JP3066654U - ホイ―ルバランスウエイト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 従来における鉛部材にて形成されたホイール
バランスウエイトと代替して使用可能な、例えば鉛部材
等の金属部材で形成しても使用可能なホイールバランス
ウエイトを提供する 【解決手段】 車輪のホイールバランスを取るためにホ
イールのリムフランジ部に取り付けられるホイールバラ
ンスウエイトであって、ホイールバランスウエイト本体
と、このホイールバランスウエイト本体をホイールのリ
ムフランジ部に取り付けるためのクリップとからなり、
ホイールバランスウエイト本体は、その上部に前記クリ
ップの先端を嵌合する嵌合部を有するホイールバランス
ウエイト本体切出し用の長尺体から、所定重量に切断さ
れ、かつ、取り付けられるホイールのＲ径に沿った円弧
状にプレスして形成され、前記クリップは、その一端に
前記ホイールバランスウエイト本体の嵌合部に嵌合する
嵌合端を有するとともに、その他端にリムフランジ部の
外周面に回り込んで係合する係合端を有してなることを
特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、自動車等の車輪のホイールバランスをとるために、ホイールのリ ムフランジ部に装着されるホイールバランスウエイトに関する。

【０００２】

【従来の技術】

自動車等のホイールは、アクスルシャフトを中心に円運動をするが、ホイール バランスが狂っていると回転速度が高まるにつれて振動が発生する。そこで、バ ランサーによる検査にてホイールの軽い部分を発見し、この部分に、必要な重量 のホイールバランスウエイトを打ち込んで装着することによりホイールバランス をとっている。

【０００３】 従来、前記ホイールバランスウエイトは、体積のわりには重量（比重の大きい ）のある鉛部材にて形成されている。 例えば、図５に示すように従来のホイールバランスウエイト２０は、鉛部材の 本体２０ａに、鉄やステンレス等の金属部材からなるクリップ部２０ｂの一端が 埋め込まれて形成されている。

【０００４】 そして、ホイールＷへの打ち込みに際しては、本体２０ａをリムフランジ部Ｆ の断面Ｒ形状にくぼみ状となっている内周面Ｆ１に添えるとともに、クリップ部 ２０ｂをリムフランジ部Ｆの外周面に添え、本体２０ａとクリップ部２０ｂにて リムフランジ部Ｆの端部を挟み込むように位置させた状態で、ハンマー等にて打 ち込んで装着している。

【０００５】 この場合、ホイールバランスウエイト２０の本体２０ａは、柔らかい鉛部材で 形成されていることから、前記打ち込みにより本体２０ａがホイールＷのＲ径に なじむように当該Ｒ径に沿って円弧状に変形して装着される。従って、前記打ち 込みにあたってホイールを傷つけることがない。

【０００６】 このように、鉛部材のホイールバランスウエイトは、ホイールＷのＲ径となじ むように円弧状に変形して装着され、これにより装着後は外れにくく、また、ホ イールＷを傷つけることもないという特長を有している。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、鉛部材には鉛害があることから、公害等の問題により、将来的 にはその使用が規制されるおそれがある。そこで、ホイールバランスウエイト部 材として鉛以外の金属部材、例えば鉄部材等の使用を考慮する必要があるが、こ の鉄部材等は、鉛部材ほどの柔らかさがないために、前記打ち込みを行ってもホ イールＷのＲ径に沿って変形しない課題があり、無理に打ち込みを行うと、本体 に取り付けたクリップ部が変形して本体から取り外れたり、ホイールＷを傷付け 、また、変形させたりする不都合がある。部材的に柔らかいアルミニウム製ホイ ールに打ち込みを行う場合には特に問題が多い。

【０００８】 この考案は、このような点に鑑み前記課題を解決せんと提案されたものであり 、その目的は、従来における鉛部材にて形成されたホイールバランスウエイトと 代替して使用可能な、例えば鉄部材等の金属部材にて形成されたホイールバラン スウエイトの提供にある。

【０００９】 また、従来のホイールバランスウエイトは、重量別に形成されているため、そ の数が多くなり製造も大変であるし、保管も面倒なものとなる課題がある。 この考案は、この点に鑑みホイールバランスウエイトを切断して得ることがで きる長尺体を形成し、この長尺体から所定重量のホイールバランスウエイトを切 断して形成するようにすることによって前記課題を解決することを第２の目的と する。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

