JP3071988B2 - ペオニフロリンの安定化法 - Google Patents
ペオニフロリンの安定化法Info
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- paeoniflorin
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- Medicines Containing Plant Substances (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はペオニフロリンの安定化
法に関する。
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ペオニフロリンを含有する生薬を
配合した製剤は錠剤、顆粒剤やカプセル剤などの固形剤
が汎用されており、ペオニフロリンまたはペオニフロリ
ンを含有する生薬を配合した液剤や外用剤はほとんどな
く、安定性について検討されていないのが現状であっ
た。
配合した製剤は錠剤、顆粒剤やカプセル剤などの固形剤
が汎用されており、ペオニフロリンまたはペオニフロリ
ンを含有する生薬を配合した液剤や外用剤はほとんどな
く、安定性について検討されていないのが現状であっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ペオニフロリンには多
くの薬理作用がある。内服剤の場合、鎮痛、鎮静、抗炎
症、ストレス潰瘍予防、血圧降下など種々の効果があ
り、ペオニフロリンを含有する生薬(シャクヤクやボタ
ンピ等)として漢方薬などの製剤に多く配合されてい
る。しかし、これらの製剤は固形剤がほとんどであり、
服用しずらいという欠点があった。内服剤の場合、液剤
にすることで固形剤よりも速効性が期待でき、なおかつ
小児や老人などに服用しやすいという長所がある。そこ
で、ペオニフロリンまたはペオニフロリンを含有する生
薬を安定に配合した内服液剤が望まれていた。
くの薬理作用がある。内服剤の場合、鎮痛、鎮静、抗炎
症、ストレス潰瘍予防、血圧降下など種々の効果があ
り、ペオニフロリンを含有する生薬(シャクヤクやボタ
ンピ等)として漢方薬などの製剤に多く配合されてい
る。しかし、これらの製剤は固形剤がほとんどであり、
服用しずらいという欠点があった。内服剤の場合、液剤
にすることで固形剤よりも速効性が期待でき、なおかつ
小児や老人などに服用しやすいという長所がある。そこ
で、ペオニフロリンまたはペオニフロリンを含有する生
薬を安定に配合した内服液剤が望まれていた。
【0004】また、外用剤の場合、ペオニフロリンは抗
炎症作用、血管拡張作用、接触性過敏反応及び受身アナ
フィラキシー抑制作用などがあり、皮膚への治療効果ま
たは基剤による皮膚への刺激を緩和する効果が期待で
き、ペオニフロリンまたはペオニフロリンを含有する生
薬を配合した外用剤が望まれていた。しかし、多くのク
リームはW/O型またはO/W型であり、育毛剤などは
水溶液であるため、ペオニフロリンまたはペオニフロリ
ンを含有する生薬を水溶液の形で配合する必要がある。
そのため、ペオニフロリンを水溶液中で安定化すること
が、急務となっていた。
炎症作用、血管拡張作用、接触性過敏反応及び受身アナ
フィラキシー抑制作用などがあり、皮膚への治療効果ま
たは基剤による皮膚への刺激を緩和する効果が期待で
き、ペオニフロリンまたはペオニフロリンを含有する生
薬を配合した外用剤が望まれていた。しかし、多くのク
リームはW/O型またはO/W型であり、育毛剤などは
水溶液であるため、ペオニフロリンまたはペオニフロリ
ンを含有する生薬を水溶液の形で配合する必要がある。
そのため、ペオニフロリンを水溶液中で安定化すること
が、急務となっていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは鋭意
検討した結果、ペオニフロリンを含有する液剤をpH調
節剤によりpH2.5〜5に調節することにより、安定
化することができた。
検討した結果、ペオニフロリンを含有する液剤をpH調
節剤によりpH2.5〜5に調節することにより、安定
化することができた。
【0006】本発明に用いられるpH調節剤の種類とし
ては、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、フマル酸、フタル
酸、乳酸、アジピン酸、コハク酸、マレイン酸、アスコ
ルビン酸、エリソルビン酸、グルコン酸、グリセロリン
酸、サリチル酸、アミノエチルスルホン酸等の有機酸及
びその塩、塩酸、リン酸、酢酸、炭酸などの無機酸及び
その塩、グリシン、アラニン、アスパラギン酸、必須ア
ミノ酸等のアミノ酸及びその塩あるいは水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、トリエタノールアミン、アンモニ
ア及びその塩などのアルカリ剤があげられる。これらの
中でもクエン酸、リンゴ酸、酒石酸、フマル酸、乳酸、
コハク酸およびその塩、及びリン酸塩がペオニフロリン
の安定化効果の点で好ましい。これらのpH調節剤を単
