JPH09297158A - コンデンサ試験方法及び試験装置 - Google Patents

コンデンサ試験方法及び試験装置

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JPH09297158A
JPH09297158A JP11267196A JP11267196A JPH09297158A JP H09297158 A JPH09297158 A JP H09297158A JP 11267196 A JP11267196 A JP 11267196A JP 11267196 A JP11267196 A JP 11267196A JP H09297158 A JPH09297158 A JP H09297158A
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JP
Japan
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capacitor
impulse
electric signal
test
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Application number
JP11267196A
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English (en)
Inventor
Yukio Asakawa
征雄 浅川
Takashi Yamaguchi
隆史 山口
Arinori Ishii
有紀 石井
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Hitachi Engineering and Services Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Engineering and Services Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】供試品のコンデンサ特性を簡単に計測できるコ
ンデンサ試験装置を提供する。 【解決手段】コンデンサ試験装置は、供試コンデンサの
供試品10に所定周波数を有するインパルスを印加する
インパルス印加手段1と、該インパルスを印加した時に
供試コンデンサから出力される電気信号を検出する信号
検出手段40と、該電気信号からコンデンサの所定特性
を解析する解析手段50とを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミ電解コンデ
ンサなどのコンデンサの劣化診断を行なうコンデンサ試
験方法及びコンデンサ試験装置に関する。
【0002】
【従来の技術】アルミ電解コンデンサの寿命は公称6〜8
年で電気部品としては短寿命であり、寿命に至る前に劣
化診断を行なうニーズは高いと言える。
【0003】そして、一般的な従来技術のコンデンサ試
験方法は、供試品をブリッジ回路の一端に接続し、ブリ
ッジ電源の交流周波数を可変させ、各周波数でのインピ
ーダンス値からコンデンサ特性を計測して劣化診断する
方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術の方法で
は、可変周波数電源として安定かつ高精度の周波数を連
続的に可変させる必要があり、計測器に内蔵される電源
トランス容量は数百VAオーダで重量の重いものとなって
いる。また、各周波数でのブリッジ平衡点を高精度に測
定するには回路構成も複雑になり、価格や可搬性に難点
がある。
【0005】従って、本発明の目的は、供試品のコンデ
ンサ特性を簡単に計測できるコンデンサ試験方法及び試
験装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するコン
デンサ試験方法は、供試コンデンサの両端子に所定周波
数を有するインパルス電源を加え、該インパルス電源を
印加したときに前記供試コンデンサから出力される端子
電圧、電流などの電気信号を検出し、該電気信号から高
速フーリエ変換方式によってコンデンサ特性解析に必要
