JP3071453B2 - 誘電体磁器組成物 - Google Patents
誘電体磁器組成物Info
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- JP3071453B2 JP3071453B2 JP2230804A JP23080490A JP3071453B2 JP 3071453 B2 JP3071453 B2 JP 3071453B2 JP 2230804 A JP2230804 A JP 2230804A JP 23080490 A JP23080490 A JP 23080490A JP 3071453 B2 JP3071453 B2 JP 3071453B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、平坦な温度特性を有し、比誘電率が高く、
焼成温度が低い誘電体磁器組成物に関するものである。
焼成温度が低い誘電体磁器組成物に関するものである。
従来、チタン酸バリウムを主成分とし、温度特性が比
較的平坦で、比誘電率が高く、焼成温度が低い誘電体磁
器組成物として、五酸化ニオブ、チタン酸カルシウム、
希土類元素、酸化マンガンが添加されたものが知られて
いる。(特開昭59−18162号、特開昭59−94302号)。
較的平坦で、比誘電率が高く、焼成温度が低い誘電体磁
器組成物として、五酸化ニオブ、チタン酸カルシウム、
希土類元素、酸化マンガンが添加されたものが知られて
いる。(特開昭59−18162号、特開昭59−94302号)。
しかし、かかる誘電体磁器組成物は、比誘電率εが20
00〜3000と比較的高い値が得られるものの、誘電損失ta
nδが非常に高い誘電体材料となってしまう。
00〜3000と比較的高い値が得られるものの、誘電損失ta
nδが非常に高い誘電体材料となってしまう。
誘電体磁器単体の誘電損失tanδが高いと、積層コン
デンサにその磁器を用いた時、そのコンデンサの誘電損
失tanδ不良となる。この積層コンデンサの誘電損失tan
δ不良を改善するには、誘電体材料のシート層を厚くす
ればよいものの、小型、低背型の積層コンデンサが強く
求められている現在においては、嵩高い積層コンデンサ
になってしまう。
デンサにその磁器を用いた時、そのコンデンサの誘電損
失tanδ不良となる。この積層コンデンサの誘電損失tan
δ不良を改善するには、誘電体材料のシート層を厚くす
ればよいものの、小型、低背型の積層コンデンサが強く
求められている現在においては、嵩高い積層コンデンサ
になってしまう。
本発明者らは上記問題点に鑑みて、鋭意研究を重ねた
結果、チタン酸バリウムに、五酸化ニオブ(Nb2O5)、
酸化亜鉛(ZnO)、プラセオジウム化合物(Pr6O11)を
添加することにより、温度特性が比較的平坦で、比誘電
率が高く、焼成温度が低く、さらに誘電損失tanδが極
めて小さい誘電体磁器組成物が得られることを知見し
た。
結果、チタン酸バリウムに、五酸化ニオブ(Nb2O5)、
酸化亜鉛(ZnO)、プラセオジウム化合物(Pr6O11)を
添加することにより、温度特性が比較的平坦で、比誘電
率が高く、焼成温度が低く、さらに誘電損失tanδが極
めて小さい誘電体磁器組成物が得られることを知見し
た。
本発明が要旨とするところは、チタン酸バリウムBaTi
O3100重量部に対して、五酸化ニオブ(Nb2O5)が0.5〜
2.0重量%、酸化亜鉛(ZnO)が0.1〜0.8重量%、プラセ
オジウム化合物(Pr6O11)が0.3〜0.8重量%添加されて
成る誘電体磁器組成物である。
O3100重量部に対して、五酸化ニオブ(Nb2O5)が0.5〜
2.0重量%、酸化亜鉛(ZnO)が0.1〜0.8重量%、プラセ
オジウム化合物(Pr6O11)が0.3〜0.8重量%添加されて
成る誘電体磁器組成物である。
五酸化ニオブ(Nb2O5)は磁器密度、温度特性に大き
く関与する。五酸化ニオブ(Nb2O5)が0.5重量%未満で
は焼結が不可能となり、2.0重量%を越えると、磁器密
