JP3062421B2 - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

半導体装置及びその製造方法

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JP3062421B2 JP7212289A JP21228995A JP3062421B2 JP 3062421 B2 JP3062421 B2 JP 3062421B2 JP 7212289 A JP7212289 A JP 7212289A JP 21228995 A JP21228995 A JP 21228995A JP 3062421 B2 JP3062421 B2 JP 3062421B2
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智哉 宇田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術の分野】本発明は化合物半導体を用
いた半導体装置及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半絶縁性の化合物半導体基板例えばGa
As基板上に形成された金属−半導体接触形電界効果ト
ランジスタ(以下、MESFETと呼ぶ)は、高周波帯
域において高利得且つ高効率が得られるパワーデバイス
として、近年、移動体通信機器等の送信デバイスとして
の需要が高まっている。このMESFETの製造方法に
おいて、活性層を形成する方法として、エピタキシャル
成長法を用いるものとイオン注入法を用いるものとの2
方法に大別される。
【0003】図29及び図30は、選択イオン注入法を
用いた従来のMESFETの製造の各工程を示している
(出典:菅野卓雄監修、大森正道編「超高速化合物半導
体デバイス」75ページ:培風館刊)。
【0004】まず、図29(a)に示すように、GaA
sよりなる半絶縁性基板200の上にシリコン窒化膜2
01を堆積した後、該シリコン窒化膜201の上に第1
のレジストマスク202を形成する。その後、第1のレ
ジストマスク202を用いてSiイオンを注入すること
により、半絶縁性基板200上にチャネル領域となるn
型領域203を形成する。
【0005】次に、図29(b)に示すように、シリコ
ン窒化膜201の上に形成された第2のレジストマスク
204を用いてSiイオンを注入することにより、半絶
縁性基板200上にソース・ドレイン領域となるn+ 型
領域205を形成する。
【0006】次に、図29(c)に示すように、シリコ
ン窒化膜201の上に絶縁膜206を形成した後、シリ
コン窒化膜201及び絶縁膜206を保護膜としてn型
領域203及びn+ 型領域205に対してアニール処理
を行なう。
【0007】次に、図30(a)に示すように、シリコ
ン窒化膜201及び絶縁膜206におけるn+ 型領域2
05の上側に開口部を形成した後、該開口部にn+ 型領
域205と接続するオーミック電極207を形成する。
【0008】次に、図30(b)に示すように、シリコ
ン窒化膜201及び絶縁膜206におけるn型領域20
3の上側に開口部を形成した後、該開口部にゲート電極
208を形成すると共に、オーミック電極207の上に
第1層の金属配線209を形成する。
【0009】次に、図30(c)に示すように、層間絶
縁膜210を堆積した後、該層間絶縁膜210の上に、
第1層の金属配線209と電気的に接続する第2の金属
配線211を形成する。
【0010】ところで、大信号を取り扱うパワーMES
FETの高周波特性及び効率を向上させるためには、M
ESFETの特性(例えば、伝達コンダクタンス:gm
やK値)を向上させることが必要であり、そのために
は、活性層を高濃度化し且つ薄膜化することが重要であ
る。
【0011】しかしながら、パワーMESFETにおい
ては、MESFETの特性の向上と共に高いゲート・ド
レイン間の耐圧を維持することが必要である。ところ
が、ゲート・ドレイン間の耐圧の向上は、MESFET
の特性つまり伝達コンダクタンス:gmやK値の向上と
トレードオフの関係にある。
【0012】そこで、ゲート・ドレイン間の耐圧を向上
させるために、図31に示すように、半絶縁性基板22
0上に形成された活性層221におけるゲート電極22
2直下の部分をエッチングにより除去した構造(以下、
リセス構造と呼ぶ)が用いられている。図31におい
て、223は絶縁層、224はソース電極、225はド
レイン電極、226はリセスされた空間部である。尚、
ゲート・ドレイン間の耐圧を向上させるために、図31
に示すように、ゲート電極222とドレイン電極225
との距離をゲート電極222とソース電極224との距
離よりも大きくした非対称構造もしばしば用いられる。
【0013】また、寸法の微細化と耐圧特性とを向上さ
せるために、従来のイオン注入を用いたセルフアライメ
ント型MESFETにおいて、図32に示すLDD構造
を採用したMESFETも知られている。同図に示すM
ESFETの製造工程では、半絶縁性GaAs基板23
0の所定領域に活性層233を形成し、半絶縁性GaA
s基板230上に高融点金属であるWSiを全面に堆積
してWSi膜を形成した後、これをパターニングしてゲ
ート電極236を形成する。次に、ゲート電極236を
マスクとして低濃度不純物のイオン注入を行なって、低
濃度ソース・ドレインとなるn- 型領域241,242
を形成した後、フォトリソグラフィーを用いてその外方
に高濃度不純物のイオン注入を行なって、ソース・ドレ
インとなるn+ 型領域(高濃度層)238,239を形
成する。さらに、SiN膜243を堆積後、SiN膜2
43のうちn+ 型領域238,239の直上となる部分
の一部を開口し、この開口部にAuGe・Ni・Auか
らなるオーミック電極244,245を形成する。同図
に示すMESFETにおいては、n+ 型領域238,2
39とチャネル領域である活性層233との間には、低
濃度ソース・ドレインとして機能するn- 型領域24
1,242が設けられており、ソース側n- 型領域24
1はドレイン側n- 型領域242よりも狭い。つまり、
図31に示すFETと同様に、図32に示すFETの構
造は左右非対称となっている。すなわち、ソース側n+
型領域238とゲート電極236とを近付けることによ
りソース抵抗を低減する一方、ドレイン側n+ 型領域2
39とゲート電極236とを離すことによりゲート・ド
レイン間耐圧の向上を図るようにしている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の化合物半導体基板の上に形成されるMESFETに
おいては、下記のような問題があった。
【0015】第1に、図31に示すリセス構造や図32
に示すソース・ドレイン非対称の構造のみでは、ゲート
・ドレイン間の耐圧の向上には限界がある。
【0016】第2に、GaAs基板等の化合物半導体基
板を用いたMESFETにおいては、ゲート電極に加わ
る応力によりピエゾ電荷が生じ、しきい値電圧が変動す
ることが知られており、MESFETの特性の向上及び
歩留まりの向上が十分に期待できないという問題があ
る。
【0017】前記に鑑み、本発明の第1の目的は、FE
Tの特性の低下を招くことなくゲート・ドレイン間の耐
圧を向上させうる手段を講ずることにより、高性能なF
ETを簡単に且つ歩留まり良く形成できる製造方法を提
供することにある。
【0018】本発明の第2の目的は、化合物半導体基板
上に搭載されるFETとして、伝達コンダクタンスg
m,K値の高いかつゲート・ドレイン間耐圧の高いFE
Tの提供を図ることにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】前記第1の目的を達成す
るため、本発明では、ゲート電極の直下でチャネル領域
の直上となる領域に、FETの動作のためのキャリア濃
度が少ない低キャリア濃度層を形成することにより、ゲ
ート・ドレイン間耐圧の高いFETを製造する方法を提
供する。
【0020】本発明の第1の半導体装置の製造方法は、
化合物半導体基板の一部にFETとして機能する半導体
装置を形成する方法として、前記化合物半導体基板の一
部に、前記FETの動作のために必要なキャリア濃度を
有し前記FETのチャネル領域となる第1導電型の活性
層を形成する工程と、前記活性層の表面領域の少なくと
も一部における前記キャリア濃度を低減して、前記活性
層の表面領域の少なくとも一部に低キャリア濃度層を形
成する工程と、前記低キャリア濃度層の少なくとも一部
の上に前記FETのゲート電極を形成する工程と、前記
化合物半導体基板の前記ゲート電極の両側方となる領域
に不純物を導入して、前記活性層に接続される前記FE
Tのソース・ドレイン領域を形成する工程とを備え、前
記低キャリア濃度層を形成する工程では、低キャリア濃
度層形成領域に電気抵抗値を高めるための不純物イオン
を注入して、高抵抗層からなる低キャリア濃度層を形成
するとともに、前記高抵抗層からなる低キャリア濃度層
を形成する工程では、前記ゲート電極の両側方を含む領
域に電気抵抗値を高めるための不純物イオンを注入し、
前記高抵抗層の前記ゲート電極の直下方となる部分に不
純物イオンを注入して、前記高抵抗層よりも浅い第1導
電型の不純物拡散領域を形成する工程をさらに備えてい
る。
【0021】この方法により、低キャリア濃度層を形成
する工程によって、すでに形成された活性層のうちFE
Tのゲート電極の直下となる表面領域だけに低キャリア
濃度層が形成される。そして、活性層の低キャリア濃度
層を除く部分がチャネル領域として機能する。したがっ
て、高濃度かつ薄膜の活性層を形成して伝達コンダクタ
ンスgm、K値を高く維持しながら、FETのゲート・
ドレイン間耐圧BVgdを向上させることが可能とな
る。また、チャネル領域が低キャリア濃度層を介してゲ
ート電極と隔てられるので、チャネル領域におけるピエ
ゾ電荷の発生が抑制されることになる。
【0022】そして、低キャリア濃度層を形成する工程
によって、ゲート電極直下の領域が高抵抗層となる。つ
まり、FETのゲート電極の直下部分が高抵抗層になる
ので、特にゲート・ドレイン間耐圧が向上する。
【0023】さらに、低キャリア濃度層を形成する工程
によって、ゲート電極の下方及び両側方の領域が高抵抗
層となり、次の不純物拡散層を形成する工程によって、
ゲート電極の直下でかつ高抵抗層により取り囲まれる領
域にチャネル領域と同導電型の不純物拡散層が形成され
る。つまり、ゲート電極の下方に、チャネル領域と、そ
の上の高抵抗層と、さらにその上のチャネル領域と同導
電型の不純物拡散層とが形成される。その場合、高抵抗
層の幅を広くして深さを浅くすれば、横方向におけるキ
