JP3063365B2 - 貴金属可塑性組成物及びこれを用いた貴金属物品の造形方法。 - Google Patents

貴金属可塑性組成物及びこれを用いた貴金属物品の造形方法。

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JP3063365B2 JP4064137A JP6413792A JP3063365B2 JP 3063365 B2 JP3063365 B2 JP 3063365B2 JP 4064137 A JP4064137 A JP 4064137A JP 6413792 A JP6413792 A JP 6413792A JP 3063365 B2 JP3063365 B2 JP 3063365B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、貴金属物品の造形方
法に係わり、特に、成形型を用いて貴金属物品の造形を
行う場合に用いて好適な貴金属物品の造形方法及びその
造形に用いる貴金属可塑性組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、美術工芸品等の造形用材料とし
て、Au、Ag、Pt、Pb等の貴金属またはこれらの
金属を主成分とする合金材料を用いて、複雑な形状の物
品を形成することが行われているが、その造形方法の主
たるものが、鋳造や圧延であった。
【0003】しかしながら、このような造形方法である
と、大掛かりな設備が必要となるばかりでなく、金属に
よっては、例えば、Ptでは融点が高いために、鋳造に
よる造形が困難であるといった問題点が残されている。
【0004】そこで、本願出願人は、成形性に優れた粘
土状の貴金属可塑性組成物を先に提案した。(特開平4
ー26707)これは、前記貴金属粉末や貴金属合金粉
末と水溶性バインダーとを混合して生成され、造形後に
おいて焼成することにより貴金属物品とされる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述した貴
金属可塑性組成物は、成形性に優れ、種々の複雑な形状
を容易に形成することができる点において、極めて有用
な造形材料であるが、さらに、次のような特性が要望さ
れるに至った。
【0006】すなわち、物品の製造において一対の成形
型を用いた射出成形の技術を採用すると、同一形状の物
品が容易に得られるという利点があるが、前記水溶性バ
インダーを用いて生成された貴金属可塑性組成物におい
ては、その特性が高粘度であることから、成形型内へ充
填が困難であり、射出成形には不向きであるという点で
ある。
【0007】そして、成形型を用いた造形を行うため
に、成形型を一対の割型とし、それぞれの割型の凹所
(キャビティー)に前記貴金属可塑性組成物を詰め込ん
で、それぞれの割型を突き合わせることにより、これら
の割型に詰め込まれた貴金属可塑性組成物を相互に密着
させて一体化することが考えられる。
【0008】しかしながら、この方法においても、前記
貴金属可塑性組成物の自己粘着性、すなわち、つぎたし
た際における一体化が完全ではなく、何等かの前処理を
必要とし、また、バインダーの揮発により経時的に粘度
が変化することから、貴金属可塑性組成物を割型のキャ
ビティー形状に確実になじませるには、その粘度管理が
必要となる。本発明は、このような実情に鑑みて、常温
において自己粘着性が充分で他の物質との粘着性が低く
て取り扱いの容易な貴金属可塑性組成物を提供すること
を目的とする。 また本発明の他の目的は、割型を用いた
貴金属物品の造形を容易且つ確実にした貴金属物品の造
形方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述した従来
の要望点を有効に解決すべくなされたもので、請求項1
記載の貴金属可塑性組成物は、Au、Ag、Pt、Pd
粉及びこれらの各合金(Au合金、Ag合金、Pt合
金、Pd合金)粉から選ばれる1種または2種以上の粉
体、または該粉体にAl、Ni、Co、Fe、Cu、T
i、Zn、Sn、Zr、V、Pb、Cr粉及びこれらの
各合金(Al合金、Ni合金、Co合金、Fe合金、C
u合金、Ti合金、Zn合金、Sn合金、Zr合金、V
合金、Pb合金、Cr合金)粉から選ばれる1種または
