JP3065742B2 - 耐候性の改善された高分子材料組成物 - Google Patents

耐候性の改善された高分子材料組成物

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JP3065742B2 JP3280122A JP28012291A JP3065742B2 JP 3065742 B2 JP3065742 B2 JP 3065742B2 JP 3280122 A JP3280122 A JP 3280122A JP 28012291 A JP28012291 A JP 28012291A JP 3065742 B2 JP3065742 B2 JP 3065742B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐候性の改善された高
分子材料組成物に関し、詳しくは、特定の2−ヒドロキ
シフェニルベンゾトリアゾール化合物を添加することに
よって、長期間に渡って耐候性の改善された高分子材料
組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、スチレン系樹
脂、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル等の高分子材料
は、光の作用により劣化し、変色あるいは機械的強度の
低下等を引き起こし、長期の使用に耐えないことが知ら
れている。
【0003】そこで、高分子材料の劣化を防止するため
に、従来から種々の光安定剤が用いられている。これら
の光安定剤としては、ヒンダードアミン系の光安定剤、
ベンゾフェノン系またはベンゾトリアゾール系の紫外線
吸収剤が主として用いられており、特に、2−ヒドロキ
シフェニルベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤は、そ
の安定化効果が大きく、広く用いられている。
【0004】しかしながら、従来用いられていたベンゾ
トリアゾール系の化合物は、それ自身の耐熱性に劣り、
高分子材料の加工中あるいは高温下での使用時に揮散し
たり、あるいは水、有機溶媒に抽出され易い欠点を有し
ており、実用上不満足なものであった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の現
状に鑑み、新規なタイプの光安定剤を得るために鋭意検
討を重ねた結果、特定のベンゾトリアゾ─ル化合物が耐
熱性に優れ、苛酷な加工条件下においても合成樹脂等の
高分子材料に長期の耐候性を付与しえることを見出し本
発明に到達した。
【0006】即ち、本発明は、高分子材料100重量部
に、下記化2(化1と同じ)の一般式(I)で表される
ベンゾトリアゾール化合物0.001〜5重量部を添加
してなる、耐候性の改善された高分子材料組成物を提供
するものである。
【0007】
【化2】
【0008】以下、上記要旨をもってなる本発明の高分
子材料組成物について詳述する。
【0009】上記一般式(I)中、R3、R4、R5及びR6
示されるアルキル基としては、例えば、メチル、エチ
ル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第二ブチル、イ
ソブチル、第三ブチル、アミル、イソアミル、第三アミ
ル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、第三オクチル、ノ
ニル、デシル、ドデシル、ウンデシル、ベンジル、α−
メチルベンジル、α,α−ジメチルベンジルなどが挙げ
られる。R4、R5及びR6で示されるアリール基としては、
フェニル、トリル、キシリル、ブチルフェニル、ナフチ
ル、ビフェニルなどが挙げられる。また、R4、R5が互い
に結合してN原子と共に環を形成した場合としては、例
えばN原子、R4及びR5が、ピペリジリノ基、モルホリノ
基などを形成した場合が挙げられる。また、Xで示され
るハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素
などが挙げられる。
【0010】したがって、上記一般式(I)で表される
化合物としては、例えば以下の化合物が挙げられる。
【0011】
【化3】 化合物 No.1
【0012】
【化4】 化合物 No.2
【0013】
【化5】 化合物 No.3
【0014】
【化6】 化合物 No.4
【0015】
【化7】 化合物 No.5
【0016】
【化8】 化合物 No.6
【0017】
【化9】 化合物 No.7
【0018】
【化10】 化合物 No.8
【0019】
【化11】 化合物 No.9
【0020】
【化12】 化合物 No.10
【0021】
【化13】 化合物 No.11
【0022】上記一般式(I)で表される化合物は、例
えば、塩化シアヌルと2−(2’−ヒドロキシ−3’−
アミノフェニル)ベンゾトリアゾール化合物との脱塩酸
反応で容易に製造することができる。塩化シアヌルに対
する置換基の数は、温度条件によって容易に調節するこ
とができ、後でアルコール類やアミン類で未反応の塩素
を置換することができる。
【0023】上記一般式(I)で表される化合物の合成
法を、以下の〔合成例1〕〜〔合成例3〕に示すが、こ
の方法に限られるものではない。
【0024】〔合成例1〕2,4,6−トリス−〔2’
−ヒドロキシ−3’−(2H−ベンゾトリアゾール−
2”−イル)−5’−第三オクチルフェニルアミノ〕−
1,3,5−トリアジンの合成(化13の化合物No.
