JP4714366B2 - 特定微生物計量装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定微生物(微生物の意味するところは少なくとも細菌と真菌を含む概念である)、即ち、特定の細菌類および真菌類等を含有するか含有する可能性のある液状検体から、特定微生物を発光させ、その計量を簡単にしかも迅速に行うことができる装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の微生物を計量する微生物計量装置に関するものとしては、特開平5−111394号に記載されるように微生物を含む試料に直接励起光を当てて、微生物内に生産された蛍光物質から発せられる蛍光を画像データとして取得し、微生物内蛍光物質の濃度を測定し、その蛍光強度の積算から微生物の活性を測定するものが知られている。図13にその微生物測定方法の詳細を示す。プレパラート101にメタン菌懸濁液を設置し、励起光102を照射して発生した蛍光を高感度テレビカメラ103とVTR104を用いて認識、保存し、画像処理装置105を用いてモニタテレビ106に映し出された画像から目的の蛍光の強度を検出するものであった。
【0003】
また、図には示していないが、一般的な付着菌数を求める方法である寒天培地拡散法の一つとして付着菌測定キットも知られている。付着菌測定キットは、培地表面を直接検体に接触させ、検体から付着した微生物を培養し、生じたコロニーを直接若しくはレンズを用いて拡大化したものを目視にて数を測定するものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の微生物計量方法では、蛍光物質を生産しない微生物には対応できないこと、また、活性が弱いために蛍光物質を生産できない微生物は該当の微生物であったとしても検出されないことがあり、必ずしも微生物の活性若しくは数を検出できるものではなかった。微生物計量装置は、食品工場で使用されることが多く、食中毒の原因となり得る大腸菌などの特定微生物の存在の有無を確認することは管理上の重要な要素になっている。また、最近のHACCPの導入によって、食品そのものの検査だけでなく、工場自体や作業行程の検査、例えば、壁・床面、まな板・包丁などの調理器具などの検査も行われており、食品そのものの管理及び環境の管理が重要になっている。しかし、その一方で従来の技術は、特定微生物が一般細菌と混在している状況下や不純物が存在している状況下では、分離手段を用いて特定微生物を分離または分離培養するか、不純物を除去する必要があるなど、煩雑であることや専門知識を要することなど、現場で簡単に誰でも特定微生物を測定できるものではなかった。また、装置の点でも微生物によって生産された蛍光物質に励起光を照射し、その蛍光を画像処理にて解析するため、顕微鏡の様に高倍率に拡大するための技術を要すものであった。
【0005】
また、一般的な付着菌を検出する培養法では、付着した微生物の培養に時間がかかるという問題があった。さらに、微生物の種類によっては付着させた培地上で増殖しない場合があり、過少評価の原因となる場合があった。
【0006】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、特定微生物を含有するか含有する可能性のある液状検体を接触させるための、特定微生物に特異的に結合する一次抗体を固定化した検体反応手段と、検体反応手段に特定微生物に特異的に結合する標識二次抗体を供給するための、標識二次抗体を収容した反応試薬含有部と、前記検体反応手段の微小な一定面積に励起光によって発光するように予め定められた波長域で前記励起光を照射する光源と、前記微小な一定面積は、特定微生物の大きさに基づいて一片0.2μm乃至7.0μm程度の範囲に設定し、励起光照射時間を前記励起光により発光した蛍光強度が消光しない時間とし、前記励起光によって発光する予め定められた波長域の光を受光する受光手段と、前記光源によって照射されて発光した光を設定した一定の時間内に受光し、前記設定した一定の時間は一定の発光光量の範囲内での時間とし、その受光した光量が設定したしきい値の範囲内のときに特定微生物1個と判断する特定微生物判断手段と、その設定したしきい値は、特定微生物が発する蛍光強度によって決定され、前記微小な一定面積を連続または断続的に移動させる移動手段と、この移動手段により前記検体反応手段の面積全体をスキャンし、前記特定微生物判断手段から特定微生物と判断された信号、すなわち蛍光から特定微生物の数量を積算する積算手段を有することを特徴とする特定微生物計量装置を提供することを目的とする。
【0007】
また、標識二次抗体が蛍光物質によって標識化されたものとした装置を提供することを目的とする。
【0008】
また、検体反応手段を液状検体をフローさせながら接触できるものとした装置を提供することを目的とする。
【0009】
また、検体反応手段を間隙を挟んで互いに対向して配置された2つの電極と両電極を電位可変自在に短絡させることができる短絡部を有し、特定微生物に特異的に結合する一次抗体が一方の電極に固定化されたものとした装置を提供することを目的とする。
【0010】
また、受光手段を少なくとも一つの光電変換素子とし、励起光によって発光した光を集光する集光レンズを前記光電変換素子の前段に設けた装置を提供することを目的とする。
【0011】
また、複数の光電変換素子を線状に配置した装置を提供することを目的とする。
【0012】
また、検体反応手段を円盤状とし、その検体反応手段を可動させることとした装置を提供することを目的とする。
【0013】
また、検体反応手段を測定する面積を多角形として、その検体反応手段を可動させることとした装置を提供することを目的とする。
【0014】
また、微小面積を移動させる移動手段として、光源、受光手段、検体反応手段のいずれか一つあるいは複数を移動させる駆動手段を設け、設定速度範囲内で可動させることとした装置を提供することを目的とする。
【0015】
また、光源より発せられる光の集光手段および/または受光手段への集光手段として反射板を設けた装置を提供することを目的とする。
【0016】
また、光源と微小面積の間に特定の波長のみを透過させる分光部を設けた装置を提供することを目的とする。
【0017】
また、微小面積と受光手段の間に特定の波長のみを透過させる分光部を設けた装置を提供することを目的とする。
【0018】
また、光源および/または受光手段に検体反応手段内の微小面積に焦点を合わせる自動焦点機能を備えた装置を提供することを目的とする。
【0019】
また、光源と検体反応手段の距離を一定にし、微小面積を一定化する手段を有する装置を提供することを目的とする。
【0020】
また、光源から発せられる光を光ファイバーを使用して検体反応手段へと導入する手段を有する装置を提供することを目的とする。
【0021】
また、紫外光を透過するレンズを光源集光手段として用いた装置を提供することを目的とする。
【0022】
また、検体反応手段の測定位置を示す手段を有した装置を提供することを目的とする。
【0023】
また、検体反応手段の測定位置を示す手段に磁気を用いる装置を提供することを目的とする。
【0024】
また、検体反応手段の測定位置を認識する手段を有した装置を提供することを目的とする。
【0025】
また、検体反応手段の測定位置を認識する軌道を移動させる際、認識軌道位置から一定の距離を保った状態で次の認識軌道位置へ移動する手段を有した装置を提供することを目的とする。
【0026】
また、認識軌道位置から次の認識軌道位置までの距離を10乃至50μmとした装置を提供することを目的とする。
【0027】
