JP3070876U - 紙パック用ストロ― - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 紙パック内に包装された飲料の吸飲を容易に
する紙パック用ストローを提供する。また、堅固な係止
機能を有するようにした紙パック用２段式伸縮ストロー
を提供する。 【解決手段】 ストロー１００の所定位置に山形断面を
有する少なくとも１つの突起１３０ａ、１３０ｂを形成
することにより、ストロー１００を紙パック１のストロ
ーホール４に挿し込むとき、その薄膜６を突起１３０
ａ、１３０ｂがストロー１００の外径よりも大きい直径
になるように破ることで、ストローホール４とストロー
１００との間に紙パック１の内外を連通する空気流通用
隙間１４０を形成することにより、紙パック１内の飲料
を吸飲する際、その隙間１４０から紙パック１の内部に
外気がスムーズに流入することによって、飲料の吸飲を
容易にできるようにし、また、突起１３０ａ、１３０ｂ
による係止作用によってストロー１００の内管１１０が
外管１２０に堅固に支持される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、紙パック用ストローに関し、特にストローの所定位置に、ストロー ホールの薄膜を大きく（広く）破ることで外部と通じる空気流通用隙間を形成す る少なくとも１つの突起を備えた紙パック用ストローに関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般的に、清涼飲料または牛乳などのような飲料は、携帯及び保管上の利便性 のために紙パックを利用して包装されており、このような紙パックに入れられた 飲料は、使用者がより便利に飲むことができるようにするために、ストローを用 いて吸飲するようにしていることは周知である。これについての一例を図１〜図 ４に示した。

【０００３】 図１は、紙パックに付着されて用いられる従来の２段式伸縮ストローを示した 斜視図、図２は、図１に示したストローの使用状態斜視図、図３は、図２のＩ− Ｉ線方向に沿う断面図、図４は、図３のＡ部分の拡大図である。

【０００４】 まず、図１および図２は、一般的に多く用いられている２００ｍｌ用紙パック を例示したものであり、このような紙パック１は、強度を確保するために少なく とも６重〜７重に形成されている。これとは対照的に、２段式伸縮ストロー１０ を紙パック１の内部に挿入するために紙パック１の上壁に設けられたストローホ ール４には、ストロー１０によっても容易に穿孔できるようにするために、ポリ エチレンとアルミニウム層から成る薄膜６が設けられている。また、紙パック１ のいずれか１つの側面には、紙パック１に入れられた飲料を便利に吸飲するため に、ストロー１０が付着されており、そのストロー１０の先端部は、薄膜６を容 易に突き破るために鋭く形成されている。

【０００５】 このような構成において、紙パック１内の飲料を飲むためにストローホール４ にストロー１０の鋭い先端部を挿し込むと、そのストロー１０の鋭い先端部がス トローホール４の薄膜６を突き破ることにより、ストロー１０は紙パック１の内 部に挿し込まれ、これによって、紙パック１内の飲料をストロー１０を通じて吸 飲できるようになる。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、薄膜６は、前述の通り、軟質のフィルム材で形成されていて、フレキ シブルな特性を有しているため、ストロー１０により破られても、そのままスト ロー１０の周面に密着した状態になる（図３および図４参照）。よって、紙パッ ク１の内部は、ストロー１０を挿し込んだ状態でも、ストロー１０の内部空間を 除くすべての部位が外部と遮断された状態になる。

【０００７】 このため、ストロー１０を通じて紙パック１内の飲料を吸飲するとき、紙パッ ク１の内部は、外部とは遮断された状態になるため、真空状態になる。これによ り飲料の吸飲が漸次難しくなるので、吸飲者はストロー１０から一旦口を離し、 再び吸飲するということを繰り返さなければならないという使用上の不便がある 。また、吸飲者がストロー１０を通じて真空の紙パック１内の飲料を連続的に吸 飲する場合には、漸次高まる真空状態に対抗して、吸飲力を初めよりは次第に大 きくしながら吸飲を行う必要があり、このような吸飲が続くと、吸飲者の頬の部 位や紙パックの両側部位にこれを無理に圧迫する力を加えながら、吸飲を行わな ければならなくなる。

【０００８】 このような問題点を解消するために開発されたストローとして、例えば日本特 許公報平２−３６０２号、日本公開特許公報特開平７−１６３４５０号、７−２ ２２６６５号および７−３２２９４８号に開示されたものが知られている。これ らのストローは、その外表面に長さ方向に沿う溝を形成することにより、このス トローを利用して紙パック内の飲料を吸飲する際、空気が溝を介して紙パックの 内部にスムーズに流入されるようにし、紙パックの内部が真空状態にならないよ うにすることで、飲料の吸飲をスムーズに行えるようにしたものである。