度が低くなり、結果として比誘電率ε、温度特性などが
劣化してしまう。
く関与する。五酸化ニオブ(Nb2O5)が0.5重量%未満で
は焼結が不可能となり、2.0重量%を越えると、磁器密
度が低くなり、結果として比誘電率ε、温度特性などが
劣化してしまう。
酸化亜鉛(ZnO)は焼結性、比誘電率ε、磁器密度に
大きく関与する。酸化亜鉛(ZnO)を含まないと焼結不
可能となり、また0.8重量%を越えると、磁器密度が低
くなり、結果として比誘電率ε、温度特性などが劣化す
る。
大きく関与する。酸化亜鉛(ZnO)を含まないと焼結不
可能となり、また0.8重量%を越えると、磁器密度が低
くなり、結果として比誘電率ε、温度特性などが劣化す
る。
プラセオジウム化合物(Pr6O11)は焼結性、温度特
性、磁器密度に大きく関与する。プラセオジウム化合物
(Pr6O11)が0.3重量%未満では焼結不可能となり、0.8
重量%を超えると磁器密度及び温度特性などが劣化す
る。
性、磁器密度に大きく関与する。プラセオジウム化合物
(Pr6O11)が0.3重量%未満では焼結不可能となり、0.8
重量%を超えると磁器密度及び温度特性などが劣化す
る。
誘電体磁器組成物を前記範囲内に設定することによ
り、誘電率を3000以上、温度変化率が−55〜125℃にわ
たって±15%以内、誘電損失tanδを0.7未満の誘電体磁
器組成物が得られ、コンデンサを作製するための誘電体
磁器シートの厚みを薄くできるので、積層数の少ない小
型、低背型の積層コンデンサが提供できる。また、焼成
温度が1300℃以下となり、積層コンデンサの内部電極材
料に比較的安価なAg−Pd(Ag/Pd=60/40〜70/30)が使
用でき、安価な積層コンデンサが提供できる。
り、誘電率を3000以上、温度変化率が−55〜125℃にわ
たって±15%以内、誘電損失tanδを0.7未満の誘電体磁
器組成物が得られ、コンデンサを作製するための誘電体
磁器シートの厚みを薄くできるので、積層数の少ない小
型、低背型の積層コンデンサが提供できる。また、焼成
温度が1300℃以下となり、積層コンデンサの内部電極材
料に比較的安価なAg−Pd(Ag/Pd=60/40〜70/30)が使
用でき、安価な積層コンデンサが提供できる。
以下、本発明を具体的に説明する。
出発材料として、水熱合成法により生成されたチタン
酸バリウム100重量部に対してNb2O5、ZnO及びPr6O11を
表1に示す配合比になるように秤量し、ボールミルにて
20時間湿式粉砕した後、有機系粘結剤を添加する。しか
る後攪拌、ドクターブレード法で厚さ50μmのテープに
成型した。このテープを30枚積層して、熱圧着(110
℃)した。このようにして作成された積層体を直径20mm
の円板状に打ち抜き、酸素雰囲気にて1250〜1300℃で2
時間焼成した。さらに両端面に銀ペーストによる電極を
焼きつけ試料とした。
酸バリウム100重量部に対してNb2O5、ZnO及びPr6O11を
表1に示す配合比になるように秤量し、ボールミルにて
20時間湿式粉砕した後、有機系粘結剤を添加する。しか
る後攪拌、ドクターブレード法で厚さ50μmのテープに
成型した。このテープを30枚積層して、熱圧着(110
℃)した。このようにして作成された積層体を直径20mm
の円板状に打ち抜き、酸素雰囲気にて1250〜1300℃で2
時間焼成した。さらに両端面に銀ペーストによる電極を
焼きつけ試料とした。
このように形成された試料について、比誘電率ε及び
誘電損失tanδを基準温度25℃、周波数1.0kHz、測定電
圧1.0Vrmsで測定した。また磁器厚み、直径、重量を測
定し、磁器密度を求めた。容量の温度変化率(温度特
性)は−55℃〜+125℃内で求めた。
誘電損失tanδを基準温度25℃、周波数1.0kHz、測定電
圧1.0Vrmsで測定した。また磁器厚み、直径、重量を測
定し、磁器密度を求めた。容量の温度変化率(温度特
性)は−55℃〜+125℃内で求めた。
その結果を表1に示す。試料番号に*印を付したもの