また、検体反応手段に含まれる微生物から得られた信号を、二値化した点座標として認識し、信号が得られた点座標の数を計測する機能を有した装置を提供することを目的とする。
【0028】
また、信号が得られた点座標のうち、近隣した信号を一つの信号として認識する機能を有した装置を提供することを目的とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】
本発明の特定微生物計量装置は、上記目的を達成するため、特定微生物を含有するか含有する可能性のある液状検体を接触させるための、特定微生物に特異的に結合する一次抗体を固定化した検体反応手段と、検体反応手段に特定微生物に特異的に結合する標識二次抗体を供給するための、標識二次抗体を収容した反応試薬含有部と、前記検体反応手段の微小な一定面積に励起光によって発光するように予め定められた波長域で前記励起光を照射する光源と、前記微小な一定面積は、特定微生物の大きさに基づいて一片0.2μm乃至7.0μm程度の範囲に設定し、励起光照射時間を前記励起光により発光した蛍光強度が消光しない時間とし、前記励起光によって発光する予め定められた波長域の光を受光する受光手段と、前記光源によって照射されて発光した光を設定した一定の時間内に受光し、前記設定した一定の時間は一定の発光光量の範囲内での時間とし、その受光した光量が設定したしきい値の範囲内のときに特定微生物1個と判断する特定微生物判断手段と、その設定したしきい値は、特定微生物が発する蛍光強度によって決定され、前記微小な一定面積を連続または断続的に移動させる移動手段と、この移動手段により前記検体反応手段の面積全体をスキャンし、前記特定微生物判断手段から特定微生物と判断された信号、すなわち蛍光から特定微生物の数量を積算する積算手段を有するものである。そして、本発明によれば検体反応手段に捕捉される特定微生物の数若しくは有無を同時に、かつ迅速に把握することができ、また、励起光の照射面積及び時間を最小限にすることで励起光による蛍光物質の消光を抑えることができ、さらに、蛍光強度のしきい値を設けることで特定微生物と異物の区別が可能であり、一定面積に含まれる特定微生物の数量の計量を迅速かつ同時に行うことができる特定微生物計量装置が得られる。
【0030】
また、標識二次抗体が蛍光物質によって標識化されたものとしたことで、検体反応手段に捕捉された特定微生物の捕捉位置を精度よく測定できる特定微生物計量装置が得られる。
【0031】
また、検体反応手段を液状検体をフローさせながら接触できるものとしたことで、検体反応手段に固定化された一次抗体と特定微生物との接触効率を向上させることができる特定微生物計量装置が得られる。
【0032】
また、検体反応手段を間隙を挟んで互いに対向して配置された2つの電極と両電極を電位可変自在に短絡させることができる短絡部を有し、特定微生物に特異的に結合する一次抗体が一方の電極に固定化されたものとしたことで、通常、微生物の表面が負の電荷に帯電している性質を利用し、一次抗体が固定化された電極が正側となるように電圧をかけることで、一次抗体と特定微生物との接触効率を向上させることができる特定微生物計量装置が得られる。
【0033】
また、光電変換素子を利用することで迅速な計量が可能となり、さらに前段に集光レンズを設けることで高い感度の計量ができる特定微生物計量装置が得られる。
【0034】
また、光電変換素子を線状に配置することで、一定範囲の検知を一度に実施することができ、計量を迅速化することができる特定微生物計量装置が得られる。
【0035】
また、検体反応手段を円盤状とすることで回転方向への検体反応手段の駆動を容易にし、光源、受光手段の両方若しくは少なくともどちらか一方の検出移動距離を最小限に抑えることができる特定微生物計量装置が得られる。
【0036】
また、検体反応手段を測定する面積を多角形とすることで一方向への検体反応手段の駆動を容易にし、光源、受光手段、検体反応手段の少なくとも一つを移動することで特定微生物を計量できる特定微生物計量装置が得られる。
【0037】
また、光源より発せられる励起光の検体への照射の微小面積を設定速度範囲内で可動させることで発光のずれや残像、残光を除去できる特定微生物計量装置が得られる。
【0038】
また、光源より発せられる光または検体反応手段より発せられた光の少なくともいずれか一方を反射板を使用し、集光することで、検体反応手段への効率の高い照射または受光手段での効率の高い検出が可能となる特定微生物計量装置が得られる。
【0039】
また、光源と微小面積の間に特定の波長のみを透過させる分光部を設けることで波長域の広い光源を使用した場合でも目的の励起波長を照射することができる特定微生物計量装置が得られる。
【0040】
また、微小面積と受光手段の間に特定の波長のみを透過させる分光部を設けることで波長域の広い発光の場合でも目的の蛍光波長を検出することができる特定微生物計量装置が得られる。
【0041】
また、検体反応手段内の検出微小面積の焦点を自動的に合わせる機能を備えることで常時一定面積に存在する特定微生物の検出が可能となり、さらに作業者の作業性を向上させることができる特定微生物計量装置が得られる。
【0042】
また、光ファイバーを利用して光源からの励起光を導入することで、熱源となる光源を別部に設置することが可能となり、さらに検体反応手段が複雑な形状の場合でも常時一定の光量を検体反応手段へと導入することができる特定微生物計量装置が得られる。
【0043】
また、光源集光手段に紫外線透過性レンズを使用することで紫外領域の励起波長の光量を減少させることなく検体反応手段へと導入することができる特定微生物計量装置が得られる。
【0044】
また、検体反応手段の測定位置を示す手段を設けることで検出位置を認識させることができる特定微生物計量装置が得られる。
【0045】
また、検体反応手段の測定位置を示す手段を設けることで検体反応手段の大きさ、形状等に影響を受けずに検出位置を認識させることができる特定微生物計量装置が得られる。
【0046】
また、検体反応手段に測定位置を示す手段を設けることで検体反応手段の種類に応じて検出位置を認識させることができる特定微生物計量装置が得られる。
【0047】
また、検体反応手段の測定位置を示す手段を磁気とすることで簡略かつ正確に検体反応手段の検出位置を認識させることができる特定微生物計量装置が得られる。
【0048】
また、検体反応手段の測定位置を認識する手段を有することで検体反応手段の検出対象位置を調整することができる特定微生物計量装置が得られる。
【0049】
また、検体反応手段の測定位置を認識する軌道位置から次の認識軌道位置までを一定の距離を保った状態で移動させる手段を有することで検体全体を検出する必要がなくなり、計量を迅速化できる特定微生物計量装置が得られる。
【0050】
また、検体反応手段の測定位置を認識する軌道位置から次の認識軌道位置までの距離を10乃至50μmとすることで培養法と相関性の高い計量が可能となる特定微生物計量装置が得られる。
【0051】
また、検体反応手段に含まれる微生物から得られた信号を二値化した点座標として認識することで、容易で迅速に計量することができる特定微生物計量装置が得られる。
【0052】
また、信号が得られた点座標のうち近隣した信号を一つの信号として認識することで培養法と相関性の高い計量が可能となる特定微生物計量装置が得られる。
【0053】
【発明の実施の形態】
