JP2825810B2 - ショーツ及びその製造法 - Google Patents

ショーツ及びその製造法

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JP2825810B2 JP62271289A JP27128987A JP2825810B2 JP 2825810 B2 JP2825810 B2 JP 2825810B2 JP 62271289 A JP62271289 A JP 62271289A JP 27128987 A JP27128987 A JP 27128987A JP 2825810 B2 JP2825810 B2 JP 2825810B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ショーツ及びその製造法、詳しくは着用感
に優れ且つ簡便に製造し得るショーツ及びその製造法に
関する。 〔従来の技術及びその問題点〕 従来より、ショーツは、その着用感を向上させるため
に、身体の曲線に添うように曲率を変えた多数の見頃片
を縫着して製造されている。そして、ショーツの縫製工
程の簡略化を図るために、特開昭57−21501号公報に記
載のショーツの如く、円筒状の編地を切開し、この切開
した編地を2つ折りにして縫合して製造したショーツ
や、実開昭48−8419号公報に記載のショーツの如く、リ
ブ編で中央をやや細くして編成し縫合したショーツ等が
ある。 しかし、前者のショーツは、一工程で一個分の編成し
か出来ない方法で製造されるものであり、しかもこの方
法は円筒状布の切開に困難を伴う。また、後者のショー
ツは、ショーツ生地がよこ編地のため、切断個所がほつ
れやすい欠点を有している。 また、実開昭49−30110号公報には、縦編機により編
成した生地を用いて製造したショーツが開示されている
が、このショーツは、同公報の第1図に示される如く、
上記生地の所定箇所に切欠き10を設けることによって脚
囲部を形成しており、上記生地にはクロッチ部を形成す
るための編成部分は設けられていないから、同公報の第
2図に示す如き形態とはならず、実際には第5図に示す
如く、ウエストベルト部イと脚囲部ロとは平行になり、
クロッチ部ハに立体的なゆとりがなく、且つ脚ぐりの長
さも不充分な形態となり、着用感の悪いものである。 従って、本発明の目的は、着用感に優れ且つ簡便に製
造し得るショーツ及びその製造法を提供することにあ
る。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明者らは、種々検討した結果、経編機でありダブ
ルラッシェル機により編成されたショーツにおいて、編
成の仕方を工夫することにより、上記目的を達成し得る
ショーツが得られることを知見した。 本発明は、上記知見に基づきなされたもので、経編機
であるダブルラッシェル機により編成された、それぞれ
ショーツ前面部及びショーツ背面部を形成する表裏二層
の生地の結合体からなるショーツであって、上記表裏二
層の生地は、それぞれ順次、ウエストベルト部、身頃部
及びクロッチ部をウェール方向に並列にそれぞれ有して
おり、上記表裏のクロッチ部はそれぞれ上記身頃部のウ
ェール方向の側縁中央部においてコース方向に凸型に突
出して形成されており、表裏の上記ウエストベルト部及
び上記身頃部はそれぞれウェール方向における両端部で
結合されており、表裏の上記クロッチ部は凸型の頂端部
において結合されており、上記身頃部及び上記クロッチ
部の側縁部によって形成される脚囲部は、ウエストベル
ト部と同程度の伸長回復力を有するように編成され、且
つ上記ショーツ背面部の中央に、そのコース方向にヒッ
プ引上げ部が編成されていることを特徴とするショーツ
を提供することにより上記目的を達成したものである。 また、本発明は、上記の本発明のショーツの好ましい
製造法として、経編機であるダブルラッシェル機によ