な周波数域のデータを得て、前記供試コンデンサのコン
デンサ特性を計測するものである。
【0007】また、本発明によるコンデンサ試験装置の
特徴は、製品に搭載されている状態の供試コンデンサの
両端子に前記製品が有する初期充電回路から発せられる
インパルスを印加し該供試コンデンサの端子電圧及び該
供試コンデンサに流れる電流の電気信号を検出する信号
検出手段と、該端子電圧および該電流の電気信号からコ
ンデンサの所定特性を解析する解析手段とを備え、前記
供試コンデンサのコンデンサ特性を計測することにあ
る。
【0008】さらに、他の特徴は、供試コンデンサに所
定周波数を有するインパルスを印加するインパルス印加
手段と、該インパルスを印加した時に前記供試コンデン
サから出力される電気信号を検出する信号検出手段と、
該電気信号からコンデンサの所定特性を解析する解析手
段とを具備するにある。
【0009】そして、上記の本発明によれば、供試品の
コンデンサ特性を簡単に計測できるコンデンサ試験方法
及び試験装置が提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照し説明する。図1は、本発明による一実
施例のコンデンサ試験方法を示す図である。 前述のよ
うに、寿命に至る前に診断したいという高いニーズに応
えるには従来とは全く違った計測方法が必要で、いろい
ろ検討した結果として、供試品へのインパルス印加で得
られる電気信号を高速フーリエ変換し周波数分析するこ
とによって、コンデンサ特性解析に必要な周波数域のデ
ータが得られることが判明したので、これを利用して、
コンデンサ特性を計測する方法を発明したものである。
【0011】即ち、図1において概略を説明すると、供
試品10にインパルス電源をインパルス印加手段1でもっ
て加え、信号検出手段40にて、該インパルス電源を印加
したときに供試品10から出力される端子電圧E,電流I
などの電気信号を検出し、解析手段50でもって、該電気
信号をA/D変換し、高速フーリエ変換し、周波数分析し
て、所定のコンデンサ特性を出力するものである。換言
すれば、本発明の特徴は、供試コンデンサにインパルス
電源を印加したときに得られる電気信号を解析するにあ
る。そして、他の特徴としては、電気信号として端子電
圧(E)と電流(I)を検出する点、また、高速フーリエ変
換方式によって周波数分析し解析する点にある。さら
に、コンデンサの周波数特性図を出力する点にあると言
える。
【0012】次に、上記方法に基づいて製品化したコン
デンサ試験装置について説明する。図2は、本発明によ
る一実施例のコンデンサ試験装置を示す図である。アル
ミ電解コンデンサ劣化診断試験装置の例を取上げ説明す
る。図2に示す第1実施例のコンデンサ試験装置は、イ
ンパルス印加手段1と信号検出手段40と解析手段50とか
ら構成される。供試品10(本実施例では、電解コンデン
サ)にインパルスを加えるインパルス印加手段1は、イン
パルス発生用の電源コンデンサ8に直流電源を供給するA
C/DC変換器2と、充電用スイッチ3と、インパルス電源投
入用の主半導体スイッチ5と、ゲート回路7とから構成さ
れる。なお、主半導体スイッチ5は、機械的な主スイッ
チ4に代替しても可である。電源としては簡単で単純な
構成としている。
【0013】信号検出手段40は、インパルスを印加した
時に供試品10から出力される電気信号としての供試コン
デンサの端子電圧(E)および該供試コンデンサに流れる
電流(I)を検出するための、電圧検出器11と電流検出器
6とから構成される。供試品10より得た電気信号から供
試コンデンサの所定特性を解析する解析手段50は、A/D
変換器14と、データ保存手段15と、データ加工手段16
と、 誤差充電電圧除去手段17と、チャッタリング誤差
除去手段18と、ノイズ混入データ除去手段19と、高速フ
ーリエ変換手段20と、周波数分析手段21と、データ出力
手段22とから構成される。
【0014】そして解析手段50は、以下の動作をする。
A/D変換器手段14は、端子電圧(E)及び電流(I)のアナ
ログ信号をデジタル信号に変換する。データ保存手段15
は、デジタル信号に変換された測定データを保存する。
