JP2001152205A - 金属粉末射出成形法およびこれに用いるバインダ - Google Patents

金属粉末射出成形法およびこれに用いるバインダ

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JP2001152205A
JP2001152205A JP33624099A JP33624099A JP2001152205A JP 2001152205 A JP2001152205 A JP 2001152205A JP 33624099 A JP33624099 A JP 33624099A JP 33624099 A JP33624099 A JP 33624099A JP 2001152205 A JP2001152205 A JP 2001152205A
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metal powder
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powder injection
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Isao Makino
功 牧野
Takeshi Arai
毅 荒井
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Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属粉末射出成形法における脱脂工程での成
形体の変形を防止することができるバインダおよびこれ
を用いた金属粉末射出成形法を提供すること。 【解決手段】 金属粉末とバインダとを混合してなる成
形材料を型内に射出して成形体8を成形し,次いで,成
形体8を加熱してバインダを除去し,その後成形体8を
焼結させる金属粉末射出成形法において,バインダは,
複数のバインダ成分を混合してなり,かつ,バインダ除
去のための加熱の際に成形体8内の初期バインダ総量に
対する軟化状態となったバインダ量の体積比率が常に5
0vol%以下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,金属粉末射出成形法,特にこれ
に用いるバインダに関する。
【0002】
【従来技術】近年,金属粉末射出成形法(MIM法:Metal
Powder Injection Molding)が金属部品の製造法とし
て利用されている。この方法を用いて金属複合焼結体を
製造するには,まず,金属粉末をバインダと混合させて
流動性を持たせ,これを射出成形して成形体を成形す
る。次いで,この成形体に加熱等を加えてバインダの大
部分を除去する脱脂工程を行い,更に高い温度で加熱し
て金属粉末を焼結させる焼結工程を行う。これにより,
所望形状の金属複合焼結体を得る。
【0003】
【解決しようとする課題】ところで,上記脱脂工程にお
いては,成形体内において凝固状態にあるバインダが分
解除去される。バインダの分解は,通常は,一旦軟化状
態となった後に行われる。一方,成形体の形状が特殊な
形状である場合には,バインダが軟化状態となった際に
成形体の形状を維持することが困難な場合がある。この
場合には,脱脂工程において成形体が変形してしまい,
その後の焼結工程を行うまでもなく不良品を生んでしま
う。
【0004】そこで,変形が起こりやすい特殊な形状の
成形品を脱脂する際には,その変形を防止するための特
殊な治具を用いる必要があった。そのため,治具の作
製,治具をセットする製造工程の追加等により,製造コ
ストの増大等という不具合が生じていた。
【0005】本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてな
されたもので,金属粉末射出成形法における脱脂工程で
の成形体の変形を防止することができるバインダおよび
これを用いた金属粉末射出成形法を提供しようとするも
のである。
【0006】
【課題の解決手段】請求項1の発明は,金属粉末とバイ
ンダとを混合してなる成形材料を型内に射出して成形体
を成形し,次いで,該成形体を加熱してバインダを除去
し,その後上記成形体を焼結させる金属粉末射出成形法
において,上記バインダは,複数のバインダ成分を混合
してなり,かつ,バインダ除去のための加熱の際に上記
成形体内の初期バインダ総量に対する軟化状態となるバ
インダ量の体積比率が常に50vol%以下であること
を特徴とする金属粉末射出成形法にある。
【0007】本発明において最も注目すべきことは,上
記バインダとして,複数のバインダ成分を混合してな
り,かつ,バインダ除去のための加熱の際における上記
成形体内の初期バインダ総量に対する軟化状態となるバ
インダ量の体積比率が常に50vol%以下であるもの
を用いることである。
【0008】次に,本発明の作用につき説明する。本発
明においては,上記のごとく,軟化状態となるバインダ
成分の比率を積極的に制御したバインダを用いる。この
バインダは,上記成形体を加熱してバインダを除去する
脱脂工程において,常に,初期バインダ総量に対する軟
化状態のバインダ量の比率が50vol%以下である。
これにより,脱脂工程の加熱中においては,軟化したバ
インダ成分の流動性により成形体の形状が崩れようとす
るのを阻止することができる。なお,バインダが分解し
た後には,金属粉末の粒子間に残さが残り,この残さに
より,成形体の形状が保持される。バインダは完全に成
形体から取り除かれるのではなく,初期のバインダ総量
の約5vol%が成形体内に残るように脱脂工程が行わ
れる。
【0009】それ故,脱脂工程においては,成形体の形
状を変形させることなくそのまま維持することができ
る。したがって,その後の焼結により,形状に優れた焼
結体を容易に得ることができる。
【0010】次に,請求項2の発明のように,上記軟化
状態となったバインダは,粘度が106.6Pa・S以下
となる点を軟化点として判断することが好ましい。この
場合には,各バインダ成分の混合割合を決定する際に,
上記粘度が得られる温度を軟化点とするとともに,分解
が開始される温度を分解開始点として把握することによ
り,混合割合の良否を容易に判断することができる。な
お,ここで,分解開始温度は,たとえば,バインダの重
量減少が始まる温度に定義することができる。
【0011】また,請求項3の発明のように,上記軟化
状態のバインダ量は,バインダ総量と金属粉末総量との
合計であるコンパウンド総量に対して,体積比率が20
vol%以下であることが好ましい。上記軟化状態のバ
インダ量の体積比率が上記コンパウンド総量に対して2
0vol%を超える場合には,脱脂工程における変形防
止が確実に防止できない場合が生ずるおそれがある。
【0012】次に,請求項4の発明は,金属粉末射出成
形法において金属粉末と混合されるバインダにおいて,
該バインダは,複数のバインダ成分を混合してなり,か
つ,凝固状態から加熱して分解させる際に,初期バイン
ダ総量に対する軟化状態となったバインダ量の体積比率
が常に50vol%以下であることを特徴とする金属粉
末射出成形用のバインダにある。
【0013】このバインダを金属粉末射出成形法に用い
た場合には,上記の脱脂工程において,上記成形体内に
初期バインダ総量に対する軟化状態となったバインダ量
の体積比率を常に50vol%以下とすることができ
る。それ故,このバインダを用いれば,上記のごとく優
れた金属粉末射出成形法を容易に実践することができ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】実施形態例 本発明の実施形態例にかかる金属粉末射出成形法および
これに用いるバインダにつき,図1を用いて説明する。
本例では,図1(c)に示すごとく,上下に大径部8
1,83を有し,これらを小径軸部82により連結した
形状の成形体8を成形し,これに脱脂工程および焼結工
程を加えて成形体8よりも若干収縮した金属焼結体の作
製を試みた。そして,上記成形体8の成形材料に混合す
るバインダを3種類準備し,脱脂工程への影響を調べ
た。
【0015】まず,本例で用いるバインダについて説明
する。本例では,本発明の範囲内にはいるバインダC
と,比較のためのバインダA,Bの3種類を準備した。
全てのバインダA〜Cは,いずれも表1にも示すごと
く,4種類のバインダ成分を混合してなる。具体的に
は,いずれも,パラフィンワックス(PW),エチレン
−酢酸ビニル共重合体(EVA),ステアリン酸(S
T),メタクリル酸誘導体(MA)の混合体とし,その
混合割合を表1のごとく変化させた。
【0016】各バインダ成分の特性を表2に示す。表2
における軟化点(軟化温度)は,昇温時に粘度が10
6.6Pa・S以下となる温度とした。また,分解開始温
度は昇温時に重量の減少が始まる温度,分解温度は昇温
時に最も重量減少率が大きくなる温度とした。表2にお
けるMAは,軟化状態を経ずに分解を開始するため,軟
化点は記載していない。
【0017】表1,表2より知られるように,バインダ
Cは,500℃までの昇温の過程において,初期バイン
ダ総量に対する軟化状態となったバインダ量の体積比率
が常に50vol%以下となるように調整した。具体的
には,たとえば温度約100℃の場合には,軟化状態の
バインダ成分がバインダ総量に対して45vol%とな
るように調整した。
【0018】一方,バインダAおよびBは,いずれも,
昇温途中において,初期バインダ総量に対する軟化状態
となったバインダ量の体積比率が50vol%を超える
場合が生ずるように調整した。具体的には,たとえば温
度約100℃の場合には,バインダ総量に対する軟化し
たバインダ量が,バインダAは70vol%,バインダ
Bは55vol%となるように調整した。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】次に,上記バインダA〜Cを用いて,実際
に成形体8を成形した。まず,金属粉末として平均粒径
10μmのSUS316Lを準備し,これに,加熱して
軟化させたバインダA〜Cをそれぞれ混合して3種類の
成形材料をそれぞれ10個作製した。このときの金属粉
末とバインダとの混合比は,すべて60:40とした。
【0022】次いで,上記成形材料を型内に射出成形し
てバインダの異なる3種類の成形体8を成形した。次い
で,各成形体8を窒素気流中において500℃まで昇温
するという脱脂工程を実施した。
【0023】脱脂工程後の成形体8の形状を図1に示
す。バインダCを用いた10個の成形体8は,図1
(c)に示すごとく,ずべて成形直後の形状を維持した
まま乾燥状態となった。一方,バインダAを用いた成形
体8においては,図1(a)に示すごとく,10個全て
が小径軸部82において大きく折れ曲がるという変形が
生じた。また,バインダBを用いた成形体8において
は,10個中7個は変形なく正常であったが,3個は,
図1(b)に示すごとく,軸ずれが生じた。
【0024】以上の結果から,金属粉末射出成形法にお
いて,そのバインダとして,複数のバインダ成分を混合
してなり,かつ,凝固状態から加熱して分解させる際
に,初期バインダ総量に対する軟化状態となったバイン
ダ量の体積比率が常に50vol%以下であるもの(本
例ではバインダC)を用いることにより,脱脂工程にお
ける変形を防止できることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例における,(a)バインダA,
(b)バインダB,(c)バインダC,をそれぞれ用い
た成形体の脱脂工程後の形状を示す説明図。
【符号の説明】
8...成形体, 81,83...大径部, 82...小径軸部,