ャリアの移動を妨げて耐圧を高く維持しながら駆動力を
向上させることが可能になる。そして、高抵抗層や不純
物拡散層の深さや幅を調整することでFETの特性を変
更することが可能になり、FETの設計の自由度が拡大
する。
【0024】本発明の第2の半導体装置の製造方法は、
化合物半導体基板の一部にFETとして機能する半導体
装置を形成する方法であって、前記化合物半導体基板の
一部に、前記FETの動作のために必要なキャリア濃度
を有し前記FETのチャネル領域となる第1導電型の活
性層を形成する工程と、前記活性層の表面領域の少なく
とも一部における前記キャリア濃度を低減して、前記活
性層の表面領域の少なくとも一部に低キャリア濃度層を
形成する工程と、前記低キャリア濃度層の少なくとも一
部の上に前記FETのゲート電極を形成する工程と、前
記化合物半導体基板の前記ゲート電極の両側方となる領
域に不純物を導入して、前記活性層に接続される前記F
ETのソース・ドレイン領域を形成する工程とを備え、
前記低キャリア濃度層を形成する工程は、前記活性層の
上に第1の絶縁膜を堆積する工程と、前記第1の絶縁膜
の上に第2の絶縁膜を堆積する工程と、前記第2の絶縁
膜の上に、少なくともゲート電極形成領域を含む領域が
開口した第1のレジストマスクを形成する工程と、前記
第1のレジストマスクを用い、かつ前記第1絶縁膜より
も前記第2絶縁膜に対するエッチングレートが大きいエ
ッチング剤を用いて、前記第2の絶縁膜に対してオーバ
ーエッチングを行なうことにより、ゲート電極形成領域
における前記第2の絶縁膜と前記第1の絶縁膜の上層部
とを除去する工程と、少なくともゲート形成領域が開口
した第2のレジストマスクを用いて、前記第1の絶縁膜
に対してエッチングを行なうことにより、ゲート電極形
成領域における前記第1の絶縁膜の下層部を除去する工
程とを含み、前記第2の絶縁膜に対するオーバーエッチ
ングにより、前記活性層の前記第1のレジストマスクの
開口部にある表面領域にダメージ層からなる低キャリア
濃度層を形成する方法である。
【0025】この方法により、低キャリア濃度層を形成
する工程によって、すでに形成された活性層のうちFE
Tのゲート電極の直下となる表面領域だけに低キャリア
濃度層が形成される。そして、活性層の低キャリア濃度
層を除く部分がチャネル領域として機能する。したがっ
て、高濃度かつ薄膜の活性層を形成して伝達コンダクタ
ンスgm、K値を高く維持しながら、FETのゲート・
ドレイン間耐圧BVgdを向上させることが可能とな
る。また、チャネル領域が低キャリア濃度層を介してゲ
ート電極と隔てられるので、チャネル領域におけるピエ
ゾ電荷の発生が抑制されることになる。
【0026】そして、ゲート電極形成領域が開口したレ
ジストマスクを用いて上層の第2の絶縁膜に対してオー
バーエッチングを行なうと、下層の第1の絶縁膜の上層
部がエッチングされると共に、活性層におけるゲート電
極直下の部分がオーバーエッチングの影響を受け、キャ
リア濃度が低減され、低キャリア濃度層が形成される。
したがって、ピエゾ電荷の発生の抑制に加えて、FET
のゲート・ドレイン間の耐圧が向上する。
【0027】前記第1の絶縁膜を形成する工程と前記第
2の絶縁膜を形成する工程との間に前記第1の絶縁膜を
保護膜として前記活性層に対して該活性層を活性化させ
るアニール処理を行なう工程を備えていると共に前記第
1の絶縁膜を前記化合物半導体基板上に形成されるFE
Tの保護膜として用いることにより、第1の絶縁膜をア
ニール処理の保護膜として用いると共にFETの最下層
の保護膜として用いるため、工程の簡易化を図ることが
できる。
【0028】前記第1の絶縁膜の上層部を除去する工程
におけるオーバーエッチングドライエッチングとし
前記第1の絶縁膜の下層部を除去する工程におけるエッ
チングウェットエッチングとすることにより、第1の
絶縁膜に対するオーバーエッチングはドライエッチング
であるためオーバーエッチングの影響を活性層における
ゲート電極直下の部分に対して確実に及ぼすことができ
る。また、第2の絶縁膜に対するエッチングはウェット
エッチングであるため活性層にダメージを与えることな
く第2の絶縁膜の下層部を除去することができる。
【0029】前記第1の絶縁膜シリコン酸化膜とし
前記第2の絶縁膜シリコン窒化膜とすることにより、
第1の絶縁膜よりも第2の絶縁膜に対してエッチングレ
ートが大きいエッチング剤を容易に選択できる。
【0030】さらに、前記活性層を形成する工程では、
化合物半導体基板上の所定部位にイオンを選択的に注入
し、前記低キャリア濃度層を形成する工程を、前記活性
層の上に絶縁膜を堆積する工程と、前記絶縁膜の上に少
なくともゲート電極形成領域を含む領域が開口した第1
のレジストマスクを形成する工程と、前記第1のレジス
トマスクを用いて、前記絶縁膜に対して前記活性層の表
面付近のキャリア濃度が低減する程度にドライエッチン
グを行なうことにより、ゲート電極形成領域における前
記絶縁膜の上層部を除去する工程と、第2のレジストマ
スクを用いて、前記絶縁膜に対してウェットエッチング
を行なうことにより、ゲート電極形成領域における前記
絶縁領域の下層部を除去する工程とで構成することによ
り、絶縁膜に対して活性層のキャリア濃度が低減する程
度にドライエッチングを行なってゲート電極形成領域に
おける絶縁層の上層部を除去するため、活性層における
ゲート電極直下部分のキャリア濃度を低減できるので、
ゲート・ドレイン間の耐圧が向上すると共にピエゾ電荷
が生じ難くなる。また、絶縁膜に対してウェットエッチ
ングを行なってゲート電極形成領域における絶縁層の下
層部を除去するため、活性層にダメージを与えることな
く第2の絶縁膜の下層部を除去することができる。
【0031】前記第1のレジストマスクを形成する工程
では、前記第1のレジストマスクの開口部が前記ゲート
電極形成領域よりも広くなるように形成し、前記第2の
レジストマスクを形成する工程では、前記ソース領域側
にオフセットした領域を開口した第2のレジストマスク
を形成することができる。
【0032】このとき、さらに、前記第2のレジストマ
スクを形成する工程では、前記第2の絶縁膜と第1の絶
縁膜の上層部とを除去する工程で形成された開口部のう
ち前記ソース領域側の端部を含むようにソース側にオフ
セットした領域を開口した第2のレジストマスクを形成
し、前記ゲート電極を形成する工程では、前記第2のレ
ジストマスクの上方からゲート電極となる金属膜を堆積
した後、前記ゲート電極を残して前記第2のレジストマ
スクをリフトオフすることができる。
【0033】これらの方法により、ソース電極側にオフ
セットしたゲート電極を有するFETを容易に形成でき
る。そして、このように形成されたFETは、高いドレ
イン耐圧と小さいソース抵抗とを有する。したがって、
低キャリア濃度層によるドレイン耐圧の向上と相俟って
極めて高いドレイン耐圧特性を得ることができる。特
に、ゲート電極が低キャリア濃度層のソース側端部に対
して自己整合的に形成されるので、前記作用が顕著にな
る。
【0034】前記ゲート電極を形成する工程の後に、前
記第1の絶縁膜の下層部の下部を残してドライエッチン
グを行い、前記ダメージ層のうち前記ゲート電極直下の
部分を除く部分のキャリア濃度をさらに低減して、第2
のダメージ層を形成する工程をさらに備えることによ
り、ゲート電極とドレイン電極との間の活性層の上部に
第2のダメージ層が形成される。したがって、形成され
たFETの活性層表面における電界が緩和されるので、
FETの特性を損なうことなく、ドレイン耐圧を飛躍的
に向上させることが可能となる。
【0035】次に、前記第2の目的を達成するために、
本発明では、FETのゲート電極とチャネル領域となる
活性層との間に、FETの動作のためのキャリア濃度が
少ない低キャリア濃度層を設けることにより、高い性能
を維持しながら高いゲート・ドレイン間耐圧を得る。
【0036】本発明の半導体装置は、化合物半導体基板
上に搭載されFETとして機能する半導体装置であっ
て、前記化合物半導体基板の一部に前記FETの動作に
必要な濃度のキャリアを導入して形成されチャネル領域
として機能する第1導電型の活性層と、前記活性層の表
面領域の少なくとも一部に形成され前記活性層よりも低
いキャリア濃度を有する低キャリア濃度層と、少なくと
も前記低キャリア濃度層の一部の上に形成されたゲート
電極と、前記化合物半導体基板の前記ゲート電極の両側
方となる領域に高濃度の不純物を導入して形成された第
1導電型のソース・ドレイン領域とを備え、前記低キャ
リア濃度層は、前記活性層の前記ゲート電極の直下より
も広い表面領域に形成されており、前記低キャリア濃度
層は、前記ゲート電極の直下となる表面領域に形成され
た第1の低キャリア濃度層と、前記ゲート電極の直下を
除く表面領域に形成され前記第1の低濃度キャリア領域
よりもキャリア濃度がさらに低い第2の低キャリア濃度
層とからなる。
【0037】これにより、FETのゲート電極の下方に
形成された活性層がFETの動作時におけるチャネル領
域として機能する。そして、チャネル領域とゲート電極
との間に低キャリア濃度層が形成されているので、高濃
度かつ薄膜の活性層を形成して伝達コンダクタンスg
m、K値を高く維持しながら、FETのゲート・ドレイ
ン間耐圧BVgdを向上させることが可能となる。
【0038】そして、ゲート・ドレイン間の活性層表面
における電界が緩和され、優秀な高周波特性を維持しな
がらドレイン耐圧を飛躍的に向上させることが可能とな
る。
【0039】
【本発明の実施形態】(第1実施形態) 以下、本発明の第1実施形態に係る電界効果トランジス
タの製造方法について図1〜図4を参照しながら説明す
る。
【0040】まず、図1(a)に示すように、化合物半
導体基板としての半絶縁性のGaAs基板10の一主面
上にフォトリソグラフィー技術により第1のレジストマ
スク11を形成した後、該第1のレジストマスク11を
用いGaAs基板10の所定領域にSiイオンを加速電
圧80keVで注入してn型の活性層12を形成する。
【0041】次に、図1(b)に示すように、GaAs
基板10の一主面上にフォトリソグラフィー技術により
第2のレジストマスク13を形成した後、該第2のレジ
ストマスク13を用いて活性層12の所定領域にSiイ
オンを150keVで注入してn+ 型のソース領域14
及びドレイン領域15を形成する。
【0042】次に、図1(c)に示すように、GaAs
基板10の一主面上に全面に亘って第1の絶縁膜として
のシリコン酸化膜16を堆積した後、該シリコン酸化膜
16を保護膜として820℃の温度下において15分間
のアニール処理を行なうことにより、注入されたSiを
活性化させる。
