JP3067526U - 極細金属線用リ―ル - Google Patents

極細金属線用リ―ル

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JP3067526U
JP3067526U JP1999007164U JP716499U JP3067526U JP 3067526 U JP3067526 U JP 3067526U JP 1999007164 U JP1999007164 U JP 1999007164U JP 716499 U JP716499 U JP 716499U JP 3067526 U JP3067526 U JP 3067526U
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JP1999007164U
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Inventor
健二 三田
Original Assignee
金井 宏彰
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量,安価でありながら、十分な耐久性を有
する極細金属線用リールを提供する。 【解決手段】 鋼板製の巻胴2と、巻胴2の両端内周部
分に嵌合した鋼板製のフランジ本体1と、巻胴の両端外
周部分に嵌合し、かつ上記フランジ本体1の鍔部分の略
全面に内接した鋼板製のフランジ補強体3とから成り、
これらをそれぞれスポット溶接にて固着して成る。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、極細金属線を巻取るリールに関し、特に直径0.20mm以下の極 細金属線用として好適なリールに関するものである。また、本考案は、特に人工 水晶,シリコン,セラミック等の硬質材料の切断に用いられるワイヤソー用ワイ ヤ(以下、『ソーワイヤ』という)の繰出しおよび巻取り用として好適な極細金 属線用リール(以下、単に『リール』という)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ソーワイヤ等の極細金属線用のリールとしては、巻胴とフランジを構造用炭素 鋼(例えばS45C)から一体物として削り出した一体物リールや、巻胴とその 両端のフランジとの3分割構造として、これらを溶接により接合した溶接リール や、やはり巻胴と両端フランジとの3ピースで、溶接ではなくボルトで連結した 組立リールなどが知られている。
【0003】 上記従来リールのうち、溶接リールを例にとってみる。図4に示すように、巻 胴21とその両端にフランジ22,22を配し、巻胴とフランジを溶接接合した リールであるが、強度,剛性を付与するために巻胴21やフランジ22の鋼材厚 みは20〜50mm程もある。これだけ厚い鋼材が必要な理由は、ワイヤをリー ルに多層巻き取ったときに、ワイヤの巻き付け張力に起因して発生する押し拡げ 力(以下この力を『側圧』という)によって、両端のフランジが互いに離反する 方向に押し拡げられるため、フランジが反ったり巻胴が伸びたりするおそれがあ るためである。 この理由で、上記種々の従来リールは、重量が非常に重いという欠点がある。 このため、リールの取り扱い性が非常に悪く、運搬コストもかさむことになる。 また、肉圧鋼材を使用するため、材料費や加工コストが高いのも難点である。 さらに、このように頑丈な構造であっても、ワイヤの直径が0.20mm以下 になると、フランジにかかる側圧が途方もなく大きくなってくるため、フランジ が反ったり巻胴が伸びたりする。このため、数回ないし十数回の繰返し使用でリ ールが破損もしくは変形して使い物にならなくなる。すなわち、従来のリールは 、コスト高に見合う耐久性が保証されていなかった。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
本考案者は、上記種々の従来リールの欠点、すなわち「重い」ことと「高価」 なことに着目し、耐久性を維持しながらこれらの欠点を解消できるリールについ て鋭意研究した。すなわち、本考案は、軽量,安価でありながら、十分な耐久性 を有するリールを提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するために、本考案のリールは、鋼板製の巻胴と、巻胴の両端 内周部分に嵌合した鋼板製のフランジ本体と、巻胴の両端外周部分に嵌合し、か つ上記フランジ本体の鍔部分の略全面に内接した鋼板製のフランジ補強体とから 成り、これらをそれぞれスポット溶接にて固着したことを特徴とする。
