JP3069346B1 - ラプラス変換インピ―ダンスの測定方法及びその測定装置 - Google Patents
ラプラス変換インピ―ダンスの測定方法及びその測定装置Info
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Abstract
ルを短時間で測定できるラプラス変換インピーダンス測
定方法及び測定装置を提供する。 【解決手段】 測定対象物に定電圧・定電流・定負荷を
印加し電圧及び電流を検出するガルバノスタット/ポテ
ンシオスタットと、雑音とバイアス電圧・電流を除去す
る電圧/電流出力部と、当該電圧・電流をAD変換する
AD変換器と、デジタル信号をラプラス変換媒介関数に
近似しインピーダンススペクトル求める制御手段とを具
備し、測定信号を解釈変換可能なラプラス変換の存在す
る媒介関数に線形・非線形近似して媒介関数の特性因子
を求め、ラプラス変域での媒介関数とラプラス変換関数
との相関関係を用いて測定計のインピーダンス特性因子
を計算し、周波数領域でのインピーダンス特性因子の標
準偏差と相関関係から周波数領域インピーダンス関数の
測定誤差を計算する。
Description
線形素子、非線形素子、キャパシタ、1次電池、2次電
池及び燃料電池のような各種電気化学素子などに対し理
論的にできるだけ最小時間で良質の広域インピーダンス
スペクトルを測定するラプラス変換インピーダンス測定
方法及びその測定装置に関する。
ンススペクトル測定技術は電子回路の特性診断、材料の
評価、腐食防止、電池の特性評価、品質管理及び容量予
測などに多様に適用されることができる有用な技術であ
る。
としては、一定周波数の周期的励起信号を印加し、周波
数応答分析器(Frequency response analyzer)のような
位相感知装置でスペクトルを測定することが広く使用さ
れている。
は単一周波数での応答特性に対する詳細な分析方法を提
示している。
第3,634,760号の測定方法は、信号発生器及び位相感知
器などのような高価の装置を使用しなければならず、過
渡特性効果を除去するために最低限2周期の信号処理を
必要とすると共に、複数の周波数に対するスペクトルが
必要である場合に順次測定を進行する必要があるため、
測定に所要される時間が長くなるという問題点があっ
た。
を高速フーリエ変換(Fast FourierTransform;以下、
“FFT”と略する)する測定方法(G.S.Popkirov and R.
N.schindler,Rev.Sci.Instrum.63.5336(1992)参照)を
用いた場合には、位相感知器を使用せず、複数周波数に
対するスペクトル測定に所要される時間が周波数応答分
析器を用いた方法に比べて短くすることができる。
力パワースペクトルを比較して測定計の線形性を検査す
ることにより、良質のインピーダンススペクトルが得ら
れるという特長がある。
いる方法は、測定しようとする周波数領域に対する最低
周波数周期の2倍以上の測定時間が所要され、複雑な形
態の信号発生器と大容量の記憶装置を必要とする問題点
がある。
畳からなっているので、最低周波数の奇数倍の周波数か
らインピーダンスを得る。従って、低周波数領域におけ
るインピーダンスデータの分解能に問題をもっている。
弦波の代わりにパルス電流を使用する方法が提示されて
いるが、この場合は、反復測定と平均法でも除去され
ず、また、測定誤差を発生させる周波数エイリアシング
(aliasing)と過渡効果により雑音が甚だしく発生するこ
ととなり、測定結果の信頼性の判断または信頼区間の設
定が難しいという問題点があった(W.J.Thompson and J.
