JP3063963U

JP3063963U - 食品用防湿容器

Info

Publication number: JP3063963U
Application number: JP1999003380U
Authority: JP
Inventors: 智英幸泉; 峰明樺山; 和也村上
Original assignee: Tomita Pharmaceutical Co Ltd
Current assignee: Tomita Pharmaceutical Co Ltd
Priority date: 1999-05-18
Filing date: 1999-05-18
Publication date: 1999-12-10
Anticipated expiration: 2005-05-18

Abstract

(57)【要約】【課題】優れた防湿性能を有する新規な食品用容器を提
供すること。【解決手段】最外層、吸湿層及び最内層の少なくとも３
層を有する多層樹脂フィルムからなり、該吸湿層が熱可
塑性樹脂と硫酸マグネシウム、塩化カルシウム、シリカ
ゲル及びゼオライトからなる群より選ばれる少なくとも
１種の吸湿剤との混合物からなる層であることを特徴と
する食品用防湿容器。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、新規な食品用防湿容器に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、食塩、胡椒、胡麻、化学調味料、粉末だしの素、海苔等のような吸湿して品質が低下し易い食品は、一般的に、ポリエチレン等の単層樹脂フィルムからなる容器に収納されていた。しかし、このような従来の食品容器は、防湿性能が十分ではなく、特に長期保存する場合の防湿性能が劣っていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案の目的は、優れた防湿性能を有する新規な食品用容器を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案者は、上記課題を達成すべく、鋭意検討した結果、熱可塑性樹脂と高性能で安全な特定の吸湿剤との混合物からなる吸湿層を有する特定構造の多層樹脂フィルムからなる容器が、優れた防湿性能を有することを見出し、これに基づき本考案を完成するに至った。

【０００５】即ち、本考案は、最外層、吸湿層及び最内層の少なくとも３層を有する多層樹脂フィルムからなり、該吸湿層が熱可塑性樹脂と硫酸マグネシウム、塩化カルシウム、シリカゲル及びゼオライトからなる群より選ばれる少なくとも１種の吸湿剤との混合物からなる層であることを特徴とする食品用防湿容器に係る。

【０００６】

【考案の実施の形態】

本考案の食品用防湿容器の構成を、図面を参照して説明する。

【０００７】図１は、本考案容器を構成する多層樹脂フィルムの多層構造の一例を示す断面図である。図１において、１は最外層を、２は吸湿層を及び３は最内層をそれぞれ示す。ここで、最外層は容器の外側に位置する層であり、最内層は容器の内側に位置する層である。

【０００８】上記吸湿層の材質は、熱可塑性樹脂と硫酸マグネシウム、塩化カルシウム、シリカゲル及びゼオライトからなる群より選ばれる少なくとも１種の吸湿剤との混合物であることが必要である。この層があることに基づいて、本考案容器の優れた防湿性能が発揮される。

【０００９】上記吸湿層における特定の吸湿剤は、吸湿能力が高く、しかも食品添加物でもあって安全性が高い。この吸湿剤の平均粒径としては、通常、０．１〜２０μｍ程度、好ましくは１〜５μｍ程度であるのが好適である。

【００１０】上記吸湿層における熱可塑性樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリアミド、アクリル樹脂、フェノール樹脂、エチレン・ビニルアルコール共重合体等が好適であり、吸湿剤との練合性を考慮すれば低密度ポリエチレンが特に好ましい。また、熱可塑性樹脂と吸湿剤との混合割合は、両者の合計重量に基づいて、吸湿剤が５〜７０重量％程度、好ましくは３０〜５０重量％程度となる量であるのが適当である。

【００１１】また、上記最外層の材質としては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリアミド、アクリル樹脂、フェノール樹脂、エチレン・ビニルアルコール共重合体等であるのが好適である。最内層の材質としては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリアミド、アクリル樹脂、フェノール樹脂、エチレン・ビニルアルコール共重合体等であるのが好適である。

【００１２】本考案の容器を構成する多層樹脂フィルムは、上記の最外層、吸湿層及び最内層の少なくとも３層から構成されるが、容器の形状保持性が必要な場合には、吸湿層の最外層側又は最内層側のいずれかに、芯層を有することができる。また、吸湿層を二層以上設けることも可能である。

【００１３】上記芯層の材質としては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル樹脂、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリアミド、アクリル樹脂、フェノール樹脂、エチレン・ビニルアルコール共重合体等であるのが好適であり、形状保持性を考慮すればポリプロピレン、エチレン・ビニルアルコール共重合体等が特に好ましい。

【００１４】図２は、吸湿層の最外層側に芯層を有する実施態様を示すものであり、後記実施例１で得た容器を構成する多層樹脂フィルムの断面図である。図２において、１は最外層、２は吸湿層、３は最内層であり、４は芯層を示す。