【０００９】 しかし、このような先行技術は、ストローに溝を形成する構成であるため、溝 の形成過程から生じる作業速度の低下は直ちに生産性を低下させ、結果的にスト ローの生産コストを増大させる要因になる。また、溝の深さはさほど深くないた め、フレキシブルな柔軟性を有するストローホールの破られた薄膜の一部が、ス トローの溝に付着して密着する場合があり、その場合には、図１〜図４に示した ストローと同様の問題が生じるおそれがある。また、外管に対する内管の係止力 が弱いため、伸長した内管が、使用の途中で、外管の内部に引っ込んだり、ある いは外管から離脱したりするなどのおそれもある。

【００１０】 したがって、本考案の目的は、前記欠点を解消するためのもので、ストローに 備えられた少なくとも１つの突起が紙パックのストローホールに設けられた薄膜 をストローの外径よりも大きい直径になるように破ることで、ストローとストロ ーホールとの間に隙間が生じるようにすることにより、誰でも紙パック内の飲料 を無理な力を加えずにより容易に安定的に吸飲できるようにした紙パック用スト ローを提供することにある。

【００１１】 本考案の別の目的は、ストローに設けられた少なくとも１つの突起により、ス トローの内管を外管に対しより堅固に係止するようにした紙パック用２段式伸縮 ストローを提供することにある。

【００１２】

【課題を解決するための手段】

前記の目的を達成するために、請求項１に考案は、薄膜により保護されたスト ローホールを有する飲料包装用紙パックにおいて、紙パックに一体的に付着され たストローと、ストローの所定位置から突設され、ストローホールへのストロー の挿入時に薄膜をストローの外径よりは大きく破ることにより、ストローホール とストローとの間に紙パックの内外部を連通するための空気流通用隙間を形成す る山形断面の少なくとも１つの突起と、を含むことを特徴とする。

【００１３】 また、前記目的を達成するために、請求項２に係る考案は、ストローは、長さ 方向に互いにスライド自在に嵌合した外管および内管を有する２段式伸縮ストロ ーで構成され、突起は、外管および内管を互いに係止する係止突起の機能をさら に有することを特徴とする。さらに、請求項３に係る考案は、突起は、互いに隣 接した状態で且つストローの周方向に沿って環状に形成された複数の突起で構成 されていることを特徴とする。

【００１４】

【考案の実施の形態】

以下、図面を参照しながら、本考案の紙パック用ストローの望ましい実施例を 詳細に説明する。図５は、本考案に係る紙パック用２段式伸縮ストローの斜視図 であり、図６は、図５のII−II線方向に沿う断面図である。

【００１５】 図示の通り、本実施形態においては長さ方向に伸縮性を有する２段式伸縮スト ロー１００を例示した。このストロー１００は、外管１２０の内部に内管１１０ をスライド可能に挿入されていることにより、内管１１０は外管１２０に対し伸 縮自在である。このように、ストロー１００が長さ方向に伸縮可能であるため、 紙パック１などの狭い面積にも容易に保管できるとともに、使用時には伸長させ て用いることによって、紙パック１内の飲料の吸飲をより便利に行えるという特 徴がある。内管１１０は、後端部に拡開された拡管部１２２を有し、後述するよ うに、この拡管部１２２が外管１２０内に引っかかる構造になっているため、内 管１１０が、その伸長時に外管１２０から離脱するおそれはない。

【００１６】 本考案は、上述したような２段式伸縮ストロー１００において、ストロー１０ ０の所定部位、すなわち、外管１２０の下側部位に少なくとも１つの突起、この 例では２つの突起１３０ａ、１３０ｂを上下に隣接して設けたものである。これ らの突起１３０ａ、１３０ｂは、ストロー１００の外管１２０の周方向に沿って 環状に形成され、特にストロー１００の外管１２０の内外部に突出するようにし たほぼ山形の断面を有している。

【００１７】 このため、ストロー１００を用いるためにその内管１１０を外管１２０に対し て伸長させると、内管１１０は、外管１２０に対してスライドし、外管１２０に 形成された突起１３０ａ、１３０ｂの間に位置するようになる。その理由は、内 管１１０の拡管部１２２が、それよりは小さい直径で形成された突起１３０ａ、 １３０ｂの山部位に引っかかった状態で係止されるからである。より具体的には 、突起１３０ａ、１３０ｂに拡管部１２２が係止された状態になる内管１１０は 、突起１３０ａの山により、図６でみて下方へのスライドを阻止され、また、突 起１３０ｂの山により、上方へのスライドを阻止される。よって、ストロー１０ ０の内管１１０は、突起１３０ａ、１３０ｂにより、遊動することなく外管１２ ０に堅固に係止された状態に維持される。