【0043】次に、図2(a)に示すように、シリコン
酸化膜16の上に第2の絶縁膜としてのシリコン窒化膜
17を堆積した後、該シリコン窒化膜17の上にフォト
リソグラフィー技術によりソース・ドレイン電極形成領
域が開口した第3のレジストマスク18を形成する。
【0044】次に、図2(b)に示すように、第3のレ
ジストマスク18を用いてシリコン酸化膜16及びシリ
コン窒化膜17に対してエッチングを行なうことにより
開口部を形成する。その後、前記開口部にAuGe/N
i/Auを真空蒸着した後、Arガス雰囲気中において
450℃の温度下における3分間のシンターを行なうこ
とにより、オーミック電極よりなるソース電極19及び
ドレイン電極20を形成する。
【0045】次に、図2(c)に示すように、シリコン
窒化膜17の上にフォトリソグラフィ技術によりゲート
電極形成領域が開口した第4のレジストマスク21を形
成する。
【0046】次に、図3(a)に示すように、CF4 ガ
スを用いた反応性ドライエッチング(以下、RIEと称
する)によってシリコン窒化膜17に対するドライエッ
チングを行なう。本実施形態においては、シリコン窒化
膜17の膜厚は0.5μmであるため、シリコン窒化膜
17に対するエッチングは約4分30秒間で完了する。
ところが、本実施形態においては、シリコン窒化膜17
に対して60秒間のオーバーエッチングを行なうことに
より、ゲート電極形成領域のシリコン酸化膜16の上層
部を除去すると共に活性層12におけるゲート電極直下
のキャリア濃度を減少させる。この場合、シリコン酸化
膜16のRIEによるエッチング速度はシリコン窒化膜
17のRIEによるエッチング速度よりも遅いので、シ
リコン酸化膜16の60〜80%程度がエッチングされ
た状態である。
【0047】次に、図3(b)に示すように、HF溶液
によるウェットエッチングによりゲート電極形成領域の
シリコン酸化膜16を除去する。
【0048】次に、図3(c)に示すように、酒石酸溶
液によりゲート電極形成領域に対してエッチングを行な
うことにより、リセス構造を形成する。このリセス構造
は、所定の電流値になるよう調整するためのものであっ
て、リセス深さとしては最大10nm程度でよい。従来
のリセス深さは50〜100nmであるから、本実施形
態のリセス深さは従来のリセス深さと比較して大幅に小
さい。このため、本実施形態においては、リセス深さの
面内バラツキは殆ど問題にならない。
【0049】次に、図4(a)に示すように、ゲート電
極となる金属膜22を全面に蒸着した後、図4(b)に
示すように、金属膜22に対するリフトオフを行なうこ
とによりゲート電極23を形成する。
【0050】第1実施形態における重要なポイントは、
シリコン窒化膜17に対してオーバーエッチングを行な
うことによりシリコン酸化膜16を少しエッチングして
いる点である。このオーバーエッチングにより、エッチ
ング時のダメージがシリコン酸化膜16を介してチャネ
ル領域となる活性層12のうちゲート電極23の直下に
おけるキャリア濃度を減少させ、ゲート・ドレイン間の
耐圧が向上しているものと考えられる。
【0051】図5は、第1実施形態による電界効果トラ
ンジスタ(ゲート幅:Wg=36mm、ゲート長:Lg
=1.0μm)の製造方法において、シリコン窒化膜1
7に対するオーバーエッチング時間と、ソース・ドレイ
ン間に流れる電流値Idss及びゲート・ドレイン間に
流れる電流値Igdとの関係を示している。尚、ソース
・ドレイン間の電流値Idssは、ゲートの電位を0
(V)としたときのものであり、大きいほどパワーFE
Tの特性としては良好である。また、ゲート・ドレイン
間の電流値Igdは、ゲート・ドレイン間にショットキ
ー逆方向に15Vを印加したときに流れる電流値であ
り、その絶対値が小さいほどゲート・ドレイン間の耐圧
が良好である。
【0052】図5から明らかなように、シリコン窒化膜
17に対するオーバーエッチング時間が0〜80秒の間
ではソース・ドレイン間電流Idssが殆ど変化せず且
つゲート・ドレイン間電流Igdが減少している。しか
しながら、90秒間のオーバーエッチングを行なうとソ
ース・ドレイン間電流Idssが急激に減少する。従っ
て、オーバーエッチング時間を80秒以内とすることに
より、従来のFETと同等のFET特性を維持したま
ま、ゲート・ドレイン間電流Igdを1/10程度に低
減することが可能である。これは、オーバーエッチング
時間の最適化により活性層12におけるゲート電極直下
部分のキャリア濃度が制御されたためと考えられる。
【0053】図6は、第1実施形態に係る電界効果トラ
ンジスタの製造方法によって作製されたパワーFETの
高周波特性の測定結果を示している。
【0054】図6(a),(b)は、デジタル変調を用
いた通信系において最も重要な要素である50kHz,
100kHz離調時の隣接チャネル漏洩電力抑圧比(A
dj)の測定結果である。ここでAdjとは900MH
zにおける信号のピークとノイズレベルとの比である。
また、図6(a)つまり−50kHzのAdjとは90
0MHzから50kHz離れた位置におけるノイズの値
を採ったものであり、図6(b)つまり−100kHz
のAdjとは900MHzから100kHz離れた位置
におけるノイズの値を採ったものである(図7を参
照)。信号のピークとノイズレベルとの比の絶対値が大
きいものほど良好である。また、ゲート・ドレイン間電
流Igdの絶対値が小さいほど良好である。
【0055】ゲート・ドレイン間電流Igdが−6より
も正側のものが良品であるとして良品率を判断すると、
第1実施形態の方法により製造した電界効果トランジス
タは、図6(a)において80%程度が良品となり、図
6(b)においては90%程度が良品となっている。図
6(b)は、信号のピークから100kHz離れた点に
おけるノイズであるから、良品率は図6(a)の場合よ
りも当然に多く90パーセント程度になっている。この
ように、第1実施形態に係る電界効果トランジスタの製
造方法によると、簡単な構成であるにも拘らずゲート・
ドレイン間電流Igdの低減が可能である。つまり、リ
セス深さを低減してもゲート・ドレイン間の耐圧を向上
できるので、リセス深さのバラツキがなくなり、歩留ま
りの大幅な向上を図ることができる。
【0056】図8は、ゲート・ドレイン間電流Igdと
電力付加効率との関係を示している。この電力付加効率
とは、電界効果トランジスタのゲート電極に入力される
電力と、出力電力との比率である。図7からゲート・ド
レイン間電流Igdの絶対値の低減に伴って電力付加効
率が向上することが分かり、第1実施形態の方法により
得られる電界効果トランジスタは携帯電話の通話時間の
延長に寄与することができる。
【0057】GaAs基板等の化合物半導体基板を用い
たMESFETにおいては、一般に、ゲート電極に加わ
る応力によってピエゾ電荷が生じ、しきい値電圧が変動
することが知られているが、第1実施形態の方法による
と、活性層のうちゲート電極直下の部分のみキャリア濃
度を低くできるので、ピエゾ電荷自体が生じ難く、しき
い値電圧の変動も少なくなっている。
【0058】図5、図6及び図8に基づく説明から分か
るように、第1実施形態の方法は、MESFETの特性
の安定及び歩留まりの向上に大きな影響を与える。
【0059】図9は、電界効果トランジスタの製造工程
の進行に伴って変化するゲート電極に加わる応力の影響
によるVth(しきい値電圧)の変動を示している。図
9において、実線は第1実施形態の場合を示し、破線は
従来の方法の場合を示しており、第1実施形態の方法に
よるとVthの変動を緩和できることが分かる。
【0060】尚、第1実施形態においては、シリコン窒
化膜17に対するオーバーエッチングにより残ったシリ
コン酸化膜16の下層部をウェットエッチングにより除
去したが、これに代えて、ケミカルドライエッチグ等の
低ダメージなドライエッチングにより除去してもよい。
【0061】(第2実施形態) 前述した第1実施形態は、活性層の形成にイオン注入法
を用いるMESFETであったが、本発明は、活性層の
形成に結晶成長法を用いるMESFETについても同様
の効果が得られる。以下、結晶成長法を用いたMESF
ETを第2実施形態として図10〜図12を参照しなが
ら説明する。
【0062】まず、図10(a)に示すように、MBE
(Molecular beam epitaxy)法によりGaAs基板30上
に、不純物としてSiが1×1017cm-3の濃度でドー
ピングされてなるGaAs活性層31、及び不純物とし
てSiが5×1018cm-3の濃度でドーピングされてな
るGaAs高濃度層32をそれぞれ結晶成長させる。こ
の場合、GaAs活性層71の厚さは0.2μmであ
り、GaAs高濃度層72の厚さは50nmである。
【0063】次に、図10(b)に示すように、GaA
s高濃度層32上の所定領域に第1のレジストマスク3
3を形成した後、該第1のレジストマスク33をマスク
にしてGaAs活性層31及びGaAs高濃度層32を
メサエッチングすることにより、図10(c)に示すよ
うに、FET領域34を形成する。
【0064】次に、図11(a)に示すように、GaA
s基板30の上に全面に亘ってシリコン酸化膜35及び
シリコン窒化膜36を順次形成した後、シリコン窒化膜
36の上にソース・ドレイン形成領域が開口した第2の
レジストマスク37を形成する。
【0065】次に、図11(b)に示すように、第2の
レジストマスク37を用いてシリコン酸化膜35及びシ
リコン窒化膜36に対してエッチングを行なうことによ
りソース・ドレイン領域形成用の開口部を形成した後、
該開口部に電極用金属を埋め込むことによりソース電極
38及びドレイン電極39を形成する。
【0066】次に、図11(c)に示すように、シリコ
ン窒化膜36の上にゲート電極形成領域が開口した第3
のレジストマスク40を形成する。
【0067】次に、図12(a)に示すように、第3の
レジストマスク40を用いてシリコン窒化膜36に対し
てエッチングを行なう。この場合、第1実施形態と同様
に、シリコン窒化膜36に対して約60秒のオーバーエ
ッチングを行なうことにより、シリコン窒化膜36と共
にシリコン酸化膜35の上層部を除去する。この場合、
シリコン窒化膜36に対するオーバーエッチングの効果
は、GaAs高濃度層32のみでなくGaAs活性層3
1にも及んでいる。
【0068】次に、図12(b)に示すように、ウェッ
トエッチングによってシリコン酸化膜36の下層部を除
去した後、GaAs高濃度層32に対してリセスエッチ
ングを行なう。ここで、GaAs高濃度層32を除去す
るのは、電界効果トランジスタのしきい値電圧を所定の
ものに調整するためである。
