JP3069484B2 - 帯域圧縮映像信号の記録再生装置 - Google Patents

帯域圧縮映像信号の記録再生装置

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JP3069484B2
JP3069484B2 JP5335878A JP33587893A JP3069484B2 JP 3069484 B2 JP3069484 B2 JP 3069484B2 JP 5335878 A JP5335878 A JP 5335878A JP 33587893 A JP33587893 A JP 33587893A JP 3069484 B2 JP3069484 B2 JP 3069484B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハイビジョン信号を帯
域圧縮したMUSEなどの、帯域圧縮された映像信号の
記録再生装置及び、従来のテレビジョン信号の記録再生
装置に帯域圧縮映像信号をも記録再生できるようにした
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ハイビジョンカメラの出力信号はG,
B,R信号ともに30MHzの帯域幅をもっている。こ
のハイビジョン信号を衛星放送の1チャンネルで伝送す
るためには、ベースバンドの信号帯域幅で約8MHzま
で帯域圧縮を行う必要がある。これを実現する方法とし
てMUSE(Multiple Sub-Nyquist Sampling Encodin
g)方式と呼ばれる帯域圧縮方式がNHK(日本放送協
会)によって開発され、現在1日約8時間の試験放送が
行われている。MUSE方式については『MUSE方式
の開発』(NHK技術研究、昭和62年、二宮他)また
は、『MUSE−ハイビジョン伝送方式−』(二宮著、
電子情報通信学会編、コロナ社刊、平成2年)に詳細が
述べられている。帯域圧縮のプロセスについては本発明
の範囲外となるので、前記文献名を挙げるのみで説明は
省略する。
【0003】以下、前記MUSE方式によって帯域圧縮
され生成されたMUSE信号について簡単に説明する。
図15はMUSE信号の1フレームの構成を示したもの
である。縦軸がライン番号であり横軸がサンプル番号で
ある。MUSE信号のフレーム周波数は30Hzであ
り、1フレームのライン数は1125、1ラインのサン
プル数が480であるから、MUSE信号のサンプリン
グ周波数は、30×1125×480=16.2MHz
となる。サンプル番号1〜480のうち、水平同期信号
(HD)期間に♯1〜♯11の11サンプル、線順次化
された色差信号(C映像)期間に♯12〜♯105の9
4サンプル、輝度信号(Y映像)期間に♯107〜♯4
80の374サンプル、C映像期間とY映像期間の干渉
を防ぐガードとして♯106の1サンプルが割り当てら
れている。ライン番号1〜1125については、♯1〜
♯563が第1フィールド、♯564〜♯1125が第
2フィールドとなっており、♯3〜♯563と♯565
〜♯1125の構成は同じになっている。Y映像信号は
♯47〜♯562と♯609〜♯1124とに516ラ
インずつ配置され、C映像信号はMUSE信号をハイビ
ジョン信号に戻すデコーダでの処理の都合上から、これ
らよりも4ライン前に配置されている。これ以外の部分
がいわゆる垂直ブランキング部分であるが、ここには音
声/独立データ、コントロール信号、クランプレベル、
フレームパルスなどの信号が図のように配置されてい
る。
【0004】次にMUSE信号の波形について簡単に説
明する。図16に示すのがMUSE信号波形の概略であ
る。なお映像信号の部分はカラーバー信号としてある。
同図(a)は47番目のラインと48番目のラインを拡
大したもので、一般的なMUSE信号の波形はこのよう
になっている。線順次化されたC信号については奇数番
ラインがR−Y、偶数番ラインがB−Yとなっている。
MUSEの水平同期信号(HD信号)は2種類あり、奇
数番ラインは右下がりの波形で、偶数番ラインは右上が
りの波形となっている。同図では奇数番ライン(右下が
り)のHD信号をHD1、偶数番ライン(右上がり)の
HD信号をHD2としてある。このようにHD1とHD2
とは完全な反相関の関係になっており、この反相関関係
を利用してHD検出が行えるようになっている。同図
(b)はMUSE信号の1フレームの始まり部分を示し
たものである。♯1と♯2ラインのサンプル番号♯21
6〜♯316の部分はVIT(Verticai Interval Tes
t)信号期間で、それぞれ負および正のモノパルスが挿
入されている。これはデコーダにて伝送歪みを補正する
伝送路等化を行う際に必要なものである。同ラインのサ
ンプル番号♯317〜♯480はフレームパルス期間
で、それぞれ1周期が8サンプルの位相が反転関係にあ
る方形波が17.5周期含まれている。このように、♯
1ラインと♯2ラインとは完全な反相関の関係となって
おり、この反相関関係を利用して1フレームの始点が検
出できるようになっている。この♯1ラインと♯2ライ
ンにおいては、♯1ラインが右上がりのHD信号を持
ち、♯2ラインが右下がりのHD信号を持つようになっ
ており、前述の奇数番ラインが右下がりのHD、偶数番
ラインが右上がりのHDという関係が崩れている。これ
は1フレームの始点は♯1ラインであるが、2種類ある
HDの向きの順番のリセットは♯3ライン目でかけられ
るからである。したがて、♯2ラインのHDと♯3ライ
ンのHDとは同じ右下がりのHDとなっている。♯3〜
♯42ラインはHD期間を除く全領域が音声/独立デー
タとなっており、♯43〜♯46の4ラインはHD期間
とC信号期間を除く領域が音声/独立データとなってい
る。同図(c)はHD期間とその周辺のみを拡大したも
のである。2種類あるHD信号は重ねて表示してあるの
で図のように眼鏡状になる。HD信号の下に表示してあ
るのが16.2MHzのサンプリングクロックとサンプ
ル番号である。このうち、HD信号期間はサンプル番号
♯1〜♯11であるが、HD信号としてそのレベル
(値)が規定されているのは♯2〜♯10であり、♯1
と♯11のポイントのデータは規定されておらず、♯1
の値は♯480と♯2の中間点の値、♯11の値は♯1
0と♯12の中間点の値が推奨されている。そして、2
種類のHD信号の交点、サンプル番号♯6のポイントが
HDの基準点と規定されている。
【0005】このような、従来のテレビジョン信号とは
かなり異なった特徴を持つMUSE信号であるが、この
MUSE信号による放送は、1985年の国際科学技術
博覧会にて放送実験が行われた後に若干の改良が加えら
れ、放送衛星BS−2を用いた1日1時間の実験放送を
経、現在ではBS−3を用いた1日約8時間の試験放送
が行われている。また、MUSE方式によるビデオディ
スクも国内5社により規格が統一され、近日中には商品
化される予定である。
【0006】このような状況のなかでMUSE信号を記
録できるVTR(以下MUSE−VTRと称する)につ
いても当然開発はなされているが、まだ商品化されるに
は至っていない。MUSE−VTRについての発表は、
たとえば『家庭用MUSE方式VTRにおけるアナログ
・セグメント記録の検討』(日立製作所 昭和60年8
月29日 テレビジョン学会技術報告)や『長時間記録
MUSE VTR』(三洋電機 昭和63年1月27日
テレビジョン学会技術報告 ITEJ Technical Report Vo
l.12,No3,PP.19~24)がある。また、本出願人において
も特願平2−403784号『MUSE信号記録装
置』、特願平2−319374号『映像信号記録装
置』、及び特願平3−162923号『映像信号の記録
再生装置』としてMUSE−VTRの実現方法の開示を
行った。
【0007】以下、上記の従来技術についての簡単な説
明を行う。まず、日立製作所の発表した『家庭用MUS
E方式VTRにおけるアナログ・セグメント記録の検
討』では、MUSE信号の1Hを12/13に圧縮し、
得られた期間(1/13)に負極性同期信号とバースト
信号をMUSEのHDの直前に付加し、この信号を直接
FM変調して記録を行う。ドラム径は62mmであるが
ドラム回転数は7200rpmと一般VTRの4倍であ
る。また、記録方式はアナログセグメント記録であり、
1フィールドの映像信号を単純に4分割し1チャンネル
4本のトラックで記録を行う1チャンネル4セグメント
記録である。したがって1フレームのMUSE信号は8
本のトラックを用いて記録されることになる。この発表
はMUSE方式の開発期になされたものであり記録時間
も45分と家庭用VTRとしては短く、MUSE−VT
Rの実現の可能性を検討したといった性格のものであ
る。
【0008】次に、三洋電機が発表した『長時間記録
MUSE VTR』は、MUSE信号の1Hを15/1
6に圧縮し、MUSEのHDの前に負極性同期信号とバ
ースト信号を付加する点においては前記発表と同様であ
る。ドラム径は76mm、ドラム回転数は3600rp
mとなっており、ドラム径は大きくなったがドラム回転
数は一般のVTRの2倍に抑えてある。記録方式は上記
発表と同じくアナログ・セグメント記録であるが、ドラ
ム回転数が上記発表の半分となっているので1フィール
ドの映像信号は2分割される1チャンネル2セグメント
記録となっている。したがって1フレームの映像信号は
4本のトラックに記録されることになる。また、この発
表では第2セグメントを16H遅らせることによってヘ
ッドスイッチング時のマージンを得るようにしている。
そのため映像信号をきちんと記録するためには音声信号
部分の一部を削ることになり、音声信号をきちんと記録
するためには映像信号部分の一部を削らなければならな
くなる。そのためこの発表もMUSE−VTRの商品化
を前提としたものではなく、MUSE−VTRの実現の
可能性を示唆したといった性格の強いものである。図1
7にこの発表に懸かる記録再生系のブロック図を示す。
入力されたMUSE信号はA/D変換器57でデジタル
データに変換され、MUSEディエンファシス回路58
とMUSE同期分離回路5に入力される。MUSE信号
の映像信号部分には衛星放送のためのノンリニアエンフ
ァシスがかけられているためにA/D変換器57には1
0ビットの分解能のものが使用され、MUSEディエン
ファシス回路58では10ビットのデ−タを元に戻すノ
ンリニアディエンファシス処理が行われ8ビットのデー
タに変換する。このときノンリニアエンファシスがかけ
られているのは映像信号部分だけなので、映像信号部分
のみディエンファシス処理がなされる。MUSEディエ
ンファシス回路については後に詳述する。MUSEディ
エンファシス回路58で元に戻されたデータは時間軸圧
縮回路59に入力される。時間軸圧縮回路は一般には1
ラインメモリ1個で実現でき、1ラインの信号を15/
16に時間軸圧縮する場合には、1ライン分のデータを
あるクロックで書き込み、書き込み時のクロックの16
/15倍のクロックで読み出しを行えば良い。一方MU
SE同期分離回路5では、前述したMUSE信号独特の
反相関関係を利用して垂直同期VD、水平同期HDが分
離され、基準信号発生器SSG(Standerd Signal Gene
rator)6に入力される。基準信号発生器SSG6では
前述した時間軸圧縮のためのクロックや後述するヘッド
スイッチングパルスなどシステムの動作に必要な信号が
発生される。時間軸圧縮回路59で時間軸が圧縮された
MUSEデータは同期信号付加回路7に入力され、ここ
で時間圧縮によって空けられた1/16の部分に負極性
同期信号と再生時のタイムベースコレクタの基準となる
バースト信号が付加される。同期信号付加回路7の出力
は16H遅延回路60(1Hは1ラインと同義)とスイ