【００１８】 突起１３０ａ、１３０ｂは、１つだけを設けてもよいが、後述の通り、紙パッ ク１の薄膜６を破る際に変形しないような強度を確保するため、および内管１１ ０を外管１２０に対してスライドしないように係止する係止突起の機能を有する ようにするためには、少なくとも２つ隣接して設けるのが望ましい。

【００１９】 図７は、図６に示したストロー１００の使用状態斜視図であり、図８は、図７ のIII−III線方向に沿う断面図であって、従来の図１〜図４の紙パックと同一の 部分は、繰り返し説明を避けるために同一の符号で表示した。

【００２０】 紙パック１内の飲料を吸飲するためにストローホール４に本考案のストロー１ ００を挿し込むと、ストロー１００の内管１２０に形成された鋭い先端部により 、ストローホール４を塞いでいた薄膜６は一次的に破られるが、このような作用 は既存のストロー１０と同様である。この状態でストロー１００を紙パック１の 内部にさらに押し込むと、一次的に破られていた薄膜６は、ストロー１００の外 管１２０に設けられた突起１３０ａ、１３０ｂにより、突起１３０ａ、１３０ｂ の直径に対応する大きさよりもっと大きく（広く）破られる。したがって、外管 １２０の突起１３０ａ、１３０ｂがストローホール４を通って紙パック１の内部 に進入し、外管１２０の突起１３０ａ、１３０ｂよりも上側の部位がストローホ ール４に位置するようになると、外管１２０とストローホール４の間に紙パック １の内部と外部を連通する空気流通用隙間１４０が形成される（図８参照）。こ のような空気流通用隙間１４０により、紙パック１の内部に外気をスムーズに流 入させることができるようになるので、紙パック１の内部が真空状態になること はまったくなくなる。その結果、使用者はストロー１００を利用して、抵抗感を まったく受けることなく、紙パック１内の飲料を容易に吸飲することができる。

【００２１】 なお、上述した実施形態は、互いに伸縮自在の外管および内管を有する２段式 伸縮ストローに突起を設けた例であるが、本考案を１本のストローから成るスト レートタイプのストローにも適用できることは、図５〜図８からも容易に理解で きるであろう。

【００２２】

【考案の効果】

以上の通り、本考案によれば、ストローに設けられた突起が、紙パックのスト ローホールを閉塞している薄膜を、ストローの外径よりは大きく（広く）破るよ うにすることで、ストローホールとストローとの間に紙パックの内部と外部を連 通する空気流通用隙間を形成するようにしたことにより、誰でも紙パックの内容 物を大した困難なくより容易に便利に吸飲することができるという効果がある。 また、突起は、２段式伸縮ストローが伸長するとき、その外管に内管が係止され る係止突起としての機能も有し、それにより、内管が外管から離脱したり、ある いは内管が外管内に引っ込んだりしないよう、内管をそのスライドを阻止し、堅 固に支持できるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】紙パックと一体に付着して用いられる従来の２
段式伸縮ストローを示す斜視図である。

【図２】図１に示したストローの使用状態斜視図であ
る。

【図３】図２のＩ−Ｉ線方向に沿う断面図である。

【図４】図３のＡ部分の拡大図である。

【図５】本考案に係る紙パック用２段式伸縮ストローの
斜視図である。

【図６】図５のII−II線方向に沿う断面図である。

【図７】図６のストローの使用状態斜視図である。

【図８】図７のIII−III線方向に沿う断面図である。

【符号の説明】

１・・・紙パック ４・・・ストローホール ６・・・薄膜 １００・・・２段式伸縮ストロー １１０・・・内管 １２０・・・外管 １３０ａ、１３０ｂ・・・突起 １４０・・・空気流通用隙間

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 薄膜により保護されたストローホールを
   有する飲料包装用紙パックにおいて、 前記紙パックに一体的に付着されたストロー；及び前記
   ストローの所定位置から突設され、前記ストローホール
   への前記ストローの挿入時に前記薄膜を前記ストローの
   外径よりは大きく破ることにより、前記ストローホール
   と前記ストローとの間に前記紙パックの内外部を連通す
   るための空気流通用隙間を形成する山形断面の少なくと
   も１つの突起を含むことを特徴とする紙パック用ストロ
   ー。
2. 【請求項２】 前記ストローは、長さ方向に互いにスラ
   イド自在に嵌合した外管および内管を有する２段式伸縮
   ストローで構成され、前記突起は、前記外管および前記
   内管を互いに係止する係止突起の機能をさらに有するこ
   とを特徴とする、請求項１に記載の紙パック用ストロ
   ー。
3. 【請求項３】 前記突起は、互いに隣接した状態で且つ
   前記ストローの周方向に沿って環状に形成された複数の
   突起で構成されていることを特徴とする、請求項１また
   は２に記載の紙パック用ストロー。