JP3070740B2 - 3−ヒドロキシ−2,4,5−トリフルオロ安息香酸の製造方法。 - Google Patents

3−ヒドロキシ−2,4,5−トリフルオロ安息香酸の製造方法。

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JP3070740B2
JP3070740B2 JP10376516A JP37651698A JP3070740B2 JP 3070740 B2 JP3070740 B2 JP 3070740B2 JP 10376516 A JP10376516 A JP 10376516A JP 37651698 A JP37651698 A JP 37651698A JP 3070740 B2 JP3070740 B2 JP 3070740B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ニュ−キノロン系抗菌
剤を始めとする医薬、農薬及び液晶材料等の中間原料と
して有用な3-ヒドロ キシ-2,4,5-トリフルオロ安息香酸
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】3-ヒドロキシ-2,4,5-トリフルオロ安息
香酸(以下、FHBAと略称することがある)の製造
法に関してはいくつかの方法が知られており、例えば、
特開昭63-264439号公報及び特開昭64-6235号公報には4-
ヒドロキシ-3,5,6-トリフルオロフタル酸(以下、F
HPAと略称することがある)の脱炭酸による製造法が
提案されている。
【0003】しかしながら、特開昭63-264439号公報記
載の方法では、水の存在下、封管中で140℃まで加熱
するといった自然発生圧下での反応であり、また、特開
昭64-6235号公報記載の方法では、触媒として酸性物質
及びアルカリ性物質の存在下に反応を行っており、酸性
物質使用の場合には、例えば、70重量%硫酸水溶液と
いった極強酸性水溶液中、還流下に約150℃の温度条
件での反応が開示され、一方、アルカリ性物質使用の場
合には水溶媒中、FHPA1モルに対して0.01〜
0.4モル程度のアルカリ性物質の存在下、130〜1
70℃の温度で加圧下での反応を推奨するものである。
【0004】このようにこれらの提案は、強酸性水溶液
中での高温反応あるいは加圧下の反応であるため、工業
化に当たっては高価なグラスライニング反応装置または
耐圧反応装置を使用しなければならない。
【0005】さらに、FHPA1モルに対して0.5
モル程度のアルカリ性物質を含有する水溶媒中、常圧
下、還流温度(約104℃)での反応では、反応速度が
十分ではなく反応終了まで多大の時間を要するという問
題があった。
【0006】
【発明の解決しようとする問題点】本発明者等は、F
HBAの工業的製造に際して、従来技術の有していた、
特に反応装置上の前記問題点を解消すべく研究を行った
結果、
【0007】(1)FHPAを水性溶媒中で加熱脱炭
酸反応させるに際して、該FHPA1モルに対して
0.8〜2当量のアルカリ性物質を用いて常圧下で加熱
するだけで工業的に十分な速度で反応が進行し、容易に
HBAを製造することができるので耐圧反応装置を
用いる必要はなく、また、この場合の反応系のpHは約
3〜8と中性に近いのでステンレス鋼製反応装置など安
価な反応装置を用いることができること、
【0008】また、(2)テトラフルオロフタル酸(以
下、FPAと略称することがある)とアルカリ性化合
物とを水性溶媒中で加熱してヒドロキシル化反応させる
に際して、アルカリ性化合物として水酸化ナトリウムな
どのアルカリ金属化合物とともに水酸化カルシウムなど
のアルカリ土類金属化合物を用いてヒドロキシル化反応
