JP3059640U - ハトメ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】加熱軟化やかしめのような面倒で手間のかかる
作業を要することなく、簡単かつ能率よくシート部材に
取り付けることができるハトメ装置を提供する。 【解決手段】それぞれ内孔３，６を有するリング状に形
成された表部材１と裏部材２とを備え、表部材１の下面
には内孔３に連なる筒部４が突出形成され、この筒部４
の突出先端側の外周部には凸部５が形成されており、こ
の表部材１の筒部４をシート部材Ｓの穴Ｓ1内に挿入
し、この挿入した筒部４の先端側の外周に前記裏部材２
の内孔６を、前記凸部５に対する前記内孔６の弾性的な
圧入により嵌着させ、この裏部材２と前記表部材１とで
前記シート部材Ｓを挟着する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、シート部材に通し穴を設けるような場合に用いるハトメ装置に関 する。

【０００２】

【従来の技術】

一般にこの種のハトメ装置は、それぞれ内孔を有するリング状に形成された表 部材と裏部材とで構成されている。そして表部材の下面にはこの表部材の内孔に 連なる筒部が突出形成され、裏部材の内孔が前記筒部の外周に嵌合可能となって いる。

【０００３】 このようなハトメ装置を例えば二枚に重ね合せたシート部材に取り付けるとき には、その二枚重ねのシート部材に前記筒部の外径に対応する寸法の穴をあけ、 この穴内に表部材の筒部をシート部材の表側から挿入し、この挿入した筒部の先 端側外周に裏部材の内孔を挿入してシート部材の裏面に裏部材を押し付ける。

【０００４】 そして表部材が熱可塑性樹脂で形成されている場合には、前記筒部の先端部周 縁を加熱軟化させて外側に拡げ、その拡開部で裏部材を係止し、また表部材が金 属で形成されている場合には、前記筒部の先端部周縁を外側にかしめ拡げてその 拡開部で裏部材を係止するようにしている。

【０００５】 このようなハトメ装置を取り付けることにより、二枚重ねのシート部材が互い に密着するように表部材と裏部材とで挟着されて綴じられるとともに、表部材の 内孔によりそのシート部材の表側から裏側に貫通する通し穴が構成される。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、このような従来のハトメ装置においては、これをシート部材に 取り付ける際に表部材の筒部をいちいち加熱して軟化させたりかしめなければな らず、このためその処理用の設備や工具類を必要とし、またその処理に面倒な手 間がかかり、作業能率が低下する難点がある。 この考案はこのような点に着目してなされたもので、その目的とするところは、 加熱軟化やかしめのような面倒で手間のかかる作業を何ら要することなく、簡単 かつ能率よくシート部材に取り付けることができるハトメ装置を提供することに ある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

この考案はこのような目的を達成するために、それぞれ内孔を有するリング状 に形成された表部材と裏部材とを備え、前記表部材の下面にはこの表部材の内孔 に連なる筒部が突出形成され、この筒部の突出先端側の外周部には凸部が形成さ れており、この表部材の筒部をシート部材の穴内に挿入し、この挿入した筒部の 先端側の外周に前記裏部材の内孔を、前記凸部に対する前記内孔の弾性的な圧入 により嵌着させ、この裏部材と前記表部材とで前記シート部材を挟着するように したものである。

【０００８】 そして、表部材および裏部材におけるシート部材挟着面には、先端が鋭利な複 数の突起を形成することが好ましい。

【０００９】

【考案の実施の形態】

以下、この考案の実施の形態について図面を参照して説明する。

【００１０】 図１ないし図３にはこの考案の第１の実施形態に係るハトメ装置を示してあり 、このハトメ装置は図１に示すように表部材１と裏部材２とからなり、これら表 部材１および裏部材２はそれぞれ例えばポリプロピレン等の合成樹脂で形成され ている。

【００１１】 表部材１は中央に内孔３を有するリング状に形成され、下面には前記内孔３に 連なる筒部４が一体に突出形成されている。そしてこの筒部４の突出先端側の外 周部にはその周方向に沿って連続する凸部５が一体に形成されている。

