JP3071257U - ショーツ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】使用の際に編目に引っかかり瑕が発生しにく
く、しかも、横方向の伸縮性に優れたクロッチ部を有す
るショーツを提供する。 【解決手段】前身部１１、後身部１２及びクロッチ部１
３から構成される裁ち布が後身部１２とクロッチ部１３
との境界線で二つ折りにされた状態で、前身部１１と後
身部１２とがそれぞれの両側縁で縫合されており、縫合
された前身部１１と後身部１２の上端位置に相当するウ
エスト部に伸縮性に富んだレース編みのウエストバンド
２０が縫い付けられていると共に、左右の裾口に装飾縁
取り３０が縫いつけられている。クロッチ部１３は、微
細パイルが各目毎に内面側に密生した片面パイル編組織
と、４×１フロートのフロート編組織とがコース方向に
交互に配設された編地によって形成されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、女性用下着であるショーツ、特に、クロッチ部の伸縮性に優れ、 しかも、クロッチ部の編目が解れにくいショーツに関する。

【０００２】

【従来の技術】

例えば、女性用下着であるショーツは、成型用丸編機を用いて編成された筒状 編地から裁断縫製されるものがあり、図６に示すように、筒状編地Ａから裁断さ れる裁ち布５１は、前身部５２、後身部５３及びクロッチ部５４を有している。

【０００３】 このように筒状編地Ａから裁断された裁ち布５１を、二つ折りにした状態で両 側縁部５２ａ、５３ａで前身部５２及び後身部５３を相互に縫合した後、裾口に 装飾縁取り５５を施し、ウエスト部に伸縮性に富んだウエストバンド５６を取り 付けることによって、図７に示すようなショーツ５０が出来上がる。

【０００４】 前記裁ち布５１における前身部５２及び後身部５３は、通常、プレーン編みに よって編成されるが、クロッチ部５４は着用時における肌触りのよさを確保する ため、微細パイル（ループ）が内面側に突出した片面パイル編みによって編成さ れるのが一般的であり、編み易さ等を考慮して近年では、擬似パイル編みである フロート編みによってクロッチ部５４が編成されることも多くなっている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、クロッチ部５４がパイル編みによって編成されているショーツ５０ は、使用の際にクロッチ部５４の編目に引っかかり瑕が発生しにくいので、編目 が解れにくいという利点があるが、クロッチ部５４における横方向（ウエール方 向）の伸縮性に乏しく、着用感に劣るといった問題がある。

【０００６】 一方、クロッチ部５４が擬似パイル編みであるフロート編みによって編成され ているショーツ５０では、クロッチ部５４が横方向（ウエール方向）の伸縮性に 富んでいるため着用感に優れているという利点があるが、逆に、クロッチ部５４ の編地自体が厚くなると共に、使用の際にクロッチ部５４の編目に引っかかり瑕 が発生しやすく、すぐに編目が解れてしまうといった問題がある。

【０００７】 そこで、この考案の課題は、使用の際に編目に引っかかり瑕が発生しにくく、 しかも、横方向の伸縮性に優れたクロッチ部を有するショーツを提供することに ある。

【０００８】

【課題を解決するための手段及びその効果】

上記の課題を解決するため、この考案のショーツは、パイル編組織とフロート 編組織とが混在している編地によって、クロッチ部を形成したのである。

【０００９】 以上のように、このショーツは、パイル編組織とフロート編組織とが混在して いる編地によって、クロッチ部が形成されているので、横方向の伸縮性に乏しい パイル編組織の欠点が、横方向の伸縮性に優れたフロート編組織の利点によって 相殺されると共に、編目に引っかかり瑕が発生しやすいフロート編組織の欠点が 編目に引っかかり瑕が発生しにくいパイル編組織の利点によって相殺される。

【００１０】 このため、クロッチ部に横方向の伸縮性がある程度確保され、良好な着用感が 得られると共に、ショーツを使用する際に、クロッチ部の編目に引っかかり瑕が 発生しにくく、編目の解れが有効に防止される。

【００１１】 特に、請求項２に記載のショーツのように、パイル編組織とフロート編組織と がコース方向に交互に配設されている編地によって、クロッチ部が形成されてい るものにあっては、パイル編組織及びフロート編組織の欠点が均等に相殺される ので、一方の編組織の欠点が目立つことがなく、しかも、コース方向（縦方向） に伸びる畦によって綺麗な縞模様がクロッチ部に形成されるので、デザイン面に おいても特徴のあるショーツとなる。

【００１２】

【考案の実施の形態】

以下、実施の形態について図面を参照して説明する。図１及び図２に示すショ ーツ１は、２本の編糸を引き揃えて成型用丸編機のニードルに供給することによ って編成されるプレーティング編みの筒状編地から裁断された裁ち布を縫製する ことによって製造されるものであり、図３に示すように、筒状編地から裁断され た裁ち布１０は、前身部１１、後身部１２及びクロッチ部１３から構成されてい る。

【００１３】 前記前身部１１及び後身部１２は、同図に示すように、大部分がプレーン編み によって編成されたプレーン編地１１ａ、１２ａと、クロッチ部１３に接する一 部分がウエール方向に２目毎に１目浮かせた２×１フロートのフロート編みによ って編成されたフロート編地１１ｂ、１２ｂ（図４参照）とから構成されており 、フロート編地１１ｂ、１２ｂは、コース方向に伸びる多数の縦畦によって縞模 様が形成されている。