誤差充電電圧を除去する誤差充電電圧除去手段17とチャ
ッタリング誤差を除去するチャッタリング誤差除去手段
18は、計測精度向上の為に設けられており、該両手段と
リンクしているデータ加工手段16は、上記の除去処理を
含めて加工処理しデータを出力する。
【0015】そして、高速フーリエ変換手段20と周波数
分析手段21とによって、高速フーリエ変換ならびに周波
数分析が順次行われる。さらに、ノイズ混入データ除去
手段19によって、ノイズが混入したデータを除去し、デ
ータ出力手段22によるプリント処理を経て、内蔵プリン
タまたは外部接続プリンタなどから、例えば周波数分析
出力図23が出力される。ここで、データ保存手段15〜デ
ータ出力手段22は、例えば、パソコンで構成するもので
ある。尚、周波数分析出力図23が出力した図中の図にお
いて、供試コンデンサの損失角はδ、静電容量はc、内
部損失抵抗はrとして示されている。
【0016】さらに、上記構成の動作について詳説する
と、次の通りである。コンデンサの所定特性を解析する
為の、すなわち、コンデンサ特性解析に必要な周波数域
のデータを得る為のインパルスは、不完全微分波形を有
するコンデンサの放電によって満足できる。すなわち、
供試コンデンサへの入力電圧E(端子電圧E)に対する出
力電流Iのアドミッタンス周波数特性は、 I(jω)/E(jω)=jωc/(1+jωcr+(jω)2ωL) (数1) 一般に、上式で表される。
【0017】しかし、電解コンデンサに対して必要とさ
れる周波数特性帯域では、実用上、インダクタンスωL
による影響は無視でき、次式が適用されることを、本発
明者らは確認している。下記の(数2)式が、本発明の基
本思想の第1点である。 I(jω)/E(jω)=jωc/(1+jωcr) (数2) また、図2の周波数分析出力図23のゲイン特性図(20log
|G(jω)|)と、位相特性図(tan-1G(jω))とから、静電
容量c、内部損失抵抗r、損失角δなどの主要特性値が
簡単に求まる。これが本発明の基本思想の第2点であ
る。そして、以上の2点を本発明による技術的手段の基
本事項とし、図1で説明したコンデンサ試験方法や本実
施例のコンデンサ試験装置を発明したものである。
【0018】即ち、図2に示すように、供試電解コンデ
ンサとしての供試品10にインパルスを加え、供試品10か
ら得たインパルス応答電圧電流値をアナログ量からデジ
タル量に変換し、多量のデジタル量を保存し、データを
加工し、高速フーリエ変換ならびに周波数分析を行い、
周波数分析出力図23を出力する構成としている。
【0019】なお、解析手段が解析するコンデンサの所
定特性、および、高速フーリエ変換方式によって周波数
分析して求めるコンデンサ特性解析に必要な周波数域の
データとは、 (1)少なくとも、温度20℃,周波数120Hzにおける一つの
損失角δの正接tanδのデータである。 即ち、コンデン
サの劣化診断は、少なくとも損失角δの正接tanδの変
化だけから行うことができる。(なお、実用上許容され
るのは、正接tanδの基準値の+75%となっている。) (2)しかし上記に加え、静電容量c(実用上許容されるの
は、基準値の-30%)、または内部損失抵抗r(実用上許
容されるのは、基準値の+75%)のデータが求められても
良い。3者(δ,c,r)が求まれば理想的である。また、
ここにいう基準値とは、メーカーの製品出荷管理値であ
る。
【0020】以上を纏めると、次の通りである。コンデ
ンサ特性の計測には、従来、可変周波数電源を使用した
ブリッジ平衡方式が一般的であるが、価格及び可搬性に
難点があった。この難点を解決するに、従来行なわれて
いたのと全く違った計測方式を発明する必要があった。
コンデンサによる放電インパルスには広帯域周波数成分
が含まれており、計測に必要とする周波数帯域を満足で
きること、 また、主要特性値(損失角δ、静電容量c、
内部損失抵抗r)が 周波数分析出力図23のような周波数
特性図より簡単に求まることに着目して、本発明に至っ
たものである。
【0021】すなわち、本発明の特徴は、コンデンサの
放電インパルスを利用して、コンデンサの劣化診断を行
なう点にある。換言すれば、供試コンデンサの両端子に