R.Macdonald, Proc.Matl.Acad.Sci.USA,90,6904(1993)
参照)。
パルス信号を分析するに際して、離散ラプラス変換(Dis
crete Laplace transform)を用いる米国特許第5,794,00
8号の場合は、長時間の演算と大容量記憶装置が必要で
ある。
の分析過程において各測定点に関する演算を必要とし、
測定点の個数は最高周波数と最低周波数の比の2倍に決
定されるので、8デカード(decade)測定区間の場合に1M
Bメモリに対し1百万回の演算が求められる。
判断することが難しく、測定計が非線形的である場合、
測定結果からインピーダンススペクトルは得られるが、
これに対する物理的な意味を付与することが難しいとい
う問題点があった。
子、非線形素子、キャパシタ、1次電池、2次電池及び
燃料電池のような各種電気化学素子などを測定の対象と
する測定計から良質の広域インピーダンススペクトルを
理論的に可能な最小時間で測定できるラプラス変換イン
ピーダンス測定方法及び測定装置を提供することにあ
る。
がら測定速度が速く、測定装置が簡単なラプラス変換イ
ンピーダンス測定装置を提示する。
換インピーダンス測定方法は、インピーダンスを測定す
る対象物の応答信号を検出する第1過程と、前記第1過
程で検出された応答信号を解析可能なラプラス変換の存
在する媒介関数に線形または非線形近似させて媒介関数
の特性因子を求める第2過程と、前記第2過程の近似結
果で得た媒介関数から、ラプラス変域での媒介関数とそ
のラプラス変換関数との相関関係を用いて測定計のラプ
ラス変域におけるインピーダンス特性関数を計算する第
3過程と、前記第3過程で計算されたラプラス変域イン
ピーダンス特性関数の特性因子を用いて周波数領域のイ
ンピーダンス特性関数を計算し特性因子の標準偏差と相
関関係から周波数領域インピーダンス関数の測定誤差を
計算する第4過程と、前記第4過程で計算された周波数
領域インピーダンス関数を決められた様式で表示し貯蔵
(記憶保持)する第5過程を備えたことを特徴とする。
測定装置は、ラプラス変換インピーダンスを測定する電
気化学素子と、定電圧源、定電流源又は抵抗器などの定
負荷機器を内蔵して前記電気化学素子に定電圧、定電流
又は定負荷を印加し、定電圧、定電流又は定負荷の印加
による前記電気化学素子の電圧及び電流を検出するガル
バノスタット/ポテンシオスタットと、前記ガルバノス
タット/ポテンシオスタットが検出した電圧及び電流の
雑音を除去しバイアス電圧及び電流を除去して出力する
電圧/電流出力部と、前記電圧/電流出力部から出力さ
れた電圧及び電流をデジタル信号に変換させる2チャン
ネルのアナログ/デジタル変換器と、前記アナログ/デ
ジタル変換器から出力されたデジタル電圧及び電流信号
を検出する第1過程と、前記第1過程で検出された応答
信号を解析可能なラプラス変換の存在する媒介関数に線
形又は非線形近似させて媒介関数の特性因子を求める第
2過程と、前記第2過程の近似結果で得た媒介関数か
ら、ラプラス変域での媒介関数とそのラプラス変換関数
との相関関係を用いて測定計のラプラス変域におけるイ
ンピーダンス特性関数を計算する第3過程と、前記第3
過程で計算されたラプラス変域インピーダンス特性関数
の特性因子を用いて周波数領域のインピーダンス特性関
数を計算し、特性因子の標準偏差と相関関係から周波数
領域インピーダンス関数の測定誤差を計算する第4過程
によりインピーダンススペクトルを求める制御手段を備
えたことを特徴とする。
特性に適合したラプラス変換媒介関数を用いた分析方法
に関するもので、測定のときに演算に必要なメモリのサ
イズが小さく、測定計の線形性の評価が可能であると共
に、測定の品質と測定計の線形性を分析するにおいて周
波数領域測定値に信頼区間を設定するなどの標準的統計
手段を利用できるという点において他の技術と区別され
る。
て説明する。
ーダンス測定装置を示した図である。
インピーダンスを測定する電気的回路、線形素子、非線
形素子、キャパシタ、1次電池、2次電池及び燃料電池
などの電気化学素子10と、定電圧源、定電流源または抵
抗器のような定負荷機器を内蔵して前記電気化学素子10
に対して定電圧、定電流、または定負荷を印加し、定電
