JP3062538B2 - 都市ごみ乾燥設備並びにその発火防止方法 - Google Patents

都市ごみ乾燥設備並びにその発火防止方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は都市ごみ等の高温熱
風乾燥を行う乾燥設備に関するものであり、特に設備ト
ラブル時、運転停止時等の不安定運転時に、乾燥機内の
2 濃度が急激に上昇して都市ごみ等が発火してしまう
ことを回避することのできる、都市ごみ乾燥設備並びに
その発火防止方法に係るものである。
【0002】
【発明の背景】従来、都市において排出される家庭ご
み、産業廃棄物等(以下都市ごみと称する)は、大部分
が埋立処分や焼却処分されていたのであるが、近時この
ものを乾燥させて例えば固形燃料としてRDF発電等に
再利用することが試みられている。このような都市ごみ
の高温熱風乾燥は図4に骨格的に示すように、都市ごみ
乾燥設備1′における乾燥機5′に対して、破砕品ホッ
パ2′から都市ごみDを投入し、更にバーナ4′により
加熱された熱風炉3′から700℃程度の熱風を供給し
て行っている。このような都市ごみ乾燥設備1′におい
て、トラブル発生時、停止時等、各機器における温度、
圧力等の環境が急激に変化する不安定運転時には、まず
バーナ4′を消火し、更に乾燥機5′内に都市ごみDを
追加投入して乾燥機5′内の温度が下がるのを待った
後、すべての機器を停止していた。しかしバーナ4′を
消火したとき、乾燥機5′の内部に入り込む空気によ
り、O濃度が急激に上昇し、高温下(700℃)にあ
る都市ごみD等が発火してしまい、乾燥品Dの焼失、
乾燥機5′の損傷等の原因となっていた。
【0003】このような乾燥機5′内での都市ごみDの
発火を防止する試みとしては、乾燥機5′内に散水する
ことが行われているのであるが、このことが乾燥品D1
の水分値の上昇を招いたり、不良品を排出する原因とな
ってしまっていた。
【0004】
【解決を試みた技術課題】本発明者はこのような背景か
ら、乾燥品の品質に影響を与えることなく、乾燥機内の
都市ごみの発火を防止することができる、新規な都市ご
み乾燥設備並びにその発火防止方法を開発することを技
術課題としたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち請求項1記載の
都市ごみ乾燥設備は、乾燥機の投入口に破砕品ホッパを
臨ませ、熱風吹込口に熱風炉を接続し、排出口に取出コ
ンベヤを臨ませ、排気口に乾燥ファンを接続し、乾燥フ
ァンと熱風炉との間に循環経路を形成した都市ごみ乾燥
設備において、前記熱風炉にはダンパによって開閉自在
とした排気経路を具え、また熱風炉と乾燥機との間の経
路にはダンパを具え、更にまた前記循環経路には、熱風
炉を介さないで乾燥ファンと乾燥機の熱風吹込口とを直
結するバイパスを具え、このバイパスにはダンパを具え
ることを特徴とする。この発明によれば、熱風炉から乾
燥機への通気経路を開閉することができ、乾燥機機内へ
の外気の侵入を制御することができる。また熱風炉に入
った外気を乾燥機に送り込むか、排気するかを選択する
ことができる。
【0006】また請求項2記載の都市ごみ乾燥設備の発
火防止方法は、乾燥機の投入口に破砕品ホッパを臨ま
せ、熱風吹込口に熱風炉を接続し、排出口に取出コンベ
ヤを臨ませ、排気口に乾燥ファンを接続し、乾燥ファン
と熱風炉との間に循環経路を形成し、乾燥機から排出さ
れる熱風を、乾燥ファンにより熱風炉を介して乾燥機に
循環して、乾燥機内の温度と圧力とを制御しながら乾燥
機内に供給した材料の乾燥を行う都市ごみ乾燥設備の運
転において、定常運転時は熱風炉に具えた排気経路を閉
鎖し、また熱風炉と乾燥機との間の経路を開放し、更に
また乾燥機から排出される熱風を熱風炉を介して乾燥機
に循環するとともに、この経路の途中に設けた熱風炉を
介さないで乾燥機に至るバイパスを閉鎖し、また運転停
止(冷却運転)時は熱風炉に具えた排気経路を開放し、
また熱風炉と乾燥機との間の経路を閉鎖し、更にまた循
環経路を閉鎖するとともに、この循環経路の途中に具え
るバイパスを開放し、乾燥機内への外気の導入を停止
し、乾燥機から排出される熱風を循環させることで乾燥
機内のO2 濃度の急激な上昇を抑えた状態で乾燥機の冷
却を行うことを特徴とする。この発明によれば、乾燥機