させ、得られる濾液に硫酸などの酸を添加して部分中和
し、これを常圧下で加熱脱炭酸反応させるだけで、途中
HPAを単離することなく容易にFHBAを製造
することができ、この際にも耐圧反応装置を用いる必要
はなく、また、この場合の反応系のpHも約3〜8と中
性に近いのでステンレス鋼製反応装置など安価な反応装
置を用いることができること、などを見出し本発明を完
成した。
【0009】すなわち本発明は、従来技術が有していた
前述したような問題点を解消して、ステンレス鋼製反応
装置など安価な反応装置を用いて常圧で反応を行うこと
ができるなどFHBAの工業的製造法としては極めて
優れた、新規な製造方法を提供することである。
【0010】
【問題を解決するための手段】本発明における第1の発
明は、4-ヒドロキシ-3,5,6-トリフルオロフタル酸を水
性溶媒中で加熱脱炭酸して3-ヒドロキシ-2,4,5-トリフ
ルオロ安息香酸を製造する方法において、4-ヒドロキシ
-3,5,6-トリフルオロフタル酸1モルに対して1〜2当
量のアルカリ性物質を用い、常圧下に加熱することを特
徴とする3-ヒドロキシ-2,4,5-トリフルオロ安息香酸の
製造方法に関するものである。
【0011】上記第1の発明の脱炭酸反応において用い
ることのできるアルカリ性物質としては、アルカリ土類
金属化合物を含有してなるアルカリ性化合物、すなわ
ち、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バ
リウム等のアルカリ土類金属水酸化物;例えば、酸化マ
グネシウム、酸化カルシウム、酸化バリウム等のアルカ
リ土類金属酸化物;例えば、炭酸マグネシウム、炭酸カ
ルシウム、炭酸バリウム等のアルカリ土類金属炭酸塩;
例えば、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素カルシウム、
炭酸水素バリウム等のアルカリ土類金属炭酸水素塩;例
えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム等のアルカリ金属水酸化物;例えば、炭酸リチウ
ム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭
酸塩;例えば、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩;な
どの無機アルカリ性化合物の外に、例えば、トリメチル
アミン、ジメチルアミン、メチルアミン、トリエチルア
ミン、ジエチルアミン、エチルアミン、トリプロピルア
ミン、ジプロピルアミン、プロピルアミン、モルホリ
ン、ピロリジン、ピペラジン等のアミン類;などの有機
アルカリ性化合物を用いることができる。しかしなが
ら、工業的スケ−ル反応を行った場合の操作性、コス
ト、生成したFHBAの 単離の容易さなどの観点か
ら、アルカリ金属化合物、中でも、水酸化ナトリウムの
使用が最も好ましい。
【0012】上記のアルカリ性物質の使用量は、F
PA1モルに対して0.8〜2当量であることが必要で
あり、好ましくは1〜1.95当量、特に好ましくは
1.5〜1.9当量であるのがよい。
【0013】アルカリ性物質の使用量が該上限値を超え
て多過ぎては、目的物であるFHBAの収率が低下す
る場合があり、一方、該下限値未満と少なすぎては反応
速度が低下する傾向にあるので、該アルカリ性物質の使
用量は該使用量範囲内で適宜決定するのがよい。
【0014】前記第1の発明において用いることのでき
る水性溶媒としては、水、または、水と水溶性有機溶媒
との混合溶媒を使用でき、この水溶性有機溶媒の使用に
より、後記するようにこの第1の発明の脱炭酸反応を還
流温度条件下で行う場合には、還流温度を調節すること
も可能である。
