JP3062347B2 - 分析装置 - Google Patents
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- JP3062347B2 JP3062347B2 JP4131990A JP13199092A JP3062347B2 JP 3062347 B2 JP3062347 B2 JP 3062347B2 JP 4131990 A JP4131990 A JP 4131990A JP 13199092 A JP13199092 A JP 13199092A JP 3062347 B2 JP3062347 B2 JP 3062347B2
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- Investigating, Analyzing Materials By Fluorescence Or Luminescence (AREA)
- Investigating Or Analysing Materials By The Use Of Chemical Reactions (AREA)
- Automatic Analysis And Handling Materials Therefor (AREA)
- Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液体試料中に含有され
る分析対象物、特に核酸等の生体関連の微量物質を試薬
を用いて分析する分析装置に関するものである。
る分析対象物、特に核酸等の生体関連の微量物質を試薬
を用いて分析する分析装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、核酸や免疫的に活性な抗原やその
他生体関連の微量物質の分析には、種々の方法や装置が
用いられている。これらの分析に際して、微量物質と選
択的に結合する試薬をフィルタやラテックス粒子、ガラ
スビーズ等の固体材料に存在させ、検査試料液から固体
材料上に微量物質を結合させ、得られた結合体を放射性
的、光学的に検出する方法が知られている。具体的に
は、「検査と技術vol6 NO.7 1988年」によれば、RIA
(放射性免疫測定法)、EIA(酵素免疫測定法)、F
IA(蛍光免疫測定法)等が挙げられる。
他生体関連の微量物質の分析には、種々の方法や装置が
用いられている。これらの分析に際して、微量物質と選
択的に結合する試薬をフィルタやラテックス粒子、ガラ
スビーズ等の固体材料に存在させ、検査試料液から固体
材料上に微量物質を結合させ、得られた結合体を放射性
的、光学的に検出する方法が知られている。具体的に
は、「検査と技術vol6 NO.7 1988年」によれば、RIA
(放射性免疫測定法)、EIA(酵素免疫測定法)、F
IA(蛍光免疫測定法)等が挙げられる。
【0003】これらの方法では、酵素活性の検出、放射
線量の検出、吸収、発光等の光学的検出のために放射性
同位元素や、色素、更には酵素で標識された試薬によっ
て結合体を標識することが行われる。一般にこれらの方
法では、固体材料上の試薬と結合しなかった余剰の検査
試料や標識試薬を固体材料から除去する洗浄工程、所謂
B/F分離が必要とされる。
線量の検出、吸収、発光等の光学的検出のために放射性
同位元素や、色素、更には酵素で標識された試薬によっ
て結合体を標識することが行われる。一般にこれらの方
法では、固体材料上の試薬と結合しなかった余剰の検査
試料や標識試薬を固体材料から除去する洗浄工程、所謂
B/F分離が必要とされる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】B/F分離の工程は、
例えばカップ容器中に固体材料がある場合に、洗浄液の
注入の他に吸引も行わなければならず、装置構成も複雑
となり、また処理時間も要するという欠点がある。
例えばカップ容器中に固体材料がある場合に、洗浄液の
注入の他に吸引も行わなければならず、装置構成も複雑
となり、また処理時間も要するという欠点がある。
【0005】一方、フィルタ等の固体材料である場合
も、洗浄液を滴下し洗浄液がフィルタを通過するために
処理時間を要するという欠点がある。また、減圧を利用
して、より早く洗浄液がフィルタを通過させることも可
能であるが、減圧用の装置構成が複雑となるという欠点
がある。
も、洗浄液を滴下し洗浄液がフィルタを通過するために
処理時間を要するという欠点がある。また、減圧を利用
して、より早く洗浄液がフィルタを通過させることも可
能であるが、減圧用の装置構成が複雑となるという欠点
がある。
【0006】また、これらの分析方法、分析装置では、
1つの検査項目に対してしか検査できない場合が多い。
例えば、固体材料がフィルタ、ビーズの場合には、検査
項目のそれぞれに対して試薬が異なるフィルタ、ビーズ
を用いて、繰り返し測定を行わなければならず、検査に
時間が掛かるという欠点がある。
1つの検査項目に対してしか検査できない場合が多い。
例えば、固体材料がフィルタ、ビーズの場合には、検査
項目のそれぞれに対して試薬が異なるフィルタ、ビーズ
を用いて、繰り返し測定を行わなければならず、検査に
時間が掛かるという欠点がある。
【0007】本発明の目的は、装置構成が簡単で、しか
も複数の検査項目の分析が高感度で実施でき、更に分析
に要する時間の短縮も可能な分析装置を提供することに
ある。
も複数の検査項目の分析が高感度で実施でき、更に分析
に要する時間の短縮も可能な分析装置を提供することに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めの本発明に係る分析装置は、試料液中の分析対象物と
結合する試薬部領域を表面に有する磁性粒子と、回転面
上に前記磁性粒子の保持が可能な回転部材と、少なくと
も試料液を含む1種類以上の液体を前記回転面上に供給
する手段と、前記回転面の裏面から磁界を与える手段
と、前記回転部材の回転数及びその保持時間並びに前記
磁界の印加強度及び印加時間を制御する手段と、前記磁
性粒子の表面の変化を光学的に検出する光学的検知手段
とから成ることを特徴とするものである。
めの本発明に係る分析装置は、試料液中の分析対象物と
結合する試薬部領域を表面に有する磁性粒子と、回転面
上に前記磁性粒子の保持が可能な回転部材と、少なくと
も試料液を含む1種類以上の液体を前記回転面上に供給
する手段と、前記回転面の裏面から磁界を与える手段
と、前記回転部材の回転数及びその保持時間並びに前記
磁界の印加強度及び印加時間を制御する手段と、前記磁
性粒子の表面の変化を光学的に検出する光学的検知手段
とから成ることを特徴とするものである。
【0009】
【作用】上述の構成を有する分析装置は、試料液中の分
析対象物と結合する試薬部領域を表面に有する磁性粒子
が存在する回転部材を用い、少なくとも試料液を含む液
体に対して、試料液を回転部材上に供給して回転部材の
回転数を制御し、磁性粒子の表面の変化を光学的に検出
することにより分析対象物の分析を行う。
析対象物と結合する試薬部領域を表面に有する磁性粒子
が存在する回転部材を用い、少なくとも試料液を含む液
体に対して、試料液を回転部材上に供給して回転部材の
回転数を制御し、磁性粒子の表面の変化を光学的に検出
することにより分析対象物の分析を行う。
【0010】
【実施例】図1は本発明に係る分析方法の原理的説明図
である。図1(a)に示すように、円盤形状の回転基板1
の上面に分析対象物と結合する試薬部領域2が設けられ
ている。回転基板1の下面の回転軸3とモータ4の回転
軸5は接合部6で連結されている。試料液、標識試薬液
等の液体Sは、ディスペンサ7によって回転基板1の試
薬部領域2に必要量滴下される。この液体Sの滴下の
量、時期及びモータ4の回転速度、回転時間は図示しな
いコントローラによって制御されている。そして、図1
(b)に示すように光源8により試薬部領域2に光を照射
し、光検出器9により試薬部領域2からの蛍光等を検出
する。
である。図1(a)に示すように、円盤形状の回転基板1
の上面に分析対象物と結合する試薬部領域2が設けられ
ている。回転基板1の下面の回転軸3とモータ4の回転