り、それぞれショーツ前面部及びショーツ背面部を形成
する表裏二層の生地の結合体からなるショーツを製造す
る方法であって、コース方向に上記切断用2重編部を編
成し、ひき続きウェール方向に並列に順次、ウエストベ
ルト部、身頃部及びクロッチ部をそれぞれ表裏二層編成
し、その際に、脚囲部を上記身頃部及び上記クロッチ部
の側縁部によってウエストベルト部と同程度の伸長回復
力を有するように編成し、且つ上記ショーツ背面部の中
央に、上記身頃部の生地よりも糸のテンションを上げて
編成して、上記身頃部よりもコース方向に20〜40%伸長
回復力向上させた巾5〜15mmのヒップ引上げ部を設け、
上記クロッチ部の編成に際しては該クロッチ部のウェー
ル方向における前後部に無編成部を連ねて編成すること
により、該クロッチ部をコース方向に突出させて凸型に
編成し且つ表裏二層のクロッチ部の凸型頂端部を一体的
に編成し、以下同様な編成操作を繰り返すことにより、
帯状二層生地をウェール方向に連続的に製造し、該帯状
二層生地を上記切断用2重編部において切断すると共に
上記無編成部を切除することを特徴とするショーツの製
造法を提供するものである。 〔実施例〕 以下、先ず本発明のショーツを、図面に示す一実施例
について詳述する。 第1図は、本発明のショーツの一実施例の前面部側か
らの斜視図、第2図は、その背面部側からの斜視図、第
3図は、本発明のショーツが連設された帯状二層生地の
一部を示す一ショーツ構成部分の表層側からの平面図、
第4図はその裏層側からの平面図であり、図中、Aはシ
ョーツを、またA′は帯状二層生地をそれぞれ示し、p
は帯状二層生地A′をダブルラッシェル機により編成す
る際のウェール方向を示し、qはそのコース方向を示
す。尚、ウェール方向p及びコース方向qは、図示の矢
標正方向及び(又は)逆方向を意味する。 ダブルラッシェル機により編成された帯状二層生地
A′は、第3図及び第4図に示す如く、それぞれショー
ツ前面部1及びショーツ背面部1′を形成する表裏二層
からなり、それぞれ順次、ウエストベルト部2,2′、身
頃部3,3′及びクロッチ部4,4′をウェール方向pに並列
にそれぞれ有しており、上記表裏のクロッチ部4,4′は
それぞれ上記身頃部3,3′のウェール方向pの側縁中央
部においてコース方向qに凸型に突出して形成されてお
り、表裏の上記ウエストベルト部2,2′及び上記身頃部
3,3′はそれぞれウェール方向pにおける両端部(切断
用2重編部5)で結合されており、表裏の上記クロッチ
部4,4′は凸型の頂端部6において結合されている。 また、上記帯状二層生地A′は、上記クロッチ部4,
4′の前後部に無編成部7を連ねて編成されている。 また、上記身頃部3,3′及び上記クロッチ部4,4′の側
縁部によって形成される脚囲部8,8′は、上記ウエスト
ベルト部2,2′と同程度の伸長回復力を有するように編
成されており、該脚囲部8,8′の内側に添ってネット部
9,9′が編成されている。 第1図及び第2図に示す本発明の実施例のショーツA
は、上述の如く構成された帯状二層生地A′を、その上
記切断用2重編部5でコース方向qに切断線10において
切断すると共に上記無編成部7を切除することにより形
成されたもので、クロッチ部を突出させて編成させてい
るため、着用感に優れたものである。尚、上記実施例の
ショーツAにおける切断用2重編部5は、裏返しにする
ことにより内部に隠すことができるので、表裏二層それ
ぞれの裏面が、ショーツAの表面となるように編成する
のが好ましい。 上記実施例について更に説明すると、上記生地A′の
編成に際しては、1インチ当たりの針数を24〜64程度で
編成し、ウエストベルト部2,2′及び脚囲部8,8′は、
綿、ナイロン、ウーリーナイロン等の糸に70〜560D程度
の太さの伸張力を有するスパンデックス糸を交編するの
が好ましく、糸の太さとしては、綿であれば30〜80番