圧、定電流または定負荷の印加による前記電気化学素子
10の電圧変化及び電流変化を検出するガルバノスタット
/ポテンシオスタット20と、前記ガルバノスタット/ポ
テンシオスタット20が検出した電圧及び電流の雑音を除
去しバイアス電圧及び電流を除去して出力する電圧/電
流出力部30と、前記電圧/電流出力部30から出力された
電圧及び電流を所望の標本抽出速度でデジタル信号に変
換させる2チャンネルのアナログ/デジタル変換器40
と、前記アナログ/デジタル変換器40から出力されたデ
ジタル電圧及び電流をラプラス変換媒介関数に近似させ
インピーダンススペクトルを発生させて演算及び結果を
貯蔵(記憶保持)する制御手段50と、から構成される。
スタット/ポテンシオスタット20が検出した電圧及び電
流をそれぞれフィルタリングして雑音を除去する第1フ
ィルタ310及び第2フィルタ320と、前記制御手段が出力
するデジタルバイアス電圧及び電流をアナログバイアス
電圧及び電流に変換させるデジタル/アナログ変換器33
0と、前記第1フィルタ310及び第2フィルタ320から出
力された電圧及び電流に対して、前記デジタル/アナロ
グ変換器330から出力されたバイアス電圧及び電流をそ
れぞれ減算する第1減算器340及び第2減算器350と、前
記第1減算器340及び第2減算器350の出力信号を増幅さ
せて前記アナログ/デジタル変換器40に入力する第1増
幅器360及び第2増幅器370と、から構成される。
ラプラス変換インピーダンス測定動作を制御する中央処
理装置510と、前記中央処理装置510の制御に従い前記ア
ナログ/デジタル変換器40の出力信号で前記電気化学素
子10の特性インピーダンスを測定する特性インピーダン
ス測定手段520と、前記アナログ/デジタル変換器40の
出力信号を入力し前記電圧/電流出力部30のデジタル/
アナログ変換器330にデジタルバイアス電圧及び電流を
出力する入力/出力装置530と、から構成される。
ラス変換インピーダンス測定装置は、測定しようとする
対象物、即ちガルバノスタット/ポテンシオスタット20
がパルス電流方法(current pulse method)またはパルス
電圧方法(voltage pulse method)により電気化学素子10
に定電流または定電圧などの励起信号を印加するか、電
気化学素子10に印加された励起信号を電流遮蔽方法(cur
rent interrupt method)により除去するか、または定負
荷方法(constant load method)により電気化学素子10に
定負荷を連結し応答信号、即ち、電圧及び電流の変化を
検出する。
の高周波成分を遮断するために電圧/電流出力部30が低
域フィルタリングし、バイアスを除去する。
ット20が検出した電圧及び電流を第1フィルタ310及び
第2フィルタ320で低域フィルタリングして高周波成分
を除去し、第1フィルタ310及び第2フィルタ320の出力
信号から制御手段50の中央処理装置510の制御に従い入
力/出力装置530を通じて出力されてデジタル/アナロ
グ変換器330でアナログ信号に変換された電圧及び電流
バイアスをそれぞれ減算してバイアスを除去した後、第
1増幅器340及び第2増幅器350でそれぞれ増幅して出力
する。
電圧及び電流をアナログ/デジタル変換器40で所望の標
本抽出速度でデジタル信号に変換する。前記制御手段50
は、前記デジタル信号を入力/出力装置530を通じて
入力させ、特性インピーダンス測定手段520によりデ
ジタル変換された励起信号及び応答信号をラプラス変域
で解析可能な媒介関数に近似し、最適近似を通して得た
媒介因子値を用いて周波数領域のインピーダンス関数を
求める。
号に対し測定された応答特性をラプラス変換媒介関数(c
arrier function)に近似させ、当該媒介因子を用いて所
定の周波数領域のインピーダンススペクトルを提供す
る。
ーダンス測定方法を示したフローチャートである。
アを初期化し、測定方法を選択する。
はパルス電圧方法である場合、制御変数を入力及びセッ
ティングし、電気化学素子10に定電流または定電圧を励
起信号として印加し、印加された励起信号に従う電気化
学素子10の電圧V(t)及び電流I(t)の変化を入力してV(s)