は本発明の範囲外である。
は本発明の範囲外である。
そして本発明の範囲の評価として、比誘電率εは3000
以上を良品とした。即ち、比誘電率εが3000未満では、
充分な比誘電率εが得れず、これにより積層コンデンサ
の小型化が困難となってしまう。
以上を良品とした。即ち、比誘電率εが3000未満では、
充分な比誘電率εが得れず、これにより積層コンデンサ
の小型化が困難となってしまう。
また、誘電損失tanδは0.7%未満を良品とした。即
ち、誘電損失tanδが0.7%以上では、積層コンデンサの
誘電損失tanδ不良(2.5%以上)となり、容量の応答性
が劣化してしまう。誘電体磁器の誘電損失tanδは0.7%
であっても、誘電体磁器シートの一枚を30μm以上にす
れば、積層コンデンサの誘電損失tanδ不良は解消され
るものの、嵩高い積層セラミックコンデンサとなってし
まう。
ち、誘電損失tanδが0.7%以上では、積層コンデンサの
誘電損失tanδ不良(2.5%以上)となり、容量の応答性
が劣化してしまう。誘電体磁器の誘電損失tanδは0.7%
であっても、誘電体磁器シートの一枚を30μm以上にす
れば、積層コンデンサの誘電損失tanδ不良は解消され
るものの、嵩高い積層セラミックコンデンサとなってし
まう。
また、温度特性は±15%以内を良品とした。即ち、温
度特性±15%以外になると、X7R(EIA規格)を満足しな
くなる。
度特性±15%以外になると、X7R(EIA規格)を満足しな
くなる。
また、磁器密度は5.70〜5.85g/cm3を良品とした。磁
器密度が5.70g/cm3未満では焼成が充分におこらず、比
誘電率ε、温度特性を劣化させてしまう。また磁器密度
が5.85g/cm3を越えると、誘電体磁器が過焼結状態とな
り、クラックや異常粒成長が起こり、耐圧特性や抗折強
度性が劣化してしまう。
器密度が5.70g/cm3未満では焼成が充分におこらず、比
誘電率ε、温度特性を劣化させてしまう。また磁器密度
が5.85g/cm3を越えると、誘電体磁器が過焼結状態とな
り、クラックや異常粒成長が起こり、耐圧特性や抗折強
度性が劣化してしまう。
また、焼成温度は1300℃以下が望ましい。焼成温度は
1300℃を越えると、内部電極にPdの含有率が高い高価な
材料を使用しなくては成らなくなる。
1300℃を越えると、内部電極にPdの含有率が高い高価な
材料を使用しなくては成らなくなる。
試料番号1〜7は誘電体材料の主成分となるBaTiO310
0重量部に添加するPr6O11の添加量を検討するため、Pr6
O11を0.2〜0.9重量%まで変化させた。この時、Nb2O5を
0.9〜1.2重量%、ZnOを0.2〜0.5重量%に設定した。
0重量部に添加するPr6O11の添加量を検討するため、Pr6
O11を0.2〜0.9重量%まで変化させた。この時、Nb2O5を
0.9〜1.2重量%、ZnOを0.2〜0.5重量%に設定した。
試料番号1(Pr6O11:0.2重量%)では焼結不可能とな
る。
る。
試料番号2〜6(Pr6O11:0.3〜0.7重量%)では比誘
電率εが3740以上、誘電損失tanδが0.65%以下、温度
特性が−9.9〜+15%、焼成温度が1300℃以下となり、E
IA規格のX7R特性を満足する小型・低背型積層コンデン
サ用の誘電体磁器組成物が達成できる。
電率εが3740以上、誘電損失tanδが0.65%以下、温度
特性が−9.9〜+15%、焼成温度が1300℃以下となり、E
IA規格のX7R特性を満足する小型・低背型積層コンデン
サ用の誘電体磁器組成物が達成できる。
試料番号7(Pr6O11:0.9重量%)では比誘電率ε、誘
電損失tanδ、磁器密度及び焼成温度が良好な結果が得
られるものの、温度特性が±15%を越えて−20%(−55
℃)となってしまう。
電損失tanδ、磁器密度及び焼成温度が良好な結果が得
られるものの、温度特性が±15%を越えて−20%(−55
℃)となってしまう。
従って、本発明のBaTiO3に添加するPr6O11を減少する
