K+1,K+2)で増
幅させることによって、各周波数ごとの電子ビームの位
置ずれを(E―2,E−1,E0,E+1,E+2)として
リアルタイムに得ることができる。次に、このビームの
位置ずれを各周波数ごとに信号調節部25に送り、第1
の実施例と同様の信号処理を行うことによって、共振点
だけではなく、その前後の振動数帯域でもビームの位置
補正を行うことができる。
【0015】(第3実施例)図15は、本発明の第3の
実施例を示すもので、周波数分析装置として高速フーリ
エ変換(fast Fourier transform)器を用いた構成例で
ある。試料室7の振動検出信号を高速フーリエ変換器3
7に供給し、各周波数ごとに試料室7の振動振幅(A―
2,A−1,A0,A+1,A+2)を得る。さらに、逆フ
ーリエ変換器38を用いて、各周波数で逆フーリエ変換
することによって各周波数ごとの時刻歴波形を得る。以
下、第2の実施例と同様の信号処理を行うことによっ
て、共振点だけではなくその前後の振動数帯域でビーム
の位置補正を行うことができる。なお、高速フーリエ変
換器37は、フーリエ変換器の一種であり、ディジタル
でフーリエ変換を行うもので、振動検出信号のスペクト
ル波形をリアルタイムに出力して、各振動数毎にそれぞ
れに供給する。
【0016】(第4実施例)図16は、本発明の第4の
実施例を示すもので、定盤上に装置本体を設置した構成
例である。電子光学鏡筒1と試料室7とからなる本体部
は定盤39上に設置されており、定盤39は除振台10
の上に設置されている。定盤39に振動計13を取り付
け、定盤39の振動を検出する。この定盤の振動検出信
号を、実施例1から実施例3に記載の試料室の振動検出
信号と同様の処理を行なうことにより、床振動に起因す
るビームの位置ずれを補正する。通常は、図16に示す
ように、本体部を定盤39上に設置して使用している。
【0017】(第5実施例)図17は、本発明の第5の
実施例を示した図で、本発明の電子ビーム描画方法を用
いた半導体集積回路の製造工程を示す。図17(A)か
ら図17(D)はその工程を示す素子の断面図である。
実験的に行ったために、全ての工程で本発明の電子ビー
ム描画方法を用いたのではなく、図17(C)の感光剤
49のパターンニングを行う工程でのみ本発明の方法を
用いて行い、他の工程では従来の方法を用いて行うこと
により、本発明の効果を確認した。Nマイナスシリコン
基板40に通常の方法でPウエル層41、P層42、フ
ィールド酸化膜43、多結晶シリコン/シリコン酸化膜
ゲート44、P高濃度拡散層45、 P高濃度拡散層4
6などを形成した(図17(A))。次に、リンガラス
(PSG)の絶縁膜47を被着し、絶縁膜47をドライ
エッチングしてコンタクトホール48を形成した(図1
7(B))。次に、通常の方法でW/TiN電極配線5
0材を被着し、その上に感光剤49を塗布し、本発明の
電子ビーム描画方法を用いて感光剤49のパターンニン
グを行った(図17(C))。そして、ドライエッチン
グなどによりW/TiN電極配線50を形成した。
【0018】次に層間絶縁膜51を形成し、通常の方法
でホールパターン52を形成した。ホールパターン52
の中はWプラグで埋め込み、Al第2配線53を連結し
た(図17(D))。以降のパッシベーション工程は、
従来法を用いた。本実施例では、主な製造工程のみを説
明したが、W/TiN電極配線形成のリソグラフィ工程
で本発明の電子ビーム描画方法を用いたこと以外は、従
来法と同じ工程を用いた。以上の工程により、微細なパ
ターンを形成することができ、CMOSLSIを高歩留
まりで製造することが出来た。本発明の電子ビーム描画
方法を用い半導体集積回路を製作した結果、配線の解像
不良の発生を防止でき、製品の良品歩留まりが大幅に向
上した。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
床からの振動が電子ビーム描画装置に伝達される状態で
も、試料室の振動検出信号を電子ビームの位置に偏向補
正することにより、高精度な描画を行うことができる。
さらに、本発明の構成によれば、除振台の簡素化を図る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す電子線描画装置の
断面構造図である。
【図2】電子線描画装置の振動モードを示す図である。
【図3】試料室の振動に対する電子光学鏡筒の振動との
伝達関数を示した特性図である。
【図4】ナイフエッジ法による電子ビームの位置測定方
法を示した図である。
【図5】標準マーク法による電子ビームの位置測定方法
を示した図である。
【図6】本発明の伝達関数の測定方法を示した図であ
る。
【図7】本発明による伝達関数の自動測定方法を示した
図である。
【図8】本発明による補正信号生成装置の構成を示した
図である。
【図9】本発明におけるX方向とY方向の電子ビームの
位置補正方法を示した図である。
【図10】図9における補正信号を偏向器に供給する方
法を示した図である。
【図11】本発明の第2の実施例を示す電子線描画装置
の構成図であって、任意の周波数帯域で補正信号を離散
的に生成する図である。
【図12】本発明における周波数分析装置に複数のバン
ドパスフィルタを用いた例である。
【図13】試料室の振動と電子ビームの位置振動との関
係を示した図である。
【図14】本発明における補正量演算装置の構成例を示