本発明は、液状検体に含まれるか含まれる可能性のある特定微生物をサンドイッチ型免疫アッセイ法の理論に基づいて計量する装置である。検体反応手段に検査目的となる特定微生物に特異的に結合する一次抗体を固定化しておくことで、検体反応手段に特定微生物を精度よく捕捉することができる。そして、検体反応手段に捕捉された特定微生物に特異的に結合する標識二次抗体を収容した反応試薬含有から供給される標識二次抗体をこの特定微生物に結合させた後、検体反応手段を洗浄してから検体反応手段に励起光を照射し、励起光によって発光する光に基づいて特定微生物の数を計測する。検体反応手段は、通常、直径40mm程度の大きさであるが、そこに含まれる特定微生物の大きさが1乃至5μmと非常に小さいので、従来使用されているCCDカメラを使い、画像処理をおこなうと、必要な画素数が膨大になり、直接的な認識が困難になるため、1000倍程度の拡大手段を用いないと認識できなかった。そこで、本発明者らは、検体反応手段に捕捉された特定微生物の大きさに着目し、1乃至5μm角の面積(受光手段の輝度として測定できればできるだけ大きな面積が望ましいが、フォトダイオードと同じ程度の大きさ30μm角以下が望ましい)に予め定められた波長域で励起光を照射し、その励起光によって発光する光量を測定し、その積算から特定微生物の数を計量することにしたものである。このとき、励起光を照射して、発光した蛍光の強度は時間とともに変化する。従って、一定の発光光量の範囲内での時間を設定し、そのときの光量で特定微生物の有無を判断する必要がある。具体的には、特定微生物以外の不純物は、蛍光を発しないが、励起光の散乱光などを発し、受光時に影響を与えることがあるため、受光した光量がある一定値以上を示した場合を特定微生物と判断する。また、不純物の種類によっては特定微生物以上の蛍光を発する場合も想定されるため、設定した光量の範囲内のときに特定微生物と判断させ、基本的には、範囲内の光量を受光した場合を1個の特定微生物として計量する。そして、この励起光を照射する微小面積を連続的あるいは断続的に移動させ、例えば、従来法の寒天培地拡散法のデータと比較する場合には、直径40mmの面積全体をスキャンし、その面積での特定微生物の数を積算して計量することができる。従って、励起光による蛍光物質の消光に伴う過少評価の発生を防止し、異物から発せられる発光による過大評価の発生を防止する能力を有するものであり、従来の培養法などと比べ、特殊な技術や設備を必要とせず、短時間で特定微生物の計量をすることができるという作用を有する。
【0054】
また、標識二次抗体が蛍光物質によって標識化されたものとしたことで、検体反応手段に捕捉された特定微生物の捕捉位置で発光が観察されるので、特定微生物の捕捉位置を精度よく測定することができるという作用を有する。その概念の一例を図11に示す。図11に示したように、検体反応手段51は、ガラス基板などの基板52に特定微生物61に特異的に結合する一次抗体53を固定化したものからなる。液状検体が特定微生物61を含有していた場合、特定微生物61に特異的に結合する一次抗体53は特定微生物61に抗原抗体反応によって結合し、特定微生物61は検体反応手段51に捕捉される。続いて、特定微生物61に特異的に結合する蛍光物質55によって標識化された標識二次抗体54が抗原抗体反応によって特定微生物61に結合すれば、特定微生物61が捕捉された位置で発光を観察することができる。
【0055】
また、検体反応手段を液状検体をフローさせながら接触できるものとしたことで、検体反応手段に固定化された一次抗体と特定微生物との接触効率を向上させることができるので、特定微生物をより確実に検体反応手段に捕捉することができるという作用を有する。
【0056】
また、検体反応手段を間隙を挟んで互いに対向して配置された2つの電極と両電極を電位可変自在に短絡させることができる短絡部を有し、特定微生物に特異的に結合する一次抗体が一方の電極に固定化されたものとしたことで、一次抗体が固定化された電極が正側となるように電圧をかければ、通常、表面が負の電荷に帯電している特定微生物は、正側の電極の方向に移動して集まるので、一次抗体と特定微生物との接触効率を向上させることができる。この電極の上から、検体反応手段に捕捉された特定微生物に特異的に結合する標識二次抗体を供給し、特定微生物に標識二次抗体を結合させた後、検体反応手段を洗浄してから検体反応手段に励起光を照射し、励起光によって発光する光に基づいて特定微生物の数を計測すれば、短時間で特定微生物の計量をより精度よく行うことができるという作用を有する。その概念の一例を図12に示す。図12に示したように、検体反応手段51は、ガラス基板などの基板52に特定微生物61に特異的に結合する一次抗体53を固定化したものからなるが、一次抗体53は間隙を挟んで互いに対向して配置された2つの電極57、58の一方の電極57に固定化されている。一次抗体53が固定化された電極57が正側となるように短絡部59によって電圧をかければ、液状検体62に含まれる、通常、表面が負の電荷に帯電している特定微生物61は、電極57の方向に移動して集まる。従って、一次抗体53と特定微生物61との接触効率を向上させることができる。なお、特定微生物61に一次抗体53を結合させた後に、電極58が正側となるように電圧を逆転してかければ、検査目的となる特定微生物以外の微生物が液状検体62に含まれていた場合、当該微生物は電極58の方向に移動して集まるので、特定微生物61とその他の微生物との分離が容易になり、高い測定精度が確保される。電極57の上から、検体反応手段51に捕捉された特定微生物61に特異的に結合する蛍光物質55によって標識化された標識二次抗体54を反応試薬含有部56から供給し、特定微生物61に標識二次抗体54を結合させた後、検体反応手段を洗浄してから検体反応手段に励起光を照射し、励起光によって発光する光に基づいて特定微生物61の数を計測すれば、短時間で特定微生物61の計量をより精度よく行うことができる。
【0057】
また、受光手段を少なくとも一つの光電変換素子とし、励起光によって発光した光を集光する集光レンズを前記光電変換素子の前段に設けたことで励起光によって発生した蛍光範囲を拡大した状態で光電変換素子へ導入することが可能となるため高い検出感度を保持できるという作用を有する。
【0058】
また、受光手段に含まれる複数の光電変換素子を線状に配置することによってX軸方向(配列方向)への移動を不要なものとし、Y軸方向(移動方向)のみの移動によって一定範囲の検知を実施することが可能となり、計量を迅速に実施することができるという作用を有する。
【0059】
また、検体反応手段を円盤状とし、その検体反応手段を可動させることで検体若しくは光源の回転による検出が可能となる。検出方法としては、例えば、光ディスク読み取り用装置が挙げられる。検体反応手段を設置し、回転させることで光源の移動を検体反応手段の半径のみで実施可能となる。それにより検出を自動化、迅速化することができるという作用を有する。
【0060】
また、検体反応手段を測定する面積を多角形として、その検体反応手段を可動させることで検体反応手段上に含まれる特定微生物の検出が容易に可能となる。検出手段としては、例えば、スキャナーが挙げられる。検体反応手段を設置し、移動させることで、これにより検出を自動化、迅速化することができるという作用を有する。
【0061】
また、微小面積を移動させる移動手段として、光源、受光手段、検体反応手段のいずれか一つ若しくは複数を移動させる駆動手段を設け、設定速度範囲内で可動させることで、可動時に生ずるずれ、残像の発生あるいは残光の発生を防止し、過大若しくは過少評価を防止できるという作用を有する。
【0062】
また、光源より発せられる光の集光手段および/または受光手段への集光手段として反射板を設けることによって余計な光のロスを防止し、また、光を集めることで感度を高めることができるという作用を有する。