前記目的を達成するため、この考案に係るホイールバランスウエイトは、車輪 のホイールバランスを取るためにホイールのリムフランジ部に取り付けられるホ イールバランスウエイトであって、 ホイールバランスウエイト本体と、このホイールバランスウエイト本体をホイ ールのリムフランジ部に取り付けるためのクリップとからなり、 ホイールバランスウエイト本体は、その上部に前記クリップの先端を嵌合する 嵌合部を有するホイールバランスウエイト本体切出し用の長尺体から、所定重量 に切断され、かつ、取り付けられるホイールのＲ径に沿った円弧状にプレスして 形成され、 前記クリップは、その一端に前記ホイールバランスウエイト本体の嵌合部に嵌 合する嵌合端を有するとともに、その他端にリムフランジ部の外周面に回り込ん で係合する係合端を有してなることを特徴とする。 また、この考案に係るホイールバランスウエイトは、前記長尺体の嵌合部が長 手方向に連続する凹溝であることを特徴とする。 さらに、この考案に係るホイールバランスウエイトは、前記長尺体の前面には 長手方向に連続する凸条が設けられ、前記クリップにも前記凸条に対応する形状 の凹溝が設けられ、ホイールバランスウエイト本体をクリップにてホイールに装 着したとき、クリップの凹溝がホイールバランスウエイト本体の凸条に嵌合して 装着されることを特徴とする。

【００１１】

【考案の実施の形態】

以下、この考案の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図１はホイー ルバランスウエイト本体切出し用の長尺体の斜視図、図２は長尺体から切断した ホイールバランスウエイト本体の斜視図、図３（ａ）はホイールバランスウエイ ト本体をホイールに装着するためのクリップの斜視図、（ｂ）はその側面図、図 ４（ａ）はホイールバランスウエイト本体をクリップにてホイールに装着した状 態を示す斜視図、（ｂ）はその断面図である。

【００１２】 同図において、１はホイールバランスウエイト本体切出し用の長尺体を示し、 棒状体で長尺に形成され、その上部に後に詳述するクリップ３の先端３ｂが嵌合 する凹溝１ａが長手方向に連続して形成され、また、前面には凸条１ｂが長手方 向に連続する。この長尺体１は所定重量で切断することによってホイールバラン スウエイト本体２が形成される。図２は長尺体１から切断したホイールバランス ウエイト本体２を示す。

【００１３】 所定重量は、長尺体１の単位長さ当りの重量が決定されているので、切断する 長さを決定することで得られる。即ち、切断する長さを調節することにより、重 量が異なる各サイズ（所定重量）のホイールバランスウエイト本体２を用意する ことができる。従って、この考案では重量毎に何種類ものホイールバランスウエ イトを用意する必要がなく、長尺体１を用意するだけでよい。

【００１４】 長尺体１は、上部に凹溝１ａが、前面に凸条１ｂが、長手方向に連続する同一 形状に形成されているため、所定重量のホイールバランスウエイト本体２を得よ うと、どの長さで切断しても全長の長さが異なるだけで、得られるホイールバラ ンスウエイト本体２の形状は同じとなる。従って、長短どこから切断しても後述 するようにクリップ３を使用してのホイールＷへの取り付けには差しつかえがな い。

【００１５】 なお、ホイールバランスウエイト本体２は、長尺体１から切断と同時又は後に 、プレスしてホイルＷのＲ径に合った円弧状に変形させておくのが好ましい。こ うすることによりホイールバランスウエイト本体２が、図４（ａ）に示すように ホイールＷのＲ径に沿って装着され、装着後は外れにくく、また、ホイールＷを 傷つけることもなくなる。

【００１６】 また、図３（ａ）（ｂ）に示すクリップ３は、所定の横幅を持つ板状体からな り、その下部３ａ部分は、断面略Ｌ字形状に折り曲げられるとともにその上部３ ｂは、断面鉤状に折り曲げて形成され、中間部には前記ホイールバランスウエイ ト本体２の凸条１ｂに対応する凹溝３ｃが形成されている。前記下部３ａのＬ字 形状部分は、ホイールＷのリムフランジ部Ｆの外周面Ｆ２に係合するものであり 、リムフランジ部Ｆの断面円弧形状に合わせて若干湾曲させている。前記鉤状の 上部３ｂは、その先端部がホイールバランスウエイト本体２の前記凹溝１ａに嵌 合する部分であり、また、中間部の凹溝３ｃは、ホイールバランスウエイト本体 ２の凸条１ｂに嵌合する部分である。

