JP3062779B2 - 車両用制動液圧制御装置 - Google Patents

車両用制動液圧制御装置

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JP3062779B2
JP3062779B2 JP4239392A JP23939292A JP3062779B2 JP 3062779 B2 JP3062779 B2 JP 3062779B2 JP 4239392 A JP4239392 A JP 4239392A JP 23939292 A JP23939292 A JP 23939292A JP 3062779 B2 JP3062779 B2 JP 3062779B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両用制動液圧制御装
置に関し、特に、ブレーキペダルの操作力を検出する操
作力検出器と;液圧供給源と;車輪に装着されるブレー
キ装置および液圧供給源間に介設される液圧制御弁、な
らびに該液圧制御弁を作動せしめる電気式アクチュエー
タを備える液圧制御ユニットと;前記操作力検出器の検
出値に応じて電気式アクチュエータの作動を制御する制
御手段と;を含む車両用制動液圧制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、かかる車両用制動液圧制御装置
は、たとえば特開平1−178062号公報等により公
知である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
ものは、簡単な構成により精密な制動液圧制御を行ない
得るようにしたものであるが、液圧制御弁が電気式アク
チュエータにより作動せしめられるものであり、制動操
作を行なっていないときに電気回路の故障により電気式
アクチュエータが作動してしまうおそれがある。
【0004】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、非制動操作時に制動液圧がブレーキ装置に作
用することを確実に防止するようにした車両用制動液圧
制御装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明に従う装置は、ブレーキペダル
の押圧操作時に液圧供給源およびリザーバ間を遮断する
状態、ならびにブレーキペダルの非押圧操作時に液圧供
給源およびリザーバ間を連通する状態を、ブレーキペダ
ルに連動、連結される弁体の移動に応じて切換可能なフ
ェイルセーフ弁を備える。
【0006】また請求項2記載の発明によれば、上記請
求項1記載の発明の構成に加えて、液圧制御弁は、液圧
供給源に通じる入力ポートを電気式アクチュエータの非
作動時にフェイルセーフポートから遮断する状態と、電
気式アクチュエータの作動時に前記入力ポートをフェイ
ルセーフポートに連通させる状態とを切換可能な補助開
閉部を備え、フェイルセーフポートがフェイルセーフ弁
を介してリザーバに接続される。
【0007】
【実施例】以下、図面により本発明の一実施例について
説明する。
【0008】図1ないし図3は本発明を前輪駆動車両用
制動液圧制御装置に適用したときの一実施例を示すもの
であり、図1は全体液圧回路図、図2は左前輪用液圧制
御ユニットの構成を示す断面図、図3はマスタシリンダ
およびフェイルセーフ弁の断面図である。
【0009】先ず図1において、この車両用制動液圧制
御装置は、ブレーキペダル1の踏込み操作に応じて制動
液圧を出力するマスタシリンダ2と、ブレーキペダル1
の踏込み操作力を検出する操作力検出器としてのロード
セル3と、液圧供給源4と、駆動輪としての左前輪に装
着された左前輪用ブレーキ装置BFLおよび液圧供給源4
間に介設される左前輪用液圧制御ユニット5FL、駆動輪
としての右前輪に装着された右前輪用ブレーキ装置BFR
および液圧供給源4間に介設される右前輪用液圧制御ユ
ニット5FR、ならびに従動輪としての左、右後輪にそれ
ぞれ装着された左、右後輪用ブレーキ装置BRL,BRR
よび液圧供給源4間に介設される単一の後輪用液圧制御
ユニット5R と、前記ロードセル3の検出値に応じて各