【0015】このような水溶性有機溶媒としては、水1
00重量部に対して50重量部以上溶解するものなら特
に制限なく使用することができ、
【0016】例えば、メチルアルコ−ル、エチルアルコ
−ル、n-もしくはi-プロピルアルコ−ル等の炭素数1〜
3の脂肪族一価アルコ−ル;例えば、アリルアルコ−
ル、フルフリルアルコ−ル等のその他の一価アルコ−
ル;例えば、エチレングリコ−ル、1,2-プロピレングリ
コ−ル、1,3-プロピレングリコ−ル、グリセリン等の炭
素数2〜3の脂肪族多価アルコ−ル;例えば、室温で液
状のポリエチレングリコ−ル;例えば、エチレングリコ
−ルモノメチルエ−テル、エチレングリコ−ルモノエチ
ルエ−テル、エチレングリコ−ルモノブチルエ−テル、
エチレングリコ−ルジメチルエ−テル等のエチレングリ
コ−ルと炭素数1〜4の脂肪族一価アルコ−ルとのモノ
もしくはジエ−テル化物;例えば、ジエチレングリコ−
ルモノメチルエ−テル、ジエチレングリコ−ルモノエチ
ルエ−テル、ジエチレングリコ−ルモノブチルエ−テ
ル、ジエチレングリコ−ルジメチルエ−テル、ジエチレ
ングリコ−ルジエチルエ−テル等のジエチレングリコ−
ルと炭素数1〜4の脂肪族一価アルコ−ルとのモノもし
くはジエ−テル化物;例えば、1-グリセリンモノメチル
エ−テル等のグリセリンと炭素数1〜3の脂肪族一価ア
ルコ−ルとのモノエ−テル化物;例えば、テトラヒドロ
フラン、1,3-ジオキサン、1,4-ジオキサン等の環状エ−
テル類;などの外に、例えば、アセトン、アセトニトリ
ル、ラクトニトリル、N,N-ジメチルホルムアミド、ジメ
チルスルホオキシド、ジエチルスルホオキシドなどのそ
の他の水溶性有機溶媒を挙げることができる。
【0017】これらの有機溶剤は、それぞれ単独でまた
は2種以上混合して用いることができる。これらの有機
溶剤を用いる場合には、これらのうち、入手の容易性や
経済的観点より脂肪族一価アルコ−ル類が特に好適に使
用できる。
【0018】前記第1の発明における水性溶媒の使用量
は、特に限定されるものではなく一般にこの発明におけ
る出発原料であるFHPAの仕込み重量の0.5〜1
0倍量程度の量であるが、1〜5倍量であるのが好まし
く、1.5〜3倍量であるのが特に好ましい。
【0019】該水性溶媒の使用量が該下限値以上であれ
ば、該FHPAおよび生成物FHBAが完全に溶解
するので反応の操作が容易となり、また、該上限値以下
であれば反応速度があまり低下することがないので該水
性溶媒の使用量は、該範囲内で適宜決定するのが好まし
い。
【0020】この脱炭酸反応は、一般に50℃以上の温
度で行うことができ、反応速度の速さの観点から70℃
〜水性溶媒の還流温度の範囲で反応させるのが好まし
い。
【0021】反応時間は、特に制限されるものではない
が、一般に15分〜30時間、好ましくは30分〜10
時間程度の範囲で行うのがよい。
【0022】こうして得られた反応液は、FHBA塩
の水性溶液であり、これに硫酸、塩酸等の無機酸の水溶
液を加えてpH約1〜4にした後、エ−テル、i-プロピ
ルエ−テル、酢酸エチル等の有機溶媒を用いて常法によ
り抽出し、得られる有機層を分液、濃縮、乾燥すること
により目的とする3-ヒドロキシ-2,4,5-トリフルオロ 安
息香酸を単離することができる。
【0023】得られたFHBAは、必要に応じて、水
性溶媒中でメチル化し次いでけん化することにより、抗
菌剤等の原料として有用な3-メトキシ-2,4,5-トリフル
オロ安息香酸を製造することができる。また、FHB
Aを単離することなく、上記 の反応液であるFHB
A塩の水性溶液をそのまま用いて3-メトキシ-2,4,5-ト
リフルオロ安息香酸を製造することもできる。
【0024】本発明における第2の発明は、テトラフル
