JP3067345U - 壁板張り用厚板 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 固定のサイズや厚さに限定されることなく、
作業現場において壁板張り用厚板を直接修正することが
できる壁板張り用厚板に関するものである。 【解決手段】上方パネル１及び下方パネル２並びにその
間に挟み込まれたウレタンフォーム材などの発泡材より
形成される相互接続層３とから構成される壁板張り用厚
板１０であって、前記壁板張り用厚板の左，右側端部に
は、前記上方パネル１及び下方パネ２のそれぞれの側端
部を折り曲げて、前記側端部のほぼ中央部に凹部４ｂ、
凸部４ａ形状を形成した左，右側壁４，４を有し、前記
上方パネル及び下方パネルの相対向するそれぞれの左，
右側端の内側には、前記左，右側端部間に生じるそれぞ
れの隙間を閉塞する左，右の調整シート５がそれぞれ配
置した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は連続的に大量生産可能な壁板張り用厚板の構造に関し、特に、現場 の状況に合わせて連結方向の長さ及び厚さを調整することのできる壁板張り用厚 板に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

鉄板製の家屋や、工場、倉庫などに使用される従来の壁板張り用厚板の単体は 、一般的に、上方パネルと下方パネル、そして、その間にウレタンフォーム層な どを介在させて構成されている。ウレタンフォーム材が発泡している最中に漏れ 出さないようにするために、上方パネル及び下方パネルの左，右両側には直角に 折り曲げられて伸長する左，右側壁が形成されている。 そして、前記によって構成された同一の壁板張り用厚板同志を互いに連結し易 くするために、各壁板張り用厚板の左，右側壁には、互いに挿入係合するための 凹部、凸部がそれぞれ形成されており、互いに異なる壁板張り用厚板の凹部，凸 部をそれぞれ連結して、構築物の壁面を構成するようになっている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上述の従来構造では、壁板張り用厚板は、壁板張り用厚板を機械で迅速に大量 生産するために、均一のサイズ及び厚さを持つように作られている。 しかし、固定のサイズや厚さに限定されることは、作業現場において不便で、 トラブルの原因になり、作業効率の低下を招くことになる。壁板張り用厚板を現 場で直接修正することができれば、作業の進捗が図れることになろう。

【０００４】 更に、従来の壁板張り用厚板は、縦壁（縦列接続部）の設計に不具合があり、 相互に接続するときに、壁板張り用厚板間の接続部分にかなり大きな隙間ができ て、その隙間から雨水，などが構築物内部に侵入する可能性がある。 更にまた、従来の壁板張り用厚板は、均一のサイズの長さ及び厚さに作られて いるために、Ｃ型鋼鉄ビームやＨ型鋼鉄ビームなどの取付部材と一緒に組み合せ て使用する場合に、壁板張り用厚板の厚さ方向の寸法が取付けビームの寸法と合 わない場合が多く、組立てがきっちりとできなかったり、壁板張り用厚板とビー ムとの組立てが不可能なことすらある。

【０００５】 従って、本考案の目的は、上方パネルおよび下方パネルの向かい合った左，右 側壁にフィルムなどで形成した着脱可能な調整シートを配置して、この調整シー トによって、壁板張り用厚板の製造工程の際に、上方パネルと下方パネルの左， 右側壁間に生じる隙間距離を必要に応じて調節することができるようにし、様々 な厚さに対応した壁板張り用厚板を提供することにある。

【０００６】 本考案はまた、上方パネルおよび下方パネル互いに嵌合させるために、その左 ，右側壁のほぼ中央部にそれぞれ凹部、凸部を形成すると共に、前記凹部の寸法 を前記凸部の寸法より若干大きくし、前記壁板張り用厚板同志を連結する場合に 、前記凹部に弾性パッド部材を介在させることにより、雨水などの侵入の危険性 を極力排除できるようにした、壁板張り用厚板を提供するものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