手、ナイロン、ウーリーナイロン等であれば40〜100D程
度のものを用いるのが好ましい。またウエストベルト部
2,2′及び脚囲部8,8′の50%伸張時伸張回復力は、ウェ
ール方向p、コース方向qとも150〜350g程度とするの
が好ましい。 又、身頃部3,3′及びクロッチ部4,4′は、上述したよ
うな、綿もしくは、柔軟なウーリーナイロン等の合繊
に、20〜70Dのスパンデックスを交編するのが好まし
い。また、身頃部3,3′及びクロッチ部4,4′の50%伸張
時伸張回復力は、ウェール方向p、コース方向qとも50
〜300g程度とするのが好ましい。 また、ショーツの着用感を向上させる上で、図示の如
く、脚囲部8,8′の内側に沿って、40〜100Dのウーリー
ナイロン等の柔軟な糸で1インチ当り7〜16程度に編成
したネット部分を設けるのが一層好ましい。 表裏二層の生地の厚さは、それぞれ、0.04〜1.0mm程
度の薄手とすることが好ましく、0.04mm以下であると、
耐洗濯が悪くなり、1.0mm以上では着用感が悪化する。 また、本発明のショーツを、生理用ナプキンとともに
用いる生理用ショーツとして用いる場合には、図示の如
く、ショーツ背面部1′の中央部に身頃部3′の生地よ
りも糸のテンションを上げて編成し、身頃部よりも、特
にコース方向に20〜40%伸張回復力を向上させた巾5〜
15mmのヒップ引上げ部11を設け、且つショーツ前面部1
のクロッチ部4を、脚囲部8の内側に設けたネット部9
と同様のネットで形成すると、クロッチ部4の後中央部
からの引上げ効果によってナプキンの保持性が向上し、
着用感が良好でナプキンのずれがない優れた生理用ショ
ーツとなる。 次に、上述した本発明のショーツの好ましい製造法で
ある本発明のショーツの製造法の一実施態様について図
面を参照し乍ら説明すると、ダブルラッシェル機によ
り、先ずコース方向qに切断用2重編部5を編成し、ひ
き続きウェール方向pに並列に順次、ウエストベルト部
2,2′、身頃部3,3′及びクロッチ部4,4′をそれぞれ表
裏二層編成する。ただし、上記クロッチ部4,4′の編成
に際しては、該クロッチ部4,4′のウェール方向pにお
ける前後部に無編成部7を連ねて編成することにより該
クロッチ部4,4′をコース方向qに突出させて凸型に編
成し且つ該クロッチ部4,4′の凸型頂端部6を一体的に
編成する。次いで、再び切断用2重編部5を編成し、以
下同様な編成操作を繰り返す。その結果、帯状二層生地
A′がウェール方向pに連続的に製造される。 そして、上述のようにして製造される帯状二層生地
A′においては、上記身頃部3,3′及びクロッチ部4,4′
の側縁部は結合されていないから、該側縁部によって脚
囲部8,8′が形成される。この脚囲部8,8′は、特別な編
成を行わなくても上記の如く身頃部及びクロッチ部を編
成することによって形成されるものであるが、ウエスト
ベルト部と同程度の伸長回復力を有するように編成する
のが好ましい。 従って、上記帯状二層生地A′を上記切断用2重編部
5において切断すると共に上記無編成部7を切除し、反
転させて切断用2重編部5を内側に位置させれば、第1
図及び第2図に示す如きショーツが得られる。尚、切断
用2重編部の切断は、帯状二層生地を製造した後行って
も良く、また帯状二層生地を製造しながら行っても良
い。 以上、本発明のショーツ及びその製造法を、一実施例
及びその一実施態様について説明したが、本発明はこれ
らに限定されるものではなく、例えば、脚囲部を形成す
る、身頃部及びクロッチ部の側縁形状を湾曲させて編成
することもでき、またクロッチ部の頂端部の巾及びその
突出長等も適宜調整でき、その他各部の寸法及び度目調
整も適宜可能である。 〔発明の効果〕 本発明のショーツは、身頃部からクロッチ部を突出さ
せて設けることによりクロッチ部にゆとりを持たせてあ
るため、着用感に優れており、特に本発明の製造法によ
れば極めて簡便に製造される。
