JP4163066B2 - 装身具用部材及びそれを備える指輪並びに装身具用部材の製造方法 - Google Patents
装身具用部材及びそれを備える指輪並びに装身具用部材の製造方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、装身具用部材及びそれを備える指輪並びに装身具用部材の製造方法に関する。更に詳しくは、宝石が特定の宝石支持体により固持されており、多様な形態で装身具基材に接合可能な装身具用部材及びそれを備える指輪並びに装身具用部材の製造方法。
本発明の装身具用部材及びその製造方法は、指輪、ネックレス、ペンダント、ブローチ、イヤリング及びピアス等の装身具に幅広く利用することができる。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ダイヤモンド等の宝石の大半は、宝石の輝きを確保し、且つ宝石を確実に基材に固定させるため、下方部を石座に埋め込み、上方部を複数の爪により固定して、支持されるのが一般的であった。
しかし、近年では、個性的な外観を有するものが求められているため、宝石の輝きを低減させることなく、宝石を確実に支持でき、且つ独創性に溢れるものが検討されている(例えば、特許文献1及び2参照。)。
【0003】
【特許文献1】
登録実用新案公報第3056360号公報
【特許文献2】
特開2003−88408号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、宝石が特定の宝石支持体により確実に固持されており、且つ独創的な外観を有する装身具用部材及びそれを備える指輪並びに装身具用部材の製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は以下の通りである。
(1)宝石と、宝石支持体とを備え、該宝石支持体は、外径が最大となる該宝石の周縁部の上方側を支持する曲線状の上方側支持部と、該周縁部の下方側を支持する曲線状の下方側支持部とを有し、該上方側支持部及び該下方側支持部は少なくとも一部で結合されており、上記宝石は、上記周縁部の上方側及び下方側が各々上記上方側支持部及び上記下方側支持部により支持されていることにより、上記宝石支持体に固持されており、上記上方側支持部は上記周縁部における上方側の周縁の100%を支持しており、且つ上記下方側支持部は上記周縁部における下方側の周縁の30〜80%を支持していることを特徴とする装身具用部材。
(2)上記(1)に記載の装身具用部材と、指輪基材と、を備えることを特徴とする指輪。
(3)上記装身具用部材における宝石支持体と、上記指輪基材とがろう付されている上記(2)に記載の指輪。
(4)宝石を、上方側支持部材及び下方側支持部材を有する宝石支持部材における、該上方側支持部材及び該下方側支持部材により形成された溝部に、外径が最大となる該宝石の周縁部の上方側及び下方側が各々該溝部を形成する該上方側支持部材及び該下方側支持部材に当接されるように配置し、その後、上記宝石支持部材を上記周縁部の周方向に沿って湾曲させ、上記宝石を固持する装身具用部材の製造方法であって、上記上方側支持部材は上記周縁部における上方側の周縁の100%を支持し、且つ上記下方側支持部は上記周縁部における下方側の周縁の30〜80%を支持することを特徴とする装身具用部材の製造方法。
尚、本発明における「外径が最大となる周縁部」(以下、単に「周縁部」ともいう。)とは、通常、最大豊隆部を意味する。
【0006】
【発明の効果】
本発明の装身具用部材は、宝石が特定の宝石支持体により確実に固持されており、独創的な外観を有するものである。そのため、指輪、ネックレス、ペンダント、ブローチ、イヤリング及びピアス等の装身具に幅広く利用できる。
また、上方側支持部及び下方側支持部が各々宝石の周縁部における上方側及び下方側を特定の割合で支持している場合、宝石を確実に支持することができ、宝石の真上からの意匠性に優れ、且つ下部において宝石を視認できる面積が大きくなる。更には、より独創性に溢れる外観となる。
本発明の指輪は、上記装身具用部材を備えているため、独創的な外観を有するものである。
また、装身具用部材と指輪基材とがろう付されている場合には、両者が確実に接合された指輪となる。