軸5は接合部6で連結されている。試料液、標識試薬液
等の液体Sは、ディスペンサ7によって回転基板1の試
薬部領域2に必要量滴下される。この液体Sの滴下の
量、時期及びモータ4の回転速度、回転時間は図示しな
いコントローラによって制御されている。そして、図1
(b)に示すように光源8により試薬部領域2に光を照射
し、光検出器9により試薬部領域2からの蛍光等を検出
する。
【0011】回転基板1の材質としては、ガラス、合成
樹脂材、金属等の従来から公知の素材及びこれらの複合
材料等を用いることができるが、回転基板1を試薬部領
域2の種類に応じて接合部6で交換する場合に、軽量で
低コストで生産できる合成樹脂材料が好ましい。試薬部
領域2は分析対象物と結合する試薬から成り、この試薬
は回転基板1の上面に直接存在していてもよいし、一
度、フィルム、ガラスやポリマの微粒子等の中間媒体に
担持させた後に、これらを回転基板1上に配置してもよ
い。これらの試薬と回転基板1や中間媒体との結合は、
物理的な吸着或いは化学結合基を導入することにより、
共有結合の化学的結合の何れでも可能である。また、試
薬部領域2には水系の液体Sが滴下されるので、回転基
板1及び中間媒体は親水性を有するとが好ましい。
樹脂材、金属等の従来から公知の素材及びこれらの複合
材料等を用いることができるが、回転基板1を試薬部領
域2の種類に応じて接合部6で交換する場合に、軽量で
低コストで生産できる合成樹脂材料が好ましい。試薬部
領域2は分析対象物と結合する試薬から成り、この試薬
は回転基板1の上面に直接存在していてもよいし、一
度、フィルム、ガラスやポリマの微粒子等の中間媒体に
担持させた後に、これらを回転基板1上に配置してもよ
い。これらの試薬と回転基板1や中間媒体との結合は、
物理的な吸着或いは化学結合基を導入することにより、
共有結合の化学的結合の何れでも可能である。また、試
薬部領域2には水系の液体Sが滴下されるので、回転基
板1及び中間媒体は親水性を有するとが好ましい。
【0012】本発明において、試薬部領域2の試薬とし
ては、試薬液中の分析対象物に対して特異的な結合を示
すものが好ましい。例えば、核酸、DNA、RNA抗体
等が挙げられる。特に、IgG、IgM、IgE等の免
疫グロブリン:補体、CRP、フエリチン、α1マイク
ログロブリン、β2マイクログロブリン等の血漿蛋白及
びそれらの抗体:α−フエトプロテイン、癌胎児性抗原
(CEA)、前立腺性酸性ホスフアターゼ(PAP)、
CA−19−9、CA−125等の腫瘍マーカ及びそれ
らの抗体:黄体化ホルモン(LH)、卵胞刺激ホルモン
(FSH)、ヒト繊毛性ゴナドトロピン(hCG)、エ
ストロゲン、インスリン等のホルモン類及びそれらの抗
体:HBV関連抗原(HBs、HBe、HBc)、HI
V、ATL等ウイルス感染関連物質及びそれらの抗体:
ジフテリア菌、ボツリヌス菌、マイコプラズマ、梅毒ト
レポネーマ等のバクテリア類及びそれらの抗体:トキソ
プラズマ、トリコモナ・スリーシユマニア、トリパノゾ
ーマ、マラリア原虫等の原虫類及びそれらの抗体:フエ
ニトイン、フエノバルビタール等の抗てんかん薬、キニ
ジン、ジゴキシニン等の心血管薬、テオフイリン等の抗
喘息薬、クロラムフエニコール、ゲンタマイシン等の抗
生物質等の薬物類及びそれらの抗体:その他酵素、菌体
外毒素及びそれらの抗体等があり、検体中の被測定物質
と抗原−抗体反応等、生物学的特異性を起こす物質が、
検体の種類に応じて適宜選択されて使用される。
ては、試薬液中の分析対象物に対して特異的な結合を示
すものが好ましい。例えば、核酸、DNA、RNA抗体
等が挙げられる。特に、IgG、IgM、IgE等の免
疫グロブリン:補体、CRP、フエリチン、α1マイク
ログロブリン、β2マイクログロブリン等の血漿蛋白及
びそれらの抗体:α−フエトプロテイン、癌胎児性抗原
(CEA)、前立腺性酸性ホスフアターゼ(PAP)、
CA−19−9、CA−125等の腫瘍マーカ及びそれ
らの抗体:黄体化ホルモン(LH)、卵胞刺激ホルモン
(FSH)、ヒト繊毛性ゴナドトロピン(hCG)、エ
ストロゲン、インスリン等のホルモン類及びそれらの抗
体:HBV関連抗原(HBs、HBe、HBc)、HI
V、ATL等ウイルス感染関連物質及びそれらの抗体:
ジフテリア菌、ボツリヌス菌、マイコプラズマ、梅毒ト
レポネーマ等のバクテリア類及びそれらの抗体:トキソ
プラズマ、トリコモナ・スリーシユマニア、トリパノゾ
ーマ、マラリア原虫等の原虫類及びそれらの抗体:フエ
ニトイン、フエノバルビタール等の抗てんかん薬、キニ
ジン、ジゴキシニン等の心血管薬、テオフイリン等の抗
喘息薬、クロラムフエニコール、ゲンタマイシン等の抗
生物質等の薬物類及びそれらの抗体:その他酵素、菌体
外毒素及びそれらの抗体等があり、検体中の被測定物質
と抗原−抗体反応等、生物学的特異性を起こす物質が、
検体の種類に応じて適宜選択されて使用される。
【0013】ディスペンサ7は回転基板1上に滴下され
る試料液、標識試薬液、洗浄液等の種類に応じて使い分
けられている。必要に応じて、先端部のディスペンサチ
ップは使い捨てのピペットであってもよい。光源8はキ
セノンランプ、ハロゲンランプ、ダングステンランプ、
LED等のノンコヒーレントな光源や、レーザー光のよ
うなコヒーレントな光源でもよい。光検出器9には、フ
ォトマル、フォトダイオード、フォトセル等を用いるこ
とができる。
る試料液、標識試薬液、洗浄液等の種類に応じて使い分
けられている。必要に応じて、先端部のディスペンサチ
ップは使い捨てのピペットであってもよい。光源8はキ
セノンランプ、ハロゲンランプ、ダングステンランプ、
LED等のノンコヒーレントな光源や、レーザー光のよ
うなコヒーレントな光源でもよい。光検出器9には、フ
ォトマル、フォトダイオード、フォトセル等を用いるこ
とができる。
【0014】回転基板1を好ましくは100rpm以下
の低速で回転させた状態で、ディスペンサ7によって試
料液を滴下し、回転基板1上の試薬部領域2の全面が試
料液で浸されるようにする。次に、回転基板1を静止さ
せて一定時間保ち、試料液中の分析対象物と試薬部領域
2の試薬とを結合させる。この際に、回転基板1の温度
を制御し、結合反応を促進させることも可能である。望
ましい温度としては、結合反応の種類により異なるが、
5℃〜100℃、更に好ましくは20℃〜60℃であ
る。一般に、結合反応に要する時間は、使用する試薬部
領域2の試薬、分析対象物、pH、温度等により異な
り、例えば免疫反応の場合は数分程度、DNAのハイブ
リダイゼーションの場合は数時間程度である。従って、
結合に要する時間ができるだけ短くなるように、これら
の条件を選択することが好ましい。
の低速で回転させた状態で、ディスペンサ7によって試
料液を滴下し、回転基板1上の試薬部領域2の全面が試
料液で浸されるようにする。次に、回転基板1を静止さ
せて一定時間保ち、試料液中の分析対象物と試薬部領域
2の試薬とを結合させる。この際に、回転基板1の温度
を制御し、結合反応を促進させることも可能である。望
ましい温度としては、結合反応の種類により異なるが、
5℃〜100℃、更に好ましくは20℃〜60℃であ
る。一般に、結合反応に要する時間は、使用する試薬部
領域2の試薬、分析対象物、pH、温度等により異な
り、例えば免疫反応の場合は数分程度、DNAのハイブ
リダイゼーションの場合は数時間程度である。従って、
結合に要する時間ができるだけ短くなるように、これら
の条件を選択することが好ましい。
【0015】続いて、回転基板1を高速で回転し、試薬
部領域2上の余剰の試料液を遠心力で飛散させ除去す
る。次に、再度回転基板1を停止させた状態で分析対象
物と結合し、蛍光色素により標識された試薬液をディス
ペンサ7により回転基板1上に滴下し、前述の試料液と
同様に結合反応、除去を繰り返す。同様に、ディスペン
サ7により水を回転基板1上に滴下し、余剰の試料液、
試薬液を除去する。水による洗浄の工程は、必要に応じ
て複数回繰り返してもよい。
部領域2上の余剰の試料液を遠心力で飛散させ除去す
る。次に、再度回転基板1を停止させた状態で分析対象
物と結合し、蛍光色素により標識された試薬液をディス
ペンサ7により回転基板1上に滴下し、前述の試料液と
