JP3068690U - しなやかな道路安全防護物 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 衝突を受けた後、それに対する損傷を低減で
きる、しなやかな道路安全防護物を提供する。 【解決手段】 土台（１）、直立の柱（２）、安全防護
物（３）及び接続部材を含んでなり、該土台（１）がそ
れと統合された統一体を形成する直立の柱（２）の比較
的低い側の末端部に位置し、かつ、複数の取付穴が安全
防護物（３）に設けられている、しなやかな道路安全防
護物において、直立の柱（２）、土台（１）、及び安全
防護物（３）の各々が、スラッシュ成形によるローテー
ショナル・グレード・ポリエチレン材よりなり、かつ、
中空の構造を有し、安全防護物（３）の長さ方向の両末
端には雄と雌のダイス型ブロック・インターフェースが
設けられ、１つの末端は小さな外側縦断面を有する挿入
インターフェースであり、他の末端は該挿入インターフ
ェースとかみ合う、対になるインターフェースである、
しなやかな道路安全防護物。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、道路の安全防護物に関し、特に優れた対衝撃性を有する、しなやか な道路安全防護物に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の技術においては、多くのタイプの道路安全防護物があり、そして通常考 慮される２つの要素は、「安全防護物用の取り外し可能な組立て部材」という名 称の中国実用新案９２１０２１３５．６に示されているように、解体と組立ての 作業をもっと容易にすることと、安全防護物にさらなる対衝撃性をもたせること である。 上記考案の安全防護物は、慣用の乗り物に対する安全防護物の組立て部材の、 衝撃を弱める効果を改良し、かつ、組立てと解体の作業を容易にするように設計 されている。この考案においては、中空の緩衝物（クッション）ブロック材を、 中空でない（中まで同質の）クッション・ブロック材の代わりに用い、これによ って震動を吸収するとともに、組立て時間を短くするために、各部材が取り外し できるような方法で互いに取り付けられている。しかしながら、安全防護物の全 部材がより高い強度や硬度を有する金属性の材料、またはセメント等で作られて いるので、上記考案には未だ以下のような不利な点がある。即ち、中空のクッシ ョン・ブロック材が震動を吸収するために使われているけれども、その緩衝効果 が非常に制限されてしまい、車からの衝撃を受けたときには安全防護物は変形し 、それによって不可避的に損傷を受け、また逆に車に対する反作用の衝撃が、車 への深刻な損害及び傷害もしくは死をもひき起こすであろう。 この損傷を受けた道路安全防護物は、新しい部材との交換や修繕を必要とする 。衝突が非常に深刻でなくても、安全防護物は間違いなく変形するであろうし、 その結果、度重なる保守が必要となる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】 本考案の目的は、衝突を受けた後、それに対する損傷を低減できる、しなやか な道路安全防護物を提供することである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記目的は、以下の考案によって実現されうる。 （１）土台（１）、直立の柱（２）、安全防護物（３）及び接続部材を含んでな り、該土台（１）がそれと統合された統一体を形成する直立の柱（２）の比較的 低い側の末端部に位置し、かつ、複数の取付穴が安全防護物（３）に設けられて いる、しなやかな道路安全防護物において、直立の柱（２）、土台（１）、及び 安全防護物（３）の各々が、ローテーショナル・グレード・ポリエチレン材をス ラッシュ成形してなり、かつ、中空の構造を有し、安全防護物（３）の長さ方向 の両末端には雄と雌のダイス型ブロック・インターフェースが設けられ、１つの 末端は小さな外側縦断面を有する挿入インターフェースであり、他の末端は該挿 入インターフェースとかみ合う、対になるインターフェースであることを特徴と する、しなやかな道路安全防護物。 （２）該安全防護物（３）の断面がＢ字形であることを特徴とする（１）項記載 のしなやかな道路安全防護物。 （３）該接続部材が中空のクッション・ブロック材（４）と連結ボルトを有し、 該クッション・ブロック材（４）の正面末端面が平面であり、かつ、その裏側末 端面が直立の柱の断面の形と一致することにより、直立の柱とクッション・ブロ ック材の裏側末端面とが互いにかみ合うことを特徴とする（１）または（２）項 記載のしなやかな道路安全防護物。 （４）該接続部材が中空のクッション・ブロック材（４）と自己ロック式連結ボ ルト（５、６）を有し、該クッション・ブロック材（４）の正面末端面が平面で あって安全防護物（３）の裏側と接合し、連結ボルト（５）は前記接合面を連結 して固定し、該クッション・ブロック材の裏側末端面は直立の柱（２）の丸い断 面の形と対応しており、かつ、連結ボルト（６）は直立の柱を貫通して、それに 接したクッション・ブロック材の裏側末端面を固定していることを特徴とする（ ３）項記載のしなやかな道路安全防護物。