液圧制御ユニット5FL,5FR,5R の作動を制御するた
めのコンピュータから成る制御手段6とを備える。
【0010】液圧供給源4は、リザーバ7から作動液を
汲上げる液圧ポンプ8と、その液圧ポンプ8に接続され
るアキュムレータ9と、液圧ポンプ8の作動を制御する
ための圧力スイッチ10とを備える。
【0011】左前輪用液圧制御ユニット5FL、右前輪用
液圧制御ユニット5FRおよび後輪用液圧制御ユニット5
R は、基本的に同一の構成を有するものであるので、左
前輪用液圧制御ユニット5FLに関連する部分の構造につ
いてのみ以下に詳述し、右前輪用液圧制御ユニット5FR
および後輪用液圧制御ユニット5R に関連する部分につ
いては、主要部に添字「FR」,「R 」を付して図示する
のみとする。
【0012】図2において、左前輪用液圧制御ユニット
FLは、液圧制御弁12FLと、該液圧制御弁12FLを作
動せしめる電気式アクチュエータとしてのリニアソレノ
イド13FLと、液圧伝達手段14FLとを備える。
【0013】液圧制御弁12FLは、液圧供給源4の出力
をリニアソレノイド13FLからの推力に対応して制御し
て出力するように構成されるとともに、リニアソレノイ
ド13FLの非作動時に液圧逃がし路23および液圧供給
源4間を遮断するとともにリニアソレノイド13FLの作
動時には液圧供給源4を液圧逃がし路23に連通させる
補助開閉部26を備えるものであり、円筒状の弁ハウジ
ング17が段付き有底円筒状のカバー18に嵌合、固定
されて成るハウジング15に、スプール16が摺動自在
に嵌合されて成る。
【0014】ハウジング15には、液圧逃がし路23に
接続されるフェイルセーフポート19と、液圧供給路2
4を介して液圧供給源4に通じる入力ポート20と、液
圧伝達手段14FLを介して左前輪用ブレーキ装置BFL
接続される出力ポート21と、解放路25を介してリザ
ーバ7に通じる解放ポート22とが、前方側から後方側
に向けて(図2の下方側から上方側に向けて)順に間隔
をあけて設けられる。
【0015】スプール16は、カバー18の閉塞端すな
わちハウジング15の前端との間にばね室27を形成し
て弁ハウジング17に摺動自在に嵌合されるものであ
り、該ばね室27は解放路25に連通される。
【0016】而して補助開閉部26は、フェイルセーフ
ポート19および入力ポート20間の連通、遮断をスプ
ール16の軸方向移動に応じて切換えるべく構成される
ものであり、スプール16の外面には、入力ポート20
に常時通じる第1環状凹部28が設けられる。この第1
環状凹部28は、スプール16がリニアソレノイド13
FLの非作動時に図示の後退位置にあるときには入力ポー
ト20をフェイルセーフポート19から遮断するが、リ
ニアソレノイド13FLの作動に応じてスプール16が前
進すると入力ポート20をフェイルセーフポート19に
連通させるものであり、したがって該補助開閉部26
は、リニアソレノイド13FLの非作動時に液圧逃がし路
23および液圧供給源4間を遮断し、リニアソレノイド
13FLの作動時には液圧供給源4を液圧逃がし路23に
連通させることになる。
【0017】スプール16の外面には、第1環状凹部2
8から後方側に間隔をあけた位置に第2環状凹部29が
設けられており、この第2環状凹部29は、出力ポート
21に常時通じるとともに該出力ポート21を入力ポー
ト20および解放ポート22のいずれか一方に択一的に
連通させ得る。すなわちリニアソレノイド13FLの非作
動時にスプール16が後退位置にあるときに出力ポート
21は第2環状凹部29を介して解放ポート22に通じ
るが入力ポート20とは遮断されており、リニアソレノ
イド13FLの作動に応じてスプール16が前進位置に前
進したときに出力ポート21は第2環状凹部29を介し
て入力ポート20に通じるが解放ポート22とは遮断さ
れる。
【0018】スプール16の前半部における内部には、
後端を第2環状凹部29に連通させた摺動孔30が穿設
されており、この摺動孔30には、該摺動孔30の後部
閉塞端との間に反力室31を形成する反力ピストン32
が摺動可能に嵌合される。スプール16の前端から突出
した前記反力ピストン32の前端部にはキャップ33が