本発明の装身具用部材の製造方法によれば、上記装身具用部材を容易に製造することができる。また、上方側支持部材及び下方側支持部材が各々宝石の周縁部における上方側及び下方側を特定の割合で支持されるため、宝石を確実に支持することができ、宝石の真上からの意匠性に優れ、且つ下部において宝石を視認できる面積が大きな装身具用部材を得ることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
(1)装身具用部材
本発明の装身具用部材の一例を図1〜3に示す。尚、図1は装身具用部材の正面図であり、図2は装身具用部材の右側面図であり、及び図3は装身具用部材の平面図である。
本発明の装身具用部材1は、宝石2と、宝石支持体3とを備える。宝石支持体3は、外径が最大となる宝石2の周縁部の上方側を支持する上方側支持部31及び下方側を支持する下方側支持部32を有しており、これらは少なくとも一部で結合されている。
また、図3のA−A’断面図である図4に示すように、宝石2は、周縁部の上方側及び下方側が各々上方側支持部31及び下方側支持部32に支持されていることにより、宝石支持体3に固持されている。具体的にいうと、この宝石2は、図4における装身具用部材の一端を拡大した図5に示すように、宝石2の周縁部の上方側及び下方側が各々溝部(空間)33を形成する上方側支持部31及び下方側支持部32に当接されており、上方側及び下方側の各支持部31、32に挟持される形で固持されている。
【0008】
上記「宝石」の種類は特に限定されず、例えば、ダイヤモンド、ルビー、サファイア、エメラルド及び真珠等の貴石、アメジスト、トルマリン及びトパーズ等の半貴石などが挙げられる。これらのうち、貴石が好ましく、ダイヤモンド、真珠がより好ましい。
宝石の形状は、宝石支持体により宝石の周縁部が固持されるものであれば特に限定されず、例えば、ファセットカットされたもの、真球、楕円球等の球形状のものなどが挙げられる。尚、ファセットカットされた宝石とは、宝石の上半部であり且つ複数のカット面からなるクラウン部と、宝石の下半部であり且つ複数のカット面からなるパビリオン部と、その間のガードル部とを有するものである。上記ファセットカットの種類は特に限定されないが、ラウンドブリリアントカット、シングルカット等の平面図が円形となるもの、及びオバールカット等の平面図が楕円形となるものが好ましい。特に、ラウンドブリリアントカット、シングルカットが好ましい。
また、ラウンドブリリアントカット等のファセットカットされた宝石(ダイヤモンド等)である場合には、宝石のガードル部周辺(ガードル部、クラウン部のガードル部側及びパビリオン部のガードル部側)が、上方側支持部及び下方側支持部により形成される溝部(空間)の奥の方まで嵌めこまれ、上方側及び下方側の各支持部に挟持される形でより確実に固持される。
【0009】
また、上記「外径が最大となる宝石の周縁部」とは、通常、最大豊隆部を意味する。即ち、宝石の横断面又は縦断面の外径が最大又は略最大となる外周を含む外周部を意味する。例えば、宝石の形状が、ファセットカットされた宝石(図4参照、形状;ラウンドブリリアントカット)のように、宝石に対して垂直な中心線を通る縦断面が左右対称であるような場合には、その宝石の横断面の外径が最大となる外周の上側及び下側を含む外周部が、外径が最大となる宝石の周縁部となる。尚、ファセットカットされた宝石であれば、通常、ガードル部周辺(ガードル部、クラウン部のガードル部側及びパビリオン部のガードル部側)が周縁部となる。また、宝石が真球形状である場合には、横断面及び縦断面に関わらず、球の中心を通る断面の外周の上側及び下側を含む外周部が、外径が最大となる宝石の周縁部となる。更に、宝石が楕円球形状である場合には、横断面又は縦断面の外径が最大となる外周の上側及び下側を含む外周部が、外径が最大となる宝石の周縁部となる。
尚、外周の上側とは、通常、外径が最大となる宝石の外周線から後述の宝石支持部における上方側支持部の厚みまで(特にその厚みの1/2まで)の領域を意味する。また、外周の下側とは、通常、外径が最大となる宝石の外周線から後述の宝石支持部における下方側支持部の厚みまで(特にその厚みの1/2まで)の領域を意味する。
【0010】
上記「宝石支持体」は、曲線状の上方側支持部と、曲線状の下方側支持部とを有する。
