JP3060887B2 - コンデンサ - Google Patents
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- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
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Description
電力用機器等に使用されるコンデンサに関するものであ
る。
ケース内にコンデンサ素子を収納し、樹脂封入をする乾
式コンデンサが主流となっている。
物理的または化学的外部環境から保護する機能を要求さ
れるとともに、電気的にも安全な構造を必要とする。ま
た更なる安全を確保するために外装には難燃化された樹
脂ケースが採用されていることが多い。
について説明する。コンデンサの外装ケースは使用され
る機器、用途に応じた必要機能に対し多くの構造が提案
され、実用化されてきた。特に電気機器用コンデンサ、
産業機器用コンデンサについては取り扱い性を主とする
利便性と小形化を強く要求されることから成形された樹
脂ケース外装が主流となっている。
載されている従来のコンデンサの外装構造を示すもので
あり、樹脂端子板12の両側面に凹部を設け、樹脂ケー
ス11のスリットの縁部壁面をスライドさせて嵌合する
構造を有している。
来の構成ではエポキシ樹脂やウレタン樹脂等の充填樹脂
15の注型時に樹脂端子板12並びにコンデンサ素子1
4の樹脂ケース11からの外れや浮きは防止できるが、
樹脂端子板12の凹部スリット寸法w11と樹脂ケース
11の壁面厚さt11の相関w11≧t11において
は、樹脂端子板スリット寸法w11並びに樹脂ケース壁
面厚さt11の寸法設定と寸法精度確保が困難であり充
填樹脂15の漏れを皆無にすることは不可能である欠点
があった。
合部に接着剤を塗布する手段等が実施されているが、余
分な部材と工程を必要とし有効な方策とはいい難い。ま
た接着は短時間で行うことが望ましいためシアノアクリ
レート等が使用されることが多く、生産工程の環境に不
利な影響を与えることにもなる。
で、接着剤等を使用せず、充填樹脂漏れの生じない確実
な樹脂封止を可能としたコンデンサを提供することを目
的とする。
に、本発明の第1のコンデンサは、軸方向に開口部を設
けた筒状ケースと、この筒状ケースと嵌合する端子板と
を備え、前記筒状ケースと前記端子板のそれぞれの嵌合
部のうち一方を凸形状とし、他方を凹形状とするととも
に、前記嵌合部のうち少なくとも一方が熱可塑性樹脂か
らなるものである。
向に開口部を設けた筒状ケースと、この筒状ケースと嵌
合する端子板とを備え、前記筒状ケースと前記端子板の
それぞれの嵌合部のうち一方を凸形状とし、他方を凹形
状とするとともに、前記凸形状の先端部分と前記凹形状
のくぼみ部分とにより中空空間部を設けたものである。
状の間隙寸法を0.5〜3.0mmとし、凸形状の先端部
分から前記凹形状のくぼみ部分までの寸法を0.5〜1
0mmとしたものである。
ケースと端子板とをスライドさせて嵌合し、前記スライ
ド嵌合時の挿入力を1.0〜5.0kgf・cmとしたもの
である。
出し用端子金具がインサート加工により端子板と一体成
形されたものである。
サは、熱可塑性樹脂の可撓性により、嵌合部の面密着性
が向上し、充填樹脂の侵入が阻止されることにより、充
填樹脂の漏れが防止される。
面としてそれぞれ独立した2面が確保されることとな
り、たとえ中空空間部に充填樹脂が侵入しても、その充
填樹脂にはケース内部の充填樹脂の自重が作用すること
がなくなるため、外部への漏れを防止することができ
る。
効果的で安全かつ経済的に中空空間部を設けることがで
きる。
スまたは端子板に応力変形を及ぼさず、充填樹脂漏れ防
止の効果を有するとともに、作業性も向上させることが
できる。
板と引き出し用金具との継ぎ目部分から充填樹脂が漏れ
ることがなく、より効果的である。
しながら説明する。
ンサ素子4がリード線を介し接続されている。なお、フ
ィルムコンデンサ素子4のフィルムにはメタライズドフ
ィルムを用いている。樹脂端子板2は全側面外周に凹状
のスライド嵌合用溝9を有しており、該スライド嵌合用
溝を図1右側の樹脂ケース1の外周の軸方向に設けられ
た開口部に沿って矢印の方向にスライドすることにより
嵌合させ一体化する。一体化後充填樹脂5(粘度:3〜
7ポイズ/25℃)を注入し、硬化することによりフィ
ルムコンデンサ完成品となる。
部断面を示すものであり図2(a)はB−B′断面を、
図2(b)はA−A′断面を示している。
部を拡大し詳細に図示したものである。図3に示すよう
に本構造は第1の密着面7と第2の密着面8の独立した
2つの密着面を持つとともに、中空空間部6を有してい
る。
を試作し実験した結果を以下に示す。先ず充填樹脂5の
漏れのない、且つ経済的で有効な嵌合寸法を求めるべく
嵌合部のwと中空空間部のtとの相関を検討した結果は
(表1)の通りであった。
内、充填樹脂漏れの生じた不良品の数を示す。
塑性樹脂のポリブチレンテレフタレートを使用した。
mm、t≧0.4mmで樹脂封止機能の確保が可能となる
が、w=0.5〜3.0mm、t=0.5〜10mmに設定
することが最も効果的で安全且つ経済的な手段であると
判断した。また密着面7,8の寸法L1,L2ともに