【図面の簡単な説明】 第1図は、本発明のショーツの一実施例の前面部側から
の斜視図、第2図は、その背面部側からの斜視図、第3
図は、本発明のショーツが連設された帯状二層生地の一
部を示す一ショーツ構成部分の表層側からの平面図、第
4図はその裏層側からの平面図、第5図は従来品の一例
を示す斜視図である。 A……ショーツ A′……帯状二層生地 p……ウェール方向 q……コース方向 1……ショーツ前面部 1′……ショーツ背面部 2,2′……ウエストベルト部 3,3′……身頃部 4,4′……クロッチ部 5……切断用2重編部 6……頂端部 7……無編成部 8,8′……脚囲部 9,9′……ネット部 10……切断線 11……ヒップ引上げ部

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.経編機であるダブルラッシェル機により編成され
    た、それぞれショーツ前面部及びショーツ背面部を形成
    する表裏二層の生地の結合体からなるショーツであっ
    て、上記表裏二層の生地は、それぞれ順次、ウエストベ
    ルト部、身頃部及びクロッチ部をウェール方向に並列に
    それぞれ有しており、上記表裏のクロッチ部はそれぞれ
    上記身頃部のウェール方向の側縁中央部においてコース
    方向に凸型に突出して形成されており、表裏の上記ウエ
    ストベルト部及び上記身頃部はそれぞれウエール方向に
    おける両端部で結合されており、表裏の上記クロッチ部
    は凸型の頂端部において結合されており、上記身頃部及
    び上記クロッチ部の側縁部によって形成される脚囲部
    は、ウエストベルト部と同程度の伸長回復力を有するよ
    うに編成され、且つ上記ショーツ背面部の中央に、その
    コース方向にヒップ引上げ部が編成されていることを特
    徴とするショーツ。 2.脚囲部の内側に添ってネット部が編成されているこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第(1)項に記載のショ
    ーツ。 3.経編機であるダブルラッシェル機により、それぞれ
    ショーツ前面部及びショーツ背面部を形成する表裏二層
    の生地の結合体からなるショーツを製造する方法であっ
    て、コース方向に切断用2重編部を編成し、ひき続きウ
    ェール方向に並列に順次、ウエストベルト部、身頃部及
    びクロッチ部をそれぞれ表裏二層編成し、その際に、脚
    囲部を上記身頃部及び上記クロッチ部の側縁部によって
    ウエストベルト部と同程度の伸長回復力を有するように
    編成し、且つショーツ背面部の中央に、上記身頃部の生
    地よりも糸のテンションを上げて編成して、上記身頃部
    よりもコース方向に20〜40%伸長回復力向上させた巾5
    〜15mmのヒップ引上げ部を設け、上記クロッチ部の編成
    に際しては、該クロッチ部のウェール方向における前後
    部に無編成部を連ねて編成することにより該クロッチ部
    をコース方向に突出させて凸型に編成し且つ表裏二層の
    クロッチ部の凸型頂端部を一体的に編成し、以下同様な
    編成操作を繰り返すことにより、帯状二層生地をウェー
    ル方向に連続的に製造し、該帯状二層生地を上記切断用
    2重編部において切断すると共に上記無編成部を切除す
    ることを特徴とするショーツの製造法。 4.帯状2層生地を製造した後、切断用2重編部を切断
    することを特徴とする特許請求の範囲第(3)項に記載
    のショーツの製造法。 5.帯状2層生地を製造しながら、切断用2重編部を切
    断することを特徴とする特許請求の範囲第(3)項に記
    載のショーツの製造法。
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