【００１５】また、本考案の容器を構成する多層樹脂フィルムは、最外層、吸湿層、最内層及び必要に応じて芯層からなるが、更に必要に応じて、これら４層以外の層を更に積層することを妨げない。かかる任意の層としては、例えばヒートシール層、アルミニウム蒸着層、ガラス蒸着層等を挙げることができる。

【００１６】本考案の容器を構成する多層樹脂フィルム及び該フィルムの各層の厚さは、特に限定されず、任意に選択することができる。通常は、フイルム全体の厚さを１５０〜１０００μｍ程度とし、最外層の厚さを５０〜３００μｍ程度、吸湿層の厚さを５０〜４００μｍ程度、最内層の厚さを５０〜３００μｍ程度、芯層の厚さを１０〜５０μｍ程度とするのが適当である。また、これら以外の任意の層の厚さは、その層の機能に応じて、適宜決定すれば良い。

【００１７】本考案の容器の形状としては、特に限定されないが、例えば、ボトル状、直方体状、袋状、バッグ状、球状、三角錐状、アンプル状等の形状とすることができる。

【００１８】図３は、本考案容器の形状の一例を示すものであり、後記実施例１で得たボトル状の容器の外観図である。図３において、５はボトル状容器を示す。

【００１９】本考案の容器を構成する多層樹脂フィルムは、常法により製造することができる。例えば、共押し出し積層法、ラミネーション法、ブロー成形法、多層成形法等の方法を用いることができる。また、本考案の容器は、常法により製造することができる。例えば、上記多層樹脂フィルムの製造と同時に成形して容器を得ることができ、又該フィルムに粘着剤塗布、ヒートシール、アルミニウム蒸着、ガラス蒸着、表面ナシ地加工等の二次加工を施して容器を得ることもできる。

【００２０】かくして得られる本考案の食品用防湿容器は、優れた防湿性能を有しており、例えば、食塩、胡椒、胡麻、化学調味料、粉末だしの素、海苔等のような吸湿して品質が低下し易い食品の収納、保存、輸送等に好適に使用できる。

【００２１】

【実施例】

以下、実施例を挙げて、本考案をより一層具体的に説明する。

【００２２】実施例１最外層として高密度ポリエチレンを、芯層としてポリプロピレンを、吸湿層として低密度ポリエチレンに平均粒径４μｍの硫酸マグネシウムを３０重量％含む練合物を、又最内層として高密度ポリエチレンを、それぞれ用いて、ブロー成形法により、高さ１２ｃｍのボトル状の本考案の食品用防湿容器を得た。

【００２３】得られた容器を構成する多層樹脂フィルムの多層構造を図２に、外観を図３に示す。図２において、１は厚さ９６μｍの最外層であり、４は厚さ１５μｍの芯層であり、２は厚さ９０μｍの吸湿層であり、３は厚さ６９μｍの最内層である。図３において、５はボトル状容器を示す。

【００２４】上記で得られたボトル状食品容器に、食塩（富田製薬株式会社製、焼塩微粉）５０ｇを入れ、密栓して、温度４０℃、湿度ＲＨ７５％の恒温恒湿槽で１２週間放置後、内容物の状態を調べたところ、何らの変化も無かった。この試験は、通常の保存状態で７２週間保存した場合に相当する。

【００２５】

【考案の効果】

本考案の食品用防湿容器によれば、熱可塑性樹脂と特定の吸湿剤との混合物からなる吸湿層を有する特定構造の多層樹脂フィルムからなることにより、優れた防湿性能を有しており、長期間、例えば２年以上というような長期間の保存の場合の防湿性能にも優れている。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案容器を構成する多層樹脂フィルムの多層
構造の一例を示す断面図である。

【図２】実施例１で得た容器を構成する多層樹脂フィル
ムの断面図である。

【図３】実施例１で得たボトル状容器の外観図である。

【符号の説明】

１最外層２吸湿層３最内層４芯層５ボトル状容器

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】最外層、吸湿層及び最内層の少なくとも３
層を有する多層樹脂フィルムからなり、該吸湿層が熱可
塑性樹脂と硫酸マグネシウム、塩化カルシウム、シリカ
ゲル及びゼオライトからなる群より選ばれる少なくとも
１種の吸湿剤との混合物からなる層であることを特徴と
する食品用防湿容器。
【請求項２】吸湿層における熱可塑性樹脂と吸湿剤との
混合割合が、両者の合計重量に基づいて、吸湿剤が５〜
７０重量％となる量である請求項１に記載の容器。
【請求項３】吸湿層の最外層側又は最内層側のいずれか
に、芯層を有する請求項１に記載の容器。
【請求項４】吸湿層における熱可塑性樹脂が、低密度ポ
リエチレンである請求項１に記載の容器。
【請求項５】最外層が、高密度ポリエチレンからなる請
求項１に記載の容器。
【請求項６】最内層が、高密度ポリエチレンからなる請
求項１に記載の容器。
【請求項７】芯層が、ポリプロピレンからなる請求項３
に記載の容器。