JP3061869U - 装飾用鎖 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】両端部に係合用孔部を有する複数の中空体
と、前記係合用孔部より幅広となった両端の係合端部お
よび該係合端部間に形成されかつより幅広な中央張出部
を有するとともに、該係合端部と中央張出部との間の幅
が前記係合用孔部より狭く、前記中空体の内部に前記係
合用端部が、外部に前記張出部が位置するように隣接す
る中空体間に配設される複数の連結部材とを備える装飾
用鎖。 【効果】上記係合端部および張出部を有する連結部材を
用いているため、連結部材の係合端部の幅より広くかつ
張出部の幅よりも狭い孔部を両端部に有する中空を形成
し、これを用いて組み立てることにより、この孔部から
連結部材の一方の係合端部を挿入して孔部周縁に張出部
を当接させることで、連結部材を所定位置に容易に保持
固定することができ、ひいてはこの状態で孔部を所望の
大きさまで狭める塑性変形作業をも簡単とすることがで
きる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の技術分野】

本考案は、組立が容易で、装飾性が高い装飾用鎖に関する。

【０００２】

【考案の技術的背景】

ネックレスおよびブレスレット等の装身具などに用いられる装飾用鎖としては 、例えば、銀などの金属製ワイヤに、複数の装飾要素を通し、該装飾要素が連結 した鎖様の外観を呈するようにしたものが知られている。このような装飾要素と しては、例えば、両端に孔部を有する銀、金またはプラチナなどの金属製中空体 、または貫通孔を有する金属球および石などがある。

【０００３】 しかしながら、このような金属製ワイヤを用いた装身具では、金属製ワイヤに 撚りが生じることにより破損したり、あるいは金属製ワイヤの屈曲限界を越える まで屈曲することにより、曲がり癖が付いたり破損したりするという問題があっ た。

【０００４】 また、このような問題を有しないものとしては、両端部に係合用孔部を有する 複数の金属製中空体と、これら中空体を連結するために隣接する中空体間に各々 配設された連結部材とを備えた装飾用鎖が知られている。この装飾用鎖では、各 々の連結部材は、前記係合用孔部より幅広となった両端の係合端部と、係合用孔 部より幅の狭い中間部とを有しており、この係合端部を各々隣接する中空体内部 に位置させることで両者を連結している。このような装飾用鎖では、連結部材の 係合端部間の幅が中空体の係合用孔部よりも狭くなっており、これによって両中 空体が連結部分で回転および屈曲自在となっているため、撚りおよび曲がり癖が 発生し難いという利点がある。

【０００５】 ところで、この装飾用鎖の組立は、図８(a)に示すように、連結部材５１の係 合端部５３より大きな孔部５５を両端部に有する中空体５４を形成し、この孔部 ５５から連結部材５１の一方の係合端部５３を挿入して他方の係合端部５３が外 部に位置するよう保持し、次いで図８(b)に示すように、孔部５５を連結部材５ １の係合端部５３の幅よりも狭くかつ係合端部５３，５３間の幅よりも広くなる ように塑性変形させ、この工程の繰り返しで複数の中空体５４を連結して行われ る。

【０００６】 しかしながら、このような装飾用鎖では、両方の係合端部５３，５３とも孔部 ５５よりも小さいため、連結部材５１の係合端部５３を孔部５５から挿入する際 に、図８(c)に示すように他方の係合端部５３も中空体５４内部に入ってしまい 、連結部材５１が中空体５４内部に落ち込み易かった。したがって、一方の係合 端部５３を中空体５４内部に、他方を中空体５４外部に保持すること、およびこ の位置を保持して孔部５５を塑性変形させることが困難で、これを何度も正確に 繰り返すには技術を要するという問題があった。この問題は、特に手作業でこの 装飾用鎖を製造する場合に、その生産性に大きな影響を与える。

【０００７】 また、このような従来の装飾用鎖の組立方法として、先ず連続部材５１がその 端部で切込みを有する連結部を介して複数連結した金属製棒状体（不図示）を用 いたものが知られている。この方法では、先ずこの棒状体を両端の孔部５５から 中空体５４に挿通し、中空体５４を、隣接した連結部材５１の対向する係合端部 ５３、５３とその間の連結部とが中空体５４内部に位置するように配置する。次 いで、この状態で中空体５４の孔部を塑性変形させて小径の係合用孔部とし、中 空体５４を固定する。この操作を繰り返して、複数の中空体５４を棒状体に挿通 、固定し、最後に棒状体を繰り返し屈曲させ、各々の中空体５４の内部に位置す る連結部を切込み箇所で破断する。

【０００８】 このような方法によれば、連結部材の中空体への落ち込みという問題を解消す ることができる。しかしながら、このような方法では、組立工程中に上記棒状体 を中空体に挿通する必要があるため、中空体内部に磁性体を装着して磁性鎖とす ることができないという問題があった。

