JPH0224449Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、温室或いは苗床などのビニールハウ
スを構成するときに使用する杭の改良に関する。

（従来技術と問題点） 従来、この種のビニールハウス用の杭は、第６
図示の如く杭本体１′の上端にフツク２′を一体に
形成し、下端部にスクリユー７′を形成した構成
である。

この杭を使用して温室を構成する第１例は不図
示であるが、あえて第６図で説明すれば、骨組
ニ′を組上げ、その骨組に温室幕イ′を被せる。一
方杭本体１′のフツク２′に操作棒（不図示）を引
掛け、その操作棒を手で操作して杭本体１′を回
し、地中に埋設する。

そして、温室幕イ′に張渡した張設索ハ′を、地
中の地表近くに埋設した幕枠ロ′に結束するとか、
或いは該張設索を、杭本体１′のフツク２′を利用
して地中に張巡らした張番線６に結束するとかし
ていた。

上記温室構成手段によるときは、上記の結束作
業を繰返す必要があるため、作業時間が長くかか
り、体力を消耗して疲労が激しかつた。

斯る欠点を除くためには幕枠ロ′を杭本体１′の
フツク２′に直接掛懸することが考えられるが、
従来の杭は、杭本体１′の上端に鉤型のフツク
２′を一体形成したものであるため、杭本体１′を
地中に埋設するために回動せしめるとフツク２′
も一緒に回動してしまい、したがつて、該フツク
２′を幕枠ロ′に都合良く掛懸させるように尚且つ
杭本体１′を安定良い深さに埋設するように調節
するのが困難であり、しかも、一旦フツク２′を
幕枠ロ′に掛懸してしまうと杭本体１′を更に回動
せしめることができず、埋設後の杭本体１′の弛
みの調整或いは抜取り等の作業が困難になるなど
の不具合がある。

上記の問題点に着目して張設索ハ′の結束と解
放とを容易に行なうべく改良した温室構成手段が
既知である。

この第２例の手段を第６図及び第７図で説明す
れば、張設索ハ′を地上で連結番線ホ′に結束し、
その連結番線を地中の幕枠ロ′につなぎ、その幕
枠を結束番線ヘ′で張番線６に結束するという手
段である。

この構成手段によるときは、張設索ハ′と連結
番線ホ′との結束部が地上になるため、無雪期に
おいては張設索ハ′の解放が楽になり、温室幕
イ′の脱着を容易に行なうことができるものの、
張設索ハ′と連結番線ホ′との結束、連結番線ホ′
と幕枠ロ′との連結、幕枠ロ′と張番線６との結束
などの作業が必要となつて手間がかかること、連
結番線ホ′、結束番線ヘ′などは地中に埋まるため
にかなりの強度が要求されるが、強度的にもの足
りないことなどという問題点があつた。

上記した手間の省略には、前記従来技術の第１
例と同様に幕枠ロ′を杭本体１′のフツク２′に直
接掛懸することが考えられるが、この場合は、上
記第１例と同様の不具合がある。

第３例の温室構成手段を第８図、第９図で説明
すれば、杭本体１′は、上端のフツク２′を地上に
位置せしめる如く地中に立設し、そのフツクを利
用して張番線６を張巡らし、その張番線に張設索
ハ′を結束した手段である。

この温室構成手段によるときは、温室幕イ′及
び張設索ハ′の脱着が容易になるものの、長期の
使用や風などによつて張番線６が伸長して上向に
曲がり、張設索ハ′が所定の結束位置よりも、杭
本体１′間の中心部よりに位置ずれし、温室幕
イ′が風でまくれやすくなるという問題点を有し
ている。この問題点は、杭本体１′の立設本数を
増加すれば、解決できる性質のものであるが、温
室構成作業の能率化を優先するため、杭本体１′
の立設本数を限度ぎりぎりまで減らしている現状
に起因して発生している。

本考案は上記従来事情に鑑みなしたもので、杭
本体にて幕枠を地表に向つて容易に押え込むこと
ができ、温室構成作業及び温室解体作業の能率化
を図ることのできるビニールハウス専用杭を提供
することを目的とする。

（上記問題点を解決するための手段） 上記目的を達成するために本考案がなした手段
は、地中に立設する杭本体１と、この杭本体に取
付ける幕枠掛懸部材３とからなり、杭本体１は上
部に回動操作部２を形成し、その回動操作部の下
側に抜止部４を備え、さらに下部に杭本体自体を
回動操作部２により水平回動せしめて地中に推進
せしめる推進部７を具備せしめて構成し、幕枠掛
懸部材３は取付部３０１にビニールハウス用の幕
枠ロを地表に向つて押えこむための掛懸部３０２
を形成して構成し、杭本体１の抜止部４の下側に
幕枠掛懸部材３の取付部３０１を板止部４により
上方から押えるように、かつ杭本体１の回動に連
動しないように嵌合してなるということである。

（作用） 幕枠掛懸部材を杭本体の回動と連動しないよう
に嵌合したことにより、杭本体の回動時に幕枠掛
懸部材が杭本体と一緒に回動することがなく、該
掛懸部材を常に幕枠に掛外し易い位置に調節配置
せしめることが可能になる。

