JP3062167U - ビニ―ルハウス用紐止め具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ビニールハウスのバタツキ防
止用の紐を、ワンタッチで簡易に緊張固定、解放できる
ビニールハウス用紐止め具を提供する。 【解決手段】 ビニールハウス両下端に配
設する縦フレーム１０に嵌着する湾曲部２と、湾曲部２
の一方に立設する長尺な側壁１から成る長手方向（湾曲
部２の軸心に沿う方向、以下同じ）に所要長さの受け体
３において、側壁１の上部内面とビニールシート１２間
に指の入る空間を形成するために側壁１の上部内面に厚
肉部４突設して厚肉部４の上方に段差部８を形成し、厚
肉部４の長手方向中央部下端から上下二段に渡って紐挿
通溝６を側壁１に貫設し、紐挿通溝６と長手方向同位相
に厚肉部４の内面に紐案内溝７を縦設して成る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】

本考案は、農業用ビニールハウス（以下、単にビニールハウスという。）に用 いる紐止め具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来から使用されているビニールハウスは、トンネル状に長手方向に多数個配 列する各支柱の上面にビニールシートをかけ渡し、シート固着具で該支柱の要所 にビニールシートを固着して構築されるが、支柱間のビニールシートに緩みがあ ると強風時のバタツキによって破損することがあり、そのため、各支柱間ではビ ニールシートの上面から紐をかけ渡し、両端をビニールハウスの両下端に縦設す る縦フレームに直接結び付けて緊張している。この紐による緊張作業がかなりの 手間を要することから、簡単な固定技術が要望されていた。 そこで、本願考案者は実用新案登録第３００２６４５号にて、ワンタッチで紐 を閉め込む先行技術を提案した。該技術は、紐を緩める場合にストッパーの頭部 を紐の緊張する側に押し倒すこととなり、紐解放時の不便さを内在するものであ った

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は上記に鑑みて、ビニールハウスのバタツキ防止用の紐をワンタッチで 緊張固定するとともに、ワンタッチで簡易に緊張状態を解放できるビニールハウ ス用紐止め具を提供するものである

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案のビニールハウス用紐止め具は、正面縦断面がＵ字形状で一方の側壁の 背丈を長尺にした所要長さの受け体において、該一方の側壁の上部内面に厚肉部 を配設し、該厚肉部の上端から前記側壁の上端に渡って段差部を形成するととも に、該厚肉部の長手方向の中央部の下端から上下二段に渡って紐挿通溝を前記側 壁に貫設し、該紐挿通溝と長手方向同位相に前記厚肉部の内面に紐案内溝を縦設 して成る。

【０００５】

【考案の実施の形態】

長尺な背丈の側壁の内面に配設する厚肉部はその段差部において、該側壁の上 端を外方へあおるとき（紐への外力の負荷と緊張力解放のとき）、指の入る空間 を形成するためのものであるから、該素側壁の内面からの突出寸法は適宜に選択 され、また、該厚肉部の長手方向中央部の下端から上下二段に側壁に貫設する紐 挿通溝は、所要幅、所要高さの平溝に限定されるものではなく、紐の形状に対応 する溝形状であればよく、さらに、該紐挿通溝と長手方向での位相と溝幅を同一 にして厚肉部の内面に縦設する紐案内溝の溝深さは、紐緊張時に該厚肉部の内面 とビニールハウスのビニールシートの上面間に不要な隙間を形成しないように考 慮 されるものである

【０００６】

【実施例】

本考案を実施例により説明すると、図１に示すように、正面縦断面Ｕ字形状で 左方の側壁１の背丈を長尺にし、下端の湾曲部２の右端を湾曲中心より僅かに上 方へ突出した長手方向（湾曲部２の軸心に沿う方向、以下同じ）に所要長さの受 け体３において、側壁１の上部内面に厚肉部４を配設し、厚肉部４の長手方向前 後に厚肉部４の内面下端から側壁１の内面に至る傾斜面を有する補強部５を設け 、両補強部５、５の内側には図２に示すように、厚肉部４の下端から上下二段に 渡って所要幅、所要高さの横長平溝形状の紐挿通溝６を側壁１に貫設し、紐挿通 溝６と長手方向での位相と溝幅を同一にして厚肉部４の内面に紐案内溝７を縦設 し、厚肉部４の上端から側壁１の上端に渡って段差部８が形成されて成る。

