JP3063729U - スチ―ルハウスの外壁構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 施工が容易なスチールハウスの外壁構造を提
供する。 【解決手段】 方形状の金属製枠体１の表側に板体２を
止着し、この板体２の表面側に防湿気密フィルム３を介
して断熱材４を重合止着し、この断熱材４の表面側にス
ペーサ10を止着して防湿気密フィルム３並びに断熱材４
並びにスペーサ付の下地壁パネルＡに構成し、複数の下
地壁パネルＡを並設設置した際の隣接する断熱材４間に
嵌合間隔を設けると共に、この嵌合間隔に防湿気密フィ
ルム３が重合状態で露出するように構成し、防湿気密フ
ィルム３の外壁表側から嵌合部材６を嵌合固定し得るよ
うに構成すると共に、この嵌合部材６は外壁表側に突出
する突出部６Ａを設けた構成とし、断熱材４の表面側に
スペーサ並びに突出部６Ａを介して外壁材７を固定する
ことにより外壁材７の裏面側と断熱材４の表面側との間
に通気層８が形成される構造としたスチールハウスの外
壁構造。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、スチールハウスの外壁構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術及び考案が解決しようとする課題】

従来のスチールハウスの外壁は、方形状の金属製枠体の表側に木製合板などを 板体を止着して成るパネル材を外壁部分に複数隙間なく並設し、この並設するパ ネル材の表面側に防湿気密フィルムを付設した上で、この防湿気密フィルムの表 面側に断熱材を付設し、この断熱材の表面側の適所にスペーサ（胴縁）を付設し 、このスペーサを介して断熱材の表面側に外壁材を付設して外壁材の裏面側に通 気層を形成する構造であった。

【０００３】 しかしながら、並設配設したパネル材に、現場で防湿気密フィルムと断熱材と スペーサと外壁材とを次々と付設する作業は非常に厄介であり、施工作業性に劣 る問題があった。

【０００４】 本考案は、このようなスチールハウスの外壁施工の現状に鑑み、これを解決す るもので、表側に板体を止着した金属製枠体に、防湿気密フィルムと断熱材とス ペーサとを備えた下地壁パネルを予め工場生産するなどして用意しておき、この 下地壁パネルを並設設置することで自動的に防湿気密フィルムと断熱材とスペー サを備えた下地壁部を構成できることになると共に、断熱材間に設けた嵌合間隔 に嵌合部材を嵌合固定することでパネル間の防湿気密フィルムの継ぎ目も完全に 密閉することができ、更にこの嵌合部材の突出部が外壁材取付用のスペーサとし て機能して下地壁パネルの継ぎ目部分にスペーサを止着する作業も不要となる画 期的なスチールハウスの外壁構造を提案するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

添付図面を参照して本考案の要旨を説明する。

【０００６】 方形状の金属製枠体１の表側に板体２を止着し、この板体２の表面側に防湿気 密フィルム３を介して断熱材４を重合止着し、この断熱材４の表面側にスペーサ 10を止着して防湿気密フィルム３並びに断熱材４並びにスペーサ10付の下地壁パ ネルＡに構成し、この下地壁パネルＡの前記防湿気密フィルム３の大きさ寸法を 、この防湿気密フィルム３の周縁部が前記金属製枠体１の周縁部から外方に突出 する大きさ寸法に設定すると共に、前記断熱材４の大きさ寸法を、この断熱材４ の周縁部が前記金属製枠体１の周縁部よりも内方に位置する大きさ寸法に設定し て、複数の下地壁パネルＡを並設設置した際の隣接する断熱材４間に嵌合間隔５ を設けると共に、この嵌合間隔５に前記防湿気密フィルム３が重合状態で露出す るように構成し、この嵌合間隔５に重合する防湿気密フィルム３の外壁表側から 嵌合部材６を嵌合固定し得るように構成すると共に、この嵌合部材６は嵌合間隔 ５よりも外壁表側に突出する突出部６Ａを設けた構成とし、この突出部６Ａを嵌 合間隔５におけるスペーサとして外壁材７を固定し得るように構成して、断熱材 ４の表面側に前記スペーサ10並びに突出部６Ａを介して外壁材７を固定すること により外壁材７の裏面側と断熱材４の表面側との間に通気層８が形成される構造 としたことを特徴とするスチールハウスの外壁構造に係るものである。