【0006】 考案者らの知見によれば、従来の肉厚鋼材を用いたリールは、フランジ剛性が 大きく、ワイヤ巻き取り時の側圧に耐える力が大きくフランジが変形しにくいこ とが、逆に欠点となってしまう。すなわち、ワイヤを巻き付ける量に略比例して 側圧が増加し、満巻時には強大な側圧がフランジにかかる。その結果、さしもの 肉圧鋼材製のフランジがたわんでしまう。従来リールのフランジ材質はS45C 等の高張力低弾性鋼材なので、上記フランジのたわみは塑性変形を伴ってしまう 。従って、ワイヤをほどいた後もフランジの塑性変形が残存してしまう。そして 、次回のワイヤ巻き取り時においては、さらに変形が進みやがて使用不能の状態 になるのである。
【0007】 本考案のリールでは、フランジ本体とフランジ補強体(以下、両者を合わせて 「フランジ部」という)が鋼板から成り、フランジ部が二層構造となって側圧を 受ける構造であるため、ある程度大きい側圧が掛かるとフランジ部がたわむ。従 って、側圧を“逃がす”作用を奏するため、従来の肉圧リールのように過大な側 圧が生じない。このようにして次々にワイヤを巻き取っていくと、塑性変形域を 越えない範囲でフランジ部がたわむ。 次に、リールからワイヤを繰出し、巻き量が減っていくと、側圧の減少に伴っ てフランジ部のたわみが消え、元のリール形状に戻る。このように、本考案のリ ールは鋼板の弾性を利用して側圧の増大を防止できるため、フランジ部の塑性変 形を防止し、リールの耐久性を向上することができる。
【0008】 以上述べたような作用をより効果的に奏するには、フランジ本体およびフラン ジ補強体の材料は、高張力高弾性の鋼板を用いるとよい。例えば、SPCC(冷 間圧延高張力鋼板)、SAPH(熱間圧延高張力鋼板)などが好適である。もち ろん、従来の鋼材(例えばS45C)でも使えるが、弾性が低いので側圧による たわみに対し塑性変形が起こり易い。
【0009】 上記構造のリールにおいて、フランジ本体の厚みは1.2〜2.0ミリが好適 である。1.2ミリ未満だと弾性はあっても強度に乏しいため、高い側圧に耐え ることができず、リールとして使い物にならない。逆に2.0ミリを越えると側 圧に耐える強度はあっても弾性に乏しいため、たわみに対する復元力が低下する 。 フランジ補強体の厚みは0.5〜2.0mmが好適であるが、これはフランジ 本体の場合と同様の理由による。
【0010】 また、フランジ本体の鍔部に、内側を細長溝状にして外側に突出したリブを放 射状に配設すれば、フランジ本体の側圧に耐える強度がさらに高まる。この際、 フランジ補強体がフランジ本体の鍔部分の略全面に内接しているため、リブの細 長溝がフランジ補強体で完全に覆われるので、ワイヤが細長溝にはまり込むよう なことが無い。
【0011】 さらに、巻胴の内部に、円板状またはリング状の補強材を1乃至複数個設ける ことにより、巻胴の強度を向上することができ、巻胴の変形を抑えることができ る。
【0012】 本願リールは、線径0.2mm以下の単線ワイヤ、例えばワイヤソー用ワイヤ やホースワイヤの巻き取りに特に有効である。すなわち、線径が0.2mm以下 になると、巻き取り時の側圧が非常に大きくなるからである。とりわけワイヤソ ー用ワイヤに好適であり、材料コスト,製作コストが安く、軽量で、強靱で、復 元力が大きく、過酷な使用のもとでも繰り返し使用できるリールを得ることがで きる。
【0013】
【考案の実施の形態】
フランジ本体は鋼板をプレス加工して製作するが、外周部分は折り返し加工に より補強しても良い。また、フランジ本体の鍔部に放射状に配設する補強用のリ ブも、プレス加工により成形する。リブの数は8〜16個が適当である。 また、フランジ補強体の内、外周縁部分を面取りすることにより角部がとれて 無くなり、フランジ本体や巻胴との間の段差をなだらかにできる。これにより、 巻き取りや繰出し時のワイヤのもつれや断線を可及的に防止でき、また、巻き形 状の崩れも防止できる。
【0014】
【実施例】
(実施例1) 図1,図2に示すように、フランジ本体1、巻胴2、フランジ補強体3、およ びその他の部材をスポット溶接により溶着(W)して、本考案に係るリールを形 成した。 フランジ本体1は、厚み1.6mmの熱間圧延高張力鋼板(SAPH)をプレ ス成型したものである。フランジ本体の外周には補強用の折返し部1aを形成し た。また、フランジ本体の鍔部1bには、補強用のリブ1cを放射状に12個プ レス成形した。 巻胴2は、厚み1.2mmの冷間圧延高張力鋼板(SAFC)を円筒状に曲げ 加工して製作した。 また、フランジ補強体3は、厚み1.0mmの熱間圧延高張力鋼板をドーナツ 円盤状にプレス加工し、巻胴ともスポット溶接できるように円盤の内周側を90 °曲げ加工を施して製作した。
【0015】 上記リールにおいて、フランジ補強体3が、フランジ本体の鍔部1bの略全面 を覆うように取り付けたので、リブ1cにより生じた細長溝状の隙間Sが、フラ ンジ補強体により完全に覆われている。 フランジ補強体の内、外周縁部分には、面取り部Cを設けてある。これにより 、ワイヤ巻取り時や繰出し時にワイヤが角に引っ掛かったり、巻形状が崩れたり することがなくなる。 また、巻胴2の内部に、リング状の補強材4を数箇所に設けた。これにより、 巻胴の変形を可及的に防止できる。