及びI(s)にラプラス変換し、ラプラス変換されたV(s)及
びI(s)でインピーダンスZ(s)=V(s)/I(s)を計算し、当
該計算されたインピーダンスZ(s)のエラー関数を計算し
た後、貯蔵(記憶保持)及び出力する。
合、制御変数を入力及びセッティングし、電気化学素子
10の入力信号を遮断した後、電気化学素子10の電圧V(t)
及び電流I(t)の変化を入力してV(s)及びI(s)にラプラス
変換し、V(t<0)でCserを計算し、ラプラス変換されたV
(s)及びI(s)とCserでインピーダンスZ(s)=V(s)/I(s)+1
/sCserを計算し、計算されたインピーダンスZ(s)のエ
ラー関数を計算した後、貯蔵(記憶保持)及び出力す
る。
合、制御変数を入力及びセッティングし、スイッチをオ
ンして電気化学素子10に定抵抗Rを連結した後、電気化
学素子10の電圧V(t)及び電流I(t)の変化を入力して当該
入力された電流I(t)をI(s)にラプラス変換し、ラプラス
変換されたI(s)と定抵抗RでインピーダンスZ(s)=Eo/sI
(s)-R(ここで、Eo=V(t=0)である)を計算し、計算され
たインピーダンスZ(s)のエラー関数を計算した後、貯蔵
(記憶保持)及び出力する。
ピーダンス測定装置及び測定方法をより詳しく説明す
る。
信号を印加するにおいて、測定計が別の過程を通して既
に励起されたことがあったら、測定計が安定化されるよ
うに最小励起信号を印加しようとする最小時間以上は待
たなければならない。
の信号の上昇時間(rise time)は標本抽出間隔(ts)の1/
2よりも小さくなければならず、標本抽出間隔は信頼で
きる最大周波数fmaxと以下の(数1)に示すような関
係がある。
る範囲内で決定されるべきである。
加される電流と時間を積算した値は電池の全体容量の1
/10以内(普通1/20)であって充分に小さいものとする
べきである。
合は、励起信号の大きさを減らさなければならない反
面、応答信号は適正信号対雑音比が得られるほど十分に
大きいものでなければならない。
信号の印加時間は1/2fminにより与えられる。
電度(state of charge)のような内部特性が変化する場
合、インピーダンス測定の後に元の状態に復元させる必
要があるときは、測定した場合と反対の励起信号を印加
する。
励起信号が用いられた場合に、符号が反対である電流を
同じ時間の間印加して電池の状態を復元できる。このと
き応答信号の測定は必要でない。
電気エネルギーを蓄積できる充電されたコンデンサ及び
電池などの蓄電装置に適用される。
圧の最大変化を考慮して選定すべきである。
励起信号を印加することはできないが、測定中に発生さ
れる放電量の大きさが小さいので、電池の試験と関連す
る目的などに使用できる。
する励起信号は、理想的な所望の励起信号とはならない
ので、印加された励起信号を測定しておく必要がある。
ットと定電流調節装置のガルバノスタットは通常有限な
上昇時間を有するのに、これを用いてステップ(step)形
パルス信号を励起する場合、実際に印加された信号は理
想的なステップパルスでなく、パルスとランプ(ramp)の
混合されたものとなる。
によりこのような問題を補償することができるが、信号
励起瞬間の振動及び長い上昇時間は高周波領域の測定結
果の品質に影響を与える。
因する問題を避けるために電流遮蔽方法を使用できる。
後に電流を除去し応答信号を測定するものである。
効果を除去するために低域通過フィルタが用いられる。
測定しようとする最大周波数fmaxから選択され、測定
データの個数は最小周波数fminから最大周波数fmaxに
至る区間のインピーダンススペクトル全体に対する測定
データを記憶させるためにf max/fminだけ必要であ
る。
合、1mHzで1kHzの測定のために必要される記憶
素子の容量は2Mバイトで、このような多量のデータ情
報をRAMに貯蔵(記憶保持)する必要が生じ、測定装
置の製造費用が増加してしまう。
測定方法を使用する場合、測定結果の品質にかかわらず
測定データをログ時間間隔に抽出することができる。
最小化する場合、1mHzから1kHzまでの周波数範
囲に対し20個のデータで可能である。
ために一般に1000個の測定データで十分であり、ログ時
間間隔測定方法を用いるデジタル/アナログ変換器に必