嵌合される。また弁ハウジング17の前端部内面には止
め輪34が嵌着されており、キャップ33を受けること
ができるリテーナ44が止め輪34に係止される。しか
もリテーナ44とキャップ33との間には戻しばね35
が縮設される。したがってスプール16は、反力室31
に液圧が作用していない状態では戻しばね35により後
退方向に向けて付勢されるが、反力室31に液圧が作用
して反力ピストン32がキャップ33をリテーナ44に
当接させるまで前進した状態では、反力室31の液圧す
なわち出力ポート21の液圧により後退方向に向けて付
勢される。一方、スプール16にはリニアソレノイド1
FLから前進方向の推力が作用するので、それらの力が
バランスするようにスプール16が前後方向に移動する
ものであり、スプール16は、フェイルセーフポート1
9および入力ポート20間を遮断するとともに出力ポー
ト21および解放ポート22間を連通させる後退位置
と、入力ポート20をフェイルセーフポート19および
出力ポート21に連通させるとともに出力ポート21を
解放ポート22から遮断させる前進位置との間でハウジ
ング15内を移動する。
【0019】リニアソレノイド13FLは、液圧制御弁1
FLにおけるハウジング15の後端部に同軸に連設され
るものであり、前記ハウジング15における弁ハウジン
グ17の後端に当接するまでカバー18の後端開口部に
螺合される固定コア36と、該固定コア36に対向配置
されるヨーク37と、固定コア36およびヨーク37間
に配置される可動コア38と、該可動コア38に一体に
かつ同軸に連設されて固定コア36を移動自在に貫通す
る駆動ロッド39と、可動コア38を固定コア36側に
吸引する電磁力を発揮するためのコイル40とを備え
る。
【0020】固定コア36およびヨーク37には、可動
コア38を軸方向に案内するための円筒状の突部36
a,37aが相互間に間隔をあけて同軸に対向、突設さ
れ、コイル40は、それらの突部36a,37aを囲繞
して配置される。またコイル40を囲繞する円筒状の筒
体41で固定コア36およびヨーク37間が相互に連結
される。
【0021】駆動ロッド39の後端は軸受42を介して
ヨーク37に軸方向移動可能に支承され、駆動ロッド3
9および固定コア36間には、駆動ロッド39の軸方向
移動を案内する軸受43が介設される。
【0022】駆動ロッド39の先端は液圧制御弁12FL
におけるスプール16の後端に同軸に当接されるもので
あり、該駆動ロッド39と一体の可動コア38は、コイ
ル40が消磁状態にあるときには、スプール16の前端
とハウジング15との間に介設されている戻しばね35
のばね力により、固定コア36から離反する方向に付勢
される。
【0023】このようなリニアソレノイド13FLは、コ
イル40の電力付勢量に応じた前進方向の推力を発揮す
るものであり、コイル40を励磁したときには、駆動ロ
ッド39からスプール16に前進方向の推力が与えられ
る。
【0024】而してリニアソレノイド13FLからスプー
ル16に前進方向の推力が与えられると、スプール16
は、解放ポート22を第2環状凹部29から遮断し、次
いで入力ポート20を第1環状凹部28すなわち出力ポ
ート21に連通させる位置に前進し、反力室31に液圧
供給源4からの液圧が作用するのに応じて反力ピストン
32がスプール16に対して前進することにより反力ピ
ストン32の前端のキャップ33がリテーナ44で受け
られる。このように反力ピストン32がリテーナ44で
受けられた状態では、リニアソレノイド13FLから与え
られる前進方向の推力と、反力室31の液圧による後退
方向の力との大小関係に応じてスプール16が軸方向に
移動して、出力ポート21に液圧供給源4からの液圧が
作用したり、出力ポート21の液圧が解放されたりする
ことにより、液圧供給源4からの液圧がリニアソレノイ
ド13FLの励磁電流に比例的に制御されて出力ポート2
1から出力されることになる。しかも補助開閉部26
は、リニアソレノイド13FLの非作動時には液圧供給源
4および液圧逃がし路23間を遮断するが、リニアソレ
ノイド13FLの作動に応じて液圧供給源4および液圧逃
がし路23間を連通することになる。