【0016】 (実施例2) 図3に示すように、フランジ本体11、巻胴12、フランジ補強体13、およ びその他の部材をスポット溶接により溶着(W)して、本考案に係るリールを形 成した。 このリールは、フランジ補強体の90°折り返し部を巻胴12の内側に配置し たものである。こうすることで実施例1のような巻胴両端部の段差がなくなるた め、ワイヤを巻き取ったときの引っ掛かりや断線が皆無となり、巻形状の崩れも なくなる。 なお、このリールの材料や材質は、実施例1と同様のものである。
【0017】
【考案の効果】
本考案のリールは、フランジ部がフランジ本体とフランジ補強体の二重鋼板構 造であり、フランジ部にかかる側圧に十分耐えうると同時に、適度の弾性をも有 する。従って、この弾性により側圧の増大化を防止することができ、十分なリー ル耐久性を得ることができる。 また、従来リールのような圧肉鋼材を用いないので、大幅な軽量化が可能であ り取扱い作業性が大幅に向上すると共に、製造コストや運搬コストを大幅に低減 できる。
【0018】 上記構成において、フランジ本体やフランジ補強体を高張力高弾性鋼板とする ことで、上記フランジ部補強効果がさらに発揮できる。 また、ワイヤの線径や巻き張力に応じて、フランジ本体の厚みを1.2〜2. 0mmの範囲で適正に選定すると、軽量性と耐久性のバランスがとれたリールを 得ることができる。同様に、フランジ補強体の厚みも0.5〜2.0mmの範囲 で適正に選定すればよい。
【0019】 また、フランジ本体の鍔部に、放射状に複数個のリブを配設することにより、 フランジ本体の強度を向上でき、より大きな側圧に耐えるリールとすることがで きる。この際、フランジ補強体がリブの溝を完全に覆う構造であるので、ワイヤ がこの溝に落ち込むことがない。このため、屈曲が無く真直性の良いワイヤに保 つことができ、真直性が要求される極細線、特にワイヤソー用ワイヤを巻き取る リールとして好適である。 さらに、巻胴の内部に、円板状またはリング状の補強材を1乃至複数個設ける ことで、巻胴の強度を向上でき、巻胴の変形を可及的に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の極細金属線用リールの実施例1を示
し、(a)は正面図、(b)はA−B−C断面に係る要
部破断側面図である。
【図2】図1におけるフランジ部の拡大断面図である。
【図3】本考案の極細金属線用リールの実施例2におけ
る、フランジ部の拡大断面図である。
【図4】従来の極細金属線用リールの要部破断側面図で
ある。
【符号の説明】
1,11 フランジ本体 1a 折返し部 1b 鍔部 1c リブ 2,12 巻胴 3,13 フランジ補強体 4 補強材 W 溶着

Claims (6)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼板製の巻胴と、巻胴の両端内周部分に
    嵌合した鋼板製のフランジ本体と、巻胴の両端外周部分
    に嵌合し、かつ上記フランジ本体の鍔部分の略全面に内
    接した鋼板製のフランジ補強体とから成り、これらをそ
    れぞれスポット溶接にて固着したことを特徴とする極細
    金属線用リール。
  2. 【請求項2】 フランジ本体とフランジ補強体とが、高
    張力高弾性鋼板からなる請求項1に記載の極細金属線用
    リール。
  3. 【請求項3】 フランジ本体の厚みが1.2〜2.0m
    mである請求項1または2に記載の極細金属線用リー
    ル。
  4. 【請求項4】 フランジ補強体の厚みが0.5〜2.0
    mmである請求項1,2または3に記載の極細金属線用
    リール。
  5. 【請求項5】 フランジ本体の鍔部に、内側を細長溝状
    にして外側に突出したリブを放射状に配設した請求項
    1,2,3または4に記載の極細金属線用リール。
  6. 【請求項6】 巻胴の内部に、円板状またはリング状の
    補強材を1乃至複数個設けた請求項1,2,3,4また
    は5に記載の極細金属線用リール。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011256017A (ja) * 2010-06-09 2011-12-22 Kanai Hiroaki 金属線条体巻装用リールおよびそのフランジの製造方法
KR101238505B1 (ko) * 2006-08-21 2013-03-04 토쿠센 코교 가부시키가이샤 금속 선조체 권취용 릴
CN108162221A (zh) * 2018-03-12 2018-06-15 镇江环太硅科技有限公司 一种用于承载金刚线的工字轮

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