同様に結合反応、除去を繰り返す。同様に、ディスペン
サ7により水を回転基板1上に滴下し、余剰の試料液、
試薬液を除去する。水による洗浄の工程は、必要に応じ
て複数回繰り返してもよい。
【0016】以上の結果、試料液中に分析対象物が存在
すれば、回転基板1上の試薬部領域2に分析対象物を介
して、標識試薬が結合した複合体が得られる。得られた
複合体の存在は、光源8及び光検出器9によって標識試
薬からの蛍光の有無によって検出することができる。更
に、分析対象物の濃度が既知である標準試料液により蛍
光強度の検量線を求めておけば、未知試料液中の分析対
象物の定量も可能である。
すれば、回転基板1上の試薬部領域2に分析対象物を介
して、標識試薬が結合した複合体が得られる。得られた
複合体の存在は、光源8及び光検出器9によって標識試
薬からの蛍光の有無によって検出することができる。更
に、分析対象物の濃度が既知である標準試料液により蛍
光強度の検量線を求めておけば、未知試料液中の分析対
象物の定量も可能である。
【0017】図2は本発明の前提となる第1の例の分析
装置の回転基板1の構成図である。直径20mm、ポリ
スチレン製の回転基板1の片面は平板状であり、この上
面に分析対象物と結合する試薬部領域2として、ヒトC
RP抗体(IgG分画)が設けられている。一方、回転
基板1の他方の面は回転軸3を有し、この回転軸3にモ
ータ4の回転軸5を挿入することにより、モータ4と結
合されている。
装置の回転基板1の構成図である。直径20mm、ポリ
スチレン製の回転基板1の片面は平板状であり、この上
面に分析対象物と結合する試薬部領域2として、ヒトC
RP抗体(IgG分画)が設けられている。一方、回転
基板1の他方の面は回転軸3を有し、この回転軸3にモ
ータ4の回転軸5を挿入することにより、モータ4と結
合されている。
【0018】図3はこの第1の実施例を使用した分析装
置の構成図を示し、モータ4は回転基板1が接合されて
いる部分以外は遮蔽板10によって覆われている。ま
た、回転基板1及び遮蔽に覆われているモータ4自体も
遮蔽板11により覆われ、遮蔽板11内は空調からの一
定温度の空気がファン12によって供給され、温度セン
サ13からの信号で空調からの空気の温度や供給量を制
御することにより、所望の温度とすることができるよう
にされている。一方、遮蔽板11の回転基板1の上方に
当る部分には開放部が設けられ、この開放部はシャッタ
14によって開閉可能となっている。また、遮蔽板11
の最下部には排水口15が設けられている。
置の構成図を示し、モータ4は回転基板1が接合されて
いる部分以外は遮蔽板10によって覆われている。ま
た、回転基板1及び遮蔽に覆われているモータ4自体も
遮蔽板11により覆われ、遮蔽板11内は空調からの一
定温度の空気がファン12によって供給され、温度セン
サ13からの信号で空調からの空気の温度や供給量を制
御することにより、所望の温度とすることができるよう
にされている。一方、遮蔽板11の回転基板1の上方に
当る部分には開放部が設けられ、この開放部はシャッタ
14によって開閉可能となっている。また、遮蔽板11
の最下部には排水口15が設けられている。
【0019】図4は分析対象物を含む試料液や標識試薬
液、洗浄液を回転基板1上に滴下する場合の説明図であ
る。ディスペンサ7の先端部は着脱可能な合成樹脂成形
体のディスペンサチップ16から成り、液体の吸引、排
出を行い、液体の種類に応じてディスペンサチップ16
を交換することにより、複数の液体間のコンタミネーシ
ョンをなくしている。また、ディスペンサ7は回転基板
1の上方部と、滴下される液体が存在する容器17の間
を移動することができる。
液、洗浄液を回転基板1上に滴下する場合の説明図であ
る。ディスペンサ7の先端部は着脱可能な合成樹脂成形
体のディスペンサチップ16から成り、液体の吸引、排
出を行い、液体の種類に応じてディスペンサチップ16
を交換することにより、複数の液体間のコンタミネーシ
ョンをなくしている。また、ディスペンサ7は回転基板
1の上方部と、滴下される液体が存在する容器17の間
を移動することができる。
【0020】図5は回転基板1上の試薬部領域2の蛍光
強度を測定する場合の説明図である。2本の光ファイバ
18、19は保持材20によって45°の角度で保持さ
れており、保持材20は回転基板1の試薬部領域2上に
移動自在に設置されている。光ファイバ18にはAr+
レーザー光(波長488nm)が導かれ、試薬部領域2
上に照射される。試薬部領域2からの蛍光及びレーザー
光の散乱光は、光ファイバ19によって受光され、レー
ザー光の散乱光を除去するフィルタを通し、蛍光のみと
した後に図示しない光電子増倍管に入射し検出される。
強度を測定する場合の説明図である。2本の光ファイバ
18、19は保持材20によって45°の角度で保持さ
れており、保持材20は回転基板1の試薬部領域2上に
移動自在に設置されている。光ファイバ18にはAr+
レーザー光(波長488nm)が導かれ、試薬部領域2
上に照射される。試薬部領域2からの蛍光及びレーザー
光の散乱光は、光ファイバ19によって受光され、レー
ザー光の散乱光を除去するフィルタを通し、蛍光のみと
した後に図示しない光電子増倍管に入射し検出される。
【0021】回転基板1には予め試薬部領域中の試薬と
して、ヒトCRP抗体(IgG分画)を物理的に吸着さ
れたものを作成し、回転基板1をモータ4の回転軸5上
にセットする。次に、モータ4の回転数を20rpmと
し、ディスペンサ7によって分析対象物を含む試料液を
1mリットル滴下し、滴下後にモータ4の回転を停止し
て、ディスペンサ7を回転基板1の上方から移動した後
に、シャッタ14を閉じ、回転基板1の周囲の温度を3
7℃に保持し20分間放置する。次に、モータ4の回転
数を500rpmとして30秒間回転させ、回転基板1
上の余剰の試料液を飛散させる。飛散した試料液は遮蔽
板11によって受け止められ、排水口15を通り外部に
排出される。
して、ヒトCRP抗体(IgG分画)を物理的に吸着さ
れたものを作成し、回転基板1をモータ4の回転軸5上
にセットする。次に、モータ4の回転数を20rpmと
し、ディスペンサ7によって分析対象物を含む試料液を
1mリットル滴下し、滴下後にモータ4の回転を停止し
て、ディスペンサ7を回転基板1の上方から移動した後
に、シャッタ14を閉じ、回転基板1の周囲の温度を3
7℃に保持し20分間放置する。次に、モータ4の回転
数を500rpmとして30秒間回転させ、回転基板1
上の余剰の試料液を飛散させる。飛散した試料液は遮蔽
板11によって受け止められ、排水口15を通り外部に
排出される。
【0022】次に、モータ4の回転数を20rpmとし
て、ディスペンサ7によって蛍光標識試薬、FITC標
識ヒトCRP抗体(IgG分画)が0.2mg/mリッ
トルの濃度になるように、pH7.2のリン酸塩緩衡液
一生理食塩水(以下PBSと云う)に溶解した試薬1m
リットルを、試料液と同様に滴下〜除去までの工程を繰
り返し行う。次に、モータ4の回転数を20rpmと
し、洗浄液(PBS)を5mリットル滴下し、更にモー
タ4の回転数を500rpmに上昇させて、洗浄液を回
転基板1上から飛散させる。洗浄液を用いたこの工程を
3度繰り返し洗浄を行い、最後に光ファイバ18、19
から成る光検出部を回転基板1上の試薬部領域に移動
し、Ar+レーザー光を照射したところ試薬部領域2か
らの蛍光が得られた。
て、ディスペンサ7によって蛍光標識試薬、FITC標
識ヒトCRP抗体(IgG分画)が0.2mg/mリッ
トルの濃度になるように、pH7.2のリン酸塩緩衡液
一生理食塩水(以下PBSと云う)に溶解した試薬1m
リットルを、試料液と同様に滴下〜除去までの工程を繰
り返し行う。次に、モータ4の回転数を20rpmと
し、洗浄液(PBS)を5mリットル滴下し、更にモー
タ4の回転数を500rpmに上昇させて、洗浄液を回
転基板1上から飛散させる。洗浄液を用いたこの工程を
3度繰り返し洗浄を行い、最後に光ファイバ18、19
から成る光検出部を回転基板1上の試薬部領域に移動
し、Ar+レーザー光を照射したところ試薬部領域2か
らの蛍光が得られた。
【0023】図6は本発明の前提となる第2の例におけ