オロフタル酸とアルカリ土類金属化合物を含んでなるア
ルカリ性化合物とを水性溶媒中で加熱して反応させ、次
いで反応系中の沈澱物を濾別して、得られる濾液に酸を
添加して部分中和した後、常圧下で加熱脱炭酸すること
を特徴とする3-ヒドロキシ-2,4,5-トリフルオロ安息香
酸の製造方法に関するものである。
【0025】上記第2の発明は、先ず、FPAとアル
カリ土類金属化合物を含んでなるアルカリ性化合物とを
水性溶媒中で加熱してヒドロキシル化反応させる。
【0026】上記の「アルカリ土類金属化合物を含んで
なるアルカリ性化合物」としては、アルカリ土類金属化
合物とアルカリ金属化合物とからなるものであるのが好
ましい。該アルカリ土類金属化合物としては、例えば、
水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウ
ム等のアルカリ土類金属の水酸化物;例えば、酸化マグ
ネシウム、酸化カルシウム、酸化バリウム等のアルカリ
土類金属酸化物;例えば、炭酸マグネシウム、炭酸カル
シウム、炭酸バリウム等のアルカリ土類金属炭酸塩;例
えば、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウ
ム等のアルカリ土類金属炭酸水素塩などが例示すること
ができる。これらのうち、出発原料のFPA及び生成
物のFHPAと水不溶性の塩を形成することのないマ
グネシウムまたはカルシウムの化合物が好ましく、入手
が容易で且つフッ素イオンと最も難溶性の塩を作るカル
シウムの化合物、例えば、マグネシウムまたはカルシウ
ムの化合物の使用が好ましく、特にはカルシウムの化合
物、例えば、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、炭酸
カルシウムなどの使用が好ましい。
【0027】上記のアルカリ土類金属化合物とともに用
いることのできるアルカリ金属化合物としては、例え
ば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム等のアルカリ金属水酸化物;例えば、炭酸リチウム、
炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸
塩;例えば、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、
炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩;などを
例示することができる。これらのうち、入手の容易さや
反応操作性の良さ、反応性の良さ等の観点から、水酸化
ナトリウムの使用が最も好ましい。
【0028】アルカリ土類金属化合物として水酸化カル
シウムを用い、これにアルカリ金属化合物として水酸化
ナトリウムを併用した場合、このヒドロキシル化反応は
次式1に従って進行するものと考えられる。
【0029】
【化1】
【0030】上記アルカリ性化合物の使用量は、第2の
発明の出発原料であるFPA1モルに対して、一般に
4〜30当量であるが、前記第1の発明におけると同様
の理由により、好ましくはアルカリ土類金属化合物1〜
10当量(より好ましくは1〜4当量、特に好ましくは
1〜2当量)及びアルカリ金属化合物3〜20当量(よ
り好ましくは3〜10当量、特に好ましくは3〜5当
量)用いるのがよい。
【0031】アルカリ土類金属化合物の使用量が上記上
限値以下であれば、副生する上記のアルカリ土類金属フ
ッ化物及び未反応アルカリ土類金属化合物等の沈澱物の
濾別に際して濾過性が低下することがなく、また、上記
下限値以上であれば、該濾別により得られる濾液中の溶
存フッ素イオン濃度を極微量に抑えることができるの
で、該アルカリ土類金属化合物の使用量は上記使用量範