独または複数組み合わせて0.01〜20重量%配合す
ることにより、pH2.5〜5、特にpH3〜4.5の
範囲に調整することにより、ペオニフロリンを安定化す
ることができる。
ては、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、フマル酸、フタル
酸、乳酸、アジピン酸、コハク酸、マレイン酸、アスコ
ルビン酸、エリソルビン酸、グルコン酸、グリセロリン
酸、サリチル酸、アミノエチルスルホン酸等の有機酸及
びその塩、塩酸、リン酸、酢酸、炭酸などの無機酸及び
その塩、グリシン、アラニン、アスパラギン酸、必須ア
ミノ酸等のアミノ酸及びその塩あるいは水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、トリエタノールアミン、アンモニ
ア及びその塩などのアルカリ剤があげられる。これらの
中でもクエン酸、リンゴ酸、酒石酸、フマル酸、乳酸、
コハク酸およびその塩、及びリン酸塩がペオニフロリン
の安定化効果の点で好ましい。これらのpH調節剤を単
独または複数組み合わせて0.01〜20重量%配合す
ることにより、pH2.5〜5、特にpH3〜4.5の
範囲に調整することにより、ペオニフロリンを安定化す
ることができる。
【0007】また、ペオニフロリンを含有する水溶液の
pHを2.5〜5に調整したものは、内服剤の場合、え
ぐ味を感じることなく飲み易くなるという効果もある。
外用剤の場合、pH2.5〜5に調整することにより、
ペオニフロリンの刺激を緩和する効果を向上させる。特
にpH3〜4.5に調整することにより一層高い効果が
期待できる。
pHを2.5〜5に調整したものは、内服剤の場合、え
ぐ味を感じることなく飲み易くなるという効果もある。
外用剤の場合、pH2.5〜5に調整することにより、
ペオニフロリンの刺激を緩和する効果を向上させる。特
にpH3〜4.5に調整することにより一層高い効果が
期待できる。
【0008】
【実施例】保存安定性試験 ペオニフロリン2.58mgを100mlの精製水に溶
解させたペオニフロリン水溶液をクエン酸−リン酸水素
二ナトリウムによりpH2.5〜8に、またホウ酸−塩
化カリウム−水酸化ナトリウムの緩衝液によりpH10
に調整した。この水溶液を55℃、30日間保存し、ペ
オニフロリンの安定性について検討した結果、表1の結
果を得た。なお、安定性の数値は、調製時のペオニフロ
リン量を100%として各々のサンプルに含まれるペオ
ニフロリン量を測定し、百分率で表したものである。
解させたペオニフロリン水溶液をクエン酸−リン酸水素
二ナトリウムによりpH2.5〜8に、またホウ酸−塩
化カリウム−水酸化ナトリウムの緩衝液によりpH10
に調整した。この水溶液を55℃、30日間保存し、ペ
オニフロリンの安定性について検討した結果、表1の結
果を得た。なお、安定性の数値は、調製時のペオニフロ
リン量を100%として各々のサンプルに含まれるペオ
ニフロリン量を測定し、百分率で表したものである。
【0009】
【表1】 以上より、pH2.5〜5、特にpH3〜4.5の範囲
に調整することにより優れたペオニフロリンの安定化効
果が得られることがわかる。
に調整することにより優れたペオニフロリンの安定化効
果が得られることがわかる。
【0010】実施例1 滋養強壮剤内服液 上述の処方の成分を加温溶解し、濾過後、内服液剤を調
製した。このpHは3.5であった。これを40℃(7
5%RH)6カ月の安定性試験を行った結果、表2の結
果を得た。
製した。このpHは3.5であった。これを40℃(7
5%RH)6カ月の安定性試験を行った結果、表2の結
果を得た。
【0011】
【表2】 このようにシャクヤク中のペオニフロリン量は40℃
(75%RH)で6カ月安定であった。
(75%RH)で6カ月安定であった。
【0012】*調製時のペオニフロリン量を100%と
して各々のサンプルに含まれるペオニフロリン量を測定
し、百分率で表した。
して各々のサンプルに含まれるペオニフロリン量を測定
し、百分率で表した。
【0013】実施例2 ハンドクリーム ワセリン、カカオ脂、セトステアリルアルコール、グリ
セリン、ポリオキシエチレンモノステアレート、グリセ
リルモノステアレート、メチルパラベン、ブチルパラベ
ンを加温溶解させ、残りの成分をpH4.5に調整した
水に溶解させて、水相を油層に加え、乳化処理後、クリ
ームを得た。そして、55℃、4週間保存した結果、表
3の通り、ペオニフロリンの良好な安定化効果が得られ
た。
セリン、ポリオキシエチレンモノステアレート、グリセ
リルモノステアレート、メチルパラベン、ブチルパラベ
ンを加温溶解させ、残りの成分をpH4.5に調整した
水に溶解させて、水相を油層に加え、乳化処理後、クリ
ームを得た。そして、55℃、4週間保存した結果、表
3の通り、ペオニフロリンの良好な安定化効果が得られ
た。
【0014】
【表3】 *調製時のペオニフロリン量を100%として各々のサ
ンプルに含まれるペオニフロリン量を測定し、百分率で
表した。
ンプルに含まれるペオニフロリン量を測定し、百分率で
表した。
