JP3070799U - 配線用ケ―ブル支持具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】天井側先行配線の支持を良好に行い得る低廉な
配線用ケーブル支持具を提供する。 【解決手段】両面粘着シ−ト１と基板２との積層体３の
打ち抜き加工品であり、一対の貫通孔３１，３１を備
え、該孔にバインド線４が二股状に挿通され、前記両面
粘着シ−ト１、基板２の少なくとも一方がクッション性
とされている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は配線用ケーブル支持具に関し、例えば天井内配線に使用されるもので ある。

【０００２】

【従来の技術】

戸建て住宅及び集合住宅等の天井には照明器具を配設する必要があり、住宅の 屋内配線は天井裏にまで回して施工しなければならない。而して、天井裏配線は 、壁内部のスイッチやコンセント及び分電盤等に向け引き下げられて屋内配線全 体が構成される。 しかしながら、天井面材の張設時期と壁の内装施工時期とはまちまちであり、 日程上、屋内配線の全体を一貫工程で施工することが不可となるケ−スが通常で ある。

【０００３】 そこで、建物躯体の構築後、天井面材の張設まえに、所定の天井内配線ル−ト に沿い電線（プラスチック絶縁プラスチックシ−スケ−ブル）を配置して天井梁 等の造営部材に支持具で支持し、引下りや立上がり等の後日施工部分に対する残 り電線部分を輪状に形成しておき（直径３０ｃｍ〜４０ｃｍ程度）、後日の適時 に天井面材の張設作業、壁側配線作業及び壁面材張設作業を行うことが通常であ る。

【０００４】 而して、上記の天井側先行配線においては、所定形状の板状樹脂成形品の片面 に孔付き突起を形成し、その孔にバインド線を挿通した支持具を用い、そのバイ ンド線を電線に締縛のうえ支持具を接着剤で前記の造営部材（天井梁やつり木等 ）に接着する方式が採られている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記の樹脂成形支持具の製造には、金型を必要とするために高 コストであり、経済的に不利である。 また、離型剤が付着しているために接着性に問題があり、上記の先行配線の後 、天井面材の張設時までに長時間が経過する場合は、支持具が脱離して電線が垂 れ、天井面材の張設作業に支障を来す畏れもある。

【０００６】 本考案の目的は、天井側先行配線の支持を良好に行い得る低廉な配線用ケーブ ル支持具を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案に係る配線用ケーブル支持具は、両面粘着シ−トと基板との積層体の打 ち抜き加工品であり、一対の貫通孔を備え、該孔にバインド線が二股状に挿通さ れ、前記両面粘着シ−ト、基板の少なくとも一方がクッション性とされているこ とを特徴とする構成である。

【０００８】

【考案の実施の形態】

以下、図面を参照しつつ本考案の実施の形態について説明する。 図１の（イ）は本考案に係る配線用ケーブル支持具の一例を示す断面図、図１ の（ロ）は同じく底面図、図１の（ハ）は図１の（イ）におけるロ−ロ断面図で ある。 図１において、１はセパレ−タ１１付きの両面粘着シ−ト、２は基板、３はこ れら１，２の積層体であり、両面粘着シ−ト１及び基板２の少なくとも一方をク ッション性としてある。 上記クッション性基板としては、発泡プラスチック板、例えば発泡ポリプロピ レン板や発泡硬質ポリ塩化ビニル板（発泡倍率は２〜５倍、好ましくは２．５〜 ４倍）を使用でき、クッション性両面粘着シ−トとしては、繊維化粘着剤をシ− ト状に形成した基材レス両面粘着シ−ト、スポンジ基材の両面に粘着剤を塗布し た基材付き両面粘着シ−ト等を使用できる。 図１において、３１，３１は積層体３の略中央に形成した一対の貫通孔であり 、これらの貫通孔は積層体の打ち抜き加工時に同時に打ち抜かれる。この場合、 前記基板または両面粘着シ−トの何れか一方または双方をクッション性としてあ るから、打ち抜き時の衝撃がそのクッション性のために吸収され、クラック等の 発生無く整然とした輪郭で形成できる。 この打ち抜き加工時、セパ−レ−タ１１に、前記一対の貫通孔３１，３１間に 跨る２本の切れ目１２，１２、または１本のの切れ目をいれることができる。 ４は前記一対の貫通孔３１，３１に二股状に挿通したバインド線であり、プラ スチック被覆金属線、例えばプラスチック被覆鉄線を使用できる。

【０００９】 上記積層体３は、（１）基板２及び両面粘着シ−ト１の双方がクッション性、 （２）基板２が非クッション性で、両面粘着シ−ト１がクッション性、（３）両 面粘着シ−ト１が非クッション性で、基板２がクッション性の何れかの構成にで き、非クッション性の基板としては、例えば、非発泡のプラスチック板（例えば 、ポリ塩化ビニル板、メチルメタアクリレ−ト板）、木板、ボ−ル紙等を使用で き、非クッション性の基板としては、プラスチックフィルム基材、例えばポリエ ステルフィルムの両面に粘着剤を塗布したものを使用できる。