【0069】次に、図12(c)に示すように、ゲート
電極形成領域の開口部に電極用金属を埋め込むことによ
りGaAs活性層31の上にゲート電極41を形成する
と、電界効果トランジスタが完成する。
【0070】第2実施形態においては、活性層の形成に
エピタキシャル成長法を用いたが、エピタキシャル成長
法を用いる利点は、活性層の厚さ及び濃度の制御が容易
なために、設計通りのFETを製造し易いことである。
【0071】尚、前記各実施形態においては、活性層は
n型単独の構造であったが、これに代えて、(1) n型活
性層の下にp型の層を埋め込み、pn接合によりできた
空乏層を利用してn型活性層を実効的に薄くできるp層
埋め込み構造、又は、(2) p型活性層を用いる構造の場
合にも、前記各実施形態の方法を適用できることは言う
までもない。
【0072】(第3実施形態) 前記第1及び第2実施形態においては、絶縁層は2層で
あったが、絶縁層が1層の場合にも本発明の技術的思想
は適用可能である。絶縁層が1層の場合を第3実施形態
として、図13〜図16を参照しながら説明する。
【0073】まず、図13(a)に示すように、GaA
s基板50の一主面上に第1のレジストマスク51を形
成した後、該第1のレジストマスク51を用いてGaA
s基板50の所定領域にSiイオンを加速電圧80ke
Vで注入してn型の活性層52を形成する。
【0074】次に、図13(b)に示すように、GaA
s基板50の一主面上に第2のレジストマスク53を形
成した後、該第2のレジストマスク53を用いて活性層
52の所定領域にSiイオンを150keVで注入して
n+ 型のソース領域54及びドレイン領域55を形成す
る。
【0075】次に、図13(c)に示すように、GaA
s基板50の一主面上に全面に亘って例えばシリコン酸
化膜よりなる第1の絶縁膜56を堆積した後、該第1の
絶縁膜56を保護膜としてアニール処理を行なうことに
より、すでに注入されたSiを活性化させる。
【0076】次に、図14(a)に示すように、第1の
絶縁膜56を除去した後、GaAs基板50の一主面上
に全面に亘って例えばシリコン窒化膜よりなる第2の絶
縁膜57を堆積した後、該第2の絶縁膜57の上にソー
ス・ドレイン電極形成領域が開口した第3のレジストマ
スク58を形成する。
【0077】次に、図14(b)に示すように、第3の
レジストマスク58を用いて第2の絶縁膜57に対して
エッチングを行なうことにより開口部を形成する。その
後、前記開口部に電極形成用金属を堆積することにより
ソース電極59及びドレイン電極60を形成する。
【0078】次に、図14(c)に示すように、第2の
絶縁膜57の上にゲート電極形成領域が開口した第4の
レジストマスク61を形成する。
【0079】次に、図15(a)に示すように、反応性
ドライエッチングにより第2の絶縁膜57に対してエッ
チングを行なう。この場合、ゲート電極形成領域の第2
の絶縁膜57の膜厚が30nm程度になったところでエ
ッチングを終了する。この膜厚は、反応性ドライエッチ
ングにより活性層52におけるゲート電極直下のキャリ
ア濃度を減少させる程度である。これにより、活性層5
2におけるゲート電極直下の部分に好影響を及ぼし、電
界効果トランジスタのゲート・ドレイン間の耐圧が向上
する。従って、反応性ドライエッチング時に残す第2の
絶縁膜57の膜厚は実験により適宜選択することが好ま
しい。
【0080】次に、図15(b)に示すように、反応性
ドライエッチング時に残った第2の絶縁膜57をウェッ
トエッチングによって除去する。この際、ウェットエッ
チングのエッチング液がGaAs基板50の一主面に平
行な方向に浸透するため、第2の絶縁膜57に対するサ
イドエッチングも同時に行なわれる。このため、第2の
絶縁膜57におけるゲート電極形成領域の開口部は図1
5(b)に示すような形状になる。
【0081】次に、図15(c)に示すように、GaA
s基板50に対するリセスエッチングを行なってリセス
構造を形成する。
【0082】次に、図16(a)に示すように、ゲート
電極となる金属膜62を全面に蒸着した後、図16
(b)に示すように、金属膜62に対するリフトオフを
行なうことによりゲート電極63を形成すると、電界効
果トランジスタが得られる。
【0083】このように、絶縁膜を1層にした製造方法
によっても、第1実施形態と同様の特性を得ることがで
きる。
【0084】尚、第3実施形態においては、反応性ドラ
イエッチング時に残った第2の絶縁膜57の除去にウェ
ットエッチングを用いたが、これに代えて、ケミカルド
ライエッチグ等の低ダメージなドライエッチングを用い
ることも可能である。
【0085】また、第3実施形態においては、第1の絶
縁膜56を保護膜としてアニール処理を行なったが、保
護膜を用いることなくアニール処理を行なってもよい。
【0086】さらに、第3実施形態においては、第1の
絶縁膜56としてシリコン酸化膜を用い、第2の絶縁膜
57としてシリコン窒化膜を用いたが、これらは適宜変
更可能である。
【0087】(第4実施形態) 次に、第4実施形態では、本発明の技術的思想をセルフ
アライメント型MESFETに適用した例について説明
する。図17(a)〜(c)及び図18(a)〜(d)
は、第4実施形態に係る製造工程における半導体装置の
断面図である。
【0088】まず、図17(a)に示すように、半絶縁
性GaAs基板70の一主面上に、スパッタ法により厚
み6nmのWSi膜71aを堆積する。そして、WSi
膜71aの上に、フォトリソグラフィー工程を利用し、
FETの活性層を形成しようとする部分が開口した第1
のレジストマスク72を形成し、これを用いて、Siイ
オンを加速電圧30keVで注入して活性層74aを形
成する。
【0089】次に、図17(b)に示すように、半絶縁
性GaAs基板70の上に、ゲートを形成しようとする
領域が開口した第2のレジストマスク73を形成し、こ
のレジストマスク73を用いて、Bイオンを前記Siイ
オン注入時における加速電圧よりも弱い加速電圧10k
eVで注入する。このイオン注入によって、半絶縁性G
aAs基板70の結晶構造に乱れが生じ、イオンが注入
された部分が高抵抗化される。つまり、活性層74aの
中央付近に、活性層74aよりも浅く高抵抗層75が形
成される。
【0090】次に、図17(c)に示すように、第2の
レジストマスク73を残したままで全面上にAu膜を蒸
着により堆積した後、リフトオフを行なって、Auから
なるゲート上金属膜76を形成する。
【0091】次に、図18(a)に示すように、ゲート
上金属膜76をマスクとして、WSi膜71aに対して
CF4 ガスを用いた反応性イオンエッチングを行い、ゲ
ート上金属膜71aと同じ平面形状を有するゲート電極
71を形成する。
【0092】次に、フォトリソグラフィー工程を利用
し、半絶縁性基板GaAs基板70上に、前記活性層7
4aの上方となる部分が開口した第3のレジストマスク
78を形成した後、Siイオンを加速電圧100keV
で注入してn+ 型領域であるソース領域80及びドレイ
ン領域81を形成する。このとき、Siイオンの加速電
圧は、活性層74aの形成時におけるイオン注入の加速
電圧よりも大きいので、ソース領域80及びドレイン領
域81は、活性層74aよりも深く形成される。そし
て、活性層74aのうちゲート電極71の下方つまり高
抵抗層75の直下に位置する部分がチャネル領域74と
して残存する。
【0093】次に、図18(c)に示すように、第3の
レジストマスク78を除去してアニールを行い、注入さ
れたSiを活性化させる。
【0094】最後に、図18(d)に示すように、Si
N膜84を堆積した後、フォトリソグラフィー工程を用
いて、SiN膜84のソース領域80及びドレイン領域
81の上方となる部分の一部を開口する。そして、この
開口部にAuGe・Ni・Auを真空蒸着し、Arガス
雰囲気中450℃で3分間シンターを行なって、ソース
領域80及びドレイン領域81の直上にそれぞれオーミ
ック電極であるソース電極82及びドレイン電極83を
形成する。これにより、MESFETが形成される。
【0095】図18(d)に示す構造を有するセルフア
ライメント型MESFETにおいては、特にゲート電極
71の下方における半絶縁性GaAs基板70内のキャ
リア濃度が特徴的な分布を示す。以下、その点について
考察を行なう。
【0096】図19は、本実施形態における厚みが6n
mのWSi膜を介してスルー注入を行なった場合(高抵
抗層は形成されていない状態)のキャリアプロファイル
と、ベアー注入(WSi=0nm)を行なった場合のキ
ャリアプロファイルとを示し、いずれもSIMS分析を
行なった結果得られたものである。同図において、横軸
は半絶縁性GaAs基板の表面からの深さを示し、縦軸
はn型キャリア濃度を示す。両者のキャリアプロファイ
ルを比較すればわかるように、本実施形態では、不純物
濃度が濃い領域の深さが浅く、急峻なキャリアプロファ
イルが得られる。これは、チャネル領域の厚さが極めて
薄くできることを意味し、チャネル領域の厚さに逆比例
するK値が増大し、かつ伝達コンダクタンスgmも増大
することになる。
【0097】したがって、本実施形態では、図17
(a)に示す活性層74aの形成工程でWSi膜71a
を介してSiイオンのスルー注入を行なっているので、
チャネル領域74において急峻な注入プロファイルが得
られ、伝達コンダクタンスgmやK値の高い高性能なM
ESFETが実現できる。
【0098】一方、図18(b)に示す工程によって、
ゲート電極71の直下となる領域には高抵抗層75が形
成されているので、高いゲート・ドレイン間耐圧BVg
dをも有する。
【0099】すなわち、本実施形態では、一般的にはト
レードオフの関係にあるgm,K値の向上とゲート・ド
レイン間耐圧の向上という2つの効果を同時に実現する
ことができるのである。加えて、低キャリア濃度層であ
る高抵抗層75を介して、チャネル領域84がゲート電
極と隔てられているので、ピエゾ電荷の発生も抑制さ
れ、FETの性能が向上する。
【0100】なお、前記図32に示すようなLDD構造
を有するMESFETにおいて、本実施形態のような不
純物イオンのスルー注入とゲート直下における高抵抗層
の形成とを行なうことによっても、本実施形態と同様の
効果を得ることができる。特に、その場合、LDD構造
によるMESFETの微細化,耐圧特性の向上を図るこ
とができる利点がある。ただし、図32に示すような非
対称構造に限定されるものではない。
【0101】また、スルー注入を行なう場合、必ずしも
本実施形態のようにWSi膜71aを用いる必要はな
く、他の金属膜や絶縁膜等で不純物イオンの注入エネル
ギーを一定割合だけ低減する機能を有する膜を用いるこ