【0063】
また、光源と微小面積の間に特定の波長のみを透過させる分光部を設けることによって励起光源から発せられる波長が幅の広いものであった場合でも、特定の励起波長を取り出すことが可能となる。さらに微小面積と受光手段の間に特定の波長のみを透過させる分光部を設けることによって励起光と同様に様々な波長を含む蛍光も特定の蛍光波長を取り出すことが可能となり、高い精度の計量が可能となるという作用を有する。
【0064】
また、光源または受光手段の少なくともいずれか一方に検体反応手段内の微小面積に焦点を合わせる自動焦点機能を備えることで検体反応手段表面の形状に依存せず、安定な計量が可能となる。さらに自動焦点機能を備えたことで励起光の照射面積を一定に保つことが可能となり、検体反応手段で捕捉し、発光させた特定微生物へ与える負荷が最小限となり、過少評価を回避できるという作用を有する。
【0065】
また、光源から発せられる光を光ファイバーを使用して検体反応手段へと導入する手段を有することで複雑な形状の検体反応手段でも安定した励起光を提供することができる。さらに、光ファイバーを使用することで光源部を別部に設けることが可能となる。これにより、発熱する光源を使用した場合でも、その発熱による検体反応手段および検体反応手段に捕捉された特定微生物に対する負荷を最小限とすることができるという作用を有する。
【0066】
また、紫外光を透過するレンズを使用することで光源に紫外光発生手段を使用でき、紫外領域の励起光でも安定的に検体反応手段へ提供できるという作用を有する。
【0067】
また、装置若しくは検体反応手段に測定位置を示す部位を設け、受光手段に測定位置を認識する手段を設けることで光源または受光手段の少なくともいずれか一方が存在する位置を把握し、同位置の二重検出若しくは検出もれを防ぎ、過大若しくは過少評価を避けることができる。さらに、検体反応手段の測定位置を示す手段に磁気を用いることで簡易的かつ正確な位置認識が可能となり、過大若しくは過少評価を避けることができるという作用を有する。
【0068】
また、検体反応手段の測定位置を認識する軌道を移動させる際、認識軌道位置から一定の距離を保った状態で次の認識軌道位置へ移動させることで検出もれを防止し、検体反応手段全体を検出することが可能となる。さらに、認識軌道位置から次の認識軌道位置までの距離を10乃至50μmとすることで従来法の一つである培養法との相関性を高めることができるという作用を有する。これは、培養法においてコロニーが重複することによって一つのコロニーと認識する範囲を避ける事ができる最低限の距離である。
【0069】
また、検体反応手段に捕捉された特定微生物から得られた信号を、二値化した点座標として認識し、信号が得られた点座標の数を計測することにより、検体反応手段に捕捉された特定微生物を容易にかつ迅速に計量することができる。さらにその二値化した点座標から輝度を求め、特定微生物が保有する活性を計量することも可能となる。また、近隣した信号を一つの信号と認識することで培養法との相関性を高めることができる。さらに近隣した信号から検体反応手段に付着した付着物の形状を把握することができ、特定微生物以外の形状のものは計量から除去することが可能となり、精度を向上することができるという作用を有する。
【0070】
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
【0071】
【実施例】
以下に本発明の実施例1について説明する。
【0072】
本発明の特定微生物計量装置における検査対象は、特定微生物を含有するか含有する可能性のある液状検体である。液状検体は、水系のものであればどのようなものであってもよく、例えば、食品や調理器具などの洗浄液、食品に水を加えてすりつぶした後、固形分や油状物質を遠心分離やろ過を行うことによって分離して得られる上清液、調理器具を拭き取った綿棒などの洗浄液、調理室内の空気を界面活性剤含有水溶液に吹きつけた後の水溶液などが挙げられる。
【0073】
検査目的となる特定微生物としては、食中毒の原因となり得る病原性の腸内細菌である大腸菌、大腸菌群細菌、赤痢菌、コレラ菌、サルモネラ菌、ビブリオ菌、ボツリヌス菌、ウェルシュ菌、ブドウ球菌、セレウス菌などが挙げられるが、食中毒以外の感染症の原因となり得る細菌、例えば、結核菌、肺炎双球菌、緑膿菌、レジオネラ菌などであってもよい。
【0074】
本発明の特定微生物計量装置における検体反応手段は、ガラス基板などの基板に検査目的となる特定微生物に特異的に反応する一次抗体を固定化したものからなる。なお、基板への抗体の固定化は、自体公知の方法によってなされる。概略を以下に説明する。まず、ガラス基板の場合、ガラス表面に長鎖アルキル基を導入する。これは、例えば、10mMオクタデシルトリクロロシラン/ベンゼン溶液からなる試薬中に、表面を強酸や有機溶媒などで清浄したガラス基板を浸漬することにより行うことができる。ガラス表面にアミノ基を導入してもよい。これは、例えば、10mMアミノプロピルトリエトキシシラン/ベンゼン溶液からなる試薬中に、表面を強酸や有機溶媒などで清浄したガラス基板を浸漬することにより行うことができる。ガラス表面に長鎖アルキル基を導入した場合、その表面は高い疎水性を有することになるが、抗体も疎水性を有するので、いわゆる疎水性相互作用により、ガラス表面に抗体が固定化される。ガラス表面にアミノ基を導入した場合、グルタルアルデヒドにて、ガラス表面のアミノ基と抗体のアミノ基を結合することにより、ガラス表面に抗体が固定化される。なお、抗体が固定化されていない部分には、測定精度に影響を及ぼしたりするようなタンパク質などが結合しないように、牛血清アルブミンやスキムドミルクやカゼインなどのような測定精度に影響を及ぼしたりすることのないタンパク質を結合し、ブロッキングしておくことが望ましい。
【0075】
一次抗体の固定化は検体反応手段の全面に行ってもよいし、固定化領域を限定してもよい。固定化領域の限定は、抗体溶液をスポットするのに直径約10乃至100μmのガラスキャピラリーを使用することで行うことができる。
【0076】
検体反応手段には単一種類の特定微生物の計量を行うために単一種類の一次抗体を固定化してもよいし、複数種類の特定微生物の計量を同時に行うために複数種類の一次抗体を固定化領域を分割して固定化し、その領域を特定化しておいてもよい。
【0077】
反応試薬含有部に収容される、特定微生物に特異的に結合する標識二次抗体は、一次抗体が認識するエピトープとは異なるエピトープを認識する抗体を標識化したものである。抗体の標識化は、蛍光物質によって行ってもよいし、酵素によって行ってもよい。蛍光物質標識二次抗体とした場合は、検体反応手段に捕捉された特定微生物に結合した二次抗体自体が発光するので、特定微生物の捕捉位置を精度よく測定できる。酵素標識二次抗体とした場合は、酵素基質を加えることで基質の化学変化により蛍光物質が生成し、この蛍光物質が発光する。
【0078】
複数種類の特定微生物の計量を同時に行う場合、各々の二次抗体を異なる波長の最大励起波長を有し、励起された後、異なる波長の蛍光を発する、異なる蛍光物質で標識化して使用すればよい。こうすれば特定微生物毎の計量を容易に行うことができる。また、複数種類の一次抗体を固定化領域を分割して固定化し、その領域を特定しておけば、各々の二次抗体を同じ波長の最大励起波長を有し、励起された後、同じ波長の蛍光を発する同じ蛍光物質で標識化して使用することもできる。なお、複数種類の標識二次抗体は、複数の反応試薬含有部に別々に収容してもよいし、一つの反応試薬含有部に一緒に収容してもよい。
【0079】