【0025】リニアソレノイド13FLの励磁電流は制御
手段6により制御されるものであり、この制御手段6
は、通常の制動操作時にはロードセル3の検出値に応じ
て前記励磁電流量を制御する。
【0026】液圧伝達手段14FLは、両端を閉塞した筒
状のケーシング45と、一端を入力室46に臨ませると
ともに他端を出力室47に臨ませてケーシング45に摺
動自在に嵌合されるフリーピストン48と、該フリーピ
ストン48を入力室46側に付勢するばね力を発揮すべ
く出力室47に収納されるばね49とを備え、入力室4
6は液圧制御弁12FLの出力ポート21に連通される。
【0027】かかる液圧伝達手段14FLは、液圧制御弁
12FLから出力される液圧に応じてフリーピストン48
が出力室47側に移動することにより、液圧制御弁12
FLの出力液圧に対応した液圧を出力室47から出力する
ものであり、出力室47に通じる出力液圧路50が左前
輪用ブレーキ装置BFLに連通される。而して液圧伝達手
段14FLは、左前輪用ブレーキ装置BFL側の作動液と液
圧制御弁12FL側の作動液とを隔絶する働きをする。
【0028】ところで、フリーピストン48の外面には
環状凹部51が設けられており、この環状凹部51を相
互間に挟むようにして一対のカップシール52,53が
フリーピストン48の外面に装着される。而して環状凹
部51は解放路25に連通されており、出力室47側の
カップシール52は、出力室47の液圧低下時に環状凹
部51から出力室47への作動液の補充を許容する。
【0029】再び図1において、マスタシリンダ2の出
力ポート55には、補助出力液圧路56が接続されてお
り、この補助出力液圧路56の途中にはストロークアキ
ュムレータ57が接続される。しかも補助出力液圧路5
6は、カット弁58FLを介して左前輪用ブレーキ装置B
FLに、カット弁58FRを介して右前輪用ブレーキ装置B
FRに、カット弁58R を介して左、右後輪用ブレーキ装
置BRL,BRRにそれぞれ接続される。
【0030】図2で示すように、補助出力液圧路56と
液圧伝達手段14FLの出力室47との間にカット弁58
FLが介設される。このカット弁58FLは、液圧制御弁1
FLの出力ポート21に通じるパイロット液圧路59の
液圧が大となったときに閉じる開閉弁である。したがっ
て液圧供給源4から正常な液圧が出力されていて、ブレ
ーキ操作に応じて液圧制御弁12FLから左前輪用ブレー
キ装置BFLに制動液圧が作用するときにはカット弁58
FLは閉じているが、液圧供給源4が何らかの原因で故障
して液圧制御弁12FLから制動液圧が得られないときに
は、カット弁58FLが開くことによりブレーキ操作に応
じたマスタシリンダ2からの出力液圧が補助出力液圧路
56から液圧伝達手段14FLの出力室47を経て左前輪
用ブレーキ装置BFLに作用することになる。
【0031】液圧制御弁12FLのフェイルセーフポート
19に通じる液圧逃がし路23は、トラクション制御用
常開型電磁弁60を途中に備えるとともに、フェイルセ
ーフ弁61を介してリザーバ7に接続されるものであ
り、フェイルセーフ弁61は、ブレーキペダル1のブレ
ーキ操作に応じて閉弁状態となるべく構成されてマスタ
シリンダ2に付設される。
【0032】図3において、マスタシリンダ2のシリン
ダ体62には、その前部側の取付孔63と、後部側のシ
リンダ孔64とが、半径方向内方に張出した鍔部65を
相互間に介在させて同軸に設けられる。
【0033】フェイルセーフ弁61は、取付孔63内に
嵌合、固定される円筒状の弁ハウジング66と、該弁ハ
ウジング66内に摺動自在に嵌合されるスプール状の弁
体67とを備える。弁ハウジング66は、その後端を鍔
部65に当接させるようにして取付孔63に嵌合され
る。また取付孔63の前端開口部には栓体68が螺合さ
れるものであり、この栓体68と弁ハウジング66の前
端との間にロードセル3が挟持される。しかも弁ハウジ
ング66内の前部には、弁体67との間に液室69を形
成する押圧ピストン70が摺動自在に嵌合されており、
該押圧ピストン70と弁体67との間には両者70,6
7を相互に離反させる方向のばね力を発揮するばね71
が縮設される。而して押圧ピストン70はロードセル3