1.0mm以上あれば良いことも、実験結果から判明し
た。
子板2の材質の組み合わせについて実験した結果を(表
2)に示す。
記結果から最も良好と判断される寸法w=1.0mm、t
=1.0mmを選定した。また熱可塑性樹脂はポリブチレ
ンテレフタレート、熱硬化性樹脂はエポキシ樹脂とし
た。
の内、充填樹脂漏れの生じた不良品の数を示す。
は樹脂ケース1、樹脂端子板2のいずれか一方または両
方が熱可塑性樹脂にて構成されることが必要となる。
れの関係を表す実験の結果を(表3)に示す。スライド
嵌合部の寸法はw=1.0mm、t=1.0mmとし、樹脂
ケース1、樹脂端子板2ともに熱可塑性樹脂のポリブチ
レンテレフタレートとした。
内、充填樹脂漏れの生じた不良品の数を示す。
が0.8kgf・cm以上であれば樹脂封止は可能となる
が、7.5kgf・cm以上になると樹脂ケース1または樹
脂端子板2に応力変形を来し、挿入作業に無理が生じて
来る。注型樹脂漏れ防止の効果と、作業性の双方を確保
するためにはスライド嵌合時挿入力は1.0〜5.0kg
f・cmにすることが最も効果的である。
加工された樹脂端子板2にあらかじめ挿入穴を形成して
おき、各々を後に挿入一体化することが一般的に採用さ
れているが、本構成においては樹脂端子板2の成形加工
時にインサート加工し一体成形加工することがより効果
的である。
べて来たが、その作用を以下に詳述する。
脂ケース1と樹脂端子板2の第1の密着面7に侵入しよ
うとする。この時の侵入力は充填樹脂5特有の接触力に
よる毛細管現象と、充填樹脂5の有する自重によるもの
である。第1の密着面7の寸法精度と密着力が十分に確
保されていれば、充填樹脂5は、第1の密着面7で封止
されるが、十分な密着力が確保されていない場合は、充
填樹脂5は中空空間部6へ侵入し、第2の密着面8に達
する。しかしながら、中空空間部6は第1の密着面7と
第2の密着面8により形成された独立空間であることか
ら、中空空間部6に侵入した樹脂には、充填樹脂5の自
重が作用することはない。このことから、第2の密着面
8に達した充填樹脂5は自らの接触による毛細管現象に
よる侵入力のみになるとともに、第2の密着面8に達す
る充填樹脂5の量が極めて微少であることから、充填樹
脂5が密着面8を越えて外部へ漏れることがなくなり、
確実な樹脂封止が可能となる。
か一方または両方を熱可塑性樹脂にすることで熱可塑性
樹脂の有する可撓性により、スライド嵌合部の第1並び
に第2の密着面7,8の密着力が向上し、充填樹脂5の
侵入が阻止され、充填樹脂5の漏れる可能性は更に少な
くなる。この観点から、樹脂ケース1には、熱可塑性樹
脂のポリブチレンテレフタレート(GF20〜35%含
有)を用い、樹脂端子板2には、熱可塑性樹脂の6ナイ
ロン(東レ(社)製品名:東レ1014)などを用いる
ことがとりわけ好適である。
1、樹脂端子板2の材質として、熱可塑性はポリブチレ
ンテレフタレート、熱硬化性樹脂はエポキシ樹脂を用い
て説明したが、熱可塑性樹脂は、ポリブチレンテレフタ
レートに限らずポリエチレンテレフタレート、ポリカー
ボネート、ノリル、ナイロン等、熱硬化性樹脂はエポキ
シ樹脂に限らず、フェノール、不飽和ポリエステル等、
樹脂封入コンデンサに一般的に使用されている材料であ
ればよい。
凹状のスライド嵌合用溝9を設け、樹脂ケース1の嵌合
部を凸形状としたが、凹形状と凸形状をそれぞれ逆に設
けてもよいことは言うまでもない。
のコンデンサは、熱可塑性樹脂の可撓性により、嵌合部
の面密着性が向上し、充填樹脂の侵入が阻止されること
により、また、密着面としてそれぞれ独立した2面が確
保されることとなり、たとえ中空空間部に充填樹脂が侵
入しても、その充填樹脂にはケース内部の充填樹脂の自
重が作用することがなくなるため、充填樹脂の外部への
漏れを防止することができる。
の挿入力を適切な値に設定することにより、充填樹脂の
漏れの点でより信頼性の高い、高品質のコンデンサを提
供することができる。
の要部を示す分解斜視図
ンデンサのB−B′断面図 (b)はA−A′断面図
大断面図
Claims (5)
- 【請求項1】 軸方向に開口部を設けた筒状ケースと、
この筒状ケースと嵌合する端子板とを備え、前記筒状ケ
ースと前記端子板のそれぞれの嵌合部のうち一方を凸形
状とし、他方を凹形状とするとともに、前記嵌合部のう
ち少なくとも一方が熱可塑性樹脂からなるコンデンサ。 - 【請求項2】 軸方向に開口部を設けた筒状ケースと、
この筒状ケースと嵌合する端子板とを備え、前記筒状ケ
ースと前記端子板のそれぞれの嵌合部のうち一方を凸形
状とし、他方を凹形状とするとともに、前記凸形状の先
端部分と前記凹形状のくぼみ部分とにより中空空間部を
設けたコンデンサ。 - 【請求項3】 凹形状の間隙寸法を0.5〜3.0mmと
し、凸形状の先端部分から前記凹形状のくぼみ部分まで
の寸法を0.5〜10mmとした請求項2記載のコンデン
サ。 - 【請求項4】 筒状ケースと端子板とをスライドさせて
嵌合し、前記スライド嵌合時の挿入力を1.0〜5.0
kgf・cmとした請求項1〜3いずれか記載のコンデン
サ。 - 【請求項5】 引き出し用端子金具がインサート加工に
より端子板と一体成形された請求項1〜4いずれか記載
のコンデンサ。
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