る回転基板が載るステンレス製のステージ25の構成図
である。図6(a)はステージ25を上から見た構成図で
あり、中央部に凸嵌め合い26が形成されている。ま
た、周辺部には出入が可能なピン27が形成されてい
る。一方、図6(b)はステージ25を横から見た構成図
であり、ステージ25中には加熱ヒータ28が内蔵さ
れ、取り出しローラ電極29により、外部から電力が供
給される。また、ステージ25の温度は温度センサ13
により検出され、この値によりヒータ28の供給電力を
制御することで、ステージ25の温度を制御することが
できる。
る回転基板が載るステンレス製のステージ25の構成図
である。図6(a)はステージ25を上から見た構成図で
あり、中央部に凸嵌め合い26が形成されている。ま
た、周辺部には出入が可能なピン27が形成されてい
る。一方、図6(b)はステージ25を横から見た構成図
であり、ステージ25中には加熱ヒータ28が内蔵さ
れ、取り出しローラ電極29により、外部から電力が供
給される。また、ステージ25の温度は温度センサ13
により検出され、この値によりヒータ28の供給電力を
制御することで、ステージ25の温度を制御することが
できる。
【0024】図7は第2の例の分析装置のガラス製の回
転基板31の構成図である。図7(a)はステージ25に
載る時のガラス製の回転基板31を横から見た構成図で
あり、回転基板31の上部には試薬部領域2が形成さ
れ、側面にはピン用切り溝32が形成され、底面には凹
嵌め合い33が形成されている。図7(b)は回転基板3
1がステージ25上に載置した場合の構成図であり、ピ
ン27と嵌め合い26、33の支えにより、ステージ2
5の回転に応じて、回転基板31も回転する。また、ス
テージ25からの熱伝導により、回転基板31を加熱す
ることができる。
転基板31の構成図である。図7(a)はステージ25に
載る時のガラス製の回転基板31を横から見た構成図で
あり、回転基板31の上部には試薬部領域2が形成さ
れ、側面にはピン用切り溝32が形成され、底面には凹
嵌め合い33が形成されている。図7(b)は回転基板3
1がステージ25上に載置した場合の構成図であり、ピ
ン27と嵌め合い26、33の支えにより、ステージ2
5の回転に応じて、回転基板31も回転する。また、ス
テージ25からの熱伝導により、回転基板31を加熱す
ることができる。
【0025】図8は回転基板31を用いた場合の説明図
であり、回転基板31及びステージ25を回転基板1の
代りに用いた以外は第1の例と同様の装置である。
であり、回転基板31及びステージ25を回転基板1の
代りに用いた以外は第1の例と同様の装置である。
【0026】この分析装置を用いて、β2−マイクログ
ロブリンの分析を行う場合には、回転基板31上の試薬
部領域2としてヒトβ2−マイクログロブリン抗体を固
定化したものを用いる。回転基板31をステージ25上
にセットした後に、回転基板31の回転数を20rpm
にし、デイスペンサ7により分析対象物を含む試料液を
1mリットル滴下してモータ4を停止する。温度センサ
13を基に、ステージ25の温度を37℃にして10分
間保持する。
ロブリンの分析を行う場合には、回転基板31上の試薬
部領域2としてヒトβ2−マイクログロブリン抗体を固
定化したものを用いる。回転基板31をステージ25上
にセットした後に、回転基板31の回転数を20rpm
にし、デイスペンサ7により分析対象物を含む試料液を
1mリットル滴下してモータ4を停止する。温度センサ
13を基に、ステージ25の温度を37℃にして10分
間保持する。
【0027】次に、回転基板31の回転数を500rp
mとし1分間回転させ、回転基板31上の試料液を周辺
に飛散させて除去する。続いて、第1の例と同様にPB
Sによる洗浄を1回行う。続いて、回転基板31の回転
数を20rpm、アルカリ性ホスファターゼを酵素標識
したヒトβ2−マイクログロブリン抗体(ボリクローナ
ル抗体IgG分画)1mリットル(濃度0.2mg/m
リットル)を滴下して、回転基板31を停止し37℃で
15分間保持する。
mとし1分間回転させ、回転基板31上の試料液を周辺
に飛散させて除去する。続いて、第1の例と同様にPB
Sによる洗浄を1回行う。続いて、回転基板31の回転
数を20rpm、アルカリ性ホスファターゼを酵素標識
したヒトβ2−マイクログロブリン抗体(ボリクローナ
ル抗体IgG分画)1mリットル(濃度0.2mg/m
リットル)を滴下して、回転基板31を停止し37℃で
15分間保持する。
【0028】更に、第1の例と同様にPBSで洗浄を2
回行う。洗浄後に回転基板31の回転数を20rpmに
し、4−メチルウンベリフェリルりん酸(4−MUP)
を含有する基質液1mリットルを滴下する。回転基板3
1を停止した後に、生成する4−メチルウンベリフェロ
ン(4−MU)の量を第1の例と同様に、光ファイバ1
8、19から成る光学的検知手段を用いて測定したとこ
ろ、試薬部領域2から蛍光が得られた。
回行う。洗浄後に回転基板31の回転数を20rpmに
し、4−メチルウンベリフェリルりん酸(4−MUP)
を含有する基質液1mリットルを滴下する。回転基板3
1を停止した後に、生成する4−メチルウンベリフェロ
ン(4−MU)の量を第1の例と同様に、光ファイバ1
8、19から成る光学的検知手段を用いて測定したとこ
ろ、試薬部領域2から蛍光が得られた。
【0029】図9は本発明の前提となる第3の例の回転
容器の構成図である。凹面形状を有する回転容器35の
上面に分析対象物と結合する試薬部領域2が設けられ、
回転容器35の下面の回転軸3とモータ4の回転軸5は
接合部6で連結されている。また、ディスペンサ7によ
って試料液、標識試薬液等の液体Sは回転容器35の試
薬部領域2に必要量滴下される。液体Sの滴下の量、時
期及びモータ4の回転速度、回転時間は図示しないコン
トローラによって制御され、この場合に回転基板1の代
りに回転容器35を使用した他は第1の例と同様にして
実験を行ったところ、試薬部領域2から蛍光が得られ
た。
容器の構成図である。凹面形状を有する回転容器35の
上面に分析対象物と結合する試薬部領域2が設けられ、
回転容器35の下面の回転軸3とモータ4の回転軸5は
接合部6で連結されている。また、ディスペンサ7によ
って試料液、標識試薬液等の液体Sは回転容器35の試
薬部領域2に必要量滴下される。液体Sの滴下の量、時
期及びモータ4の回転速度、回転時間は図示しないコン
トローラによって制御され、この場合に回転基板1の代
りに回転容器35を使用した他は第1の例と同様にして
実験を行ったところ、試薬部領域2から蛍光が得られ
た。
【0030】回転容器35の材質としては、第1の例の
回転基板1と同様に、ガラス、合成樹脂材、金属等の公
知の素材、及びこれらの複合材料等を用いることができ
るが、回転容器35を試薬部領域2の種類に応じて接合
部6で交換する場合を考慮すると、軽量で低コストで生
産できる合成樹脂材料が好ましい。回転容器35の形状
は図10(a)、(b)に示すように、(1)液体Sを保持可能
な凹部を有し、(2)回転により回転容器35外へ液体S
の飛散が可能であれば、特に制限されることはない。
回転基板1と同様に、ガラス、合成樹脂材、金属等の公
知の素材、及びこれらの複合材料等を用いることができ
るが、回転容器35を試薬部領域2の種類に応じて接合
部6で交換する場合を考慮すると、軽量で低コストで生
産できる合成樹脂材料が好ましい。回転容器35の形状
は図10(a)、(b)に示すように、(1)液体Sを保持可能
な凹部を有し、(2)回転により回転容器35外へ液体S
の飛散が可能であれば、特に制限されることはない。
【0031】従って、回転容器35は図11(a)に示す
ような極めて平板に近い形状、又は図11(b)に示すよ
うに漏斗状のものまで使用可能である。また、回転容器
35の内部の凹部は球面、円錐面等の種々の形状が可能
で、回転容器35の回転軸5に対称でもよいし、非対称
でもよい。
ような極めて平板に近い形状、又は図11(b)に示すよ
うに漏斗状のものまで使用可能である。また、回転容器
35の内部の凹部は球面、円錐面等の種々の形状が可能
で、回転容器35の回転軸5に対称でもよいし、非対称
でもよい。
【0032】第1、第2の例のように、平板状の回転基