【０００７】 このようにして成るビニールハウス用紐止め具ａ（以下、単に紐止め具aとす る。）は、図４に示すように、ビニールハウス９の両下端に縦設する縦フレーム １０の各支柱１１間において、側壁１の外面を外方に向けて湾曲部２の内面を縦 フレーム１０に嵌着し、各支柱１１、１１間のビニールシート１２の上面からか け渡す偏平状の紐１３を図３に示すように、側壁１に貫設した下段の紐挿通溝６ へ内面側から挿通し、外面に引き出した紐１３を上段の紐挿通溝６に外面側から 挿通し、内面側に引き出した紐１３をその先端に紛失防止用の結び目１４を付け て上方に締め上げるものであるが、このとき、側壁１の上端部内面に毛形成され る段差部８に指をかけて受け体３の側壁１を外方にあおるようにして上段側の紐 １３を引けば、容易に締め込みできる。段差部８から指を離せば、湾曲部２の内 面に嵌着する縦フレーム１０を中心に紐１３の緊張力によって側壁1はビニール シート１２の上面側に傾き、図２示すように、下側の紐挿通溝６の内面側上縁１ ５と、厚肉部４に縦設する紐案内溝７の下縁１６とで紐１３がほぼ直角に折曲さ れ、摩擦抵抗を大にして瞬時に固定される。したがって、紐１３を外すなどで緊 張力を解放するときは、段差部８に指を入れて側壁１を外方にあおれば、紐１３ は簡単に緩むこととなる。 このように、紐止め具ａは、側壁１の段差部８において、ビニールシート１２ の上面と側壁１の内面間に指をかけるだけの最小限の空間を形成するから、ビニ ールシート12の固定時には風圧などの外力には左右されず、紐１３の締め込みと 緩め時に外方にあおるだけで、簡単かつ容易に緊張力の負荷、解放がなされる。

【０００８】

【考案の効果】

本考案のビニールハウス用紐止め具によれば、受け体の湾曲部に嵌着する縦フ レームを中心に、側壁を外方にあおるだけで、紐への外力の負荷及び緊張力の解 放を簡易になし得るものであり、また、外力の負荷時にあおりを止めれば、紐の 緊張力によって側壁は自動的にビニールシートの上面側に傾動し、瞬時にその菌 張力を保持できるなど、ビニールシートへの紐のかけ渡し作業に極めて便利であ る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のビニールハウス用紐止め具ａの斜視
図。

【図２】図１の湾曲部軸心に沿う方向の中央縦断面。

【図３】ビニールハウス用紐止め具ａに紐を挿通した状
態の説明図

【図４】ビニールハウス用紐止め具ａの使用状態の説明
図。

【符号の説明】 1 側壁 2 湾曲部 3 受け体 4 厚肉部 5 補強部 6 紐挿通溝 7 紐案内溝 8 段差部 ９ ビニールハウス １０ 縦フレーム １１ 支柱 １２ ビニールシート １３ 紐 １４ 結び目 １５ 上縁 １６ 下縁 ａ ビニールハウス用紐止め具

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 正面縦断面がＵ字形状で一方の側壁の背
   丈を長尺にした所要長さの受け体において、該一方の側
   壁の上部内面に厚肉部を配設し、該厚肉部の上端から前
   記側壁の上端に渡って段差部を形成するとともに、該厚
   肉部の長手方向中央部の下端から上下二段に渡って紐挿
   通溝を前記側壁に貫設し、該紐挿通溝と長手方向同位相
   に前記厚肉部の内面に紐案内溝を縦設して成るビニール
   ハウス用紐止め具。