とにより、同様の効果を得ることができる。
【0102】なお、本実施形態では、MESFETの活
性層74aを不純物イオンの注入により形成したが、エ
ピタキシャル結晶成長の際の不純物導入によって活性層
74aを形成しても、その後、高抵抗層75を形成する
ことによって得られる効果が低減されることはない。
【0103】また、本実施形態では、ソース・ドレイン
領域及びチャネル領域を全てn型領域で形成したnチャ
ネル型MESFETについて説明したが、p層埋め込み
構造からなる活性層を有するMESFETやpチャネル
型MESFETについても、不純物イオンのスルー注入
や高抵抗層の形成によって本実施形態と同様の効果を得
ることは言うまでもない。
【0104】(第5実施形態) 次に、本発明の技術的思想をpn接合ゲートFET(以
下、JFETという)に適用した例である第5実施形態
について説明する。図20(a)〜(c)及び図21
(a)〜(d)は、第5実施形態に係る製造工程におけ
る半導体装置の断面図である。
【0105】まず、図20(a)〜(c)に示す工程に
おいて、前記第4実施形態における図17(a)〜
(c)に示す工程とほぼ同様の処理を行なう。ただし、
本実施形態では、図20(b)に示す工程において、レ
ジストマスク73を用いて、WSi膜71aを介してM
gイオンのスルー注入を行ない、活性層74aの中央付
近に活性層74aよりも浅くp型領域90を形成する。
【0106】その後、図21(a)〜(d)に示す工程
では、前記第4実施形態における図18(a)〜(d)
に示す工程と同様の処理を行なう。ただし、図21
(c)に示す工程では、レジストマスク78を除去した
後、アニールを行なって、注入されたSi・Mgを活性
化させる。
【0107】以上の工程によって、本実施形態では、最
終的に、図21(d)に示すように、半絶縁性GaAs
基板70に、ゲート電極71と、それぞれn+ 型領域で
あるソース領域80及びドレイン領域81と、低濃度の
n型領域であるチャネル領域74と、このチャネル領域
74の直上かつゲート電極71直下のp型領域90とを
有するJFETが形成される。
【0108】図21(d)に示す構造を有するJFET
においては、前記第4実施形態と同様に不純物イオンの
スルー注入によるJFETの性能の向上効果が得られる
とともに、ゲート電極71が直下のp型領域90に対し
てセルフアライン的に形成されるため、高い均一性を有
するJFETが容易に実現される。特に、ゲート電極7
1の直下にチャネル領域74のキャリアとは逆導電型の
電荷が存在することにより、ピエゾ電荷の発生を効果的
に防止することができる。
【0109】なお、前記図32に示すようなLDD構造
を有するMESFETのチャネル領域233の代わり
に、本実施形態のような不純物イオンのスルー注入によ
るチャネル領域74と、ゲート電極71直下のp型領域
90とを形成することによっても、本実施形態と同様の
効果を得ることができる。特に、その場合、LDD構造
によるJFETの微細化,耐圧特性の向上を図ることが
できる利点がある。ただし、図32に示すような非対称
構造に限定されるものではない。
【0110】また、スルー注入を行なう場合、必ずしも
本実施形態のようにWSi膜71aを用いる必要はな
く、他の金属膜や絶縁膜等で不純物イオンの注入エネル
ギーを一定割合だけ低減する機能を有する膜を用いるこ
とにより、同様の効果を得ることができる。
【0111】さらに、本実施形態では、JFETの活性
層74aを不純物イオンの注入により形成したが、エピ
タキシャル結晶成長の際の不純物導入によって活性層7
4aを形成しても、その後、p型領域90を形成するこ
とによって得られる効果が低減されることはない。
【0112】また、本実施形態では、ソース・ドレイン
領域及びチャネル領域を全てn型領域で形成したnチャ
ネル型JFETについて説明したが、p層埋め込み構造
からなる活性層を有するJFETやpチャネル型JFE
Tについても、不純物イオンのスルー注入や高抵抗層の
形成によって本実施形態と同様の効果を得ることは言う
までもない。
【0113】(第6実施形態) 次に、本発明の技術的思想をpin接合ゲートFET
(以下、pinFETという)に適用した例である第6
実施形態について説明する。図22(a)〜(c)、図
23(a)〜(c)及び図24(a),(b)は、本実
施形態に係る製造工程における半導体装置の断面図であ
る。
【0114】まず、図22(a),(b)に示す工程
で、前記第4実施形態における図17(a),(b)に
示す工程とほぼ同様の処理を行なう。ただし、図22
(b)に示す工程では、レジストマスク73を用いてB
イオンを加速電圧15keVで注入し、第4実施形態よ
りは深くかつ広く高抵抗層75を形成する。
【0115】次に、図22(c)に示すように、図22
(b)で用いた第2のレジストマスク73の開口部より
も狭い開口部を有する第3のレジストマスク78を形成
し、この第3のレジストマスク78を用いて、Mgイオ
ンを加速電圧10keVで注入し、高抵抗層75内にp
型領域90を形成する。すなわち、活性層74aの中央
付近に活性層74aよりも浅い高抵抗層75が形成さ
れ、さらに高抵抗層75の中央付近に高抵抗層75より
も浅いp型領域90が形成されている。
【0116】次に、図23(a)〜(c)に示す工程に
おいて、それぞれ前記第4実施形態の図17(c)、図
18(a),(b)に示す工程とほぼ同様の処理を行な
って、p型領域90の直上にWSiからなるゲート電極
71とAuからなるゲート上金属膜76とを形成すると
ともに、高抵抗層75の両側にn+ 型領域であるソース
領域80及びドレイン領域81を形成する(図23
(c)参照)。ただし、本実施形態では、図23(c)
に示す工程において使用される第4のレジストマスク9
1は、ゲート電極71及びゲート上金属膜76の両側方
で高抵抗層75の上方に相当する部分をも覆っている。
【0117】次に、図24(a),(b)に示す工程に
おいて、前記第4実施形態における図18(c),
(d)に示す工程と同様の処理を行なう。つまり、半絶
縁性GaAs基板70内に注入されたSi・Mgを活性
化させ、ソース領域80及びドレイン領域81の直上に
それぞれにソース電極・ドレイン電極82,83を形成
する。以上により、pinFETが形成される。
【0118】図24(c)に示すpinFETでは、前
記第4,5実施形態と同様に不純物イオンのスルー注入
によるpinFETの性能の向上効果が得られるととも
に、i層(高抵抗層75)の幅や深さを任意に変更可能
なため、設計の自由度の高いFETが容易に実現でき
る。
【0119】なお、前記図32に示すようなLDD構造
を有するMESFETのチャネル領域233の代わり
に、本実施形態のような不純物イオンのスルー注入によ
るチャネル領域74と、高抵抗層75と、ゲート電極7
1直下のp型領域90とを形成することによっても、本
実施形態と同様の効果を得ることができる。特に、その
場合、LDD構造によるpinFETの微細化,耐圧特
性の向上を図ることができる利点がある。ただし、図3
2に示すような非対称構造に限定されるものではない。
【0120】また、スルー注入を行なう場合、必ずしも
本実施形態のようにWSi膜71aを用いる必要はな
く、他の金属膜や絶縁膜等で不純物イオンの注入エネル
ギーを一定割合だけ低減する機能を有する膜を用いるこ
とにより、同様の効果を得ることができる。
【0121】さらに、本実施形態では、pinFETの
活性層74aを不純物イオンの注入により形成したが、
エピタキシャル結晶成長の際の不純物導入によって活性
層74aを形成しても、その後、p型領域90を形成す
ることによって得られる効果が低減されることはない。
【0122】また、本実施形態では、ソース・ドレイン
領域及びチャネル領域を全てn型領域で形成したnチャ
ネル型pinFETについて説明したが、p層埋め込み
構造からなる活性層を有するpinFETやpチャネル
型pinFETについても、不純物イオンのスルー注入
や高抵抗層の形成によって本実施形態と同様の効果を得
ることは言うまでもない。
【0123】なお、本実施形態では、図23(c)に示
す工程において、半絶縁性GaAs基板70の活性層7
4a以外の領域だけでなく、ゲート電極71及びゲート
上金属膜76の両側方で高抵抗層75の上方に相当する
部分をも覆うレジストマスクを用いたが、ゲート電極7
1及びゲート上金属膜76の両側には、シリコン窒化膜
等を堆積した後異方性エッチングを行なってサイドウォ
ールを形成してもよい。その場合にも、シリコン窒化膜
を堆積する厚みを変更することで、高抵抗層75の幅を
ある程度調整することは可能であるとともに、ソース領
域80及びドレイン領域81の内方側端部をゲート電極
71に対してセルフアライン的に規定することができ
る。
【0124】また、図22(b)に示す工程で使用する
第2のレジストマスク73の代わりに、図22(a)で
用いた第1のレジストマスク72をそのまま用いて、当
初は活性層74aの直上を全て高抵抗層75としてお
き、図23(c)に示す工程で、ソース領域80及びド
レイン領域81の形成のための不純物イオンの注入によ
って、高抵抗層75を狭めるようにしてもよい。
【0125】さらに、実施形態の図示は省略するが、上
記第6実施形態におけるp型領域90の代わりにn型領
域を形成することで、n型領域と側方のドレインとの間
には高抵抗層を存在させて耐圧を高く維持しながら、n
型領域と下方のチャネル領域との距離を適宜調整して駆
動力の高いFETを容易に形成することができる。
【0126】(第7実施形態) 次に、第7実施例では、本発明の技術的思想をゲート長
よりも広いダメージ層を有するMESFETに適用した
例について説明する。図25(a)〜図25(e)は、
第7実施形態に係る製造工程における半導体装置の断面
図である。
【0127】まず、図25(a)に示すように、半絶縁
性GaAs基板100の一部に、活性層102と、ソー
ス領域104と、ドレイン領域105と、シリコン酸化
膜106と、シリコン窒化膜107と、ソース電極10
9と、ドレイン電極110ととを形成する。この状態に
至るまでの工程は、上記各実施形態からも容易に理解で
きるので、図示及び説明を省略する。
【0128】次に、図25(b)に示すように、フォト
リソグラフィー技術により上記活性層102の一部(両
端部を除く部分)の上方のみが開口された第1のレジス
トマスク108を形成する。この開口部にはゲート形成
領域が含まれている。
【0129】次に、図25(c)に示すように、RIE
によりシリコン窒化膜107及びシリコン酸化膜106
に対するドライエッチングを行う。このとき、本実施形
態において当初形成されたシリコン酸化膜106の厚み
