JP3063292B2 - 食器洗い機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は食器の洗浄を行う食器洗
い機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】以下に従来の食器洗い機について説明す
る。

【０００３】従来、この種の食器洗い機は、図２に示す
ような構成になっている。

【０００４】すなわち、本体１内部に洗浄槽２が設けら
れ、この洗浄槽２内へ、給水弁３により水又は湯が供給
される。装置駆動時にはモータ５が駆動し、洗浄水は、
排水孔４から洗浄ポンプ６に吸い込まれる。すなわち、
洗浄水が前記排水孔４から洗浄ポンプ６に吸いこまれ、
この洗浄ポンプ６より前記洗浄槽２内底部の洗浄ノズル
７に供給され、ここから噴射され、食器を洗浄した後ふ
たたび排水孔４に戻るという経路で行われる。洗浄ノズ
ル７と洗浄槽２の底部との間には、洗浄水加熱用のヒー
タ８が装備されている。また、洗浄ノズル７の上方に
は、食器を整然と配置でき、洗浄水を効果的に食器に噴
射するように設計された食器かご９が設置されている。
前記食器かご９には複数の移動用ローラが配設され、本
体１の前面外部へ引き出し可能になっている。また、前
記洗浄槽２の前面部には、開閉自在な扉１０が取り付け
られている。また、前記洗浄水を機外に排出するため
に、排水ポンプ１１も備えている。

【０００５】ここで、食器の乾燥について説明する。こ
の種の食器洗い機においては、最後のすすぎ工程で、高
温のすすぎ水を使用し、食器の温度を上げておく。高温
の食器は放置しておくだけでも自然に乾燥するが、さら
に早く乾燥させるために、前記ヒータ８の空焼きを行っ
たり、食器洗い機の洗浄槽２内部の湿気を追い出すため
の乾燥ファン１２を備えている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来の構成では、全ての汚れを落とす必要のある洗浄工
程には、供給される洗浄水を高温にする必要があると共
に、食器に与える熱的エネルギーを確保し、洗浄に関与
させることもまた必要である。また、食器を乾燥させる
ために、食器に残っている水滴を乾燥させるためには、
前記水滴を蒸発させるためのエネルギーが必要である。
したがって、そのためには、前述したように、最後のす
すぎ工程（加熱すすぎ工程）において、供給されるすす
ぎ水を高温にしたり、乾燥工程中にヒータ８に通電した
り、乾燥ファン１２を動作させたりする必要がある。

【０００７】図３に、この運転プログラムを表す。加熱
すすぎ工程は、必要な温度になるまで洗浄ポンプ６の動
作とヒータ８の通電を行って、その工程を終了する。排
水工程は、排水ポンプを動作させるが、図３に示すよう
に、残水量を少なくするために断続的な運転を行ってい
る。つぎに、乾燥工程においては、ヒータ８の通電と、
乾燥ファン１２の動作を行う。ヒータ８の通電は、ヒー
タ８の出力容量によって、連続的、あるいは図３のよう
な断続的な通電を行う。

【０００８】このように食器洗い機においては、食器の
洗浄や乾燥のために、食器に与える必要エネルギー（機
械的及び熱的）を確保するために、食器洗い機の運転の
総時間はどうしても長くなるという問題を有していた。

【０００９】本発明は上記従来の問題点を解決しようと
するもので、特に熱的エネルギーを効率的に確保するこ
とによりその総運転時間を短くする食器洗い機を提供す
ることを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の食器洗い機は、食器類を収容する洗浄槽と、
洗浄水およびすすぎ水を噴出する洗浄ノズルと、少なく
とも加熱すすぎ行程及び乾燥工程で動作するヒータと、
洗浄槽内の湿気を追い出す乾燥ファンとを備え、前記乾
燥ファンは、加熱すすぎ工程直後であって乾燥工程直前
の排水工程から駆動を開始し乾燥工程終了まで連続して
動作するものである。

【００１１】

【作用】この構成によって、乾燥ファンが、加熱すすぎ
工程直後であって乾燥工程直前の排水工程から駆動を開
始するため、加熱すすぎによって洗浄槽内に充満してい
る湿気の多い空気が素早く排出され、乾燥した空気と入
れ替わる。したがって、実際にヒータによりエネルギー
を供給する乾燥工程時点において、不必要な大気中の水
分に対しての熱的エネルギーの供給の無駄を省き、食器
に付着した水分に対してヒータの熱的エネルギーが有効
に使用されるので、効率的で、食器洗い機の総運転時間
も短縮できる訳である。

【００１２】

【実施例】以下本発明の一実施例について、図面を参照
しながら説明する。

【００１３】本発明の食器洗い機の基本的な構成は、図
２と同一である。

【００１４】図１において、加熱すすぎ工程において
は、図３と同様に、必要温度に達するまで、洗浄ポンプ
６の動作とヒータ８の通電を行い、その工程を終了す
る。

【００１５】本発明においては、次の排水工程にポイン
トがある。すなわち、排水ポンプ１１は当然、従来と同
様な動作をさせるが、この工程においても、乾燥ファン
１２を動作させる。したがって、この工程から洗浄槽２
内の湿気の排出を行う訳である。また、乾燥工程におい
ては、図３と同様、引き続き乾燥ファン１２の動作を行
うと共に、ヒータ８の通電も行う。このように、排水工
程から乾燥ファン１２を動作させることにより、洗浄槽
２内の湿気をできるだけ早く追い出し、ヒータ８の空焼
きによる熱量を、食器に付着している水滴を乾燥させる
ために使用することができる。したがって、従来の運転
プログラムに対して、同等の乾燥を求めるときにおいて
は、乾燥工程の時限を短くするができる。あるいは、同
一時限とする場合においては、より乾いた食器を提供で
きる。

【００１６】

【発明の効果】以上のように本発明は、乾燥ファンを、
乾燥工程直前の排水工程から動作するように構成したこ
とにより、乾燥工程時のヒータのエネルギーを、食器に
付着した水滴に対して有効に利用でき、食器の乾燥を早
く行うことができる。したがって、乾燥工程の時限を短
くすることができるので、食器洗い機の総運転時間を短
縮することのできる優れた食器洗い機を実現できるもの
である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例における食器洗い機の運転シー
ケンス図

【図２】従来の食器洗い機の縦断面図

【図３】従来の食器洗い機の運転シーケンス図

【符号の説明】

２ 洗浄槽 ６ 洗浄ポンプ ８ ヒータ １１ 排水ポンプ １２ 乾燥ファン

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】食器類を収容する洗浄槽と、洗浄水および
   すすぎ水を噴出する洗浄ノズルと、少なくとも加熱すす
   ぎ工程及び乾燥工程で動作するヒータと、洗浄槽内の湿
   気を追い出す乾燥ファンとを備え、前記乾燥ファンは、
   加熱すすぎ工程直後であって乾燥工程直前の排水工程か
   ら駆動を開始し乾燥工程終了まで連続して動作する食器
   洗い機。