板1、31上に液体を供給しても撹拌が十分に行われ
ず、結合反応や洗浄に時間が掛かったり、十分な分析が
できない場合があったが、第3の例では回転基板の代り
に回転容器35を用いることにより、撹拌を十分に行う
ことができる。
板1、31上に液体を供給しても撹拌が十分に行われ
ず、結合反応や洗浄に時間が掛かったり、十分な分析が
できない場合があったが、第3の例では回転基板の代り
に回転容器35を用いることにより、撹拌を十分に行う
ことができる。
【0033】図12は本発明の前提となる第4の例の回
転基板の構成図である。円盤状の回転基板40の上面の
試薬部領域2は回転軸3を中心とする6つの扇形の領域
に分割され、それぞれに異なる分析対象物と結合する6
種の試薬が存在し、複数の領域2A〜2Fが形成されて
いる。また、領域2Aの弧の一部に設けられた切り込み
41は、後述する光学検出の位置決定に使用される。
転基板の構成図である。円盤状の回転基板40の上面の
試薬部領域2は回転軸3を中心とする6つの扇形の領域
に分割され、それぞれに異なる分析対象物と結合する6
種の試薬が存在し、複数の領域2A〜2Fが形成されて
いる。また、領域2Aの弧の一部に設けられた切り込み
41は、後述する光学検出の位置決定に使用される。
【0034】図13(a)に示すように、回転基板40の
下面の回転軸3とステッピングモータ42の回転軸3は
接合部6で連結されており、ディスペンサ7によって試
料液、標識試薬液等の液体Sは、回転基板40の試薬部
領域2上に必要量滴下することができる。液体Sの滴下
の量、時期及びステッピングモータ42の回転数、回転
時間は、図示しないコントローラによって制御される。
下面の回転軸3とステッピングモータ42の回転軸3は
接合部6で連結されており、ディスペンサ7によって試
料液、標識試薬液等の液体Sは、回転基板40の試薬部
領域2上に必要量滴下することができる。液体Sの滴下
の量、時期及びステッピングモータ42の回転数、回転
時間は、図示しないコントローラによって制御される。
【0035】図13(b)において、光源8により1つの
領域にのみ光を照射し、光検出器9により、この試薬部
領域2の領域からの蛍光等を検出することができる。光
束が照射される試薬部領域2の選択は、反射型光電セン
サ43が回転基板40の周端に設けられた切り込み41
を検出し、その位置を基準としてステッピングモータ4
2によって任意の角度に回転基板40を回転させて行
う。
領域にのみ光を照射し、光検出器9により、この試薬部
領域2の領域からの蛍光等を検出することができる。光
束が照射される試薬部領域2の選択は、反射型光電セン
サ43が回転基板40の周端に設けられた切り込み41
を検出し、その位置を基準としてステッピングモータ4
2によって任意の角度に回転基板40を回転させて行
う。
【0036】回転基板40の上面の試薬部領域2の分割
の方法には種々の方法があり、例えば前述した扇形のセ
クタ状に分割する方法の他に、図14に示すように回転
軸を中心とした同心円状に分割する方法、又は図15に
示すようにセクタ状と同心円状を併用した方法も考えら
れる。また、光学的検出手段としては、試薬部領域2か
らの蛍光、化学発光等の発光、吸光度、散乱強度等が挙
げられる。
の方法には種々の方法があり、例えば前述した扇形のセ
クタ状に分割する方法の他に、図14に示すように回転
軸を中心とした同心円状に分割する方法、又は図15に
示すようにセクタ状と同心円状を併用した方法も考えら
れる。また、光学的検出手段としては、試薬部領域2か
らの蛍光、化学発光等の発光、吸光度、散乱強度等が挙
げられる。
【0037】また、回転基板40上で光学的な検出を行
う試薬部領域2を選択する方法は、回転基板40の上面
の試薬部領域2がどのように分割配置されているかに依
存する。セクタ状の場合には、前述したような基準位置
からの回転基板40の回転角を検知する方法が挙げら
れ、一方、同心円状の場合は図16に示すように、回転
軸3から光学的に検出される領域までの距離rを検知す
る方法が挙げられる。
う試薬部領域2を選択する方法は、回転基板40の上面
の試薬部領域2がどのように分割配置されているかに依
存する。セクタ状の場合には、前述したような基準位置
からの回転基板40の回転角を検知する方法が挙げら
れ、一方、同心円状の場合は図16に示すように、回転
軸3から光学的に検出される領域までの距離rを検知す
る方法が挙げられる。
【0038】回転基板として、図17に示すように直径
20mmのポリスチレン製の回転基板40の上面をマス
ク材により順次に覆い、試薬部領域2のセクタ状の領域
2a〜2cにそれぞれ以下の3種類の抗体を物理的に吸
着させ実験を行った。
20mmのポリスチレン製の回転基板40の上面をマス
ク材により順次に覆い、試薬部領域2のセクタ状の領域
2a〜2cにそれぞれ以下の3種類の抗体を物理的に吸
着させ実験を行った。
【0039】領域2a・・・ヒトCRP抗体(IgG分
画) 領域2b・・・ヒトβ2 −マウクログロブリン抗体
(IgG分画) 領域2c・・・ヒトα−フェトプロテイン抗体(IgG
分画)
画) 領域2b・・・ヒトβ2 −マウクログロブリン抗体
(IgG分画) 領域2c・・・ヒトα−フェトプロテイン抗体(IgG
分画)
【0040】3種の抗体のそれぞれの蛍光標識試薬とし
て、FITC標識ヒトCRP抗体(IgG分画)、FI
TC標識ヒトβ2 −マウクログロブリン抗体(IgG
分画)、FITC標識ヒトα−フェトプロテイン抗体
(IgG分画)が、それぞれ0.2mg/mリットルの
濃度になるように、pH7.2のPBSに溶解させた混
合液を用いた他は、第1の例と同様の実験を行い、最後
に回転基板40を回転させ、図13に示すように反射型
光電センサ43からの信号により回転基板40を停止
し、試薬部領域2aからの蛍光強度を検出した。次に、
ステッピングモータ42を制御して回転基板40を反時
計方向に120°回転させ、領域2bから蛍光強度を、
更に120°回転させて領域2cから蛍光強度を検出し
た。
て、FITC標識ヒトCRP抗体(IgG分画)、FI
TC標識ヒトβ2 −マウクログロブリン抗体(IgG
分画)、FITC標識ヒトα−フェトプロテイン抗体
(IgG分画)が、それぞれ0.2mg/mリットルの
濃度になるように、pH7.2のPBSに溶解させた混
合液を用いた他は、第1の例と同様の実験を行い、最後
に回転基板40を回転させ、図13に示すように反射型
光電センサ43からの信号により回転基板40を停止
し、試薬部領域2aからの蛍光強度を検出した。次に、
ステッピングモータ42を制御して回転基板40を反時
計方向に120°回転させ、領域2bから蛍光強度を、
更に120°回転させて領域2cから蛍光強度を検出し
た。
【0041】この第4の例のように、回転基板40上に
複数の試薬部領域2を設けることにより、1個の回転基
板40で複数の検査項目の分析が可能となり、分析時間
の短縮及び装置の低コスト化、省力化が可能となる。
複数の試薬部領域2を設けることにより、1個の回転基
板40で複数の検査項目の分析が可能となり、分析時間
の短縮及び装置の低コスト化、省力化が可能となる。
【0042】図18は本発明の前提となる第5の例の回
転セル45の構成図である。上部に開放部を有する円筒
状の筐体46の開放部の下には、分析対象物と結合する
試薬部領域2が設けられている。また、試薬部領域2の
周りには障壁47が回転中心から同心円状に形成されて
いる。また、回転セル47の下面の回転軸3と図示しな
いモータ4の回転軸5は接合部6で連結されている。
転セル45の構成図である。上部に開放部を有する円筒
状の筐体46の開放部の下には、分析対象物と結合する
試薬部領域2が設けられている。また、試薬部領域2の
周りには障壁47が回転中心から同心円状に形成されて
いる。また、回転セル47の下面の回転軸3と図示しな
いモータ4の回転軸5は接合部6で連結されている。
【0043】図19(a)に示すようにディスペンサ7に
よって、試料液、標識試薬液等の液体Sが試薬部領域2
に必要量滴下される。このとき、液体Sが障壁47内に
留まる程度に回転セル47を回転させれば、液体Sを撹
拌させることができる。図19(b)は回転セル47を回