11) 塩化シアヌル915mgを芳香族系炭化水素12.3g
に溶解し、それに2−(2’−ヒドロキシ−3’−アミ
ノ−5’−第三オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール
5.04gおよび無水炭酸ナトリウム1.54gを加
え、170℃で6時間攪拌した。その後80℃まで冷却
し、水40mlを加え、水層を5N塩酸で中和し、30
分間攪拌した。更に室温まで冷却し、生成した結晶をろ
過、水洗した。この結晶をトルエン/シクロヘキサン混
合溶媒から再結晶し、融点313.5℃の淡黄色粉末
(生成物)3.8gを得た。
【0025】生成物のIR測定の結果、3400c
-1、1608cm-1、1572cm-1および800c
-1に吸収が観察された。また、UV測定の結果、(λ
max =325nm,ε=67600)、(λmax =27
4nm,ε=72800)の2つの吸収が観察された。
更に、プロトンNMR測定の結果、0.88ppm(2
7H)、1.54ppm(18H)、1.93ppm
(6H)、7.29−8.11ppm(15H)、8.
84ppm(3H)、11.52ppm(3H)であ
り、生成物が目的物であることを確認した。
【0026】〔合成例2〕2,4−ビス−〔2’−ヒド
ロキシ−3’−(2H−ベンゾトリアゾール−2”−イ
ル)−5’−第三オクチルフェニルアミノ〕−6−クロ
ロ−1,3,5−トリアジンの合成(化10の化合物N
o.8) 塩化シアヌル1.317gをトルエン81.84gに溶
解し、それに2−(2’−ヒドロキシ−3’−アミノ−
5’−第三オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール4.
835gおよび無水炭酸ナトリウム1.50gを加え、
70℃で7時間反応した。室温まで冷却し、水洗を3回
行ない、生成した結晶をろ過、水洗した。この結晶をベ
ンゼン/シクロヘキサン混合溶媒から再結晶し、融点2
46.9℃の淡黄色粉末(生成物)3.65gを得た。
【0027】生成物のIR測定の結果、3400c
-1、1610cm-1、1540cm-1および790c
-1に吸収が観察された。また、UV測定の結果、(λ
max =322nm,ε=46200)、(λmax =28
7nm,ε=43900)の2つの吸収が観察された。
更に、プロトンNMR測定の結果、0.84ppm(1
8H)、1.50ppm(12H)、1.88ppm
(4H)、7.19−8.16ppm(10H)、8.
63ppm(2H)、11.56ppm(2H)であ
り、生成物が目的物であることを確認した。
【0028】〔合成例3〕2,4−ビス−〔2’−ヒド
ロキシ−3’−(2H−ベンゾトリアゾール−2”−イ
ル)−5’−第三オクチルフェニルアミノ〕−6−〔ジ
(2’−エチルヘキシル)アミノ〕−1,3,5−トリ
アジンの合成(化6の化合物No.4) 塩化シアヌル5gをアセトン23gに溶解し、−5℃以
下に冷却した。ここに、2−エチルヘキシルアミン6.