囲内で適宜決定するのが好ましい。
【0032】また、上記アルカリ金属化合物の使用量が
上記上限値以下であれば、後記するFHPA塩の水性
溶液からFHPAを単離する工程で使用する酸の量
や、本発明の第2の発明での、前記ヒドロキシル化反応
に引き続いての脱炭酸反応に先立つ部分中和の工程にお
いて使用する酸の量が少なくてすみ、また、これらの工
程における操作性、収率及び反応速度を高く保つことが
でき、また、上記下限値以上であれば、該ヒドロキシル
化反応速度を高く保つことができるので、該アルカリ金
属化合物の使用量は上記使用量範囲内で適宜決定するの
が好ましい。
【0033】この第2の発明において用いることのでき
る水性溶媒としては、前記第1の発明におけると同様
に、水、または、水と水溶性有機溶媒との混合溶媒を使
用でき、この水溶性有機溶媒の使用により、この第2の
発明のヒドロキシル化反応を環流温度条件下で行う場合
には、還流温度を調節することも可能である。
【0034】このような水溶性有機溶媒としては、第1
の発明において例示したと同様のもの、すなわち、炭素
数1〜3の脂肪族一価アルコ−ル類、その他の一価アル
コ−ル類、炭素数2〜3の脂肪族多価アルコ−ル類、室
温で液状のポリエチレングリコ−ル、エチレングリコ−
ルと炭素数1〜4の脂肪族一価アルコ−ルとのモノもし
くはジエ−テル化物、ジエチレングリコ−ルと炭素数1
〜4の脂肪族一価アルコ−ルとのモノもしくはジエ−テ
ル化物、グリセリンと炭素数1〜3の脂肪族一価アルコ
−ルとのモノエ−テル化物、環状エ−テル類などを挙げ
ることができ、これらはそれぞれ単独でまたは2種以上
混合して用いることができる。これらの有機溶剤を用い
る場合には、これらのうち、入手の容易性や経済的観点
より脂肪族一価アルコ−ル類が特に好適に使用できる。
【0035】前記ヒドロキシル化反応の反応温度は、第
1の発明の場合と同様に、一般に50℃以上、好ましく
は70℃以上であり、特には、常圧下、70℃〜水性溶
媒の還流温度の範囲で反応させるのが好ましい。また反
応時間は、一般に15分〜20時間、好ましくは30分
〜10時間程度の範囲で行うのがよい。
【0036】反応終了後、反応液を、好ましくは0〜4
0℃に冷却した後、副生するアルカリ土類金属フッ化物
及び未反応のアルカリ土類金属化合物を主体とする沈澱
物を濾別して除去する。
【0037】こうして得られた濾液は、FHPA塩の
水性溶液であり、これに酸を添加して部分中和した後、
引き続き常圧下で加熱して脱炭酸反応させ、目的物であ
るFHBAを生成させる。
【0038】上記の酸としては、特に限定されるもので
はなく、例えば、酢酸、モノクロロ酢酸、トリフルオロ
酢酸、プロピオン酸、マロン酸、コハク酸、安息香酸等
の有機酸;例えば、硫酸、塩酸、臭化水素酸、硝酸、リ
ン酸等の無機酸などアルカリ性を中和できるものならあ
らゆるものを使用できる。しかしながら、反応終了後の
HBAの単離操作の容易さなどの観点から、硫酸、
塩酸等の無機酸を用いるのが最も好ましい。
【0039】これらの酸の使用量としては、濾液中のF
HPAが次式2に示すようにカルボキシル基の1つが
中和された二水素塩や、次式3に示すように2つのカル
ボキシル基が中和された一水素塩、または、これら両者
の混合物の形態で存在するように添加するのがよい。
【0040】
【化2】
【0041】
【化3】
【0042】具体的には、濾液中に存在する過剰のアル
カリ性化合物の量を滴定によって求め(xモル)、ま
た、液体クロマトグラフィ−にて濾液中に溶解している
HPA塩の量を測定し(yモル)、次式4に基づい
て酸の使用量を計算する。
【0043】
【化4】
【0044】式4中、aの値としては1〜2.2とする
のが好ましく、1.05〜1.5とするのが特に好まし