【０００７】 また、前記嵌合間隔５に丁度嵌合し得る所定圧板状の断熱層部６Ｂの表面側に 、前記外壁材７を固定するための突出部６Ａとなり得る所定圧板状の木質層部６ Ａを付設して前記嵌合部材６を構成したことを特徴とする請求項１記載のスチー ルハウスの外壁構造に係るものである。

【０００８】 また、前記嵌合部材６の突出部６Ａの周囲に、前記断熱材４の周縁部に係止す る係止鍔部９を突設した構成としたことを特徴とする請求項１，２のいずれか１ 項に記載のスチールハウスの外壁構造に係るものである。

【０００９】

【考案の実施の形態】

好適と考える本考案の実施の形態（考案をどのように実施するか）を、図面に 基づいてその作用効果を示して簡単に説明する。

【００１０】 複数の下地壁パネルＡを隙間なく並設して行くと、自動的に断熱材４並びにス ペーサ10付の外壁の下地壁部が構成され、また、隣接する断熱材４間には嵌合間 隔５が設けられてこの嵌合間隔５に並設する下地壁パネルＡの防湿気密フィルム ３の周縁部同士が重合状態で露出することになる。また、防湿気密フィルム３の 周縁部同士が重合していない部位があった場合には手作業で重合させるが、この 際、嵌合間隔５を設けたことにより防湿気密フィルム３の周縁部を見易く、この 重合作業が容易に行われる。

【００１１】 続いて、この嵌合間隔５に重合する防湿気密フィルム３の外壁表側から嵌合部 材６を嵌合固定することで、重合する防湿気密フィルム３の周縁部同士を密閉状 態とできることとなり、この嵌合部材６の表側の突出部６Ａ並びに前記スペーサ 10を介して断熱材４の表面側に外壁材７を固定して行けば、この突出部６Ａ並び にスペーサ10を介することによって外壁材７の裏面側と断熱材４の表面側との間 に自動的に通気層８が形成されることになる。

【００１２】 従って、従来のように現場で防湿気密フィルムと断熱材と胴縁とを付設する作 業は不要となり、上記したような下地壁パネルＡを並べて行くだけの非常に簡単 な施工で防湿気密フィルム３も断熱材４もスペーサ10も装備された外壁下地構造 を設けることができ、その上、嵌合間隔５に嵌合部材６を嵌合固定するだけで防 湿気密フィルム３の重合継ぎ目部分の気密性も保持できることになり、しかも、 嵌合部材６の突出部６Ａが外壁材７取付用のスペーサとして機能するので下地壁 パネルＡの継ぎ目部分にスペーサ10を止着する作業も不要となるなど、コストを かけずに容易な施工作業で従来と同様のスチールハウスの外壁構造を施工するこ とができる画期的なスチールハウスの外壁構造となる。

【００１３】

【実施例】

本考案の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。

【００１４】 方形状の金属製枠体１の表側に板体２を止着すると共に、この板体２の表面側 に防湿気密フィルム３を介して断熱材４を重合止着し、この断熱材４の表面側に スペーサ10を止着して防湿気密フィルム３並びに断熱材４並びにスペーサ10付の 方形型下地壁パネルＡに構成している。

【００１５】 具体的には、金属製枠体１は、図３，図４に示すようなＣ状杆を方形状に組む と共に、方形枠内に桟杆を組んで構成し、この金属製枠体１に金属製枠体１と同 様の外形を有する板体２としての木製合板を金属製枠体１にネジ打ち止着してい る。

【００１６】 また、この防湿気密フィルム３，断熱材４も方形状に形成しているが、防湿気 密フィルム３はその周縁部が前記金属製枠体１の周縁部から外方に突出する大き さ寸法に設定し、断熱材４はその周縁部が前記金属製枠体１の周縁部よりも内方 に位置する大きさ寸法に設定している。

【００１７】 即ち、本実施例では、複数の下地壁パネルＡを上下左右に並設設置すると、隣 接する断熱材４間にこの断熱材４の周縁部に沿った溝状の長い嵌合間隔５が設け られると共に、この嵌合間隔５に前記防湿気密フィルム３が重合状態で露出する ように構成している。

