JP3070898U - ドラム用フットペダルの収納兼持ち運びケ―ス - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ペダル本体を圧迫や衝撃による故障や狂いか
ら保護するとともに、収納、取り出しが簡単容易で、取
出後は微調整された状態でそのまま演奏が続行でき、し
かも外観も単純で場所をとらず、積み重ねが可能で、持
ち運び性にも優れたドラム用フットペダルの収納兼持ち
運びケースを提案する。 【解決手段】 フットペダル本体４１がそのまま収容保
持されるペダル収容凹部１３を有する本体部１１と、ヒ
ンジ部１９を介して前記本体部と一体に形成された蓋部
２１とを有する中空な合成樹脂ブロー成形品よりなり、
前記本体部と蓋部は略等大の外形状を有し、蓋部を開い
た状態では蓋部の合着面２２と本体部の合着面１２とが
平坦な連続面となり、かつ蓋部を閉じた状態では全体の
外形状が単一の直方体形状となるように構成されている
とともに、前記本体部と蓋部には外面部を切り欠いた凹
部２５によって把持部１０ｇが形成されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、ドラム用フットペダルの収納兼持ち運びケースに関する。

【０００２】

【従来の技術】

ドラム用フットペダルは、スプリングやベアリング等を有する精密な構造から なりその精度は演奏に大きな影響をもたらす。また、ペダル位置の高低やビータ の長短並びにスプリングの強弱等については、演奏者によって最も好ましいもの に調整されて使用される。

【０００３】 演奏者が演奏を終了した後、該フットペダルを保管あるいは移送する際には、 再調整が面倒なこともあって、そのままの状態で行うのが通常である。せいぜい 、移送あるいは長期保管の際に、ビータ回動用スプリングの一側の係着を外した り、ツインペダルタイプにあっては、２つのペダル本体を連結するロッドを取り 外す程度であった。そして、これらのフットペダルはほとんど露出状態で保管及 び移送がなされるのが一般で、まれに、適当な袋や段ボール等の箱に入れる程度 であった。

【０００４】 しかし、現在のこのような保管、移送方法にあっては、例えば多量の楽器類が 搬入、搬出時に山積みされるような現状において、圧迫や衝撃による故障や狂い は避けることができない。前記のように、この種フットペダルは、精密な構造の 機構を有し、その各部は演奏者によって微調整されているものであるから、その 取り扱いには十分な保護を与えなければならない。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

この考案は前記の点に鑑みなされたもので、ペダル本体を圧迫や衝撃による故 障や狂いから保護するとともに、収納、取り出しが簡単容易で、取出後は微調整 された状態でそのまま演奏が続行でき、しかも外観が単純で場所をとらず、積み 重ねが可能で、持ち運び性にも優れたドラム用フットペダルの収納兼持ち運びケ ースを提案するものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

すなわち、請求項１の考案は、フットペダル本体がビータ回動用スプリングを 外した状態でそのまま収容保持されるペダル収容凹部を有する本体部と、前記本 体部の合着面と合着する合着面を有しかつヒンジ部を介して前記本体部と一体に 形成された蓋部とを有する中空な合成樹脂ブロー成形品よりなり、前記本体部と 蓋部は略等大の外形状を有し、蓋部を開いた状態では蓋部の合着面と本体部の合 着面とが平坦な連続面となり、かつ蓋部を閉じた状態では全体の外形状が突出部 のない単一の直方体形状となるように構成されているとともに、前記本体部と蓋 部にはヒンジ部以外の部分に外面部を切り欠いた凹部によって把持部が形成され ていることを特徴とするドラム用フットペダルの収納兼持ち運びケースに係る。

【０００７】 また、請求項２の考案は、請求項１において、前記本体部に２つのフットペダ ル本体が収容保持されるペダル収容凹部を有し、かつ前記蓋部には前記２つのフ ットベダル本体を連結する連結ロッドが収容保持されるロッド収容凹部を有する ツインペダルタイプ用のものであるドラム用フットペダルの収納兼持ち運びケー スに係る。