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属粉末とバインダとを混合してなる成
    形材料を型内に射出して成形体を成形し,次いで,該成
    形体を加熱してバインダを除去し,その後上記成形体を
    焼結させる金属粉末射出成形法において,上記バインダ
    は,複数のバインダ成分を混合してなり,かつ,バイン
    ダ除去のための加熱の際に上記成形体内の初期バインダ
    総量に対する軟化状態となるバインダ量の体積比率が常
    に50vol%以下であることを特徴とする金属粉末射
    出成形法。
  2. 【請求項2】 請求項1において,上記軟化状態となっ
    たバインダは,粘度が106.6Pa・S以下であること
    を特徴とする金属粉末射出成形法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において,上記軟化状態
    のバインダ量は,バインダ総量と金属粉末総量との合計
    であるコンパウンド総量に対して,体積比率が20vo
    l%以下であることを特徴とする金属粉末射出成形法。
  4. 【請求項4】 金属粉末射出成形法において金属粉末と
    混合されるバインダにおいて,該バインダは,複数のバ
    インダ成分を混合してなり,かつ,凝固状態から加熱し
    て分解させる際に,初期バインダ総量に対する軟化状態
    となったバインダ量の体積比率が常に50vol%以下
    であることを特徴とする金属粉末射出成形用のバイン
    ダ。
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