は50nm程度であり、ドライエッチングされた後のシ
リコン酸化膜106の厚みは数オングストローム〜20
nm程度である。そして、このドライエッチングによっ
て前記第1実施形態と同様に、第1のレジストマスク1
08の開口部下方において活性層102の表面付近にダ
メージ層Rdmが形成されている。
【0130】次に、図25(d)に示すように、第1の
レジストマスク108を除去した後、ゲート電極形成領
域が開口された第2のレジストマスク111を形成す
る。この状態で、HF溶液によるウエットエッチングに
よりゲート電極形成領域のシリコン酸化膜106を除去
する。その後、酒石酸溶液によりゲート電極形成領域の
GaAs基板100をエッチングしてリセス構造を形成
する。このとき、活性層102のダメージ層Rdmのご
く表面近傍の部分は除去されるが、活性層102の表面
領域にはダメージ層Rdmが残存している。
【0131】次に、図25(e)に示すように、ゲート
電極となる金属膜を堆積した後、金属膜に対するリフト
オフを行うことにより、ゲート電極113を形成する。
【0132】本実施形態のポイントは、図25(e)に
示す状態で、活性層102の表面領域において、ゲート
電極113の直下だけでなくゲート電極113よりも広
い表面領域にダメージ層Rdm(低キャリア濃度層)が
形成されていることである。本実施形態によって形成さ
れたMESFETは、ダメージ層Rdmがゲート電極1
13と特にドレイン領域との間の表面領域に形成されて
いるので、さらに高いゲート−ドレイン耐圧(BVg
d)とを発揮することができる。
【0133】(第8実施形態) 次に、第8実施例では、本発明の技術的思想をオフセッ
ト形MESFETに適用した例について説明する。図2
6(a)〜図26(e)は、第8実施形態に係る製造工
程における半導体装置の断面図である。
【0134】まず、図26(a)〜図26(c)に示す
工程では、前記第7実施形態における図25(a)〜図
25(c)に示す工程と同じ処理を行う。
【0135】本実施形態においても、当初形成されたシ
リコン酸化膜106の厚みは50nm程度であり、図2
6(c)に示すドライエッチングされた後のシリコン酸
化膜106の厚みは数オングストローム〜20nm程度
である。そして、第1のレジストマスク108の開口部
下方において活性層102の表面付近にダメージ層Rd
mが形成されている。
【0136】次に、図26(d)に示すように、第1の
レジストマスク108を除去した後、ゲート電極形成領
域が開口された第2のレジストマスク111を形成す
る。このとき、第2のレジストマスク111の開口部
は、ドレイン領域105から遠く離れた活性層102の
上からソース領域104上方のシリコン窒化膜107に
跨がる程度まで、ソース領域104側に偏るように形成
されている。この状態で、HF溶液によるウエットエッ
チングによりゲート電極形成領域のシリコン酸化膜10
6を除去する。その後、酒石酸溶液によりゲート電極形
成領域のGaAs基板100をエッチングしてリセス構
造を形成する。このとき、活性層102のダメージ層R
dmの一部は除去されるが、活性層102の表面付近に
はキャリア濃度の低いダメージ層Rdmが残存してい
る。
【0137】次に、図26(e)に示すように、ゲート
電極となる金属膜を堆積した後、金属膜に対するリフト
オフを行うことにより、ゲート電極113を形成する。
その結果、ゲート電極113は、ソース領域104側で
はシリコン窒化膜107の開口部の端部に自己整合的に
形成される。言い換えると、ゲート電極113はダメー
ジ層Rdmのソース側端部付近の上に形成されている。
【0138】本実施形態のポイントは、図26(e)に
示す状態で、ゲート電極113の直下の活性層102に
ダメージ層Rdm(低キャリア濃度層)が形成されてい
ることと、ゲート電極113が第1,第2絶縁膜10
6,107の開口端に自己整合的に形成されたオフセッ
ト型構造をしていることである。本実施形態によって形
成されたMESFETは、ダメージ層Rdmの形成によ
り前述のような第7実施形態と同様の利点を有するとと
もに、このようなオフセット型ゲート構造により、顕著
に低いソース抵抗と顕著に高いゲート−ドレイン耐圧
(BVgd)とを発揮することができる。
【0139】(第9実施形態) 次に、第9実施例では、本発明の技術的思想を2種類の
低キャリア濃度層を有するMESFETに適用した例に
ついて説明する。図27(a)〜図27(e)は、第9
実施形態に係る製造工程における半導体装置の断面図で
ある。
【0140】まず、図27(a),図27(b)に示す
工程では、前記第7実施形態における図25(a)〜図
25(c)に示す工程と同じ処理を行う(図25(b)
に示す状態は図示を省略する)。
【0141】本実施形態において、図27(b)に示す
状態で、第1のレジストマスク108の開口部下方にお
いて活性層102の表面付近に第1ダメージ層Rdm1
が形成されている。
【0142】次に、図27(c)に示すように、第1の
レジストマスク108を除去した後、ゲート電極形成領
域が開口された第2のレジストマスク111を形成す
る。この状態で、HF溶液によるウエットエッチングに
よりゲート電極形成領域のシリコン酸化膜106を除去
する。その後、酒石酸溶液によりゲート電極形成領域の
GaAs基板100をエッチングしてリセス構造を形成
する。このとき、第1ダメージ層Rdm1のごく表面近
傍の部分は除去されるが、活性層102の表面領域には
第1ダメージ層Rdm1が残存している。
【0143】次に、図27(d)に示すように、ゲート
電極となる金属膜を堆積した後、金属膜に対するリフト
オフを行うことにより、ゲート電極113を形成する。
【0144】次に、図27(e)に示すように、RIE
によりシリコン酸化膜106の表面が露出している部分
のドライエッチングを行う。ただし、シリコン酸化膜1
06を全て除去するのではなく、上層部のみを除去する
程度にドライエッチングを行う。このとき、図27
(b)に示す工程で形成された第1ダメージ層Rdm1
のうちゲート電極113の直下の領域を除く部分のキャ
リア濃度がさらに低減され、キャリア濃度が極めて低い
第2ダメージ層Rdm2が形成される。
【0145】本実施形態のポイントは、図27(e)に
示す状態で、ゲート電極113の直下の活性層102に
第1ダメージ層Rdm1(第1低キャリア濃度層)が形
成されていることと、ゲート電極113の両側方の活性
層102に第2ダメージ層Rdm2(第2低キャリア濃
度層)が形成されていることである。本実施形態によっ
て形成されたMESFETは、第1ダメージ層Rdmの
形成により前述のような第1実施形態及び第7実施形態
の利点を併せもつとともに、極めてキャリア濃度が低い
第2ダメージ層Rdm2によって活性層102の電界が
緩和されるので、MESFETのゲート−ドレイン耐圧
(BVgd)が飛躍的に向上する。
【0146】(第10実施形態) 次に、第10実施例では、本発明の技術的思想を2種類
の低キャリア濃度層を有する第2のオフセット形MES
FETに適用した例について説明する。図28(a)〜
図28(e)は、第10実施形態に係る製造工程におけ
る半導体装置の断面図である。
【0147】まず、図28(a),図28(b)に示す
工程では、前記第8実施形態における図26(a)〜図
26(c)に示す工程と同じ処理を行う(図26(b)
に示す状態は図示を省略する)。
【0148】本実施形態において、図28(b)に示す
ドライエッチングされた後のシリコン酸化膜106の厚
みは数オングストローム〜20nm程度である。そし
て、第1のレジストマスク108の開口部下方において
活性層102の表面付近に第1ダメージ層Rdm1が形
成されている。
【0149】次に、図28(c)に示すように、第1の
レジストマスク108を除去した後、ゲート電極形成領
域が開口された第2のレジストマスク111を形成す
る。このとき、第2のレジストマスク111の開口部
は、ドレイン領域105から遠く離れた活性層102の
上からソース領域104上方のシリコン窒化膜107に
跨がる程度まで、ソース領域104側に偏るように形成
されている。この状態で、HF溶液によるウエットエッ
チングによりゲート電極形成領域のシリコン酸化膜10
6を除去する。その後、酒石酸溶液によりゲート電極形
成領域のGaAs基板100をエッチングしてリセス構
造を形成する。このとき、活性層102の第1ダメージ
層Rdm1の一部は除去されるが、活性層102の表面
領域には第1ダメージ層Rdm1が残存している。
【0150】次に、図28(d)に示すように、ゲート
電極となる金属膜を堆積した後、金属膜に対するリフト
オフを行うことにより、ゲート電極113を形成する。
その結果、ゲート電極113は、ソース領域104側で
はシリコン窒化膜107の開口部の端部に自己整合的に
形成される。言い換えると、ゲート電極113は第1ダ
メージ層Rdm1のソース側端部の領域上に形成されて
いる。
【0151】次に、図28(e)に示すように、RIE
によりシリコン酸化膜106の表面が露出している部分
のドライエッチングを行う。ただし、シリコン酸化膜1
06を全て除去するのではなく、上層部のみを除去する
程度にドライエッチングを行う。このとき、図28
(b)に示す工程で形成された第1ダメージ層Rdm1
のうちゲート電極113の直下の領域を除く部分のキャ
リア濃度がさらに低減され、キャリア濃度が極めて低い
第2ダメージ層Rdm2が形成される。
【0152】本実施形態のポイントは、図28(e)に
示す状態で、ゲート電極113よりも広い活性層102
の表面領域に第1ダメージ層Rdm1(第1低キャリア
濃度層)が形成されていることと、ゲート電極113が
活性層102のソース側端部の領域上に第1,第2絶縁
膜の開口端に対して自己整合的に形成されたオフセット
型構造をしていることと、ゲート電極113の一側方の
活性層102に第2ダメージ層Rdm2(第2低キャリ
ア濃度層)が形成されていることである。本実施形態に
よって形成されたMESFETは、ダメージ層Rdmの
形成により前述のような第1実施形態及び第7実施形態
の利点を併せもつとともに、極めてキャリア濃度が低い
第2ダメージ層Rdm2によって活性層102の電界が
緩和されるので、MESFETのゲート−ドレイン耐圧
(BVgd)が飛躍的に向上する。
【0153】なお、前記第1〜第10実施形態におい
て、低キャリア濃度層の深さは20〜50nm程度が好
ましく、活性層の低キャリア濃度層を除くチャネル部分
の厚みは80〜150nm程度が好ましく、活性層にお
けるキャリアの濃度は1〜3×1017 cm -3 程度が好ま
しい。また、低キャリア濃度層におけるキャリアの濃度