【０００８】

【考案の実施の形態】

以下添付の図面に従ってこの考案を詳細に説明する。 図１はこの考案の一実施例に係るドラム用フットペダルの収納兼持ち運びケー スの開いた状態を示す斜視図、図２は図１に示したケースの蓋部を閉じた状態を 示す斜視図、図３はこの考案のケースの他の例を示す斜視図、図４は図３に示し たケースの蓋部を閉じた状態を示す斜視図、図５はツインペダルの配置状態を示 す正面図である。

【０００９】 この考案のドラム用フットペダルの収納兼持ち運びケースは、図１に示すよう に、フットペダル４０の本体４１がビータ回動用スプリング４２を外した状態で そのまま収容保持されるペダル収容凹部１３を有する本体部１１と、前記本体部 １１の合着面１２と合着する合着面２２を有しかつヒンジ部１９を介して前記本 体部１１と一体に形成された蓋部２１とを有する軽量でかつ保護性の高い中空な 合成樹ブロー成形品よりなるものである。図において、符号２９は本体部１１と 蓋部２１を係止する屈曲自在な係止部材である。

【００１０】 前記したように、ドラム用フットペダル４０は、演奏者の好みに合わせて微調 整されているものであり、ビータ回動用スプリング４２により、ビータが付勢さ れた状態で使用される。この考案では、前記ビータ回動用スプリング４２のみを 外した状態で収納される。すなわち、図示したように、ビータ回動用スプリング ４２はその一側の係着が外されることによって付勢されていたビータ４３はフリ ー状態となり、ケース１０内に容易に収容される。前記ビータ回動用スプリング ４２を外しても、フットペダル各部の調整に狂いをもたらすことはなく、再びス プリング４２を掛けることによりもとの調整状態とすることができる。

【００１１】 本体部１１に形成された収容凹部１３は、ドラム用フットペダル４０を固定保 持し、かつ重要なベアリング部やスプリング部が保護された状態で収容できるよ うに、適宜形状の凹凸部とともに形成されている。また、実施例においては、蓋 部２１にも前記本体部１１の収容凹部１３に対応する凹部２３が形成されている 。なお、これらの凹部１３，２３内の空間にフットペダル４０の周辺器具や調整 器具等のための部品収容部を設けることは自由である。

【００１２】 前記本体部１１と蓋部２１は略等大の外形状を有し、蓋部２１を開いた状態で は、図１に示すように、本体部１１との合着面１２と蓋部２１の合着面２２とが 平坦な連続面となり、また図２に示すように、本体部１１と蓋部２１を閉じた状 態では全体の外形状が突出部のない単一な直方体形状となるように構成されてい る。

【００１３】 また、前記本体部１１と蓋部２１には、ヒンジ部１９以外の部分に外面部１０ ａを切り欠いた凹部１５，２５によって把持部１６，２６が形成されている。実 施例の把持部１６，２６は、本体部１１と蓋体２１のそれぞれ対応する開放側側 辺に半割状に形成され、閉じた状態においてそれぞれの合着部に一体の把持部１ ０ｇとなるように形成されている。

【００１４】 この考案のドラム用フットペダルの収納兼持ち運びケース１０は、前記実施例 として例示したフットペダル４０を１個収容するタイプのみならず、請求項２に 規定し、図３及び４に示すように、２つのフットペダル本体５１，５６と連結ロ ッド５９を有するツインペダル５０用とすることができる。 図３に示すツインペダル５０用のケース１０Ａの例では、２つのフットペダル 本体５１，５６を収容保持する収容凹部１３Ａを有する本体部１１Ａと、前記２ つのフットペダル本体５１，５６を連結する連結ロッド５９が収容保持されるロ ッド収容凹部２８Ａを有する蓋体２１Ａから構成される。なお、図において、前 記実施例と同一部材及び部位については同一符号として表した。