【０００５】

【考案の実施の形態】

即ち、本考案のしなやかな道路安全防護物は、土台、直立の柱、安全防護物、 及び接続部材からなり、該土台はそれと統合された統一体を形成する直立の柱の 比較的低い側の末端部に位置し、且つ複数の取付穴（マウンティング・ホール） が安全防護物の中に設けられて成るものであって、更に下記の特徴を有する。柱 、土台及び安全防護物はスラッシュ成形によってローテーショナル・グレード・ ポリエチレン材で作られ、かつ、中空構造を有する。安全防護物の長さ方向の各 々の末端には、雄と雌のダイス型ブロック・インターフェース（接合部分）が設 けられる。即ち１つの末端はより小さな外側縦断面（プロファイル）を有する挿 入インターフェースであり、他の末端は該挿入インターフェースとかみ合う、対 になるインターフェースであり、これにより多数個の安全防護物が連結すること ができ、所望の長さの安全防護物を形成しうる。 なお、本考案で用いるローテーショナル・グレード・ポリエチレンは、通常、 回転成形に用いられるポリエチレン粉体で、好ましくは中密度線状ポリエチレン 樹脂粉末である。本考案においてはこれを、必要に応じ可塑剤、安定剤、顔料な どとともに、ペースト状にしてスラッシュ成形に供する。

【０００６】 本考案による安全防護物の断面は、安全防護物の強度と丈夫さを向上させるた めに、Ｂ字形とすることができる。 本考案における接続部材は、さらに中空のクッション・ブロック材と連結ボル トを含むことができる。該クッション・ブロック材の正面末端面は、安全防護物 の裏側と接合する（エンゲージする、以下、かみ合うという）平面であり、かつ 、その裏側の末端面はこれら２つの部材間のかみ合わせを容易にするために、直 立の柱の断面の形状と一致している。クッション・ブロック材は、直立の柱の形 の使用可能な範囲を拡大させることができ、該直立の柱はその形状において円柱 形、四角形、あるいは多角形のいずれでもよく、全て使用できる。さらにクッシ ョン・ブロック材は本考案の安全防護物の対衝撃性を改良しうる。

【０００７】 次に本考案を、図面を参照してさらに詳細に説明する。 本考案による、しなやかな道路安全防護物の一実施態様を図１〜４に示した。 図１は、本考案の一実施態様の斜視図であり、図２は図１の安全防護物のインタ ーフェースの正面図、図３は、図１の安全防護物の平面図である。図４（ａ）に は本考案の安全防護物の設置状態の説明図を、図４（ｂ）には図４（ａ）中の安 全防護物に取り付けられたライト・シールド１３の拡大図を示した。各図中、同 符号は同じものを示す。

【０００８】 図１〜４の一実施態様における本考案は、土台１、直立の柱２、安全防護物３ 、及び接続部材からなり、該土台１はそれと統合された統一体を形成する直立の 柱の比較的低い側の末端部に位置している。該土台１は直立の柱２を固定するた めに土中に埋めこまれる。複数の取付穴が安全防護物上に設けられる。該直立の 柱、土台、及び安全防護物の各々は、ローテーショナル・グレード・ポリエチレ ン材料によりスラッシュ成形で作られ、中空の構造をしている。雄と雌のダイス 型ブロック・インターフェースがそれぞれ安全防護物の長さ方向に沿った各末端 に設けられる。即ち、その１つの末端は、より小さな外側縦断面を有する挿入イ ンターフェース９であり、且つ他の末端は該挿入インターフェース９とかみ合う 、対になるインターフェース１０であり、該挿入インターフェース９中の取付穴 ７は長方形の形をしていて、それによって、かみ合せに利益をもたらす。さらに 重要なことは、安全防護物が衝撃を受けたときに、もっと自由に、弾力的に変形 することを可能にすることである。この方法において、安全防護物が直立の柱に 接して固定されるときは、２個の安全防護物のインターフェースもまた一緒に固 定されうる。所望の長さの安全防護物を形成するために、多数個の安全防護物が 端と端とで連結されうる。該安全防護物の断面は、その強度と丈夫さの向上に寄 与しうるＢ字形をしている。接続部材としては、中空のクッション・ブロック材 ４と、自己ロック式連結ボルト５と６を含む。クッション・ブロック材の正面末 端面１１は平面で、安全防護物の裏側とかみ合い、連結ボルト５はこれら２つの かみ合っている表面を連結してこれらを一緒に固定する。クッション・ブロック 材の裏側末端面１２の形は、直立の柱の丸い断面と対応している。連結ボルト６ は、直立の柱を貫通して、それに接してクッション・ブロック材の裏側末端面１ ２を固定する。反射道路標識などのような他の道路設備もまた安全防護物上に取 り付けられうる。