い。このaの値を該下限値以上とすることにより、目的
物であるFHBAの収率を高めることができるので好
ましく、また、該上限値以下とすることにより、反応速
度を高く保つことができるので該aの値は該範囲内であ
るようにするのがよい。
【0045】この第2の発明における脱炭酸反応は、前
記第1の発明の場合と同様、一般に50℃以上の温度で
行うことができ、反応速度の速さの観点から70℃〜水
性溶媒の還流温度の範囲で反応させるのが好ましい。
【0046】反応時間は、特に制限されるものではない
が、一般に15分〜30時間、好ましくは30分〜10
時間程度の範囲で行うのがよい。
【0047】こうして得られた反応液は、FHBA塩
の水性溶液であり、これに硫酸、塩酸等の無機酸の水溶
液を加えてpH約1〜4にした後、エ−テル、i-プロピ
ルエ−テル、酢酸エチル等の有機溶媒を用いて常法によ
り抽出し、得られる有機層を分液、濃縮、乾燥すること
により目的とする3-ヒドロキシ-2,4,5-トリフルオロ 安
息香酸を単離することができる。
【0048】前記第2の発明の場合と同様に、得られた
HBAは、必要に応じて、水性溶媒中でメチル化し
次いでけん化することにより、抗菌剤等の原料として有
用な3-メトキシ-2,4,5-トリフルオロ安息香酸を製造す
ることができる。また、FHBAを単離することな
く、上記の反応液であるFHBA塩の水性溶液をその
ま ま用いて3-メトキシ-2,4,5-トリフルオロ安息香酸を
製造することもできる。
【0049】 実施例 以下、実施例、比較例及び参考例により本発明を一層詳
細に説明する。
【0050】 製造例1 攪拌装置、温度計及び還流冷却管を付けた100mlの
四口フラスコに、テトラフルオロフタル酸(FPA)
23.8g(約0.1モル)、25重量%水酸化ナトリ
ウム水溶液49.6g(約0.31当量)及び水酸化カ
ルシウム5.92g(約0.16当量)を仕込み、加熱
還流下(約104℃)にて4時間ヒドロキシル化反応さ
せた。
【0051】反応の終点は液体クロマトグラフィ−(以
下、LCと略称することがある)にて確認した。反応終
了後、反応液を室温(20℃)に冷却し、副生している
沈澱物を吸引濾過して除き、目的物4-ヒドロキシ-3,5,6
-トリフルオロフタル酸(FHPA)塩の水溶液であ
る濾液76.2gを得た。
【0052】この濾液をLCにて分析したところ、収率
96.9%相当量のFHPA塩を確認した。
【0053】また、この濾液中のフッ素イオン濃度をイ
オンメ−タ−にて測定したところ、123ppmであっ
た。
【0054】次に、この濾液に硫酸を加えてpH1〜2
としてからエ−テルにて抽出し、得られたエ−テル層を
無水塩化カルシウムにて乾燥してから溶媒を減圧下留去
することにより、目的物FHPAの白色結晶22.6
g(純度98.2重量%、収率94.0%)を得た。
【0055】得られたFHPAの物性値は以下のとお
りである。 融点:163〜164℃ 質量スペクトル(EI):m/z=236(M),218,192,175,174,14
7,14619 F-NMR: (CDCl溶媒、CFCOOH内部標準) δ = -62.8ppm(1F,d-d,J=12.2Hz,12.2Hz) -64.3ppm(1F,d-d,J=12.2Hz,20.8Hz) -77.6ppm(1F,d-d,J=12.2Hz,20.8Hz)
【0056】 実施例1 攪拌装置、温度計及び還流冷却管を付けた50mlの四
口フラスコに、FHPA5.0g(約21.2ミリモ
ル)、蒸留水17g及び25重量%水酸化ナトリウム水
溶液3.39g(約21.2ミリ当量)を仕込み、加熱
還流下(約101℃)攪拌し脱炭酸反応させた。反応開
始後所定時間毎に反応液をサンプリングし、pH(万能