上記の一次抗体として使用する抗体と二次抗体として使用する抗体は、特定微生物の抗原上の重複しないエピトープを認識する組み合わせのものであれば、ポリクローナル抗体であってもよいし、モノクローナル抗体であってもよいが、一般に、特異性に優れたモノクローナル抗体を使用することが望ましい。ポリクローナル抗体を使用する場合は、アフィニティー精製を行ったものを使用することが望ましい。抗体の作製方法に特段の制限はなく、特定微生物の抗原を使用した動物免疫による方法、必要とする抗体の抗体産生細胞の細胞融合による方法、必要とする抗体の遺伝子を使用した遺伝子工学的手法による方法などがある。食中毒の原因になり得る細菌のモノクローナル抗体は既に種々知られており、市販されているものもある。
【0080】
抗体の蛍光標識に使用される蛍光物質としては、例えば、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)、ローダミンエックスイソチオシアネート(XRITC)、テトラメチルローダミンイソチオシアネート(TRITC)、フィコエスリン(PE)、テキサスレッド、クロロテトラサイクリン、シアニン色素、メロシアニン540、ダンシルクロリドエオシン、オキソノール色素、フルオレスカミン、アンシルアジリジン、5−ヨードアセトアミドフルオレセイン、N−(1−アニリノナフチル)−4−マレイミド、エオシン−5−ヨードアセトアミドなどを使用することができる。最大蛍光波長や蛍光強度の点からはFITC、XRITC、TRITC、PE、テキサスレッドなどを使用することが望ましい。
【0081】
蛍光物質の抗体への標識化は、公知の方法によって行うことができる。例えば、抗体にFITCを標識化する場合、pH8乃至9に調整した抗体溶液にFITC粉末を添加し、5℃で4時間反応させ、その後ゲルろ過をすることによってFITC標識抗体を得ることができる。蛍光物質と抗体との結合比(F/P比)は、通常0.1乃至20、望ましくは1乃至6である。
【0082】
検査目的となる特定微生物を含有するか含有する可能性のある液状検体の検体反応手段への接触条件、即ち、特定微生物に一次抗体を結合させるための反応条件は、通常の抗原抗体反応条件でよく、例えば、30℃前後の温度や数分の時間で反応させるようなものでよい。
【0083】
検査目的となる特定微生物を含有するか含有する可能性のある液状検体を検体反応手段に接触させ、特定微生物に一次抗体を結合させた後に、検査目的ではない微生物や夾雑物などを検体反応手段上から除去するため、検体反応手段を蒸留水や生理食塩水などの洗浄液で洗浄してもよい。検体反応手段への洗浄液の供給は、例えば、洗浄液含有部を装置に設けておくことにより行うことができる。
【0084】
次に、検体反応手段に検査目的となる特定微生物に特異的に結合する標識二次抗体を供給する。検体反応手段に特定微生物が捕捉されている場合、捕捉された特定微生物に標識二次抗体が結合する。特定微生物に標識二次抗体を結合させるための反応条件は、通常の抗原抗体反応条件でよく、例えば、30℃前後の温度や数分の時間で反応させるようなものでよい。その後、特定微生物に結合していない標識二次抗体などを除去するために、検体反応手段を蒸留水や生理食塩水などの洗浄液で洗浄する。検体反応手段への洗浄液の供給は、例えば、洗浄液含有部を装置に設けておくことにより行うことができる。
【0085】
検体反応手段の全面に一次抗体を固定化した場合、図1に示すように特定微生物計量装置に設置されている励起光の検体反応手段上における軌道は、検体反応手段1全体を網羅するものであることが望まれる。そのために検体の幅、長さを軌道A2のように移動し、検出するものである。また、図2に示したように検体反応手段全体を検出するための軌道は円状のものも可能であるため軌道B3のように移動し、検出することも可能である。光源4は、検体反応手段上を各軌道に沿って移動させる。光源4より発した励起光によって生ずる蛍光を利用した特定微生物判断手段のモデルを図3に示した。検体反応手段上から発せられた蛍光は蛍光を発した部位と相関して特定微生物判断手段5を形成する。特定微生物判断手段5には、不純物などから生ずる散乱光あるいは同励起光によって発生する蛍光などが混在しており、目的の特定微生物から発せられる蛍光に限定されたものではない場合が生ずる。そこで、しきい値を設けるものである。しきい値は、蛍光強度の上限6と下限7があり、その範囲内の蛍光を特定微生物由来のものとして認識し、積算する。これにより、特定微生物以外の不純物由来の蛍光を把握し、正確な計量を可能なものとしたものである。しきい値は、特定微生物が発する蛍光強度によって決定されるものである。また、特定微生物が近接している場合、特定微生物が発する蛍光から形成される波形は、図4に示したように隣接したものが得られる。この場合、隣接した特定微生物を従来法の一つである寒天培地拡散法で検出した場合、微生物の増殖とコロニーの拡大に伴い、コロニー同士が重層し、目視で確認する時点で一つのコロニーとして判断してしまう場合がある。そこで、本発明において波形8に示すような場合は、一つの特定微生物として検出するように設定した。これにより寒天培地拡散法との相関性を得ることができるものである。
【0086】
また、検体反応手段1への励起光照射時間は、図5に示したように蛍光強度が消光しない時間の範囲で照射される。即ち、しきい値9の範囲である。
【0087】
図6に示すように特定微生物計量装置は、光源4、光源集光手段としてのレンズ10、受光部11を含む。光源4から発せられた励起光から目的の波長を取り出すために励起光分光フィルター12で分光する。分光された励起光はプリズム13を経て、光路を変化させられる。光路を変化させられた励起光はレンズ10を経て検体反応手段1の表面に集光される。そこで励起光によって励起された特定微生物が有する蛍光は、再びプリズム13を透過する。その際、蛍光はプリズム13をそのまま透過し、受光部11に到達する。受光部11に到達した蛍光は、目的の蛍光のみを取り出すために蛍光分光フィルター14を経て、受光部11に内蔵された光電変換素子15に到達し、信号化され、認識される。また、図には示していないが、検体反応手段1若しくは特定微生物計量装置には、検体反応手段を移動する手段を備えており、検体反応手段1の蛍光発光を全て、若しくは一部を受光することができる。
【0088】
光電変換素子15に到達した蛍光は、特定微生物判断手段5において特定微生物若しくは異物と判断され、特定微生物と判断された蛍光は積算されて、その数量が計量される。
【0089】
光源4より発生した励起光は、レンズ10によって集光されるが、その際、レンズ10によって励起光を照射する範囲は微小な一定面積に集光される。この場合、微小な一定面積とは特定微生物の大きさに基づいて設定した場合、一辺0.2μm乃至7.0μm程度の範囲を指し示す。また、現在最も利用されている微生物検出手段の一つである寒天培地拡散法との比較に基づいた場合、寒天培地拡散法によって培養、増殖した微生物の集団によって形成されるコロニーは、その距離が近接している場合、コロニー同士が重なり合う場合があり、最終的に目視で確認した場合、一つのコロニーとして認識してしまう事例が生ずる場合がある。そこで、この場合の微小な一定面積とは、コロニー同士が重なり合わない距離に基づいた場合、一辺100μm乃至500μm程度の範囲を指し示す。
【0090】
レンズ10によって集光された励起光の照射時間は、蛍光物質の消光時間と励起光強度に依存する。蛍光物質の種類によっては、自然界に存在する紫外光によっても分解する場合があり、2秒乃至300秒前後の範囲内で励起光を照射することが望ましい。
【0091】