【００１０】 本考案に係る天井内配線用支持具は、図２の（イ）及び図２の（ロ）〔図２の （イ）のロ−ロ断面図〕において、つり木または天井梁への野縁の取付けを終了 したのち、天井面材６を張設するまでの間に、屋内配線のうちの天井側配線を先 行して行う場合に使用され、電線７の支持予定箇所に当該支持具Ａのバインド線 ４を締縛し、その支持具Ａをセパレ−タを剥離のうえ、両面粘着シ−ト１におい てつり木５１や天井梁に接着していく。 このようにして天井側を先行配線し、更に、壁側への引下り配線部や立上り配 線部等の後日に配線施工する残の電線部分を輪状７０（直径３０ｃｍ〜４０ｃｍ 程度の寸法）に束取りし、他業種の作業に支障にならないようにしておく。また 、引下げ側や立上げ側の後日の配線施工時に電線が万一引っ張られても、上記接 着した支持具のうち引下げや立上げの箇所に最も近い支持具が脱離されることの ないように、その支持具をつり木や天井梁に釘で固定しておくことが望ましい。

【００１１】 上記支持具のバインド線の電線への締縛に際しては、二股状バインド線を滑ら せて左右の長さを調整することができる。この調整は、セパレ−タの剥離前に行 われ、この段階ではバインド線の滑りが良好であるために、その調整作業は容易 である。 上記セパレ−タには、切り目を設けてあるから、セパレ−タの剥離は、二股状 バインド線を締縛した後であるにもかかわらず、容易に行うことができる。 上記図１の（ロ）に示すように、セパレ−タに２本の切り目１２，１２を設け た場合は、一対の貫通孔３１，３１間のセパ−レ−タ部分〔図２の（ロ）におけ る符号１１０〕が残された状態でセパレ−タが剥離されるから、セパレ−タの剥 離後でも、二股状バインド線を残存セパレ−タ片１１０上に滑らせて左右の長さ を調整することができる。また、両面粘着シ−トが前記した繊維化粘着剤からな る場合、バインド線の食い込みに対し両面粘着シ−トを補強する効果も期待でき る。

【００１２】 上記支持具の造営部材への接着状態は、図２の（ロ）に示すようにバインド線 の折り返し箇所４０が接着界面に抱き込まれた状態であるが、両面粘着シ−ト１ をクッション性とすれば、両面粘着シ−ト１のクッション性に基づく応力吸収作 用のために、接着界面での剥離力の発生をよく抑制できるので、より安定な接着 性を保証できる。

【００１３】 上記電線には、例えば、二心平型のプラスチック絶縁プラスチックシ−スケ− ブるを使用することができ、図２の（ロ）に示すようにこの平型ケ−ブルのフラ ット面を支持具表面に受承させてバインド線で締縛するために、一対のバインド 線挿通孔の間隔を平型ケ−ブルの巾に等しくするか、やや広くすることが好まし い。

【００１４】 上記において、天井側配線ル−トは照明器具の予定設置位置に至る最短距離と されるが、その位置の変更に対応できるように電線にたるみを付与しておくこと もできる。

【００１５】 上記支持具の輪郭形状は、４角形や円形等の適宜の形状にでき、４角形の場合 は、角部の本体部分のみを除去しセパレータを残しておくと、セパレータの剥離 に便利である。 上記二心平型のプラスチック絶縁プラスチックシ−スの寸法は、（６．４〜８ ．６ｍｍ）×（９．８〜１４．４ｍｍ）であり、支持具の寸法は、（３０〜６０ ｍｍ）×（３０〜６０ｍｍ）とされる。

【００１６】

【考案の効果】

本考案に係る配線用ケーブル支持具では、支持具本体を構成する両面粘着シ− トと基板との少なくとも一方をクッション性としてあるから、打ち抜きでもクラ ックやバリの発生無く容易に製造でき、金型が不要であり、製造コストの低廉化 を図ることができる。 更に、基板に離型剤を必要としない押出成形品を使用できるので、基板と両面 粘着シ−トとを強固に接着でき、また、支持具の造営部材への接着界面にバイン ド線の折り返し箇所が抱き込まれるにもかかわらず、両面粘着シ−トをクッショ ン性とすることにより、両面粘着シ−トのクッション性に基づく応力吸収作用に よってその接着界面での剥離力の発生をよく抑制できるので、支持具の安定な接 着性を保証でき。従って、天井側の先行配線を行ったのち天井面材を張設するま での期間が長くなっても、電線の垂れ下がりなどの非具合なく、天井面材の張設 を円滑に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る配線用ケーブル支持具の一例を示
す図面である。

【図２】本考案に係る配線用ケーブル支持具を用いた天
井側先行配線を示す図面である。

【符号の説明】

１ 両面粘着シ−ト ２ 基板 ３ 積層体 ３１ 貫通孔 ４ バインド線 １１ セパレ−タ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 平井 泰生 大分県大分郡挾間町大字下市 西日本電線 株式会社内 (72)考案者 園田 正和 大分県大分郡挾間町大字下市 西日本電線 株式会社内 (72)考案者 北浦 敏彦 佐賀県神埼郡三田川大字吉田2307番地の２ 九州日東電工株式会社内 (72)考案者 久野 淳男 大阪市福島区福島７丁目９番８号 日本電 気絶縁材料株式会社内

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】両面粘着シ−トと基板との積層体の打ち抜
   き加工品であり、一対の貫通孔を備え、該孔にバインド
   線が二股状に挿通され、前記両面粘着シ−ト、基板の少
   なくとも一方がクッション性とされている配線用ケーブ
   ル支持具。
2. 【請求項２】クッション性基板が発泡体であり、クッシ
   ョン性両面粘着シ−トが多孔質シ−ト状粘着剤、または
   多孔質基材に粘着剤を塗布した両面粘着シ−トである請
   求項１記載の配線用ケーブル支持具。