ッチ61のa側端子に入力される。16H遅延回路60
の実現方法は様々だが、1ラインメモリが16個あると
思えば良い。16H遅延回路60ではデータが16H分
遅延され、その出力はスイッチ61のb側端子に入力さ
れる。このようにスイッチ61には遅延されていないデ
ータと16H分遅延されたデータが入力され、これらを
切り替え選択できるようになっている。回転ドラムのは
じめの1/2回転では遅延されていないデータが選択さ
れ、次の1/2回転では16H遅延されたデータが選択
される。切り替えのタイミングの詳細については、タイ
ミングチャートを用いて後述する。切り替え選択された
データはスイッチ61の出力端子cから出力され、D/
A変換器8に入力されここでアナログ記録信号に変換さ
れ、エンファシス回路9に入力される。エンファシス回
路9では磁気記録に適したエンファシス処理がなされ、
その出力はFM変調器10に入力される。FM変調器1
0でFM変調された記録信号は記録アンプ11で電流増
幅が行われ、記録再生磁気ヘッド12で磁気テープ13
に記録が行われる。次に再生時の動作だが、磁気テープ
13に記録されている信号は磁気ヘッド12でピックア
ップされ、再生アンプ14で増幅され、FM復調器15
でFM復調され、ディエンファシス回路16で記録時に
かけられたエンファシスを元に戻す処理が行われ、A/
D変換器17に入力されここでデジタルデータに変換さ
れる。デジタルデータとなった再生信号は1ラインメモ
リによって構成される時間軸伸長回路62に入力され、
ここでタイムベースコレクタとしての動作であるジッタ
の除去と記録時になされた時間軸圧縮の逆の処理にあた
る時間軸伸長処理が行われる。記録時に同期信号付加回
路7によって付加された信号はここで除去されることに
なる。また、ディエンファシス回路16の出力はライト
クロックジェネレーター19に入力されここでバースト
信号を基準としたジッタのあるクロックが発生される。
このジッタのあるクロックは時間軸伸長回路62の書き
込みクロックとして用いられ、ジッタのないクロックで
読み出されることによって、ジッタの除去いわゆるタイ
ムベースコレクタ動作が行われる。このジッタのないク
ロックをライトクロックジェネレーター19の出力であ
る書き込みクロックの15/16の周波数にすれば同時
に時間軸伸長処理が完了する。また、この時間軸伸長処
理に用いられる1ラインメモリは記録時に時間軸圧縮処
理に用いられた1ラインメモリと共用することも可能で
ある。時間軸伸長回路62の出力は16H遅延回路63
とスイッチ64のb側端子に入力される。16H遅延回
路63の出力はスイッチ64のa側端子に接続され、ス
イッチ64は16H遅延したデータと遅延しないデータ
とを切り替え選択可能なように構成されており、回転ド
ラムのはじめの1/2回転では16H遅延したデータが
選択され、つぎの1/2回転では遅延しないデータが選
択され出力端子cから出力される。スイッチ64で切り
替え選択されたデータはデジタルフィルタで構成される
MUSEエンファシス回路21に入力され、ここでMU
SEのノンリニアエンファシスがかけられてD/A変換
器22でアナログ信号に変換されてMUSE信号として
図示しないMUSEデコーダなどに出力される。
【0009】図18にこの発表の記録のタイミングチャ
ートの一例として音声信号領域と画面中央部でヘッドの
切り替えを行ったときのタイミングチャートを示す。ス
イッチ61のa側端子の信号は同図(a)のように、b
側端子の信号は同図(b)のようになる。このときスイ
ッチ61の切り替え制御信号は基準信号発生器SSG6
が発生するヘッドスイッチングパルスであり、回転ドラ
ムのはじめの1/2回転期間にあたるヘッドスイッチン
グパルスが“H”のときスイッチ61はa側端子に接続
され、遅延しない信号が出力され、回転ドラムの次の1
/2回転期間にあたるヘッドスイッチングパルスが
“L”のときスイッチ61はb側端子に接続され、16
H遅延した信号が出力される。したがってヘッドスイッ
チングパルスの立ち下がり部の直前の16Hと直後の1
6Hとは同じ内容が2重に記録されることになる。この
部分は画面の中央部にあたり、このように2重書きをす
ることによってヘッドの切り替えによる信号の不連続に
よって起こる不具合に対処できるようにしてある。一方
ヘッドスイッチングパルスの立ち上がり部の直前の16
Hは信号が欠落した状態で記録が行われることになるの
で、この部分の信号は消失してしまう。再生時のタイミ
ングチャートについては図示しないが、記録時とは逆に
回転ドラムのはじめの1/2回転のときの信号を16H
遅らせ、次の1/2回転の信号は遅らせない状態でスイ
ッチングを行えば画面中央部で2重になっていた部分が
もとに戻ることになる。一方、再度信号を16H遅らせ
るので記録時に消失した16Hと合わせて32Hの信号
が消失してしまうことになる。この例では音声信号部分
の32Hが消失したことになる。ヘッドスイッチングパ
ルスの位相を変えれば消失する部分を変えることができ
る。
【0010】図19にこの発表の回転ドラム上のヘッド
配置を示す。回転ドラム65には磁気テープ13が18
0°強巻き付けられており、回転ドラム65上には18
0°対向してアジマス角の異なる磁気ヘッド12aと1
2bが配置されている。回転ドラムのはじめの1/2回
転で磁気ヘッド12aが磁気テープ13に接触し記録を
行い、次の1/2回転で磁気ヘッド12bが記録を行
う。図20に磁気テープ13上に記録された記録パター
ンを示す。回転ドラム65は磁気テープ13の右下から
左上に向かって回転し、磁気テープ13は右から左方向
に走行するので、記録トラックは左側から順に形成され
ることになる。
【0011】次にドロップアウト補償方法について説明
する。図21に示すのが従来のドロップアウト補償のブ
ロック図の一例である。図17と共通の部分には同一の
番号を付記してある。磁気テープ13から磁気ヘッド1
2にて再生された信号は再生アンプ14で増幅され、F
M復調器15でFM復調され、ディエンファシス回路1
6でディエンファシスされ、A/D変換器17でA/D
変換されるまでは既に説明した。A/D変換された信号
はラインメモリ66に入力される。ラインメモリ66の
内部構成については後に説明するが、図17の時間軸伸
長回路62の機能を含んでいる。また、再生アンプ14
の出力はローパスフィルタ(LPF)67に導かれ、こ
こでキャリア成分のなくなった包絡外形線が取り出され
る。包絡外形線はコンパレーター68の+側端子に入力
され、−側端子には可変抵抗器69によって一定電圧が
コンパレーターのしきい値として与えられている。ドロ
ップアウトがあると包絡外形線が落ち込み、コンパレー
ターのしきい値以下となってコンパレーター68からド
ロップアウト検出パルスDOPが出力される。ドロップ
アウト検出パルスDOPはラインメモリ66のライトイ
ネーブル端子WEに接続されている。ドロップアウト補
償動作を第22図のタイミングチャートを用いて説明す
る。図22(a)に示すのが再生アンプ14の出力であ
る。この信号がLPFを通過し、包絡外形線が取り出さ
れるが、包絡外形線は上下対称なので上側だけを取り出
したのが同図(b)のコンパレーター68の+側入力で
ある。コンパレーター68のしきい値を図のように点線
で書かれたものとすると、コンパレーター68の出力で
あるドロップアウト検出パルスDOPは同図(c)のよ
うなドロップアウト部分が正となるパルスになる。この
ときラインメモリ66の入力は同図(d)のようにドロ
ップアウト部分の信号が欠落した状態になる。ラインメ
モリ66のライトイネーブルWEは“H”の信号が入力
されるとデータの書き込みを行わずに以前に書かれた内
容を保持するのでラインメモリ66の出力は同図(e)
のように欠落部分の信号が直前の1Hの同一部分で置き
換えられ、ドロップアウト補償が行われる。映像信号の
場合前後のラインでは相関性が強いのでこのようなこと
が可能となる。しかし上記に説明した従来例における記
録再生信号はMUSE信号であるために、輝度信号にお
いては前後のラインでの相関性が強いが、色差信号は2
種類の信号が線順次化されているため前後のラインでの
相関性はなく、水平同期信号では前後のラインで反相関
の関係にあるために、単純にドロップアウト部分を直前
のラインの信号で置き替えてしまうと問題がある。この
問題に対処するためにラインメモリ66の構成は複雑な
ものとなる。図23にラインメモリ66の内部構成のブ
ロック図を示す。ラインメモリ66は1Hメモリ70,
71とスイッチ72、AND回路73,75、インバー
ター回路74とを含む。A/D変換器17の出力データ
はまず1Hメモリ70に入力される。1Hメモリ70で
は時間軸伸長処理と輝度信号部分のドロップアウト補償
が行われる。1Hメモリ70の出力は1Hメモリ71と
スイッチ72の(a)側端子に入力される。1Hメモリ
71では入力されたデータを1H遅延させ、その出力は
スイッチ72の(b)側端子に与えられる。即ち1Hメ
モリ71には1Hメモリ70に格納されているデータの
1H前のデータが格納されていることになり、スイッチ
72の(b)側端子に与えられるデータはスイッチ72
の(a)側端子に与えられるデータの1H前のデータと
なる。スイッチ72は切り替え選択信号が“L”のとき
は(a)側に接続され、“H”のときは(b)側に接続
されるようになっており、スイッチ72の出力がライン
メモリ66の出力となる。輝度信号部分は“H”で色差
信号と水平同期信号部分は“L”となる信号Y/Cはラ
イトクロックジェネレーター19によって発生させられ
る。このY/CはAND回路73の一方の端子とインバ
ーター回路74によってその極性が反転した信号がAN
D回路75の一方の端子に与えられる。また、ドロップ
アウトパルスDOPはAND回路73,75のもう一方
の端子に与えられる。AND回路73の出力は1Hメモ
リ70のライトイネーブル端子WEに入力され、AND
回路75の出力はスイッチ72の切り替え選択信号とな
る。今、輝度信号部分にドロップアウトがあったとする
と、AND回路73の2つの入力端子は“H”となるの
で出力は“H”となり、“H”となったライトイネーブ
ルWEが1Hメモリ70に与えられるので輝度信号部分
のドロップアウト補償が行われ、AND回路75の出力
は“L”なのでスイッチ72は(a)側に接続された状
態で1Hメモリ70の出力データがラインメモリ66の
出力として出力される。一方水平同期信号部分または色
差信号部分にドロップアウトがあった場合は、AND回
路75の2つの入力端子が“H”となり出力が“H”と
なるのでスイッチ72が(b)側に接続されて1Hメモ
リ71の出力データがラインメモリ66の出力データと
して出力される。つまり水平同期信号部分または色差信
号部分のドロップアウトは2H前の信号で置き替えられ
るわけだが、前述したように線順次の色差信号と水平同
期信号は2H前の信号とは相関があるのでドロップアウ
ト補償ができたことになる。
【0012】次に従来の同期信号付加回路についても若
干の説明を加えておく。図24は同期信号付加回路7の
構成を示すブロック図である。時間軸圧縮回路59の出
力データはデータ/同期切り替えスイッチ76の(a)
側端子に入力される。一方スイッチ76の(b)側端子
には同期データ発生ROM77の出力データが入力され
ている。同期データ発生ROM77には負極性同期信号
とバースト信号のデータが格納されており、水平アドレ
スカウンタ78によってアドレスが指定される。また水
平アドレスカウンタ78は、スイッチ76の切り替え選
択信号をも出力する。水平アドレスカウンタ78は記録
信号の1Hのはじめの部分ではスイッチ76を(b)側
に選択して同期データ発生ROM77が発生するデータ