【０００９】

【考案の目的】

本考案は、このような従来技術に伴う問題点を解決しようとするものであり、 使用時の撚りおよび曲がり癖などが発生し難く、組立が容易で、鎖を構成する中 空体内部に磁性体などを装着することができ、かつデザイン的な多様性を付加し 得る装飾性の高い装飾用鎖を提供することを目的とする。

【００１０】

【考案の概要】

本考案に係る装飾用鎖は、両端部に係合用孔部を有する複数の中空体と、 前記係合用孔部より幅広となった両端の係合端部および該係合端部間に形成さ れかつより幅広な中央張出部を有するとともに、該係合端部と中央張出部との間 の幅が前記係合用孔部より狭く、前記中空体の内部に前記係合用端部が、外部に 前記張出部が位置するように隣接する中空体間に配設される複数の連結部材と、 を備えることを特徴としている。

【００１１】 本考案に係る装飾用鎖によれば、上記形状の係合端部および張出部を有する連 結部材を用いているため、連結部材の係合端部の幅より広くかつ張出部の幅より も狭い孔部を両端部に有する中空体を形成し、これを用いて組み立てることによ り、この孔部から連結部材の一方の係合端部を挿入して孔部周縁に張出部を当接 させることで、連結部材を所定位置に容易に保持固定することができ、ひいては 孔部の塑性変形作業をも簡単とすることができる。

【００１２】 また本考案に係る装飾用鎖によれば、中空体内部に磁性体を装着することが可 能である他、張出部を種々の形状、例えば板状、円柱状、角柱状、球状および多 面体状などとし、あるいは張出部を種々の材質、例えば他の部分と異なる金属、 宝石等で形成することにより、中空体の形状および材質と合わせて多様性のある デザインを実現することが可能である。

【００１３】

【考案の具体的説明】 以下、添付図１〜図５を参照して、本考案をさらに具体的に説明する。

【００１４】 添付図１は、本考案に係る装飾用鎖の好ましい一態様を示す一部切欠きを含む 平面図であり、図２は図１に示す装飾用鎖の要部拡大平面図であり、図３は、連 結部材の好ましい一態様を示す平面図であり、図４はその結合状態を説明するた めの一部切欠きを含む拡大斜視図である。

【００１５】 図示されるように、本態様の装飾用鎖１は、複数の中空体３，３・・と、連結 部材６，６・・とを、該連結部材６が隣接する中空体３，３間に位置するように 、交互に配設して構成されている。また、この装飾用鎖１の両端に位置する中空 体３，３には、留め具１１が取着されており、該留め具１１は着脱自在となって いる。

【００１６】 各々の中空体３は、両端に連結部材６を係合するための係合用孔部４，４を有 している。

【００１７】 各々の連結部材６は、両端に係合端部７，７を有するとともに、係合端部７， ７間に張出部８を有している。そして、図３に示されるように、係合端部７，７ の幅ｗ１は、張出部８の幅ｗ２よりも狭くなっており、かつ係合端部７−張出部 ８間の幅ｗ３は、係合端部７，７の幅ｗ１よりも狭くなっている。

【００１８】 また、特に図２および図４に良く示されるように、このような連結部材６は、 隣接する中空部材３，３間で、係合端部７，７が各々の中空体３，３の内部に、 張出部８が外部に位置するように配設されており、したがって係合端部７および 張出部８間が係合用孔部に挿通された状態となっている。

【００１９】 そして、中空体３の係合用孔部４は、その内径が係合端部７の幅ｗ１よりも狭 くかつ係合端部７および張出部８間の幅ｗ３よりも広くなっている。

【００２０】 このような構成の装飾用鎖１によれば、隣接する中空体３，３が連結部分で回 転および屈曲自在となっているため、撚りおよび曲がり癖が発生し難い。

【００２１】 また、この装飾用鎖１の組立は、図５に示すように、連結部材６の係合端部７ より大きな孔部５を両端部に有する中空体３を形成し、この孔部５から連結部材 ６の一方の係合端部７を挿入し、次いで孔部５を連結部材６の係合端部７の幅よ りも狭くかつ係合端部７-張出部８間の幅よりも広くなるように塑性変形させ、 この工程の繰り返しで複数の中空体３を連結して行われる。

【００２２】 この際、本態様の装飾用鎖１では、係合端部７の挿入に際して孔部５周縁に張 出部８が当接するため、係合部材６全体が中空体３内に落ち込むことがない。し たがって、連結部材６を所定位置に容易かつ確実に保持固定することができ、ひ いては孔部５の塑性変形作業による係合用孔部４の形成をも簡単とすることがで きる。

【００２３】 また、本考案の装飾用鎖１は、中空体の内部に磁性体を装着した場合であって も、その組立易さに関して何ら影響を与えない。

【００２４】 以上説明した本態様の装飾用鎖１では、中空体３および連結部材６は種々の材 料で形成することができ、例えば、プラチナ、金などの金属で構成してもよく、 用途によってはプラスチック、セラミックなどで形成しても、あるいはこれら材 料間あるいはこれら材料と宝石等との複合材で形成してもよい。