2種以上を付加して成る混合粉を82重量%〜96重量
%と、熱可塑性樹脂を2重量%〜10重量%及び可塑剤
を2重量%〜10重量%有するバインダーとを混合して
成り、前記熱可塑性樹脂と可塑剤の配合量をほぼ同量に
すると共に、前記熱可塑性樹脂はアクリル系樹脂であ
り、かつ、前記可塑剤はフタル酸系化合物あるいはアル
コール類から選ばれる1種または2種以上であることを
特徴とする。またバインダーとして前記熱可塑性樹脂及
び可塑剤に加えて分散剤を添加し、該分散剤として界面
活性剤を用いてもよい。また本発明に係る貴金属物品の
造形方法は、請求項1または2記載の前記貴金属可塑性
組成物を、一対の割型に形成されている凹所に充填した
のちに、これら一対の割型を突き合わせて、それぞれの
凹所に充填されている貴金属可塑性組成物を密着させて
一体化し、次いで、前記割型を開いて成形された貴金属
可塑性組成物を離型したのちに、この成形された貴金属
可塑性組成物を焼成することを特徴とする。
【0010】
【作用】請求項1及び請求項2に係る貴金属可塑性組成
物は、体温近傍の温度で軟化してべとつかず、塑像性す
なわち成形性が良好で、かつ、別個の組成物を押しつけ
たりあるいは練り込んだ際に容易に一体化して、つぎた
し等が容易に行える(自己粘着性が良好である)。
た、Al、Ni、Co、Fe、Cu、Ti、Zn、S
n、Zr、V、Pb、Cr粉及びこれらの各合金(Al
合金、Ni合金、Co合金、Fe合金、Cu合金、Ti
合金、Zn合金、Sn合金、Zr合金、V合金、Pb合
金、Cr合金)粉から選ばれる1種または2種以上を付
加することで、貴金属可塑性組成物は付加混合された金
属粉により種々の色調が付与される。
【0011】したがって本発明による貴金属物品の造形
方法によれば、割型への充填に際し、容易にキャビティ
ーの形状へなじませることができ、また、割型を突き合
わせることにより、両割型に充填された貴金属可塑性組
成物どうしを一体化し、さらに、割型を開く際に、貴金
属可塑性組成物が容易に離型され、割型を用いた造形が
有効に実施される。
【0012】
【0013】
【0014】ここで、各成分の具体例と、前記配合例に
限定した理由について説明する。 (A)貴金属粉末あるいは貴金属合金粉末 貴金属粉末は、平均粒径が200μm以下の球状、異形
状または偏平状の粉末を利用できる。この貴金属粉末を
なす貴金属には、Au、Ag、Pt、および、Pdある
いはこれらの合金の内から選ばれる1種または2種以上
が用いられる。この貴金属粉末は、貴金属可塑性組成物
を構成する主成分であり、製品の色調を決定する重要な
要素であるが、その含有量が82重量%未満であると、
その色彩が不明瞭になり、あるいは、貴金属可塑性組成
物の燒結がうまく行かず、また、96重量%を越える
と、得られた貴金属可塑性組成物の伸び(粘り)や塑像
性が低下し、割れ等が発生しやすくなる。
【0015】(B)バインダーの組成 (a)熱可塑性樹脂 熱可塑性樹脂は、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル
樹脂であり、前記貴金属可塑性組成物の形状を良好に保
持し、かつ、可塑剤との組み合わせによって、前記貴金
属可塑性組成物に取り扱い者の体温近傍での、可塑性、
自己粘着性、伸び、および、割れ防止等の特性を与える
ものである。アクリル樹脂は通常、トルエン、エタノー
ル等の溶媒に溶解した状態で保存されるが、前記貴金属
可塑性組成物の製造工程において、これら溶媒成分は蒸
発除去される。この熱可塑性樹脂の配合量(すなわち、
溶媒成分が除去された後の配合量)が2重量%未満であ
ると、自己粘着性、伸び、および、割れ防止等の特性が
十分にえられず、一方、10重量%を越えると、成形体
を脱脂・燒結する際に、成形体の変形、だれ、発泡等が
生じ、所望の形状の燒結体が得られないことになるの
で、熱可塑性樹脂の配合量を2重量%〜10重量%と定
めた。 (b)可塑剤 可塑剤は、DBP(フタル酸ジNブチル)、DEP(フ
タル酸ジエチルヘキシル)、DOP(フタル酸ジNオク
チル)等のフタル酸系化合物、ポリエチレングリコー
ル、エチレングリコール、グリセリン等のアルコール類
から選ばれる1種または2種以上が用いられる。この可
塑剤は、前記熱可塑性樹脂との組み合わせによって、前
述のごとく、前記貴金属可塑性組成物に、取り扱い者の