転させ、遠心力により液体Sを障壁47からその外側に
移動させる様子を示している。また、図19(c)は光源
8により試薬部領域2に光を照射し、光検出器9により
試薬部領域2の吸光度や、試薬部領域2からの蛍光等の
発光を検出する場合の説明図である。
よって、試料液、標識試薬液等の液体Sが試薬部領域2
に必要量滴下される。このとき、液体Sが障壁47内に
留まる程度に回転セル47を回転させれば、液体Sを撹
拌させることができる。図19(b)は回転セル47を回
転させ、遠心力により液体Sを障壁47からその外側に
移動させる様子を示している。また、図19(c)は光源
8により試薬部領域2に光を照射し、光検出器9により
試薬部領域2の吸光度や、試薬部領域2からの蛍光等の
発光を検出する場合の説明図である。
【0044】回転セル47の材質としては、ガラス、合
成樹脂、金属等の従来から公知の素材、及びこれらの複
合材料を用いることができるが、回転セル47を試薬部
領域2の種類に応じて接合部6で交換する場合には、軽
量で低コストで生産できる合成樹脂材料が好ましい。
成樹脂、金属等の従来から公知の素材、及びこれらの複
合材料を用いることができるが、回転セル47を試薬部
領域2の種類に応じて接合部6で交換する場合には、軽
量で低コストで生産できる合成樹脂材料が好ましい。
【0045】回転セル45の形状は回転の遠心力により
液体Sの飛散が可能であれば特に限定されるものではな
く、平板状のものや凹部を有する容器状のものでもよ
く、例えば図20(a)〜(c)に示すようなものを使用する
こともできる。一方、障壁47の形状としては、図21
(a)のような形状よりも図21(b)、(c)のように回転中
心から外側に向かってスロープ状となっているもののほ
うが、飛散できずに障壁47内に残る液体Sの量が少な
いので好ましい。
液体Sの飛散が可能であれば特に限定されるものではな
く、平板状のものや凹部を有する容器状のものでもよ
く、例えば図20(a)〜(c)に示すようなものを使用する
こともできる。一方、障壁47の形状としては、図21
(a)のような形状よりも図21(b)、(c)のように回転中
心から外側に向かってスロープ状となっているもののほ
うが、飛散できずに障壁47内に残る液体Sの量が少な
いので好ましい。
【0046】本例では、回転セル45の周端部に筐体4
6の側面を設け、遠心力により飛散され、障壁47の領
域外に移された液体Sが回転セル45の外側に出ないよ
うにしている。このような回転セル45を用いることに
より、廃液の処理は分析終了後に回転セル45と共に廃
棄すればよく、分析装置内に特に廃液回収の構成を必要
としなくなる。また、障壁47の外側の領域には、必要
に応じて高分子吸収材を存在させることも可能である。
6の側面を設け、遠心力により飛散され、障壁47の領
域外に移された液体Sが回転セル45の外側に出ないよ
うにしている。このような回転セル45を用いることに
より、廃液の処理は分析終了後に回転セル45と共に廃
棄すればよく、分析装置内に特に廃液回収の構成を必要
としなくなる。また、障壁47の外側の領域には、必要
に応じて高分子吸収材を存在させることも可能である。
【0047】図22(a)は回転セル45を使用した場合
の側方から見た説明図であり、図22(b)は上方から見
た説明図である。回転セル47の下面には接合部6によ
ってモータ4が接合されており、回転セル47やモータ
4は遮蔽板11によって覆われ、遮蔽板11内は空調か
らの一定温度の空気がファン12によって供給され、温
度センサ13からの信号により空調からの空気の温度や
供給量を制御することによって、所望の温度とすること
ができるようになっている。一方、回転セル47の上方
に当る遮蔽板11の部分には開放部が設けられ、この開
放部はシャッタ14によって開閉可能となっている。ま
た、遮蔽板11には回転セル47に液体Sを供給する液
体供給手段と試薬部領域2からの蛍光やその吸光度を検
出する光検出手段が設けられている。
の側方から見た説明図であり、図22(b)は上方から見
た説明図である。回転セル47の下面には接合部6によ
ってモータ4が接合されており、回転セル47やモータ
4は遮蔽板11によって覆われ、遮蔽板11内は空調か
らの一定温度の空気がファン12によって供給され、温
度センサ13からの信号により空調からの空気の温度や
供給量を制御することによって、所望の温度とすること
ができるようになっている。一方、回転セル47の上方
に当る遮蔽板11の部分には開放部が設けられ、この開
放部はシャッタ14によって開閉可能となっている。ま
た、遮蔽板11には回転セル47に液体Sを供給する液
体供給手段と試薬部領域2からの蛍光やその吸光度を検
出する光検出手段が設けられている。
【0048】ここで、液体供給手段はディスペンサ用ア
ーム48と、その先端に取り付けられたディスペンサ7
とから成り、ディスペンサ7はディスペンサ用アーム4
8により回転セル47の中心と、図示しない洗浄液等の
液体容器間を移動する構成となっている。光検出手段は
2本の光ファイバ18、19と保持材20とから成り、
光ファイバ18、19は保持材20によって保持され、
回転セル47の試薬部領域2上に移動可能に設置されて
いる。光ファイバ18には光源8が接続され、Ar+レ
ーザー光が試薬部領域2上に照射される。試薬部領域2
からの蛍光及びレーザー散乱光は光ファイバ19によっ
て受光され、光検出器9に入射する。
ーム48と、その先端に取り付けられたディスペンサ7
とから成り、ディスペンサ7はディスペンサ用アーム4
8により回転セル47の中心と、図示しない洗浄液等の
液体容器間を移動する構成となっている。光検出手段は
2本の光ファイバ18、19と保持材20とから成り、
光ファイバ18、19は保持材20によって保持され、
回転セル47の試薬部領域2上に移動可能に設置されて
いる。光ファイバ18には光源8が接続され、Ar+レ
ーザー光が試薬部領域2上に照射される。試薬部領域2
からの蛍光及びレーザー散乱光は光ファイバ19によっ
て受光され、光検出器9に入射する。
【0049】ここで、回転セル47として図18と同様
の構成で、回転セル45の半径20mm、全体の厚さ1
5mm、また回転中心から半径5mmの円上に高さ5m
mの障壁47を設けたものを用い、試薬部領域2として
ヒトCRP抗体(IgG分画)を物理的に吸着させたも
のを用いて、次の実験を行った。
の構成で、回転セル45の半径20mm、全体の厚さ1
5mm、また回転中心から半径5mmの円上に高さ5m
mの障壁47を設けたものを用い、試薬部領域2として
ヒトCRP抗体(IgG分画)を物理的に吸着させたも
のを用いて、次の実験を行った。
【0050】即ち、回転セル47をセットした後に、回
転セル47を停止させた状態でディスペンサ7により、
試薬液0.5mリットルを試薬部領域2内に滴下する。
次に、シャッタ14を閉じ回転セル47を回転数20r
pm、温度37℃で20分間撹拌する。このとき、試薬
液は障壁47内に留まっているが、その後に回転数を1
000rpmとし、試料液を障壁47の領域内からその
外側の領域に飛散させる。
転セル47を停止させた状態でディスペンサ7により、
試薬液0.5mリットルを試薬部領域2内に滴下する。
次に、シャッタ14を閉じ回転セル47を回転数20r
pm、温度37℃で20分間撹拌する。このとき、試薬
液は障壁47内に留まっているが、その後に回転数を1
000rpmとし、試料液を障壁47の領域内からその
外側の領域に飛散させる。
【0051】続いて、回転セル47の回転を停止させた
後に、FITC標識ヒトCRP抗体(IgG分画)が
0.2mg/mリットルの濃度となるように、pH7.
2のPBSに溶解させた試薬液0.5mリットルを、試
料液と同様に滴下〜飛散までの工程を繰り返して行う。
次に、PBS0.5mリットルによる洗浄を同様に3度
繰り返して行う。最後に、回転セル45を停止して2本
の光ファイバ18、19を試薬部領域2上に移動させ、
Ar+レーザー光を照射し、その散乱光をフィルタでカ
ットした後に、検出器10で蛍光を検出した。
後に、FITC標識ヒトCRP抗体(IgG分画)が
0.2mg/mリットルの濃度となるように、pH7.