宝石支持体の材質は特に限定されず、例えば、金、白金、銀、ホワイトゴールド等の金属が挙げられる。尚、上方側支持部及び下方側支持部は、同じ材質からなっていてもよいし、異なる材質からなっていてもよい。
上記「上方側支持部」及び上記「下方側支持部」の各形状は曲線状であり、例えば、輪状形状、C字型形状等が挙げられる。尚、上方側支持部及び下方側支持部は、同じ形状であってもよいし、異なる形状であってもよい。
これらの支持部の各断面形状は特に限定されないが、通常、略円形である。この直径は特に限定されず、宝石支持体により支持される宝石の大きさに応じて適宜選択される。この直径は、通常、宝石が大きくなれば大きくなる。この直径は、例えば、0.1〜3mm、特に0.3〜2mm、更には0.5〜1mmとすることができる。尚、上方側支持部及び下方側支持部の各断面における直径の大きさは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
上方側支持部と下方側支持部とは少なくとも一部で結合されている。これらの結合部は、宝石が確実に支持される限り特に限定されず、上方側支持部と下方側支持部とが重なっている全ての部分が結合されていてもよいし、重なっている部分の一部のみが結合されていてもよい。
【0011】
また、上方側支持部は、宝石の周縁部における上方側の周縁の100%を支持している。
この上方側支持部により支持される上方側の周縁が30%未満の場合、宝石を確実に支持できないことがある。また、上方側支持部が上方側の周縁の100%を支持している場合には、真上から宝石を眺めた際に、より意匠性に優れるものとなる。
更に、下方側支持部は、宝石の周縁部における下方側の周縁の30〜100%、特に30〜90%、更には30〜80%を支持していることが好ましい。尚、宝石の周縁部における下方側の周縁において、任意の長さの複数の下方側支持部により周縁部における下方側の周縁を任意の割合で分割して支持していてもよい。この下方側支持部により支持される下方側の周縁が30%未満の場合、宝石を確実に支持できないことがある。また、下方側支持部が下方側の周縁の100%ではなく、30〜90%を支持している場合には、宝石を確実に支持することができ、且つ下方部において宝石を視認できる面積が大きくなる。更には、より独創性に溢れる外観を有する装身具用部材となる。
【0012】
また、本発明の装身具部材においては、上方側支持部が宝石の周縁部における上方側の周縁の100%、且つ下方側支持部が周縁部における下方側の周縁の30〜100%、特に上方側支持部が上方側の周縁の100%、且つ下方側支持部が下方側の周縁の30〜90%、更には、上方側支持部が上方側の周縁の100%、且つ下方側支持部が下方側の周縁の30〜80%を支持していることが好ましい。この場合、宝石を確実に支持することができ、宝石の真上からの意匠性に優れ、且つ下部において宝石を視認できる面積が大きくなる。更には、より独創性に溢れる外観となる。
【0013】
(2)装身具用部材の製造方法
本発明の装身具用部材を製造する方法は特に限定されないが、例えば、本発明の装身具用部材の製造方法により製造することができる。
本発明の装身具用部材の製造方法の一例を図6及び図7を用いて説明する。尚、図6は宝石支持部材の形態を説明する説明図であり、図7は装身具用部材の製造を説明する説明図である。
図7に示すように、宝石2を、上方側支持部材31及び下方側支持部材32を有する宝石支持部材3における、上方側支持部材31及び下方側支持部材32により形成された溝部(空間)33に、この宝石2の周縁部の上方側及び下方側が各々溝部33を形成する上方側支持部材31及び下方側支持部材32に当接されるように配置し、その後、宝石支持部材3を宝石2の周縁部の周方向に沿って湾曲させ、宝石2を固持し、図1に示すような装身具用部材1を製造する。尚、図6及び図7における、上方側支持部材31、下方側支持部材32及び宝石支持部材3は、それぞれ図1に示す装身具用部材1における上方側支持部31、下方側支持部32及び宝石支持体3となるため、便宜上、同符合となっている。
【0014】
上記「宝石」については、前記の各説明をそのまま適用することができる。また、宝石がラウンドブリリアントカット等のようにファセットカットされたものである場合には、宝石のガードル部周辺が、上方側支持部材及び下方側支持部材により形成される溝部(空間)の奥の方まで嵌めこまれ、上方側及び下方側の各支持部材に挟持される形でより確実に固持することができるため好ましい。