【００１４】 前記クロッチ部１３は、図５に示すように、肌触りがよい微細パイルが各目毎 に内面側に密生した片面パイル編組織αと、ウエール方向に４目毎に１目浮かせ た４×１フロートのフロート編組織βとがコース方向に交互に配設された編地に よって形成されており、フロート編組織βによって形成されるコース方向に伸び る多数の縦畦によって縞模様が形成されている。

【００１５】 このショーツ１は、図１及び図２に示すように、上述した裁ち布１０が後身部 １２とクロッチ部１３との境界線で二つ折りにされた状態で、前身部１１と後身 部１２とがそれぞれの両側縁で縫合されており、縫合された前身部１１と後身部 １２の上端位置に相当するウエスト部に伸縮性に富んだレース編みのウエストバ ンド２０が縫い付けられていると共に、左右の裾口に装飾縁取り３０が縫いつけ られている。

【００１６】 以上のように構成されたショーツ１は、片面パイル編組織αとフロート編組織 βとがコース方向に交互に配設された編地によって、クロッチ部１３が形成され ているので、ウエール方向（横方向）に伸縮性の乏しい片面パイル編組織αの欠 点が、ウエール方向の伸縮性に優れたフロート編組織βによって相殺されると共 に、編目に引っかかり瑕が発生しやすいフロート編組織βの欠点が編目に引っか かり瑕が発生しにくい片面パイル編組織αによって相殺される。

【００１７】 このため、クロッチ部がパイル編みによって編成された従来のショーツとは異 なり、クロッチ部１３のウエール方向にある程度の伸縮性が付与され、良好な着 用感が得られると共に、クロッチ部がフロート編みによって編成された従来のシ ョーツとは異なり、ショーツ１を使用する際に、クロッチ部１３の編目に引っか かり瑕が発生しにくくなって、編目の解れが有効に防止される。また、フロート 編みによって編成した場合のように、編地が必要以上に厚くなることもない。

【００１８】 特に、片面パイル編組織αとフロート編組織βとがコース方向に交互に配設さ れているので、片面パイル編組織α及びフロート編組織βの欠点が均等に相殺さ れ、一方の編組織の欠点が目立つことがない。

【００１９】 また、クロッチ部１３には、フロート編組織βによってコース方向（縦方向） に伸びる多数の畦が形成され、この畦によって綺麗な縞模様が形成されるので、 デザイン面においても特徴のあるショーツとなる。

【００２０】 なお、この実施形態では、片面パイル編組織αとフロート編組織βとがコース 方向に交互に配設された編地によって、クロッチ部１３が形成されているが、例 えば、…ααβααβαα…、…ββαββαββ…といった具合に、片面パイ ル編組織αとフロート編組織βとが混在している状態であれば、必ずしも、両網 組織α、βがコース方向に交互に配設されている必要はない。ただし、両網組織 α、βをコース方向に交互に配設することによって、両編組織α、βの欠点が均 等に相殺されるという効果が得られることは上述したとおりである。

【００２１】 また、この実施形態では、クロッチ部１３のフロート編組織βとして、ウエー ル方向に４目毎に１目浮かせた４×１フロートが採用されているが、これに限定 されるものではなく、ウエール方向に５目毎に１目浮かせた５×１フロート、ウ エール方向に５目毎に２目浮かせた５×２フロート、ウエール方向に７目毎に２ 目浮かせた７×２フロートといった具合に、フロート編目の間隔及び目数を変え ることによって、ウエール方向（横方向）の伸縮性能及び畦による縞模様を変化 させることができる。

【００２２】 また、この実施形態では、前身部１１及び後身部１２が、部分的にフロート編 みによって編成されているが、これに限定されるものではなく、フロート編みに 代えてスパイラル編みを採用したり、前身部１１及び後身部１２の全領域をプレ ーン編みによって編成することも可能である。

【００２３】 また、この実施形態では、２本の編糸を引き揃えたプレーティング編みによっ て編成された筒状編地から裁断された裁ち布１０によってショーツ１が形成され ているが、これに限定されるものではなく、引き揃える編糸の本数や種類は適宜 決定すればよい。

【００２４】 また、この実施形態では、ウエスト部にレース編みのウエストバンド２０が縫 い付けられているが、これに限定されるものではなく、ニットインによってウエ ストバンドを前身部１１及び後身部１２に一体的に編成することも可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案にかかるショーツの一実施形態を示す
正面図である。

【図２】同上のショーツを示す背面図である。

【図３】同上のショーツを製造するための裁ち布を示す
図である。

【図４】同上のショーツの前身部及び後身部におけるフ
ロート編地部分の編組織を示す図である。

【図５】同上のショーツにおけるクロッチ部の編組織を
示す図である。

【図６】円筒編地から裁断されたショーツ形成用の裁ち
布を示す平面図である。

【図７】一般的なショーツを示す斜視図である。

【符号の説明】

１ ショーツ １０ 裁ち布 １１ 前身部 １２ 後身部 １３ クロッチ部 ２０ ウエストバンド ３０ 装飾縁取り α 片面パイル編組織 β フロート編組織

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 パイル編組織とフロート編組織とが混在
   している編地によって、クロッチ部が形成されているこ
   とを特徴とするショーツ。
2. 【請求項２】 前記クロッチ部を形成している編地は、
   パイル編組織とフロート編組織とがコース方向に交互に
   配設されている請求項１に記載のショーツ。