発光後の輝度を認識する場合、図7に示したように蛍光発光した位置を「0」と「1」の二値化にて表現する。二値化した場合、隣接した発光を一つの発光源16としてみなす。また、発光源の大きさおよびその輝度が設定の大きさと比較して相対的に大きく異なる場合、異物17として認識し、検査対象外とみなすことで特定微生物として計量しない。隣接した発光の隣接距離としては、現在最も利用されている微生物検出手段の一つである寒天培地拡散法との比較に基づいた場合、寒天培地拡散法によって培養され、増殖した微生物の集団によって形成されるコロニーは、その距離が近接している場合、コロニー同士が重なり合う場合があり、最終的に目視で確認した場合、一つのコロニーとして認識してしまう事例が生ずる場合がある。そこで、コロニー同士が重なり合わない距離に基づいた場合、一辺100μm乃至500μm程度の範囲を指し示す。
【0092】
発光を検出する際、光源4の波長の幅が広いものである場合は、励起光分光フィルター12によって励起波長を調整、分光することが可能となる。励起光分光フィルター12は、目的の検出対象に応じて変えられるため、様々な蛍光物質に対応できる。また、同時に、発光した蛍光波長の幅が広いものである場合は、目的の発光を検出するために蛍光分光フィルター14を目的の検出対象に応じて変えることで様々な蛍光物質に対応できる。
【0093】
光源4としては、各種ダイオード、ハロゲンランプ、キセノンランプ、冷陰極管、レーザー、ブラックライト、水銀ランプなどが挙げられる。これらの光源のうち最大励起波長が比較的限定されているダイオード、冷陰極管、ブラックライトなどは、前記励起光分光フィルター12および蛍光分光フィルター14を使用することなく実施できる場合がある。また、ハロゲンランプ、水銀ランプなどについては、励起光分光フィルター12および蛍光分光フィルター14を使用する必要がある場合がある。
【0094】
プリズム13およびレンズ10は、必要に応じてそれぞれ紫外光を透過する性質を有する。紫外光を透過する性質を有するものとしては石英ガラスなどが挙げられる。これにより紫外光で励起される蛍光物質などにも対応できる。検体反応手段1を設置する部位は回転能を有し、その上部に検体反応手段1を設置する。レンズ10により集光された励起光は、検体反応手段1の外周部より中心部へ、若しくは、中心部より外周部へ、半径分の距離を移動する。その際、レンズ3により集光された励起光の位置が外周部に存在するときと中心部に存在するときで検体反応手段1の回転速度を変化させることによって、レンズ10により集光された励起光が外周部に存在するときと中心部に存在するときで励起された蛍光物質が発した蛍光のずれ、残像および残光の発生を防止することができる。
【0095】
なお、集光した位置を認識する手段を設けることでレンズ10によって集光された励起光の位置を認識し、集光が軌道から逸れないように、また、逸れた場合は再び軌道に戻すように設定されるものである。
【0096】
なお、励起光を照射する微小な一定面積は、正方形を含む多角形に限らず、円形、楕円形等でも可能であり、検体を照射できるものであればよい。
【0097】
なお、励起光若しくは蛍光を分光する手段として回折格子などを利用することも可能である。
【0098】
なお、検体反応手段1の回転速度を調整することで蛍光の残像および残光を防ぐこととしたが、励起光を照射するレンズ10の移動速度を調整することで残像および残光を防ぐことも可能である。
【0099】
なお、集光した位置を認識する手段は、必ずしも励起光の集光位置を直接認識する必要は無く、検体反応手段1上の軌道を把握するものであればよい。
【0100】
以下に本発明の実施例2について説明する。
【0101】
図8に示す特定微生物計量装置は、検体反応手段1、光源4、反射板18、レンズ10、受光部11を含む。光源4から発せられた励起光によって、検体反応手段1に捕捉された特定微生物から励起され、生じた蛍光を反射板18によって光の方向を変化させ、レンズ10によって集光し、受光部11にて検出する。受光部11に到達した蛍光は、特定微生物判断手段5において特定微生物若しくは異物と判断され、特定微生物と判断された蛍光は積算されて、その数量が計量される。光源4は、検体反応手段1をスキャンする。さらに、光源4の軌道に合わせて反射板18を設置させる。
【0102】
光源4より発生した励起光は、レンズ10によって集光されるが、その際、励起光を照射する範囲は微小な一定面積に集光される。この場合、微小な一定面積とは特定微生物の大きさに基づいて設定した場合、一辺0.2μm乃至7.0μm程度の範囲を指し示す。また、現在最も利用されている微生物検出手段の一つである寒天培地拡散法との比較に基づいた場合、寒天培地拡散法によって培養、増殖された微生物の集団によって形成されるコロニーは、その距離が近接している場合、コロニー同士が重なり合う場合があり、最終的に目視で確認した場合、一つのコロニーとして認識してしまう事例が生ずる場合がある。そこで、この場合の微小な一定面積とは、コロニー同士が重なり合わない距離に基づいた場合、一辺100μm乃至500μm程度の範囲を指し示す。
【0103】
レンズ10によって集光された励起光の照射時間は、蛍光物質の消光時間と励起光強度に依存する。蛍光物質の種類によっては、自然界に存在する紫外光によっても分解する場合があり、2秒乃至300秒前後の範囲内で照射することが望ましい。
【0104】
光源4としては、各種ダイオード、ハロゲンランプ、水銀ランプ、キセノンランプ、冷陰極管、レーザー、ブラックライトなどが挙げられる。
【0105】
反射板18およびレンズ10は、必要に応じて、それぞれ紫外光を透過する性質を有する。紫外光を透過する性質を有するものとしては石英ガラスなどが挙げられる。これにより紫外光によって励起される蛍光物質などにも対応できる。
【0106】
なお、検体反応手段1への光源4より発せられる励起光の強度の減少若しくは外部光による蛍光への影響を防ぐために検体反応手段1を暗視野環境下に置くための暗視野板等を設置することも可能である。
【0107】
なお、光源4が移動するとは限らない。検体反応手段1を移動させ、これに捕捉された特定微生物を検出することも可能である。
【0108】
なお、光源4が内蔵されているとは限らない。外部に光源4を含む光源部を設け、そこから光ファイバー等を利用して装置内へ励起光を導入することも可能である。
【0109】
なお、光源の種類により、目的以外の波長を除去する手段を設けることも可能である。例えば、励起光分光フィルターや回折格子などが手段として挙げられる。
【0110】
なお、発せられる蛍光の種類により、目的以外の波長を除去する手段を設けることも可能である。例えば、蛍光分光フィルターや回折格子などが手段として挙げられる。
【0111】
なお、反射板18の代わりにプリズム体などを利用することも可能である。
【0112】
以下に本発明の実施例3について説明する。
【0113】
図9に示すように検体反応手段1は、着脱操作などについての作業者の取り扱い性を向上するために把手部19と液状検体に含まれるか含まれる可能性のある特定微生物を捕捉するための検体反応部20と検出開始点を認識するための検出開始線21と検出軌道を認識するための検体認識軌道22からなる。
【0114】
検体反応部に捕捉された特定微生物に対して標識二次抗体が結合し、二次抗体の標識化が蛍光物質によって行われている場合、特定微生物が捕捉された位置で蛍光を発する。また、検体反応手段1上に集光せしめた励起光の位置を認識させるため、検体反応手段1に予め設けられている検体認識軌道22を検出し励起光の位置を認識するものである。図6に示したレンズ10より集光された励起光は、検出開始線21を開始点として、外周を移動する。外周移動後、再び検出開始線21に到達後、図6に示したレンズ10より集光された励起光は、一つ内側の検体認識軌道22にずれ、その軌道上に含まれる発光数を認識する。これを繰り返しながら中心へ向かって励起光を移動させることによって検出を必要とする面積に含まれる特定微生物数を検出する。