【０００９】 図５に本考案の他の一態様の斜視図を示した。 図５に示されたしなやかな道路安全防護物は、土台１、直立の柱２、安全防護 物３、及び接続部材からなり、該接続部材は直立の柱２を貫通する自己ロック式 ボルト５だけを含み、このボルト５を通して安全防護物３が直立の柱２に直接取 り付けられるという点で、前記の実施態様の接続部材と異なる。

【００１０】

【考案の効果】

本考案は、従来技術と比べて以下のような利点がある。 （１）極めて高い衝撃吸収としなやかさ。ローテーショナル・グレード・ポリエ チレン材料と中空構造の使用により、本考案は極めて高いしなやかさをもつため に、車の衝突の際に安全防護物のみならず、直立の柱さえも、ばねとして変形し て、最大限にまで衝撃を吸収し、そのことによって衝撃によって発生した巨大な エネルギーを殺してしまう。特に、接続部材が中空のクッション・ブロック材で あるときには、この効果が顕著である。更に、材料の固有の性質がスポンジのよ うに自身を非常にしなやかにするために車への反発力が最小限のものとなり、そ の結果、傷害や死のみならず車への損害を非常に低減できる。安全防護物の互い にかみ合っているインターフェースの１つの上に取付穴が長方形の形に形成され たならば、この安全防護物はもっと容易に、弾力的に変形しやすくなり、それに よって更に衝撃吸収性が改善されるであろう。

【００１１】 （２）本考案の安全防護物が衝突を受けたときは、それに対する損害は、その柔 軟性のために非常に限られたものであり、かつ、その衝突が非常にひどいもので なければ、外からの力が取り除かれた後は、安全防護物は回復でき、そして修理 を要しない。

【００１２】 （３）本考案の安全防護物は、必要とするコストが低く、保守（維持管理）を必 要とせず、また太陽や雨に対する耐久性もある。そのため、道路の安全防護物の 建設や保守経費を減少させることができる。この安全防護物は経済的で耐久力が ある。 （４）本考案は、豊富な色の中から選んでいろいろな色のものとすることができ 、そのため、道路にそった環境を改善するのに都合がよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施態様を示す斜視図である。

【図２】図１の安全防護物のインターフェースの正面図
である。

【図３】図１の安全防護物の平面図である。

【図４】図４（ａ）は図１の安全防護物の設置状態の説
明図であり、図４（ｂ）は図４（ａ）中のライト・シー
ルドの斜視図と正面図である。

【図５】本考案の他の一実施態様を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ 土台 ２ 直立の柱 ３ 安全防護物 ４ クッション・ブロック材 ５、６ 連結ボルト ７、８ 取付穴 ９ 挿入インターフェース １０ 挿入インターフェースと対になるインターフェー
ス １１ 正面末端面 １２ 裏側末端面 １３ ライト・シールド

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 土台（１）、直立の柱（２）、安全防護
   物（３）及び接続部材を含んでなり、該土台（１）がそ
   れと統合された統一体を形成する直立の柱（２）の比較
   的低い側の末端部に位置し、かつ、複数の取付穴が安全
   防護物（３）に設けられている、しなやかな道路安全防
   護物において、直立の柱（２）、土台（１）、及び安全
   防護物（３）の各々が、ローテーショナル・グレード・
   ポリエチレン材をスラッシュ成形してなり、かつ、中空
   の構造を有し、安全防護物（３）の長さ方向の両末端に
   は雄と雌のダイス型ブロック・インターフェースが設け
   られ、１つの末端は小さな外側縦断面を有する挿入イン
   ターフェースであり、他の末端は該挿入インターフェー
   スとかみ合う、対になるインターフェースであることを
   特徴とする、しなやかな道路安全防護物。
2. 【請求項２】 該安全防護物（３）の断面がＢ字形であ
   ることを特徴とする請求項１記載のしなやかな道路安全
   防護物。
3. 【請求項３】 該接続部材が中空のクッション・ブロッ
   ク材（４）と連結ボルトを有し、該クッション・ブロッ
   ク材（４）の正面末端面が平面であり、かつ、その裏側
   末端面が直立の柱の断面の形と一致することにより、直
   立の柱とクッション・ブロック材の裏側末端面とが互い
   にかみ合うことを特徴とする請求項１または２記載のし
   なやかな道路安全防護物。
4. 【請求項４】 該接続部材が中空のクッション・ブロッ
   ク材（４）と自己ロック式連結ボルト（５、６）を有
   し、該クッション・ブロック材（４）の正面末端面が平
   面であって安全防護物（３）の裏側と接合し、連結ボル
   ト（５）は前記接合面を連結して固定し、該クッション
   ・ブロック材の裏側末端面は直立の柱（２）の丸い断面
   の形と対応しており、かつ、連結ボルト（６）は直立の
   柱を貫通して、それに接したクッション・ブロック材の
   裏側末端面を固定していることを特徴とする請求項３記
   載のしなやかな道路安全防護物。