要な記憶素子の容量は約2Kバイトほどである。
測定方法により電流/電圧パルス及び定負荷励起信号に
対する時間領域の応答信号の近似には次の(数2)のよ
うな媒介関数(carrier function)を用いる。
起時間に対し一定した任意線形回路の応答が(数2)の
形態により表現することができるという電気工学理論の
知識に基づいたものであって、1/τiは回路の各ゼロ(z
ero)に該当する値である。
より示すことができるので、上記知識は限定されたイン
パルス印加時間から任意の励起信号まで一般化すること
ができる。
1/tsから2fminまでログ関数に分布された値に固定
することが有用である。
るが、例えば、近似遂行を行う場合、誤差の最小二乗の
大きさが誤差許容範囲内に入るまでゼロの個数を自動的
に増加させる方法を使用することもできる。
2)の特性因子kiの値を線形回帰または行列を用いて計
算できるが、前記計算方法は他の近似方法に比べ演算が
高速となり、初期数値条件を用いなくてもよいという特
長がある。
該当し、ゼロ値が追加されながら理想的なパルスから外
れる形態になる。
は複素媒介変数sに対し次の(数3)のように与えられ
る。ここで、V(s)は電圧信号媒介関数で、I(s)は電流信
号媒介関数である。
ラプラス変域で特定励起信号と応答信号の関係から次の
(数4)乃至(数6)のように決定される。
蔽される直前の応答信号の時間に対する傾きから計算さ
れる値である。
回路電圧(open circuit voltage)で、Rは測定計に連
結された定抵抗の値である。
初期の状態がラプラス変域で理想的な電位パルスのEo/
sに該当するので、励起信号に関する情報を必要とせ
ず、実際測定装置は抵抗器を連結することの他に励起信
号を印加する機能が必要でなく、電流信号を測定するた
めの単一チャンネル入力装置から構成される。
ンピーダンス関数を(数3)乃至(数6)を用いて計算
した結果に対し媒介変数sを2πfi(fmin≦f≦fmax)に
置換すると、各周波数に対する測定計のインピーダンス
値が得られる。
形回帰に対する相関関係を用いると、周波数領域におけ
る各計算結果に対する偏差を計算できるし、これを用い
て次の数学式7から統計的な測定の誤差を算出できる。
ンピーダンス値をsに対し微分した値からなる列ベクト
ル(column vector)で、Cは測定された実験データの線形
近似から計算される共分散行列(covariance matrix)で
ある。
周波数走査法、フーリエ変換インピーダンス測定方法及
びラプラス変換インピーダンス測定方法における測定時
間を表1に比較した。測定周波数の条件は1MHzから
1kHzまでである。
電流方法を用い、その装置は次のようである。ガルバノ
スタット/ポテンシオスタット20で定義されたパルス電
流を測定計の電気化学素子10に印加し、測定計の応答信
号、即ち端子電圧及び電流は電圧/電流出力部30を通じ
て2チャンネル16ビットアナログ/デジタル変換器40に
よりデジタル値として抽出される。
れてラプラス変換アルゴリズムに従い複素インピーダン
スを計算する。
数倍周波数の正弦波から重畳された入力電流信号を16ビ
ットデジタル/アナログ変換器及びガルバノスタットを
通じて電池に印加し、2チャンネル16ビットアナログ/
デジタル変換器で測定計の電圧及び電流を測定し、デジ
タル離散フーリエ変換アルゴリズムを用いて複素インピ
ーダンスを計算する過程を用いて行なった。
高速フーリエ変換法よりも最小限2倍以上だけ迅速に測
定し得ることがわかる。
た後、定抵抗10Ωに連結し1000秒の間電圧の変化を時間
の関数で測定した。
び差動増幅器を通過させた後、16ビットアナログ/デジ
タル変換器を通じて1kHzの速度で標本抽出した。
電器が並列に連結されたRCタンク(tank)と、1Ω抵抗及
び1F蓄電器が並列に連結されたRCタンクを直列に連結し
て構成した。
データを変換して複素インピーダンススペクトルを得
た。
複素インピーダンススペクトルを示す。前記スペクトル
はダミーセルの回路構成要素から計算されるインピーダ
ンススペクトルと正確に一致することがわかる。
ンピーダンススペクトルと高速フーリエ変換により得た
インピーダンススペクトルとを比較した。