所定周波数を有するインパルス電源を加え、該インパル
ス電源を印加したときに供試コンデンサから出力される
端子電圧、電流などの電気信号を検出し、該電気信号か
らコンデンサの所定特性を解析し、供試コンデンサのコ
ンデンサ特性を計測する方法である。 そして、具体
的な解析方法は、コンデンサ充電電荷による放電インパ
ルスに基づいて高速フーリエ変換方式によって周波数分
析すれば、コンデンサ特性解析に必要な周波数域のデー
タが得られること、さらに、このデータを利用して周波
数特性図を描き、 劣化診断の判定因子となり得る供試
コンデンサの主要特性値(損失角δの正接tanδ、静電容
量c、内部損失抵抗r)が求まることに結び付けて実現
したものである。なお、放電インパルスからの解析(周
波数分析)は他の方法でも可である。
【0022】さらに、特性算出に必要な演算や解析が安
価なパソコンにより可能であることを利用して、放電イ
ンパルスによるインパルス印加手段と、電気信号を検出
する信号検出手段と、主にパソコンからなってコンデン
サの所定特性を解析する解析手段とから構成されるコン
デンサ試験装置を開発したものである。 ところ
で、価格及び可搬性の問題は、コンデンサの単純なる放
電からインパルスを得る簡単な電気回路のインパルス印
加手段と、市販されている電圧検出器と電流検出器とか
らなる信号検出手段と、 汎用のA/D変換器やパソコンよ
りなる解析手段によって解決される。特に、数百VAオー
ダの電源トランスが不要となるので効果が大きいと言え
る。
【0023】次に、リーク電流によって発生する誤差充
電電圧を除去する手段について説明する。図4は、本発
明による一実施例の誤差充電電圧除去手段を示す図であ
る。図4に示す誤差充電電圧除去手段17は、インパルス
印加以前の供試コンデンサの誤差充電電圧を減算し、計
測精度の向上を図るものである。
【0024】すなわち、供試品10にインパルスを印加す
る以前に、 主半導体スイッチ5のリーク電流による供試
コンデンサの端子電圧Eの中には 誤差充電電圧EBが存
在していて、これが計測精度を低下させる問題がある。
これに対しては、インパルス投入経過時間零時としての
インパルス印加時間t=0の時点での、供試コンデンサ
に発生している誤差充電電圧EBを誤差充電電圧を含む
電圧EAから減算し、誤差充電電圧の影響を除外する。
すなわち、適正な端子電圧E=EA−EBである。
【0025】換言すれば、供試コンデンサのインパルス
投入経過時間零時の誤差充電電圧による影響を除外処理
することにより電気信号を補正し、 当該電気信号の適
正値(真値)を求めることによって、計測精度の向上を図
るものである。尚、t=0のタイミングを計るには、半
導体スイッチゲート信号に同期したON信号を利用する方
法がある。
【0026】次に、接触式スイッチによって発生するチ
ャッタリング誤差を除去する手段について説明する。す
なわち、電子式の主半導体スイッチ5が機械式な接触式
スイッチとしての主スイッチ4に代替した場合に適用さ
れる。図5は、 本発明による一実施例のチャッタリン
グ誤差除去手段を示す図である。図5に示すチャッタリ
ング誤差除去手段18は、チャッタリング域(T1,T2
n)では電流の微分値(dI/dt)がマイナスになる点に
注目し、マイナス域を識別し、チャッタリング域を除外
することにより解決を図るものである。
【0027】すなわち、放電用の主スイッチ4の投入時
に発生するチャッタリングの影響で計測精度が低下する
問題に対しては、チャッタリング域では電流の微分値が
プラスとマイナスに振れ、完全接触した電流立ち上がり
時にはプラスになる点に注目し、マイナスが発生する最
終のタイミング(Tn)をピックアップし、ピックアップ
の時点を放電現象の始まる t=0 と見做すことによ
り、チャッタリング域を除外し、計測精度の向上を図る
ものである。換言すれば、解析手段は、発生するチャッ
タリングによる影響を除外処理することにより電気信号
を補正し、当該電気信号の適正値(真値)を求めるチャッ
タリング誤差除去手段を有すると言える。
【0028】次に、測定環境条件の悪い現場で混入する
ノイズデータの除去手段について説明する。図6は、本
発明による一実施例のノイズ混入データ除去手段を示す