試験紙を使用)及び反応率(LC使用)のチェックを行
った。結果を表1に示す。
【0057】 実施例2 実施例1において、蒸留水17g及び25重量%水酸化
ナトリウム水溶液3.39g(約21.2ミリ当量)を
仕込む代わりに、蒸留水13g及び該水酸化ナトリウム
水溶液6.44g(約40.3ミリ当量)を仕込む以外
は実施例1と同様にして脱炭酸反応を行った。結果を表
1に示す。
【0058】24時間反応後、反応液に硫酸を加えてp
H1〜2としてからエ−テルにて抽出し、得られたエ−
テル層を無水塩化カルシウムにて乾燥してから溶媒を減
圧下留去することにより、目的物FHBAの白色結晶
3.99g(純度98.0重量%、収率96.1%)を
得た。
【0059】得られた3-ヒドロキシ-2,4,5-トリフルオ
ロ安息香酸(FHBA)の物性値は以下のとおりであ
る。 融点:137.5〜138.5℃ 質量スペクトル(EI): m/z=192(M),175,147,11919 F-NMR:(アセトン-d溶媒、CFCOOH内部標準、プ
ロトンデカップリング) δ = -57.4ppm(1F,d-d,J=13.4Hz,14.7Hz) -66.4ppm(1F,d-d,J=13.4Hz,20.8Hz) -73.9ppm(1F,d-d,J=14.7Nz,20.8Hz)19 F-NMR:(アセトン-d溶媒、CFCOOH内部標準) δ = -57.4ppm(1F,d-d-d,J=6.0Hz,13.4Hz,14.7Hz) -66.4ppm(1F,d-d-d,J=8.6Hz,13.4Hz,20.8Hz) -73.9ppm(1F,d-d-d,J=13.0Hz,14.7Hz,20.8Hz)19 F-NMR:(アセトン-d溶媒) δ = 7.33ppm(1H,d-d-d,J=6.0Hz,8.6Hz,13.0Hz) 9.4ppm(2H,bs)
【0060】 実施例3 実施例1において、蒸留水17g及び25重量%水酸化
ナトリウム水溶液3.39g(約21.2ミリ当量)を
仕込む代わりに、蒸留水5g及び該水酸化ナトリウム水
溶液6.44g(約40.3ミリ当量)を仕込む以外は
実施例1と同様にして脱炭酸反応を行った。結果を表1
に示す。
【0061】 比較例1及び2 実施例1において、蒸留水17g及び25重量%水酸化
ナトリウム水溶液3.39g(約21.2ミリ当量)を
仕込む代わりに、それぞれ蒸留水18g、13g;該水
酸化ナトリウム水溶液1.70g(約10.6ミリモ
ル)、8.48g(約53.0ミリモル)を仕込む以外
は実施例1と同様にして脱炭酸反応を行った。結果を表
1に示す。
【0062】
【表1】
【0063】 実施例4 攪拌装置、温度計及び還流冷却管を付けた1Lの四口フ
ラスコに、FPA95.2g(約0.4モル)、蒸留
水95.2g、25重量%水酸化ナトリウム水溶液20
5g(約1.28当量)及び水酸化カルシウム22.2
g(約0.6当量)を仕込み、加熱還流下(約104
℃)にて8時間ヒドロキシル化反応させた。反応液を室
温(約20℃)まで冷却した後、副生した沈澱を濾別し
た。沈澱は約25mlの蒸留水で洗浄し、洗浄液を濾液
に合わせた。
【0064】得られた濾液390gをLCにて測定した
ところ、FHPA93.5g(約0.396モル;収
率99.0%)に相当するFHPAの塩を確認した。
【0065】また、この濾液中のイオンメ−タ−測定に
よるフッ素イオン濃度は、178ppmであった。更に
この濾液中に存在する過剰なアルカリの量を電導度滴定
により求めると、約0.230当量/Lであり、中和変
曲点はpH10.02であった。
【0066】次いでこの濾液のうち381gを秤取し、
これに35重量%塩酸水溶液53.9g(約0.517
当量;濾液中の過剰のアルカリ分約0.0876当量
と、FHPA含有量の1.11倍当量すなわち約0.