と焼結不可能となり、逆にNb2O5を増加すると温度特性
が極端に劣化する傾向がある。
と焼結不可能となり、逆にNb2O5を増加すると温度特性
が極端に劣化する傾向がある。
結局、Pr6O11の添加量は、0.3〜0.8重量%の範囲とし
た。
た。
試料番号8〜17は誘電体材料の主成分となるBaTiO310
0重量部に添加するNb2O5の添加量を検討するため、Nb2O
5を0.4〜2.1重量%まで変化させた。この時、ZnOを0.2
〜0.5重量%、Pr6O11を0.4〜0.6重量%に設定した。
0重量部に添加するNb2O5の添加量を検討するため、Nb2O
5を0.4〜2.1重量%まで変化させた。この時、ZnOを0.2
〜0.5重量%、Pr6O11を0.4〜0.6重量%に設定した。
試料番号8(Nb2O5:0.4重量%)では、焼結不可能と
なってしまう。
なってしまう。
また、試料番号9〜16(Nb2O5:0.5〜2.0重量%)で
は、比誘電率εが3600以上、誘電損失tanδが0.65%以
下、温度変化率が−9.5〜14.5%、磁器密度が5.73〜5.7
6g/cm3、焼成温度1300℃以下となり、EIA規格のX7R特性
を満足する小型・低背型の積層コンデンサ用の誘電体磁
器組成物が達成できる。
は、比誘電率εが3600以上、誘電損失tanδが0.65%以
下、温度変化率が−9.5〜14.5%、磁器密度が5.73〜5.7
6g/cm3、焼成温度1300℃以下となり、EIA規格のX7R特性
を満足する小型・低背型の積層コンデンサ用の誘電体磁
器組成物が達成できる。
試料番号17(Nb2O5:2.1重量%)では磁器密度が5.75g
/cm3未満の5.68g/cm3となり、比誘電率εが2860、温度
特性が±15%を越えて17.3%(125℃)となってしま
う。
/cm3未満の5.68g/cm3となり、比誘電率εが2860、温度
特性が±15%を越えて17.3%(125℃)となってしま
う。
従って、本発明のBaTiO3に添加するNb2O5を0.5〜2.0
重量%とした。
重量%とした。
試料番号18〜25は誘電体系磁組成物の主成分となるBa
TiO3100重量部に添加するZnOの添加量を検討するため、
ZnOを0〜0.9重量%まで変化させた。この時、Nb2O5の
添加量を0.9〜1.3重量%に、Pr6O11の添加量を0.4〜0.6
重量%に設定した。
TiO3100重量部に添加するZnOの添加量を検討するため、
ZnOを0〜0.9重量%まで変化させた。この時、Nb2O5の
添加量を0.9〜1.3重量%に、Pr6O11の添加量を0.4〜0.6
重量%に設定した。
試料番号18(ZnO:0)では、焼結不可能となってしま
う。
う。
試料番号19〜24(ZnO:0.1〜0.8重量%)では比誘電率
εが3500以上、誘電損失tanδが0.65%以下、温度特性
が−10.0〜+14.2%、磁器密度が5.74〜5.80g/cm3、焼
成温度が1300℃以下となり、EIA規格のX7R特性を満足す
る小型で低背型の積層コンデンサ用の誘電体磁器組成物
が達成できる。
εが3500以上、誘電損失tanδが0.65%以下、温度特性
が−10.0〜+14.2%、磁器密度が5.74〜5.80g/cm3、焼
成温度が1300℃以下となり、EIA規格のX7R特性を満足す
る小型で低背型の積層コンデンサ用の誘電体磁器組成物
が達成できる。
試料番号25(ZnO:0.9重量%)では磁器密度が5.75g/c
m3未満の5.63g/cm3となり、比誘電率εが2820、温度特
性が±15%を大きく越えて−40〜26%となってしまう。
m3未満の5.63g/cm3となり、比誘電率εが2820、温度特
性が±15%を大きく越えて−40〜26%となってしまう。
従ってZnOの添加量は、0.1〜0.8重量%の範囲とし
た。
た。
以上のように、チタン酸バリウムBaTiO3100重量部に
対して、Nb2O5が0.5〜2.0重量%、ZnOが0.1〜0.8重量
%、Pr6O11が0.3〜0.8重量%添加されて成る誘電体磁器