図である。図6に示すノイズ混入データ除去手段19は、
供試コンデンサを同じ測定条件でn回測定し、このデー
タをメモリに保存する。 そして、例えば、「第1回目の
インパルスの電気信号からのデータ」を基準値として各
データを比較し、 予め決めた一致度(例えば、5%)以内
のデータを適正なデータとして判別し、 これを超える
データが出た場合は、ノイズが混入した不適正なデータ
と見做し除外することにより、ノイズ混入の問題を解決
するものである。
【0029】すなわち、ノイズが混入したデータの影響
で計測精度が低下する問題を解決する手段は、次の点に
着目した。本発明による計測方式は、数十ミリ秒という
短時間に全ての計測現象を完了させ、この間のインパル
ス現象を広域の周波数に亘って分析することに特徴があ
る。つまり、インパルス印加による計測に掛かる測定時
間は、 サンプリングが1回でもn回でも略1秒以内の
範囲(1回の測定時間は約40ミリ秒)にあり、合計の計測
時間に影響を与える時間ではない点である。
【0030】供試コンデンサを同じ測定条件でn回測定
し、このデータをメモリに保存し、1回目のデータを基
準値として各周波数について (例えば代表周波数5点)デ
ータを比較し、 予め決めた一致度(例えば5%)より外れ
たデータがあれば、ノイズ混入のデータと判断し該外れ
たデータを削除し、あるいは必要に応じて再測定し、各
データが一致度以内であれば第1回目のデータを計測値
とするノイズデータ除外計測手段により解決される。
【0031】例えば、10回中1回の頻度でノイズが混
入する計測の場合であれば、I1〜I5(n=5)とする
と、(1/10)5の頻度でノイズ混入の割合が低減でき
ると言える。すなわち、解析手段は、複数回のインパル
スから得られた各電気信号を判別しノイズが混入した当
該電気信号を除去するノイズ混入データ除去手段を有す
ると言える。
【0032】次に、本発明による第2実施例について説
明する。図3は、本発明による他の実施例のコンデンサ
試験装置を示す図である。図3に示すコンデンサ試験装
置は、信号検出手段40と解析手段50とからなる。本発明
の第2の特徴は、製品に搭載されているままで、供試品
のコンデンサ特性を計測する点にある。すなわち、製品
の電源をオン・オフすることにより製品に搭載されてい
る供試品(供試コンデンサを含む回路)において、充電と
放電が行われる。この放電時に発生するインパルスを利
用し計測するのが、第2実施例の特徴である。 換言す
れば、インパルス印加手段1を製品に組み込まれている
電気回路を利用して、汎用化した場合であると言える。
【0033】図3に示すように、製品のコンデンサを含
んでいる初期充放電回路が、充放電し図中のようなパル
スを発生するので、この初期充放電回路をインパルス印
加手段1として利用し、信号検出手段40で、 供試コンデ
ンサの端子電圧及び供試コンデンサに流れる電流などの
電気信号を検出し、解析手段50で、検出した該端子電圧
及び該電流などの電気信号からコンデンサの所定特性を
解析するものである。そして、解析手段の一例が、第1
実施例と同様に、高速フーリエ変換方式によってコンデ
ンサ特性解析に必要な範囲の周波数データを得る手段で
ある。
【0034】以上を纏めれば、本発明によるコンデンサ
試験装置は、製品に搭載されている状態の供試コンデン
サの両端子に製品が有する初期充電回路から発せられる
インパルスを印加し、該供試コンデンサの端子電圧及び
該供試コンデンサに流れる電流の電気信号を検出する信
号検出手段と、該端子電圧および該電流の電気信号から
コンデンサの所定特性を解析する解析手段とを備え、供
試コンデンサのコンデンサ特性を計測するものであると
言える。
【0035】一方、本発明の他への応用について説明す
る。大型回転機、静止機器の絶縁診断には、一般的に、
tanδ計を使用している。 周波数をパラメータとした絶
縁インピーダンス評価を行なうには、電源設備が大きく
なり、かつ高価となるので、経済面に難点がある。本発
明を適用すれば、価格面で優位になり、かつ、従来評価
していなかった周波数域の範囲まで踏み込んだ絶縁診断
が可能になり診断精度の向上に繋がると言える。
【0036】