は1016 cm -3 以下が好ましく、さらに5×1014 cm
-3 〜5×1015 cm -3 の範囲にあることがより好まし
い。
【0154】
【発明の効果】本発明の第1の半導体装置の製造方法に
よれば、ゲート電極直下におけるFETの動作に寄与す
るキャリアの濃度を低減することにより、従来と同等の
ゲート・ドレイン耐圧を確保しつつソース電極とドレイ
ン電極との間隔を縮小することができるため、FETの
面積を縮小できるので、製造コストの低減を図ることが
できる。また、活性層におけるゲート電極直下部分のみ
のキャリア濃度を低減できるので、ピエゾ電荷が生じ難
くなり、しきい値電圧が変動し難い。このため、FET
の特性が安定すると共に歩留まりが向上する。そして、
FETのゲート電極の直下かつチャネル領域の上に高抵
抗層が形成されるので、ゲート・ドレイン間耐圧の顕著
な向上を図ることができる。さらに、FETのゲート電
極の下方に、チャネル領域と、その上の高抵抗層と、さ
らにその上のチャネル領域と同導電型の不純物拡散層と
が形成されるので、FETにおける駆動力の向上と設計
の自 由度の拡大とを図ることができる。
【0155】本発明の第2の半導体装置の製造方法によ
れば、ゲート電極直下におけるFETの動作に寄与する
キャリアの濃度を低減することにより、従来と同等のゲ
ート・ドレイン耐圧を確保しつつソース電極とドレイン
電極との間隔を縮小することができるため、FETの面
積を縮小できるので、製造コストの低減を図ることがで
きる。また、活性層におけるゲート電極直下部分のみの
キャリア濃度を低減できるので、ピエゾ電荷が生じ難く
なり、しきい値電圧が変動し難い。このため、FETの
特性が安定すると共に歩留まりが向上する。そして、第
2の絶縁膜に対してオーバーエッチングを行なうことに
よって、ゲート電極の直下におけるキャリア濃度を低減
するようにしたので、オーバーエッチングの時間を最適
化するだけでゲート・ドレイン間の耐圧の向上を図るこ
とができる。
【0156】このため、さらに、従来と比べて、第1の
絶縁膜に対してオーバーエッチングを行なう点が異なる
のみであるから、従来の製造方法に比べて工程数を増加
させることなく前述した各効果が得られるので、本発明
の実用価値は極めて大きいと言える。
【0157】また、第1の絶縁膜をアニール処理の保護
膜として用いると共に電界効果トランジスタの最下層の
保護膜として用いることにより、工程の簡易化を図るこ
とができる。
【0158】また、第1の絶縁膜に対するオーバーエッ
チングはドライエッチングであり、第2の絶縁膜に対す
るエッチングをウェットエッチングとすることにより、
オーバーエッチングの影響を活性層におけるゲート電極
直下の部分に対して確実に及ぼすことができると共に活
性層にダメージを与えることなく第2の絶縁膜を除去で
きる。
【0159】また、第1の絶縁膜をシリコン酸化膜、第
2の絶縁膜をシリコン窒化膜とすることにより、第1の
絶縁膜よりもエッチングレートが大きい第2の絶縁膜を
確実に実現できる。
【0160】また、絶縁膜に対して活性層のキャリア濃
度が低減する程度にドライエッチングを行なうことによ
り、活性層におけるゲート電極直下部分のキャリア濃度
を低減しながら、過度のオーバーエッチングを回避でき
る。このため、電界効果トランジスタの面積を縮小で
き、リセス深さが浅くても高いゲート・ドレイン耐圧が
得られるので歩留まりが向上し、高いゲート・ドレイン
耐圧を維持しつつ電界効果トランジスタの特性を向上さ
せることが可能になる。また、ウェットエッチングによ
りゲート電極形成領域における絶縁層の下層部を除去す
るため、活性層にダメージを与えることなく絶縁膜の下
層部を除去することができる。
【0161】また、第1のレジストマスクの開口部がゲ
ート電極形成領域よりも広くなるように形成し、ソース
領域側にオフセットした領域を開口した第2のレジスト
マスクを形成することにより、ソース電極側にオフセッ
トしたゲート電極を有するFETを容易に形成でき、低
キャリア濃度層によるドレイン耐圧の向上と相俟って極
めて高いドレイン耐圧特性を得ることができる。特に、
ゲート電極を低キャリア濃度層の端部に対して自己整合
的に形成すれば、その効果を顕著に発揮できる。
【0162】また、ダメージ層のうちゲート電極直下の
部分を除く部分にさらにキャリア濃度の低い第2のダメ
ージ層を形成することにより、形成されたFETの活性
層表面における電界が緩和され、よって、FETの特性
を損なうことなく、ドレイン耐圧の飛躍的な向上を図る
ことができる。
【0163】本発明の半導体装置によれば、チャネル領
域とゲート電極との間に低キャリア濃度層を設ける構成
としたので、高濃度かつ薄膜の活性層を形成して伝達コ
ンダクタンスgm、K値を高く維持しながら、FETの
ゲート・ドレイン間耐圧BVgdの向上を図ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の製造工程のうち第1の絶縁膜を
堆積するまでの各工程における半導体構造の変化を示す
断面図である。
【図2】第1実施形態の製造工程のうちゲート形成用レ
ジストマスクを形成するまでの工程における半導体構造
の変化を示す断面図である。
【図3】第1実施形態の製造工程のうちリセスエッチン
グを終了するまでの工程における半導体構造の変化を示
す断面図である。
【図4】第1実施形態の製造工程のうちゲート電極を形
成するまでの工程における半導体構造の変化を示す断面
図である。
【図5】第1実施形態によるFETの製造方法におい
て、シリコン窒化膜に対するオーバーエッチング時間
と、ソース・ドレイン間に流れる電流値Idss及びゲ
ート・ドレイン間に流れる電流値Igdとの関係を示す
特性図である。
【図6】第1実施形態に係るFETの製造方法によって
作製されたパワーFETの高周波特性の測定結果を示
し、(a)はゲート・ドレイン間に流れる電流値Igd
と50kHz離調時の隣接チャネル漏洩電力抑圧比との
関係であり、(b)はゲート・ドレイン間に流れる電流
値Igdと100kHz離調時の隣接チャネル漏洩電力
抑圧比との関係である。
【図7】図6に示した50kHz離調時及び100kH
z離調時を説明する図である。
【図8】第1実施形態に係るFETの製造方法によって
作製されたパワーFETにおけるゲート・ドレイン間に
流れる電流値Igdと電力付加効率との関係を示す特性
図である。
【図9】第1実施形態に係るFETの製造工程の進行に
伴って変化するゲート電極に加わる応力の影響によるV
th(しきい値電圧)の変動を示す図である。
【図10】第2実施形態の製造工程のうち第1,第2絶
縁膜をパターニングするまでの工程における半導体構造
の変化を示す断面図である。
【図11】第2実施形態の製造工程のうちゲート形成用
レジストマスクを形成するまでの工程における半導体構
造の変化を示す断面図である。
【図12】第2実施形態の製造工程のうちゲート電極を
形成するまでの工程における半導体構造の変化を示す断
面図である。
【図13】第3実施形態の製造工程のうち第1絶縁膜を
堆積するまでの工程における半導体構造の変化を示す断
面図である。
【図14】第3実施形態の製造工程のうちゲート電極を
形成するまでの工程における半導体構造の変化を示す断
面図である。
【図15】第3実施形態の製造工程のうちリセスエッチ
ングを行うまでの工程における半導体構造の変化を示す
断面図である。
【図16】第3実施形態の製造工程のうちゲート電極を
形成するまでの工程における半導体構造の変化を示す断
面図である。
【図17】第4実施形態の製造工程のうちゲート上金属
膜を形成するまでの工程における半導体構造の変化を示
す断面図である。
【図18】第4実施形態の製造工程のうちソース電極,
ドレイン電極等を形成するまでの工程における半導体構
造の変化を示す断面図である。
【図19】本発明の膜を介した不純物イオンのスルー注
入によるキャリアプロファイルと従来のベアー注入によ
るキャリアプロファイルとを比較するSIMSの分析デ
ータである。
【図20】第5実施形態の製造工程のうちゲート上金属
膜を形成するまでの工程における半導体構造の変化を示
す断面図である。
【図21】第5実施形態の製造工程のうちソース電極,
ドレイン電極等を形成するまでの工程における半導体構
造の変化を示す断面図である。
【図22】第6実施形態の製造工程のうちp型領域を形
成するまでの工程における半導体構造の変化を示す断面
図である。
【図23】第6実施形態の製造工程のうちソース・ドレ
イン領域を形成するまでの工程における半導体構造の変
化を示す断面図である。
【図24】第6実施形態の製造工程のうちソース電極及
びドレイン電極を形成するまでの工程における半導体構
造の変化を示す断面図である。
【図25】第7実施形態の製造工程における半導体構造
の変化を示す断面図である。
【図26】第8実施形態の製造工程における半導体構造
の変化を示す断面図である。
【図27】第9実施形態の製造工程における構造の変化
を示す断面図である。
【図28】第10実施形態の製造工程における構造の変
化を示す断面図である。
【図29】従来のFETの第1の製造方法による製造工
程のうち第1,第2絶縁膜を堆積するまでの工程におけ
る半導体構造の変化を示す断面図である。
【図30】従来のFETの第1の製造方法による製造工
程のうち配線を形成するまでの工程における半導体構造
の変化を示す断面図である。
【図31】従来のFETの第2の製造方法により得られ
るFETの断面図である。
【図32】従来のLDD構造を有するFETの断面図で
ある。
【符号の説明】
10 GaAs基板(化合物半導体基板) 12 活性層 14 ソース領域 15 ドレイン領域 16 シリコン酸化膜(第1の絶縁層) 17 シリコン窒化膜(第2の絶縁層) 19 ソース電極 20 ドレイン電極 22 第4のレジストマスク(レジストマスク) 23 ゲート電極 30 GaAs基板(化合物半導体基板) 31 GaAs活性層 32 GaAs高濃度層 34 FET領域 35 シリコン酸化膜(第1の絶縁層) 36 シリコン窒化膜(第2の絶縁層) 38 ソース電極 39 ドレイン電極 40 第3のレジストマスク(レジストマスク) 41 ゲート電極 50 GaAs基板(化合物半導体基板) 52 活性層 54 ソース領域 55 ドレイン領域 57 第2の絶縁膜(絶縁膜) 59 ソース電極 60 ドレイン電極 61 第4のレジストマスク(レジストマスク) 63 ゲート電極 70 GaAs基板(化合物半導体基板) 71a WSi膜 71 ゲート電極 72 第1のレジストマスク 73 第2のレジストマスク 74a 活性層 74 チャネル領域 75 高抵抗層(低キャリア濃度層) 76 ゲート上金属膜 78 第3のレジストマスク 80 ソース領域 81 ドレイン領域 82 ソース電極 83 ドレイン電極 84 SiN膜 90 p型領域(低キャリア濃度層) 91 第4のレジストマスク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 正戸 宏幸 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 松野 年伸 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−251665(JP,A) 特開 昭63−62274(JP,A) 特開 平4−132232(JP,A) 特開 平2−105539(JP,A) 特開 昭62−262466(JP,A) 特開 昭60−34073(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/338 H01L 29/812