2のPBSに溶解させた試薬液0.5mリットルを、試
料液と同様に滴下〜飛散までの工程を繰り返して行う。
次に、PBS0.5mリットルによる洗浄を同様に3度
繰り返して行う。最後に、回転セル45を停止して2本
の光ファイバ18、19を試薬部領域2上に移動させ、
Ar+レーザー光を照射し、その散乱光をフィルタでカ
ットした後に、検出器10で蛍光を検出した。
【0052】この第5の例のように、回転セル45を用
いたことにより、分析により生ずる廃液の回収処理を容
易に行うことができ、また装置に廃液処理のための構成
が不要となるため装置構成が簡単となり、廃液による装
置の汚染、廃液からの水の蒸発による装置内の温度増加
による悪影響をなくすことができる。
いたことにより、分析により生ずる廃液の回収処理を容
易に行うことができ、また装置に廃液処理のための構成
が不要となるため装置構成が簡単となり、廃液による装
置の汚染、廃液からの水の蒸発による装置内の温度増加
による悪影響をなくすことができる。
【0053】図23は本発明に係る実施例の構成図であ
る。図9に示すような回転容器35の上面に、分析対象
物と結合する試薬を表面に有する磁性粒子51が載置さ
れており、この回転容器35の下面の回転軸3とモータ
4の回転軸5は接合部6で連結されている。ディスペン
サ7によって試料液、指標試薬液等の液体Sは、回転容
器35の磁性粒子51に必要量滴下される。液体Sの滴
下の量、時期及びモータ4の回転速度、回転時間は図示
しないコントローラによって制御される。また、回転容
器35の下面には電磁石52が設けられ、回転容器35
に磁界を印加することができ、磁性粒子51はこの磁界
により回転容器35上に保持されている。
る。図9に示すような回転容器35の上面に、分析対象
物と結合する試薬を表面に有する磁性粒子51が載置さ
れており、この回転容器35の下面の回転軸3とモータ
4の回転軸5は接合部6で連結されている。ディスペン
サ7によって試料液、指標試薬液等の液体Sは、回転容
器35の磁性粒子51に必要量滴下される。液体Sの滴
下の量、時期及びモータ4の回転速度、回転時間は図示
しないコントローラによって制御される。また、回転容
器35の下面には電磁石52が設けられ、回転容器35
に磁界を印加することができ、磁性粒子51はこの磁界
により回転容器35上に保持されている。
【0054】電磁石52により磁界を印加し、磁性粒子
51が回転容器35上に保持された状態で回転容器35
を回転させ、遠心力により液体Sのみを飛散させること
ができ、図24(a)はこの場合の回転容器35から液体
Sのみを除去する様子を示している。その後に図24
(b)に示すように、光源8によって磁性粒子51に光を
照射し、光検出器9により磁性粒子51からの蛍光等を
検出することができる。
51が回転容器35上に保持された状態で回転容器35
を回転させ、遠心力により液体Sのみを飛散させること
ができ、図24(a)はこの場合の回転容器35から液体
Sのみを除去する様子を示している。その後に図24
(b)に示すように、光源8によって磁性粒子51に光を
照射し、光検出器9により磁性粒子51からの蛍光等を
検出することができる。
【0055】回転容器35に磁界を印加する手段として
は、図23に示すように電磁石52を用い、磁界の有
無、強度を電磁石52に流す電流により制御することが
可能である。なお、永久磁石を使用して回転容器35と
の距離により磁界強度を制御することもできるが、装置
の構成上、電磁石52を用いたほうが有利である。ま
た、磁界を印加する領域は回転容器35の全面又は一部
でもよい。
は、図23に示すように電磁石52を用い、磁界の有
無、強度を電磁石52に流す電流により制御することが
可能である。なお、永久磁石を使用して回転容器35と
の距離により磁界強度を制御することもできるが、装置
の構成上、電磁石52を用いたほうが有利である。ま
た、磁界を印加する領域は回転容器35の全面又は一部
でもよい。
【0056】液体Sを磁性粒子51が存在する回転容器
35上に滴下した際に、磁界を印加しない状態で、液体
Sが回転容器35内に留まる程度に回転容器35を回転
させれば、磁性粒子51と液体Sとを十分に撹拌させる
ことができる。更に、図25に示すように電磁石52を
更に多数個配置し、磁界を与える時間を相互にずらすこ
とにより、磁性粒子51を回転容器35上で移動させる
こともできる。これにより、回転による撹拌と併用して
撹拌効率を高めることができる。
35上に滴下した際に、磁界を印加しない状態で、液体
Sが回転容器35内に留まる程度に回転容器35を回転
させれば、磁性粒子51と液体Sとを十分に撹拌させる
ことができる。更に、図25に示すように電磁石52を
更に多数個配置し、磁界を与える時間を相互にずらすこ
とにより、磁性粒子51を回転容器35上で移動させる
こともできる。これにより、回転による撹拌と併用して
撹拌効率を高めることができる。
【0057】回転容器35の材質としては、ガラス、合
成樹脂材、磁界に影響を与えないアルミニウム、銅等の
金属や、従来公知の素材、及びこれらの複合材料等を用
いることができる。特に、使用する磁性粒子51を回転
容器35中に予め存在させておき、分析対象物に応じて
回転容器35を着脱させる場合は、軽量で低コストで生
産できる合成樹脂材料が好ましい。一方、回転容器35
の形状は磁性粒子51、及び液体Sの保持が可能であ
り、しかも回転による遠心力で液体Sの飛散が可能な形
状であればどのような形状でもよく、図23に示したよ
うな凹面を有する形状でもよいし、或いは漏斗状でもよ
い。また、磁性粒子51、液体Sの保持量は少なくなる
が、平板状のものでもよい。
成樹脂材、磁界に影響を与えないアルミニウム、銅等の
金属や、従来公知の素材、及びこれらの複合材料等を用
いることができる。特に、使用する磁性粒子51を回転
容器35中に予め存在させておき、分析対象物に応じて
回転容器35を着脱させる場合は、軽量で低コストで生
産できる合成樹脂材料が好ましい。一方、回転容器35
の形状は磁性粒子51、及び液体Sの保持が可能であ
り、しかも回転による遠心力で液体Sの飛散が可能な形
状であればどのような形状でもよく、図23に示したよ
うな凹面を有する形状でもよいし、或いは漏斗状でもよ
い。また、磁性粒子51、液体Sの保持量は少なくなる
が、平板状のものでもよい。
【0058】なお磁性粒子51には、マグネタイト、フ
ェライト等の化合物磁性体、鉄、コバルト等の金属磁性
体の微粒子、又はこれらの磁性体と例えばスチレン等の
ポリマとの複合材から成る微粒子を用いることができ
る。磁性粒子51の大きさは、1mm〜0.1μm径、
好ましくは500μm〜0.2μm径である。この磁性
粒子51の表面には、分析対象物と結合する試薬が結合
されており、この結合は物理的な吸着、或いは磁性粒子
51の表面に化学結合基を導入することにより、共有結
合等の化学結合の何れでも可能である。また、磁性粒子
51の表面は、水系の液体が滴下されるので親水性であ
ることが好ましい。
ェライト等の化合物磁性体、鉄、コバルト等の金属磁性
体の微粒子、又はこれらの磁性体と例えばスチレン等の
ポリマとの複合材から成る微粒子を用いることができ
る。磁性粒子51の大きさは、1mm〜0.1μm径、
好ましくは500μm〜0.2μm径である。この磁性
粒子51の表面には、分析対象物と結合する試薬が結合
されており、この結合は物理的な吸着、或いは磁性粒子
51の表面に化学結合基を導入することにより、共有結
合等の化学結合の何れでも可能である。また、磁性粒子
51の表面は、水系の液体が滴下されるので親水性であ
ることが好ましい。
【0059】図26は使用状態の説明図である。回転容
器35、モータ4、電磁石52は遮蔽板11によって覆
われ、この中は空調からの一定温度の空気がファン12
によって供給され、温度センサ13からの信号で空調か
らの空気の温度や供給量を制御することにより、所望の
温度とされている。一方、磁性粒子51が存在する回転
容器35の上方に当る遮蔽板11の部分には開放部が設
けられ、シャッタ14によって開閉可能となっている。
また、遮蔽板11には回転容器35に液体Sを供給する
ディスペンサ7から成る液体供給手段と、磁性粒子51
からの蛍光やその吸光度を検出する光ファイバ18、1
9等から成る光検出手段が設けられている。また遮蔽板
11の最下部には排水口15が設けられている。
器35、モータ4、電磁石52は遮蔽板11によって覆
われ、この中は空調からの一定温度の空気がファン12
によって供給され、温度センサ13からの信号で空調か
らの空気の温度や供給量を制御することにより、所望の
温度とされている。一方、磁性粒子51が存在する回転
容器35の上方に当る遮蔽板11の部分には開放部が設
けられ、シャッタ14によって開閉可能となっている。
また、遮蔽板11には回転容器35に液体Sを供給する
ディスペンサ7から成る液体供給手段と、磁性粒子51
からの蛍光やその吸光度を検出する光ファイバ18、1
9等から成る光検出手段が設けられている。また遮蔽板
11の最下部には排水口15が設けられている。
【0060】回転容器35として半径45mmの球面状
の凹部を有し半径40mmのポリスチレン製回転容器を
用い、磁性粒子51として1μm径のマグネタイトを含
有するラテックス粒子の表面に、ヒトCRP抗体(Ig
G分画)を物理的に吸着させたものを用いて、次の実験
を行った。
の凹部を有し半径40mmのポリスチレン製回転容器を
用い、磁性粒子51として1μm径のマグネタイトを含
有するラテックス粒子の表面に、ヒトCRP抗体(Ig
G分画)を物理的に吸着させたものを用いて、次の実験
を行った。
【0061】即ち、磁性粒子51を200mg有する回
転容器35をモータ4の回転軸5上にセットした後に、
回転容器35を停止させた状態でディスペンサ7により
試料液1mリットルを滴下する。次に、分析装置のシャ
ッタ14を閉じた後に、回転容器35の回転数20rp
m、温度37℃で17分間撹拌させる。この時、試料液
は回転容器35内に留まっており、続いて電磁石52に
電流を流し、回転容器35に磁界を印加した状態で回転
容器35の回転数を2000rpmとし、試料液のみを
回転容器35上から飛散させる。飛散された試料液は排
水口15から外部に排出される。
転容器35をモータ4の回転軸5上にセットした後に、
回転容器35を停止させた状態でディスペンサ7により
試料液1mリットルを滴下する。次に、分析装置のシャ
ッタ14を閉じた後に、回転容器35の回転数20rp
m、温度37℃で17分間撹拌させる。この時、試料液
は回転容器35内に留まっており、続いて電磁石52に
電流を流し、回転容器35に磁界を印加した状態で回転
容器35の回転数を2000rpmとし、試料液のみを
回転容器35上から飛散させる。飛散された試料液は排
水口15から外部に排出される。
【0062】次に、回転容器35の回転を停止させた後
に、FITC標識ヒトCRP抗体(IgG分画)が0.