が出力されるようにし、負極性同期信号とバースト信号
が出力された後には(a)側に選択して時間軸圧縮回路
59の出力データが出力されるようにする。このように
二者択一型のスイッチを用いて同期信号付加を行ったと
きの波形について図面を用いて説明する。図25はMU
SE信号の1Hの始点前後のサンプリングポイント及び
波形(a)と負極性同期信号とバースト信号を付加した
あとのサンプリングポイント及び波形(b)である。付
加データのサンプル数は説明のため12サンプルとして
ある。(実際はもっと多い)また、MUSEの水平同期
信号は2種類あるがこれは重ねて示してある。(a)は
1Hの終端部(サンプル番号479,480)が暗い
(レベルが小さい)信号のときを示しており、サンプル
番号1の値はサンプル番号480の値と、規定されてい
るMUSEの水平同期信号の最初のサンプリングポイン
トであるサンプル番号2の値の中間の値となっている。
(b)のサンプル番号(1)〜(5)は負極性同期信号であ
り、サンプル番号(6)〜(12)はバースト信号である。こ
のように負極性同期信号とバースト信号がサンプル番号
480と1の間に挿入されると、サンプル番号1の値が
不自然なものになってしまう。また、記録再生されるこ
とによって波形がなまるためにサンプル番号480の値
はサンプル番号(12)の値に影響されて本来の値よりも小
さい値になってしまい、サンプル番号1の値はサンプル
番号(12)の値に影響されて本来の値よりも大きい値にな
ってしまう。これはMUSE信号の1Hの終端部が暗い
ときの例であり、明るい信号のときはサンプル番号48
0の値はより小さい値となり、サンプル番号1の値は本
来の値よりも小さい値になってしまう。
【0013】ここで従来のMUSEディエンファシス回
路について図面を用いて説明する。図26に示すのが従
来のMUSEディエンファシス回路のブロック図であ
る。10ビットの分解能で入力されたデータはまずノン
リニアROM79に入力される。ノンリニアROM79
はいわゆるテーブルROMで、入力データをROMのア
ドレスとして与え、格納されているデータを出力とする
ものである。ノンリニアROM79は10ビットのアド
レスに対して10ビットの出力を持っており、その出力
は遅延回路80とディエンファシスデジタルフィルタ4
5に入力される。遅延回路80はディエンファシスデジ
タルフィルタ45でデータが演算されるときの遅延時間
と同じ量の遅延時間を持っており、その出力はスイッチ
81の(b)側端子に接続されている。このとき遅延回
路80の入力データは10ビットであるが、下位2ビッ
トを切り捨てるなどの処理によって出力データが8ビッ
トになるようにしている。遅延回路は一般にはメモリま
たはラッチなどで構成され、遅延量が大きいと回路規模
が大きくなってしまう。一方ディエンファシスデジタル
フィルタ45に入力されたデータはここでディエンファ
シス処理がなされ、その出力はスイッチ81の(a)側
端子に接続されている。ディエンファシスデジタルフィ
ルタ45も入力は10ビットであるが出力は8ビットに
なるように下位ビットが処理されている。また、スイッ
チ制御回路82にはクロックとHD,VDの各信号が入
力されており、スイッチ81の切り替え制御信号を発生
している。MUSE信号にかけられているノンリニアエ
ンファシスは映像信号部分のみなので、この部分のみが
ディエンファシスデジタルフィルタ45で処理されたデ
ータが選択されるようにスイッチ81を制御している。
図27に示すのがノンリニアROM79のテーブル特性
を示したものである。横軸が入力レベルで縦軸が出力レ
ベルである。入出力が10ビットなので入出力レベルと
も±512の1024レベル(210=1024)となっ
ている。入力レベルが0から224までは直線特性とな
っており、224から512までは楕円特性となってい
る。負側の特性についても同様である。図28がディエ
ンファシスデジタルフィルタ45の構成を示した図であ
る。ディエンファシスデジタルフィルタ45は図のよう
に7タップのデジタルフィルタで構成されている。なお
-1はサンプリングクロックの1クロック分の遅延を示
している。
【0014】次に本出願人による従来技術であるが、
『MUSE信号記録装置』は音声信号を映像信号とは分
離して別領域に記録するという記録方式を採用したもの
である。また『映像信号記録装置』及び『映像信号の記
録再生装置』は前記文献とは異なり2チャンネル2セグ
メント記録によるものである。2チャンネルとなった分
必要ヘッド数は2倍となるが、回転ドラムの回転数を2
倍にすると記録信号の帯域は元の信号の1/4となるた
め、現行のテレビジョン信号と同程度の帯域となり、現
行のVTRで使用しているICなどがそのまま使えると
いうメリットがあるものである。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】前述したような従来技
術にてMUSE−VTRを実現した場合、以下のような
問題点がある。 1.アナログセグメント記録ではスイッチングマージン
を得るために比較的長いラインメモリを必要とする。
(三洋電機の例では1ラインメモリが16個必要)さら
にスイッチングマージンを得る代償として音声領域もし
くは映像領域を削らなければならず、完全なMUSE信
号を記録することができない。 2.単純なアナログセグメント記録では音声領域に比較
的長いドロップアウトがあった場合にドロップアウト部
分が音声ノイズとなって聞き取れてしまう。これは、映
像信号部分のドロップアウトであれば前後の相関性を利
用するといった方法で視覚上目立たなくすることが可能
であるが、音声信号部分には前後の相関性がないために
ドロップアウト期間が長くなってしまうと補正のしよう
がなくなってしまうためである。 3.従来のような1チャンネルアナログセグメント記録
では、再生時のドロップアウト補償処理が繁雑となり、
ドロップアウト補償に要するラインメモリの数も多くな
る。 4.MUSE信号を圧縮し負極性同期信号とバースト信
号をMUSEのHDの直前に付加した場合、付加された
信号によってMUSE信号の被付加部分前後の値が変化
してしまい、付加された信号を取り除いたあとでもそれ
が残ってしまう。したがって記録前のMUSE信号を再
生時に完全に復元することができない。 5.現在普及しているVTRと部品の共有化が不可能、
もしくはチャンネル数を増やさなければならず必要ヘッ
ド数及び回路部品が増える。
【0016】日立製作所の発表ではドラム径は62mm
とVHS−VTRと同じであるが、ドラム回転数がVH
S−VTRの4倍となるためテープ走行系の条件が大幅
に変わってしまい、メカニカルコンポーネンツを共有化
するのは困難である。また三洋電機の発表ではドラム径
がより大径の76mmであるためVHS−VTRとの共
有化は不可能である。本出願人による従来例では部品の
共有化は可能であるが、2チャンネル記録となるためヘ
ッド数が2倍となり、回路系も2系統必要となるために
回路部品が増えてしまう。
【0017】現行テレビジョン信号を記録再生できるV
TRとしてはVHS−VTRが広く一般家庭に普及して
おり、VHS−VTRとメカニカルコンポーネンツが共
用できれば、安価なMUSE−VTRが実現できるばか
りでなく、現行テレビジョン信号とMUSE信号との両
方を記録できるVTRを実現することが可能となるが、
従来の技術では困難な点が多かった。また、MUSE信
号をデジタルデータに変換するA/D変換器は分解能が
10ビットのものが使用されているが、10ビットのA
/D変換器は非常に高価であるためにコスト高となり民
生用として手頃なところまで機器の価格を下げられない
という問題点があった。また、MUSEディエンファシ
ス回路の規模が大きいという問題点もあった。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の問題点す
べてを解決したものであり、それらは以下の手段によっ
て行われる。 1.媒体に記録する映像信号の1フレームのライン数を
入力映像信号の1フレームのライン数よりも多くする。 2.入力される帯域圧縮映像信号の1フィールド分を一
時記憶することのできる映像信号記憶手段をひとつ以上
具備し、入力映像信号をすだれ状にまびいて第1、第2
の記録信号に分割して記録を行う。 3.すだれ状に分割する際に記録信号の占有帯域を入力
映像信号信号の占有帯域よりも大きくなるようにする。 4.入力される帯域圧縮映像信号が互いに異なる2種類
の水平同期信号を持つ場合には、第1の水平同期信を持
つ水平ラインを第1の記録信号とし、第2の水平同期信
号をも水平ラインを第2の記録信号とするようにする。
【0019】5.記録信号に負極性同期信号とバースト
信号を付加する同期信号付加手段を具備し、前記同期信
号付加手段は、データを1クロック分遅延させる遅延手
段2個と前記遅延手段の出力が接続された4者択一型の
スイッチを含むように構成する。 6.音声信号が垂直ブランキング期間に圧縮多重されて
いる帯域圧縮映像信号をすだれ状にまびいて第1、第2
の記録信号に分割して記録を行う際に、垂直ブランキン
グ期間の音声信号を映像信号期間中に分散させて、記録
信号中の音声信号の水平ラインが連続しないようにす
る。 7.同期信号付加手段は2種類の負極性同期信号を発生
可能に構成し、映像信号の1ラインに付加する負極性同
期信号と音声信号の1ラインに付加する負極性同期信号
とではパルス幅を異ならしめるようにする。 8.ドロップアウト補償手段と再生信号中の音声信号ラ
インを検出可能に構成された音声信号検出手段を具備
し、特殊再生を行う際には前記音声信号検出手段の出力
信号とドロップアウトパルスとの論理和をとった信号が
ドロップアウト補償手段に与えられるようにする。
【0020】9.回転ドラムの回転数を2倍に切り換え
る回転ドラム回転数切り換え手段と、テレビジョン信号
を入力するテレビジョン信号入力端子と、帯域圧縮映像
信号を入力する帯域圧縮映像信号入力端子とを具備し、
テレビジョン信号を記録することも帯域圧縮映像信号を
記録することも可能に装置を構成し、帯域圧縮映像信号
を記録する際には前記回転ドラム回転数切り換え手段に
よって回転ドラムの回転数を2倍に切り換えるようにす
る。 10.記録再生装置に入力される帯域圧縮映像信号がハ
イビジョン信号を帯域圧縮したMUSE信号の場合は、
記録する信号の1トラックの水平ライン数を292.5
となるようにする。 11.帯域圧縮映像信号の記録再生装置がMUSE信号
を記録する際には、分解能が8ビットのA/D変換器
と、デジタルフィルタによって構成される入出力が8ビ
ットの入力信号のすべての領域にディエンファシス処理
を行うディエンファシス回路と、8ビットのデータに負
極性同期信号の分1ビットを加えた9ビットのデータを
D/A変換するD/A変換器を使用するようにする。
【0021】
【作用】本発明の構成によれば、帯域圧縮映像信号のも
ともとある水平ライン数よりも多い水平ライン数で記録
を行うことになるので、増加分の水平ラインをヘッドス
イッチングのための領域として使用することができるよ
うになり、信号が欠落することなく帯域圧縮映像信号の
全水平ラインを記録することができるようになる。本発
の構成によれば、帯域圧縮映像信号を第1、第2の記
録信号にすだれ状に分割したときに、記録信号の占有帯
域のほうがもともとの帯域圧縮映像信号の占有帯域より
も高いので、相対的に信号の記録に要する時間が短くな
り、短くなった時間の分をヘッドスイッチングのための
時間として使用することが可能となる。本発明の構成に
よれば、第1の記録信号と第2の記録信号とでは水平同
期信号及び色差信号が同じ種類の信号となるので、ドロ
ップアウト補償回路の構成が簡単になり、機器のコスト