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化合物半導体基板の一部にFETとして
    機能する半導体装置を形成する方法であって、 前記化合物半導体基板の一部に、前記FETの動作のた
    めに必要なキャリア濃度を有し前記FETのチャネル領
    域となる第1導電型の活性層を形成する工程と、 前記活性層の表面領域の少なくとも一部における前記キ
    ャリア濃度を低減して、前記活性層の表面領域の少なく
    とも一部に低キャリア濃度層を形成する工程と、 前記低キャリア濃度層の少なくとも一部の上に前記FE
    Tのゲート電極を形成する工程と、 前記化合物半導体基板の前記ゲート電極の両側方となる
    領域に不純物を導入して、前記活性層に接続される前記
    FETのソース・ドレイン領域を形成する工程とを備
    え、 前記低キャリア濃度層を形成する工程では、低キャリア
    濃度層形成領域に電気抵抗値を高めるための不純物イオ
    ンを注入して、高抵抗層からなる低キャリア濃度層を形
    成するとともに、 前記高抵抗層からなる低キャリア濃度層を形成する工程
    では、前記ゲート電極の両側方を含む領域に電気抵抗値
    を高めるための不純物イオンを注入し、 前記高抵抗層の前記ゲート電極の直下方となる部分に不
    純物イオンを注入して、前記高抵抗層よりも浅い第1導
    電型の不純物拡散領域を形成する工程をさらに備えてい
    ることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 化合物半導体基板の一部にFETとして
    機能する半導体装置を形成する方法であって、 前記化合物半導体基板の一部に、前記FETの動作のた
    めに必要なキャリア濃度を有し前記FETのチャネル領
    域となる第1導電型の活性層を形成する工程と、 前記活性層の表面領域の少なくとも一部における前記キ
    ャリア濃度を低減して、前記活性層の表面領域の少なく
    とも一部に低キャリア濃度層を形成する工程と、 前記低キャリア濃度層の少なくとも一部の上に前記FE
    Tのゲート電極を形成する工程と、 前記化合物半導体基板の前記ゲート電極の両側方となる
    領域に不純物を導入して、前記活性層に接続される前記
    FETのソース・ドレイン領域を形成する工程とを備
    え、 前記低キャリア濃度層を形成する工程は、 前記活性層の上に第1の絶縁膜を堆積する工程と、 前記第1の絶縁膜の上に第2の絶縁膜を堆積する工程
    と、 前記第2の絶縁膜の上に、少なくともゲート電極形成領
    域を含む領域が開口した第1のレジストマスクを形成す
    る工程と、 前記第1のレジストマスクを用い、かつ前記第1絶縁膜
    よりも前記第2絶縁膜に対するエッチングレートが大き
    いエッチング剤を用いて、前記第2の絶縁膜に対してオ
    ーバーエッチングを行なうことにより、ゲート電極形成
    領域における前記第2の絶縁膜と前記第1の絶縁膜の上
    層部とを除去する工程と、 少なくともゲート形成領域が開口した第2のレジストマ
    スクを用いて、前記第1の絶縁膜に対してエッチングを
    行なうことにより、ゲート電極形成領域における前記第
    1の絶縁膜の下層部を除去する工程とを含み、 前記第2の絶縁膜に対するオーバーエッチングにより、
    前記活性層の前記第1のレジストマスクの開口部にある
    表面領域にダメージ層からなる低キャリア濃度層を形成
    することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項記載の半導体装置の製造方法に
    おいて、 前記第1の絶縁膜を形成する工程と前記第2の絶縁膜を
    形成する工程との間に、前記第1の絶縁膜を保護膜とし
    て前記活性層に対して該活性層を活性化させるアニール
    処理を行なう工程をさらに備えているとともに、 前記第1の絶縁膜を前記化合物半導体基板上に形成され
    るFETの保護膜として用いることを特徴とする半導体
    装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3記載の半導体装置の製造
    方法において、 前記第2の絶縁膜と前記第1の絶縁膜の上層部とを除去
    する工程におけるオーバーエッチングはドライエッチン
    グであり、 前記第1の絶縁膜の下層部を除去する工程におけるエッ
    チングはウェットエッチングであることを特徴とする半
    導体装置の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項2,3又は4記載の半導体装置の
    製造方法において、 前記第1の絶縁膜はシリコン酸化膜であり、前記第2の
    絶縁膜はシリコン窒化膜であることを特徴とする半導体
    装置の製造方法。
  6. 【請求項6】 化合物半導体基板の一部にFETとして
    機能する半導体装置を形成する方法であって、 前記化合物半導体基板の一部に、前記FETの動作のた
    めに必要なキャリア濃度を有し前記FETのチャネル領
    域となる第1導電型の活性層を形成する工程と、 前記活性層の表面領域の少なくとも一部における前記キ
    ャリア濃度を低減して、前記活性層の表面領域の少なく
    とも一部に低キャリア濃度層を形成する工程と、 前記低キャリア濃度層の少なくとも一部の上に前記FE
    Tのゲート電極を形成する工程と、 前記化合物半導体基板の前記ゲート電極の両側方となる
    領域に不純物を導入して、前記活性層に接続される前記
    FETのソース・ドレイン領域を形成する工程とを備
    え、 前記活性層を形成する工程では、化合物半導体基板上の
    所定部位にイオンを選択的に注入し、 前記低キャリア濃度層を形成する工程は、 前記活性層の上に絶縁膜を堆積する工程と、 前記絶縁膜の上に少なくともゲート電極形成領域を含む
    領域が開口した第1のレジストマスクを形成する工程
    と、 前記第1のレジストマスクを用いて、前記絶縁膜に対し
    て前記活性層の表面付近のキャリア濃度が低減する程度
    にドライエッチングを行なうことにより、ゲート電極形
    成領域における前記絶縁膜の上層部を除去する工程と、 第2のレジストマスクを用いて、前記絶縁膜に対してウ
    ェットエッチングを行なうことにより、ゲート電極形成
    領域における前記絶縁領域の下層部を除去する工程とを
    含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項記載の半導体装置の製造方法に
    おいて、 前記第1のレジストマスクを形成する工程では、前記第
    1のレジストマスクの開口部が前記ゲート電極形成領域
    よりも広くなるように形成し、 前記第2のレジストマスクを形成する工程では、前記ソ
    ース領域側にオフセットした領域を開口した第2のレジ
    ストマスクを形成することを特徴とする半導体装置の製
    造方法。
  8. 【請求項8】 請求項記載の半導体装置の製造方法に
    おいて、 前記第2のレジストマスクを形成する工程では、前記第
    2の絶縁膜と第1の絶縁膜の上層部とを除去する工程で
    形成された開口部のうち前記ソース領域側の端部を含む
    ようにソース側にオフセットした領域を開口した第2の
    レジストマスクを形成し、 前記ゲート電極を形成する工程では、前記第2のレジス
    トマスクの上方からゲート電極となる金属膜を堆積した
    後、前記ゲート電極を残して前記第2のレジストマスク
    をリフトオフすることを特徴とする半導体装置の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 請求項7又は8記載の半導体装置の製造
    方法において、 前記ゲート電極を形成する工程の後に、前記第1の絶縁
    膜の下層部の下部を残してドライエッチングを行い、前
    記ダメージ層のうち前記ゲート電極直下の部分を除く除
    く部分のキャリア濃度をさらに低減して、第2のダメー
    ジ層を形成する工程をさらに備えていることを特徴とす
    る半導体装置の製造方法。
  10. 【請求項10】 化合物半導体基板上に搭載されFET
    として機能する半導体装置であって、 前記化合物半導体基板の一部に前記FETの動作に必要
    な濃度のキャリアを導入して形成されチャネル領域とし
    て機能する第1導電型の活性層と、 前記活性層の表面領域の少なくとも一部に形成され前記
    活性層よりも低いキャリア濃度を有する低キャリア濃度
    層と、 少なくとも前記低キャリア濃度層の一部の上に形成され
    たゲート電極と、 前記化合物半導体基板の前記ゲート電極の両側方となる
    領域に高濃度の不純物を導入して形成された第1導電型
    のソース・ドレイン領域とを備え、 前記低キャリア濃度層は、前記活性層の前記ゲート電極
    の直下よりも広い表面領域に形成されており、 前記低キャリア濃度層は、前記ゲート電極の直下となる
    表面領域に形成された第1の低キャリア濃度層と、前記
    ゲート電極の直下を除く表面領域に形成され前記第1の
    低濃度キャリア領域よりもキャリア濃度がさらに低い第
    2の低キャリア濃度層とからなることを特徴とする半導
    体装置。
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