429当量の合計に相当する)を添加し、この水溶液を
6時間還流下(約104℃)に加熱攪拌して脱炭酸反応
させた。反応終了後得られた反応液をLCにて測定した
ところFHBA74. 5g(約0.388モル;F
PAに対する収率約97.0%)に相当するFHB
A塩が確認された。
【0067】更に反応液に硫酸を加えてpH1〜2と
し、エ−テルにて抽出を行ってこのエ−テル層を無水塩
化カルシウムにて乾燥した後溶媒のエ−テルを減圧留去
することにより、目的とするFBPAの白色結晶6
9.8g(純度97.9重量%、収率89.0%)を得
た。得られたFHBAの物性値は実施例2と同様であ
っ た。
【0068】 参考例 攪拌装置、温度計、還流冷却管及びpHメ−タ−を付け
た2L四口フラスコに、実施例4と同様の方法で得られ
たFHBAを含む反応液416g、蒸留水435g及
びジメチル硫酸171.6g(約1.36モル)を仕込
み、室温にて4時間攪拌してアルキル化反応させた。こ
の間pHが8.5〜9.5の範囲を保持するように25
重量%水酸化ナトリウム水溶液を逐次添加した。使用し
た水酸化ナトリウム水溶液の量は72.2g(約0.4
51当量)であった。
【0069】このメチル化反応終了後反応液に25重量
%水酸化ナトリウム水溶液147.0g(約0.919
当量)を加え、50℃にて1時間攪拌下にけん化反応を
行った。けん化反応終了後、25℃まで冷却し35重量
%塩酸水溶液105.3g(約1.01当量)を加え、
生成した3-メトキシ-2,4,5-トリフルオロ安息香酸を塩
析させて遠心分離し、次いで蒸留水200mlにて洗浄
後60℃にて乾燥することにより3-メトキシ-2,4,5-ト
リフルオロ安息香酸の結晶66.5gっっz8純度9
7.9重量%;FPAよりの収率79%)を得た。
【0070】得られた3-メトキシ-2,4,5-トリフルオロ
安息香酸の物性値は以下のとおりである。 融点:115.6〜116.4℃ 質量スペクトル(EI): m/z=206(M),189,19 F-NMR: (CDCl溶媒、CFCOOH内部標準、プロトン
デカップリング) δ = -51.0ppm(1F,d-d,J=13.4Hz,14.7Hz) -63.1ppm(1F,d-d,J=14.7Hz,20.8Hz) -64.9ppm(1F,d-d,J=13.4Hz,20.8Hz)19 F-NMR: (CDCl溶媒、CFCOOH内部標準) δ = -51.0ppm(1F,d-d-d,J=6.3Hz,13.4Hz,14.7Hz) -63.1ppm(1F,d-d-d,J=10.2Hz,14.7Hz,20.8Hz) -64.9ppm(1F,d-d-d,J=8.6Hz,13.4Hz,20.8Hz) H-NMR: (CDCl溶媒) δ = 4.08ppm(3H,d,J=0.6Hz) 7.56ppm(1H,d-d-d,J=6.3Hz,8.6Hz,10.2Hz) 11.48ppm(1H,bs)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−232838(JP,A) 特開 昭60−204742(JP,A) 特開 昭63−264439(JP,A) 特開 平1−268662(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 51/38 C07C 51/367 C07C 65/03 CA(STN) CAOLD(STN) REGISTRY(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 4-ヒドロキシ-3,5,6-トリフルオロフタ
    ル酸を水性溶媒中で加熱脱炭酸して3-ヒドロキシ-2,4,5
    -トリフルオロ安息香酸を製造する方法において、4-ヒ
    ドロキシ-3,5,6-トリフルオロフタル酸1モルに対して
    0.8〜2当量のアルカリ性物質を用い、常圧下に加熱
    することを特徴とする3-ヒドロキシ-2,4,5-トリフルオ
    ロ安息香酸の製造方法。
  2. 【請求項2】 テトラフルオロフタル酸とアルカリ土類
    金属化合物を含んでなるアルカリ性化合物とを水性溶媒
    中で加熱して反応させ、次いで反応系中の沈殿物を濾別
    して、得られる濾液に酸を添加して部分中和した後、常
    圧下で加熱脱炭酸することを特徴とする3-ヒドロキシ-
    2,4,5-トリフルオロ安息香酸の製造方法。
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