JP3061505U

JP3061505U - 不織布製使い捨てトランクス

Info

Publication number: JP3061505U
Application number: JP1999000716U
Authority: JP
Inventors: 正一中村
Original assignee: 日本エー・シー・ピー株式会社
Priority date: 1999-02-17
Filing date: 1999-02-17
Publication date: 1999-09-24
Anticipated expiration: 2005-02-17

Abstract

(57)【要約】【課題】着用感覚の良い不織布を用い、生産性及びァ
ッション性に優れた低コストの使い捨てトランクスを提
供する。【解決手段】不織布を二つ折りにしてトランクスの原
型を裁断し、前面の中央部と股下部に縫製部を設ける。
さらに、前面の上部を裏側に折り返して折り返し部を設
け、この折り返し部の端部付近にステッチを設けて折り
返し部を前面に固定する。これにより、左右両側面部と
背面部に縫製部のない不織布製トランクスが形成され
る。さらに、前記上前表の折り返し部に上前下縫い止ま
りステッチと上前上縫い止りステッチを設け、前記上前
下縫い止りステッチと前記上縫い止りステッチとの間に
オープン部を形成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は病院での検査、手術時ならびにサウナ等で一時的に使用し使い捨てする安価な下着に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来この種の使い捨て下着としては布製のものが用いられてきた。

【０００３】布製の下着は洗濯して何回も使用することができるが、洗濯、乾燥、保管等に手間がかかる等の問題がある。

【０００４】そして、洗濯してあるとはいえ、他人によって何回も使用された下着を着用することに衛生的に抵抗感を持つ人もいる。

【０００５】これに替わるものとして紙製の使い捨てパンツが存在するが、紙製の下着では着用感覚の点で劣るばかりか、湿気の多いところでの使用に耐えず、病院やサウナ等での使用には適していない。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

この考案は前記の問題点を解決するためになされたものであり、清潔感があって着用感覚の良い使い捨ての下着を提供することを目的とする。

【０００７】また、この考案は湿気の多いところでの使用に耐える使い捨ての下着を提供することを目的とする。

【０００８】さらに、この考案は折りたたむと軽くて小さくなり輸送に便利であり、多数の下着を保管するのに場所をとらず、しかも、生産性に優れて安価であり、且つ、ファッション性に優れたトランスくタイプの使い捨ての下着を提供することを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

前記の従来技術の課題を解決するため、本考案に係る使い捨て下着においてはは、二つ折りにして裁断した不織布を縫製して形成する下着であって、前記二つ折りの側端が重なり合う部分を前記下着の前面とする。この前面の中央部とその下方に位置する股下に縫製部を設け、前面の上部を裏側に折り返して折り返し部を設ける。折り返し部の端部付近にステッチを設けて前記折り返し部を前記前面に固定する。これにより左右両側面と後面に縫製部のないトランクスを製作する。又、前面の中央部の股上から力芯の縫い止りまで及び股下に縫製部を設け、前面の上前表の上部及び下前表の上部をそれぞれ裏側に折り返して折り返し部を設ける。下前表の折り返し部の端部に下前ステッチを設けて下前表の折り返し部を下前に固定し、上前表の折り返し部の端部に上前ステッチを設けて、上前表の折り返し部を上前に固定する。さらに、上前表の折り返し部に上前下縫い止りステッチと上前上縫い止りステッチを設け、上前下縫い止りステッチと上縫い止りステッチとの間、すなわち前面にオープン部を有し、左右両側面と後面に縫製部のないトランクスを製作する。このような構成を採用することにより、本考案に係るトランクス下着は、上記従来の課題を解決したのである。

【００１０】

【実施例】

以下、本考案に係る不織布性トランクスの詳細について、添付した図に基づいて説明する。

【００１１】図１はトランクスを製作する工程を示す図である。二つ折りにした不織布の生地を複数枚重ねて裁断し、トランクスの原型１を型抜する。不織布にはポリエステル及びポリプロピレン等の化学繊維を用いる。