61gを10分間かけて滴下し、更に無水炭酸ナトリウ
ム1.44gを加えた。系内を−5℃以下に保ちながら
3時間反応させた。その後室温として、水50mlを加
え、クロロホルム20mlで3回抽出した。この抽出操
作により得られたクロロホルム抽出液を20mlの1N
水酸化ナトリウム水溶液で洗浄後、無水硫酸ナトリウム
で乾燥した。減圧下溶媒を留去し、無色液体を10.3
4g得た。
【0029】上記操作で得られた無色液体〔2,4−ジ
クロロ−6−ジ(2−エチルヘキシル)アミノ−1,
3,5−トリアジン〕2.59gを芳香族炭化水素系溶
媒21.3gに溶解し、2−(2’−ヒドロキシ−3’
−アミノ−5’−第三オクチルフェニル)ベンゾトリア
ゾール4.51gおよび無水炭酸ナトリウム1.39g
を加え、窒素雰囲気下、170℃で9時間反応させた。
その後室温で水洗し、油層を無水硫酸ナトリウムで乾燥
した。減圧下溶媒を留去し、粗生成物をn−ブチルアル
コール/イソプロピルアルコールから再結晶し、融点1
80.8℃の淡黄色粉状晶(生成物)5.44gを得
た。
【0030】生成物のIR測定の結果、3400c
-1、1610cm-1、1580cm-1および800c
-1に吸収が観察された。また、UV測定の結果、(λ
max =326nm,ε=44500)、(λmax =27
4nm,ε=53100)の2つの吸収が観察された。
更に、プロトンNMR測定の結果、0.86−1.91
ppm(64H)、3.77ppm(4H)、7.30
−8.21ppm(10H)、8.75ppm(2
H)、11.61ppm(2H)であり、生成物が目的
物であることを確認した。
【0031】本発明の高分子材料組成物は、高分子材料
に、上記一般式(I)で表されるベンゾトリアゾール化
合物を光安定剤として添加するものであり、その添加量
は、高分子材料100重量部に対して、0.001〜5
重量部、好ましくは0.01〜3重量部である。
【0032】本発明における安定性改善の対象となる高
分子材料としては、例えば、高密度、低密度または直鎖
状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−
1、ポリ−3−メチルペンテン等のα−オレフィン重合
体またはエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プ
ロピレン共重合体等のポリオレフィン及びこれらの共重
合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポ
リエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリ
デン、塩化ゴム、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩
化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリ
デン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン−酢酸ビニ
ル三元共重合体、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重
合体、塩化ビニル−マレイン酸エステル共重合体、塩化
ビニル−シクロヘキシルマレイミド共重合体、塩化ビニ
ル−シクロヘキシルマレイミド共重合体等の含ハロゲン
樹脂、石油樹脂、クマロン樹脂、ポリスチレン、ポリ酢
酸ビニル、アクリル樹脂、スチレン及び/又はα−メチ
ルスチレンと他の単量体(例えば、無水マレイン酸、フ
ェニルマレイミド、メタクリル酸メチル、ブタジエン、
アクリロニトリル等)との共重合体(例えば、AS樹
脂、ABS樹脂、MBS樹脂、耐熱ABS樹脂等)、ポ
リメチルメタクリレート、ポリビニルアルコール、ポリ
ビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリエチレ
ンテレフタレート及びポリテトラメチレンテレフタレー
ト等の直鎖ポリエステル、ポリフェニレンオキサイド、
ポリカプロラクタム及びポリヘキサメチレンアジパミド
等のポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、
ポリフェニレンサルファイド、ポリウレタン、繊維素系
樹脂等の熱可塑性合成樹脂及びこれらのブレンド物、あ
るいはフェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、エ
ポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂
を挙げることができる。更に、イソプレンゴム、ブタジ
エンゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、
スチレン−ブタジエン共重合ゴム等のエラストマーであ
っても良い。
【0033】本発明の高分子材料組成物には、前記一般
式(I)で表される化合物と共に、他の汎用の抗酸化
剤、安定剤等の添加剤を併用することができる。
【0034】これらの添加剤として特に好ましいものと
しては、フェノール系、硫黄系、ホスファイト系等の抗
酸化剤、ヒンダードアミン系の光安定剤が挙げられる。
【0035】上記フェノール系抗酸化剤としては、例え
ば、2,6−ジ第三ブチル−p−クレゾール、2,6−
ジフェニル−4−オクタデシロキシフェノール、ステア
リル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)−プロピオネート、ジステアリル(3,5−ジ第三
ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホネート、チオ
ジエチレングリコールビス〔(3,5−ジ第三ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−
ヘキサメチレンビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサ
メチレンビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオン酸アミド〕、4,4’−チオビ
ス(6−第三ブチル−m−クレゾール) 、2,2’−メ
チレンビス(4−メチル−6−第三ブチルフェノー
ル)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−第三
ブチルフェノール)、ビス〔3,3−ビス(4−ヒドロ
キシ−3−第三ブチルフェニル)ブチリックアシッド〕
グリコールエステル、4,4’−ブチリデンビス(6−
第三ブチル−m−クレゾール)、2,2’−エチリデン
ビス(4,6−ジ第三ブチルフェノール)、2,2’−
エチリデンビス(4−第二ブチル−6−第三ブチルフェ
ノール) 、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒド
ロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタン、ビス〔2−
第三ブチル−4−メチル−6−(2−ヒドロキシ−3−
第三ブチル−5−メチルベンジル)フェニル〕テレフタ
レート、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−
ヒドロキシ−4−第三ブチルベンジル)イソシアヌレー
ト、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−
ヒドルキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−
トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,3,5−
トリス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオニルオキシエチル〕イソシアヌレート、
テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ第三ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、2
−第三ブチル−4−メチル−6−(2−アクリロイルオ
キシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル) フェノー
ル、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{(3−第
三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロ
ピオニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラ
オキサスピロ〔5. 5〕ウンデカン、トリエチレングリ
コールビス〔(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−
メチルフェニル)プロピオネート〕等が挙げられる。
【0036】また、上記硫黄系抗酸化剤としては例え
ば、チオジプロピオン酸ジラウリル、ジミリスチル、ジ
ステアリル等のジアルキルチオジプロピオネート類及び
ペンタエリスリトールテトラ(β−ドデシルメルカプト
プロピオネート)等のポリオールのβ−アルキルメルカ
プトプロピオン酸エステル類が挙げられる。
【0037】また、上記ホスファイト系抗酸化剤として
は、例えば、トリスノニルフェニルホスファイト、トリ
ス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスファイト、ト
リス〔2−第三ブチル−4−(3−第三ブチル−4−ヒ
ドロキシ−5−メチルフェニルチオ)−5−メチルフェ
ニル〕ホスファイト、トリデシルホスファイト、オクチ
ルジフェニルホスファイト、ジ(デシル)モノフェニル
ホスファイト、ジ(トリデシル)ペンタエリスリトール
ジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジ
ホスファイト、ジ (ノニルフェニル)ペンタエリスリト
ールジホスファイト、ビス(2,4−ジ第三ブチルフェ
ニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス
(2,6−ジ第三ブチル−4−メチルフェニル)ペンタ
エリスリトールジホスファイト、テトラ(トリデシル)
イソプロピリデンジフェノールジホスファイト、テトラ
(トリデシル)−4,4’−n−ブチリデンビス(2−
第三ブチル−5−メチルフェノール) ジホスファイト、
ヘキサ(トリデシル)−1,1,3−トリス(2−メチ
ル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタン
トリホスファイト、テトラキス(2,4−ジ第三ブチル
フェニル)ビフェニレンジホスホナイト、9,10−ジ
ハイドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン
−10−オキサイド等が挙げられる。
【0038】また、上記ヒンダードアミン系光安定剤と
しては、例えば、2,2,6,6−テトラメチル−4−
ピペリジルベンゾエート、N−(2,2,6,6−テト
ラメチル−4−ピペリジル)ドデシルコハク酸イミド、
1−〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオニルオキシエチル〕−2,2,6,6−テ
トラメチル−4−ピペリジル−(3,5−ジ第三ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ビス
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セ
バケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−
4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,
6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−ブチル−2
−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)
マロネート、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラ
メチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン、テ
トラ(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)ブタンテトラカルボキシレート、テトラ(1,2,
2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ブタンテ
トラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6−テトラ
メチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)ブタンテ
トラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペ
ンタメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)ブタ
ンテトラカルボキシレート、3,9−ビス〔1,1−ジ
メチル−2−{トリス(2,2,6,6−テトラメチル
−4−ピペリジルオキシカルボニルオキシ)ブチルカル
ボニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオ
キサスピロ〔5.5〕ウンデカン、3,9−ビス〔1,
1−ジメチル−2−{トリス(1,2,2,6,6−ペ
ンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニルオキシ)
ブチルカルボニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10
−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、1,5,
8,12−テトラキス〔4,6−ビス{N−(2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミ
ノ}−1,3,5−トリアジン−2−イル〕−1,5,
8,12−テトラアザドデカン、1−(2−ヒドロキシ
エチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリ
ジノール/コハク酸ジメチル縮合物、2−第三オクチル
アミノ−4,6−ジクロロ−s−トリアジン/N,N’
−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)ヘキサメチレンジアミン縮合物、N,N’−ビス
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘ
キサメチレンジアミン/ジブロモエタン縮合物等が挙げ
られる。
【0039】その他必要に応じて、本発明の高分子材料
組成物には、重金属不活性化剤、造核剤、金属石けん、
有機錫化合物、可塑剤、エポキシ化合物、発泡剤、帯電
防止剤、難燃剤、滑剤、加工助剤等を包含させることが
できる。
【0040】上記一般式(I)で表される化合物は、高
分子材料の耐候性を改善する効果に優れるばかりでな
く、それ自身高度の耐熱性を有するため、汎用プラスチ
ックのみならず、各種エンジニアリングプラスチック用
の光安定剤としても有用である。
【0041】また、本発明の高分子材料組成物は、農業
用資材、自動車用塗料等の、長期間に渡って高度の耐候
性が要求される用途にも好適に用いることができ、例え
ば、フィルム、繊維、テープ、シート、各種成型材料、
塗料、ラッカー用結合剤、接着剤、パテ及び写真材料に
おける基材等に用いることができる。
【0042】
【実施例】以下、実施例をもって本発明を更に詳細に説
明する。しかしながら、本発明は、以下の実施例によっ
て制限を受けるものではない。
【0043】実施例1 下記の配合により、250℃で押し出し加工してペレッ
トを作成した。次いで、250℃で射出成形して、厚さ
2mmの試験片を作成し、この試験片を用いて、83℃の
サンシャインウェザオメーター(雨あり)による耐候性
試験を行った。オリジナルの試験片及び1500時間老
化後の試験片の光沢度を測定して残率を求め、また、オ
リジナルの試験片及び480時間老化後の試験片の色差
を求めた。尚、比較例に用いた比較化合物1、2を化1
4、化15に各々示した。
【0044】その結果を表−1に示した。
【0045】 〔配合〕 ポリプロピレンブロックコポリマー 100重量部 ステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4− 0.1 ヒドロキシフェニル)−プロピオネート トリス(2,4−ジ第三ブチルフェニル) 0.05 ホスファイト カルシウムステアレート 0.05 ビス(2,2,6,6−テトラメチル 0.2 −4−ピペリジル)セバケート 試料化合物(表−1) 0.1
【0046】
【表1】
【0047】
【化14】 比較化合物1
【0048】
【化15】 比較化合物2
【0049】実施例2 固有粘度0.57(ジオキサン中、30℃)のビスフェ
ノールAポリカーボネート粉末に対し、0.30重量%
の試料化合物(表−2)を添加し、250℃で押し出し
加工してペレットを作成した。このペレットを320℃
で射出成型し、厚さ2.5mmの試験片を作成した。
【0050】この試験片を用い、高圧水銀灯により紫外
線を照射し、ASTM 1925に従い、未照射の試験
片と2週間照射後の試験片について、その色差を求め
た。
【0051】その結果を表−2に示す。
【0052】
【表2】
【0053】実施例3 極限粘度0.72のポリエチレンテレフタレート100
重量部、ペンタエリスリトールテトラ(3,5−ジ第三
ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオネート)0.
1重量部および試料化合物(表−3)1重量部を混合
し、300℃で溶融押し出しを行ない、45℃の冷却ド
ラム上でシートを作成した。次に90℃の温度で機械方
向に3.5倍の倍率で延伸し、軸方向に3.6倍延伸し
た後200℃で30秒熱固定し、厚さ0.125mmの
2軸延伸フィルムを作成した。
【0054】このフィルムを用い、ウェザオメ−ターで
耐候性試験を行なった。試験は、フィルムのヘーズ値の
経時変化を測定して、ヘーズ値が初期値の2倍になるま
での時間を外挿法により求めることにより行った。
【0055】その結果を表−3に示した。
【0056】
【表3】
【0057】実施例4 下記配合物を260℃で押し出し加工してペレットを作
成し、次いで、260℃で射出成型して、厚さ1mmの試
験片を作成した。この試験片を用いて、83℃のサンシ
ャインウエザオメーター(雨なし)による耐候性試験を
行い、400時間照射後の色差を測定した。
【0058】その結果を表−4に示した。
【0059】 〔配合〕 耐熱ABS樹脂(α−メチルスレン共重合体) 100重量部 マグネシウムステアレート 0.4 トリエチレングリコールビス(3−第三ブチル 0.2 −4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル) プロピオネート ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ペンタ 0.2 エリスリトールジホスファイト 二酸化チタン 0.5 試料化合物(表−4) 0.5
【0060】
【表4】
【0061】上記実施例の結果から、本発明の特定のベ
ンゾトリアゾール化合物を用いた場合には、従来のベン
ゾトリアゾール化合物を用いた場合と比較して著しい効
果を示すことが明らかである。
【0062】
【発明の効果】本発明の高分子材料組成物は、苛酷な加
工条件下においても長期の耐候性を有するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 1/00 - 101/16 C08K 3/00 - 13/08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子材料100重量部に、下記化1の
    一般式(I)で表されるベンゾトリアゾール化合物0.
    001〜5重量部を添加してなる、耐候性の改善された
    高分子材料組成物。 【化1】
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