この考案の請求項１に係る壁板張り用厚板は、上方パネル及び下方パネル並び にその間に挟み込まれたウレタンフォームなどの発泡材からなる相互接続層とで 積層構成される壁板張り用厚板であって、前記壁板張り用厚板の左，右側端部に は、前記上方パネル及び下方パネのそれぞれの側端部を折り曲げて、前記側端部 のほぼ中央部に凹部、凸部形状を形成した左，右側壁を有し、前記上方パネル及 び下方パネルの相対向するそれぞれの左，右側端の内側には、前記左，右側端部 間に生じるそれぞれの隙間を閉塞する左，右の調整シートがそれぞれ配置してな り、前記左，右側壁の凹部及び凸部を利用して前記壁板張り用厚板と同構成の壁 板張り用厚板とを相互に嵌合することで連結できるようにしたことを特徴とする 。

【０００８】 請求項２に係る考案は、請求項１に記載した壁板張り用厚板において、前記左 側壁の凹部の容積を前記右側壁の凸部の容積よりも若干大きく形成すると共に、 前記凹部に弾性パッド部材を配置して、前記壁板張り用厚板同志を連結するよう にしたことを特徴とする。

【０００９】 請求項３に係る考案は、請求項１に記載した壁板張り用厚板において、前記壁 板張り用厚板の前記左側壁の凹部と、同構成の他の壁板張り用厚板の右側壁の凸 部とを、互いに相対向させて嵌合した状態で空隙部ができるように形成すると共 に、該空隙部に前記壁板張り用厚板をＣ型鋼鉄ビーム等に固着するボルトやねじ などの固着具を配設できるようにしたことを特徴とする。

【００１０】 請求項４に係る壁板張り用厚板は、上方および下方パネルの左，右側端部を、 垂直に曲げて、単純平坦な左，右側壁を構成し、該左，右側壁の内側に調整シー トを配設し、前記上方および下方パネル間の隙間を閉塞状態で距離を変えること で、前記壁板張り用厚板の厚さを調整し、Ｈ型鋼鉄ビームなどの取付部材の対し 堅固に結合させることができるようにしたことを特徴とする。

【００１１】

【考案の実施の形態】

以下、本考案の第１実施形態について、図面を参照して説明する。 本考案の壁板張り用厚板１０の構造は、図１および２に示すように、長方形， 正方形など所定長さの矩形状の板材によって、それぞれ対称形に形成された上方 パネル１、下方パネル２、および前記上方パネル１、下方パネル２間に配設され るウレタンフォームなどの発泡材からなる相互接続層３によって構成される。 前記上方および下方パネル１，２の材料は、軽量金属板、ＰＶＣ（ポリ塩化ビ ニル）、ＰＣ（ポリカーボネート）、ＰＰフィルムなどである。

【００１２】 前記上方パネルおよび下方パネルの左，右両側端部は、互いに対向する方向に 直角に折り曲げられて、左，右側壁４が形成されている。前記左，右側壁４のほ ぼ中央には、それぞれ同一方向に凸部４ａおよび凹部４ｂが形成されている。 そして、前記凹部４ｂの寸法は、前記凸部４ａ寸法よりも若干大きく形成され 互いに嵌合できるようになっている。前記上方，下方パネル１，２の相対向する 左，右側壁４のそれぞれの内面側には、壁板張り用厚板１０の必要とされる厚さ Ｔを達成させるために、上方，下方パネル１，２間の距離を調節する際に生じる 左，右側壁４，４間の隙間を閉塞するための、ＰＶＣフィルム、ナイロン製ファ イバ・シート、あるいは木製ファーバ・シートなどで形成された調整シート５が 配置されている。

【００１３】 上方，下方パネル１，２と、左，右側壁４と、調整シート５とで密閉空間を限 定するようになり、この密閉空間内にウレタンフォームなどの発泡材を注入して 発泡させることで相互接続層３を形成し、前記接続層３は上，下パネル１，２を 互いにしっかりと結合させ、図２に示すような壁板張り用厚板１０の完成品が出 来上がる。

【００１４】 図３に示す第２実施形態では、壁板張り用厚板１０を補強するために、上方パ ネル１及び下方パネル２のいずれか一方、あるいは上方，下方パネル１，２の両 方の外表面に、排水効果を達成するための多数の平行溝６が形成されたもので、 それ以外の構成は前述の第1実施形態と同様である。