2mg/mリットルの濃度となるように、pH7.2の
PBSに溶解させた試薬液1mリットルを、試料液と同
様に滴下〜飛散までの工程を繰り返して行う。続いて、
1mリットルのPBSによる洗浄を同様に3度繰り返し
て行う。最後に、磁界を印加した状態で回転容器35を
停止させて光学検出手段の保持材20によって、2本の
光ファイバ18、19を磁界により保持された磁性粒子
51上に移動し、Ar+レーザー光を照射し、Ar+レー
ザー光の散乱光をフィルタでカットした後に、磁性粒子
51からの蛍光を検出した。
に、FITC標識ヒトCRP抗体(IgG分画)が0.
2mg/mリットルの濃度となるように、pH7.2の
PBSに溶解させた試薬液1mリットルを、試料液と同
様に滴下〜飛散までの工程を繰り返して行う。続いて、
1mリットルのPBSによる洗浄を同様に3度繰り返し
て行う。最後に、磁界を印加した状態で回転容器35を
停止させて光学検出手段の保持材20によって、2本の
光ファイバ18、19を磁界により保持された磁性粒子
51上に移動し、Ar+レーザー光を照射し、Ar+レー
ザー光の散乱光をフィルタでカットした後に、磁性粒子
51からの蛍光を検出した。
【0063】上述した先の実施例のように、回転基板上
に試薬部領域2を設けた場合には、結合する試薬の量が
少なくなってしまい検出感度が低いという欠点がある
が、磁性粒子51のような浮遊する粒子を用いることに
より十分な撹拌が実施でき、結合する試薬の量を増加さ
せることができ、検出感度を高くすることが可能とな
る。
に試薬部領域2を設けた場合には、結合する試薬の量が
少なくなってしまい検出感度が低いという欠点がある
が、磁性粒子51のような浮遊する粒子を用いることに
より十分な撹拌が実施でき、結合する試薬の量を増加さ
せることができ、検出感度を高くすることが可能とな
る。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る分析装
置は、回転する回転部材を用いることにより、装置構成
が簡単でしかも複数の検査項目の分析が高感度で可能で
あり、また分析に要する時間も短縮でき、更には装置の
低コスト化、省力化にも効果がある。
置は、回転する回転部材を用いることにより、装置構成
が簡単でしかも複数の検査項目の分析が高感度で可能で
あり、また分析に要する時間も短縮でき、更には装置の
低コスト化、省力化にも効果がある。
【図1】原理的説明図である。
【図2】本発明の前提となる第1の例の回転基板の構成
図である。
図である。
【図3】第1の例の構成図である。
【図4】液を回転基板上に滴下する場合の説明図であ
る。
る。
【図5】蛍光強度を測定する場合の説明図である。
【図6】本発明の前提となる第2の例のステージの構成
図である。
図である。
【図7】第2の例の回転基板の構成図である。
【図8】使用状態の説明図である。
【図9】本発明の前提となる第3の例の回転容器の構成
図である。
図である。
【図10】回転容器を回転させた場合の説明図である。
【図11】回転容器の説明図である。
【図12】本発明の前提となる第4の例の回転基板の構
成図である。
成図である。
【図13】使用状態の説明図である。
【図14】回転基板の構成図である。
【図15】回転基板の構成図である。
【図16】使用状態の説明図である。
【図17】回転基板の構成図である。
【図18】本発明の前提となる第5の例の回転セルの構
成図である。
成図である。
【図19】使用状態の説明図である。
【図20】回転セルの構成図である。
【図21】障壁の構成図である。
【図22】使用状態の説明図である。
【図23】本発明の実施例の構成図である。
【図24】使用状態の説明図である。
【図25】回転容器の構成図である。
【図26】使用状態の説明図である。
1、31、40 回転基板 2 試薬部領域 3,5 回転軸 4 モータ 6 接合部 7 ディスペンサ 8 光源 9 光検出器 10、11 遮蔽板 13 温度センサ 17 液体容器 18、19 光ファイバ 28 ヒータ 35 回転容器 42 ステッピングモータ 43 反射型光電センサ 45 回転セル 46 筐体 47 障壁 51 磁性粒子 52 電磁石
フロントページの続き (72)発明者 宮崎 健 東京都大田区下丸子三丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 田中 和實 東京都大田区下丸子三丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−269938(JP,A) 特開 平2−232563(JP,A) 特開 昭63−85428(JP,A) 特開 平3−225278(JP,A) 特開 平2−269969(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 35/00 - 35/10 G01N 33/543 531
Claims (2)
- 【請求項1】 試料液中の分析対象物と結合する試薬部
領域を表面に有する磁性粒子と、回転面上に前記磁性粒
子の保持が可能な回転部材と、少なくとも試料液を含む
1種類以上の液体を前記回転面上に供給する手段と、前
記回転面の裏面から磁界を与える手段と、前記回転部材
の回転数及びその保持時間並びに前記磁界の印加強度及
び印加時間を制御する手段と、前記磁性粒子の表面の変
化を光学的に検出する光学的検知手段とから成ることを
特徴とする分析装置。 - 【請求項2】 前記磁性粒子の位置の制御を前記回転部
材の下方に設けた磁界発生手段により行うようにした請
求項1に記載の分析装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4131990A JP3062347B2 (ja) | 1992-04-24 | 1992-04-24 | 分析装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4131990A JP3062347B2 (ja) | 1992-04-24 | 1992-04-24 | 分析装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05302930A JPH05302930A (ja) | 1993-11-16 |
JP3062347B2 true JP3062347B2 (ja) | 2000-07-10 |
Family
ID=15070979
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4131990A Expired - Fee Related JP3062347B2 (ja) | 1992-04-24 | 1992-04-24 | 分析装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3062347B2 (ja) |
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---|---|---|---|---|
CA2231305C (en) * | 1997-03-11 | 2007-03-20 | Merrit Nyles Jacobs | Improved analyzer throughput featuring through-the-tip analysis |
JP4714366B2 (ja) * | 2001-05-10 | 2011-06-29 | パナソニックエコシステムズ株式会社 | 特定微生物計量装置 |
JP2003329689A (ja) * | 2002-05-14 | 2003-11-19 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 試料分析装置 |
WO2003100400A1 (fr) * | 2002-05-27 | 2003-12-04 | Hitachi High-Technologies Corporation | Procede de pre-test de microparticules, procede de detection de microparticules et instrument de detection de microparticules |
JP5000666B2 (ja) * | 2006-01-25 | 2012-08-15 | コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ | 流体を分析する装置 |
JP4586054B2 (ja) | 2007-08-31 | 2010-11-24 | 株式会社日立ハイテクノロジーズ | 自動分析装置 |
JP5041153B2 (ja) * | 2007-11-09 | 2012-10-03 | 富士レビオ株式会社 | 分離装置 |
EP2189218A1 (en) * | 2008-11-12 | 2010-05-26 | F. Hoffmann-Roche AG | Multiwell plate lid separation |
JP2012093190A (ja) * | 2010-10-26 | 2012-05-17 | Olympus Corp | 蛍光センサの補正方法おび蛍光センサ |
US9952237B2 (en) | 2011-01-28 | 2018-04-24 | Quanterix Corporation | Systems, devices, and methods for ultra-sensitive detection of molecules or particles |
JP6590795B2 (ja) * | 2014-05-15 | 2019-10-16 | タカノ株式会社 | 試料分析装置 |
JP6557656B2 (ja) * | 2014-05-15 | 2019-08-07 | タカノ株式会社 | 分析チップ及び試料分析装置 |
JP6600861B2 (ja) * | 2015-04-08 | 2019-11-06 | 株式会社パートナーファーム | 固相反応チップ及びこれを用いた測定方法 |
GB201520193D0 (en) * | 2015-11-16 | 2015-12-30 | Mast Group Ltd | Apparatus for conducting an assay |
JP6731815B2 (ja) * | 2016-09-08 | 2020-07-29 | 株式会社日立ハイテク | 自動分析装置 |
-
1992
- 1992-04-24 JP JP4131990A patent/JP3062347B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH05302930A (ja) | 1993-11-16 |
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