組成物では、比誘電率εが3000以上、誘電損失tanδが
0.7%以下、温度特性が±15%(−55〜+125℃)、磁器
密度が5.7〜5.85g/cm3、焼成温度が1300℃以下の誘電体
磁器組成物が達成できる。
対して、Nb2O5が0.5〜2.0重量%、ZnOが0.1〜0.8重量
%、Pr6O11が0.3〜0.8重量%添加されて成る誘電体磁器
組成物では、比誘電率εが3000以上、誘電損失tanδが
0.7%以下、温度特性が±15%(−55〜+125℃)、磁器
密度が5.7〜5.85g/cm3、焼成温度が1300℃以下の誘電体
磁器組成物が達成できる。
この誘電体磁器組成物を用いて、積層コンデンサを作
成すると、高い比誘電率で温度特性X7R(EIA規格)を満
足し、誘電損失tanδが大変に小さいため、磁器シート
の厚みを30μm以下としても、容量の応答性の優れた積
層コンデンサが可能となり、コンデンサの低背化が達成
できる。さらには焼成温度が1300℃以下であるため、内
部電極材料にAg−Pd(Ag/60/40〜70/30)の安価な材料
が使用でき、安価な積層コンデンサが達成される。
成すると、高い比誘電率で温度特性X7R(EIA規格)を満
足し、誘電損失tanδが大変に小さいため、磁器シート
の厚みを30μm以下としても、容量の応答性の優れた積
層コンデンサが可能となり、コンデンサの低背化が達成
できる。さらには焼成温度が1300℃以下であるため、内
部電極材料にAg−Pd(Ag/60/40〜70/30)の安価な材料
が使用でき、安価な積層コンデンサが達成される。
次に、チタン酸バリウムの生成方法について検討す
る。一般にチタン酸バリウムの生成方法には、上述の実
施例で採用される水熱合成方法の他に固相法、蓚酸法が
知られている。上述の実施例で採用した水熱合成法で生
成したチタン酸バリウムは粒径が小さく、粒形状が一定
化する。このため、焼結温度が他の生成方法で作製した
ものよりも約100℃も小さくでき、粒子の異常成長がな
く、より緻密な磁器が達成できる。しかし、その他の固
相法や蓚酸法で生成したチタン酸バリウムでは粒径や形
状が不揃いとなり、安定した特性が得られないことがあ
る。
る。一般にチタン酸バリウムの生成方法には、上述の実
施例で採用される水熱合成方法の他に固相法、蓚酸法が
知られている。上述の実施例で採用した水熱合成法で生
成したチタン酸バリウムは粒径が小さく、粒形状が一定
化する。このため、焼結温度が他の生成方法で作製した
ものよりも約100℃も小さくでき、粒子の異常成長がな
く、より緻密な磁器が達成できる。しかし、その他の固
相法や蓚酸法で生成したチタン酸バリウムでは粒径や形
状が不揃いとなり、安定した特性が得られないことがあ
る。
例えば、固相法で生成したチタン酸バリウム100重量
部に対して、Nb2O5を1.0重量%、ZnOを0.2重量%、Pr6O
11を0.5重量%添加して、その特性を測定すると、試料
の中には、誘電損失tanδが13.7%、温度特性が−15〜
+27%、磁器密度が5.06g/cm3及び焼成温度が1320℃と
なり良品の範囲を越えてしまうものがある。
部に対して、Nb2O5を1.0重量%、ZnOを0.2重量%、Pr6O
11を0.5重量%添加して、その特性を測定すると、試料
の中には、誘電損失tanδが13.7%、温度特性が−15〜
+27%、磁器密度が5.06g/cm3及び焼成温度が1320℃と
なり良品の範囲を越えてしまうものがある。
また、蓚酸法で生成したチタン酸バリウム100重量部
に対して、Nb2O5を1.0重量%、ZnOを0.2重量%、Pr6O11
を0.5重量%添加して、その特性を測定すると、試料の
中には、誘電損失tanδが22.6%、温度特性が−24〜+
8.6%、磁器密度が5.34g/cm3となり良品の範囲を越えて
しまうものがある。
に対して、Nb2O5を1.0重量%、ZnOを0.2重量%、Pr6O11
を0.5重量%添加して、その特性を測定すると、試料の
中には、誘電損失tanδが22.6%、温度特性が−24〜+