の中央部すなわち荷重検出部3aに常時当接され、弁体
67の後退限は、弁ハウジング66の後端部内面に嵌着
された止め輪72によって規制される。
【0034】弁ハウジング66には、液圧逃がし路23
を液室69に連通させる連通孔73と、リザーバ7に通
じる解放孔74とが軸方向に間隔をあけて設けられてお
り、弁体67の外面には、液室69に通じる環状凹部7
5が設けられる。而して弁体67が後退限位置にあると
きに環状凹部75は解放孔74に通じており、したがっ
て液圧逃がし路23はリザーバ7に連通される。また弁
体67が前記後退限位置から前進すると、環状凹部75
は解放孔74から遮断され、したがって液圧逃がし路2
3およびリザーバ7間が遮断されることになる。
【0035】マスタシリンダ2は、フェイルセーフ弁6
1における弁体67の後端に同軸に当接されてシリンダ
孔64に摺動自在に嵌合される連動ピストン76と、ブ
レーキペダル1に連動、連結されるとともに連動ピスト
ン76の背面との間に画成される圧力室77に前面を臨
ませてシリンダ孔64に摺動自在に嵌合される作動ピス
トン78と、両ピストン76,78間に縮設されるばね
79とを備える。しかも連動ピストン76の前進限は、
該連動ピストン76の前端が鍔部65に当接することに
より規制される。
【0036】シリンダ孔64の後端開口部には作動ピス
トン78の後退限を規制する規制部材80が固定されて
おり、該規制部材80を流体密にして移動自在に貫通す
るピストンロッド81が作動ピストン78に同軸に連設
される。一方、ブレーキペダル1には、プッシュロッド
82が連結されており、該プッシュロッド82の前端が
揺動自在にしてピストンロッド81に連結される。した
がってブレーキペダル1の踏込み操作に応じて作動ピス
トン78が圧力室77の容積を縮小する方向に前進作動
することになる。
【0037】作動ピストン78の前端部にはリテーナ8
3が当接され、連動ピストン76の背面には有底円筒状
のリテーナ84が当接され、両リテーナ83,84間に
ばね79が縮設される。しかも連動ピストン76に対す
る後退限位置をリテーナ84で規制されるようにして該
リテーナ84を移動自在に貫通するロッド85の後端が
リテーナ83に係合されるとともに作動ピストン78の
前端に螺着される。これにより連動ピストン76および
作動ピストン78間の最大間隔が規制されることにな
る。
【0038】シリンダ体62には圧力室77に常時通じ
る出力ポート55が設けられており、この出力ポート5
5に補助出力液圧路56が連通される。またシリンダ体
62には、作動ピストン78が後退限位置にある状態で
圧力室77に通じるリリーフポート86と、作動ピスト
ン78の背後でシリンダ孔64内に通じる補給ポート8
7とが設けられ、両ポート86,87はリザーバ7に連
通される。さらに作動ピストン78には、圧力室77が
減圧されたときに補給ポート87からの作動液の圧力室
77への補給を許容するカップシール88が装着され
る。
【0039】次にこの実施例の作用について説明する
と、通常時には常開型電磁弁60を消磁状態すなわち開
弁状態にしておく。かかる状態でブレーキペダル1を踏
込んで制動操作を行なうと、マスタシリンダ2の作動ピ
ストン78が前進し、ばね79を介して連動ピストン7
6も前進する。それによりフェイルセーフ弁61の弁体
67が後退限から前進し、液圧逃がし路23およびリザ
ーバ7間を遮断する。この際、各液圧制御弁12FL,1
FR,12R のスプール16は、液圧逃がし路23に通
じるフェイルセーフポート19を閉じた後退位置にある
ので、弁体67および押圧ピストン70間の液室69は
密閉状態となり、弁体67の前進に応じた液室69の増
圧により押圧ピストン70がロードセル3の荷重検出部
3aを押圧する。このロードセル3の検出信号に応じて
制御手段6は各リニアソレノイド13FL,13FR,13
R のコイル40をロードセル3の検出値に応じた電力で
励磁し、液圧制御弁12FL,12FR,12R の出力ポー
ト21から前記操作力に対応した液圧が出力され、各ブ
レーキ装置BFL,BFR,BRL,BRRに制動液圧が作用す
ることになる。一方、前記出力ポート21から液室69