【００１７】 以上のように形成されるホイールバランスウエイト本体２のホイールＷへの装 着は、先ずホイールバランスウエイト本体２をホイールＷのリムフランジ部Ｆの 断面円弧形状のくぼみ状となっている内周面Ｆ１の装着すべき位置に載置する。 この状態にて、クリップ３の鉤状に形成された上部３ｂの先端を、ホイールバラ ンスウエイト本体２の凹溝１ａに嵌合させる。この状態では、クリップ３の略Ｌ 字形状の下部３ａは、リムフランジ部Ｆの外周面Ｆ２の幅方向先端部に当接して いるだけであるが、この状態から当該クリップ３を強く押しこんでリムフランジ 部Ｆの外周面Ｆ２部分にクリップ３の下部３ａ部分をはめ合わせて係合する。こ れによりホイールバランスウエイト本体２がホイールＷに装着される。図４（ａ ）（ｂ）はホイールバランスウエイト本体２がホイールＷに装着された状態を示 している。

【００１８】 この時、ホイールバランスウエイト本体２は、ホイールＷのＲ径に合った円弧 状に変形してあるので、ホイールＷのＲ径に沿ってなじんで装着され、装着後は 外れにくくなる。また、従来における鉛部材によるホイールバランスウエイトの ような打ち込みを行わないので、ホイールＷを傷つけることもない。さらに、ク リップ３の凹溝３ｃがホイールバランスウエイト本体２の凸条１ｂに嵌合するの で、装着されたホイールバランスウエイト本体２の移動も阻止され、一層外れに くくなる。

【００１９】

【考案の効果】

以上詳細に説明した通り、この考案に係るホイールバランスウエイトによれば 、次のような効果を奏する。 （１）ホイールバランスウエイトを、どのような材料（例えば、鉛部材以外の 鉄等の金属材料）で形成しても、装着時においてホイールを傷つけることなく、 また、装着後において外れることもないホイールバランスウエイトを実現できる 。従って、鉛部材はもちろんのこと、鉛部材以外の鉄等の金属部材でもホイール バランスウエイトを形成することができる。

【００２０】 （２）クリップには凹溝が設けられ、装着したホイールバランスウエイトの凸 条に嵌合するので、装着後はホイールバランスウエイトの移動が確実に阻止され 、一層外れることがない。

【００２１】 （３）ホイールバランスウエイトは、長尺体より所定重量を切出して使用する ので、重量毎に何種類ものホイールバランスウエイトを用意する必要がなく、長 尺体を用意するだけでよいので、何種類のものを数多く製造する手数も不要とな るし、保管も容易となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の実施の形態におけるホイールバラン
スウエイト本体切出し用の長尺体の斜視図である。

【図２】この考案の実施の形態における長尺体から切断
したホイールバランスウエイト本体の斜視図である。

【図３】（ａ）図は、この考案の実施の形態におけるホ
イールバランスウエイト本体をホイールに装着するため
のクリップの斜視図であり、（ｂ）図はその側面図であ
る。

【図４】（ａ）図は、この考案の実施の形態におけるホ
イールバランスウエイトをクリップにてホイールに装着
した状態を示す斜視図であり、（ｂ）図はその断面図で
ある。

【図５】従来例を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ ホイールバランスウエイト本体切出し用の長尺体 １ａ 凹溝 １ｂ 凸条 ２ ホイールバランスウエイト本体 ３ クリップ ３ａ 下部 ３ｂ 上部 ３ｃ 凹溝 Ｗ ホイール Ｆ リムフランジ部 Ｆ１ 内周面 Ｆ２ 外周面

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 車輪のホイールバランスを取るためにホ
   イールのリムフランジ部に取り付けられるホイールバラ
   ンスウエイトであって、 ホイールバランスウエイト本体と、このホイールバラン
   スウエイト本体をホイールのリムフランジ部に取り付け
   るためのクリップとからなり、 ホイールバランスウエイト本体は、その上部に前記クリ
   ップの先端を嵌合する嵌合部を有するホイールバランス
   ウエイト本体切出し用の長尺体から、所定重量に切断さ
   れ、かつ、取り付けられるホイールのＲ径に沿った円弧
   状にプレスして形成され、 前記クリップは、その一端に前記ホイールバランスウエ
   イト本体の嵌合部に嵌合する嵌合端を有するとともに、
   その他端にリムフランジ部の外周面に回り込んで係合す
   る係合端を有してなることを特徴とするホイールバラン
   スウエイト。
2. 【請求項２】 前記長尺体の嵌合部は、長手方向に連続
   する凹溝であることを特徴とする請求項１記載のホイー
   ルバランスウエイト。
3. 【請求項３】 前記長尺体の前面には長手方向に連続す
   る凸条が設けられ、前記クリップにも前記凸条に対応す
   る形状の凹溝が設けられ、ホイールバランスウエイト本
   体をクリップにてホイールに装着したとき、クリップの
   凹溝がホイールバランスウエイト本体の凸条に嵌合して
   装着されることを特徴とする請求項１又は２に記載のホ
   イールバランスウエイト。