を下げることができるようになる。本発明の構成によれ
ば、記録時に付加された負極性同期信号とバースト信号
によって入力信号が変形してしまうのを避けることがで
き、付加された負極性同期信号とバースト信号を取り除
いたあとでも、もとの帯域圧縮映像信号を完全に復元す
ることが可能となる。
【0022】本発明の構成によれば、記録信号中に音声
信号が連続することがなくなるので、再生信号中に比較
的長いドロップアウトがあっても、ダメージを受ける音
声信号は1ラインで済むようになり、ドロップアウトに
よって音声ノイズが聞き取れてしまうようなことがなく
なる。本発明の構成によれば、再生信号中の音声信号と
映像信号を識別検出することが可能となるので、特殊再
生時に音声信号を映像信号と誤ってモニタ等に出力して
しまうことがなくなる。本発明の構成によれば、テレビ
ジョン信号と帯域圧縮映像信号の両方を記録再生できる
記録再生装置を1台の機器で実現することが可能にな
る。本発明の構成によれば、入力信号のサンプリングク
ロックの2倍の周波数を32.4MHzとしたときに、
記録信号のサンプリングクロックの2倍の周波数は3
5.9424MHzとなり、その比は整数の375対4
16となり、2種類の周波数の最大公約数は86.4k
Hzと比較的大きな値となるので、記録信号のサンプリ
ングクロックを作成するPLLの構成が簡単になる。ま
た、記録トラックのHずれ量を特殊再生が可能となる
0.5とし、テープ走行速度をVHS−VTRの標準走
行速度である33.35mm/secの簡単な整数比と
なる3/5の20.01mm/secとすると、トラッ
クピッチは17.3μmとなり、13.5μm厚の磁気
テープをVHSサイズのカセットに装填した場合は約
4.4時間の記録再生時間を実現することが可能とな
る。本発明の構成によれば、安価な8ビットのA/D変
換器を使用できるようになり、また、MUSEディエン
ファシス回路においては、従来は映像信号部分のみにデ
ィエンファシス処理を行っていたため必要であった遅延
回路やスイッチ回路が不要となり、回路規模を小さくす
ることができ、機器のコストを下げることが可能となる
【0023】
【実施例】以下、図面をもとに本発明の実施例を説明す
る。入力信号である帯域圧縮映像信号は、ハイビジョン
信号を帯域圧縮したMUSE信号のときを例にとって説
明する。
【0024】図1に本発明の第1の実施例のブロック図
を、図2に本発明の第2の実施例のブロック図を示す。
従来例に近いのは第2の実施例なので、始めに第2の実
施例から説明を行う。尚、第1の実施例と第2の実施例
において記録系は同じ構成となっている。また、従来例
と同じ機能を持つ回路ブロックについては同一の番号を
付記してある。
【0025】図2において入力されたMUSE信号はA
/D変換器1でデジタルデータに変換される。A/D変
換のサンプリング周波数は16.2MHzであり、分解
能は従来と同じ10ビットのものでも良いが、民生用と
しての一般家庭で使用される程度の性能であればコスト
が大幅に下げられる8ビットのものを用い、後述するM
USEディエンファシス回路を工夫することで性能的に
は十分であることが本願の発明者らの実験によって確認
できている。A/D変換器1でA/D変換されたデータ
はMUSEディエンファシス回路2に入力され、ここで
衛星放送のためにかけられているノンリニアエンファシ
スを元に戻す処理が行われる。A/D変換器1が10ビ
ット分解能のものであればMUSEディエンファシス回
路2は従来と同じ構成のものが用いられるが、A/D変
換器1が8ビット分解能のものであれば、MUSEディ
エンファシス回路2は入出力が8ビット構成のものとな
る。入出力が8ビット構成となったMUSEディエンフ
ァシス回路についての詳細は後述する。MUSEディエ
ンファシス回路2の8ビットの出力データは入出力が8
ビット構成の水平ノンリニアエンファシス回路3に入力
される。水平ノンリニアエンファシス回路3は時間軸逆
転型の位相直線ハイパスフィルタであり、後述する水平
ノンリニアディエンファシス回路と対をなすものである
が、必ずしも必要なものではない。しかし本願の発明者
らが実験によって確認したところ水平ノンリニアエンフ
ァシス/ディエンファシスを用いることによってS/N
で5dB〜8dBの改善効果が確認できた。水平ノンリ
ニアエンファシス回路の構成については公知であり、文
献では「民生用ハイビジョンVTR仕様」(1991年9月2
6日 テレビジョン学会技術報告 ITEJ Technical Repor
t Vol.15,No.50,PP1〜6)に詳細が述べられているの
でここでの説明は省略する。水平ノンリニアエンファシ
ス回路3の出力データ8ビットはフィールドメモリ4に
入力される。フィールドメモリ4では入力されたデータ
をすだれ状に間引いて並び換えを行い第1、第2の信号
に変換し、1水平ラインのデータを15/16に時間圧
縮して、前期第1、第2の信号と入力信号にはなかった
何本かの水平ラインを加えて時系列に出力する。時間圧
縮の方法については従来と同様で、書き込みクロックの
周波数よりも高い周波数で読み出すことによって行われ
る。ここでは書き込みクロックは16.2MHzであ
り、読み出しクロックは17.9712MHzである。
読み出しクロックの算出方法については後述する。一
方、A/D変換器1でA/D変換されたデータはMUS
E同期分離回路5に入力され、HD,VDの信号をSS
G6に入力するまでは従来と同じである。SSG6はフ
ィールドメモリ4の書き込みクロック、読み出しクロッ
ク、ヘッドスイッチングパルスなどシステムが必要とす
る各種クロックや制御信号を出力する。フィールドメモ
リ4から出力されたデータは同期信号付加回路7に入力
され、ここで負極性同期信号とバースト信号が付加さ
れ、D/A変換器8でアナログ信号に変換され、エンフ
ァシス回路9で磁気記録に適したエンファシス処理がな
され、FM変調器10でFM変調され、記録アンプ11
で電流増幅が行われ、磁気ヘッド12で磁気テープ13
に記録が行われるまでは従来と同じである。
【0026】一方再生時には、磁気テープ13に記録さ
れている信号は磁気ヘッド12にてピックアップされ、
再生アンプ14で増幅され、FM復調器15でFM復調
がなされ、ディエンファシス回路16でディエンファシ
ス処理がなされた後に、A/D変換器17とライトクロ
ックジェネレーター19に入力されるまでは従来と同じ
である。A/D変換器17でデジタルデータに変換され
た再生信号はラインメモリ23に入力される。ラインメ
モリ23では時間軸の補正動作いわゆるタイムベースコ
レクタとしての動作のみが行われる。再生信号にはドラ
ムの回転むらなどによってのジッタがあるが、ライトク
ロックジェネレーター19にて発生したジッタのあるク
ロックでジッタのあるデータを書き込み、SSG6が発
生するジッタのないクロックでデータを読み出すことに
よってジッタのない再生信号データを得ることができ
る。ラインメモリ23によってジッタの取り除かれたデ
ータはフィールドメモリ18に入力される。フィールド
メモリ18では記録時にフィールドメモリ4でおこなわ
れた処理の逆の処理が行われる。即ち、第1、第2の信
号にすだれ状に間引いて分割されていた信号をもとの信
号に戻す処理が行われ、それと同時に時間圧縮されてい
たデータを伸長し、付加されていた負極性同期信号とバ
ースト信号を取り除き、加えられていた何本かの水平ラ
インを取り除く処理が行われる。なお通常は記録と再生
とは同時には行われないので、フィールドメモリ18を
フィールドメモリ4と共用しても構わない。フィールド
メモリ18でもとのならびの信号に戻されたデータは水
平ノンリニアディエンファシス回路20に入力され、記
録時に水平ノンリニアエンファシス回路3によってなさ
れた水平ノンリニアエンファシス処理を元に戻す処理が
行われる。水平ノンリニアディエンファシス回路20の
出力データはMUSEエンファシス回路21に入力さ
れ、D/A変換器22でアナログ信号に変換されて出力
されるところは従来と同じである。
【0027】次に本発明の第1の実施例について説明を
行う。第1の実施例の構成を示す第1図と第2の実施例
の構成を示す図2とで異なる点は、図2において存在し
たラインメモリ23が図1には存在しないというところ
だけである。つまり第2の実施例において説明したライ
ンメモリ23は省略可能ということになる。ラインメモ
リ23を省略するとどうなるかというと、A/D変換器
17でデジタルデータに変換されたジッタのある信号が
そのままフィールドメモリ18に入力され、ライトクロ
ックジェネレーター19で発生したジッタのあるクロッ
クがフィールドメモリ18の書き込みクロックとして入
力される。即ちタイムベースコレクタとしての動作はフ
ィールドメモリ18が行うことになり、フィールドメモ
リ18はタイムベースコレクタとしての動作と時間軸伸
長と不要な信号の除去をいっぺんに行うことになる。そ
の他の部分については第2の実施例と同じである。
【0028】なぜ第1の実施例と第2の実施例とを説明
したかというと、第1の実施例と第2の実施例とでは特
殊再生の処理方式が異なるからである。早送り再生や巻
き戻し再生といった特殊再生時にはヘッドがトラックを
横切って走査するために1ラインの長さが長くなった
り、あるいは短くなったりする。また1トラックのライ
ン数も少なくなったり、あるいは多くなったりする。こ
のときに第2の実施例で説明したようにフィールドメモ
リの前段にラインメモリがあると、早送り再生時に1ラ
インの長さが長くなって1トラックのライン数が少なく
なってもラインメモリによって適当に補完され、ライン
メモリから出力されるときのライン数は正規の数にな
る。また巻き戻し再生で1ラインの長さが短くなって1
トラックのライン数が多くなってもラインメモリによっ
て適当に切り捨てられてラインメモリから出力されると
きには正規のライン数となる。このようにラインメモリ
がフィールドメモリの前段に存在すると、ラインメモリ
がライン数を補正してくれるのでシステムが設計しやす
くなるという利点がある。ただし特殊再生によって1ラ
インの長さが変化する量はジッタの変化量よりもはるか
に大きいので、ライトクロックジェネレーターのクロッ
ク周波数変化幅は大きく設計しておかなければならな
い。しかしライトクロックジェネレーターのクロック周
波数変化幅を大きく設計すると、ライトクロックジェネ
レーターの回路規模が大きくなり、コストを上げる原因
となる。そこで別な手法で対処することも可能である。
その方法は特殊再生時の回転ドラムの回転数を正規の回
転数よりも微妙に変化させるというものである。回転ド
ラムの回転数を微妙に変化させることによって、1ライ
ンの長さを正規の長さに近い値にしてやれば、ライトク
ロックジェネレーターのクロック周波数変化幅を大きく
設計しなくても済む。しかしこのときは回転ドラムの回
転数が正規の回転数から微妙にずれているために、フィ
ールドメモリの書き込みと読み出しのタイミングがずれ
てゆき、やがては1フィールド追い越す、または1フィ
ールド不足するといった現象が起こる。そのためこのず
れに対処できるようにフィールドメモリのコントロール
回路を設計する必要がある。また、ラインメモリを省略
した場合はライン数が正規でなくなるのでこれについて
もフィールドメモリのコントロール回路で対処する必要
がある。
【0029】フィールドメモリを用いたときの特殊再生
はラインスキップ型の特殊再生となり、フィールドメモ
リを用いたときの特殊再生はフィールドスキップ型の特
殊再生となるわけだが、どちらで設計するかは設計者の
自由である。本願の発明者らが実験によって確認したと
ころ、ラインスキップ型の特殊再生もフィールドスキッ
プ型の特殊再生も性能的には甲乙つけがたく、フィール