セルに0.6mAで10秒の間パルス電流を印加し、遮蔽し
ながら10秒の間10kHzのサンプリング速度で電圧及
び電流の変化をフィルタと増幅器を通じて16ビットアナ
ログ/デジタル変換器を用いて測定した。
記(数3)に従い電流及び電圧の媒介変数ki値を線形近
似により得て、前記(数4)に従いインピーダンス関数
を計算した。測定された応答信号を数値解析アルゴリズ
ムに従いラプラス変換してインピーダンススペクトルを
得た。
は0.1Hz〜5kHzである。
による特性インピーダンスの測定は次のような過程及び
装置により行われた。
波から重畳された入力電流信号をデジタル/アナログ変
換器及びガルバノスタットを通じて電池に印加し、アナ
ログ/デジタル変換器で測定された電流及び電圧信号を
制御手段に伝送して高速離散フーリエ変換アルゴリズム
を使用及び複素インピーダンスを計算した。
ンスは0.1Hz〜18kHzである。測定時間は20秒
である。
データを比較した。二つのインピーダンススペクトルが
よく一致していることがわかる。
波数領域における二つのインピーダンススペクトルは完
全に一致する。しかし、非干渉性周波数からなった摂動
信号を印加するフーリエ変換法により測定されたインピ
ーダンススペクトルは低周波数領域で分解能がよくない
ことがわかる。これに比べラプラス変換から得たインピ
ーダンスは高周波数と低周波数の全ての領域で分解能を
所望分だけ高めることができる特長をもっている。
極とするハーフセル(half cell)を構成して電流遮蔽方
法によりインピーダンスを測定した。ハーフセルはサン
ドウィッチタイプの3電極法により構成し、基準電極と
対電極としてはリチウム金属を、電解液はL iPF6 in
EC/DMC(1:1)を用いた。
放電しながらインピーダンスを測定した。16分40秒の間
0.203mAの電流を放電し、1000秒の間電流を切って応
答信号を測定する電流遮蔽方法により反復測定し、500
Hzのサンプリング周波数を用いた。得た電圧及び電流
の応答信号はラプラス変換されて図6にリチウムイオン
の挿入レベル(放電程度)に従い図示した。
品モデル名:MN1500)のインピーダンススペクトルをラ
プラス変換測定方法により測定した。2時間の間28.5m
Aの電流を印加して電池を充電し、印加している電流を
遮断する電流遮蔽方法を用いた。
1時間の間測定し、測定された電圧と電流の応答信号は
時間のログ値に対し等間隔で1500個ずつを取ったこのよ
うに処理された応答信号をラプラス変換アルゴリズムに
従い変換させてインピーダンススペクトルを得た。
する媒介関数に線形または非線形近似して媒介関数の特
性因子を計算し、近似結果で得た媒介関数からラプラス
変域における媒介関数とそのラプラス変換関数との相関
関係を用いて測定計のラプラスにおけるインピーダンス
特性関数を計算した。図7はこのように得たインピーダ
ンススペクトルを示す。
1.8mHz〜314.2Hzである。
数の特性因子の標準偏差と相関関係から周波数領域イン
ピーダンス関数の測定誤差を計算した。図8(a)及び図
8(b)にインピーダンスの実数部分と虚数部分に対しそ
れぞれ95%信頼度区間における測定誤差を計算して周波
数の関数で示した。
が、その大きさが1Ωを過ぎない相当に正確な結果であ
ることを示している。このようにエラー分析を通して測
定結果の誤りを検証することができるのはラプラス変換
測定方法の特長である。
いっぱい充電された規格表示容量1300mAh級リチウム
イオン電池(製造社:Matsusita社)にパルス電流を印
加してから除去する電流遮蔽方法を用いてラプラス変換
インピーダンス測定を行った。
電した後印加された電流を除去し、1000秒の間応答信号
を測定した。応答信号は500Hzの周波数で標本抽出し
た。電流及び電圧に対しそれぞれ500,000個ずつのデー
タはログ空間で等間隔で2000個のデータに抽出された。
器でデータをログ時間間隔で抽出することにより8kバイ
トの記憶装置を使用することが可能である。応答電圧及
び電流信号をラプラス変換アルゴリズムに従い変換して
インピーダンススペクトルを得た。
ンススペクトルを示す。インピーダンススペクトルの周
波数範囲は6.5mHz〜1.57kHzである。
めに特定の場合と方法を中心として記述してきたが、本