上記「宝石支持部材」は、上方側支持部材と下方側支持部材とを有するものである。
宝石支持部材の材質は特に限定されず、例えば、金、白金、銀及びホワイトゴールド等の金属が挙げられる。尚、上方側支持部材及び下方側支持部材は、同じ材質からなっていてもよいし、異なる材質からなっていてもよい。
上記「上方側支持部材」及び上記「下方側支持部材」の各断面形状は特に限定されないが、通常、略円形である。この直径は特に限定されず、宝石支持部材により支持される宝石の大きさに応じて適宜選択される。この直径は、通常、宝石が大きくなれば大きくなる。この直径は、例えば、0.1〜3mm、特に0.3〜2mm、更には0.5〜1mmとすることができる。尚、上方側支持部材及び下方側支持部材の各断面における直径の大きさは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。
また、上方側支持部材と下方側支持部材とは、少なくとも一部で結合されている。これらが結合されている割合は、宝石が確実に支持される限り特に限定されず、これらの各支持部材が重なっている全ての部分が結合されていてもよいし、重なっている部分の一部のみが結合されていてもよい。
【0015】
更に、宝石支持部材の形状は、宝石の周縁部における上方側及び下方側の各周縁が挟持された形で支持できる上記「溝部(空間)」が形成されており、宝石における周縁部の上方側及び下方側が各々この溝部を形成する上方側支持部材及び下方側支持部材に当接されるように配置できるものであれば、特に限定されない。例えば、(a)図6のようなU字型形状の上方側支持部材31と、2本の線状の下方側支持部材32と、これらの各支持部材31、32により形成される溝部33とを備えるもの、(b)図14のようなU字型形状の上方側支持部材31と、2本の湾曲状の下方側支持部材32と、これらの各支持部材31、32により形成される溝部33とを備えるもの、(c)図15のような輪状形状の上方側支持部材31と、2本の線状の下方側支持部材32と、これらの各支持部材31、32により形成される溝部33とを備えるもの、(d)図16のような輪状形状の上方側支持部材31と、2本の湾曲状の下方側支持部材32と、これらの各支持部材31、32により形成される溝部33とを備えるもの、(e)図17のような輪状形状の上方側支持部材31と、2本の円弧状の下方側支持部材32と、これらの各支持部材31、32により形成される溝部33とを備えており、宝石挿入側[下方側支持部材の開放側。図17の場合には、中心線X(宝石支持部材の中心と、下方側支持部材32上の2点とを結ぶ直線)の右側であっても左側であってもよい。]の逆側に位置する上方側支持部材31及び下方側支持部材32のみが少なくとも一部で接合されているもの、(f)図18のような輪状形状の上方側支持部材31と、円弧状の下方側支持部材32と、これらの各支持部材31、32により形成される溝部33とを備えており、宝石挿入側(下方側支持部材の開放側。即ち、中心線Xの左側。)の逆側に位置する上方側支持部材31及び下方側支持部材32のみが少なくとも一部で接合されているもの等が挙げられる。
尚、各支持部材の長さを調整してやることで、宝石の周縁部における上方側及び下方側の各周縁を支持する割合を調整することができる。
【0016】
上方側支持部材は、宝石の周縁部における上方側の周縁の30〜100%、特に60〜100%、更には100%を支持することが好ましい。尚、任意の長さの複数の上方側支持部材により宝石の周縁部における上方側の周縁を任意の割合で分割して支持することもできる。
この上方側支持部材により支持される上方側の周縁が30%未満の場合、宝石を確実に支持できないことがある。また、上方側支持部材が上方側の周縁の100%を支持している場合には、真上から宝石を眺めた際に、より意匠性に優れる装身具用部材を得ることができる。