【００２５】 さらに、本体用の装飾用鎖１では、球状の中空体３を他の形状、例えば完全な 球状、有底筒状、多面体状などとしてもよく、さらに上記板状の連結部材６に代 えて、種々の形状の連結部材、例えば図６および図７に示す連結部材を用いても 良い。なお、図６および図７中、図３と同様の部分には、同様の符号を付して説 明を省略する。

【００２６】 即ち、図６は、本考案に係る装飾用鎖で用いられる連結部材の他の態様を示す 斜視図であり、この態様では、図示されるように、連結部材６は、両端の係合端 部７，７間に、円柱状の張出部１８を備えている。

【００２７】 また、図７は、本考案に係る装飾用鎖で用いられる連結部材のさらに他の態様 を示す斜視図であり、図示されるように、連結部材６は、円柱部および円錐台部 からなる両端の係合端部２７，２７間に、球状の張出部２８を備えており、係合 端部２７−張出部２８間は円柱状となっている。

【００２８】 図６および図７に示される連結部材６においても、張出部１８，２８によって 上述の板状連結部材６と同様の機能を奏する他、張出部１８，２８の形状によっ て中空体間のデザイン上のアクセントとすることができる。

【００２９】 このような立体的張出部１８，２８は、全体と同様の材料で一体的に製造して もよいが、他の部分を強度の高い材料で作成し、張出部１８，２８を、これと異 なる特に装飾性に優れた材質、例えば貴金属、宝石としてもよい。

【００３０】 以上本考案を、好ましい態様を例示して説明してきたが、本考案はこれら態様 に限定されるものではなく、本考案の構成および効果の範囲内において、種々の 形状的および材質的変更が可能である。

【００３１】 従って例えば、本考案においては、上述したように連結部材を別の形状とする だけでなく、異なる形状および／または材質の複数種の中空体や、異なる形状お よび／または材質の複数種の連結部材を用いても良く、両者を組み合わせて用い て種々のデザインの装飾用鎖を作成できる。また、連結部材の張出部は、以上説 明した機能を奏する限り、単数であっても複数であってもよい。

【００３２】

【考案の効果】

本考案に係る装飾用鎖によれば、上記係合端部および張出部を有する連結部材 を用いているため、連結部材の係合端部の幅より広くかつ張出部の幅よりも狭い 孔部を両端部に有する中空体を形成し、これを用いて組み立てることにより、こ の孔部から連結部材の一方の係合端部を挿入して孔部周縁に張出部を当接させ、 連結部材を所定位置に容易に保持固定することができ、ひいては孔部の塑性変形 作業をも簡単とすることが可能であり、生産性の向上が期待できる。

【００３３】 また本考案に係る装飾用鎖によれば、中空体内部に磁性体を装着することが可 能である他、張出部を種々の形状、例えば板状、円柱状、角柱状、球状および多 面体状などとし、あるいは種々の材質、例えば特に装飾性の高い金属、宝石等で 形成することにより、中空体の形状および材質と合わせて多様性のあるデザイン を実現することが可能である。

【００３４】 このような本考案に係る装飾用鎖は、それ自体の装飾性を高くすることができ るため、ネックレス、ブレスレット、ベルトなどの装身具用鎖として用いること ができる他、種々の玩具、タグ、キーホルダなどの懸垂用、鞄、靴、着衣、室内 あるいはショーウインドーなどの装飾用など種々の用途に好適に使用することが できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】添付図１は、本考案に係る装飾用鎖の好ましい
一態様を示す一部切欠きを含む平面図である。

【図２】添付図２は、図１に示す装飾用鎖の要部拡大平
面図である。

【図３】添付図３は、連結部材の好ましい一態様を示す
平面図である。

【図４】添付図４は、図３の連結部材の結合状態を説明
するための一部切欠きを含む拡大斜視図である。

【図５】添付図５は、本考案に係る装飾用鎖の組立を説
明するための模式図である。

【図６】添付図６は、本考案に係る装飾用鎖で用いられ
る連結部材の他の態様を示す斜視図である。

【図７】添付図７は、本考案に係る装飾用鎖で用いられ
る連結部材の他の態様を示す斜視図である。

【図８】添付図８(a)〜 (c)は従来の装飾用鎖の組立を
説明するための模式図である。

【符号の説明】

１・・・装飾用鎖 ３・・・中空部材 ４・・・連結用孔部 ６・・・連結部材 ７，２７・・・係合端部 ８，１８，２８・・・張出部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】両端部に係合用孔部を有する複数の中空体
   と、 前記係合用孔部より幅広となった両端の係合端部および
   該係合端部間に形成されかつより幅広な中央張出部を有
   するとともに、該係合端部と中央張出部との間の幅が前
   記係合用孔部より狭く、前記中空体の内部に前記係合用
   端部が、外部に前記張出部が位置するように隣接する中
   空体間に配設される複数の連結部材と、を備えることを
   特徴とする装飾用鎖。