【００１２】繰りの初めに、前面の前裏に力芯２を取付け、前面の中央部の股上１ａからウエスト端１ｂまで縫製して縫製部３を形成する。これにより、原型１は前面、左右両側面及び後面が連続して環状になる（図１Ａ）。

【００１３】次に、前面の上前表の左右の上部を裏側に折り返して、折り返し部１ｃ，１ｄを形成する。この折り返し部１ｃ，１ｄの端部付近に前中心ステッチ４及び５を設け、折り返し部１ｃ，１ｄを前面に固定する。これにより、前中心部分の生地が二重になる（図１Ｂ）。

【００１４】さらに、股下を縫製して縫製部１ｅを形成し、前裏のウエスト端１ｂにゴム１２を縫い付ける（図１Ｃ）。

【００１５】図２はこのようにして完成したトランクスを示す図である。図２Ａはトランクスを正面から見た図であり、図２Ｂはトランクスを後面から見た図である。

【００１６】このトランクスは原型１を環状にして正面と股下のみを縫製しているので、側面及び後面には縫い目がない。そして、前面にオープン部を設けてないが、必要によりオープン部を設けることができる。

【００１７】また、不織布を用いているため、しわができにくいので、縫製工程中のアイロン工程を省略することができ、仕上げプレスも省略することができた。

【００１８】図３は前面にオープン部を設けたトランクスを製作する工程を示す図である。同様に、複数の不織布の生地を二つ折りにして裁断し、トランクスの原型１を型抜する。くりの初めに前面の前裏に力芯２を取付け、前面の中央部の股上１ａから力芯２の縫い止り１ｆまで縫製して縫製部６を形成する。これにより原型１は前面、左右両側面及び後面が連続して環状になる（図３Ａ）。

【００１９】次に、上前表となる方の上部を裏側に折り返して折り返し部１ｇを形成する。一方、下前表となる方の上部を折り返し部１ｇと重なるように、すなわち中央部にせり出すように裏側に折り返して折り返し部１ｈを形成する。そして、下前表の縫い止り１ｆから折り返し部１ｈの端部付近のウエスト端部１ｉ迄下前ステッチ７を設け、折り返し部１ｈを下前に固定する（図３Ｂ）。

【００２０】次に、上前表の折り返し部１ｇの端部付近に上前ステッチ８を設け、折り返し部１ｇを上前に固定する。次に、上前表の折り返し部１ｇに上前下縫い止りステッチ９と上前上縫い止りステッチ１０を設ける。このようにして、折り返し部１ｈとその上に重なる折り返し部１ｇに設けたステッチ９とステッチ１０との間にオープン部１１が形成される（図３Ｃ）。

【００２１】さらに、股下を縫製して縫製部１ｊを形成し、前裏のウエスト端部にゴム１２を縫い付け前面にオープン部１１を有するトランクスが完成する（図３Ｄ）。

【００２２】図４はこのようにして完成したフロントオープン部を有するトランクスを示す図である。図４Ａはトランクスを正面から見た図、図４Ｂはトランクスを後面から見た図である。

【００２３】実施例においては、化学繊維の不織布を用いているので生地の厚みが少なく、しかも生地の目に方向性がなくほつれないため、複数枚の生地を重ねて裁断した。そして、直線でもカーブラインでもノッチのずれがないので容易に裁断を行うことができた。

【００２４】なお、化学繊維の不織布に替えて、パルプとポリエチレン等を混合した不織布を用いることも可能である。

【００２５】

【考案の効果】

以上述べたようにこの考案によれば、化学繊維の不織布を用いているので、生地に収縮、伸縮、ドレープ、だれがなくしかも厚みが薄く安定している。そのため裁断工程において、二つ折りにした複数枚の生地を重ねて下着の原型を型抜することが可能であることから、生産性に優れており極めて安価なコストで生産することができる。

【００２６】縫製工程においては、縫製個所が少ないことと生地の性質上縫製し易いことに加え、縫代の始末をする必要がない。さらに、アイロン工程を省略することができ、作業性が良い。そして、原型を環状にして縫製するので、縫製とステッチを設けるのはトランクスの前面のみで良い。