また、下方側支持部材は、宝石の周縁部における下方側の周縁の30〜100%、特に30〜90%、更には30〜80%を支持していることが好ましい。尚、任意の長さの複数の下方側支持部材により周縁部における下方側の周縁を任意の割合で分割して支持することもできる。この下方側支持部材により支持される下方側の周縁が30%未満の場合、宝石を確実に支持できないことがある。また、下方側支持部材が下方側の周縁の100%ではなく、30〜90%を支持している場合には、宝石を確実に支持することができ、且つ下方部において宝石を視認できる面積が大きな装身具用部材を得ることができる。
【0017】
更に、本発明の装身具部材の製造方法においては、上方側支持部材が宝石の周縁部における上方側の周縁の30〜100%、且つ下方側支持部材が周縁部における下方側の周縁の30〜100%、特に上方側支持部材が上方側の周縁の60〜100%、且つ下方側支持部材が下方側の周縁の30〜90%、更には、上方側支持部材が上方側の周縁の100%、且つ下方側支持部材が下方側の周縁の30〜80%を支持することが好ましい。この場合、宝石を確実に支持することができ、宝石の真上からの意匠性に優れ、且つ下部において宝石を視認できる面積が大きな装身具用部材を得ることができる。
【0018】
上記宝石支持部材を製造する方法は特に限定されず、この宝石支持部材は、(a)鋳造等により所定形状の上方側支持部材及び下方側支持部材を別々に作製し、その後、各々を所定の位置でろう付等により結合させて製造されたものであってもよいし、(b)鋳造等により作製された、所定形状の上方側支持部材と下方側支持部材とを有する一体成形物であってもよい。
【0019】
宝石の周縁部を溝部に配置する方法は特に限定されないが、例えば、図6、図14に示す各宝石支持部材等のように、同方向側(図6及び図14における右側)の上方側支持部材及び下方側支持部材が共に開放されている場合には、開放されている側から宝石を配置することができる。また、図15、図16に示す各宝石支持部材等のように、上方側支持部材又は下方側支持部材が輪状形状である場合には、輪状形状ではない方の支持部材側から宝石を斜めに挿入することで配置することができる。この場合、輪状形状ではない方の支持部材を予め輪状形状の支持部材よりも外側に形成しておき、宝石を溝部に配置し易くすることもできる。尚、このように、一方の支持部材を他方の支持部材よりも外側に形成したとしても、宝石支持部材を周縁部の周方向に沿って、湾曲させることで、宝石を確実に固持することができる。
【0020】
宝石支持部材を宝石における周縁部の周方向に沿って湾曲させ、宝石を固持する方法は特に限定されず、例えば、たがね、プライヤ等を用いることにより行うことができる。これらのうち、たがねを用いるたがね留めを利用することが好ましい。
【0021】
更に、図17、図18に示す各宝石支持部材のように、上方側支持部材が輪状形状であり、下方側支持部材が円弧状である場合には、上方側支持部材と下方側支持部材とが接合されていない側(宝石挿入側)から、宝石を押し込むように挿入することで溝部に配置することができる。この場合、宝石挿入側に位置する2箇所の下方側支持部材が宝石の挿入により外側に押し広げられ、宝石が所定位置に収まると弾性の力で元の円弧状に戻り、宝石が確実に固持される。
この宝石挿入側に位置する2箇所の下方側支持部材の長さは、宝石挿入時に押し広げられても元の円弧状に弾性の力で戻り、且つ宝石を固持することができる限り、特に限定されない。この宝石挿入側に位置する下方側支持部材の各々の長さは、例えば、0.5〜4mm、特に1〜3mm、更には1.5〜3mmとすることができる。
【0022】
また、本発明の装身具用部材は、例えば、前記宝石と、上方側支持部材と、下方側支持部材とを用意し、宝石における周縁部の上方側及び下方側の各周縁が挟持されるように、上方側支持部材及び下方側支持部材を配置し、上方側支持部材及び下方部側支持部材が重なる部分のうちの少なくとも一部をろう付等により結合して宝石支持部材を形成し、必要に応じて宝石支持部材を宝石の周方向に沿って湾曲させて、宝石を固持することにより製造することもできる。この際、各支持部材の形状は特に限定されず、輪状形状、C字型形状、U字型形状、直線状及び曲線状等の形状が挙げられる。
【0023】
(3)指輪
本発明の指輪は、装身具用部材と、指輪基材と、を備えるものである。
上記「装身具用部材」については、前記の説明をそのまま適用することができる。この装身具用部材の個数は特に限定されず、1個のみであってもよいし、複数個であってもよい。