体温近傍での、可塑性、自己粘着性、伸び、および、割
れ防止等の特性を与えるものであるが、その配合量が2
重量%以下であると、可塑性、伸び、および、割れ防止
等の特性が十分に得られず、一方、10重量%を越える
と、自己粘着性が低下し、また、成形時に成形体の内部
に気泡が多く巻き込まれるようになって、成形体の強度
が低下してしまうために成形が困難になり、さらに油っ
ぽくなって手触りが悪くなるなどの問題が生じるので、
可塑剤の配合量を2重量%〜10重量%と定めた。 (c)分散剤 分散剤は、好ましくは添加されるもので、例えば、スパ
ン80(ソルビタンモノオレート)等の界面活性剤が用
いられ、前記粉体とバインダーとの混合性を高めるもの
で、不可避不純物と合わせて0.05重量%〜6重量%
の範囲内で添加される。 (d)熱可塑性樹脂と可塑剤との配合比 熱可塑性樹脂と可塑剤との配合量をほぼ同量としたの
は、何れかが多いと、得られる貴金属可塑性組成物の自
己粘着性の低下や、取り扱い時におけるべとつきの発生
の原因となるからである。
【0016】(C)金属粉あるいは金属合金粉 これらは、Al、Ni、Co、Fe、Cu、Ti、Z
n、Sn、Zr、V、および、Cr、あるいは、これら
の合金から選ばれる1種または2種以上の混合粉が用い
られ、得られる貴金属可塑性組成物の強度や色調を調整
するために添加されるもので、その添加量は目的とする
強度や色調に応じて適宜設定される。
【0017】
【実施例】以下、実施例に沿って本発明を説明する。ア
クリル樹脂:50重量%、トルエン:50重量%の組成
のアクリル樹脂溶液と、PEG、DBP、スパン80と
を、蒸発乾燥後の配合比が表1に示す配合比となるよう
にエタノール中において室温で混合してバインダー溶液
を生成し、これら各バインダー溶液に、平均粒径20μ
mのAu粉末、平均粒径30μmのAg粉末、および、
平均粒径25μmのCu粉末を、同じく蒸発乾燥後の配
合比が表1に示すようになるように混合し、これによっ
て得られた混合溶液を、バットに広げて温度:40℃に
24時間保持することにより自然乾燥させて貴金属可塑
性組成物1〜5を得た。なお、表1における貴金属可塑
性組成物の組成は、前記乾燥工程において、トルエンお
よびエタノールが完全に除去されると仮定して、製造時
の仕込量から算出した値であり、微量の不可避不純物を
除外して計算した値である。
【0018】
【表1】
【0019】そして、このようにして得られた各貴金属
可塑性組成物について、常温での自己粘着性、伸び、お
よび、他の物質との粘着性(べたつき)につき試験を行
い、その結果を表2に示した。 試験条件 自己粘着性;2つに分割された貴金属可塑性組成物を圧
着させたのちに、その圧着面を境に引っ張り力を与え、
この時の両試験片の圧着面における剥離の有無を調べ、
全くない場合を「○」、剥離が微少な場合を「△」、剥
離が大きい場合を「×」とした。 伸び;貴金属可塑性組成物に引っ張り力を与え、破断が
生じた時点における伸び率を測定した。 他の物質との粘着性;貴金属可塑性組成物を手で練り込
んだ際の、手への付着状態を調べ、付着が全くない場合
を「○」、微少量の付着が生じた場合を「△」、また、
付着が多い場合を「×」とした。
【0020】
【表2】
【0021】また、比較例として、熱可塑性樹脂、およ
び、可塑剤のそれぞれについて、上限値と下限値を外れ
た表3に示す配合量とした組成物6〜11を生成し、こ
れらについて本実施例と同様の試験を行い、その結果を
表4に示す。
【0022】
【表3】
【0023】
【表4】
【0024】これらの結果から明らかなように、本実施
例の組成ならびに配合比の範囲内であると、常温におい
て自己粘着性および伸びが充分で、かつ、他の物質との
粘着性が低く、塑像性に優れかつ取り扱いの容易な貴金
属可塑性組成物が得られ、造形用材料として好適に用い
られる。
【0025】次いで、このようにして製造された貴金属
可塑性組成物の造形方法について図1ないし図4に基づ
き説明する。
【0026】この実施例は、アレイ状の形状、すなわ
ち、円柱状の握り部の両端部に球形の錘部が一体に設け
られた形状を有する貴金属物品の造形について例示した
ものであるが、一対の割型1・2の突き合わせ面1a・
2aに、前記アレイ状の形状を軸線を含む面において分
割した形状と同一形状の凹所(キャビティー)1b・2