【００１８】 また、本実施例では、この嵌合間隔５に重合する防湿気密フィルム３の外壁表 側から嵌合部材６を嵌合固定し得るように構成し、この嵌合部材６が重合する防 湿気密フィルム３を押さえ付けることによって、防湿気密フィルム３の重合継ぎ 目部分の気密性を保持する構成としている。

【００１９】 具体的には、前記嵌合間隔５に丁度嵌合し得る長尺な所定圧板状の断熱層部６ Ｂの表面側に、長尺な所定圧板状の木質層部６Ａを配設して前記嵌合部材６を構 成している。

【００２０】 また、この木質層部６Ａ部分が、嵌合間隔５よりも外壁表側に突出する突出部 ６Ａとなるように構成すると共に、突出部６Ａの周縁部が、前記断熱材４の周縁 部に係止する係止鍔部９として突出するようにこの突出部（木質層部）６Ａの大 きさ寸法を設定している。

【００２１】 この木質層部６Ａの表側から、先端部がドリル形態の皿ネジ11を、断熱層部６ Ｂ，防湿気密フィルム３，板体２を貫通させて金属製枠体１に螺着することによ り嵌合間隔５に嵌合部材６を固定する。

【００２２】 従って、この嵌合部材６を嵌合間隔５に嵌合固定すると、同時に係止鍔部９が 断熱材４の周縁部を押さえ込み係止することになり、これによって断熱材４が脱 落したりすることを防止している。

【００２３】 また、この嵌合部材６の嵌合間隔５に丁度嵌合し得る形状の断熱層部６Ｂが嵌 合間隔４での断熱材として機能するので、この嵌合間隔４でも良好な断熱効果が 得られることになる。

【００２４】 本実施例では、この突出部６Ａを嵌合間隔５におけるスペーサとして外壁材７ を固定し得るように構成して、断熱材４の表面側に前記スペーサ10並びに突出部 ６Ａを介して外壁材７を固定することにより外壁材７の裏面側と断熱材４の表面 側との間に通気層８が形成される構造としている。

【００２５】 従って、複数の下地壁パネルＡを隙間なく並設して行くと、自動的に断熱材４ 並びにスペーサ10付の外壁の下地壁部が構成され、また、隣接する断熱材４間に は嵌合間隔５が設けられてこの嵌合間隔５に並設する下地壁パネルＡの防湿気密 フィルム３の周縁部同士が重合状態で露出することになる構成としている。また 、防湿気密フィルム３の周縁部同士が重合していない部位があった場合には手作 業で重合させるが、この際、嵌合間隔５を設けたことにより防湿気密フィルム３ の周縁部を見易く、この重合作業が容易に行われる。

【００２６】 そして、この嵌合間隔５に重合する防湿気密フィルム３の外壁表側から嵌合部 材６を嵌合固定することで、重合する防湿気密フィルム３の周縁部同士を密閉状 態とできるとなり、この嵌合部材６の表側の突出部６Ａと前記スペーサ10とを介 して断熱材４の表面側に外壁材７を固定して行けば、この突出部６Ａとスペーサ 10とを介することで外壁材７の裏面側と断熱材４の表面側との間に自動的に通気 層８が形成されることになる構成としている。

【００２７】 従って、従来のように現場で防湿気密フィルムと断熱材と胴縁とを付設作業は 不要となり、上記したような非常に簡単な施工で防湿気密フィルム３も断熱材４ もスペーサ10も装備された外壁の下地壁部を配設することができる上に、嵌合部 材６によって防湿気密フィルム３の重合継ぎ目部分の気密性も保持できることに なり、しかも、嵌合部材６の突出部６Ａが外壁材７取付用のスペーサ10として機 能するので下地壁パネルＡの継ぎ目部分にスペーサ10を止着する作業も不要とな るなど、コストをかけずに従来と同様のスチールハウスの外壁構造を施工するこ とができる。

【００２８】 図中符号12は金属製枠体１同士を連結するためのネジ、13は酢ぺーさ10固定用 の釘、14は金属製枠体に木製合板を止着して構成した下枠、15は土台、16は防蟻 防湿シート、17は基礎コンクリートである。