上記「指輪基材」の材質は特に限定されず、例えば、金、白金、銀及びホワイトゴールド等の金属などが挙げられる。
この指輪基材の形状は、指に装着することができる限り特に限定されず、輪状形状、C字型形状等が挙げられる。
また、この指輪基材には、装身具用部材を取り付けるため、台座等の取付け部が形成されていてもよい。この取付け部を構成する台座等の材質は特に限定されず、例えば、金、白金、銀及びホワイトゴールド等の金属などが挙げられる。
【0024】
この指輪における装身具用部材は、通常、この装身具用部材における宝石支持体と基材とが直接、又は取付け部を介して接合されている。尚、宝石支持体における接合部位は、上方側支持部及び下方側支持部の両方であってもよいし、どちらか一方のみであってもよい。
宝石支持体と指輪基材との接合方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。
【0025】
(4)指輪の製造方法
本発明の指輪を製造する方法は特に限定されず、例えば、前記装身具用部材における宝石支持体と、指輪基材とを接合することにより製造することができる。
上記「装身具用部材」及び上記「指輪基材」については、前記の各説明をそのまま適用することができる。
宝石支持体と指輪基材との接合方法は特に限定されず、ろう付等の方法を用いることができる。
宝石支持体と指輪基材とは、直接接合されていてもよいし、台座等の取付け部を介して接合されていてもよい。更に、宝石支持体における接合部位は、上方側支持部及び下方側支持部の両方であってもよいし、どちらか一方のみであってもよい。
【0026】
また、本発明の指輪は、例えば、指輪基材又は指輪基材に形成された取付け部に宝石支持体となる宝石支持部材を接合し、その後、宝石支持部材の上方側支持部材及び下方側支持部材により形成された溝部に、宝石の周縁部を配置し、宝石支持部材を周縁部の周方向に沿って湾曲させ、宝石を固持して製造することもできる。
【0027】
【実施例】
以下、図面を参照して実施例により本発明を具体的に説明する。
実施例1
(1)装身具用部材の製造
図6に示すような、U字型形状の上方側支持部材(材質;18金、断面の直径;0.8mm)31及び直線状の下方側支持部材(材質;18金、断面の直径;0.8mm)32を有する宝石支持部材3をロストワックス法による鋳造により一体成形した。
その後、図7に示すように、クラウン部、パビリオン部及びガードル部を有するラウンドブリリアントカットされた宝石2[種類;ダイヤモンド、大きさ;0.4カラット]を、得られた宝石支持部材3の上方側支持部材31及び下方側支持部材32により形成された溝部(空間)33に、外径が最大となる宝石2の周縁部の上方側及び下方側(ガードル部周辺)が各々溝部33を形成する上方側支持部材31及び下方側支持部材32に当接されるように配置し、次いで、上方側支持部材31及び下方側支持部材32を、たがねにより宝石2の周方向に沿って湾曲させて宝石2をたがね留めにより固持し、図1〜3に示すような、宝石2と、宝石2における周縁部の上方側の周縁の100%を支持する上方側支持部31、及び周縁部の下方側の周縁の50%を、25%ずつ2箇所で支持する下方側支持部32を有する宝石支持体3と、を備える装身具用部材1を製造した。
【0028】
この装身具用部材1における宝石2は、図3のA−A’断面図である図4に示すように、周縁部の上方側及び下方側が各々上方側支持部31及び下方側支持部32に支持されていることにより、宝石支持体3に固持されている。具体的にいうと、宝石2は、図4における装身具用部材の一端を拡大した図5に示すように、宝石2のガードル部周辺が上方側支持部31及び下方側支持部32により形成された溝部(空間)33に嵌めこまれており、上方側及び下方側の各支持部31、32に挟持される形で宝石支持体3に確実に固持されている。尚、図1は装身具用部材の正面図であり、図2は装身具用部材の右側面図であり、図3は装身具用部材の平面図である。また、図6及び7における、上方側支持部材31、下方側支持部材32及び宝石支持部材3は、装身具用部材を製造後、それぞれ図1における上方側支持部31、下方側支持部32及び宝石支持体3となるため、便宜上、同符合とした。
【0029】
(2)指輪の製造