ドメモリを省略したほうが若干であるがコストを下げら
れるという結論が得られた。即ち第1の実施例のほうが
コスト的には有利である。
【0030】次に本発明によるテープパターンについて
説明を行う。従来のMUSE−VTRの記録方式の場合
は単純なセグメント分割記録であったが、本発明ではM
USE信号が持つ2種類の同期信号をもとにMUSE信
号をすだれ状に第1、第2の記録信号に分割し、さらに
MUSE信号の垂直ブランキング期間に多重されている
音声信号を前記第1、第2の記録信号中に1ラインずつ
分散させるという今までにない記録方式を採用してい
る。入力信号をすだれ状に第1、第2の記録信号に分割
するという記録方式はハイビジョンのベースバンドVT
Rで用いられ既に公知な技術であるが、ハイビジョンベ
ースバンドVTRの場合は単純に奇数ライン、偶数ライ
ンで分割していた。それに対し本発明では同期信号部分
のドロップアウトにも対処するために、MUSE信号の
2種類ある同期信号をよりどころとして分割する方法を
用いている点において新規なものである。また、ハイビ
ジョンベースバンドVTRは2チャンネル2セグメント
記録、あるいは2チャンネル3セグメント記録方式を採
用しているので入力信号の占有帯域Pよりも記録信号の
占有帯域Qは小さい値となっていたが、本発明では1チ
ャンネル記録を行うことによってQ>Pの状態で記録を
行うようにしている。図3に示すのが本発明によるテー
プパターンである。1トラックのライン数が292.5
の場合を例にとって説明してあるが、必ずしもこの限り
ではない。同図(a)は1フレーム分のテープパターン
を分かりやすく示したものである。入力MUSE信号の
1フレームのライン数Nは1125であり、記録信号の
1トラックのライン数が292.5で1フレームは4本
のトラックに分割されるので、記録信号の1フレームの
ライン数Mは1170となり、M>Nの状態で記録が行
われることになる。回転ドラムの回転方向は右から左で
ある。始めに回転ドラムの1/2回転で#11のトラッ
クを図19でいうところの12(a)のヘッドが記録を
行い、次の1/2回転で#21のトラックを12(b)
のヘッドが記録を行って1フィールドの記録が完了す
る。次の1/2回転では#12のトラックを再び12
(a)のヘッドが記録を行い、さらに次の1/2回転で
#22のトラックを12(b)のヘッドが記録を行って
1フレームの信号の記録が完了する。X,VL,TCと
いうのは記録時に新たに加えられた信号である。Xは負
極性同期信号とバースト信号があってあとは無彩色50
%レベルの信号であり、トラックの始点と終点部分にあ
りヘッドスイッチングのためのマージンとなっている部
分である。VLはそのトラックの信号の始まりを示す信
号である。TCはタイムコード信号を記録する領域であ
る。ライン番号でいうところの1,2,564以外の部
分は太枠でくくってあるが、図15にあるように1,2
はMUSEのフレームパルスであり、564は空の信号
であり映像信号でも音声信号でもない部分である。即
ち、映像信号または音声信号の部分が太枠でくくってあ
る。そしてこの太枠部分は第1フィールドと第2フィー
ルドとで同じ形で同じ並びになるようにしてある。この
ように両フィールドで映像信号または音声信号の部分を
同じ形で同じ並びにしておくと特殊再生時にモニタに現
れる映像が自然に見えるようになる。第1フィールドの
3ラインめから46ラインと、第2フィールドの565
ラインめから608ラインにある音声信号ラインは、図
15に示すように1ラインずつ映像信号領域内に分散さ
れている。なぜこのような操作をしているかというと、
MUSE信号の音声信号は3値のPCM信号であり、エ
ラー訂正のための種々の操作がなされているがドロップ
アウトのような長期のバーストエラーに対してのエラー
訂正能力はそれほど高くはない。エラー訂正についての
詳細は先にあげたMUSEに関する参考文献にに詳しい
のでここでは説明しないが、本発明者らが実験により確
認したところ、ドロップアウトの長さが0.6ラインま
でであればエラー訂正が可能であり、それ以上1ライン
程度までであれば完全な訂正はできないが補正が行われ
音声ノイズとはならず、2ラインにまたがったドロップ
アウトの場合は補正もできなくなって音声ノイズとして
知覚できてしまうという結果が得られた。そこで本発明
では上記に説明したように音声信号を1ラインずつ分散
させて長期間のドロップアウトがあっても音声信号が受
けるダメージが1ライン以内になるようにしている。図
3の例では12ラインおきに音声信号が配置されるので
12ラインを越えるドロップアウトについては問題とな
るが、現実には12ラインを越えるドロップアウトとい
うものはほとんど存在せず、比較的長いドロップアウト
でも4ライン程度であることが本願の発明者らの実験に
よって確認できている。図3(b)は6フレームを連続
して記録したときのテープパターンを示したもので、音
声信号の分散状況をイメージとしてとらえやすく示した
ものである。*マークの部分が音声信号ラインである。
このように音声信号がまんべんなく分散されているので
テープ走行方向でのドロップアウトがあっても対処でき
るようになっている。
【0031】図4に本発明による記録信号の形態を示
す。入力MUSE信号は図4に示すように向きの異なる
2種類の同期信号をもったラインが交互に存在するが、
これを同期信号の種類をよりどころとしてすだれ状に第
1、第2の記録信号に分割する。第1の記録信号として
は右下がりの同期信号を持ったラインの信号を順次出力
し、第2の記録信号としては右上がりの同期信号を持っ
たラインの信号を順次出力する。第1の記録信号は回転
ドラムの初めの1/2回転で記録を行い、第2の記録信
号は回転ドラムの次の1/2回転で記録を行う。
【0032】図5、図6は発明を説明するための図で
ある。図5が本発明に懸かる同期付加回路のブロック図
であり、図6がそのタイミングチャートである。フィー
ルドメモリ4の出力データ(a)は第1のDフリップフ
ロップ24に入力されここで1クロック遅延したデータ
(b)は第2のDフリップフロップ25に入力され、さ
らにもう1クロック遅延したデータ(c)となる。ま
た、フィールドメモリ4の出力データ(a)は4者択一
型のスイッチ回路26のC2端子に、第1のDフリップ
フロップ24の出力データはC0端子に、第2のDフリ
ップフロップ25の出力データはC1端子に入力されて
いる。負極性同期信号・バースト信号発生ROM27の
出力データは4者択一型スイッチ回路26のC3端子に
接続されている。また、第5図には図示したはいないが
SSG6にて発生する4者端子型スイッチ回路26のセ
レクト信号A(g)及びセレクト信号B(f)はそれぞ
れA,Bの端子に入力されている。4者択一型スイッチ
回路の例としては74HC153などがある。74HC
153にはこの型のスイッチ回路が2回路入っている。
図5の下側に74HC153の機能表と内部構成を示
す。図6において、MUSE信号の1ラインは480サ
ンプルであり、フィールドメモリ4の出力データは同図
のように32サンプル分の間を空けて間欠的に出力され
る。32サンプル分のデータが負極性同期信号とバース
ト信号のデータのサンプル数である。記録信号のデータ
数はあわせて512サンプルとなるが、この512とい
う値は29であり、一般に市販されているメモリの容量
が2Nであることから、一般に市販されているメモリと
の整合性が良くメモリをむだにすることのない値として
いる。このときMUSE信号の記録信号に対する割合は
480/512=15/16であり、負極性同期信号・
バースト信号データの記録信号に対する割合は32/5
12=1/16となっている。負極性同期信号とバース
ト信号のデータとして空けられているのは32サンプル
であるが負極性同期信号・バースト信号発生ROM27
から出力されるサンプル数は30サンプルである。32
サンプルのうち最初のサンプルデータはMUSE信号の
最後のサンプルデータが再び出力され、32サンプルの
うちの最後のサンプルデータはMUSE信号の最初のサ
ンプルデータは出力されるように本発明では構成されて
いる。図5のような構成で、図6に示すようなセレクト
信号(g),(f)が4者択一型スイッチ回路26に与
えられると、同期付加回路7の出力データ(e)はMU
SE信号部分はセレクト信号A(g),B(f)とも"
L"なのでスイッチはC0のデータを選択し、第1のD
フリップフロップ24の出力データ(b)が480サン
プル出力されることになる。32サンプルの最初のサン
プルではセレクト信号A(g)が"H"でセレクト信号B
(f)は"L"なのでスイッチはC1のデータを選択し、
第2のDフリップフロップ25の出力データ(c)が1
サンプル出力される。この1サンプルはMUSE信号デ
ータの最後のサンプルデータである。32サンプルの最
後のサンプルではセレクト信号A(g)が"L"でセレク
ト信号B(f)は"H"なのでスイッチはC2のデータを
選択し、同期付加回路7の入力データ(a)が1サンプ
ル出力される。この1サンプルはMUSE信号データの
最初のサンプルデータである。32サンプルのうち最初
と最後の2サンプルを除く30サンプルではセレクト信
号A(g),B(f)とも"H"なので負極性同期信号・
バースト信号発生ROM27の出力データ(d)が出力
される。このように本発明によれば新たに付加する負極
性同期信号・バースト信号の前後のデータそれぞれ1サ
ンプルずつはMUSE信号データの最後のサンプル及び
最初のサンプルとなり、負極性同期信号及びバースト信
号によって影響を受けるのはこれらのデータであり、再
生時にはそれらのデータを含む32サンプルのデータを
取り除く処理を行えば従来の2者択一型スイッチを用い
た時に起こった問題を軽減し、ほとんど問題となくする
ことが可能となる。
【0033】図7に負極性同期信号とバースト信号を付
加した後の記録信号の波形を示す。同図下に示すのがイ
メージとしての図であり、左側に$XXXで示したのが
16進数で表示したレベルである。同図上に示したのが
負極性同期信号・バースト信号部分とその前後の部分で
ある。TCIとしてあるのが記録信号であり、RWCK
としてあるのがフィールドメモリ4の読み出しクロック
である。RWCKの上に書いてある数字がMUSEのサ
ンプル番号であり、下に書いてあるのが記録信号のサン
プル番号である。SD−ROM DATAと書いてある
のは負極性同期信号・バースト信号発生ROM27の出
力データを8ビット分16進数表示したものである。負
極性同期信号が2重になった部分があるが(記録信号の
サンプル番号での9〜12の部分)、これは本発明に
し映像信号と音声信号とで付加する負極性同期信号の幅
を変えた時の例である。
【0034】図8はフィールドメモリ4にMUSE信号
を書き込む際のメモリマップを示したものである。まず
フィールドメモリ4を2つの領域に分割し、前半(図で
は左半分)の領域を第1の記録信号#1の領域とし、後
半(図では右半分)の領域を第2の記録信号#2の領域
とする。入力されたMUSE信号の1ライン目は#2の
領域の最初の番地に書き込まれ、2ライン目は#1の領
域の最初の番地に書き込まれる。3ライン目から46ラ
イン目までは音声信号なので飛び飛びの番地にそれぞれ
#1の領域と#2の領域に交互に書き込みが行われる。
映像信号の始まりである47ライン目は#1の領域の2
ライン目の書かれた次の番地に書き込まれ、48ライン
目は#2の1ライン目の書かれた次の番地に書き込まれ
る。49ライン目は再び#1の領域の次の番地に書き込
まれるといった操作を順次繰り返すことによって、フィ
ールドメモリ4へのMUSE信号の1フィールドのデー
タの書き込みを終了する。
【0035】図9は本発明の改良されたドロップアウト