【0115】
検出開始線21は、直接検体反応手段へ刻み込まれたマーキングや励起光あるいは集光位置を認識できる反射性を有したマーカーなどが挙げられる。これは、検体認識軌道22も同様であるが、このマーカーが蛍光に影響を与えないものを使用することが望ましい。
【0116】
なお、把手部は外周に存在するとは限らない。
【0117】
なお、検出開始点を認識するのは、線とは限らない。
【0118】
なお、検出軌道はらせん状や斜め方向でも構わない。
【0119】
なお、励起光の移動は外周からとは限らない。
【0120】
以下に本発明の実施例4について説明する。
【0121】
図10は、検体反応手段を液状検体をフローさせながら接触できるものとした、当該検体反応手段の一例の概略図である。検体反応手段1は、液状検体を投入する投入口23と過剰な液状検体や検体反応手段1内に予め含まれる空気を排出するための排出口24を有するフローセルからなる。また、検体反応手段1は、少なくとも受光部11が存在する方向の面が光透過面25となっており、受光部11で蛍光を検出できる構造となっている。光透過面25と、その対面に位置している底面26は、平行な位置関係に有り、傾斜を生じない構成を有している。この底面26に特定微生物に特異的に結合する一次抗体が固定化されている。そして、光透過面25と底面26に2つの電極を配置し、両電極を電位可変自在に短絡させることができる短絡部27で接続する。底面26に配置された電極が正側となるように電圧をかければ、通常、表面が負の電荷に帯電している特定微生物は、底面26の方向に移動して集まるので、一次抗体と特定微生物との接触効率を向上させることができる。必要に応じて投入口23から蒸留水や生理食塩水などの洗浄液をフローセル内に供給して検査目的でない微生物や夾雑物などを内部から除去した後、投入口23から標識二次抗体を供給し、特定微生物に標識二次抗体を結合させる。それから、投入口23から蒸留水や生理食塩水などの洗浄液をフローセル内に供給して特定微生物に結合していない標識二次抗体を除去した後、励起光を照射し、励起光によって発光する光に基づいて特定微生物の数を計測する。
【0122】
上記構成により、特定微生物が検体反応手段1内に導入された際、光透過面25と、その対面に位置している底面26の間が一定の厚みに保持されているため、特定微生物が互いに重なり合うことなく、一定の範囲に拡散させることができる。これにより、重なり合いによる過少評価を防ぐことが可能となり、受光部11による正確な計量が可能となる。
【0123】
なお、異物を除去するために投入口23の前にフィルターを設けることで特定微生物を検出するための感度を向上することができる。
【0124】
なお、光透過面25の構成を紫外線等の励起光に影響しないものとすることでその妨害を防ぐことができる。
【0125】
なお、光透過面25と、その対面に位置している底面26の距離を0.5乃至15μmの範囲内とすることで、特定微生物の重なりを防止し、正確な判別が可能となる。
【0126】
【発明の効果】
以上の実施例から明らかなように、本発明によれば、サンドイッチ型免疫アッセイ法の理論に基づいた、液状検体に含まれるか含まれる可能性のある特定微生物を計量する特定微生物計量装置を提供できる。この装置は、励起光による蛍光の消光を抑え、正確に特定微生物の数を計量することができるようにしたものであり、しきい値を設けたことで、異物混入による過大評価を防止し、高い感度を保持したものである。
【0127】
また、標識二次抗体が蛍光物質によって標識化されたものとしたことで、検体反応手段に捕捉された特定微生物の捕捉位置で発光を観察することができるので、特定微生物を精度よく測定できる特定微生物計量装置を提供できる。
【0128】
また、検体反応手段を液状検体をフローさせながら接触できるものとしたことで、検体反応手段に固定化された一次抗体と特定微生物との接触効率を向上させることができる特定微生物計量装置を提供できる。
【0129】
また、検体反応手段を間隙を挟んで互いに対向して配置された2つの電極と両電極を電位可変自在に短絡させることができる短絡部を有し、特定微生物に特異的に結合する一次抗体が一方の電極に固定化されたものとしたことで、通常、微生物の表面が負の電荷に帯電している性質を利用し、一次抗体が固定化された電極が正側となるように電圧をかけることで、一次抗体と特定微生物との接触効率を向上させることができる特定微生物計量装置を提供できる。
【0130】
また、受光手段を少なくとも一つの光電変換素子とし、励起光によって発光した光を集光する集光レンズを前記光電変換素子の前段に設けたことで高い検出感度を得ることができる。さらに、光電変換素子を線状に配置することで一方向へのスキャンで検体反応手段上に存在する特定微生物を検出することができ、特定微生物の計量を迅速化することができるという効果を有する特定微生物計量装置を提供できる。
【0131】
また、検体反応手段を円盤状とすることで回転方向への検体反応手段の駆動を容易にし、それにより検出速度の向上が可能となる。さらに光源、受光手段の少なくともどちらか一方の検出移動距離を最小限に抑えることができる。それに伴い、検出時間の迅速化および特定微生物計量装置の簡易化が可能になるという効果を有する特定微生物計量装置を提供できる。
【0132】
また、光源より発せられる励起光の検体反応手段への照射の微小面積を設定速度範囲内で可動させることで発光のずれや残像、残光を防止でき、それに伴い過大若しくは過少評価を防止することができるという効果を有する特定微生物計量装置を提供できる。
【0133】
また、光源より発せられる光または検体反応手段より発せられた光の少なくともいずれか一方を反射板を使用し、集光することで、検体反応手段への効率の高い照射または受光手段での効率の高い検出が可能になり、装置構成を簡易化することができるという効果を有する特定微生物計量装置を提供できる。
【0134】
また、光源の波長を分光できる分光部と蛍光波長を分光できる分光部を設けることで、目的の波長を照射し、発せられた目的の蛍光波長の検出を可能とし、高感度な目的の検出が可能となる特定微生物計量装置を提供できる。
【0135】
また、検体反応手段の表面を自動的に認識し、励起光の焦点を合わせることで検出位置を認識し、検体反応手段全体を検出することが可能となり、その検出に伴う、二重検出若しくは検出洩れを防ぐことで検体の過大若しくは過少評価を避けることができる特定微生物計量装置を提供できる。
【0136】
また、光ファイバーを利用して光源からの励起光を導入することで、熱源となる光源を別部に設置することが可能となり、これにより検体反応手段に捕捉された特定微生物あるいは一次抗体や標識二次抗体への熱の影響を防止し、誤差拡大の回避が可能となる。さらに検体反応手段が複雑な形状の場合でも常時、一定の光を検体反応手段へと導入することができ、より正確な計量が可能になるという効果を有する特定微生物計量装置を提供できる。
【0137】
また、光源集光手段に紫外光透過性レンズを使用することで紫外領域の波長の光量を減少させることなく検体反応手段へと導入することができ、紫外領域の波長によって検出可能な蛍光物質の計量ができるという効果を有する特定微生物計量装置を提供できる。
【0138】