内での都市ごみの発火を防止し、乾燥機の停止時等の不
安定運転時でも、安全な状態で都市ごみ乾燥設備の運転
を行うことができる。そしてこれら各請求項記載の発明
により前記課題の解決が図られる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下図面に基づいて本発明の都市
ごみ乾燥設備について説明し、この設備の作動状態と併
せて本発明の都市ごみ乾燥設備の発火防止方法について
説明する。図1に骨格的に示すのが都市ごみ乾燥設備1
であり、このものは乾燥機5の投入口54に破砕品ホッ
パ2の排出部を臨ませ、また排出口56には取出コンベ
ヤ9を臨ませて具える。そして取出コンベヤ9の後段に
は、次工程に進む経路あるいは破砕品ホッパ2に戻る経
路が形成される。また乾燥機5の熱風吹込口55には熱
風炉3を管路Pで接続し、排気口57には乾燥ファン6
を管路Pで接続する。また熱風炉3には熱源としてバー
ナ4を具える。
【0008】そして前記乾燥ファン6の出力側には管路
Pを接続し、この管路Pは二路に分岐するとともに、分
岐路の一方は熱交換器7を経て脱臭炉8に接続され、も
う一方の分岐路は循環ダンパ10を具えるとともに熱風
炉3に接続される。この乾燥ファン6と熱風炉3とを結
ぶ経路を循環経路22と称する。また循環経路22の循
環ダンパ10と乾燥ファン6との間には、熱風炉3を介
さないで乾燥ファン6と乾燥機5の熱風吹込口55とを
直結するバイパス21を管路Pにより形成し、このバイ
パス21にはダンパ11を具える。また乾燥機5と熱風
炉3とを結ぶ管路Pにはダンパ12を具える。また熱風
炉3には管路Pを接続して排気経路20を形成する。こ
の排気経路20にはダンパ13を具え開閉自在とすると
ともに、脱臭炉8の後段に具える熱交換器7の排出経路
に接続される。
【0009】次に前記した都市ごみ乾燥設備1を構成す
る諸部材について詳細に説明する。まず破砕品ホッパ2
について説明する。このものは箱型の容器の底部にスク
リューコンベヤ2aを具え、容器内に収容された都市ご
みDをスクリューコンベヤ2aの回転度により適量排出
する。
【0010】次に熱風炉3について説明する。熱風炉3
は耐火材で内張りされており、熱源をバーナ4とし外気
を加熱するとともに、循環経路22から導入される熱風
を再加熱し、乾燥に必要な熱風を発生する。
【0011】次に乾燥機5について説明する。乾燥機5
としては一例として回転ドラム式乾燥機を用いる。この
ものは、図2に示すように基台Bに対して四基の支持ロ
ーラ51を配置し、この支持ローラ51上に円筒状のド
ラム50を載置して具える。そしてドラム50とモータ
Mとにはチェーン59を巻回し、モータMによりドラム
50が回転駆動される。更にドラム50の両端は基台B
に固定された蓋部材50a、50bによって境界部がシ
ールされた状態で塞がれている。また、ドラム50の中
心付近を貫通するように、モータM1 により回転される
攪拌軸53を具え、この攪拌軸53には攪拌羽根52を
複数具える。そして一方の蓋部材50aに熱風吹込口5
5を設けるとともに、ドラム50内を臨むようにスクリ
ューコンベヤ58を具え、スクリューコンベヤ58には
バケット状の投入口54を設ける。そしてもう一方の蓋
部材50bに排出口56、排気口57を設ける。
【0012】次に脱臭炉8について説明する。脱臭炉8
は乾燥機5から排出される悪臭ガスを加熱するためのバ
ーナ8aと、この加熱後に脱臭炉8から排気される排気
ガスから熱回収を図る熱交換器7とを具え、悪臭ガスを
燃焼、酸化させて脱臭する装置である。
【0013】次に取出コンベヤ9について説明する。こ
のものはU型トラフの底部にスクリューコンベヤ9aを
具え、U型トラフ内に落下投入された都市ごみDをスク
リューコンベヤ9aの回転度により順次排出する。
【0014】次に循環ダンパ10、ダンパ11、12、
13について説明する。これらは適宜コントロールモー
タの回転により翼板が開閉動作して通過風量の加減また
は閉止をする機器であり、管路Pによって形成される熱
風あるいは外気の流路を開閉する。
【0015】本発明の都市ごみ乾燥設備1は前記したよ
うな構成を有するものであり、以下この装置の作動状態
を説明し、併せて本発明の都市ごみ乾燥設備1の発火防