補償回路の実施例を示したものである。磁気テープ13
に記録されている信号が磁気ヘッド12にてピックアッ
プされ、再生アンプ14で増幅され、FM復調器15で
復調され、ディエンファシス回路16でディエンファシ
ス処理され、A/D変換器17でデジタルデータに変換
されフィールドメモリ18に書き込まれるまでは既に説
明した。再生アンプ14の出力はローパスフィルタ28
に与えられ、ここで再生FM信号の包絡外形線が取り出
され、コンパレーター29の+側端子に入力される。コ
ンパレーター29の−側端子には可変抵抗器30で作成
された一定電圧が与えられており、ドロップアウトを検
出する。コンパレーター29の出力信号であるドロップ
アウト検出パルスDOPはOR回路31の一方の端子に
入力される。また、ディエンファシス回路16の出力信
号は音声ライン検出回路32に入力される。音声ライン
検出回路32では付加されている負極性同期信号のパル
ス幅を検知して音声信号ラインであるときは"H"の信号
をAND回路33の一方の端子に出力する。AND回路
33のもう一方の端子には図示してはいないが、ユーザ
ーのキー入力による特殊再生の指示をうけたシステムコ
ントロラーが特殊再生モードであることを出力するTR
IC(トリック)信号が接続されている。特殊再生モー
ドのときにシステムコントロラーは"H"のTRIC信号
を出力する。即ち、AND回路33は特殊再生が行われ
ており、かつ音声信号ラインを検出したときに"H"の信
号を出力する。AND回路33の出力はOR回路31の
もう一方の端子に入力される。OR回路31の出力はフ
ィールドメモリ18のライトイネーブル端子に入力され
ている。フィールドメモリ18のライトイネーブル端子
が"H"となるとフィールドメモリ18はデータの書き込
みを行わないので、このときは1フィールド前のデータ
が保持されることになる。即ち、フィールドメモリを用
いた時のドロップアウト補償は1フィールド前のデータ
で補償が行われることになる。この例は前述した図1に
基づく実施例のときであり、図2に基づく実施例のとき
には、フィールドメモリ18がラインメモリ23に置き
換えられることになる。このときのドロップアウト補償
は1ライン前のラインで行われることになる。ここで重
要なのは本発明によれば従来の図23のような複雑なド
ロップアウト補償回路が不要であるということである。
即ち、記録信号はMUSEの水平同期信号をよりどころ
として第1、第2の記録信号に分割されており、再生時
もその条件は変わらないから再生時には同じタイプのM
USE水平同期信号のラインが連続してドロップアウト
補償回路に入力され、色差信号はMUSE水平同期信号
と1対1に対応しているので、前後のラインでは相関性
が存在し直前のラインでドロップアウト補償を行っても
問題とはならないのである。なぜ図9のようなドロップ
アウト補償回路にしているかというと、前述したように
特殊再生時には1トラックのライン数が正規の数とは異
なってしまうので音声信号ラインを正しく規定の番地に
格納できなくなり、音声信号を映像信号と誤って出力し
てしまう問題が生じてしまうからである。音声信号を映
像信号と誤って出力してしまうとモニタに横筋が入った
ような再生信号になってしまう。そのため本発明では特
殊再生時には音声信号をドロップアウト処理してしまう
ことによってこの問題に対処している。特殊再生時の音
声ライン検出信号とドロップアウトパルスとの論理和を
とっているのがOR回路31である。
【0036】図10に示すのが音声ライン検出回路32
の構成をあらわすブロック図と回路の動作を説明するた
めのタイミングチャートである。ディエンファシス回路
16の出力信号は(a)のような波形をしている。映像
信号に付加されている負極姓同期信号は幅が広く、音声
信号に付加されている負極姓同期信号は幅が狭くなって
いる。この信号(a)が同期分離回路34に入力され、
同期分離回路34は入力された信号の負極姓同期信号を
分離して(b)のような波形を出力する。同期分離出力
(b)はDフリップフロップ35のD端子に入力される
とともにモノステーブルマルチバイブレーター36に入
力される。モノステーブルマルチバイブレーター36は
入力信号である同期分離信号(b)の立ち上がりエッジ
を捕え、そこから一定の幅を持った負極姓のパルス
(c)をDフリップフロップ35のクロック端子に出力
する。Dフリップフロップ35はクロック端子の立ち上
がり時のD端子のレベルを保持するので、(d)のよう
な音声ラインが"H"となったパルスを出力する。これで
音声ラインが検出できたことになる。映像信号に付加さ
れる負極性同期信号と音声信号に付加される負極性同期
信号とではそのパルス幅を変えてある。図10の例では
負極性同期信号の立ち下がり位置は同じで、音声信号に
付加されるほうの負極性同期信号の立ち上がり位置を早
くして、音声信号に付加される負極性同期信号のパルス
幅を狭くしている。この例では負極性同期信号の立ち下
がり位置を同じにしているが、立ち上がり位置を同じに
しても、あるいは立ち上がり、立ち下がり位置の両方を
異なる位置にしてもかまわない。しかしこのときは音声
ライン検出回路の構成は適当に変更しなければならな
い。
【0037】図11は本発明の実施例を示したものであ
。記録再生装置はテレビジョン信号を入力する端子と
帯域圧縮映像信号を入力する端子とを具備している。テ
レビジョン信号入力端子から入力されたテレビジョン信
号はテレビジョン信号記録回路37に入力される。テレ
ビジョン信号記録回路37の構成は例えばVHS−VT
Rの記録回路として公知なのでここでは説明しない。テ
レビジョン信号記録回路の出力信号はテレビジョン信号
記録用磁気ヘッド38で磁気テープ13に記録が行われ
る。一方帯域圧縮映像信号入力端子から入力された帯域
圧縮映像信号は帯域圧縮映像信号記録回路39に入力さ
れ磁気ヘッド12にて磁気テープ13に記録が行われ
る。帯域圧縮映像信号記録回路39の構成は図1などで
説明したものである。ユーザーがテレビジョン信号の記
録を行うか帯域圧縮映像信号の記録を行うかを切り替え
選択する入力切り替えスイッチ40の出力はシステムコ
ントローラー41に入力される。システムコントローラ
ー41はマイクロコンピューター(いわゆるワンチップ
マイコン)などで構成されており、無用な電力消費を抑
えるためのテレビジョン信号記録回路37や帯域圧縮映
像信号記録回路39の電源をオン/オフ切り替えを行っ
たりする。システムコントローラー41はユーザーがス
イッチ40にてテレビジョン信号の記録を指示したとき
にはドラムサーボ回路42とキャプスタンサーボ回路4
3にテレビジョン信号を記録するための制御信号を出力
する。例えばVHS−VTRと同じ記録回路であればド
ラムの回転数を1800rpmに、磁気テープ13の走
行速度が33.35mm/sになるような制御信号を出
力する。ドラムサーボ回路42はドラムの回転数が一定
になるように回転ドラムを制御し、キャプスタンサーボ
回路43は磁気テープ13の走行速度が一定になるよう
にキャプスタンを制御する。一方帯域圧縮映像信号を記
録するよう指示があったときにはシステムコントローラ
ー41はドラムの回転数が2倍の3600rpmに、磁
気テープ13の走行速度が3/5の20.01mm/s
になるような制御信号を出力する。
【0038】ここで、なぜ磁気テープ13の走行速度が
20.01mm/sになるのかを説明する。20.01
mm/sという値はVHS−VTRの標準モードでのテ
ープの走行速度の3/5という簡単な整数比となる値で
ある。テープ走行速度を切り替えた時に、それが簡単な
整数比になっていれば切り替え回路の構成も簡単となる
のは明確である。回路の構成が簡単になればそれだけ回
路部品点数が減りコストを下げることができるのもまた
明確である。本発明の目的とするところは民生用の帯域
圧縮映像信号の記録再生装置を安価に実現することばか
りでなく、広く世界に普及しているVHS−VTRの資
産を生かしつつ帯域圧縮映像信号の記録再生装置を世界
に広げて行けるフォーマットを開示することである。そ
のため本発明のフォーマットに関わる各定数は従来のV
TRの各定数や帯域圧縮映像信号(MUSE信号)の各
定数を熟慮した上で最も都合の良い値に決定されてい
る。その結果が本発明に懸かる発明である。即ち、回転
ドラム直径はVHS−VTRと同じ62mmとし、その
回転数はVHS−VTRの2倍である3600rpmと
し、1トラックに記録する記録信号のライン数を29
2.5とするものである。回転ドラムの直径が同じであ
り、回転数が2倍程度であれば従来の部品がほぼそのま
ま使える。記録フォーマットである1トラックの記録ラ
イン数を292.5にしたことについては複雑な計算を
要するので、まず計算式を下記する。
【0039】 V={πNDSH/2(fH−SH)}・(1/cosθ0) ・・・ (1) TP=(V/N)sinθ ・・・ (2) sinθ=sinθ0/√{1−2(2V/πND)cosθ0+(2V/πN D)2} ・・・ (3) このとき V :テープ走行速度[mm] N :フィールド周波数×フィールド分割個数 D :ドラム直径[mm] SH:1トラックのH数(水平ライン数) fH:Hずれ量 TP:記録トラックピッチ[mm] θ0:静止時テープ傾斜角[°] θ :テープ記録角度[°] である。
【0040】VHS−VTRの場合はVは33.35
(標準モード)、11.116(3倍モード)であり、
Nは60、Dは62、SHは262.5、fHは1.5
(標準モード)、0.5(3倍モード)、TPは58μ
m(標準モード)19.3μm(3倍モード)、θ0
5°56′7.4″、θは5°58′9.9″である。
上記の式やVHS−VTRの各定数については「ホーム
VTR入門」(横山克哉他著 コロナ社)の113頁及
び118頁に詳しい。
【0041】本発明はVHS−VTRとメカニカルコン
ポーネンツを共用するという前提があるのでドラム直径
Dと静止時テープ傾斜角θ0はVHS−VTRと同じで
ある。また本発明では1フィールドの信号は2本のトラ
ックに分割されるのでNは60×2=120となる。こ
れらのD,N,θ0が決まってしまうと本発明のテープ
走行速度Vは(1)式よりfHとSHの関係で求まること
がわかる。Hずれ量SHについてはテープ上でHが並ぶ
いわゆるH並びがとれた状態にしないとクロストークの
問題や特殊再生時に処理が複雑になるという問題点があ
る。H並びがとれた状態にするにはSHの値を0.5の
倍数に極力近い値にすれば良い。また1トラックのH数
Hは、MUSE信号の1フレームのH数は1125で
ありそれを4本のトラックに分割するのであるから11
25/4=281.25以上の値である必要がある。さ
らにSHが0.5の倍数であるからfHは281.5以上
0.5刻みの値となる。それに加えヘッドスイッチング
のための領域として1トラックの始点と終点にはそれぞ
れ最低3H程度ずつのマージンを設ける必要があるの
で、結果的にfHは286.5以上の0.5刻みの値と
なる。上記の条件のもとに本発明のテープ走行速度がV
HS−VTRの標準モードの走行速度の簡単な整数比に
なるようfHとSHを(1)式から求めると、本発明のテ
ープ走行速度Vは33.35の3/5である20.0
1、1トラックのH数fHは292.5、Hずれ量SH
0.496≒0.5となる。また、このときの記録トラ
ックピッチTPは(2)式(3)式より17.3μmと
なり、物理的に実現不可能な値ではないので、これをも
って本発明の記録フォーマットとして決定した。この記
録フォーマットによるテープパターンが図3に示した本
発明によるテープパターンである。また、トラックピッ
チが17.3μmのときに、13.5μm厚の磁気テー
プをVHSサイズ並のカセットに装填した場合、約4.