にも液圧が作用し、フェイルセーフ弁61のピストン6
7、連動ピストン76、ばね79および作動ピストン7
8を介してブレーキペダル1に反力が作用することにな
るが、ブレーキペダル1の操作力は該反力に対応したも
のであるので、操作力に対応した力で押圧ピストン70
がロードセル3の荷重検出部3aを押圧することにな
り、ロードセル3で操作力を検出することができる。
【0040】またブレーキペダル1の踏込み操作により
マスタシリンダ2の圧力室77で発生した液圧が出力ポ
ート55から補助出力液圧路56に作用するが、液圧制
御弁12FL,12FR,12R の出力ポート21からの液
圧出力に応じて各カット弁58FL,58FR,58R は閉
弁状態となっており、マスタシリンダ2からの液圧が各
ブレーキ装置BFL,BFR,BRL,BRRに作用することは
ない。
【0041】このような制動時に車輪のロック状態が生
じそうになったときには、制御手段6により各リニアソ
レノイド13FL,13FR,13R のうちロックしそうに
なった車輪に対応するものの付勢電力量を制御すること
により、ロック状態に入りそうである車輪のブレーキ装
置の制動液圧が低下せしめらされ、ロック状態に入るこ
とが回避される。
【0042】非制動操作状態での車両走行中に駆動輪す
なわち前輪が過剰スリップを生じたときを想定する。こ
のときには、常開型電磁弁60を励磁して閉弁状態とす
るとともに前輪に対応する液圧制御ユニット5FL,5FR
のリニアソレノイド13FL,13FRが励磁される。而し
て液圧制御ユニット5FL,5FRから液圧が出力され、カ
ット弁58FL,58FRを閉弁するとともに、両前輪用ブ
レーキ装置BFL,BFRに液圧が作用し、ブレーキペダル
1を踏込んでいないにもかかわらず、前輪用ブレーキ装
置BFL,BFRの液圧が増大し、前輪に制動力が作用して
駆動力が減少せしめられ、過剰スリップの解消が可能と
なる。
【0043】また制動操作時に液圧供給源4の液圧が異
常に低下した場合を想定する。この場合、液圧制御ユニ
ット5FL,5FR,5R からの液圧出力は不可能である
が、各カット弁58FL,58FR,58R が開弁状態にあ
るので、マスタシリンダ2からの液圧を各ブレーキ装置
FL,BFR,BRL,BRRに作用させて制動力を得ること
が可能となる。
【0044】さらに非制動操作時に、制御手段6および
リニアソレノイド13FL,13FR,13R を含む電気系
の故障によりリニアソレノイド13FL,13FR,13R
が誤って作動した場合を想定する。この場合、フェイル
セーフ弁61は開弁状態にあり、液圧逃がし路23はリ
ザーバ7に連通しているので、リニアソレノイド1
FL,13FR,13R の作動により、液圧制御弁1
FL,12FR,12R のスプール16が前進位置に移動
すると、液圧供給源4がフェイルセーフ弁61を介して
リザーバ7に連通することになり、制動液圧がブレーキ
装置BFL,BFR,BRL,BRRに作用することはない。
【0045】このようにして非制動操作時には、フェイ
ルセーフ弁61を開弁状態として液圧供給源4をリザー
バ7に連通させることにより、電気系の故障によるブレ
ーキ装置BFL,BFR,BRL,BRRの誤作動が生じること
を確実に防止することができる。しかも液圧制御弁12
FL,12FR,12R における補助開閉部26は、リニア
ソレノイド13FL,13FR,13R が非作動状態あると
きには液圧逃がし路23および液圧供給源4間を遮断す
るので、フェイルセーフ弁61が開弁状態にあっても液
圧供給源4の作動液がたれ流し状態となることはない。
【0046】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の
範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計
変更を行なうことが可能である。
【0047】
【発明の効果】以上のように請求項1記載の発明に従う
装置は、ブレーキペダルの押圧操作時に液圧供給源およ
びリザーバ間を遮断する状態、ならびにブレーキペダル
の非押圧操作時に液圧供給源およびリザーバ間を連通す
る状態を、ブレーキペダルに連動、連結される弁体の移