【実施例】次に、図2に示す第1実施例を用いて、具体
的にコンデンサ試験装置を製作し確認した実施例につい
て説明する。製作したインパルス印加手段は、インパル
ス発生用の電源コンデンサとして用いるアルミ電解コン
デンサ「3300μF、450V」,これを充電するAC/DC変換器「AC
100VDC12V、12VA」,急瞬なインパルス 「電荷量:4×1
-2クーロン、波形:不完全微分波形、 時定数:1×
10-4秒」を供試品に加える主半導体スイッチ 「140V、1
0A」及びゲート回路よりなる。
【0037】供試品は、アルミ電解コンデンサ「3300μ
F、450V」である。 電圧は供試コンデンサ端子より、電
流は直列抵抗「0.2Ω」を介して検出する。A/D変換器14
は、精度「16ビット」、サンプリング速度「10μsec」であ
る。検出したデータ列は「4096個」のデータで、このデー
タを一時保存する。データはソフト加工し、誤差充電電
圧の除去(実施例では0.3Vの誤差充電電圧を除去)をソフ
ト処理した後、高速フーリエ変換の処理し、周波数分析
とノイズの影響除去をソフト処理し(実施例ではインパ
ルス計測5回、一致度5%でチェック除去)、周波数をパ
ラメータとした電流(I)/電圧(E)特性( すなわち、ア
ドミッタンス周波数特性)をデータ出力手段を介して、
周波数特性出力図「周波数域:102〜105 rad/s(1rad
/s=2πf Hz)」として出力する。同時に、損失角の正接t
anδ、静電容量c内部損失抵抗rも出力する。 尚、デ
ータ保存手段15〜データ出力手段22は、パソコン及び処
理ソフトウェアである。
【0038】図7は、供試品のコンデンサ特性を計測し
た事例を示す図である。 図には、劣化品と良品のコン
デンサ計測結果が出力表示されている。即ち、供試品
「アルミ電解コンデンサ;2200μF、10V」が劣化した場合
の劣化品の周波数分析出力図の事例を、良品の出力図と
比較して示している。図より、tanδが、良品の約6.5倍
の 0.538 に変化していて、劣化していると診断するこ
とができた。また、静電容量cは313μF(良品に比して-
86%に劣化)内部損失抵抗rは2.28Ω(良品の約46倍に変
化)と計測され、この点からも、劣化の程度を把握する
ことができた。
【0039】なお、別のソフトウェアを組み込んで、計
測結果の判定、即ち、劣化診断をも含めてパソコンで自
動処理することは可能である。また、周波数特性出力波
形をディスプレイに表示し、試験者が該表示を直視して
劣化していることを判定することも可能である。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、電源コンデンサの放電
インパルスを供試コンデンサに印加して、その特性を瞬
時に計測(40ミリ秒〜0.2秒)する方式の為、 複雑な回路
構成となる可変周波数電源も不要で、 回路構成は単純
かつ軽量になり、従来のLCR計測装置に比べ、価格30
(%)、重量50(%)の低減効果が得られる。また、従来の
LCR計測装置の機能に加え、 広域周波数に亘って供試コ
ンデンサの周波数特性を簡単に計測できるので、劣化診
断について直視性及び説得力が向上する効果がある。
【0041】さらに、誤差充電電圧除去手段、チャッタ
リング誤差除去手段、ノイズ混入データ除去手段等を当
該試験装置に内蔵させることにより、劣化診断の信頼性
が向上する効果が得られる。 一方、本発明は大型回転
機や静止機器の絶縁診断に適用され、精度向上や価格低
減に効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による一実施例のコンデンサ試験方法を
示す図である。
【図2】本発明による一実施例のコンデンサ試験装置を
示す図である。
【図3】本発明による他の実施例のコンデンサ試験装置
を示す図である。
【図4】本発明による一実施例の誤差充電電圧除去手段
を示す図である。
【図5】本発明による一実施例のチャッタリング誤差除
去手段を示す図である。
【図6】本発明による一実施例のノイズ混入データ除去
手段を示す図である。
【図7】供試品のコンデンサ特性を計測した事例を示す
図である。
【符号の説明】
1…インパルス印加手段、 2…AC/DC変換器、 3…充電用