【００１５】 図４は、第１の実施形態の壁板張り用厚板１０の複数を互いに左、右側壁４の 凹部４ｂ，４ａを嵌合接続する状態を示す部分拡大図である。

【００１６】 前記のように同一形状に形成された各壁板張り用厚板１０，１０を相互接続す るときには、まず、１個の壁板張り用厚板１０の一方（右）の側壁４の凸部４ａ を、別の壁板張り用厚板１０の他方（左）の側壁４の凹部４ｂに挿入嵌合させる が、挿入時に他方（左）の側壁４の凹部に弾性パッド部材７を入れて互いに嵌合 連結させることで、図５に示すように、各壁板張り用厚板１０，１０の連結部分 より雨水などの侵入を阻止できる効果が期待できる。

【００１７】 また、本考案の壁板張り用厚板１０は、その厚さを調整することができる。即 ち、上方および下方パネル１，２の左，右側端部の対向端の隙間距離を大きくし 、これらの隙間を調整シート５によって閉塞するのみで、上方及び下方パネル１ ，２間に充填される発泡材などの接続層３の量を多くすることで、所望の厚さの 壁板張り用厚板１０を得ることが可能となる。

【００１８】 反対に、上方および下方パネル１，２の左，右側端部の対向端の隙間距離を最 短にしたい場合には、図６の第３実施形態に示すように、調整シート５を省いて 上方および下方パネル１，２の相対向する左，右側壁４を直接じかに重なり合う ようにすることで達成される。

【００１９】 更に、図７の第４実施形態に示すように、Ｃ型鋼鉄ビーム８と併せて使用する 場合、側壁４の凹部４ｂ側及び相対向する他の壁板張り用厚板１０側の凸部４ａ を嵌合接続した状態で形成される空隙部９を限定し、その空隙部９の中にボルト やスクリューなどの固着具９ａを配設できるようにし、前記壁板張り用厚板１０ と前記Ｃ型鋼鉄ビーム８とを固着するようにした。

【００２０】 更にまた、図８の第５実施形態に示すように、Ｈ型鋼鉄ビーム９ｂを併せて使 用する場合は、各壁板張り用厚板１０，１０の相互接続部分になお一層の構造的 強度がもたらされる。

【００２１】 即ち、この実施形態の壁板張り用厚板１０では、Ｈ型鋼鉄ビーム９ｂとの接続 を簡単にするために、上方および下方パネル１，２の両側端部を単純に直角に折 り曲げ、両側端部の内側に調整シート５を配置する。この内側に配設された調整 シート５によって、上方パネル１と下方パネル２間の隙間を閉塞するため、この 隙間距離を大小調節できるようになっているので、Ｈ型鋼鉄ビーム９ｂの上下フ ランジ９ｃ間にしっかりと一致した厚さを有する壁板張り用厚板１０を連結でき ることで、強度の優れた構築物とすることができる。

【００２２】 上述した実施形態は、本考案の単なる例示であり、本考案はこの実施形態に限 定されるものではなく、本考案の実用新案請求の範囲を逸脱しない限り、種々の 修正・変形がなされ得るものであることを承知されたい。

【００２３】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案の壁板張り用厚板は、以下のような効果がある。 フィルム製の調節シートが、上方および下方パネル間の側壁面に生じる隙 間距離を閉塞状態に調節する働きをするので、これによって、壁板張り用厚板の 厚さを、現場の状況で実際に様々に要求されような厚さにすることができる。 側壁面の凹部の容積を側壁面の凸部の容積よりも若干大きくしてあり、且 つ凹部と凸部との嵌合部には弾性パッド部材が配置されているので、壁板張り用 厚板を相互に重なり合わせ相互接続した場合、弾性パッド部材が雨水の侵入を防 止する効果がある。 壁板張り用厚板は、厚さを所望に調節可能となっているため、Ｃ型鋼鉄ビ ームやＨ型鋼鉄ビームなどと共に用いて、強度の優れた構築物とすることができ る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の壁板張り用厚板の第１実施形態の拡大
分解斜視図。