【0015】実施例3 漢方薬剤 注1)小青竜湯エキス4g中にはシャクヤク3.0g、
マオウ3.0g、ケイヒ3.0g、カンゾウ2.0g、
サイシン3.0g、ゴミシ3.0g、ハンゲ5.0g、
ショウキョウ2.0gから得た水製エキスが含まれてい
る。全量を加温溶解し、濾過後溶液をえた。このpHは
4.0である。
マオウ3.0g、ケイヒ3.0g、カンゾウ2.0g、
サイシン3.0g、ゴミシ3.0g、ハンゲ5.0g、
ショウキョウ2.0gから得た水製エキスが含まれてい
る。全量を加温溶解し、濾過後溶液をえた。このpHは
4.0である。
【0016】実施例4 育毛剤 ゲラ変アルコールに酢酸トコフェロール、l−メントー
ル、サリチル酸、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を溶
解させ、残りの成分を水に溶解させて、水溶液をアルコ
ール溶液に加えて調製した。このpHは3.8であっ
た。
ル、サリチル酸、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を溶
解させ、残りの成分を水に溶解させて、水溶液をアルコ
ール溶液に加えて調製した。このpHは3.8であっ
た。
【0017】
【発明の効果】ペオニフロリンを水溶液中で安定化する
ことにより、内服液または外用剤に配合を可能とした。
ことにより、内服液または外用剤に配合を可能とした。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI A61P 1/04 A61P 1/04 9/12 9/12 29/00 29/00 (56)参考文献 特開 昭60−110251(JP,A) 特開 昭63−30415(JP,A) 特開 昭64−85990(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07H 17/04 A61K 9/08 A61K 47/12 A61K 31/70 A61K 35/78 A61P 1/04 A61P 9/12 A61P 29/00 CAPLUS(STN) MEDLINE(STN) EMBASE(STN)
Claims (1)
- 【請求項1】 ペオニフロリンを含有する水溶液をpH
調節剤によりpH2.5〜5に調節することを特徴とす
るペオニフロリンの安定化法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5307575A JP3071988B2 (ja) | 1993-11-11 | 1993-11-11 | ペオニフロリンの安定化法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5307575A JP3071988B2 (ja) | 1993-11-11 | 1993-11-11 | ペオニフロリンの安定化法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07138279A JPH07138279A (ja) | 1995-05-30 |
JP3071988B2 true JP3071988B2 (ja) | 2000-07-31 |
Family
ID=17970733
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5307575A Expired - Lifetime JP3071988B2 (ja) | 1993-11-11 | 1993-11-11 | ペオニフロリンの安定化法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3071988B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5303086B2 (ja) * | 2001-08-21 | 2013-10-02 | 武田薬品工業株式会社 | 経口液剤 |
JP6440240B2 (ja) * | 2014-02-19 | 2018-12-19 | 国立大学法人富山大学 | 末梢神経障害誘発感覚異常を改善する外用剤 |
JP6418548B2 (ja) * | 2014-07-10 | 2018-11-07 | 国立大学法人富山大学 | 末梢神経の脱髄抑制剤 |
EP4205727A1 (en) * | 2021-12-31 | 2023-07-05 | Sislan (Zhuhai) Pharmaceutical Technology Co., Ltd | A low-skin irritating deodorant composition and a method for preparing it |
-
1993
- 1993-11-11 JP JP5307575A patent/JP3071988B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07138279A (ja) | 1995-05-30 |
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