4時間の帯域圧縮映像信号の記録が可能となる。なおこ
の例においてはテープ走行速度が簡単な整数比になるこ
とを優先してSHを正確な0.5ではなく0.496と
した。実際にはこの0.004の差はほとんど問題とは
ならないが、SHを0.5としてこれを優先してテープ
走行速度を決定してもかまわない。従って、本発明の範
囲は特許請求の範囲の記載によって限定される。
【0042】ここで、フィールドメモリ4の読み出しク
ロック即ち記録信号のサンプリングクロックを17.9
712MHzに決定した理由について説明する。先に決
定した1トラックのH数fHは292.5であるから、
1フレームのH数は292.5×4=1170となる。
また記録信号のなかでMUSE信号が占める割合は15
/16であり、MUSE信号のH数は1125であり、
MUSE信号のサンプリング周波数は16.2MHzで
あるから、記録信号のサンプリングクロックは, 16.2×(1170/1125)×(16/15)=17.9712 となる。
【0043】一般にサンプリングクロックはその源振を
2倍以上の周波数とすることが多い。これは、ある周波
数の基本クロックを源振としてそのクロックを分周した
クロックをサンプリングクロックとして用いた方がサン
プリングクロックのデューティー比が良くなるからであ
る。したがって本発明においてもMUSE信号をサンプ
リングするクロックの原振を16.2MHzの2倍の3
2.4MHzとし、記録信号のサンプリングクロックの
原振も17.9712MHzの2倍の35.9424M
Hzとする。このとき32.4MHzと35.9424
MHzは416対375という関係となり、やはり整数
比の関係となる。両方の周波数の最大公約数は、 35.9424/416=32.4/375=86.4[kHz] と比較的大きな値となる。このことは重要で、両方の周
波数の最大公約数が大きい値だとSSG6のクロック発
生部の構成が簡単になるという効果をもたらし、その結
果としてコストを下げられるという効果が得られる。図
12に本発明のSSG6のクロック発生部の構成を示す
ブロック図を示す。SSG6にはMUSE同期分離回路
5によって分離されたMUSE信号のHD信号,VD信
号が入力されている。HD信号の周波数は33.75k
Hzであり、VD信号の周波数は60Hzである。SS
G6のクロック発生部は第1のフェイズドックドループ
(以降PLL)44と第2のPLL45とで構成されて
いる。HD信号は第1のPLL44の第1の位相比較器
46に位相比較の基準信号として入力される。位相比較
器46は後述する比較信号と基準信号HDとの位相比較
を行い、位相ずれに応じたエラー電圧を発生する。エラ
ー電圧はローパスフィルタ47でその低域成分のみが取
り出され、32.4MHzのクロックを発生するボルテ
ージコントロールドクリスタルオシレーター(以降VC
XO)48に制御電圧として与えられる。VCXO48
にて発生した32.4MHzのクロックは1/2分周器
49に与えられ、ここで周波数が1/2となり、16.
2MHzのMUSE信号のサンプリングクロックとして
出力される。さらに16.2MHzのクロックは1/4
80分周器50でその周波数を1/480にされて位相
比較器46の比較信号として与えられる。比較信号の周
波数も32.4MHz/480=33.75kHzであ
る。このようにして第1のPLL44としての動作を行
う。一方32.4MHzのクロックは1/375分周器
51にに入力され、ここで周波数が1/375の86.
4kHzとなった信号が第2のPLL45の基準信号と
して第2の位相比較器52に入力される。VD信号は1
/375分周器51のリセット信号として入力される。
86.4kHzはVDの周波数である60Hzで割り切
れるので86.4kHzはVDと位相ロックのかかった
信号とすることができる。第2の位相比較器52の出力
であるエラー電圧も同様にローパスフィルタ53を通過
し、35.9424MHzのVCXO54の制御電圧と
して与えられる。VCXO54の出力クロックは1/2
分周器56に入力され、周波数が1/2になった17.
9712MHzの記録信号のサンプリングクロックとし
て出力される。一方17.9712MHzのクロックは
1/208分周器55で周波数が1/208の86.4
kHzにされ、第2の位相比較器52の比較信号として
入力され、第2のPLLとしての動作を行う。このよう
に本発明によれば、SSG6のクロック発生部は非常に
簡単な構成とすることができ、機器のコストを下げるこ
とが可能となる。
【0044】最後に本発明に懸かる発明の、MUSEデ
ィエンファシス回路2の構成について図13のブロック
図を用いて説明する。8ビットの分解能のA/D変換器
1でA/D変換されたMUSEデータはまずノンリニア
ROM57にアドレスとして入力される。ノンリニアR
OM57はいわゆるテーブルROMであり、入力データ
をアドレスとして後述するノンリニア特性のデータを出
力する。このとき出力データは9ビットである。従来の
ノンリニアROMが10ビット入出力であったのに対
し、本発明では8ビット入力9ビット出力である。ノン
リニアROM57の出力データ9ビットはディエンファ
シスデジタルフィルタ58に入力される。ここのデジタ
ルフィルタでディエンファシス処理がされて上位8ビッ
トのデータが出力されるところは従来と同じである。そ
して本発明では入力データのすべての領域にディエンフ
ァシス処理を行うので、従来あったような遅延回路やス
イッチ回路が不要となり、ここでもコストダウンが行わ
れている。即ち、本発明によるMUSEディエンファシ
ス回路は回路内部ではデータは9ビットとなるが、入出
力は8ビット構成であり、IC化の際のピン数の削減の
効果もある。図14に示すのが本発明によるノンリニア
ROM57のノンリニア特性である。横軸が入力レベル
であり、縦軸が出力レベルである。入力レベルは±12
8の256レベルでこれは入力8ビットに相当する28
である。出力レベルは±256の512レベルでこれは
9ビットに相当する29である。入力レベルの60まで
は直線特性となっており、それ以上は楕円特性である。
直線特性の部分が信号の基本成分であり、楕円特性の部
分がノンリニアエンファシス成分である。この特性によ
れば信号の基本成分は入出力とも60レベルあり、基本
成分の劣化はない。ディエンファシスデジタルフィルタ
58の構成は図28に示した従来例と同じである。
【0045】以上、本発明について現在好ましいと考え
られる実施例について詳しく説明したが、当業者であれ
ば、本発明の範囲内で様々な変更が可能であることは明
白である。
【0046】
【発明の効果】発明に懸かる帯域圧縮映像信号の記録
再生装置は、以上に説明したように、帯域圧縮映像信号
のもともとある水平ライン数よりも多い水平ライン数で
記録を行うことになるので、増加分の水平ラインをヘッ
ドスイッチングのための領域として使用することができ
るようになり、信号が欠落することなく帯域圧縮映像信
号の全水平ラインを記録することができるようになると
いう効果を奏する。発明に懸かる帯域圧縮映像信号の
記録再生装置は、以上に説明したように、帯域圧縮映像
信号を第1、第2の記録信号にすだれ状に分割したとき
に、記録信号の占有帯域のほうがもともとの帯域圧縮映
像信号の占有帯域よりも高くなるで、相対的に信号の記
録に要する時間が短くなり、短くなった時間の分をヘッ
ドスイッチングのための時間として使用することが可能
となるという効果を奏する。発明に懸かる帯域圧縮映
像信号の記録再生装置は、以上に説明したように、第1
の記録信号と第2の記録信号とでは水平同期信号及び色
差信号が同じ種類の信号となるので、ドロップアウト補
償回路の構成が簡単になり、機器のコストを下げること
ができるようになるという効果を奏する。発明に懸か
る帯域圧縮映像信号の記録再生装置は、以上に説明した
ように、記録時に付加された負極性同期信号とバースト
信号によって入力信号が変形してしまうのを避けること
ができ、付加された負極性同期信号とバースト信号を取
り除いたあとでももとの帯域圧縮映像信号を完全に復元
することが可能となるという効果を奏する。
【0047】発明に懸かる帯域圧縮映像信号の記録再
生装置は、以上に説明したように、記録信号中に音声信
号が連続することがなくなるので、再生信号中に比較的
長いドロップアウトがあっても、ダメージを受ける音声
信号は1ラインで済むようになり、ドロップアウトによ
って音声ノイズが聞き取れてしまうようなことがなくな
るという効果を奏する。発明に懸かる帯域圧縮映像信
号の記録再生装置は、以上に説明したように、映像信号
の1水平ラインに付加される負極性同期信号と、音声信
号の1水平ラインに付加される負極性同期信号とでは、
そのパルス幅が異なっているので、容易に再生時の信号
が映像信号なのか音声信号なのかを識別検出することが
可能となるという効果を奏する。発明に懸かる帯域圧
縮映像信号の記録再生装置は、以上に説明したように、
再生信号中の音声信号と映像信号を識別検出することが
可能であり、改良されたドロップアウト補償回路を具備
するので、特殊再生時に音声信号を映像信号と誤ってモ
ニタ等に出力してしまうことがなくなるという効果を奏
する。発明に懸かる帯域圧縮映像信号の記録再生装置
は、以上に説明したように、テレビジョン信号と帯域圧
縮映像信号の両方を記録再生できる記録再生装置を1台
の機器で安価に実現することが可能になるという効果を
奏する。発明に懸かる帯域圧縮映像信号の記録再生装
置は、以上に説明したように、入力信号のサンプリング
クロックの2倍の周波数を32.4MHzとしたときに
は、記録信号のサンプリングクロックの2倍の周波数は
35.9424MHzとなり、その比は整数の375対
416となり、2種類の周波数の最大公約数は86.4
kHzと比較的大きな値となるので、記録信号のサンプ
リングクロックを作成するPLLの構成が簡単になると
いう効果を奏する。また、記録トラックのHずれ量を特
殊再生が可能となる0.5とし、テープ走行速度をVH
S−VTRの標準走行速度である33.35mm/se