発明が提示する概念的範疇内で他の方法が適用されるこ
とができる。
ために励起信号及び応答信号の測定はログ時間間隔抽出
装置の代わりに一般のアナログ/デジタル変換器が使用
されることもできる。
は必ず使用するものではない。
る場合、バイアス信号の除去及び信号増幅器を使用しな
くてもよい。測定計の線形性が維持される範囲内でバイ
アス信号が非常に小さいかまたは応答信号の大きさが非
常に大きい場合も可能である。
が簡単である定電流、定電圧を印加する場合(パルス電
流方法、パルス電圧方法)、印加された信号を除去する
ときに応答信号を測定する場合(電流遮蔽方法)及び定
負荷の励起信号を印加する場合(定抵抗方法)を中心に
詳しく記述されたが、実際には別の励起信号を適用する
こともできる。
数でもラプラス変換媒介関数として使用できる。
い可変ゼロの非線形近似を用いて媒介関数の因子を計算
することも可能であり、特別な場合は別の間隔のゼロが
便利であることもできる。
ンピーダンス値よりも測定計の伝達関数(transfer fun
ctions)が有用に用いられる場合は、ラプラス変域で得
たインピーダンス関数を伝達関数として直接使用するこ
とも可能である。
装置の構成を示したブロック図である。
方法を示したフローチャートである。
して得たインピーダンススペクトルを示した図である。
例を示す図である。
インピーダンスと高速フーリエ変換方法により測定した
インピーダンススペクトルとを比較して示したグラフで
ある。
ーフセル(half cell)の応答信号をラプラス変換して得
たインピーダンススペクトルを示した図である。
ルカリマンガン1次電池の応答信号をラプラス変換して
得たインピーダンススペクトルを示す図である。
区間においてエラー分析をした結果を示したグラフであ
る。
チウム2次電池の応答信号をラプラス変換して得たイン
ピーダンススペクトルを示した図である。
Claims (13)
- 【請求項1】 インピーダンスを測定する対象物の応答
信号を検出する第1過程と、 前記第1過程で検出された応答信号を解析可能なラプラ
ス変換の存在する媒介関数に線形又は非線形近似させて
媒介関数の特性因子を求める第2過程と、 前記第2過程の近似結果で得た媒介関数から、ラプラス
変域での媒介関数とそのラプラス変換関数との相関関係
を用いて測定計のラプラス変域におけるインピーダンス
特性関数を計算する第3過程と、 前記第3過程で計算されたラプラス変域インピーダンス
特性関数の特性因子を用いて周波数領域のインピーダン
ス特性関数を計算し、特性因子の標準偏差と相関関係か
ら周波数領域インピーダンス関数の測定誤差を計算する
第4過程と、 前記第4過程で計算された周波数領域インピーダンス関
数を決められた様式で表示し貯蔵する第5過程を備えた
ことを特徴とするラプラス変換インピーダンスの測定方
法。 - 【請求項2】 前記第1過程は、前記測定する対象物に
パルス電圧又はパルス電流を印加し、当該印加されたパ
ルス電圧又はパルス電流に従う電圧及び電流を応答信号
として検出することを特徴とする請求項1に記載のラプ
ラス変換インピーダンスの測定方法。 - 【請求項3】 前記第1過程は、前記測定する対象物に
パルス電圧又はパルス電流を印加してから遮断し、その
遮断時の電圧及び電流を応答信号として検出することを
特徴とする請求項1に記載のラプラス変換インピーダン
スの測定方法。 - 【請求項4】 前記測定する対象物は、電気的回路、線
形素子、非線形素子、キャパシタ、1次電池、2次電池
又は燃料電池であることを特徴とする請求項2又は3に
記載のラプラス変換インピーダンスの測定方法。 - 【請求項5】 前記第1過程は、測定する対象物に定抵
抗を連結した場合の電圧及び電流を応答信号として検出
することを特徴とする請求項1に記載のラプラス変換イ
ンピーダンスの測定方法。 - 【請求項6】 前記測定する対象物は、1次電池、2次
電池又は燃料電池であることを特徴とする請求項5に記
載のラプラス変換インピーダンスの測定方法。 - 【請求項7】 ラプラス変換インピーダンスを測定する
電気化学素子と、 定電圧源、定電流源又は抵抗器などの定負荷機器を内蔵
して前記電気化学素子に定電圧、定電流又は定負荷を印
加し、定電圧、定電流又は定負荷の印加による前記電気
