JP3062742B2 - 簡易脱着羽根式制気口 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、空調・換気用のダ
クトの吹出口又は吸込口の部分に取り付けられる羽根式
の制気口（グリル・ガラリ等とも呼ばれる）の構造に関
する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、羽根式の制気口は、汚れを落と
すために清掃する必要がある。特に、排気用の制気口は
汚れやすく、頻繁に清掃または洗浄しなければならな
い。工具を使ってボルトその他の連結部材を外すことに
より、制気口から羽根の部分を着脱可能となっている
が、その取り外し作業は非常に面倒である。

【０００３】図４は従来の制気口の代表的なタイプを表
しており、外枠３２と中枠３４とが雄雌の留め具３６，
３８で簡単に着脱できるようになっている。このように
着脱が容易なものは、取り外し作業中あるいは地震の際
に中枠が脱落しないように脱落防止用のワイヤ４０が必
要となるが、ワイヤと羽根部分の取り外し作業は非常に
面倒である。また、制気口の外部に羽根部分４２からワ
イヤ４０がはみ出すことがあり、外観が不体裁になると
いう問題もある。羽根部分が引っ掛け方式になっている
タイプでは、引っ掛け用の溝に遊びのための隙間がある
ので、器具の中央に納まりにくく、ガタつきが生じると
いう欠点がある。

【０００４】実開平７−４２９１２号「空気吹出口・吸
込口グリル」には、迅速かつ簡単に中枠部材が脱着で
き、気流可変・フイルターの交換も簡単に行えるように
したグリルの構造が提案されている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、工具
を使うことなく簡単に着脱できると共に、ガタつきを生
じることがなく、脱落防止用のワイヤを必要とせず、外
観上の体裁が良い制気口を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】前述した課題を達成する
ため、本発明は、空調・換気用の吹出口又は吸込口に取
り付けられる羽根式の制気口であって、ダクトに接続さ
れる外枠と、羽根部材を有する中枠とを備え、外枠側に
固定されたブラケットにクランク形の溝が形成され、か
つ外枠の側面に留め具の雄部材又は雌部材の一方が取り
付けられており、中枠側にピン部材が突出して設けら
れ、かつ中枠の側面に前記留め具の雄部材又は雌部材の
他方が取り付けられており、前記ピン部材を前記クラン
ク形溝に挿入しその底部まで移動させて保持し、かつ前
記留め具の雄部材と雌部材とを嵌合させることにより、
外枠と中枠を取り外し自在に連結することを特徴とする
簡易脱着羽根式制気口を提供する。

【０００７】

【作用】本発明の制気口の構造では、取り付け時には中
枠を持ってピン部材を外枠側のクランク形溝に挿入し、
クランク形溝の中を摺動させて底部に保持させる。続い
て、留め具（例えばボールキャッチャー等）を押し込め
ば、雄部材と雌部材が嵌合してロックされ、中枠と外枠
は堅固に固定されてガタつくことがない。脱落防止用の
ワイヤは必要とせず、地震の際にも容易に脱落すること
はない。取り外す時には、留め具を引き出して雄部材と
雌部材を離間させた後に、中枠のピン部材をクランク形
溝の中を摺動させて脱出させれば、中枠は外枠から外れ
て自由な状態になる。従って、着脱の際に、工具を必要
とすることがない。以下、添付図面の実施形態を参照し
ながら本発明について詳述する。

【０００８】

【発明の実施の形態】図１は、本発明による簡易脱着羽
根式制気口の全体を表しており、羽根式の制気口１０
は、空調用ダクト（図示せず）に接続される外枠１２
と、羽根部材１３を包含する中枠１４とを備えている。

【０００９】図２に示すように、外枠１２の底部に台形
のブラケット１６が固着されており、その上面にクラン
ク形の溝１８が形成されている。また、外枠１２の側面
には、左右２個所にスプリングの反力を利用した押し込
みロック式のボールキャッチャー２０の雌部材２４が、
アングル部材２３を介して取り付けられている。

【００１０】一方、中枠１４の底部には、左右２個所に
ピン部材２６が突出して設けられている。また、中枠１
４の側面にはボールキャッチャー２０の雄部材２２が、
アングル部材２１を介して取り付けられている。

【００１１】この構造により、まず中枠１４を手で持っ
て図１の符号１４ａで示すように斜めに開いた状態で、
底部のピン部材２６を図２に示すように外枠側のクラン
ク形溝１８の入口部分１８ａに挿入し、その底部１８ｂ
まで摺動させて保持し、次に中枠を回動させて図１の符
号１４ｂで示すように閉じることにより、自動的にボー
ルキャッチャー２０の雄部材２２と雌部材２４とが嵌合
し、スプリングでロックされ、外枠１２と中枠１４が取
り外し自在に連結されることになる。

【００１２】図３は本発明による制気口１０が閉じた状
態を表しており、左右２個所のボールキャッチャー２０
とピン部材２６とにより、外枠１２と中枠１４が堅固に
連結され、ワイヤがはみ出すこともなく、体裁の良い制
気口となっている。

【００１３】羽根が汚れて清掃のために羽根を取り外す
場合は、中枠１４を手で持って図１の符号１４ａで示す
ように斜めに開き、続いて底部のピン部材２６を底部１
８ｂから入口部分１８ａを通過させてクランク形溝１８
から引き出すことにより、中枠１４を外枠１２から取り
外すことができる。従来のように、脱落防止用のワイヤ
を取り付けておく必要はなく、着脱の際には工具を必要
としない。外枠１２と中枠１４はスプリングでロックさ
れているので、従来のように風圧を受けて振動したり、
ガタついたりすることがない。

【００１４】

【発明の効果】以上詳細に説明した如く、本発明の簡易
脱着羽根式制気口によれば、工具を使うことなく羽根の
部分のみを簡単に着脱できると共に、ガタつきを生じる
ことがなく、脱落防止用のワイヤを必要とせず、外観上
の体裁が良く、地震でも容易に脱落しないような制気口
が実現され、その技術的効果には顕著なものがある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による制気口の開閉動作を表す水平断面
図と斜視図である。

【図２】クランク形溝とピンの摺動動作を下から見上げ
た斜視図である。

【図３】本発明による制気口の閉じた状態を下から見上
げた斜視図である。

【図４】従来の制気口において中枠が外れてワイヤで吊
り下げられた状態を下から見上げた斜視図である。

【符号の説明】

１０ 制気口 １２ 外枠 １３ 羽根 １４ 中枠 １６ ブラケット １８ クランク形溝 １８ａ 入口部分 １８ｂ 底部 ２０ 留め具 ２１，２３ アングル部材 ２２ 雄部材 ２４ 雌部材 ２６ ピン部材

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 空調・換気用の吹出口又は吸込口に取り
   付けられる羽根式の制気口において、 ダクトに接続される外枠と、 羽根部材を有する中枠とを備え、 前記外枠側に固定されたブラケットにクランク形の溝が
   形成され、かつ外枠の側面に留め具の雄部材又は雌部材
   の一方が取り付けられており、 前記中枠側にピン部材が突出して設けられ、かつ中枠の
   側面に前記留め具の雄部材又は雌部材の他方が取り付け
   られており、 前記ピン部材を前記クランク形溝に挿入しその底部まで
   移動させて保持し、かつ前記留め具の雄部材と雌部材と
   を嵌合させることにより、外枠と中枠を取り外し自在に
   連結することを特徴とする簡易脱着羽根式制気口。