動に応じて切換可能なフェイルセーフ弁を備えるので、
ブレーキペダルを踏み込んでいないときにはフェイルセ
ーフ弁が開弁しており、したがって非制動操作時には液
圧供給源の出力液圧がリザーバに逃がされており、電気
式アクチュエータの誤作動により液圧制御弁が作動して
も、ブレーキ装置に液圧が作用することを防止すること
ができる。
【0048】また請求項2記載の発明によれば、上記請
求項1記載の発明の構成に加えて、液圧制御弁は、液圧
供給源に通じる入力ポートを電気式アクチュエータの非
作動時にフェイルセーフポートから遮断する状態と、電
気式アクチュエータの作動時に前記入力ポートをフェイ
ルセーフポートに連通させる状態とを切換可能な補助開
閉部を備え、フェイルセーフポートがフェイルセーフ弁
を介してリザーバに接続されるので、電気式アクチュエ
ータが非作動状態にあるときには液圧供給源およびフェ
イルセーフ弁間が遮断されており、液圧供給源の出力液
圧がたれ流し状態となることはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例の全体液圧回路図である。
【図2】左前輪用液圧制御ユニットの構成を示す断面図
である。
【図3】マスタシリンダおよびフェイルセーフ弁の断面
図である。
【符号の説明】
1……ブレーキペダル 3……操作力検出器としてのロードセル 4……液圧供給源 5FL,5FR,5R ……液圧制御ユニット 6……制御手段 7……リザーバ 12FL,12FR,12R ……液圧制御弁 13FL,13FR,13R ……電気式アクチュエータとし
てのリニアソレノイド 19……フェイルセーフポート 20……入力ポート 26……補助開閉部 61……フェイルセーフ弁 67……弁体 BFL,BFR,BRL,BRR……ブレーキ装置
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60T 8/00 - 8/96 B60T 11/06

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブレーキペダル(1)の操作力を検出す
    る操作力検出器(3)と;液圧供給源(4)と;車輪に
    装着されるブレーキ装置(BFL,BFR,BRL,BRR)お
    よび液圧供給源(4)間に介設される液圧制御弁(12
    FL,12FR,12R )、ならびに該液圧制御弁(1
    FL,12FR,12R )を作動せしめる電気式アクチュ
    エータ(13FL,13FR,13R )を備える液圧制御ユ
    ニット(5 FL,5FR,5R )と;前記操作力検出器
    (3)の検出値に応じて電気式アクチュエータ(1
    FL,13FR,13R )の作動を制御する制御手段
    (6)と;を含む車両用制動液圧制御装置において、ブ
    レーキペダル(1)の押圧操作時に液圧供給源(4)お
    よびリザーバ(7)間を遮断する状態、ならびにブレー
    キペダル(1)の非押圧操作時に液圧供給源(4)およ
    びリザーバ(7)間を連通する状態を、ブレーキペダル
    (1)に連動、連結される弁体(67)の移動に応じて
    切換可能なフェイルセーフ弁(61)を備えることを特
    徴とする車両用制動液圧制御装置。
  2. 【請求項2】 前記液圧制御弁(12FL,12FR,12
    R )は、液圧供給源(4)に通じる入力ポート(20)
    を電気式アクチュエータ(13FL,13FR,13R )の
    非作動時にフェイルセーフポート(19)から遮断する
    状態と、電気式アクチュエータ(13FL,13FR,13
    R )の作動時に前記入力ポート(20)をフェイルセー
    フポート(19)に連通させる状態とを切換可能な補助
    開閉部(26)を備え、フェイルセーフポート(19)
    がフェイルセーフ弁(61)を介してリザーバ(7)に
    接続されることを特徴とする請求項1記載の車両用制動
    液圧制御装置。
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