【００２７】仕上げ工程においてもプレスする必要がなく、作業時間を短縮することができる。完成した複数のトランクスを折りたたんで包装するとコンパクトにまとまるので、輸送ならびに保管に便利である。

【００２８】このように、低コストで使い捨てのトランクスを製造供給することができる。そして、生地が紙ではなく不織布であるため着用感覚が良く、湿気の多いところでの長期保管及び水に濡れた状態での使用にも耐える。また、使い捨てであり、他人が使ったものを洗って使用するものではないので、使用者に対する清潔感が確保されるのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】トランクスを完成する工程を示す図である。Ａ
はトランクスの原型を型抜した状態を示す図である。Ｂ
はトランクスの上前表に折り返し部を形成し、前中心ス
テッチを設けた状態を示す図である。Ｃはトランクスの
股下を縫製し、ウエスト端の裏側にゴムを縫い付けた状
態を示す図である。

【図２】トランクスの完成した状態を示す図である。Ａ
は完成したトランクスを正面から見た図である。Ｂは完
成したトランクスを後面から見た図である。

【図３】前面にオープン部を有するトランクスを完成す
る工程を示す図である。Ａはトランクスの原型を型抜
し、力芯を取付け、一部を縫製した状態を示す図であ
る。Ｂは前表の一部を裏側に折り返し、ステッチを設け
た状態を示す図である。Ｃは複数の上前ステッチを設け
た状態を示す図である。Ｄは股下を縫製し、ウエスト端
の裏側にゴムを縫い付けた状態を示す図である。

【図４】前面にオープン部を有するトランクスの完成し
た状態を示す図である。Ａは完成したトランクスを正面
から見た図である。Ｂは完成したトランクスを後面から
見た図である。

【符号の説明】

１原型２力芯３縫製部４前中心ステッチ５前中心ステッチ６縫製部７下前ステッチ８上前ステッチ９上前下縫い止りステッチ１０上前上縫い止りステッチ１１オープン部１２ゴム

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】二つ折りにして裁断した不織布を縫製して
形成する下着であって、前記二つ折りの側端が重なり合う部分を前記下着の前面
とし、該前面の中央部とその下方に位置する股下に縫製部を設
け、前記前面の上部を裏側に折り返して折り返し部を設け、該折り返し部の端部付近にステッチを設けて前記折り返
し部を前記前面に固定することにより、前記下着の左右両側面と後面に縫製部を設けないことを
特徴とする不織布製使い捨てトランクス。
【請求項２】前記前面の前裏に力芯が取付けられ、前記前面の中央部の縫製部は股上からウエスト端迄設け
られ、前記折り返し部は前記前面の左右両側に設けられること
を特徴とする請求項１に記載の不織布製使い捨てトラン
クス。
【請求項３】二つ折りにして裁断した不織布を縫製して
形成する下着であって、前記二つ折りの側端が重なり合う部分を前記下着の前面
とし、前記前面の中央部の股上から力芯の縫い止りまで
及び前記股下に縫製部を設け、前記前面の上前表の上部及び下前表の上部をそれぞれ裏
側に折り返して折り返し部を設け、前記下前表の折り返し部の端部に下前ステッチを設けて
前記下前表の折り返し部を前記前面に固定し、前記上前表の折り返し部の端部に上前ステッチを設け
て、前記上前表の折り返し部を前記前面に固定し、さら
に前記上前表の折り返し部に上前下縫い止まりステッチ
と上前上縫い止りステッチを設け、前記上前下縫い止りステッチと前記上縫い止りステッチ
との間にオープン部を形成したことを特徴とする不織布
製使い捨てトランクス。
【請求項４】前記下前表の折り返し部が前記上前表の折
り返し部と一部が重なるように折り返すことを特徴とす
る請求項３に記載の不織布製使い捨てトランクス。
【請求項５】前記不織布はポリエステルもしくはポリプ
ロピレンの軽量な化学繊維であり、折りたたんでコンパ
クトに包装することを特徴とする請求項１乃至４に記載
の不織布製使い捨てトランクス。