cの簡単な整数比となる3/5の20.01mm/se
cとすると、トラックピッチは17.3μmとなり、1
3.5μm厚の磁気テープをVHSサイズのカセットに
装填した場合は約4.4時間の記録再生時間を実現する
ことが可能となるという効果を奏する。
【0048】発明に懸かる帯域圧縮映像信号の記録再
生装置は、以上に説明したように、安価な8ビットのA
/D変換器を使用できるようになり、また、MUSEデ
ィエンファシス回路においては、従来は映像信号部分の
みにディエンファシス処理を行っていたため必要であっ
た遅延回路やスイッチ回路が不要となり、回路規模を小
さくすることができ、機器のコストを下げることが可能
となるという効果を奏する。発明を適当に組み合わせ
た帯域圧縮映像信号の記録再生装置は、以上に説明した
ように、世界に広く普及しているVHS−VTRの莫大
な資産をそのまま使用でき、新たな投資を極力少なくし
た、帯域圧縮映像信号の記録再生装置を実現することが
可能となるという効果を奏する。そればかりでなく、1
台の機器でテレビジョン信号と帯域圧縮映像信号の両方
を記録再生できる記録再生装置を安価に構成できるとい
う効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の構成例を示すブロック図であ
る。
【図2】本発明の第2の構成例を示すブロック図であ
る。
【図3】本発明によるフォーマットにて記録を行ったと
きのテープパターンの一例を示した図である。
【図4】本発明による記録信号の形態の一例を示した図
である。
【図5】本発明による同期付加回路の一例を示すブロッ
ク図である。
【図6】本発明による同期付加回路のタイミングチャー
トである。
【図7】本発明による同期信号付加後の信号波形を示し
た図である。
【図8】本発明による帯域圧縮映像信号のフィールドメ
モリへの格納方法の一例を説明するための図である。
【図9】本発明によるドロップアウト補償回路の構成の
一例を示したブロック図である。
【図10】本発明による音声信号ラインの検出回路の構
成を示したブロック図の一例とそのタイミングチャート
である。
【図11】本発明の請求項8に懸かる発明の構成の一例
を示したブロック図である。
【図12】本発明によるSSGのクロック発生部の構成
の一例を示したブロック図である。
【図13】本発明によるMUSEディエンファシス回路
の構成の一例を示したブロック図である。
【図14】本発明によるによるノンリニアROMの特性
を示した図である。
【図15】MUSE信号の1フレームの構成を示した図
である。
【図16】MUSE信号の波形を示した図である。
【図17】従来のMUSE−VTRの構成を示したブロ
ック図である。
【図18】従来のMUSE−VTRの記録のタイミング
チャートの一例を示した図である。
【図19】MUSE−VTRの回転ドラムの構成を示し
た図である。
【図20】従来のMUSE−VTRの記録パターンを示
した図である。
【図21】従来のドロップアウト補償回路の構成を示し
たブロック図である。
【図22】従来のドロップアウト補償のタイミングチャ
ートを示した図である。
【図23】従来のドロップアウト補償に用いられたライ
ンメモリの構成を示した図である。
【図24】従来の同期信号付加回路の構成を示したブロ
ック図である。
【図25】従来の同期信号付加の様子を示した図であ
る。
【図26】従来のMUSEディエンファシス回路の構成
を示した図である。
【図27】従来のノンリニアROMの特性を示した図で
ある。
【図28】ディエンファシスデジタルフィルタの構成を
示した図である。
【符号の説明】
1,17 A/D変換器 2 MUSEディエンファシス回路 3 水平ノンリニアエンファシス回路 4,18 フィールドメモリ 7 同期付加回路 10 FM変調器 15 FM復調器 16 ディエンファシス回路 26 スイッチ回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H04N 9/80 Z (72)発明者 西 信彦 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (72)発明者 橋本 誠 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−263585(JP,A) 特開 平4−158690(JP,A) 特開 平2−73790(JP,A) 特開 平4−217189(JP,A) 特開 平5−41875(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04N 5/91 - 5/956 H04N 5/782 - 5/783 G11B 20/02 H04N 9/79 - 9/898

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転ドラム上に180度対向して配置さ
    れたアジマス角の互いに異なる第1、第2の記録再生ヘ
    ッドと、少なくとも1フィールド分の帯域圧縮映像信号
    を一時記憶することのできる映像信号記憶手段とを具備
    し、前記映像信号記憶手段に記憶された映像信号をすだ
    れ状に第1、第2の記録信号に分割し、前記第1、第2
    の記録再生ヘッドにて記録を行う帯域圧縮映像信号の記
    録再生装置であって、 前記帯域圧縮映像信号の占有帯域をPとし、前記映像信
    号記憶手段から出力される前記第1、第2の記録信号の
    占有帯域をQとしたときに、Q>Pの状態で記録を行う
    ことを特徴とした、帯域圧縮映像信号の記録再生装置。
  2. 【請求項2】 帯域圧縮映像信号の水平同期信号の直前
    に、負極性同期信号とバースト信号を付加する同期信号
    付加手段を具備し、 前記同期信号付加手段は映像信号データを1クロック分
    遅延させる遅延手段を少なくとも2個と、前記遅延手段
    の出力が接続された4者択一型のスイッチ回路を含むこ
    とを特徴とする、帯域圧縮映像信号の記録再生装置。
  3. 【請求項3】 音声信号を圧縮し垂直ブランキング期間
    に多重させた帯域圧縮映像信号の記録再生装置であっ
    て、 回転ドラム上に180度対向して配置されたアジマス角
    の互いに異なる第1、第2の記録再生ヘッドと、少なく
    とも1フィールド分の帯域圧縮映像信号を一時記憶する
    ことのできる映像信号記憶手段とを具備し、 前記映像信号記憶手段に記憶された映像信号をすだれ状
    に第1、第2の記録信号に分割し、前記第1、第2の記
    録再生ヘッドにて記録を行う際に、 垂直ブランキング期間の音声信号を映像信号期間内に分
    散させ、記録信号中に音声信号の水平ラインが連続する
    ことのないようにしたことを特徴とする、帯域圧縮映像
    信号の記録再生装置。
  4. 【請求項4】 帯域圧縮映像信号の水平同期信号の直前
    に負極性同期信号とバースト信号を付加する、同期信号
    付加手段を具備し、 前記同期信号付加手段によって付加される負極性同期信
    号のパルス幅は、 映像信号の1水平ラインに付加される負極性同期信号
    と、音声信号の1水平ラ インに付加される負極性同期信
    号とでは、異ならしめたことを特徴とする、請求項3に
    懸かる帯域圧縮映像信号の記録再生装置。
  5. 【請求項5】 時間圧縮された音声信号が垂直ブランキ
    ング期間に多重された帯域圧縮映像信号の記録再生装置
    であって、回転ドラム上に180度対向して配置された
    アジマス角の互いに異なる第1、第2の記録再生ヘッド
    と、少なくとも1フィールド分の帯域圧縮映像信号を一
    時記憶することのできる映像信号記憶手段とを具備し、
    前記映像信号記憶手段に記憶された映像信号をすだれ状
    に第1、第2の記録信号に分割し、前記第1、第2の記
    録再生ヘッドにて記録を行う際に、垂直ブランキング期
    間の音声信号を映像信号期間に分散させ、記録信号中に
    音声信号の水平ラインが連続することのないように記録
    信号が構成された、帯域圧縮映像信号の記録再生装置で
    あって、 再生信号のドロップアウトを検出するドロップアウト検
    出手段と、ドロップアウト検出手段からのドロップアウ
    ト信号を受けてドロップアウト補償を行うドロップアウ
    ト補償手段と、再生された信号が映像信号なのか音声信
    号なのかを検出し、音声信号を検出したときには音声検
    出信号を出力する音声信号検出手段とを具備し、 特殊再生を行う際には、前記音声検出信号と前記ドロッ
    プアウト信号との論理和をとった信号を前記ドロップア
    ウト補償手段に与えるように構成されたことを特徴とす
    る、帯域圧縮映像信号の記録再生装置。
  6. 【請求項6】 入力される帯域圧縮映像信号が、ハイビ
    ジョン信号を帯域圧縮して生成されるMUSE信号であ
    って、 8ビットのA/D変換器と、デジタルフィルタによって
    構成される入出力が8ビットのMUSEディエンファシ
    ス回路と、負極性同期信号を付加する同期信号付加回路
    と、少なくとも9ビットの分解能を持つD/A変換器と
    を具備し、 入力されたMUSE信号を前記A/D変換器でデジタル
    MUSE信号に変換し、前記MUSEディエンファシス
    回路で入力信号のすべての領域にディエンファシス処理
    を行い、前記デジタルMUSE信号に負極性同期信号の
    分1ビットを前記同期信号付加回路によって加えた9ビ
    ットのデジタルMUSE信号にして、前記D/A変換器
    によって負極性同期信号が付加されたMUSE信号に変
    換されて 、媒体に記録が行われることを特徴とした、帯
    域圧縮映像信号の記録再生装置。
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