止方法について説明する。まず都市ごみ乾燥設備1の運
転立ち上げ時の作動態様について説明する。はじめに乾
燥ファン6を起動し、乾燥ドラム50及び攪拌軸53を
回転させ、バーナ4を点火する。このとき図3(a)に
示すように循環ダンパ10及びダンパ12は開放してお
き、またダンパ11及びダンパ13は閉鎖しておく。や
がて熱風炉3により加熱された乾燥機5からの排気温度
が100℃程度になった時点で、破砕品ホッパ2の容器
内に収容された都市ごみDを乾燥機5の投入口54に投
入する。都市ごみDは乾燥機5内において、ドラム50
の回転と攪拌羽根52の作用とにより破砕、攪拌されな
がら、熱風炉3から供給された熱風と接触して乾燥処理
がなされて乾燥品D1 となり、順次排出口56から取出
コンベヤ9に排出される。
【0016】また、都市ごみDを乾燥した熱風は、乾燥
ファン6の吸引作用により排気口57から排出され、乾
燥ファン6の後段において循環ダンパ10の開放度に応
じて分流され、この熱風が循環経路22を通って熱風炉
3に至り、ここで再加熱された後、再度乾燥機5内に投
入される。これら循環ダンパ10の開放度と乾燥ファン
6の回転数とにより、乾燥機5内の圧力及び温度を適宜
の値に設定し、所望の水分値の乾燥品D1 を得ることが
できる。
【0017】一方、乾燥ファン6から熱交換器7を経て
脱臭炉8に至った熱風は、燃焼、酸化されて脱臭処理が
施され、更に熱交換器7で熱回収された後、外部に排気
される。以降、都市ごみDの投入、乾燥及び乾燥品D1
の排出は連続的に行われる定常運転状態となる。
【0018】次に都市ごみ乾燥設備1の運転停止(冷却
運転)時の作動態様について説明する。先に述べた定常
運転状態でトラブルが発生した場合、あるいは運転を停
止するとき等、各機器における温度、圧力等の環境は急
激に変化し、不安定な運転状態となる。このような場
合、まずバーナ4を消火する。このとき図3(b)に示
すように循環ダンパ10及びダンパ12は閉鎖し、また
ダンパ11及びダンパ13は開放する。このような設定
とすることで、熱風炉3に侵入した外気は熱風炉3を冷
却した後、排気経路20から外部に排気される。更に乾
燥機5内の熱風は循環経路22からバイパス21を通っ
て乾燥機5内へと再循環するため、乾燥機5内は定常運
転時とほぼ同圧に保たれ、温度低下とともに徐々に圧力
が低下するものの急激な圧力低下は生じない。このこと
が高温下での外気の侵入による急激なO2 濃度の上昇を
回避するので、都市ごみDあるいは乾燥品D1 の発火を
防止することができる。
【0019】やがて乾燥機5が都市ごみDあるいは乾燥
品D1 の発火が起こらない安全な温度まで下降した時点
で、破砕品ホッパ2からの都市ごみDの供給を止め、乾
燥ファン6及び脱臭炉8を停止し、都市ごみ乾燥設備1
の運転を停止する。都市ごみ乾燥設備1の運転が停止し
た時点で乾燥機5におけるドラム50内に乾燥途中の都
市ごみDが残留していても、乾燥機5は安全な温度まで
下がっているので発火の心配はなく、更に乾燥機5の余
熱で乾燥が進み、次回運転スタート時に未乾燥品ができ
ることはない。
【0020】
【発明の効果】請求項1記載の都市ごみ乾燥設備1によ
れば、循環ダンパ10を閉鎖し、ダンパ12を閉鎖し、
更にダンパ11を開放することで外気の侵入しない循環
経路22を形成することができる。また、ダンパ13を
開放することで排気経路20を形成することができる。
このため、乾燥機5内に散水する必要がなく、乾燥機5
の冷却(停止運転)をすることができ、乾燥品D1 の水
分値の上昇を招いたり、不良品を排出することがない。
【0021】また請求項2記載の都市ごみ乾燥設備の発
火防止方法によれば、乾燥機5内の水の散布等、乾燥品
1 の品質に影響を与えるような処理を要することなく
乾燥機5内での都市ごみDの発火を防止し、乾燥機5を
停止するとき等でも、安全な状態で都市ごみ乾燥設備1
の運転を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の都市ごみ乾燥設備を示す骨格的説明図
である。
【図2】乾燥機を示す正面図並びに側面図である。
【図3】本発明の都市ごみ乾燥設備の定常運転時の状態
並びに停止運転時の状態を示す骨格的説明図である。
【図4】従来の都市ごみ乾燥設備を示す骨格的説明図で
ある。