bを形成しておき(図1参照)、まず、前記実施例2の
貴金属可塑性組成物Aを、図2に示すように、前記割型
1・2の凹所1b・2bのそれぞれに万遍なく詰め込む
とともに、この貴金属可塑性組成物Aを、各割型1・2
の突き合わせ面1a・2aから平均的に若干盛り上げて
おく。
【0027】このような貴金属可塑性組成物Aの詰め込
み操作に際し、この貴金属可塑性組成物Aを手で練り込
み、あるいは、若干の熱を加えたのちに行うと、貴金属
可塑性組成物Aが適度に軟化することから、作業が容易
になるとともに、貴金属可塑性組成物Aが、各凹所1b
・2bの内面に円滑になじませられる。
【0028】また、前記貴金属可塑性組成物Aの他物質
への粘着性が低いことから、詰め込み時に手にべとつく
ようなことがなく、この点からも詰め込み作業が容易と
なる。
【0029】次いで、前記両割型1・2を型枠等によっ
て相互に位置決めした状態で突き合わせ、内部の貴金属
可塑性組成物Aどうしを密着させる。これによって、両
貴金属可塑性組成物Aは自己粘着性により一体化され
る。
【0030】さらに、所定時間経過後に、両割型1・2
を開くとともに、両割型1・2から貴金属可塑性組成物
Aを離型させる。この状態において、前記貴金属可塑性
組成物Aは、アレイ状に成形され、図3に示すように、
その表面に、場合によっては前記両割型1・2の突き合
わせ面1a・2aに沿うパーティングラインLが残存す
る。
【0031】このパーティングラインLは、割型1・2
への貴金属可塑性組成物Aの充填密度や盛り上げ量によ
って異なるが、これらを適宜調整することにより、殆ど
目立たない程度まで減少させることができる。そして、
このパーティングラインLが生じた場合には、離型後の
粘性の残っている段階で除去するか、あるいは、次の焼
成工程後において除去する。
【0032】次いで、前述のようにして離型された貴金
属可塑性組成物Aを加熱焼成することにより、図4に示
すように、アレイ状の形状を有する貴金属物品Bが得ら
れる。
【0033】ここで、焼成条件は貴金属可塑性組成物A
に含有する貴金属粉末および金属粉末の種類によって異
なるが、例えば、含有する貴金属粉末が、純Ag粉末の
みの場合は、大気中、900℃で1時間以上焼成するこ
とにより、純Au粉末のみの場合は、大気中、1050
℃で1時間以上焼成することにより、また、AuーAg
ーCu混合粉末の場合は、H2気流中、昇温速度:1℃
/分で700℃まで加熱し、5時間以上保持して脱バイ
ンダーした後、860℃で1時間以上焼成することによ
り、それぞれ所望の貴金属物品を得ることができる。
【0034】このように、本発明に係わる貴金属物品の
造形方法によると、貴金属可塑性組成物Aに割型1・2
を用いて形状を与える際に、体温あるいは若干の加熱に
より貴金属可塑性組成物Aに適度の粘性を付与して、割
型1・2の凹所1b・2bの内面に円滑になじませるこ
とができ、これによって、前記凹所1b・2bの形状が
確実に貴金属可塑性組成物Aに転写させられる。
【0035】また、両割型1・2を突き合わせて、これ
らに詰め込まれた貴金属可塑性組成物Aどうしを圧着さ
せることにより、これらがそれぞれの自己粘着性により
一体化する。そして、これに続く割型1・2からの離型
に際し、貴金属可塑性組成物Aの他材質に対する低粘着
性により、離型が容易に行われ、割型1・2から転写さ
れた形状が確実に保持される。
【0036】そして、離型後における焼成処理によっ
て、容積は多少減少するものの、割型1・2によって与
えられた形状と相似形の形状を有する貴金属物品Bが得
られる。このように、本発明の方法によれば、割型1・
2を用いた貴金属物品の造形が容易かつ確実に実施され
る。
【0037】なお、前記実施例において示した各構成部
材の諸形状や寸法あるいは材質等は一例であって、設計
要求等に基づき種々変更可能である。
【0038】例えば、前記実施例においては粉体として
Agを例示したが、これに限られることなく、他の貴金
属粉やその合金あるいはこれらに他の金属やその合金を
添加したものであってももちろんよいものである。
【0039】また、割型1・2の材質も適宜選択できる
もので、例えば、シリコンゴムを主成分とした型取り用
ゴムが使用される。この型取り用ゴムを用いると、離型
時に割型1・2が弾性変形することから、複雑な形状を