【００２９】

【考案の効果】

本考案は上述のように構成したから、従来のように現場で防湿気密フィルムと 断熱材と胴縁とを付設する作業は不要となり、上記したような下地壁パネルを並 べて行くだけの非常に簡単な施工で防湿気密フィルムも断熱材もスペーサも装備 された外壁の下地壁部を設けることができ、その上、嵌合間隔に嵌合部材を嵌合 固定するだけで防湿気密フィルムの重合継ぎ目部分の気密性も保持できることに なるなどり、しかも、嵌合部材の突出部が外壁材取付用のスペーサとして機能す るので下地壁パネルの継ぎ目部分にスペーサを止着する作業も不要となるなど、 コストをかけずに容易な施工作業で従来と同様のスチールハウスの外壁構造を施 工することができる画期的なスチールハウスの外壁構造となる。

【００３０】 また、請求項２記載の考案においては、嵌合間隔に丁度嵌合し得る形状の断熱 層部が嵌合間隔での断熱材として機能するので、この嵌合間隔でも良好な断熱効 果が得られることになり、また突出部が木質層部であるので、この突出部に外壁 材をネジ打ち若しくは釘打ち固定することも容易に行われる秀れた構成の一層実 用的なスチールハウスの外壁構造となる。

【００３１】 また、請求項３記載の考案においては、嵌合部材を嵌合間隔に嵌合固定すると 同時に係止鍔部が断熱材の周縁部を押さえ込み係止することになるから、これに よって断熱材が脱落したりすることが防止されることになる一層実用性に秀れた スチールハウスの外壁構造となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施例の施工状態における切欠説明図であ
る。

【図２】本実施例の下地壁パネルを示す斜視図である。

【図３】本実施例の並設させた下地壁パネルの継ぎ目部
分と、分解した嵌合部材とを示す拡大説明図である。

【図４】本実施例の並設させた下地壁パネルの嵌合間隔
に嵌合部材を嵌合固定した状態を示す拡大説明図であ
る。

【符号の説明】

１ 金属製枠体 ２ 板体 ３ 防湿気密フィルム ４ 断熱材 ５ 嵌合間隔 ６ 嵌合部材 ６Ａ 突出部（木質層部） ６Ｂ 断熱層部 ７ 外壁材 ８ 通気層 ９ 係止鍔部 10 スペーサ Ａ 下地壁パネル

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号 ＦＩ Ｅ０４Ｂ 1/80 Ｅ０４Ｂ 1/80 Ｓ Ｇ

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 方形状の金属製枠体の表側に板体を止着
   し、この板体の表面側に防湿気密フィルムを介して断熱
   材を重合止着し、この断熱材の表面側にスペーサを止着
   して防湿気密フィルム並びに断熱材並びにスペーサ付の
   下地壁パネルに構成し、この下地壁パネルの前記防湿気
   密フィルムの大きさ寸法を、この防湿気密フィルムの周
   縁部が前記金属製枠体の周縁部から外方に突出する大き
   さ寸法に設定すると共に、前記断熱材の大きさ寸法を、
   この断熱材の周縁部が前記金属製枠体の周縁部よりも内
   方に位置する大きさ寸法に設定して、複数の下地壁パネ
   ルを並設設置した際の隣接する断熱材間に嵌合間隔を設
   けると共に、この嵌合間隔に前記防湿気密フィルムが重
   合状態で露出するように構成し、この嵌合間隔に重合す
   る防湿気密フィルムの外壁表側から嵌合部材を嵌合固定
   し得るように構成すると共に、この嵌合部材は嵌合間隔
   よりも外壁表側に突出する突出部を設けた構成とし、こ
   の突出部を嵌合間隔におけるスペーサとして外壁材を固
   定し得るように構成して、断熱材の表面側に前記スペー
   サ並びに突出部を介して外壁材を固定することにより外
   壁材の裏面側と断熱材の表面側との間に通気層が形成さ
   れる構造としたことを特徴とするスチールハウスの外壁
   構造。
2. 【請求項２】 前記嵌合間隔に丁度嵌合し得る所定圧板
   状の断熱層部の表面側に、前記外壁材を固定するための
   突出部となり得る所定圧板状の木質層部を付設して前記
   嵌合部材を構成したことを特徴とする請求項１記載のス
   チールハウスの外壁構造。
3. 【請求項３】 前記嵌合部材の突出部の周囲に、前記断
   熱材の周縁部に係止する係止鍔部を突設した構成とした
   ことを特徴とする請求項１，２のいずれか１項に記載の
   スチールハウスの外壁構造。