（実施例） 本考案の実施例を図面について説明する。

第１図示の第１例は、苗床の構成に使用する杭
を示したもので、杭本体１は、上部（図の上端
部）に回動操作部２を形成してドリルＤを連結可
能に構成し、該回動操作部の下側部位に２つの抜
止部４を長さ方向に間隔をあけて具備せしめ、さ
らに下部に杭本体体を回動操作部２により水平回
動せしめて地中に推進せしめる推進部７を形成し
て構成する。杭本体１の上部に回動操作部２を形
成するが、その操作部は、ドリルＤのチヤツク、
その他の回動操作具で締付け得る形状であれば、
平面円形（真円形、真円形以外の円形の両方を含
む）、平面角形など適宜の形状でよい。幕枠掛懸
部材３は、第５図示の如く平板部に杭本体１の外
径よりも大径の取付孔からなる取付部３０１を形
成し、平板部に上方に弯曲した略Ｃ字形の掛懸部
３０２を一体に連設して構成する。幕枠掛懸部材
３は、杭本体１に突設した２つの抜止部４のうち
の上側抜止部の下側部位（２つの抜止部間）に取
付部３０１を緩く嵌合し、杭本体１の回動に連動
しないようになし、かつ取付部３０１が上側抜止
部によつて上方から押えられるようになし、掛懸
部３０２によつて苗床用の幕枠ロを地表に向つて
押え込んで配置しえるようにする。

２つの抜止部４は、回動操作部２の下側部位に
杭本体１の長さ方向に間隔をおいて突設し、杭本
体１の立設時に上側抜止部が幕枠掛懸部材３の取
付部３０１を上方から押え、幕枠掛懸部材３が杭
本体１から抜けることを防止すると共に、杭本体
１の抜取り時及び保管時などに幕枠掛懸部材３が
徒らに変移することを規制する。

推進部７は杭本体１の下部にスクリユーを形成
せしめて構成し、回動操作部２によつて杭本体１
を水平回動可能ならしめて立設及び抜取りを行な
わしめる。

このように構成した杭を立設するときは、杭本
体１の回動操作部２をドリルＤ、その他の回動操
作具で締付け、該操作具を操作して杭本体１を回
し、推進部７によつて杭本体１を水平回動せしめ
らがら地中に推進せしめ、幕枠掛懸部材３を地表
に向つて降下せしめ、その幕枠掛懸部材の方向を
調整して骨組ニの幕枠ロに掛懸し、さらに杭本体
１を地中に推進して幕枠掛懸部材３で上記幕枠を
地表に向つて押え込み、杭を立設し、温室幕イを
張設するようにする（第２図参照）。

第３図示の第２例もアーチ形温室構成用で、杭
本体１が、周知の杭本体１と同じ構成であるこ
と、ドリルアタツチメント８に回動操作部２、幕
枠掛懸部材３、２つの抜止部４などを設けた構成
であること、２つの抜止部４の下側抜止部を環体
に構成して杭本体１上端のフツクに連結する連結
部を兼用せしめたことなどの構成が第１例の構成
と異なる。

第４図示の第３例もアーチ形温室構成用で、杭
本体１の回動操作部２をフツク形に形成し、その
回動操作部の下側部位に２つの抜止部４を突設
し、回動操作部２をドリルアタツチメント８に連
結可能ならしめた構成が上記２つの実施例の構成
と異なる。

上記第２例、第３例の杭本体１を立設するとき
は、杭本体１をドリルアタツチメント８に連結
し、ドリルＤ、その他の回動操作具の回転力でド
リルアタツチメント８を介して杭本体１を回し、
推進部７で地中へ突進めて立設する。そして、幕
枠掛懸部材３を骨組ニの幕枠ロに掛懸せしめる。

（効果） 本考案は叙上の如く構成してなるので以下の効
果を有する。

幕枠掛懸部材が杭本体に対して杭本体の回動と
連動しないように嵌合されているので、杭本体の
回動時に幕枠掛懸部材を常に幕枠に掛外し易い位
置に調節配置せしめることが可能になる。従つ
て、杭本体を回動せしめながら幕枠掛懸部材を幕
枠に掛懸することができ、幕枠を容易に掛懸せし
め得、杭による幕枠の押えこみ作業を容易に行な
うことができ、苗床や温室の構成作業を能率良く
行なうことができるとともに、幕枠掛懸部材を幕
枠から外す作業も容易となり、解体作業も能率良
く行なうことができる。

また、苗床や温室の構成完了後や長期使用後な
どに杭の弛みによつて幕枠掛懸部材の幕枠に対す
る押えこみ力が弱くなつても、杭本体を回動せし
めて更に深く杭本体を立設せしめることにより容
易に幕枠掛懸部材の幕枠に対する押えこみ力を回
復させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案杭の第１例を示す正面図、第２
図は第１例の使用状態を表わした正面図、第３図
は第２例の正面図、第４図は第３例の正面図、第
５図は幕枠掛懸部材の斜視図、第６図は従来技術
の第２例を表わした正面図、第７図はその平面
図、第８図は従来技術の第３例を表わした斜視
図、第９図はその一部拡大縦断正面図である。 図中、１……杭本体、２……回動操作部、３…
…幕枠掛懸部材、４……抜止部、７……推進部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 地中に立設する杭本体１と、この杭本体に取付
   ける幕枠掛懸部材３とからなり、杭本体１は上部
   に回動操作部２を形成し、その回動操作部の下側
   に抜止部４を備え、さらに下部に杭本体自体を回
   動操作部２により水平回動せしめて地中に推進せ
   しめる推進部７を具備せしめて構成し、幕枠掛懸
   部材３は取付部３０１にビニールハウス用の幕枠
   ロを地表に向つて押えこむための掛懸部３０２を
   形成して構成し、杭本体１の抜止部４の下側に幕
   枠掛懸部材３の取付部３０１を抜止部４により上
   方から押えるように、かつ杭本体１の回動と連動
   しないように嵌合してなるビニールハウス専用
   杭。