スイッチ、 4…主スイッチ、 5…主半導体スイッチ、 6
…電流検出器、 7…ゲート回路、 8…電源コンデンサ、
9…商用電源、10…供試品、11…電圧検出器、14…A/D
変換器、15…データ保存手段、16…データ加工手段、17
…誤差充電電圧除去手段、18…チャッタリング誤差除去
手段、19…ノイズ混入データ除去手段、20…高速フーリ
エ変換手段、21…周波数分析手段、22…データ出力手
段、23…周波数分析出力図、40…信号検出手段、50…解
析手段、1a…供試品接続端子、1b…供試品接続端子

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】供試コンデンサの両端子に所定周波数を有
    するインパルス電源を加え、該インパルス電源を印加し
    たときに前記供試コンデンサから出力される端子電圧、
    電流などの電気信号を検出し、該電気信号から高速フー
    リエ変換方式によってコンデンサ特性解析に必要な周波
    数域のデータを得て、前記供試コンデンサのコンデンサ
    特性を計測することを特徴とするコンデンサ試験方法。
  2. 【請求項2】製品に搭載されている状態の供試コンデン
    サの両端子に前記製品が有する初期充電回路から発せら
    れるインパルスを印加し、該供試コンデンサの端子電圧
    及び該供試コンデンサに流れる電流の電気信号を検出す
    る信号検出手段と、 該端子電圧および該電流の電気信号からコンデンサの所
    定特性を解析する解析手段とを備え、 前記供試コンデンサのコンデンサ特性を計測することを
    特徴とするコンデンサ試験装置。
  3. 【請求項3】供試コンデンサに所定周波数を有するイン
    パルスを印加するインパルス印加手段と、 該インパルスを印加した時に前記供試コンデンサから出
    力される電気信号を検出する信号検出手段と、 該電気信号からコンデンサの所定特性を解析する解析手
    段とを具備することを特徴とするコンデンサ試験装置。
  4. 【請求項4】請求項2または請求項3において、前記解
    析手段は、前記電気信号から高速フーリエ変換方式によ
    ってコンデンサ特性解析に必要な周波数域のデータを分
    析することを特徴とするコンデンサ試験装置。
  5. 【請求項5】請求項2または請求項3において、前記解
    析手段は、前記供試コンデンサのインパルス投入経過時
    間零時の誤差充電電圧による影響を除外処理することに
    より前記電気信号を補正し、当該電気信号の適正値を求
    める誤差充電電圧除去手段を有することを特徴とするコ
    ンデンサ試験装置。
  6. 【請求項6】請求項2または請求項3において、前記解
    析手段は、発生するチャッタリングによる影響を除外処
    理することにより前記電気信号を補正し、当該電気信号
    の適正値を求めるチャッタリング誤差除去手段を有する
    ことを特徴とするコンデンサ試験装置。
  7. 【請求項7】請求項2または請求項3において、前記解
    析手段は、複数回の前記インパルスから得られた前記各
    電気信号を判別し、ノイズが混入した当該電気信号を除
    去するノイズ混入データ除去手段を有することを特徴と
    するコンデンサ試験装置。
  8. 【請求項8】請求項3において、前記インパルス印加手
    段は、インパルス発生用の電源コンデンサに充電した電
    荷の放電により得られる不完全微分波形からなる前記イ
    ンパルスを用いることを特徴とするコンデンサ試験装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013221823A (ja) * 2012-04-16 2013-10-28 Hioki Ee Corp 実装状態判別装置および実装状態判別方法
CN108880279A (zh) * 2017-05-09 2018-11-23 株式会社日立制作所 电力转换装置以及电力转换装置的诊断方法

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