また、装置若しくは検体反応手段に測定位置を示す手段を設けることで検出位置を認識させることができ、誤検出の防止あるいは検出速度の調整ができる。さらに、検体反応手段の測定位置を示す手段に磁気を利用することで簡易かつ正確な検出が可能となるという効果を有する特定微生物計量装置を提供できる。
【0139】
また、検体反応手段の測定位置を認識する軌道位置から次の認識軌道位置までを一定の距離を保った状態で移動させる手段を有することで検体反応手段全体を検出する必要がなくなり、迅速化が可能となる。また、各軌道間に位置する微生物の誤認識を防止し、より正確な計量を実施できる。さらに、各軌道間の距離を10乃至50μmとすることで従来法との相関性を出すことができるという効果を有する特定微生物計量装置を提供できる。
【0140】
また、検体反応手段上から得られた蛍光を「0」と「1」の二値化した点座標として認識することで、特定微生物を容易にかつ迅速に計量でき、その位置関係によって異物として認識されたものを対象外として除去し、同様にその位置関係として特定微生物として認識されたもののうち、従来法の寒天培地拡散法と比較した場合、近隣した特定微生物として認識されたものを一つ特定微生物として認識することで従来法と相関性を有するという効果を有する特定微生物計量装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1の励起光の検体反応手段上における軌道Aの構成図
【図2】 同実施例1の励起光の検体反応手段上における軌道Bの構成図
【図3】 同実施例1の波形モデルを示す図
【図4】 同実施例1の特定微生物隣接存在時における波形モデルを示す図
【図5】 同実施例1の蛍光消光モデルを示す図
【図6】 同実施例1の特定微生物計量装置を示す図
【図7】 同実施例1の二値化モデルを示す図
【図8】 本発明の実施例2の特定微生物計量装置を示す図
【図9】 本発明の実施例3の検体反応手段を示す図
【図10】 本発明の実施例4の検体反応手段を示す図
【図11】 サンドイッチ型免疫アッセイ法の理論の一例を示す概念図
【図12】 電極を利用した検体反応手段の一例を示す概念図
【図13】 従来例の微生物測定装置の構成図
【符号の説明】
1 検体反応手段
2 軌道A
3 軌道B
4 光源
5 特定微生物判断手段
6 上限
7 下限
8 波形
9 しきい値
10 レンズ
11 受光部
12 励起光分光フィルター
13 プリズム
14 蛍光分光フィルター
15 光電変換素子
16 発光源
17 異物
18 反射板
19 把手部
20 検体反応部
21 検出開始線
22 検体認識軌道
23 投入口
24 排出口
25 光透過面
26 底面
27 短絡部
51 検体反応手段
52 基板
53 一次抗体
54 標識二次抗体
55 蛍光物質
56 反応試薬含有部
57 電極
58 電極
59 短絡部
61 特定微生物
62 液状検体
Claims (23)
- 特定微生物を含有するか含有する可能性のある液状検体を接触させるための、特定微生物に特異的に結合する一次抗体を固定化した検体反応手段と、検体反応手段に特定微生物に特異的に結合する標識二次抗体を供給するための、標識二次抗体を収容した反応試薬含有部と、前記検体反応手段の微小な一定面積に励起光によって発光するように予め定められた波長域で前記励起光を照射する光源と、前記微小な一定面積は、特定微生物の大きさに基づいて一片0.2μm乃至7.0μm程度の範囲に設定し、励起光照射時間を前記励起光により発光した蛍光強度が消光しない時間とし、前記励起光によって発光する予め定められた波長域の光を受光する受光手段と、前記光源によって照射されて発光した光を設定した一定の時間内に受光し、前記設定した一定の時間は一定の発光光量の範囲内での時間とし、その受光した光量が設定したしきい値の範囲内のときに特定微生物1個と判断する特定微生物判断手段と、その設定したしきい値は、特定微生物が発する蛍光強度によって決定され、前記微小な一定面積を連続または断続的に移動させる移動手段と、この移動手段により前記検体反応手段の面積全体をスキャンし、前記特定微生物判断手段から特定微生物と判断された信号、すなわち蛍光から特定微生物の数量を積算する積算手段を有することを特徴とする特定微生物計量装置。
- 標識二次抗体が蛍光物質によって標識化されたものとした請求項1記載の特定微生物計量装置。
- 検体反応手段を液状検体をフローさせながら接触できるものとした請求項1または2記載の特定微生物計量装置。
- 検体反応手段を間隙を挟んで互いに対向して配置された2つの電極と両電極を電位可変自在に短絡させることができる短絡部を有し、特定微生物に特異的に結合する一次抗体が一方の電極に固定化されたものとした請求項1乃至3のいずれかに記載の特定微生物計量装置。
- 受光手段を少なくとも一つの光電変換素子とし、前記励起光によって発光した光を集光する集光レンズを前記光電変換素子の前段に設けた請求項1乃至4のいずれかに記載の特定微生物計量装置。
- 複数の光電変換素子を線状に配置した請求項5記載の特定微生物計量装置。
- 検体反応手段を円盤状とし、その検体反応手段を可動させることとした請求項1乃至6のいずれかに記載の特定微生物計量装置。
- 検体反応手段を測定する面積を多角形として、その検体反応手段を可動させることとした請求項1乃至6のいずれかに記載の特定微生物計量装置。
- 微小面積を移動させる移動手段として、光源、受光手段、検体反応手段のいずれか一つあるいは複数を移動させる駆動手段を設け、設定速度範囲内で可動させることとした請求項1乃至8のいずれかに記載の特定微生物計量装置。
- 光源より発せられる光の集光手段および/または受光手段への集光手段として反射板を設けた請求項1乃至9のいずれかに記載の特定微生物計量装置。
- 光源と微小面積の間に特定の波長のみを透過させる分光部を設けた請求項1乃至10のいずれかに記載の特定微生物計量装置。
- 微小面積と受光手段の間に特定の波長のみを透過させる分光部を設けた請求項1乃至11のいずれかに記載の特定微生物計量装置。
- 光源および/または受光手段に検体反応手段内の微小面積に焦点を合わせる自動焦点機能を備えた請求項1乃至12のいずれかに記載の特定微生物計量装置。
- 光源と検体反応手段の距離を一定にし、微小面積を一定化する手段を有する請求項1乃至13のいずれかに記載の特定微生物計量装置。
- 光源から発せられる光を光ファイバーを使用して検体反応手段へと導入する手段を有する請求項1乃至14のいずれかに記載の特定微生物計量装置。
- 紫外光を透過するレンズを光源集光手段として用いた請求項1乃至15のいずれかに記載の特定微生物計量装置。
- 検体反応手段の測定位置を示す手段を有した請求項1乃至16のいずれかに記載の特定微生物計量装置。
- 検体反応手段の測定位置を示す手段に磁気を用いる請求項17記載の特定微生物計量装置。
- 検体反応手段の測定位置を認識する手段を有した請求項1乃至18のいずれかに記載の特定微生物計量装置。
- 検体反応手段の測定位置を認識する軌道を移動させる際、認識軌道位置から一定の距離を保った状態で次の認識軌道位置へ移動する手段を有した請求項19記載の特定微生物計量装置。
- 認識軌道位置から次の認識軌道位置までの距離を10乃至50μmとした請求項20記載の特定微生物計量装置。
- 検体反応手段に含まれる微生物から得られた信号を、二値化した点座標として認識し、信号が得られた点座標の数を計測する機能を有した請求項1乃至21のいずれかに記載の特定微生物計量装置。
- 信号が得られた点座標のうち、近隣した信号を一つの信号として認識する機能を有した請求項22記載の特定微生物計量装置。
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