【００１５】 ここで、ツインペダル５０とは、図５に示すように、第１ペダル本体５１と第 ２ペダル本体５６の２つのペダル本体を連結ロッド５９で連結して、それぞれの ペダル操作によって第１ペダル本体５１に設けられた第１ビータ５３Ａ及び第２ ビータ５３Ｂを別個独立して回動して演奏するものである。第１ペダル本体５１ の両側には第１ビータ回動用スプリング５２Ａと第２ビータ回動用スプリング５ ２Ｂが設けられている。そして、収納に際しては、図中鎖線で表したように、連 結ロッド５９の連結を解き、第１ビータ回動用スプリング５２Ａと第２ビータ回 動用スプリング５２Ｂの一側の係着を外して行う。

【００１６】

【考案の効果】

以上図示し説明したように、この考案のドラム用フットペダルの収納兼持ち運 びケースによれば、フットペダルを特に分解したり調節したりすることなく、ビ ータ回動用スプリングを外すことによって、安定した状態でフットペダルを収容 保持し保管及び移送することができる。これによって、ペダル本体を圧迫や衝撃 による故障や狂いから保護するとともに、ケースから取り出した後はビータ回動 用スプリングを取り付けるだけで微調整された状態でそのまま演奏が続行できる 。

【００１７】 また、このケースは、開いた状態が完全なフラットな状態となるので、比較的 重くかつ複雑な形状のこの種フットペダルの出入れ作業を簡単容易に行うことが できるとともに、閉じた状態では突出部のない単一な直方体形状となるので、外 観が単純で場所とらず、積み重ねが可能で、持ち運び性にも優れる。他の楽器類 との山積みも容易に可能となる。

【００１８】 さらに、この考案のドラム用フットペダルの収納兼持ち運びケースにあっては 、中空であることより軽量でかつ耐衝撃性に優れ、しかもブロー成形による一体 成形が可能であるからコスト的にも有利である。加えて、このケースは商品の包 装用容器も兼ねることができるので、メーカーでの楽器の製造から流通を経て、 ユーザーでの使用に至るまであらゆる段階で用いることができ、包装用資材の省 資源にも寄与することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例に係るドラム用フットペダ
ルの収納兼持ち運びケースの開いた状態を示す斜視図で
ある。

【図２】図１に示したケースの蓋部を閉じた状態を示す
斜視図である。

【図３】この考案のケースの他の例を示す斜視図であ
る。

【図４】図３に示したケースの蓋部を閉じた状態を示す
斜視図である。

【図５】ツインペダルの配置状態を示す正面図である。

【符号の説明】

１０ ドラム用フットペダルの収納兼持ち運びケース １１ 本体部 １２ 合着面 １３ ペダル収容凹部 １５ 切欠凹部 １６ 把持部 １９ ヒンジ部 ２１ 蓋部 ２２ 合着面 ２５ 切欠凹部 ２６ 把持部 ４１，５１，５６ フットペダル本体 ４２，５２Ａ，５２Ｂ ビータ回動用スプリング ５９ 連結ロッド

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 フットペダル本体がビータ回動用スプリ
   ングを外した状態でそのまま収容保持されるペダル収容
   凹部を有する本体部と、前記本体部の合着面と合着する
   合着面を有しかつヒンジ部を介して前記本体部と一体に
   形成された蓋部とを有する中空な合成樹脂ブロー成形品
   よりなり、 前記本体部と蓋部は略等大の外形状を有し、蓋部を開い
   た状態では蓋部の合着面と本体部の合着面とが平坦な連
   続面となり、かつ蓋部を閉じた状態では全体の外形状が
   突出部のない単一の直方体形状となるように構成されて
   いるとともに、 前記本体部と蓋部にはヒンジ部以外の部分に外面部を切
   り欠いた凹部によって把持部が形成されていることを特
   徴とするドラム用フットペダルの収納兼持ち運びケー
   ス。
2. 【請求項２】 請求項１において、前記本体部に２つの
   フットペダル本体が収容保持されるペダル収容凹部を有
   し、かつ前記蓋部には前記２つのフットベダル本体を連
   結する連結ロッドが収容保持されるロッド収容凹部を有
   するツインペダルタイプ用のものであるドラム用フット
   ペダルの収納兼持ち運びケース。