8.6%、磁器密度が5.34g/cm3となり良品の範囲を越えて
しまうものがある。
したがって、水熱合成法チタン酸バリウムを生成する
方法が望ましい。これにより、粒径が小さく、粒形状が
一定化したチタン酸バリウムが容易に得られ、焼結温度
が他の生成方法で作製したものよりも約100℃も小さく
でき、粒子の異常成長がなく、より緻密な磁器が達成で
きる。したがって、抗折強度に優れ、耐圧特性が向上し
た磁器となる。
方法が望ましい。これにより、粒径が小さく、粒形状が
一定化したチタン酸バリウムが容易に得られ、焼結温度
が他の生成方法で作製したものよりも約100℃も小さく
でき、粒子の異常成長がなく、より緻密な磁器が達成で
きる。したがって、抗折強度に優れ、耐圧特性が向上し
た磁器となる。
以上のように、本発明によれば、誘電損失tanδが極
めて小さく且つ高比誘電率εで、温度特性に優れた誘電
体磁器組成物となる。
めて小さく且つ高比誘電率εで、温度特性に優れた誘電
体磁器組成物となる。
また、誘電損失tanδが極めて小さいため、一層の磁
器シートの薄い、低背型の積層コンデンサを可能とする
誘電体磁器組成物となる。
器シートの薄い、低背型の積層コンデンサを可能とする
誘電体磁器組成物となる。
さらに焼成温度が低いため、内部電極に安価なAg−Pd
材料を用いた積層コンデンサに使用できる誘電体磁器組
成物となり、安価で且つ抗折強度に優れた積層コンデサ
を可能とする誘電体磁器組成物となる。
材料を用いた積層コンデンサに使用できる誘電体磁器組
成物となり、安価で且つ抗折強度に優れた積層コンデサ
を可能とする誘電体磁器組成物となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 35/42 - 35/49 H01B 3/00 - 3/14 CA(STN) WPI(DIALOG)
Claims (1)
- 【請求項1】チタン酸バリウムBaTiO3100重量部に対し
て、 Nb2O5が0.5〜2.0重量%、 ZnOが0.1〜0.8重量%、 Pr6O11が0.3〜0.8重量% 添加されて成る誘電体磁器組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2230804A JP3071453B2 (ja) | 1990-08-31 | 1990-08-31 | 誘電体磁器組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2230804A JP3071453B2 (ja) | 1990-08-31 | 1990-08-31 | 誘電体磁器組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04114963A JPH04114963A (ja) | 1992-04-15 |
JP3071453B2 true JP3071453B2 (ja) | 2000-07-31 |
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ID=16913537
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2230804A Expired - Fee Related JP3071453B2 (ja) | 1990-08-31 | 1990-08-31 | 誘電体磁器組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3071453B2 (ja) |
-
1990
- 1990-08-31 JP JP2230804A patent/JP3071453B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH04114963A (ja) | 1992-04-15 |
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