した図である。
【図15】本発明の第3の実施例を示す電子線描画装置
の構成図であって、周波数分析装置に高速フーリエ変換
を用いた例である。
【図16】本発明の第4の実施例を示す電子線描画装置
の断面構造図であって、装置本体を定盤に設置した例を
示している。
【図17】本発明の描画方法を半導体集積回路の製造工
程に適用した場合を示す工程図である。
【符号の説明】
1…電子光学鏡筒、2…電子銃、3…電子ビーム、4…
電子レンズ、5…偏向器、6…試料、7…試料室、8…
ステージ、9…ステージ駆動系、10…除振台、11…
バルブ、12…真空ポンプ、13…振動計、14…補正
信号生成装置、15…電子ビーム制御部、16…ナイフ
エッジ、17…ビーム電流検出器、18…標準マーク、
19…反射電子検出器、20…達関数測定装置、21…
加振器、22…加振信号発生器、23…周波数分析装
置、24…補正量演算装置、25…信号調節部、26…
振動計X、27…振動計Y、28…バンドパスフィルタ
X、29…バンドパスフィルタY、30…補正信号X、
31…補正信号Y、32…偏向信号X、33…偏向信号
Y、34…偏向器X、35…偏向器Y、36…バンドパ
スフィルタ、37…高速フーリエ変換器、38…逆フー
リエ変換器、39…定盤、40…Nマイナスシリコン基
板、41…Pウエル層、42…P層、43…フィールド
酸化膜、44…多結晶シリコン/シリコン酸化膜ゲー
ト、45…P高濃度拡散層、46…N高濃度拡散層、4
7…リンガラス(PSG)の絶縁膜、48…コンタクト
ホール、49…感光剤、50…W/TiN電極配線、5
1…層間絶縁膜、52…ホールパターン、53…Al第
2配線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−188181(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/027

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子銃から放出した電子ビームを電子レ
    ンズで収束し、該電子ビームを偏向器で偏向し、該電子
    ビームを試料に照射して、該試料上に所定のパターンを
    描画する電子線描画方法において、 試料室の振動を検出する第1の工程と、検出された振動
    の共振点および該共振点周辺の振動周波数を分析する第
    の工程と、前記振動周波数分析の結果と予め記憶され
    伝達関数とから電子ビームの位置ずれ量を特定する第
    の工程と、試料上に所定のパターンを偏向するデータ
    と前記第2の工程での位置ずれ量を補正するデータを演
    算する第4の工程とを有することを特徴とする電子線描
    画方法。
  2. 【請求項2】 前記電子ビームの位置ずれを特定する第
    3の工程は、試料室からの振動検出信号をフーリェ変換
    する工程を含むことを特徴とする請求項1記載の電子線
    描画方法。
  3. 【請求項3】 前記フーリェ変換する工程として、高速
    フーリェ変換処理を用いることを特徴とする請求項2記
    載の電子線描画方法。
  4. 【請求項4】 電子銃、該電子銃からの電子ビームを収
    束する電子レンズ、該電子ビームを偏向する偏向器を備
    えた電子光学鏡筒と、試料を搭載するステージ、該試料
    を真空雰囲気に保つ試料室とから構成される電子線描画
    装置であって、前記 試料室の振動を検出する手段と、除振台の共振点お
    よび該共振点周辺の各周波数成分の振動検出信号を離散
    的に周波数分析する手段と、 該振動検出信号と予め測定した該試料室の振動に対する
    電子ビームの位置振動との伝達関数とから電子ビームの
    位置ずれ量を特定する手段と、前記 位置ずれを偏向により補正しながら所定のパターン
    を描画する手段と、を有することを特徴とする電子線描
    画装置。
  5. 【請求項5】 電子銃と、該電子銃からの電子ビーム
    偏向する偏向器と、試料を搭載するステージと、試料を
    真空雰囲気に保つ試料室と、前記試料室を据付けている
    定盤と、該定盤の振動を検出する振動検出手段から構成
    される電子線描画装置であって、前記 振動検出手段からの共振点および共振点周辺の各周
    波数成分の振動検出信号を用いて電子ビームの位置ずれ
    量を特定し前記位置ずれ量を補正する如く電子ビームの
    照射位置を偏向する手段を有することを特徴とする電子
    線描画装置。
  6. 【請求項6】 前記振動検出手段として、バンドパスフ
    ィルタを有することを特徴とする請求項5記載の電子線
    描画装置。
  7. 【請求項7】 前記振動検出手段として、加速度計また
    は変位計を用いることを特徴とする請求項5記載の電子
    線描画装置。
  8. 【請求項8】 前記加速度計として、圧電型加速度計ま
    たは歪計型加速度計のいずれかを用いることを特徴とす
    る請求項7記載の電子線描画装置。
  9. 【請求項9】 前記変位計として、静電容量型変位計ま
    たはレーザ変位計のいずれかを用いることを特徴とする
    請求項7記載の電子線描画装置。
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