【図２】図１の壁板張り用厚板の完成品の斜視図。

【図３】本考案の壁板張り用厚板の第２実施形態を示
し、（ａ）は排水用の溝が、上方パネルにだけ形成され
ている状態の斜視図、（ｂ）は上方および下方パネルの
両表面に排水用の溝が形成されている状態を示す斜視
図。

【図４】図１の壁板張り用厚板の左，右側壁部に形成さ
れた凹部および凸部を利用して同構成の壁板張り用厚板
を相互接続するときに、一方の厚板の凹部と他方の厚板
の凸部の間に弾性パッド部材が配置される状態を示す分
解斜視図。

【図５】図４に示した弾性パッド部材を壁板張り用厚板
の凹部および凸部間に挟みこんで、壁板張り用厚板が相
互接続されている状態を示す部分拡大図。

【図６】本考案の壁板張り用厚板の第３実施形態を示
し、調節シートが省かれて、上方および下方パネルの相
対向する左，右側壁が直に重なり合わせるようにした断
面図。

【図７】本考案の壁板張り用厚板の第４実施形態を示
し、Ｃ型鋼鉄ビームを共に用いて壁板張り用厚板を相互
接続した状態を示す断面図。

【図８】本考案の壁板張り用厚板の第５実施形態を示
し、Ｈ型鋼鉄ビームを共に用いて壁板張り用厚板を相互
接続した状態を示す上，下パネルの接続部断面図。

【符号の説明】

１ 上方パネル ２ 下方パネル ４ 左，右側壁 ４ａ 凸部 ４ｂ 凹部 ５ 調整シート ７ 弾性パッド部材 ８ Ｃ型鋼鉄ビーム ９ ビーム接続用の空隙部 ９ａ Ｈ型鋼鉄ビーム ９ｃ 上下フランジ １０ 壁板張り用厚板

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号 ＦＩ Ｅ０４Ｆ 13/08 Ｅ０４Ｃ 2/46 Ｊ

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 上方パネル及び下方パネル並びにその
   間に挟み込まれたウレタンフォームなどの発泡材からな
   る相互接続層とで積層構成される壁板張り用厚板であっ
   て、前記壁板張り用厚板の左，右側端部には、前記上方
   パネル及び下方パネのそれぞれの側端部を折り曲げて、
   前記側端部のほぼ中央部に凹部、凸部形状を形成した
   左，右側壁を有し、前記上方パネル及び下方パネルの相
   対向するそれぞれの左，右側端の内側には、前記左，右
   側端部間に生じるそれぞれの隙間を閉塞する左，右の調
   整シートがそれぞれ配置してなり、前記左，右側壁の凹
   部及び凸部を利用して前記壁板張り用厚板と同構成の壁
   板張り用厚板とを相互に嵌合することで連結できるよう
   にしたことを特徴とする壁板張り用厚板。
2. 【請求項２】 前記左側壁の凹部の容積を前記右側壁
   の凸部の容積よりも若干大きく形成すると共に、前記凹
   部に弾性パッド部材を配置して、前記壁板張り用厚板同
   志を連結するようにしたことを特徴とする請求項１に記
   載した壁板張り用厚板。
3. 【請求項３】 前記壁板張り用厚板の前記左側壁の凹
   部と、同構成の他の壁板張り用厚板の右側壁の凸部と
   を、互いに相対向させて嵌合した状態で空隙部ができる
   ように形成すると共に、該空隙部に前記壁板張り用厚板
   をＣ型鋼鉄ビーム等に固着するボルトやねじなどの固着
   具を配設できるようにしたことを特徴とする請求項１に
   記載した壁板張り用厚板。
4. 【請求項４】 上方および下方パネルの左，右側端部
   を、垂直に曲げて、単純平坦な左，右側壁を構成し、該
   左，右側壁の内側に調整シートを配設し、前記上方およ
   び下方パネル間の隙間を閉塞状態で距離を変えること
   で、前記壁板張り用厚板の厚さを調整し、Ｈ型鋼鉄ビー
   ムなどの取付部材の対し堅固に結合させることができる
   ようにしたことを特徴とする壁板張り用厚板。