【００１２】 一方、裏部材２は内孔６を有するリング状に形成され、その内孔６の内径が前 記凸部５における外周の外径よりも僅かに小さな寸法となっている。

【００１３】 図２および図３には、ハトメ装置を例えば二枚重ねのシート部材Ｓに取り付け た状態を示してあり、その取り付けの手順について説明すると、まず二枚重ねの シート部材Ｓに表部材１の筒部４の外径に対応する寸法の穴Ｓ1をあけ、この穴 Ｓ1内に表部材１の筒部４をシート部材Ｓの表側から挿入する。

【００１４】 次に、前記筒部４の先端部に形成されている凸部５の外周にシート部材Ｓの裏 側から裏部材２の内孔６を圧入する。この圧入により内孔６の周縁の弾性的な変 形で内孔６が凸部５を通過して筒部４の外周に嵌着し、この嵌着で裏部材２と表 部材１とが結合して前記シート部材Ｓが挟着される。

【００１５】 このように表部材１の筒部４に裏部材２の内孔６を圧入して嵌着するだけで、 従来のような手間のかかる加熱軟化やかしめの作業を何ら要することなく、ハト メ装置を容易に能率よくシート部材Ｓに取り付けることができる。そしてこのハ トメ装置の取り付けにより、二枚重ねのシート部材Ｓを確実な密着状態に綴じ合 わすことができるとともに、表部材１の内孔３によりシート部材Ｓにその表側か ら裏側に貫通する通し穴を設けることができる。

【００１６】 図４にはこの考案の第２の実施形態を示してあり、この実施形態においては、 シート部材Ｓを挟着する表部材１の下面と裏部材２の上面とにそれぞれ先端が鋭 利な複数の突起１ａ，２ａが一体に突出形成されている。

【００１７】 このような構成においては、表部材１と裏部材２とでシート部材Ｓを挟着した ときに、前記各突起１ａ，２ａがシート部材Ｓに食い込み、このためシート部材 Ｓに対して表部材１および裏部材２を強固にかつ安定して取り付けることができ る。

【００１８】 なお、この考案のハトメ装置は二枚重ねのシート部材に取り付ける場合に限ら ず、三枚重ね又はそれ以上の重ね枚数のシート部材に取り付けことも、或いは一 枚のシート部材に取り付けることも可能である。

【００１９】 また、ハトメ装置の表部材および裏部材を合成樹脂で形成する場合に限らず、 そのいずれか一方を合成樹脂で、他方を金属で形成したり、或いはその両者を共 に金属で形成するような場合であってもよい。

【００２０】

【考案の効果】

以上述べたようにこの考案によれば、表部材の筒部に裏部材の内孔を圧入して 嵌着するだけで、手間のかかる加熱軟化やかしめを何ら要することなく、容易に 能率よくハトメ装置をシート部材に取り付けることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の第１の実施形態に係るハトメ装置の
表部材と裏部材とを示す断面図。

【図２】そのハトメ装置をシート部材に取り付けた状態
を示す断面図。

【図３】同じく平面図。

【図４】この考案の第２の実施形態に係るハトメ装置の
表部材と裏部材とを示す断面図。

【符号の説明】

１…表部材 １ａ…突起 ２…裏部材 ２ａ…突起 ３…内孔 ４…筒部 ５…凸部 ６…内孔 Ｓ…シート部材

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】それぞれ内孔を有するリング状に形成され
   た表部材と裏部材とを備え、前記表部材の下面にはこの
   表部材の内孔に連なる筒部が突出形成され、この筒部の
   突出先端側の外周部には凸部が形成されており、この表
   部材の筒部をシート部材の穴内に挿入し、この挿入した
   筒部の先端側の外周に前記裏部材の内孔を、前記凸部に
   対する前記内孔の弾性的な圧入により嵌着させ、この裏
   部材と前記表部材とで前記シート部材を挟着することを
   特徴とするハトメ装置。
2. 【請求項２】表部材および裏部材におけるシート部材挟
   着面には、先端が鋭利な複数の突起がそれぞれ形成され
   ていることを特徴とする請求項１に記載のハトメ装置。