【符号の説明】
1 都市ごみ乾燥設備 2 破砕品ホッパ 2a スクリューコンベヤ 3 熱風炉 4 バーナ 5 乾燥機 6 乾燥ファン 7 熱交換器 8 脱臭炉 8a バーナ 9 取出コンベヤ 9a スクリューコンベヤ 10 循環ダンパ 11 ダンパ 12 ダンパ 13 ダンパ 20 排気経路 21 バイパス 22 循環経路 50 ドラム 50a 蓋部材 50b 蓋部材 51 支持ローラ 52 攪拌羽根 53 攪拌軸 54 投入口 55 熱風吹込口 56 排出口 57 排気口 58 スクリューコンベヤ 59 チェーン B 基台 D 都市ごみ D1 乾燥品 M モータ M1 モータ P 管路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F26B 25/00 B09B 3/00 303H (72)発明者 井上 和之 東京都千代田区内幸町2丁目2番3号 川崎製鉄株式会社東京本社内 (72)発明者 金沢 若夫 静岡県島田市月坂1丁目2番7号 (72)発明者 池ケ谷 昌利 静岡県静岡市西島602番地 (56)参考文献 特開 平9−138070(JP,A) 特開 平9−72661(JP,A) 特開 平8−176566(JP,A) 特開 平7−35480(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F26B 21/04 B09B 3/00 F23G 5/04 F26B 9/06 F26B 23/02 F26B 25/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乾燥機の投入口に破砕品ホッパを臨ま
    せ、熱風吹込口に熱風炉を接続し、排出口に取出コンベ
    ヤを臨ませ、排気口に乾燥ファンを接続し、乾燥ファン
    と熱風炉との間に循環経路を形成した都市ごみ乾燥設備
    において、前記熱風炉にはダンパによって開閉自在とし
    た排気経路を具え、また熱風炉と乾燥機との間の経路に
    はダンパを具え、更にまた前記循環経路には、熱風炉を
    介さないで乾燥ファンと乾燥機の熱風吹込口とを直結す
    るバイパスを具え、このバイパスにはダンパを具えるこ
    とを特徴とする都市ごみ乾燥設備。
  2. 【請求項2】 乾燥機の投入口に破砕品ホッパを臨ま
    せ、熱風吹込口に熱風炉を接続し、排出口に取出コンベ
    ヤを臨ませ、排気口に乾燥ファンを接続し、乾燥ファン
    と熱風炉との間に循環経路を形成し、乾燥機から排出さ
    れる熱風を、乾燥ファンにより熱風炉を介して乾燥機に
    循環して、乾燥機内の温度と圧力とを制御しながら乾燥
    機内に供給した材料の乾燥を行う都市ごみ乾燥設備の運
    転において、定常運転時は熱風炉に具えた排気経路を閉
    鎖し、また熱風炉と乾燥機との間の経路を開放し、更に
    また乾燥機から排出される熱風を熱風炉を介して乾燥機
    に循環するとともに、この経路の途中に設けた熱風炉を
    介さないで乾燥機に至るバイパスを閉鎖し、また運転停
    止(冷却運転)時は熱風炉に具えた排気経路を開放し、
    また熱風炉と乾燥機との間の経路を閉鎖し、更にまた循
    環経路を閉鎖するとともに、この循環経路の途中に具え
    るバイパスを開放し、乾燥機内への外気の導入を停止
    し、乾燥機から排出される熱風を循環させることで乾燥
    機内のO2 濃度の急激な上昇を抑えた状態で乾燥機の冷
    却を行うことを特徴とする都市ごみ乾燥設備の発火防止
    方法。
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JP2007309588A (ja) * 2006-05-19 2007-11-29 Shin Meiwa Ind Co Ltd 乾燥設備における配管内清掃装置
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WO2022032495A1 (zh) * 2020-08-11 2022-02-17 深圳市能源环保有限公司 一种垃圾焚烧发电厂垃圾池的升温装置

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