化学素子の電圧及び電流を検出するガルバノスタット/
ポテンシオスタットと、 前記ガルバノスタット/ポテンシオスタットが検出した
電圧及び電流の雑音を除去しバイアス電圧及び電流を除
去して出力する電圧/電流出力部と、 前記電圧/電流出力部から出力された電圧及び電流をデ
ジタル信号に変換させる2チャンネルのアナログ/デジ
タル変換器と、 前記アナログ/デジタル変換器から出力されたデジタル
電圧及び電流信号を検出する第1過程と、前記第1過程
で検出された応答信号を解析可能なラプラス変換の存在
する媒介関数に線形又は非線形近似させて媒介関数の特
性因子を求める第2過程と、前記第2過程の近似結果で
得た媒介関数から、ラプラス変域での媒介関数とそのラ
プラス変換関数との相関関係を用いて測定計のラプラス
変域におけるインピーダンス特性関数を計算する第3過
程と、前記第3過程で計算されたラプラス変域インピー
ダンス特性関数の特性因子を用いて周波数領域のインピ
ーダンス特性関数を計算し、特性因子の標準偏差と相関
関係から周波数領域インピーダンス関数の測定誤差を計
算する第4過程によりインピーダンススペクトルを求め
る制御手段を備えたことを特徴とするラプラス変換イン
ピーダンス測定装置。 - 【請求項8】 前記電圧/電流出力部は、前記ガルバノ
スタット/ポテンシオスタットが検出した電圧及び電流
をそれぞれフィルタリングして雑音を除去する第1及び
第2フィルタと、 前記制御手段から出力されたデジタルバイアス電圧及び
電流をアナログバイアス電圧及び電流に変換させるデジ
タル/アナログ変換器と、 前記第1及び第2フィルタから出力された電圧及び電流
から前記デジタル/アナログ変換器で出力されたバイア
ス電圧及び電流をそれぞれ減算する第1及び第2減算器
と、 前記第1及び第2減算器の出力信号を増幅して前記アナ
ログ/デジタル変換器に入力させる第1及び第2増幅器
を備えたことを特徴とする請求項7に記載のラプラス変
換インピーダンスの測定装置。 - 【請求項9】 前記制御手段は、前記電気化学素子のラ
プラス変換インピーダンス測定動作を制御する中央処理
装置と、 前記中央処理装置の制御に従い前記アナログ/デジタル
変換器の出力信号で前記電気化学素子の特性インピーダ
ンスを測定する特性インピーダンス測定手段と、 前記アナログ/デジタル変換器の出力信号を入力し、前
記電圧/電流出力部のデジタル/アナログ変換器にデジ
タルバイアス電圧及び電流を出力する入力/出力装置を
備えたことを特徴とする請求項7に記載のラプラス変換
インピーダンスの測定装置。 - 【請求項10】 前記第2の過程の媒介関数が、(数
8)である請求項1に記載のラプラス変換インピーダン
スの測定方法。 【数8】 ここで、kiは特性因子とする。 - 【請求項11】 前記第3の過程のラプラス変域での媒
介関数が、(数9)である請求項1に記載のラプラス変
換インピーダンスの測定方法。 【数9】 ここで、sは複素媒介変数、V(s)は電圧信号媒介関
数、I(s)は電流信号媒介関数とする。 - 【請求項12】 前記第3の過程のラプラス変域での媒
介関数とそのラプラス変換関数との相関関係が、測定の
励起信号と応答信号の関係がパルス電流/電圧 方法の場
合は(数10)であり、電流遮断方法の場合は(数1
1)であり、定抵抗法の場合は(数12)である請求項
1に記載のラプラス変換インピーダンスの測定方法。 【数10】 【数11】 【数12】 ここで、sは複素媒介変数、V(s)は電圧信号媒介関
数、I(s)は電流信号媒介関数、Cserは印可され
た信号が遮断される直前の応答信号の時間に対する傾き
から計算される値、E 0 は測定計の測定前の開放回路電
圧、Rは測定計に連結された定抵抗の値とする。 - 【請求項13】 前記第4の過程の周波数領域インピー
ダンス関数の測定誤差の計算を(数13)を用いて行う
請求項1に記載のラプラス変換インピーダンスの測定方
法。 【数13】 ここでD(s)は、(数9)乃至(数12)のインピー
ダンス値をSに対して微分した値からなる列ベクトル、
Cは測定された実験データの線形近似から計算される共
分散行列とする。
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