図8(指輪の正面図)及び図9(指輪の右側面図)に示すように、上記(1)で得られた装身具用部材1における宝石支持体3と、基材51及び取付け部(台座)52を備える指輪基材5における取付け部52とが接合されるように、装身具用部材1を指輪基材5にろう付し、指輪4を製造した。
【0030】
尚、本発明においては、上記の具体的な実施例に示すものに限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。例えば、本実施例の装身具用部材は、図11(装身具用部材の正面図)及び図12(装身具用部材の右側面図)に示すように、上記(1)で用いた宝石(ラウンドブリリアントカットされたダイヤモンド)に代えて、球状の宝石(例えば、真珠等)7を用い、この宝石7が宝石支持体3により固持された装身具用部材とすることもできる。
また、本実施例の指輪は、図13に示すように、複数個(図では3個)の装身具用部材11〜13が指輪基材9にろう付により接合された、複数個の宝石を備える指輪8とすることもできる。
更に、実施例で用いた装身具用部材を、指輪基材に代えて他の装身具用基材に接合することで、ネックレス、ペンダント、ブローチ、イヤリング及びピアス等の装身具を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る装身具用部材の正面図である。
【図2】実施例に係る装身具用部材の右側面図である。
【図3】実施例に係る装身具用部材の平面図である。
【図4】図3におけるA−A’断面図である。
【図5】図4における装身具用部材の一端の拡大図である。
【図6】実施例に係る宝石支持部材の形態を説明する説明図である。
【図7】実施例に係る装身具用部材の製造を説明する説明図である。
【図8】実施例に係る指輪の正面図である。
【図9】実施例に係る指輪の右側面図である。
【図10】実施例に係る指輪の平面図である。
【図11】他の形態の装身具用部材の正面図である。
【図12】他の形態の装身具用部材の右側面図である。
【図13】他の形態の指輪の平面図である。
【図14】他の形態の宝石支持部材を説明する説明図である。
【図15】他の形態の宝石支持部材を説明する説明図である。
【図16】他の形態の宝石支持部材を説明する説明図である。
【図17】他の形態の宝石支持部材を説明する説明図である。
【図18】他の形態の宝石支持部材を説明する説明図である。
【符号の説明】
1、11、12、13;装身具用部材、2;宝石、3;宝石支持体(宝石支持部材)、31;上方側支持部(上方側支持部材)、32;下方側支持部(下方側支持部材)、33;溝部、4;指輪、5;指輪基材、51;基材、52;取付け部、6;装身具用部材、7;宝石、8;指輪、9;指輪基材。
Claims (4)
- 宝石と、宝石支持体とを備え、
該宝石支持体は、外径が最大となる該宝石の周縁部の上方側を支持する曲線状の上方側支持部と、該周縁部の下方側を支持する曲線状の下方側支持部とを有し、該上方側支持部及び該下方側支持部は少なくとも一部で結合されており、
上記宝石は、上記周縁部の上方側及び下方側が各々上記上方側支持部及び上記下方側支持部により支持されていることにより、上記宝石支持体に固持されており、
上記上方側支持部は上記周縁部における上方側の周縁の100%を支持しており、且つ上記下方側支持部は上記周縁部における下方側の周縁の30〜80%を支持していることを特徴とする装身具用部材。 - 請求項1に記載の装身具用部材と、指輪基材と、を備えることを特徴とする指輪。
- 上記装身具用部材における宝石支持体と、上記指輪基材とがろう付されている請求項2に記載の指輪。
- 宝石を、上方側支持部材及び下方側支持部材を有する宝石支持部材における、該上方側支持部材及び該下方側支持部材により形成された溝部に、外径が最大となる該宝石の周縁部の上方側及び下方側が各々該溝部を形成する該上方側支持部材及び該下方側支持部材に当接されるように配置し、その後、上記宝石支持部材を上記周縁部の周方向に沿って湾曲させ、上記宝石を固持する装身具用部材の製造方法であって、
上記上方側支持部材は上記周縁部における上方側の周縁の100%を支持し、且つ上記下方側支持部は上記周縁部における下方側の周縁の30〜80%を支持することを特徴とする装身具用部材の製造方法。
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