転写する場合等に有利である。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係わる
金属可塑性組成物及び貴金属物品の造形方法によると、
次のような優れた効果を奏する。
【0041】本発明による貴金属可塑性組成物は、自己
粘着性と伸びが充分で他材質に対する粘着性が低く、取
り扱いが容易に行われ且つ形状が確実に保持される。ま
た本発明による貴金属物品の造形方法によれば、貴金
可塑性組成物に割型を用いて形状を与える際に、体温あ
るいは若干の加熱により貴金属可塑性組成物に適度の粘
性を付与して、割型の凹所の内面に円滑になじませるこ
とができ、これによって、前記凹所の形状を確実に貴金
属可塑性組成物に転写させることができる。
【0042】また、両割型を突き合わせて、これらに詰
め込まれた貴金属可塑性組成物どうしを圧着させること
により、これらおそれぞれの自己粘着性により一体化す
ることができ、これに続く割型からの離型に際し、貴金
属可塑性組成物の他材質に対する低粘着性により離型を
容易にして、割型から転写された形状を確実に保持する
ことができる。
【0043】そして、離型後における焼成処理によっ
て、容積は多少減少するものの、割型によって与えられ
た形状と相似形の形状を有する貴金属物品が得られ、割
型によって設定した形状を確実に金属物品に与えること
ができる。
【0044】このように、本発明の方法によれば、割型
用いた貴金属物品の造形を容易かつ確実に実施すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いられる割型の斜視図である。
【図2】割型への貴金属可塑性組成物の詰め込みを説明
するための斜視図である。
【図3】割型から離型した状態の貴金属可塑性組成物を
示す斜視図である。
【図4】焼成後に得られる貴金属物品の斜視図である。
【符号の説明】
1 割型 1a 突き合わせ面 1b 凹所 2 割型 2a 突き合わせ面 2b 凹所 A 貴金属可塑性組成物 B 貴金属物品 L パーティングライン
フロントページの続き (72)発明者 森 暁 兵庫県三田市テクノパーク十二番の六 三菱マテリアル株式会社 三田工場内 (56)参考文献 特開 昭63−303002(JP,A) 特開 平4−218628(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22F 3/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Au、Ag、Pt、Pd粉及びこれらの
    各合金粉から選ばれる1種または2種以上の粉体、また
    は該粉体にAl、Ni、Co、Fe、Cu、Ti、Z
    n、Sn、Zr、V、Pb、Cr粉及びこれらの各合金
    粉から選ばれる1種または2種以上を付加して成る混合
    粉を82重量%〜96重量%と、 熱可塑性樹脂を2重量%〜10重量%及び可塑剤を2重
    量%〜10重量%有するバインダーとを混合して成り、 前記熱可塑性樹脂と可塑剤の配合量をほぼ同量にすると
    共に前記熱可塑性樹脂はアクリル系樹脂であり、かつ、
    前記可塑剤はフタル酸系化合物あるいはアルコール類か
    ら選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする
    貴金属可塑性組成物。
  2. 【請求項2】 バインダーとして前記熱可塑性樹脂及び
    可塑剤に加えて分散剤を添加し、該分散剤として界面活
    性剤を用いたことを特徴とする請求項1記載の貴金属可
    塑性組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の前記貴金属可塑
    性組成物を、一対の割型に形成されている凹所に充填し
    たのちに、これら一対の割型を突き合わせて、それぞれ
    の凹所に充填されている貴金属可塑性組成物を密着させ
    て一体化し、次いで、前記割型を開いて成形された貴金
    属可塑性組成物を離型したのちに、この成形された貴金
    属可塑性組成物を焼成することを特徴とする貴金属物品
    の造形方法。
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